JP3666359B2 - 歯車の研削装置と研削方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内歯或いは外歯等を有する歯車状の製品の製造工程において、素材としての歯車状の被加工物の歯面を、それと噛み合い得る歯車状の砥石によって研磨する研削装置と、その研削方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
内歯形或いは外歯形の歯車状の被加工物(ワークピース、略してワーク)の歯面を、それと噛み合う歯車状の砥石によって研磨する研削装置或いは研削方法においては、歯車状砥石の歯面と、研磨すべき歯車状ワークの歯面とが接触する加工部において所定の大きさの接触圧力を発生させる必要がある。そのために、従来技術の1つとして、歯車状砥石と歯車状ワークを噛み合わせた状態でそれらの回転が完全に同期するように、それらを同時に回転駆動するという研削方法が知られている。しかし、この方法によれば砥石とワークを同期させて回転駆動する機構が高い精度を必要とするために、加工設備が非常に高価なものになるという問題があるので、加工コストの面から見て経済的ではない。
【0003】
他の従来技術として、特公昭34−1650号公報に記載されているように、歯車状砥石を回転駆動することによって、それと噛み合っている歯車状ワークを連れ回りさせると共に、被駆動側となる歯車状ワークをブレーキによって制動することにより、歯車状ワークの回転に一定の大きさの抵抗力(回転抵抗力)を加えて、加工部において研削に必要な接触圧力を発生させ、それによって歯車状ワークの歯面を研磨するという比較的に簡易な方法も知られている。
【0004】
しかしながら、連れ回りの方法による後者の従来技術によっては、実際の研削装置において必ず生じる砥石の切れ味の低下や、ブレーキの摩耗によって起こる歯車状ワークに対する回転抵抗力の減少というような経時的変化に対応することができないし、後者の従来技術においては、回転抵抗力の大きさを高精度に制御するというようなことは全く考えられていないので、歯車状ワークの歯面を常に安定して高精度に仕上げることができないという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術における前述のような問題に対処して、後者の従来技術と同様な連れ回りの方法による簡易で安価な加工手段でありながら、砥石の切れ味の低下や、ブレーキの摩耗による回転抵抗力の減少のような経時的変化にも対応して十分に高い加工精度を維持することができ、常に安定した高精度で歯車状ワークの研磨加工を行うことができるような研削装置と、この装置において実行され得る歯車状ワークの新規な研削方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の請求項1又は3に記載された歯車の研削装置を提供する。
【0007】
これらの歯車の研削装置は、歯車状砥石の回転軸の方向における往復運動を妨げるように歯車状砥石に対してその軸方向に作用する研削抵抗力の大きさを検出する研削抵抗力検出手段と、歯車状砥石の回転運動を妨げるように歯車状砥石に対してその回転方向とは反対の方向に作用する回転抵抗力の大きさを検出する回転抵抗力検出手段の前者又は両者と、連れ回り回転によって回転される側となる歯車状砥石と歯車状被加工物もしくは歯車状砥石整形材のうちの一方に対して、その回転を妨げるように回転抵抗力を付与する回転抵抗力付与手段とを備えており、更に回転抵抗力付与手段を制御するための回転抵抗力制御手段をも備えているので、歯車状砥石や回転抵抗力付与手段の経時的な摩耗などによって歯車状砥石による研削力が低下して、研削抵抗力検出手段が研削抵抗力の増加を検出するか、或いは回転抵抗力検出手段が回転抵抗力の減少を検出したときに、回転抵抗力制御手段が回転抵抗力付与手段を制御して歯車状被加工物もしくは歯車状砥石整形材に対する回転抵抗力を増加させる。
【0008】
それによって、歯車状被加工物もしくは歯車状砥石整形材がその回転方向へ逃げるのを妨げて、歯車状砥石の歯面と、それに噛み合って接触する歯車状被加工物もしくは歯車状砥石整形材の歯面との間の加工部もしくは整形部に作用する接触圧力を高めるので、歯車状砥石や回転抵抗力付与手段の経時的な摩耗などによって研削もしくは整形加工量が減少するのを防止することができる。従って、経時的な変化なしに常に安定した高精度の歯車研磨もしくは歯車状砥石の整形が可能になる。
【0009】
より具体的に、回転抵抗力付与手段はブレーキ装置からなるものとし、研削抵抗力検出手段は歯車状砥石を軸方向に往復運動させるモータのトルクを検出するトルクセンサとすることができ、回転抵抗力検出手段は歯車状砥石を回転させるために設けられるモータのトルクを直接に検出するトルクセンサとすることができる。また、回転抵抗力制御手段は、研削抵抗力検出手段或いは回転抵抗力検出手段が検出した信号の各平均値を算出すると共に、その平均値を所定の基準値とそれぞれ比較して、それらの差に応じた制御信号を回転抵抗力付与手段に対して出力する演算手段を含んでいるものとすることができる。このトルクセンサは、より具体的にはモータに流れる電流値を検出する電流センサによって構成することができる。
【0010】
本発明はまた、前記の課題を解決するための他の手段として、特許請求の範囲の請求項8又は9に記載された歯車の研削方法をも提供する。
【0011】
これらの歯車の研削方法が適用される対象物としての歯車状被加工物は、必ずしも内歯車状のものに限定されず、外歯車や傘歯車、その他の形状の歯車状の被加工物であってもよい。その特徴は、歯車状砥石を研削のために往復運動をさせるときに、その運動を妨げるように軸方向に作用する研削抵抗力の大きさを検出するか、或いは、この研削抵抗力の大きさに加えて、歯車状砥石の回転運動を妨げるように歯車状砥石に対してその回転方向とは反対の方向に作用する回転抵抗力の大きさを直接に検出し、連れ回り回転によって回転される側となる歯車状砥石と歯車状被加工物もしくは歯車状砥石整形材のうちの一方に対して、回転抵抗力付与手段によってその回転を妨げるように回転抵抗力を付与すると共に、研削抵抗力或いは回転抵抗力の変化が検出されたときに、回転抵抗力付与手段を制御することによって、回転抵抗力の大きさをその基準値に向かって変化させる点にある。
【0012】
それによって、歯車状被加工物もしくは歯車状砥石整形材がその回転方向へ逃げるのを妨げて、歯車状砥石との間の加工部もしくは整形部に作用する接触圧力を高めるので、研削もしくは整形加工量が減少するのを防止することができる。従って、色々な形状の歯車類に対して、経時的な変化なしに、常に安定した歯面の高精度研削が可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図4を用いて本発明の好適な実施例としての歯車状ワーク研削装置1の構成と作動について説明する。これらの図において、図1は研削装置1のシステム全体の構成を模式的に示す一部切断正面図であって、図2は図1に示された研削装置1の一部である歯車状砥石2と、それによって研磨される歯車状ワーク3と、歯車状ワーク3に摩擦係合して回転抵抗力を加えるブレーキ4との係合関係を示す横断側面図、図3は図2に示された係合構成に歯車状ワーク3の支持部分としてのV形レスト5等を加えた部分の作動状態を示す横断側面図、図4は制御装置11の構成を例示するブロック図である。
【0014】
図1及び図3から明らかなように、図示実施例の場合は、内歯車状の形状を有する歯車状ワーク3の円環状の外周面3aが、潤滑油膜によって潤滑されたV形レスト5の上に載せられて、回転方向に摺動可能に支持されているので、歯車状ワーク3は支持された位置において若干の回転抵抗力を受けながら回転することができる。歯車状ワーク3の中には歯車状砥石2が挿入されて歯車状ワーク3と噛み合っている。なお、図示していないが、歯車状ワーク3は、V形レスト5に代わる複数個の回転可能なローラや、メタル等からなるベアリングによって支持してもよい。
【0015】
歯車状砥石2の回転軸6は、砥石の回転用モータ7の内部に設けられた図示しないベアリングによって軸支されており、回転用モータ7によって矢印Rの方向に回転駆動される。回転用モータ7の全体は砥石の揺動用モータ8の図示しない可動部分によって支持されており、この可動部分は揺動用モータ8の作動時に回転軸6の方向に往復運動をするので、それによって回転用モータ7と回転軸6、更に歯車状砥石2も軸方向に往復運動、即ち揺動する。そのために揺動用モータ8の外殻自体は図示しないフレーム上に固定されている。なお、図3に示す9はV形レスト5を弾力的に支持するスプリングであって、矢印Dは歯車状砥石2の切り込み方向を示している。
【0016】
歯車状ワーク研削装置1の機構部分は概ね以上のような構成を有するから、回転用モータ7と揺動用モータ8が図示しない電源から電力の供給を受けて回転駆動されるときに、歯車状砥石2は回転用モータ7の作動によって図3に示す矢印Rの方向に回転駆動されて、歯車状ワーク3を矢印R’の方向に連れ回りをさせる。それと同時に、揺動用モータ8の作動によって回転軸6が二重矢印Fによって示すように軸方向に揺動することにより、歯車状砥石2は歯車状ワーク3の内部でそれに対して軸方向に相対的に往復運動をする。歯車状ワーク3はブレーキ4によって制動されているので、歯車状ワーク3の歯面3bと歯車状砥石2の歯面2aが接触する加工部には接触圧力が発生し、それによって歯車状ワーク3の歯面3bが研磨される。
【0017】
ブレーキ4は、加工部に必要な大きさの接触圧力を発生させるために、被駆動側となる歯車状ワーク3に任意の大きさの回転抵抗力を加えて(負荷を掛けて)制動するという目的から設けられている。ブレーキ4は、油圧式、空圧式、或いは電磁式等のそれ自体には特徴がない構造を有するブレーキアクチュエータ10によって付勢されることにより、矢印Nによって示すようなブレーキ荷重を歯車状ワーク3の外周面3aに作用させて摩擦係合をする。
【0018】
それによって、歯車状ワーク3の外周面3aとブレーキ4との接触部分には、図3において矢印T1 によって示すような回転抵抗力が発生すると共に、外周面3aとV形レスト5との接触部分にも比較的小さな回転抵抗力T2 及びT3 が発生する。回転抵抗力T1 ,T2 及びT3 の大きさは、いずれもブレーキ荷重Nの大きさに応じて増減変化する関数値であり、それらの合計値である回転抵抗力Tもまたブレーキ荷重Nを変数とする関数となる。
【0019】
そして、この回転抵抗力Tが歯車状ワーク3の回転負荷として作用するので、歯車状砥石2によって歯車状ワーク3が連れ回りをして歯面2aと歯面3bが接触する加工部に接触圧力が発生するときに、その接触圧力が小さくなる方向に歯車状ワーク3がV形レスト5上において僅かな角度だけ余分に回転して逃げようとするのを妨げる。従って、加工部に回転抵抗力Tの大きさに応じた接触圧力が発生し、それによって研削力が歯車状砥石2の歯面2aから有効に歯車状ワーク3の歯面3bに作用するようになる。
【0020】
図1に単なるブロックとして示す制御装置11は、より具体的には図4のブロック図に例示したような構成を有する。図4において、12は図1に示す回転用モータ7に付設されたトルクセンサを示し、13は同じく揺動用モータ8に付設されたトルクセンサを示す。それらのセンサ12及び13が出力する各トルク信号は電圧等の電気信号の形で制御装置11へ入力され、その内部に設けられた増幅回路14,15によってそれぞれ増幅された後に平滑・フィルタ回路16,17へ送られ、そこで平均化されて平均トルク信号となる。従って、これらの平均トルク信号は、回転用モータ7と揺動用モータ8の現在の負荷トルクの平均値をそれぞれ示している。
【0021】
制御装置11の内部には、砥石回転トルク基準電圧発生回路18と、砥石揺動トルク基準電圧発生回路19が設けられており、基準電圧発生回路18及び19は、制御装置11を介して作動するブレーキ4によって、歯車状砥石2の歯面2aと歯車状ワーク3の歯面3bが接触する加工部に所定の大きさの接触圧力を発生させ得るような基準トルク信号をそれぞれ発生している。従って、前述のようにして形成された1組の平均トルク信号と、それぞれの基準トルク信号との差である1組の差信号が演算回路20へ送られて演算が行われ、その結果としてブレーキアクチュエータ10へ制御信号が出力される。
【0022】
ブレーキアクチュエータ10は、制御装置11から受けた制御信号に従って、ブレーキ4を移動させて歯車状ワーク3の外周面3aに対する制動の程度を変化させ、回転抵抗力T(即ちT1 +T2 +T3 )の大きさを変化させる。それによって歯車状砥石2の歯面2aと歯車状ワーク3の歯面3bが接触する加工部における接触圧力が変化(通常は増加方向に変化)し、歯車状ワーク3が回転方向へ逃げるのを防止するので、適正な大きさの研削力が歯車状砥石2の歯面2aから歯車状ワーク3の歯面3bへ作用するようになる。
【0023】
また、歯車状ワーク3の回転抵抗力が変化するのと同時に、歯車状砥石2を回転軸6の方向に揺動させて歯車状ワーク3の歯面3bの研磨を行う際に生じる研削抵抗力の大きさも変化する。それらの結果として、トルクセンサ12及び13の出力する信号が変化して、それが制御装置11へ再び入力されることにより、歯車状ワーク研削装置1のシステムは制御装置11を介してフィードバック制御されることになる。従って、歯車状砥石2の摩耗による切れ味の低下や、ブレーキ4の摩耗による回転抵抗力の減少のような、通常必ず生じる経時的変化があっても、このシステムにおいては回転抵抗力を常に所定の値に向かって近づけるように作動するので、歯車状砥石2やブレーキ4の摩耗等による経時的変化が補正されて、歯車状ワーク3の歯面3bを高い加工精度を維持しながら研磨することができる。
【0024】
なお、図示の実施形態においては被加工物である歯車状ワーク3として内歯車状のものを例示しているが、歯車状ワーク3は外歯車状のものであってもよい。その場合は、外部の動力によって回転駆動される歯車状砥石2が外歯車状のものか、或いは内歯車状のものとなり、歯車状ワーク3を制動するためのブレーキ4は、歯車状砥石2に連れ回りをする外歯車状の歯車状ワーク3の回転支持軸等を制動することができるように設けられる。
【0025】
以上の説明において若干補足の必要があると思われる部分を、ここで図5ないし図8を用いてより詳細に説明する。図5に示すような歯車状砥石2の表面の一部aを顕微鏡的に拡大して示したものが図6及び図7である。図6は使用される前の新品の歯車状砥石2の表面を示しており、図7は使用後の摩耗した歯車状砥石2の表面を示している。歯車状砥石2は、例えばダイヤモンドのような硬度が非常に高い物質の微細な破片からなる砥粒21を、金属の粉末を含むバインダーの材料からなる金属ペーストの中に拡散させた後に、それを回転軸6の周りに歯車状に成形し、焼結することによって製造される。従って、歯車状砥石2の表面は、焼結されて固体となったバインダー層22の表面から無数の砥粒21の一部が高さh程度だけ鋭く突出した形になっている。
【0026】
歯車状砥石2の表面に鋭い形の砥粒21の先端が突出している間は、歯車状砥石2は高い切れ味を示すが、長時間使用するうちに砥粒21の先端が徐々に摩耗してきて、図7に示す砥粒21’のように角が丸くなる。また、砥粒21’の高さはh’のように低くなってくる。このように歯車状砥石2が摩耗すると、歯車状砥石2の歯面2aと歯車状ワーク3の歯面3bとが接触する加工部の実質的な接触面積が大きくなるので、研削抵抗力、即ち、研削のために歯車状砥石2をその回転軸6の方向に往復運動させるときの抵抗が大きくなる。なお、前述の実施例の場合は、有効な研削力は主として歯車状砥石2の軸方向の往復運動(揺動)によって得られるもので、歯車状砥石2の回転運動は主に加工部をずらして行く働きをする。
【0027】
そして、歯車状砥石2が図7に示したように摩耗して往復運動のための研削抵抗力が増大すると、特に歯車状砥石2の歯面2aと歯車状ワーク3の歯面3bとが接触する加工部において、歯面2aが歯面3bをRの方向に回転させようとする力が強まるので、その力が弱くなる方向、即ちR’の方向に歯車状ワーク3が回転して逃げようとする。それによって、加工部における接触圧力が低下して研削力も弱くなり、研削加工量が減少することになる。
【0028】
このようなとき、前述の実施例について言えば、歯車状砥石2やブレーキ4の経時的な摩耗によって回転抵抗力Tが減少するので、一般的には回転用モータ7が発生する平均トルクも減少する。一方、歯車状砥石2の切れ味の低下によって研削抵抗力は増大するから、揺動用モータ8の平均トルクは増大するので、それらを検出するトルクセンサ12及び13の出力信号が変化して基準トルク信号との間に差が生じる。その差に応じて演算装置11がブレーキアクチュエータ10を作動させて、ブレーキ4をより強い力で歯車状ワーク3に押しつけるので、歯車状ワーク3の回転を妨げる回転抵抗力Tが増大して、歯車状ワーク3が回転して逃げるのを防ぐ。その結果、歯車状砥石2やブレーキ4が多少摩耗しても、必要な研削加工量が確保されるので、本発明の図示実施例によれば、長期間にわたって経時変化なしに安定して、歯車状ワーク研削装置1を高精度の状態で使用することができる。
【0029】
図8はブレーキ荷重Nと加工部における研削加工量(取代)との関係を示したものである。ブレーキ荷重Nが変化すると加工量は図8に実線によって例示したような曲線に沿って変化する。本発明はこの性質に着目したもので、図示実施例ではトルクセンサ12及び13、例えば回転用モータ7及び揺動用モータ8へ流れる電流の大きさをそれぞれ検出する電流センサの出力電圧を増幅し、平均化することにより平均トルク信号を得て、これを基準トルク信号と比較・演算することにより、ブレーキアクチュエータ10へ制御信号を供給して、ブレーキ荷重Nを制御している。
【0030】
なお、図8において実線によって示す特性曲線は、図6と図7に例示したような砥粒21の状態によって、例えば破線で示したように平行移動的に変化する。従って、図8のような特性曲線を予め実験によって求めておくことにより、トルクセンサ12及び13の出力信号による平均トルク信号の変化、例えば回転用モータ7及び揺動用モータ8のそれぞれの平均電流値の変化に基づいて、図8の曲線がどの程度平行移動したかを推測することができるので、回転用モータ7の平均電流値と揺動用モータ8の平均電流値から、必要な研削加工量に対するブレーキ荷重Nの大きさを求めることができる。制御装置11はこのような方法でブレーキアクチュエータ10を制御してブレーキ荷重Nを変化させる。
【0031】
歯車状ワーク研削装置1についての以上の説明は、歯車状ワーク3を歯車状砥石2によって研削する場合についてのみ記載した。しかし、本発明の歯車の研削装置及び研削方法は、歯車状被加工物(歯車状ワーク3)を歯車状砥石整形材(ドレッサ)によって置きかえるだけで、そのまま歯車状砥石(2)の修正、整形のために使用することができる。次に図示実施例によってこの点を更に詳しく説明する。前述のように、歯車状砥石2の歯面はワーク3の研削を行うことによって次第に摩耗して、図6に示したような状態から図7に示したような状態になることにより切れ味が低下する。その場合は、研削装置1において歯車状ワーク3の代りに同様な歯車形状を有するドレッサ(歯車状砥石整形材)を取り付けて、摩耗した歯車状砥石2と噛み合わせると共に、ワーク3の研削の場合と同様に装置1を作動させる。このドレッサは前述の歯車状砥石2と同様な材料から成形されている。このようにして、砥石2とドレッサの間に連れ回りと軸方向の相対的な往復動が生じると共に、制御装置11とブレーキ4によって砥石2の回転トルクが適正に制御されることによって、砥石2の表面が修正、整形されて図6に示すようになり、砥石2の切れ味が復活する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例として、研削装置のシステム全体の構成を模式的に示す一部切断正面図である。
【図2】図1に示された研削装置の一部を示す横断側面図である。
【図3】図1に示された研削装置の一部の作動状態を示す横断側面図である。
【図4】演算装置の構成を例示するブロック図である。
【図5】歯車状砥石を示す正面図である。
【図6】使用前の歯車状砥石の表面を示す拡大図である。
【図7】使用後の歯車状砥石の表面を示す拡大図である。
【図8】ブレーキ荷重と研削加工量(取代)との関係を示す線図である。
【符号の説明】
1…歯車状ワーク研削装置
2…歯車状砥石
3…歯車状ワーク(歯車状被加工物)
4…ブレーキ
6…回転軸
7…砥石の回転用モータ
8…砥石の揺動用モータ
10…ブレーキアクチュエータ
11…制御装置
12,13…トルクセンサ
16,17…平滑・フィルタ回路
18…砥石回転トルク基準電圧発生回路
19…砥石揺動トルク基準電圧発生回路
20…演算回路
21…砥粒

Claims (9)

  1. 外周側が円形で、内周側が歯車状に形成された内歯を有する歯車状被加工物もしくは歯車状砥石整形材に対して、外周側が歯車状に形成された外歯を有する歯車状砥石を噛み合わせて、前記歯車状砥石と前記歯車状被加工物もしくは前記歯車状砥石整形材のいずれか一方を回転駆動することにより他方を連れ回り回転させると共に、前記歯車状砥石をその回転軸の方向に往復運動させることにより、前記歯車状被加工物の前記内歯の歯面を研磨するかもしくは前記歯車状砥石を整形する歯車の研削装置であって、
    前記歯車状砥石の往復運動を妨げるように前記歯車状砥石に対してその軸方向に作用する研削抵抗力の大きさを検出する研削抵抗力検出手段と、
    前記連れ回り回転によって回転される側となる前記歯車状砥石と前記歯車状被加工物もしくは前記歯車状砥石整形材のうちの一方に対して、その回転を妨げるように回転抵抗力を付与する回転抵抗力付与手段と、
    前記研削抵抗力検出手段によって研削抵抗力の増加が検出されたときに、前記回転抵抗力付与手段によって回転抵抗力を増加させる回転抵抗力制御手段と、
    を備えていることを特徴とする歯車の研削装置。
  2. 請求項1において、前記研削抵抗力検出手段が、前記歯車状砥石を軸方向に往復運動させるために設けられるモータのトルクを検出するトルクセンサからなることを特徴とする歯車の研削装置。
  3. 外周側が円形で、内周側が歯車状に形成された内歯を有する歯車状被加工物もしくは歯車状砥石整形材に対して、外周側が歯車状に形成された外歯を有する歯車状砥石を噛み合わせて、前記歯車状砥石と前記歯車状被加工物もしくは前記歯車状砥石整形材のいずれか一方を回転駆動することにより他方を連れ回り回転させると共に、前記歯車状砥石をその回転軸の方向に往復運動させることにより、前記歯車状被加工物の前記内歯の歯面を研磨するかもしくは前記歯車状砥石を整形する歯車の研削装置であって、
    前記歯車状砥石の往復運動を妨げるように前記歯車状砥石に対してその軸方向に作用する研削抵抗力の大きさを検出する研削抵抗力検出手段と、
    前記歯車状砥石の回転運動を妨げるように前記歯車状砥石に対してその回転方向とは反対の方向に作用する回転抵抗力の大きさを検出する回転抵抗力検出手段と、
    前記連れ回り回転によって回転される側となる前記歯車状砥石と前記歯車状被加工物もしくは前記歯車状砥石整形材のうちの一方に対して、その回転を妨げるように回転抵抗力を付与する回転抵抗力付与手段と、
    前記研削抵抗力検出手段によって研削抵抗力の増加が検出されたとき及び前記回転抵抗力検出手段によって回転抵抗力の減少が検出されたときに、前記回転抵抗力付与手段によって回転抵抗力を増加させる回転抵抗力制御手段と、
    を備えていることを特徴とする歯車の研削装置。
  4. 請求項において、前記研削抵抗力検出手段が前記歯車状砥石を軸方向に往復運動させるために設けられるモータのトルクを検出するトルクセンサからなると共に、前記回転抵抗力検出手段が前記歯車状砥石を回転させるために設けられるモータのトルクを検出するトルクセンサからなることを特徴とする歯車の研削装置。
  5. 請求項1ないしのいずれかにおいて、前記回転抵抗力付与手段がブレーキ装置を含んでいることを特徴とする歯車の研削装置。
  6. 請求項1ないしのいずれかにおいて、前記回転抵抗力制御手段が、前記研削抵抗力検出手段及び前記回転抵抗力検出手段の少なくとも一方が検出した信号の平均値を算出すると共に、その平均値を所定の基準値と比較して、それらの差に応じた制御信号を前記回転抵抗力付与手段に対して出力する演算手段を含んでいることを特徴とする歯車の研削装置。
  7. 請求項2,又は4において、前記トルクセンサの少なくとも一つが、それに対応する前記モータに流れる電流値を検出する電流センサからなることを特徴とする歯車の研削装置。
  8. 歯車状被加工物もしくは歯車状砥石整形材に対して歯車状砥石を噛み合わせて、前記歯車状砥石と前記歯車状被加工物もしくは前記歯車状砥石整形材のいずれか一方を回転駆動することにより他方を連れ回り回転させると共に、前記歯車状砥石と前記歯車状被加工物もしくは前記歯車状砥石整形材のいずれか一方を他方に対してその回転軸の方向に往復運動させることにより、前記歯車状被加工物の歯面を研磨するかもしくは前記歯車状砥石を整形する歯車の研削方法であって、
    前記往復運動を妨げるように作用する研削抵抗力の大きさを検出し、
    前記連れ回り回転によって回転される側となる前記歯車状砥石と前記歯車状被加工物もしくは前記歯車状砥石整形材のうちの一方に対して、その回転を妨げるように回転抵抗力付与手段によって回転抵抗力を付与し、
    前記研削抵抗力の変化が検出されたときに、前記回転抵抗力付与手段を制御することによって、前記回転抵抗力の大きさをその基準値に向かって変化させることを特徴とする歯車の研削方法。
  9. 歯車状被加工物もしくは歯車状砥石整形材に対して歯車状砥石を噛み合わせて、前記歯車状砥石と前記歯車状被加工物もしくは前記歯車状砥石整形材のいずれか一方を回転駆動することにより他方を連れ回り回転させると共に、前記歯車状砥石と前記歯車状被加工物もしくは前記歯車状砥石整形材のいずれか一方を他方に対してその回転軸の方向に往復運動させることにより、前記歯車状被加工物の歯面を研磨するかもしくは前記歯車状砥石を整形する歯車の研削方法であって、
    前記往復運動を妨げるように作用する研削抵抗力の大きさを検出すると共に、前記歯車状砥石及び前記歯車状被加工物もしくは前記歯車状砥石整形材の回転運動を妨げるようにそれらの回転方向とは反対の方向に作用する回転抵抗力の大きさを検出し、
    前記連れ回り回転によって回転される側となる前記歯車状砥石と前記歯車状被加工物もしくは前記歯車状砥石整形材の一方に対して、その回転を妨げるように回転抵抗力付与手段によって回転抵抗力を付与し、
    前記研削抵抗力及び前記回転抵抗力の少なくとも一方に変化が検出されたときに、前記回転抵抗力付与手段を制御することによって、前記研削抵抗力及び前記回転抵抗力の大きさをそれらの基準値に向かって変化させることを特徴とする歯車の研削方法。
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