JP3667208B2 - 光プリンタ用ledアレイ - Google Patents
光プリンタ用ledアレイ Download PDFInfo
- Publication number
- JP3667208B2 JP3667208B2 JP2000228436A JP2000228436A JP3667208B2 JP 3667208 B2 JP3667208 B2 JP 3667208B2 JP 2000228436 A JP2000228436 A JP 2000228436A JP 2000228436 A JP2000228436 A JP 2000228436A JP 3667208 B2 JP3667208 B2 JP 3667208B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- semiconductor layer
- led array
- island
- reverse
- conductivity
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Printers Or Recording Devices Using Electromagnetic And Radiation Means (AREA)
- Led Devices (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体発光装置に関し、特にページプリンタ用感光ドラムの露光用光源等に用いられる光プリンタ用LEDアレイに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の光プリンタ用LEDアレイの構成を図5〜図7により説明する。
図7は光プリンタ用LEDアレイの平面図であって、図5は図7のA−A'断面図、図6は図7のB−B'断面図である。
【0003】
21は半導体基板、22は一導電型半導体層、23は逆導電型半導体層、24は個別電極、25は共通電極である。
【0004】
半導体基板21上に、一導電型半導体層22と逆導電型半導体層23を設け、島状半導体層を構成し、さらに一導電型半導体層22の露出部に共通電極25(25a、25b)を接続して設け、逆導電型半導体層23に個別電極24を接続して設けている。
【0005】
また、図4に示すように共通電極25(25a、25b)は隣接する島状半導体層ごとに異なる群に属するように二群に分けて接続して設けられ、隣接する島状半導体層が同じ個別電極24に接続されている。
【0006】
26はチッ化シリコン膜等からなる保護膜であり、電極パターンと半導体層を絶縁するための絶縁膜として設けられている。
【0007】
このような光プリンタ用LEDアレイでは、個別電極24と共通電極25(25a、25b)の組み合わせを選択して電流を流すことによって、各発光ダイオードを選択的に発光させている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成の光プリンタ用LEDアレイにおいては、半導体層を各発光素子(LED)に分離する際にメサエッチングをおこない、島状に形成しているが、電極取り出し部は断線を防止するために順メサ状に形成し、一方の横方向については、その断面は逆メサ状になっていた。
【0009】
このような構成においては、横方向に発光した光が逆メサ状の側壁部分で反射されて島状半導体層の上面側に反射されるため、中央部分を貫通している個別電極24の下で発光した光は左右に分かれ両サイドの側壁部分に別れ、上面に放射される。
【0010】
この場合の発光強度分布を図8に示す。
横軸は切断面線B−B'の間隔であり、縦軸は発光強度である。
【0011】
同図に示すように、島状半導体層の端面に近い部分で角状の突出した発光強度分布が発生し、1つの発光素子で2つの光源が存在するような発光プロファイルになっていた。
【0012】
しかしながら、特に端部の逆メサの形状によって発光強度分布の形状が変化し、この形状の違いが印画品質を不安定にさせていた。
【0013】
本発明は叙上に鑑みてなされて完成されたものであり、その目的は発光強度分布を改善し、これによって印画品質の劣化を解消した高品質かつ高信頼性の光プリンタ用LEDアレイを提供することにある。
【0014】
【課題が解決しようとする手段】
本発明の光プリンタ用LEDアレイは、基板上に一導電型半導体層と逆導電型半導体層を積層してなる矩形状の島状半導体層を複数個配列し、各島状半導体層上にその一辺端を外側から覆うように個別電極を形成した構成において、前記島状半導体層の一辺端に対し逆メサ型の逆導電型半導体層と成し、その一辺端と対向する他辺端に対し順メサ型の逆導電型半導体層と成して、島状半導体層の他辺端近傍より光出射せしめたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図1〜図4により詳細に説明する。
図1は本発明に係る光プリンタ用LEDアレイ(半導体発光装置)の一実施形態を示す断面図である。図2は本発明に係る光プリンタ用LEDアレイの発光部の拡大図である。また、図4は本発明に係る光プリンタ用LEDアレイ(半導体発光装置)の一実施形態を示す平面図である。図3は図4におけるA−A'断面図であって、図1は図4におけるB−B'断面図である。
【0016】
図1に示す光プリンタ用LEDアレイにおいて、1は基板、2は一導電型半導体層、3は逆導電型半導体層、4は個別電極、5は共通電極、6は絶縁層である。また、図2に示すように、個別電極4を形成しない領域でもって、発光(光取り出し)領域7を成す。
【0017】
基板1はシリコン(Si)やガリウム砒素(GaAs)などの単結晶半導体基板やサファイア(Al2O3)などの単結晶絶縁基板からなる。単結晶半導体基板の場合(100)面を〈011〉方向に2〜7°オフさせた基板などが好適に用いられる。
【0018】
一導電方半導体層2は、バッファ層2a、オーミックコンタクト層2b、第一のクラッド層2cで構成される。
【0019】
バッファ層2aは2〜4μm程度の厚みに形成され、オーミックコンタクト層2bは0.1〜1.0μm程度の厚みに形成され、電子の注入層2cは0.2〜0.4μm程度の厚みに形成される。
【0020】
バッファ層2aとオーミックコンタクト層2bはガリウム砒素などで形成され、第一のクラッド層2cはアルミニウムガリウム砒素などで形成される。
【0021】
オーミックコンタクト層2bはシリコンなどの一導電型半導体不純物を1×1016〜1017atoms/cm3程度含有し、第一のクラッド層2cはシリコンなどの一導電型半導体不純物を1×1016〜1019atoms/cm3程度含有する。また、このとき電子注入層2cのAl組成はx=0.24〜0.5程度で形成する。
【0022】
バッファ層2aは基板1と半導体層との格子定数の不整合似基づくミスフィット転移を防止するために設けるものであり、半導体不純物を特に含有させる必要はない。
【0023】
逆導電型半導体層3は発光層3a、第2のクラッド層3b、およびオーミックコンタクト層3cで構成される。
【0024】
発光層3aと第2のクラッド層3bは0.1〜0.4μm程度の厚みに形成され、オーミックコンタクト層3cは0.01〜0.1μm程度の厚みに形成される。
【0025】
発光層3aと第2のクラッド層3bは、電子の閉じ込め効果と光の取り出し効果を考慮してアルミニウム砒素(AlAs)とガリウム砒素(GaAs)との混晶比を異ならしめる。オーミックコンタクト層3cはガリウム砒素などからなる。
【0026】
発光層3aと第2のクラッド層3bは亜鉛(Zn)などの逆導電型半導体不純物を1×1016〜1018atoms/cm3程度含有し、オーミックコンタクト層3cは亜鉛などの逆導電型半導体不純物を1×1019〜1020atoms/cm3程度含有する。
【0027】
絶縁膜6は窒化シリコンなどからなり、厚み3000〜5000Å程度に形成される。
【0028】
また、個別電極4と共通電極5は金/クロム(Au/AuGe/Cr)等からなり、厚み1μm程度に形成される。
【0029】
以上の通り、本発明の光プリンタ用LEDアレイでは、図1と図2に示すように、一導電型半導体層2と逆導電型半導体層3から成る矩形状の島状半導体層を基板1上に1列状に並べて、隣接する島状半導体層毎に、その上に一辺端を外側から覆うように個別電極4を形成し接続し、同じ個別電極4に接続された下の一導電型半導体層2が異なる共通電極5に接続されるように二群に分けて接続される。個別電極4を選択して電流を流すことによってページプリンタ用感光ドラムの露光用光源として用いられる。
【0030】
そして、本発明の光プリンタ用LEDアレイでは逆導電型半導体層3の一方の壁面が順メサ構造で、他の3方の壁面が逆メサ構造とする。
【0031】
このような構成を図3にて示すが、島状半導体層の一辺端に対して逆メサ型の逆導電型半導体層と成し、その一辺端と対向する他辺端に対して順メサ型の逆導電型半導体層と成している。
【0032】
本発明では図3に示すような一方の壁面を順メサ形状にするには、一旦、両壁面を逆メサ状で形成し、その後、一方の壁面のみを再度エッチングして順メサ状と成す。その後、順メサ面全体に金属の電極を形成してさらに反射効率を高める。
【0033】
かくして本発明の光プリンタ用LEDアレイによれば、個別電極4の下側の逆メサ型の逆導電型半導体層付近(島状半導体層の一辺端近傍)における発光が、その逆メサ面にて反射され、そして、順メサ面にて反射され、これによって、島状半導体層の他辺端近傍より光出射させる構成となり、その結果、光を効率よく光取り出し口に誘導することができ、発光時の発光プロファイルを急峻にすることができた。
【0034】
また、本発明の光プリンタ用LEDアレイにおいては、出射光を島状半導体の表面の一部分に集めることで、発光部の大きさが小さくてもコンタクトの部分の発光の分発光強度を向上できた。
【0035】
この場合の発光強度分布を図9に示す。
横軸は切断面線A−A'の間隔であり、縦軸は発光強度である。
【0036】
同図に示すように、島状半導体層の他辺端近傍より光出射され、光を効率よく光取り出し口に誘導することができ、発光時の発光プロファイルを急峻にすることができた。
【0037】
(光プリンタ用LEDアレイの製造方法)
次に、上述のような光プリンタ用LEDアレイの製造方法を説明する。
まず単結晶基板1上に、一導電型半導体層2、逆導電型半導体層3をMOCVD法などで順次積層して形成する。
【0038】
これらの一導電型半導体層2および逆導電型半導体層3を形成する場合、基板温度をまず400〜500℃に設定して200〜2000Åの厚みにアモルファス状のガリウム砒素膜を形成し、その後、基板温度を700〜900℃に上げて所望の厚みの半導体層2,3を形成する。
【0039】
この場合、原料ガスとしてはTMG((CH3)3Ga),TEG((C2H5)3Ga)、アルシン(AsH3)、TMA((CH3)3Al)、TEA((C2H5)3Al)などが用いられ、導電型を制御するためのガスとしては、シラン(SiH4)、セレン化水素(H2Se)、TMZ((CH3)3Zn)などが用いられ、キャリアガスとしては、H2が用いられる。
【0040】
次に隣接する素子同士が電気的に分離されるように,半導体層2,3が島状にパターニングされる。
【0041】
このエッチングは、硫酸過酸化水素水系のエッチング液を用いたウェットエッチングやCCl2F2ガスを用いたドライエッチングなどで行われる。
【0042】
次に、一導電型半導体層2の一端部側の一部が露出するためにエッチングする。その後、一対の逆メサ側の一端面を順メサ化するために片側の端面をレジストで覆ってエッチングする。さらに半導体層3cの表面の一部をエッチングする。それぞれのエッチングも硫酸過酸化水素水系のエッチング液を用いたウェットエッチングやCCl2F2ガスを用いたドライエッチングなどで行われる。
【0043】
しかる後、プラズマCVD法で、シランガス(SiH4)とアンモニアガス(NH3)を用いて、窒化シリコンからなる絶縁膜を形成してパターニングする。次にクロムと金を蒸着法やスパッタリング法で形成してパターニングし、さらにもう一度プラズマCVD法で、シランガス(SiH4)とアンモニアガス(NH3)を用いて、窒化シリコンからなる絶縁膜を形成してパターニングすることにより完成する。
【0044】
【発明の効果】
以上の通り、本発明の光プリンタ用LEDアレイにおいては、基板上に一導電型半導体層と逆導電型半導体層を積層してなる矩形状の島状半導体層を複数個配列し、各島状半導体層上にその一辺端を外側から覆うように個別電極を形成した構成において、前記島状半導体層の一辺端に対し逆メサ型の逆導電型半導体層と成し、その一辺端と対向する他辺端に対し順メサ型の逆導電型半導体層と成して、島状半導体層の他辺端近傍より光出射せしめたことで、発光プロファイルを急峻にし、さらに島状半導体層の逆メサ形状の辺以外の部分の殆どをオーミックコンタクト層にすることでコンタクト面積を広げ、駆動電圧を下げ、その結果、発光強度分布を改善し、印画品質の劣化を解消した高品質かつ高信頼性の光プリンタ用LEDアレイが提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のLEDアレイの一実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明のLEDアレイの一実施形態を示す拡大図である。
【図3】本発明のLEDアレイの光路を示す説明図である。
【図4】本発明のLEDアレイの概略平面図である。
【図5】従来のLEDアレイを示す断面図である。
【図6】従来のLEDアレイの他の部分を示す断面図である。
【図7】従来のLEDアレイを示す平面図である。
【図8】従来のLEDアレイ図7のB−B'断面におけるの発光強度分布を示す図である。
【図9】本発明に係るLEDアレイ図4のA−A'断面における発光強度分布を示す図である。
【符号の説明】
1・・基板、2・・一導電型半導体層、3・・逆導電型半導体層、4・・個別電極、5・・共通電極、6・・絶縁膜、7・・発光(光取り出し)領域
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体発光装置に関し、特にページプリンタ用感光ドラムの露光用光源等に用いられる光プリンタ用LEDアレイに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の光プリンタ用LEDアレイの構成を図5〜図7により説明する。
図7は光プリンタ用LEDアレイの平面図であって、図5は図7のA−A'断面図、図6は図7のB−B'断面図である。
【0003】
21は半導体基板、22は一導電型半導体層、23は逆導電型半導体層、24は個別電極、25は共通電極である。
【0004】
半導体基板21上に、一導電型半導体層22と逆導電型半導体層23を設け、島状半導体層を構成し、さらに一導電型半導体層22の露出部に共通電極25(25a、25b)を接続して設け、逆導電型半導体層23に個別電極24を接続して設けている。
【0005】
また、図4に示すように共通電極25(25a、25b)は隣接する島状半導体層ごとに異なる群に属するように二群に分けて接続して設けられ、隣接する島状半導体層が同じ個別電極24に接続されている。
【0006】
26はチッ化シリコン膜等からなる保護膜であり、電極パターンと半導体層を絶縁するための絶縁膜として設けられている。
【0007】
このような光プリンタ用LEDアレイでは、個別電極24と共通電極25(25a、25b)の組み合わせを選択して電流を流すことによって、各発光ダイオードを選択的に発光させている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成の光プリンタ用LEDアレイにおいては、半導体層を各発光素子(LED)に分離する際にメサエッチングをおこない、島状に形成しているが、電極取り出し部は断線を防止するために順メサ状に形成し、一方の横方向については、その断面は逆メサ状になっていた。
【0009】
このような構成においては、横方向に発光した光が逆メサ状の側壁部分で反射されて島状半導体層の上面側に反射されるため、中央部分を貫通している個別電極24の下で発光した光は左右に分かれ両サイドの側壁部分に別れ、上面に放射される。
【0010】
この場合の発光強度分布を図8に示す。
横軸は切断面線B−B'の間隔であり、縦軸は発光強度である。
【0011】
同図に示すように、島状半導体層の端面に近い部分で角状の突出した発光強度分布が発生し、1つの発光素子で2つの光源が存在するような発光プロファイルになっていた。
【0012】
しかしながら、特に端部の逆メサの形状によって発光強度分布の形状が変化し、この形状の違いが印画品質を不安定にさせていた。
【0013】
本発明は叙上に鑑みてなされて完成されたものであり、その目的は発光強度分布を改善し、これによって印画品質の劣化を解消した高品質かつ高信頼性の光プリンタ用LEDアレイを提供することにある。
【0014】
【課題が解決しようとする手段】
本発明の光プリンタ用LEDアレイは、基板上に一導電型半導体層と逆導電型半導体層を積層してなる矩形状の島状半導体層を複数個配列し、各島状半導体層上にその一辺端を外側から覆うように個別電極を形成した構成において、前記島状半導体層の一辺端に対し逆メサ型の逆導電型半導体層と成し、その一辺端と対向する他辺端に対し順メサ型の逆導電型半導体層と成して、島状半導体層の他辺端近傍より光出射せしめたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図1〜図4により詳細に説明する。
図1は本発明に係る光プリンタ用LEDアレイ(半導体発光装置)の一実施形態を示す断面図である。図2は本発明に係る光プリンタ用LEDアレイの発光部の拡大図である。また、図4は本発明に係る光プリンタ用LEDアレイ(半導体発光装置)の一実施形態を示す平面図である。図3は図4におけるA−A'断面図であって、図1は図4におけるB−B'断面図である。
【0016】
図1に示す光プリンタ用LEDアレイにおいて、1は基板、2は一導電型半導体層、3は逆導電型半導体層、4は個別電極、5は共通電極、6は絶縁層である。また、図2に示すように、個別電極4を形成しない領域でもって、発光(光取り出し)領域7を成す。
【0017】
基板1はシリコン(Si)やガリウム砒素(GaAs)などの単結晶半導体基板やサファイア(Al2O3)などの単結晶絶縁基板からなる。単結晶半導体基板の場合(100)面を〈011〉方向に2〜7°オフさせた基板などが好適に用いられる。
【0018】
一導電方半導体層2は、バッファ層2a、オーミックコンタクト層2b、第一のクラッド層2cで構成される。
【0019】
バッファ層2aは2〜4μm程度の厚みに形成され、オーミックコンタクト層2bは0.1〜1.0μm程度の厚みに形成され、電子の注入層2cは0.2〜0.4μm程度の厚みに形成される。
【0020】
バッファ層2aとオーミックコンタクト層2bはガリウム砒素などで形成され、第一のクラッド層2cはアルミニウムガリウム砒素などで形成される。
【0021】
オーミックコンタクト層2bはシリコンなどの一導電型半導体不純物を1×1016〜1017atoms/cm3程度含有し、第一のクラッド層2cはシリコンなどの一導電型半導体不純物を1×1016〜1019atoms/cm3程度含有する。また、このとき電子注入層2cのAl組成はx=0.24〜0.5程度で形成する。
【0022】
バッファ層2aは基板1と半導体層との格子定数の不整合似基づくミスフィット転移を防止するために設けるものであり、半導体不純物を特に含有させる必要はない。
【0023】
逆導電型半導体層3は発光層3a、第2のクラッド層3b、およびオーミックコンタクト層3cで構成される。
【0024】
発光層3aと第2のクラッド層3bは0.1〜0.4μm程度の厚みに形成され、オーミックコンタクト層3cは0.01〜0.1μm程度の厚みに形成される。
【0025】
発光層3aと第2のクラッド層3bは、電子の閉じ込め効果と光の取り出し効果を考慮してアルミニウム砒素(AlAs)とガリウム砒素(GaAs)との混晶比を異ならしめる。オーミックコンタクト層3cはガリウム砒素などからなる。
【0026】
発光層3aと第2のクラッド層3bは亜鉛(Zn)などの逆導電型半導体不純物を1×1016〜1018atoms/cm3程度含有し、オーミックコンタクト層3cは亜鉛などの逆導電型半導体不純物を1×1019〜1020atoms/cm3程度含有する。
【0027】
絶縁膜6は窒化シリコンなどからなり、厚み3000〜5000Å程度に形成される。
【0028】
また、個別電極4と共通電極5は金/クロム(Au/AuGe/Cr)等からなり、厚み1μm程度に形成される。
【0029】
以上の通り、本発明の光プリンタ用LEDアレイでは、図1と図2に示すように、一導電型半導体層2と逆導電型半導体層3から成る矩形状の島状半導体層を基板1上に1列状に並べて、隣接する島状半導体層毎に、その上に一辺端を外側から覆うように個別電極4を形成し接続し、同じ個別電極4に接続された下の一導電型半導体層2が異なる共通電極5に接続されるように二群に分けて接続される。個別電極4を選択して電流を流すことによってページプリンタ用感光ドラムの露光用光源として用いられる。
【0030】
そして、本発明の光プリンタ用LEDアレイでは逆導電型半導体層3の一方の壁面が順メサ構造で、他の3方の壁面が逆メサ構造とする。
【0031】
このような構成を図3にて示すが、島状半導体層の一辺端に対して逆メサ型の逆導電型半導体層と成し、その一辺端と対向する他辺端に対して順メサ型の逆導電型半導体層と成している。
【0032】
本発明では図3に示すような一方の壁面を順メサ形状にするには、一旦、両壁面を逆メサ状で形成し、その後、一方の壁面のみを再度エッチングして順メサ状と成す。その後、順メサ面全体に金属の電極を形成してさらに反射効率を高める。
【0033】
かくして本発明の光プリンタ用LEDアレイによれば、個別電極4の下側の逆メサ型の逆導電型半導体層付近(島状半導体層の一辺端近傍)における発光が、その逆メサ面にて反射され、そして、順メサ面にて反射され、これによって、島状半導体層の他辺端近傍より光出射させる構成となり、その結果、光を効率よく光取り出し口に誘導することができ、発光時の発光プロファイルを急峻にすることができた。
【0034】
また、本発明の光プリンタ用LEDアレイにおいては、出射光を島状半導体の表面の一部分に集めることで、発光部の大きさが小さくてもコンタクトの部分の発光の分発光強度を向上できた。
【0035】
この場合の発光強度分布を図9に示す。
横軸は切断面線A−A'の間隔であり、縦軸は発光強度である。
【0036】
同図に示すように、島状半導体層の他辺端近傍より光出射され、光を効率よく光取り出し口に誘導することができ、発光時の発光プロファイルを急峻にすることができた。
【0037】
(光プリンタ用LEDアレイの製造方法)
次に、上述のような光プリンタ用LEDアレイの製造方法を説明する。
まず単結晶基板1上に、一導電型半導体層2、逆導電型半導体層3をMOCVD法などで順次積層して形成する。
【0038】
これらの一導電型半導体層2および逆導電型半導体層3を形成する場合、基板温度をまず400〜500℃に設定して200〜2000Åの厚みにアモルファス状のガリウム砒素膜を形成し、その後、基板温度を700〜900℃に上げて所望の厚みの半導体層2,3を形成する。
【0039】
この場合、原料ガスとしてはTMG((CH3)3Ga),TEG((C2H5)3Ga)、アルシン(AsH3)、TMA((CH3)3Al)、TEA((C2H5)3Al)などが用いられ、導電型を制御するためのガスとしては、シラン(SiH4)、セレン化水素(H2Se)、TMZ((CH3)3Zn)などが用いられ、キャリアガスとしては、H2が用いられる。
【0040】
次に隣接する素子同士が電気的に分離されるように,半導体層2,3が島状にパターニングされる。
【0041】
このエッチングは、硫酸過酸化水素水系のエッチング液を用いたウェットエッチングやCCl2F2ガスを用いたドライエッチングなどで行われる。
【0042】
次に、一導電型半導体層2の一端部側の一部が露出するためにエッチングする。その後、一対の逆メサ側の一端面を順メサ化するために片側の端面をレジストで覆ってエッチングする。さらに半導体層3cの表面の一部をエッチングする。それぞれのエッチングも硫酸過酸化水素水系のエッチング液を用いたウェットエッチングやCCl2F2ガスを用いたドライエッチングなどで行われる。
【0043】
しかる後、プラズマCVD法で、シランガス(SiH4)とアンモニアガス(NH3)を用いて、窒化シリコンからなる絶縁膜を形成してパターニングする。次にクロムと金を蒸着法やスパッタリング法で形成してパターニングし、さらにもう一度プラズマCVD法で、シランガス(SiH4)とアンモニアガス(NH3)を用いて、窒化シリコンからなる絶縁膜を形成してパターニングすることにより完成する。
【0044】
【発明の効果】
以上の通り、本発明の光プリンタ用LEDアレイにおいては、基板上に一導電型半導体層と逆導電型半導体層を積層してなる矩形状の島状半導体層を複数個配列し、各島状半導体層上にその一辺端を外側から覆うように個別電極を形成した構成において、前記島状半導体層の一辺端に対し逆メサ型の逆導電型半導体層と成し、その一辺端と対向する他辺端に対し順メサ型の逆導電型半導体層と成して、島状半導体層の他辺端近傍より光出射せしめたことで、発光プロファイルを急峻にし、さらに島状半導体層の逆メサ形状の辺以外の部分の殆どをオーミックコンタクト層にすることでコンタクト面積を広げ、駆動電圧を下げ、その結果、発光強度分布を改善し、印画品質の劣化を解消した高品質かつ高信頼性の光プリンタ用LEDアレイが提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のLEDアレイの一実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明のLEDアレイの一実施形態を示す拡大図である。
【図3】本発明のLEDアレイの光路を示す説明図である。
【図4】本発明のLEDアレイの概略平面図である。
【図5】従来のLEDアレイを示す断面図である。
【図6】従来のLEDアレイの他の部分を示す断面図である。
【図7】従来のLEDアレイを示す平面図である。
【図8】従来のLEDアレイ図7のB−B'断面におけるの発光強度分布を示す図である。
【図9】本発明に係るLEDアレイ図4のA−A'断面における発光強度分布を示す図である。
【符号の説明】
1・・基板、2・・一導電型半導体層、3・・逆導電型半導体層、4・・個別電極、5・・共通電極、6・・絶縁膜、7・・発光(光取り出し)領域
Claims (1)
- 基板上に一導電型半導体層と逆導電型半導体層を積層してなる矩形状の島状半導体層を複数個配列し、各島状半導体層上にその一辺端を外側から覆うように個別電極を形成した光プリンタ用LEDアレイであって、前記島状半導体層の一辺端に対し逆メサ型の逆導電型半導体層と成し、その一辺端と対向する他辺端に対し順メサ型の逆導電型半導体層と成して、島状半導体層の他辺端近傍より光出射せしめたことを特徴とする光プリンタ用LEDアレイ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000228436A JP3667208B2 (ja) | 2000-07-28 | 2000-07-28 | 光プリンタ用ledアレイ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000228436A JP3667208B2 (ja) | 2000-07-28 | 2000-07-28 | 光プリンタ用ledアレイ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002043616A JP2002043616A (ja) | 2002-02-08 |
JP3667208B2 true JP3667208B2 (ja) | 2005-07-06 |
Family
ID=18721718
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000228436A Expired - Fee Related JP3667208B2 (ja) | 2000-07-28 | 2000-07-28 | 光プリンタ用ledアレイ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3667208B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4901117B2 (ja) * | 2005-03-04 | 2012-03-21 | 株式会社東芝 | 半導体発光素子及び半導体発光素子の製造方法 |
-
2000
- 2000-07-28 JP JP2000228436A patent/JP3667208B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002043616A (ja) | 2002-02-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6781147B2 (en) | Lateral current blocking light emitting diode and method of making the same | |
JP3667208B2 (ja) | 光プリンタ用ledアレイ | |
JP4587515B2 (ja) | 半導体発光装置の製造方法 | |
JP4126448B2 (ja) | 半導体発光装置の製造方法 | |
JP3559463B2 (ja) | 半導体発光装置およびその製造方法 | |
JP2001284650A (ja) | 半導体発光素子 | |
JP4436528B2 (ja) | 半導体発光装置 | |
JP4256014B2 (ja) | 発光ダイオードアレイ | |
JP4436527B2 (ja) | 半導体発光装置 | |
JPH11135837A (ja) | 半導体発光装置 | |
JP4295380B2 (ja) | 半導体発光装置の製造方法および半導体発光装置 | |
JP4184521B2 (ja) | 半導体発光装置 | |
JP4247937B2 (ja) | 半導体発光装置の製造方法 | |
JP3623110B2 (ja) | 半導体発光装置 | |
JP3236649B2 (ja) | 半導体発光素子 | |
JP3548409B2 (ja) | 発光ダイオード | |
JP3638418B2 (ja) | 半導体発光装置 | |
JP3426891B2 (ja) | 半導体発光素子及びその製造方法 | |
JP3722680B2 (ja) | Ledアレイ | |
JP2000138398A (ja) | 半導体発光装置 | |
JP3500275B2 (ja) | 半導体発光素子 | |
JP2002026378A (ja) | 発光ダイオードおよびledアレーヘッド | |
JPH11340584A (ja) | エッジ型青色発光レ―ザ | |
JP2001210866A (ja) | 半導体発光装置 | |
JP2000223744A (ja) | 発光ダイオードアレイ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050308 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050329 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050405 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |