JP3659240B2 - スイッチング電源回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、力率改善機能を備えたスイッチング電源回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
先に本出願人は、一次側に共振形コンバータを備え二次側にも共振回路を備えた複合共振形コンバータとしての電源回路を各種提案しており、また、複合共振形コンバータに対して力率改善を図るための力率改善回路を備えて構成した電源回路も各種提案している。
力率改善回路としては、一次側に発生する電圧共振パルス電圧を平滑コンデンサに電圧帰還することで交流入力電流の導通角を拡大して力率を向上させる電圧帰還方式の力率改善回路を提案しているが、このような力率改善回路として、コンデンサ分圧方式の静電容量結合形、コンデンサ分圧方式の磁気結合形、三次巻線方式の磁気結合形、三次巻線方式のダイオード結合形などの各種回路を提案している。
【0003】
これらにおいては、電力変換効率、コスト、直流入力電圧の変動特性、スイッチング素子のゼロボルトスイッチング(ZVS)動作領域などの面から、三次巻線方式のダイオード結合形の力率改善回路が最も有用であるとされている。
ここでは先行技術として、三次巻線方式のダイオード結合形の力率改善回路を備えたスイッチング電源回路例を図17で説明する。
【0004】
図17の電源回路は電圧共振形のスイッチングコンバータに対して力率改善のための力率改善回路20が設けられた構成とされている。
この図に示す電源回路においては、商用交流電源ACに対して、例えばラインフィルタトランスやアクロスコンデンサ等から成るラインフィルタ21が設けられている。また商用交流電源ACを全波整流するブリッジ整流回路Diが備えられている。
ブリッジ整流回路Diにより整流された整流出力は、力率改善回路20を介して平滑コンデンサCiに充電され、平滑コンデンサCiの両端には整流平滑電圧Eiが得られることになる。
【0005】
ここでの電圧共振形コンバータは、例えばMOS−FETによる1石のスイッチング素子Q1 を備える。
スイッチング素子Q1 のドレイン−ソース間にはクランプダイオードDD が挿入され、スイッチング素子Q1 のオフ時に流れるクランプ電流の経路を形成するようにされている。
スイッチング素子Q1 のドレインは、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1を介して平滑コンデンサCiの正極端子と接続される。ソースは一次側アースに接地される。
スイッチング素子Q1のゲートには、図示しないスイッチング駆動回路によって、スイッチング駆動信号が印加され、スイッチング素子Q1は、スイッチング駆動信号に基づいてスイッチング動作を行う。この場合、スイッチング駆動信号は、例えば二次側の直流出力電圧のレベルに応じて周波数が可変されるようになされ、このスイッチング周波数制御によって二次側直流出力電圧の安定化が図られる。
【0006】
また、スイッチング素子Q1 のドレイン・ソース間に対しては、並列共振コンデンサCrが接続されている。この並列共振コンデンサCrは、自身のキャパシタンスと、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1側のリーケージインダクタンスL1とにより電圧共振形コンバータの一次側並列共振回路を形成する。そしてスイッチング素子Q1 のオフ時には、この並列共振回路の作用によって共振コンデンサCrの両端電圧は、実際には正弦波状のパルス波形となって電圧共振形の動作が得られるようになっている。
【0007】
絶縁コンバ−タトランスPITの一次巻線N1の一端は、スイッチング素子Q1のドレインと接続され、他端側は平滑コンデンサCiの正極(整流平滑電圧Ei)と接続されている。
また、一次巻線N1と同じ場所、つまり一次側には、別巻線として三次巻線N3が形成される。三次巻線N3は帰還巻線として機能するものであり、三次巻線N3の巻終り端は、直列共振コンデンサC10を介して力率改善回路20における高速リカバリ型ダイオードD3のアノード点に接続されている。
【0008】
絶縁コンバ−タトランスPITの二次側では、一次巻線N1 により誘起された交番電圧が二次巻線N2に発生する。この場合、二次巻線N2に対しては、二次側並列共振コンデンサC2 が並列に接続されることで、二次巻線N2のリーケージインダクタンスL2と二次側並列共振コンデンサC2のキャパシタンスとによって並列共振回路が形成される。この並列共振回路により、二次巻線N2に励起される交番電圧は共振電圧となる。つまり二次側において電圧共振動作が得られる。
即ち、この電源回路では、一次側にはスイッチング動作を電圧共振形とするための並列共振回路が備えられ、二次側にも、電圧共振動作を得るための並列共振回路が備えられる。つまり本明細書でいう、複合共振形スイッチングコンバータとして構成される。
【0009】
この場合、上記のようにして形成される二次側の並列共振回路に対しては、整流ダイオードD01及び平滑コンデンサC01を図のように接続することで、半波整流平滑回路が形成され、直流出力電圧E01を生成する。
【0010】
続いて、力率改善回路20の構成について説明する。
力率改善回路20においては、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子と平滑コンデンサCiの正極端子間に対して、 チョークコイルLS −高速リカバリ型ダイオードD3が直列接続されて挿入される。
フィルタコンデンサCN はチョークコイルLS −高速リカバリ型ダイオードD3の直列接続に対して並列に挿入されることで、チョークコイルLsと共にノーマルモードのローパスフィルタを形成している。
【0011】
また、力率改善回路20に対しては、高速リカバリ型ダイオードD3のアノードとチョークコイルLSの接続点に対して、絶縁コンバータトランスPITの三次巻線N3が直列共振コンデンサC10を介して接続されているが、これにより、一次側並列共振回路に得られるスイッチング出力電圧(電圧共振パルス電圧)が帰還されるようにしている。
【0012】
この場合、交流入力電圧VACの絶対値がピーク時近辺で高速リカバリ型ダイオードD3が導通し、交流入力電源ACから平滑コンデンサCiへの充電電流がチョークコイルLs、高速リカバリ型ダイオードD3を介して流れるが、同時に3次巻線N3の電圧共振パルス電圧は直列共振コンデンサC10と高速リカバリ型ダイオードD3の直列回路に帰還され、高速リカバリ型ダイオードD3をスイッチング動作することによって交流入力電流IACの導通角が拡大して力率改善機能が実現する。
交流入力電圧VACの絶対値が低くなると高速リカバリ型ダイオードD3は非導通となり3次巻線N3の電圧共振パルス電圧は直列共振コンデンサC10とチョークコイルLsとフィルタコンデンサCNの直列回路で直列共振回路を構成する。
【0013】
図18、図19は、上記回路における各部の動作波形を示しており、図18は交流入力電圧VACがゼロ電圧付近の際の動作波形、図19は交流入力電圧VACがピーク電圧付近の際の動作波形である。
図18において、スイッチング素子Q1の電流iQと電圧vdsの波形から、ZVS動作となっており、スイッチング損失の低減が可能であることがわかる。
また三次巻線電圧V3としてはスイッチング素子Q1の電圧vds波形と相似の電圧が発生する。この電圧V3が直列共振コンデンサC10、チョークコイルLs、フィルタコンデンサCNに印加されて共振電流が流れることで、高速リカバリ型ダイオードD3のアノード端子電圧がスイッチング周期で振動する。交流入力電圧VACが0付近においては、入力整流電圧V1が低いため、その電圧V1にチョークコイルLsで発生する電圧が重畳した高速リカバリ型ダイオードD3のアノード電圧が、平滑コンデンサCiの端子間電圧Eiであるカソード電圧よりも常に低く、高速リカバリ型ダイオードD3はオフしたままとなる。従って交流入力電流は流れない。
【0014】
交流入力電圧VACが上昇し、入力整流電圧V1以上になると、そこに重畳された電圧により高速リカバリ型ダイオードD3のアノード電圧が入力平滑電圧Ei以上となるため、高速リカバリ型ダイオードD3が導通し、交流入力電流IACが高速リカバリ型ダイオードD3を介して流れ出す。従って、入力平滑電圧Eiに対し、チョークコイルLsで発生する電圧分だけ低い交流入力電圧VACのタイミングから交流入力電流IACが流れ出すため、交流入力電流IACの導通角が広がり、力率の改善が可能となる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、スイッチング電源回路においては、ワールドワイドに対応可能とするために、交流入力電圧VACとして100V系の場合と200V系の場合に対応できるようにしたいという要望がある。
ここで100V系と200V系の入力変動に対して、負荷電力の変化200W〜0Wを満足するためには、複合共振形コンバータの一次側にアクティブ電圧クランプ回路を付加して、スイッチング動作の制御範囲の拡大を図らなければならない。
すると、図17のような三次巻線方式ダイオード結合形の力率改善回路20を備えた回路に対して、一次側にアクティブ電圧クランプ回路を配することが考えられるが、その場合、以下のような問題がある。
【0016】
交流入力電圧VAC=100V系の場合に、力率を0.85程度に向上し、高調波歪規制値を満足しても、交流入力電圧VAC=230Vでは、力率が0.7程度に低下し、高調波歪規制を満足せず、ワールドワイド対応の力率改善電源回路を実現できない。
【0017】
また、負荷電力の低下に伴って力率の低下が大きい回路となってしまい、付加変動に対応した安定した力率改善電源とはならない。
例えば図20は上記図17の回路において、負荷電流に対する力率の変化特性を示しているが、負荷電力の減少に伴って力率が低下する特性となる。
【0018】
また、ZVS動作領域の確保のためには、力率改善回路20の直列共振周波数を、スイッチング周波数よりも低く設定する必要がある。
力率改善回路20では、交流入力電圧VACが低いときには高速リカバリ型ダイオードD3はオフであるため、これを無視すると、三次巻線N3を電圧源としたLC直列共振回路となる。この直列共振周波数に対してスイッチング周波数が低いと、その周波数においてLC直列共振回路は容量性として作用するので、そこに流れる電流は三次巻線N3に発生する電圧V3に対して進み位相となる。電圧V3はスイッチング素子Q1の端子間電圧vdsと相似の波形が誘起するため、スイッチング素子Q1の共振電圧が減少し0付近に達する時点では直列共振コンデンサC10から三次巻線N3に向けて電流が流れることになる。スイッチング素子Q1の端子間電圧vdsは、インダクタンスL1,L2により並列共振コンデンサCrが充放電され、ゼロ電圧まで達することで、スイッチング素子Q1のZVS動作を実現するものであるが、上記の場合、インダクタンスL1,L2により並列共振コンデンサCrを放電するはずの電流が、三次巻線N3から一次巻線N1へ供給される電流により弱められてしまうため、並列共振コンデンサCrを完全に放電できずZVS動作が不可能となり、スイッチング素子Q1のオン時にスイッチング損失が発生し、効率低下を招いてしまう。
従って上記のように、力率改善回路20の直列共振周波数を、スイッチング周波数よりも低く設定する必要があるが、このため力率改善回路20のインダクタンスLsの値や、直列共振コンデンサC10の静電容量値として制約を受けるため、最適設計が困難となる。
【0019】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は上記課題を考慮してスイッチング電源回路として次のように構成する。
【0020】
即ち本発明のスイッチング電源回路は、交流入力電圧を整流するブリッジ整流回路と該ブリッジ整流回路からの整流出力電圧を平滑する平滑手段と、一次側出力を二次側に伝送するために設けられるとともに、一次巻線と二次巻線が疎結合とされる所要の結合係数が得られるようにギャップが形成された絶縁コンバータトランスと、スイッチング素子を有し、上記平滑手段により平滑された整流出力電圧を上記スイッチング素子により断続して上記絶縁コンバータトランスの一次巻線に出力するようにされたスイッチング手段と、少なくとも、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線を含む漏洩インダクタンス成分と一次側並列共振コンデンサのキャパシタンスとによって形成されて、上記スイッチング素子がオフのとき上記一次側並列共振コンデンサの両端電圧として正弦波状のパルス波形を得る一次側共振回路と、クランプコンデンサと補助スイッチング素子が直列に接続され、上記補助スイッチング素子が上記スイッチング素子と交互にオンオフされることで上記パルス波形電圧をクランプするアクティブクランプ手段と、上記ブリッジ整流回路と上記平滑手段の間に接続され、上記交流入力電圧の正負のピーク近辺で導通する第一のダイオードと、該第一のダイオードに並列接続され、少なくとも第二のダイオードとインダクタとの直列接続回路と、該直列接続回路に対して上記アクティブクランプ手段によりクランプされた上記パルス波形電圧を帰還する電圧帰還回路とを有し、該電圧帰還回路により帰還されたパルス波形電圧に基づいて上記第二のダイオードが整流電流を断続することにより力率を改善する力率改善手段と、上記絶縁コンバータトランスの二次巻線の漏洩インダクタンス成分と、二次側共振コンデンサのキャパシタンスとによって二次側において形成される二次側共振回路と、上記二次側共振回路を含んで形成され、上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に得られる交番電圧を入力して、整流動作を行って二次側直流出力電圧を生成するように構成された直流出力電圧生成手段とを備えるようにする。
また、更に、上記二次側直流出力電圧のレベルに応じて上記スイッチング素子をスイッチングさせる周波数を可変することにより上記二次側直流出力電圧に対する定電圧制御を行うように構成された定電圧制御手段とを備えるようにする。
【0021】
またこの構成において、さらに上記電圧帰還回路として、上記絶縁コンバータトランスの一次側には三次巻線が設けられ、上記アクティブクランプ手段によってクランプされた上記パルス波形電圧が、上記三次巻線を介して上記力率改善手段に帰還されるようにする。
【0022】
又は、上記電圧帰還回路として、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線と上記平滑コンデンサの間に一次巻線が接続されるトランスが設けられ、該トランスの二次巻線は、上記力率改善手段におけるインダクタとされ、上記アクティブクランプ手段によってクランプされた上記パルス波形電圧が、上記トランスを介して上記力率改善手段に帰還されるようにする。
【0023】
又は、上記力率改善手段におけるインダクタと並列回路を構成するコンデンサが設けられ、上記アクティブクランプ手段における上記クランプコンデンサが、上記第二のダイオードと上記インダクタとの接続点に接続されるとともに、上記補助スイッチング素子はボディーダイオードを有し、上記一次側共振回路で得られる正弦波状のパルス波形電圧により上記ボディーダイオードおよび上記クランプコンデンサを介して上記力率改善手段に電流が流れることで上記電圧帰還回路が形成されるようにする。
【0024】
また本発明のスイッチング電源回路は、直列接続された2つの整流素子および直列接続された2つの平滑コンデンサにより構成され、交流入力電圧を整流および平滑して倍電圧の直流電圧を出力する整流平滑手段と、一次側出力を二次側に伝送するために設けられるとともに、一次巻線と二次巻線が疎結合とされる所要の結合係数が得られるようにギャップが形成された絶縁コンバータトランスと、上記倍電圧直流入力電圧をスイッチング素子により断続して上記絶縁コンバータトランスの一次巻線に出力するようにされたスイッチング手段と、少なくとも、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線を含む漏洩インダクタンス成分と一次側並列共振コンデンサのキャパシタンスとによって形成されて、上記スイッチング素子がオフのとき上記一次側並列共振コンデンサの両端電圧として正弦波状のパルス波形を得る一次側共振回路と、クランプコンデンサと補助スイッチング素子が直列に接続され、上記補助スイッチング素子が上記スイッチング素子と交互にオンオフされることで上記パルス波形電圧をクランプするアクティブクランプ手段と、上記アクティブクランプ手段によりクランプされた上記パルス波形電圧を帰還する電圧帰還回路と、上記整流平滑手段において直列接続された2つの整流素子に対してそれぞれ並列接続される直列回路であって、整流素子とインダクタからなる直列回路一対を有し、上記直列回路のそれぞれの整流素子が上記電圧帰還回路により帰還されるクランプされたパルス波形電圧に基づいて整流電流を断続することにより力率を改善する力率改善整流手段と、上記絶縁コンバータトランスの二次巻線の漏洩インダクタンス成分と、二次側共振コンデンサのキャパシタンスとによって二次側において形成される二次側共振回路と、上記二次側共振回路を含んで形成され、上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に得られる交番電圧を入力して、整流動作を行って二次側直流出力電圧を生成するように構成された直流出力電圧生成手段を備えるようにする。
また、更に、上記二次側直流出力電圧のレベルに応じて、上記スイッチング素子をスイッチングさせる周波数を可変することにより上記二次側直流出力電圧に対する定電圧制御を行うように構成された定電圧制御手段を備えるようにもする。
【0025】
また上記構成において、上記電圧帰還回路として、上記絶縁コンバータトランスの一次側には三次巻線が設けられ、上記アクティブクランプ手段によってクランプされた上記パルス波形電圧が、上記三次巻線を介して上記力率改善手段に帰還されるようにする。
【0026】
又は、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線と上記平滑コンデンサの間に接続される一次巻線、それぞれ上記インダクタとなる二次巻線および三次巻線を備えたトランスが上記電圧帰還回路として設けられ、上記アクティブクランプ手段によってクランプされた上記パルス波形電圧が、上記トランスを介して上記力率改善手段に帰還されるようにする。
【0027】
又は、上記力率改善整流手段には、それぞれ上記インダクタとなる一次巻線および二次巻線を備えたトランスと、上記トランスの一次巻線と並列回路を構成するコンデンサとが設けられ、上記アクティブクランプ手段における上記クランプコンデンサが、上記トランスの一次巻線と並列回路を構成するコンデンサとの接続点に接続されるとともに、上記補助スイッチング素子はボディーダイオードを有し、上記一次側共振回路で得られる上記パルス波形電圧より上記ボディーダイオードおよび上記クランプコンデンサを介して上記力率改善手段に電流が流れることで上記電圧帰還回路が形成されるように構成する。
【0028】
上記各構成によれば、スイッチング周波数制御方式複合共振形コンバータといわれる電源回路において、一次側電圧共振コンバータに発生するスイッチング出力電圧(電圧共振パルス電圧)に基づく電圧を、力率改善手段(又は力率改善整流手段)を介して平滑コンデンサに電圧帰還することで交流入力電流の導通角を拡大し力率を向上する回路が実現される。
このとき、一次側に形成されたアクティブクランプ手段によりクランプされた電圧共振パルス電圧が力率改善手段に帰還されることでスイッチング制御範囲が拡大されると共に、安定した力率特性を得ることができる。
又は、電圧共振パルス電圧に基づいて力率改善手段に帰還される電圧は、一次側に形成されたアクティブクランプ手段に発生するパルス電圧となる。これによりスイッチング制御範囲が拡大されると共に、安定した力率特性を得ることができる。
また力率改善手段において直列共振コンデンサを不要とすることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態としての第1〜第6の実施の形態のスイッチング電源回路を説明していく。なお各実施の形態は、それぞれ以下のように本発明請求項に対応したものである。
第1の実施の形態:請求項1,請求項2,請求項3
第2の実施の形態:請求項6,請求項7,請求項8
第3の実施の形態:請求項1,請求項2,請求項4
第4の実施の形態:請求項6,請求項7,請求項9
第5の実施の形態:請求項1,請求項2,請求項5
第6の実施の形態:請求項6,請求項7,請求項10
【0030】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成を示す回路図である。
この図に示す電源回路の一次側には、電圧共振形のスイッチングコンバータ(電圧共振形コンバータ)が設けられる。そして、この電圧共振形コンバータに対して力率改善回路10が備えられるものである。
【0031】
この図に示す電源回路においては、商用交流電源ACに対して、ラインフィルタトランスLFT、アクロスコンデンサCLが設けられ、いわゆるラインフィルタを構成する。
また商用交流電源ACを全波整流するブリッジ整流回路Diが備えられている。ブリッジ整流回路Diにより全波整流された整流出力は、力率改善回路10を介して平滑コンデンサCiに充電され、平滑コンデンサCiの両端には整流平滑電圧Eiが得られることになる。
【0032】
力率改善回路10の構成については後述し、先ず電圧共振形コンバータの構成について説明する。
ここでの電圧共振形コンバータは、1石のスイッチング素子Q1 を備える。このスイッチング素子Q1には、高耐圧のバイポーラトランジスタ(BJT;接合型トランジスタ)が採用されている。
【0033】
スイッチング素子Q1 のベースと平滑コンデンサCiの負極(1次側アース)間にはクランプダイオードDD1が挿入され、スイッチング素子Q1 のオフ時に流れるクランプ電流の経路を形成するようにされている。
スイッチング素子Q1 のコレクタは、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1を介して平滑コンデンサCiの正極端子と接続される。エミッタは一次側アースに接地される。
スイッチング素子Q1は、制御回路1からの制御電流がベースに印加され、その制御電流によってスイッチング周波数が可変されるスイッチング動作を行う。
【0034】
また、スイッチング素子Q1のコレクタ−エミッタ間に対しては、並列共振コンデンサCrが接続されている。
この並列共振コンデンサCrは、自身のキャパシタンスと、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1側のリーケージインダクタンスL1とにより電圧共振形コンバータの一次側並列共振回路を形成する。そしてスイッチング素子Q1のオフ時には、この並列共振回路の作用によって並列共振コンデンサCrの両端電圧は、実際には正弦波状のパルス波形となって電圧共振形の動作が得られる。
【0035】
絶縁コンバータトランスPITは、図2に示すように、例えばフェライト材によるE型コアCR1、CR2を互いの磁脚が対向するように組み合わせたEE型コアが備えられ、このEE型コアの中央磁脚に対して、分割ボビンBを利用して一次巻線N1(及び三次巻線N3)と、二次巻線N2をそれぞれ分割した状態で巻装している。そして、中央磁脚に対しては図のようにギャップGを形成するようにしている。これによって、所要の結合係数による疎結合が得られるようにしている。
ギャップGは、E型コアCR1,CR2の中央磁脚を、2本の外磁脚よりも短く形成することで形成することが出来る。また、結合係数kとしては、例えばk≒0.85という疎結合の状態を得るようにしており、その分、飽和状態が得られにくいようにしている。
【0036】
絶縁コンバ−タトランスPITの一次巻線N1の一端は、スイッチング素子Q1のコレクタと接続され、他端側は平滑コンデンサCiの正極(整流平滑電圧Ei)と接続されている。
また絶縁コンバータトランスPITの一次側には三次巻線N3が形成される。この場合絶縁コンバータトランスPITは、一次側に中間タップを設けて一次巻線N1と三次巻線N3を形成すること、また後述するドライブ巻線Ngについても中間タップ接続とすることで、製造を容易化できる。
【0037】
絶縁コンバ−タトランスPITの二次側では、一次巻線N1により誘起された交番電圧が二次巻線N2に発生する。この場合、二次巻線N2に対しては、二次側並列共振コンデンサC2 が並列に接続されることで、二次巻線N2のリーケージインダクタンスL2と二次側並列共振コンデンサC2のキャパシタンスとによって並列共振回路が形成される。この並列共振回路により、二次巻線N2に励起される交番電圧は共振電圧となる。つまり二次側において電圧共振動作が得られる。即ち、この電源回路では、一次側にはスイッチング動作を電圧共振形とするための並列共振回路が備えられ、二次側にも、電圧共振動作を得るための並列共振回路が備えられた、複合共振形スイッチングコンバータとして構成される。
【0038】
この場合、上記のようにして形成される二次側の並列共振回路に対しては、整流ダイオードDo及び平滑コンデンサCoを図のように接続することで、半波整流平滑回路が形成され、直流出力電圧Eoを生成する。
【0039】
また、PFM(パルス周波数変調回路)としての制御回路1が設けられ、直流出力電圧Eoは制御回路1に対しても分岐して入力される。制御回路1においては、直流出力電圧Eoを検出電圧として利用してスイッチング素子Q1のスイッチングのための共振周波数を制御することで、定電圧制御を行う。つまり制御回路1は、例えば二次側の直流電圧出力Eoのレベルに応じて、周波数が可変される電流信号をスイッチング素子Q1のベースに供給する。
つまり二次側の直流出力電圧Eoのレベルに応じて一次側のスイッチング素子Q1のスイッチング周波数を可変する動作が行われることになり、これによって二次側直流出力電圧Eoを安定化する作用が得られる。
スイッチング周波数制御としては、例えば軽負荷の傾向になるなどして二次側出力電圧が上昇したときに、スイッチング周波数を高くすることで、二次側出力を抑制するように制御が行われるものとされる。
【0040】
また、この電源回路においては、一次側にアクティブクランプ回路15が備えられる。
即ちアクティブクランプ回路15として、MOS−FETの補助スイッチング素子Q2,クランプコンデンサC3,ボディダイオードのクランプダイオードDD2を備える。また、補助スイッチング素子Q2を駆動するための駆動回路系として、ドライブ巻線Ng,コンデンサCg,抵抗Rg、R1を備えて成る。
【0041】
補助スイッチング素子Q2のドレイン−ソース間に対してはクランプダイオードDD2が並列に接続される。その接続形態としては、クランプダイオードDD2のアノードがソースに対して接続され、カソードがドレインに対して接続されるようになっている。
また、補助スイッチング素子Q2のドレインはクランプコンデンサC3を介して、平滑コンデンサCiの正極側に接続される。また、補助スイッチング素子Q2のソースはスイッチング素子Q1のコレクタ点に接続される。
従って、アクティブクランプ回路15としては、補助スイッチング素子Q2、クランプダイオードDD2の並列接続回路に対して、クランプコンデンサC3を直列に接続して成るものとされる。そして、このようにして形成される回路を、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1に対して、更に並列に接続して構成されるものである。
【0042】
また、補助スイッチング素子Q2の駆動回路系としては、図示するように、補助スイッチング素子Q2のゲートに対して、コンデンサCg−抵抗Rg−ドライブ巻線Ngの直列接続回路が接続される。この直列接続回路は補助スイッチング素子Q2のための自励式駆動回路を形成する。即ちこの自励式駆動回路からの信号電圧がスイッチング素子Q2のゲートに印加されスイッチング動作が行われる。
この場合のドライブ巻線Ngは、一次巻線N1の巻始め端部側に形成されており、巻数としては例えば1T(ターン)としている。
これによりドライブ巻線Ngには、一次巻線N1に得られる交番電圧に応じて電圧が発生する。また、この場合には、その巻方向の関係から、一次巻線N1とドライブ巻線Ngとは逆極性の電圧が得られる。
従ってスイッチング素子Q1と補助スイッチング素子Q2は交互にオン/オフすることになり、アクティブクランプ回路15によって電圧共振パルス電圧がクランプされる。
そして絶縁コンバータトランスPITの三次巻線N3は、力率改善回路10に対しての帰還巻線として機能するが、このアクティブクランプ回路15のクランプ作用により、三次巻線N3を介して帰還される高周波のパルス電圧波形(電圧V3)は図3のようになる。
【0043】
続いて、力率改善回路10の構成について説明する。
この力率改善回路10は、ノーマルモードフィルタ用のコンデンサCN、低速リカバリ型ダイオードD1,高速リカバリ型ダイオードD2、及びインダクタンスLsによって構成される。
即ち力率改善回路10においては、まずブリッジ整流回路Diと平滑コンデンサCiの正極間に直列に低速リカバリ型ダイオードD1が接続される。
また、低速リカバリ型ダイオードD1に対して並列にノーマルモードフィルタ用のコンデンサCNが配される。
【0044】
さらに、高速リカバリ型ダイオードD2のカソードはインダクタンスLsと直列接続され、インダクタンスLsはさらに絶縁コンバータトランスPITの三次巻線N3に接続される。絶縁コンバータトランスPITの三次巻線N3の他端(つまり一次巻線N1との中間タップ点)は平滑コンデンサCiの正極側に接続される。即ち高速リカバリ型ダイオードD2とインダクタンスLsと三次巻線N3の直列接続が、低速リカバリ型ダイオードD1、及びノーマルモードフィルタ用コンデンサCNのそれぞれに対して並列に接続されている状態となる。
【0045】
力率改善回路10による力率改善機能は次のようになる。
この力率改善回路10の場合、ブリッジ整流回路Diからの整流電流が平滑コンデンサCiへの充電電流として流れる経路としては2系統となる。つまり低速リカバリ型ダイオードD1を介して電流I1が流れる経路と、高速リカバリ型ダイオードD2及びインダクタンスLsを介して高周波スイッチング電流として電流I2が流れる経路の2つである。
そして力率改善回路10に対しては、一次側並列共振回路によって得られるスイッチング出力(アクティブクランプ回路15によってクランプされた電圧共振パルス電圧)が三次巻線N3が帰還巻線として機能して帰還される。つまり一次巻線N1に得られるクランプされた電圧共振パルス電圧が、三次巻線N3を介して直列接続されている高速リカバリ型ダイオードD2に電圧帰還されることになる。
【0046】
このようにして帰還されたスイッチング出力により、高速リカバリ型ダイオードD2及びインダクタンスLsを流れる電流I2の電流経路にはスイッチング周期の交番電圧が重畳されることになるが、このスイッチング周期の交番電圧の重畳分によって、高速リカバリ型ダイオードD2では整流電流をスイッチング周期で断続する動作が得られることになる。
つまり、高速リカバリ型ダイオードD2のカソード電圧V2がアノード電圧(つまり整流電圧V1)より低いときに、高速リカバリ型ダイオードD2がオン/オフを行う。この断続作用により整流出力電圧レベルV1が平滑コンデンサCiの両端電圧よりも低いとされる期間にも平滑コンデンサCiへの充電電流が流れるようにされる。
この結果、交流入力電流の平均的な波形が交流入力電圧の波形に近付くようにされて交流入力電流の導通角が拡大される結果、力率改善が図られることになる。
【0047】
また、上述したように平滑コンデンサCiへの充電電流は低速リカバリ型ダイオードD1による経路と、高速リカバリ型ダイオードD2及びインダクタンスLsによる経路に分流されるが、低速リカバリ型ダイオードD1は交流入力電圧VACの正負のピーク値近辺のみで導通する。つまりピーク値近辺でのみ充電電流I1が流れる。このため交流入力電圧VACの正負のピーク値近辺において高速リカバリ型ダイオードD2に過大な充電電流が流れることを防止するものとなる。このため高速リカバリ型ダイオードD2の電力損失が低下して高効率化が可能となる。
また従って、各ダイオードD1,D2として電流容量の小さいものを選定できること、及び発熱低下により放熱板が不要となることなどにより、回路の小型化やコストダウンが可能となる。
【0048】
また、この力率改善回路10では、図17のような直列共振コンデンサC10を介さないで電圧共振パルス電圧が帰還される構成となっている。これは、回路設計の容易化とともに、交流入力電圧VACや負荷電力の変動に対しても変動の少ない力率を実現できるものとなる。
【0049】
また上記したように一次側にアクティブクランプ回路15が形成され、これによってスイッチング制御範囲を拡大し、AC100V系、200V系に対応したワールドワイドなスイッチング電源回路を実現しているとともに、スイッチング素子Q1としてのトランジスタの耐圧の低下を図ることができる。
さらにアクティブクランプ回路15によって、交流入力電圧VACの上昇に伴ってスイッチング素子Q1のオフ時の電圧共振パルス電圧(クランプ電圧)のパルス幅が拡大することになるため、図3に示した電圧帰還パルス電圧の変化が少なくなるという作用も生じ、これによって力率の変化が減少するという効果も生ずる。
【0050】
図4、図5は、力率PF及び直流入力電圧Eiの変化特性を示している。
図4は交流入力電圧VAC=100V、50Hz時と、交流入力電圧VAC=230V、50Hz時とのそれぞれにおいて、負荷電力Po=0〜200Wの変化に対する上記の各特性である。
また図5は、負荷電力Po=200Wにおいて、交流入力電圧VAC=90〜288Vの変化に対する上記の各特性である。
これらの各図において実線は力率改善機能(PFI)を有する場合、つまり上記図1の回路の場合の特性であり、点線は力率改善のための回路構成を設けない場合の特性である。
【0051】
また図6は図1の回路の各部の動作波形を示している。これは交流入力電圧VAC=100V、或いは230Vの場合の動作波形となる。交流入力電圧VAC=100Vの場合と230Vの場合では、動作波形はほぼ相似であり、絶対値が異なるのみであるため、説明上、図6は共通の図面として示している。
この図6では、交流入力電圧VAC、交流入力電流IAC、整流電圧V1、カソード電圧V2、低速リカバリ型ダイオードD1に流れる電流I1、高速リカバリ型ダイオードD2に流れる電流I2、直流入力電圧Eiのリップル電圧ΔEi、直流出力電圧Eoのリップル電圧ΔEoについて示している。
なお、この場合図1の回路としての各種定数は次の通りである。
絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1=53T
絶縁コンバータトランスPITの三次巻線N3=18T
一次側並列共振コンデンサCr=3300pF
クランプコンデンサC3=0.047μF
フィルタ用コンデンサCN=1μF
インダクタンスLs=68μH
【0052】
図4からわかるように、交流入力電圧VAC=100V時では、力率改善回路10を設けない場合、負荷電力Po=50W〜200Wの範囲において、力率PFは0.46〜0.57、直流入力電圧Eiは138V〜131Vとなるが、力率改善回路10を備えた図1の回路の場合、力率PFは0.91〜0.83、直流入力電圧Eiは140V〜133Vとなる。
また、交流入力電圧VAC=230V時では、力率改善回路10を設けない場合、負荷電力Po=50W〜200Wの範囲において、力率PFは0.39〜0.47、直流入力電圧Eiは320V〜319Vとなるが、力率改善回路10を備えた図1の回路の場合、力率PFは0.71〜0.84、直流入力電圧Eiは346V〜328Vとなる。
さらに図5からわかるように、負荷電力Po=200Wの場合、交流入力電圧VAC=90V〜270Vに対して、力率改善回路10を設けない場合は、力率PFは0.58〜0.45となるが、力率改善回路10を備えた図1の回路の場合、力率PFは0.87〜0.81となる。
つまり力率PFとしては、負荷電力Poや交流入力電圧VACの大幅な変動に対しても、変化の少ない特性を実現できる。
【0053】
また、AC/DC電力変換効率(ηAC/DC)は、交流入力電圧VAC=100V時では、負荷電力Po=50W〜200Wの範囲において、力率改善回路10を設けない場合、88.8%〜90.8%となるが、力率改善回路10を備えた図1の回路の場合、86.1%〜90.5%となった。
交流入力電圧VAC=230V時では、負荷電力Po=50W〜200Wの範囲においてAC/DC電力変換効率(ηAC/DC)は、力率改善回路10を設けない場合、87.1%〜92.0%となるが、力率改善回路10を備えた図1の回路の場合、84.3%〜91.0%となった。
【0054】
また、上述のように低速リカバリ型ダイオードD1の経路と高速リカバリ型ダイオードD2の経路で充電電流I1,I2が分流する様子は、図6に見ることができる。
即ち、交流入力電圧VACのピーク近辺では低速リカバリ型ダイオードD1に対して図示する波形の電流I1が流れることで、高速リカバリ型ダイオードD2に対する電流I2は大電流とはなっていない。
【0055】
<第2の実施の形態>
続いて本発明の第2の実施の形態のスイッチング電源回路を説明する。
この実施の形態は、上記第1の実施の形態と同様の目的に加えて、交流入力電圧VAC=100V系の場合にAC/DC電力変換効率(ηAC/DC)の向上を図るものである。
図7は第2の実施の形態のスイッチング電源回路の回路図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。この場合、図1の回路と比較して、主に倍電圧整流回路に力率改善機能を備えるようにしたことが異なるものとなっている。
【0056】
この図に示す電源回路の一次側には、電圧共振形のスイッチングコンバータ(電圧共振形コンバータ)が設けられる。そして、この電圧共振形コンバータに対して力率改善機能を備えた整流回路、即ち力率改善整流回路11が備えられるものである。
【0057】
この図に示す電源回路においては、ラインフィルタトランスLFTを介した商用交流電源ACからの交流入力電流IACは、力率改善整流回路11によって整流され、直列接続された2つの平滑コンデンサCi1,Ci2によって平滑されることで、倍電圧整流方式により全波整流方式の2倍の整流平滑電圧Eiを得るようにされている。
【0058】
力率改善整流回路11の構成については後述するが、電圧共振形コンバータの構成については、概略第1の実施の形態と同様となるため簡単に述べる。
この場合も電圧共振形コンバータは、例えば高耐圧のバイポーラトランジスタによる1石のスイッチング素子Q1 を備える。
スイッチング素子Q1 に対してクランプダイオードDD1が接続されることや、並列共振コンデンサCrが、自身のキャパシタンスと、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1側のリーケージインダクタンスとにより電圧共振形コンバータの一次側並列共振回路を形成すること、一次側にアクティブクランプ回路15が形成されることで電圧共振パルス電圧がクランプされることは図1の回路と同様である。
また、絶縁コンバータトランスPITの二次側にも二次巻線N2と並列に共振コンデンサC2が配されて共振回路が形成され、複合共振コンバータの構成を採ること、整流ダイオードDo、平滑コンデンサCoにより整流平滑が行われて直流出力電圧Eoを得ること、PFMによる制御回路1によりスイッチング素子Q1のスイッチング周波数が制御されて二次側直流出力電圧Eoの安定化が図られることも同様である。
【0059】
なお絶縁コンバータトランスPITについては、一次側に三次巻線N3が巻装されるが、この場合は、三次巻線N3は一次巻線N1とは別巻線として巻装される。一次巻線N1とドライブ巻線Ngについては中間タップ接続とされる。
【0060】
力率改善整流回路11の構成について説明する。
この力率改善整流回路11は、交流入力電流IACの整流作用を有するとともにその力率改善作用を有するものとされる。具体的には、電圧帰還方式力率改善電源を倍電圧整流方式で構成する。
【0061】
力率改善整流回路11においては、交流ライン間にノーマルモードノイズ抑圧用のコンデンサCNが配される。
また2つの高速リカバリ型ダイオードD11、D12が設けられる。高速リカバリ型ダイオードD11、D12は直列接続され、トランスTを介して平滑コンデンサCi1の正極端子と一次側アース間に配される。
つまり、高速リカバリ型ダイオードD11のカソードに対してはトランスTの一次巻線(インダクタンスLT1)の巻終り端が直列接続され、この一次巻線(LT1)の巻始め端が平滑コンデンサCi1の正極端子に接続される。さらに、高速リカバリ型ダイオードD12のアノードに対しては、トランスTの二次巻線(インダクタンスLT2)の巻終り端が直列接続され、この二次巻線(LT2)の巻始め端が一次側アースに接続される。
【0062】
また、高速リカバリ型ダイオードD11,D12の接続点に対しては、絶縁コンバータトランスPITの三次巻線N3の巻終り端が接続され、三次巻線N3の巻始め端は交流ラインに接続されている。
これによって一次側に発生し、アクティブクランプ回路15によってクランプされた電圧共振パルス電圧が、三次巻線N3を介して力率改善整流回路11に電圧帰還されることになる。
【0063】
また力率改善整流回路11においてはさらに、交流ラインには低速リカバリ型ダイオードD13,D14の直列回路が配される。
低速リカバリ型ダイオードD13,D14の直列回路は、平滑コンデンサCi1の正極端子と一次側アース間に配される。
【0064】
このような力率改善整流回路11において、まず整流機能を説明する。
この力率改善整流回路11においては、高速リカバリ型ダイオードD11、D12が第1の整流回路として機能し、また、低速リカバリ型ダイオードD13,D14が第2の整流回路として機能する。
【0065】
即ち交流入力電圧VACの正の期間では、交流電源AC→三次巻線N3→高速リカバリ型ダイオードD11→インダクタンスLT1→平滑コンデンサCi1→・・・の系で、第1の整流回路による整流電流が流れて平滑コンデンサCi1へ充電され、また同時に、交流電源AC→低速リカバリ型ダイオードD13→平滑コンデンサCi1→・・・の系で、第2の整流回路による整流電流が流れて平滑コンデンサCi1へ充電される。
また交流入力電圧VACの負の期間では、交流電源AC→平滑コンデンサCi2→一次側アース→インダクタンスLT2→高速リカバリ型ダイオードD12→・・・の系で、第1の整流回路による整流電流が流れて平滑コンデンサCi2へ充電され、また同時に、交流電源AC→平滑コンデンサCi2→一次側アース→低速リカバリ型ダイオードD14→・・・の系で、第2の整流回路による整流電流が流れて平滑コンデンサCi2へ充電される。
【0066】
つまり、第1,第2の整流回路により、整流電流は2系統に分流して平滑コンデンサCi1、Ci2に供給されることになる。
そして平滑コンデンサCi1、Ci2が直列接続され、平滑コンデンサCi1の正極端子側から整流平滑電圧Eiが取り出されることで、倍電圧整流方式となる。
【0067】
力率改善整流回路11による力率改善機能は次のようになる。
上述のように2つの高速リカバリ型ダイオードD11、D12に対しては、絶縁コンバータトランスPITの三次巻線N3を介して、一次側並列共振回路によって得られるスイッチング出力(クランプされた電圧共振パルス電圧)が帰還される。
【0068】
このようにして帰還されたスイッチング出力により、整流電流経路にはスイッチング周期の交番電圧が重畳されることになるが、このスイッチング周期の交番電圧の重畳分によって、高速リカバリ型ダイオードD11(又はD12)では整流電流をスイッチング周期で断続する動作が得られることになり、この断続作用により整流出力電圧レベルが平滑コンデンサCi1(又はCi2)の両端電圧よりも低いとされる期間にも平滑コンデンサCi1(又はCi2)への充電電流が流れるようにされる。
この結果、交流入力電流の平均的な波形が交流入力電圧の波形に近付くようにされて交流入力電流の導通角が拡大される結果、力率改善が図られることになる。
【0069】
また力率改善整流回路11では、上述した第1、第2の整流回路の作用により、平滑コンデンサCi1、Ci2への充電電流は分流されることになる。
これは、交流入力電圧VACの正負のピーク値近辺において高速リカバリ型ダイオードD11又はD12に過大な充電電流が流れることを防止するものとなる。つまり交流入力電圧VACの正負のピーク値近辺においては充電電流が低速リカバリ型ダイオードD13,D14に流れ、高速リカバリ型ダイオードD11,D12に対しては高周波の電流のみが流れる。このため高速リカバリ型ダイオードD11,D12の電力損失が低下して高効率化が可能となる。これにより図1の回路に比べてAC/DC電力変換効率(ηAC/DC)の向上が可能となる。
また各高速リカバリ型ダイオードD11,D12として電流容量の小さいものを選定できること、及び発熱低下により放熱板が不要となることなどにより、回路の小型化やコストダウンが可能となる。
【0070】
そしてこの図7の電源回路によっても、力率改善整流回路11は図17のような直列共振コンデンサC10を介さないで電圧共振パルス電圧が帰還される構成となっている。これにより、回路設計の容易化とともに、交流入力電圧VACや負荷電力の変動に対しても変動の少ない力率を実現できるものとなる。
また一次側にアクティブクランプ回路15が形成され、これによってスイッチング制御範囲を拡大し、AC100V系、200V系に対応したワールドワイドなスイッチング電源回路を実現しているとともに、スイッチング素子Q1としてのトランジスタの耐圧の低下を図ることができる。
さらにアクティブクランプ回路15によって、交流入力電圧VACの上昇に伴ってスイッチング素子Q1のオフ時の電圧共振パルス電圧(クランプ電圧)のパルス幅が拡大することになるため、電圧帰還パルス電圧の変化が少なくなるという作用も生じ、これによって力率の変化が減少するという効果も生ずる。
【0071】
<第3の実施の形態>
図8は、本発明の第3の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成を示す回路図である。
図8に示す電源回路の一次側には、電圧共振形のスイッチングコンバータ(電圧共振形コンバータ)が設けられる。そして、この電圧共振形コンバータに対して力率改善回路10Aが備えられるものである。
なお、第1の実施の形態として図1に示した回路と同一部分には同一符号を付す。
【0072】
この図に示す電源回路においては、図1と同様に、商用交流電源ACに対して、ラインフィルタトランスLFT、アクロスコンデンサCLが設けられ、いわゆるラインフィルタを構成し、また商用交流電源ACを全波整流するブリッジ整流回路Diが備えられている。ブリッジ整流回路Diにより全波整流された整流出力は、力率改善回路10Aを介して平滑コンデンサCiに充電され、平滑コンデンサCiの両端には整流平滑電圧Eiが得られる。
【0073】
高耐圧のバイポーラトランジスタによる1石のスイッチング素子Q1 を備える電圧共振形コンバータも、図1とほぼ同様の構成となる。
即ちスイッチング素子Q1 のベースと平滑コンデンサCiの負極(1次側アース)間にはクランプダイオードDD1が挿入される。エミッタは一次側アースに接地される。
なおスイッチング素子Q1 のコレクタは、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1、及びトランスTの一次巻線(インダクタンスLp)を介して平滑コンデンサCiの正極端子と接続されることになる。
スイッチング素子Q1は、制御回路1からの制御電流がベースに印加され、その制御電流によってスイッチング周波数が可変されるスイッチング動作を行う。
【0074】
また図1と同様に、スイッチング素子Q1のコレクタ−エミッタ間に対しては、並列共振コンデンサCrが接続され、並列共振コンデンサCrは、自身のキャパシタンスと、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1側のリーケージインダクタンスL1とにより電圧共振形コンバータの一次側並列共振回路を形成する。スイッチング素子Q1のオフ時には、この並列共振回路の作用によって並列共振コンデンサCrの両端電圧は、正弦波状のパルス波形となる電圧共振形の動作が得られる。
【0075】
絶縁コンバータトランスPITは、上記図2に示した構造で、一次巻線N1と二次巻線N2が分割した状態で巻装され、また中央磁脚に対してはギャップGを形成することで、結合係数kとしては、例えばk≒0.85という疎結合の状態を得るようにしており、その分、飽和状態が得られにくいようにしている。
【0076】
絶縁コンバ−タトランスPITの一次巻線N1の一端は、スイッチング素子Q1のコレクタと接続され、他端側はトランスTの一次巻線(インダクタンスLp)を介して平滑コンデンサCiの正極(整流平滑電圧Ei)と接続されている。
また絶縁コンバータトランスPITの一次側にはドライブ巻線Ngが中間タップ接続で形成される。
なお、図1の場合と異なり、一次側に三次巻線N3は形成されない。
【0077】
絶縁コンバータトランスPITの二次側にも二次巻線N2と並列に共振コンデンサC2が配されて共振回路が形成され、複合共振コンバータの構成を採ること、整流ダイオードDo、平滑コンデンサCoにより整流平滑が行われて直流出力電圧Eoを得ること、PFMによる制御回路1によりスイッチング素子Q1のスイッチング周波数が制御されて二次側直流出力電圧Eoの安定化が図られることは、図1と同様である。
【0078】
また、この電源回路も、一次側にアクティブクランプ回路15が備えられる。即ちアクティブクランプ回路15として、MOS−FETの補助スイッチング素子Q2,クランプコンデンサC3,ボディダイオードのクランプダイオードDD2を備える。また、補助スイッチング素子Q2を駆動するための駆動回路系として、ドライブ巻線Ng,コンデンサCg,抵抗Rg、R1を備えて成る。
【0079】
補助スイッチング素子Q2のドレイン−ソース間に対してはクランプダイオードDD2が並列に接続される。その接続形態としては、クランプダイオードDD2のアノードがソースに対して接続され、カソードがドレインに対して接続されるようになっている。
また、補助スイッチング素子Q2のドレインはクランプコンデンサC3を介して、平滑コンデンサCiの正極側に接続される。また、補助スイッチング素子Q2のソースはスイッチング素子Q1のコレクタ点に接続される。
従って、アクティブクランプ回路15としては、補助スイッチング素子Q2、クランプダイオードDD2の並列接続回路に対して、クランプコンデンサC3を直列に接続して成るものとされる。そして、このようにして形成される回路を、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1に対して、更に並列に接続して構成されるものである。
【0080】
また、補助スイッチング素子Q2の駆動回路系としては、図示するように、補助スイッチング素子Q2のゲートに対して、コンデンサCg−抵抗Rg−ドライブ巻線Ngの直列接続回路が接続される。この直列接続回路は補助スイッチング素子Q2のための自励式駆動回路を形成する。即ちこの自励式駆動回路からの信号電圧がスイッチング素子Q2のゲートに印加されスイッチング動作が行われる。
この場合のドライブ巻線Ngは、一次巻線N1の巻始め端部側に形成されており、巻数としては例えば1T(ターン)としている。
これによりドライブ巻線Ngには、一次巻線N1に得られる交番電圧に応じて電圧が発生する。また、この場合には、その巻方向の関係から、一次巻線N1とドライブ巻線Ngとは逆極性の電圧が得られる。
従ってスイッチング素子Q1と補助スイッチング素子Q2は交互にオン/オフすることになり、アクティブクランプ回路15によって電圧共振パルス電圧がクランプされる。
そして、トランスTの一次巻線(インダクタンスLp)は、力率改善回路10Aに対しての帰還巻線として機能するが、このアクティブクランプ回路15のクランプ作用により、トランスTを介して帰還される高周波のパルス電圧波形(電圧V3)は上述した図3と同様になる。
【0081】
続いて、力率改善回路10Aの構成について説明する。
この力率改善回路10Aは、ノーマルモードフィルタ用のコンデンサCN、低速リカバリ型ダイオードD1、高速リカバリ型ダイオードD2、及びトランスTによって構成される。
即ち力率改善回路10Aにおいては、まずブリッジ整流回路Diと平滑コンデンサCiの正極間に直列に低速リカバリ型ダイオードD1が接続される。
また、低速リカバリ型ダイオードD1に対して並列にノーマルモードフィルタ用のコンデンサCNが配される。
【0082】
さらに、高速リカバリ型ダイオードD2のカソードはトランスTの二次巻線(インダクタンスLs)の巻終わり端に接続され、トランスTの二次巻線(Ls)の巻始め端は平滑コンデンサCiの正極側に接続される。つまり高速リカバリ型ダイオードD2とインダクタンスLsの直列接続が、低速リカバリ型ダイオードD1、及びノーマルモードフィルタ用コンデンサCNのそれぞれに対して並列に接続されている状態となる。
トランスTの一次巻線(インダクタンスLp)は、その巻始め端が絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1の巻終わり端と接続され、またトランスTの一次巻線(インダクタンスLp)の巻終わり端は、平滑コンデンサCiの正極に接続される。
【0083】
なお、このような一次巻線(Lp)、二次巻線(Ls)の接続構成とされるトランスTについては、一次巻線(Lp)の巻終わり端と二次巻線(Ls)の巻始め端が接続される構成となる。このため実際には、一次巻線(Lp)と二次巻線(Ls)は、いわゆる中間タップ接続が可能となる、またこのためにもより、トランスTとしては小型の開磁路のドラム形フェライト磁心により構成が可能となり、製造の容易化や回路の小型化を実現できる。
【0084】
力率改善回路10Aによる力率改善機能は次のようになる。
この力率改善回路10Aの場合、ブリッジ整流回路Diからの整流電流が平滑コンデンサCiへの充電電流として流れる経路としては、低速リカバリ型ダイオードD1を介して電流I1が流れる経路と、高速リカバリ型ダイオードD2及びインダクタンスLsを介して高周波スイッチング電流として電流I2が流れる経路の2つとなる。
そして力率改善回路10Aに対しては、一次側並列共振回路によって得られトランスTの一次巻線(Lp)に流れるスイッチング出力(アクティブクランプ回路15によってクランプされた電圧共振パルス電圧)が帰還される。つまり二次巻線(Ls)には、一次巻線(Lp)に流れる一次電流によって誘起電圧が発生し、これによってクランプされた電圧共振パルス電圧が、二次巻線(Ls)に直列接続されている高速リカバリ型ダイオードD2に電圧帰還されることになる。
【0085】
このようにして帰還されたスイッチング出力により、高速リカバリ型ダイオードD2及びインダクタンスLsを流れる電流I2の電流経路にはスイッチング周期の交番電圧が重畳されることになるが、このスイッチング周期の交番電圧の重畳分によって、高速リカバリ型ダイオードD2では整流電流をスイッチング周期で断続する動作が得られる。
つまり、高速リカバリ型ダイオードD2のカソード電圧V2がアノード電圧(つまり整流電圧V1)より低いときに、高速リカバリ型ダイオードD2がオン/オフを行う。この断続作用により整流出力電圧レベルV1が平滑コンデンサCiの両端電圧よりも低いとされる期間にも平滑コンデンサCiへの充電電流が流れるようにされる。
この結果、交流入力電流の平均的な波形が交流入力電圧の波形に近付くようにされて交流入力電流の導通角が拡大される結果、力率改善が図られることになる。
【0086】
また、上述したように平滑コンデンサCiへの充電電流は低速リカバリ型ダイオードD1による経路と、高速リカバリ型ダイオードD2及びインダクタンスLsによる経路に分流されるが、低速リカバリ型ダイオードD1は交流入力電圧VACの正負のピーク値近辺のみで導通する。つまりピーク値近辺でのみ充電電流I1が流れる。このため交流入力電圧VACの正負のピーク値近辺において高速リカバリ型ダイオードD2に過大な充電電流が流れることを防止するものとなる。このため高速リカバリ型ダイオードD2の電力損失が低下して高効率化が可能となる。
また従って、各ダイオードD1,D2として電流容量の小さいものを選定できること、及び発熱低下により放熱板が不要となることなどにより、回路の小型化やコストダウンが可能となる。
【0087】
また、この力率改善回路10Aでは、図17のような直列共振コンデンサC10を介さないで電圧共振パルス電圧が帰還される構成となっている。これは、回路設計の容易化とともに、交流入力電圧VACや負荷電力の変動に対しても変動の少ない力率を実現できるものとなる。
【0088】
また上記したように一次側にアクティブクランプ回路15が形成され、これによってスイッチング制御範囲を拡大し、AC100V系、200V系に対応したワールドワイドなスイッチング電源回路を実現しているとともに、スイッチング素子Q1としてのトランジスタの耐圧の低下を図ることができる。
さらにアクティブクランプ回路15によって、交流入力電圧VACの上昇に伴ってスイッチング素子Q1のオフ時の電圧共振パルス電圧(クランプ電圧)のパルス幅が拡大することになるため、図3に示した電圧帰還パルス電圧の変化が少なくなるという作用も生じ、これによって力率の変化が減少するという効果も生ずる。
【0089】
図9、図10は、力率PF及び直流入力電圧Eiの変化特性を示している。
図9は交流入力電圧VAC=100V、50Hz時と、交流入力電圧VAC=230V、50Hz時とのそれぞれにおいて、負荷電力Po=0〜200Wの変化に対する上記の各特性である。
また図10は、負荷電力Po=200Wにおいて、交流入力電圧VAC=90〜288Vの変化に対する上記の各特性である。
これらの各図において実線は力率改善機能(PFI)を有する場合、つまり図8の回路の場合の特性であり、点線は力率改善のための回路構成を設けない場合の特性である。
【0090】
また図8の回路の各部の動作波形は上述した図1の回路の動作波形とほぼ同様になり、図6の波形を参照できる。
なお、この場合図8の回路としての各種定数は次の通りである。
絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1=48T
インダクタンスLp=68μH
インダクタンスLs=33μH
一次側並列共振コンデンサCr=3300pF
クランプコンデンサC3=0.047μF
フィルタ用コンデンサCN=1μF
【0091】
図9からわかるように、交流入力電圧VAC=100V時では、力率改善回路10を設けない場合、負荷電力Po=200W〜50Wの範囲において、力率PFは0.57〜0.46、直流入力電圧Eiは131V〜138Vとなるが、力率改善回路10Aを備えた図8の回路の場合、力率PFは0.80〜0.82、直流入力電圧Eiは133V〜142Vとなる。
また、交流入力電圧VAC=230V時では、力率改善回路10Aを設けない場合、負荷電力Po=200W〜50Wの範囲において、力率PFは0.47〜0.39、直流入力電圧Eiは317V〜320Vとなるが、力率改善回路10Aを備えた図8の回路の場合、力率PFは0.81〜0.70、直流入力電圧Eiは329V〜350Vとなる。
さらに図10からわかるように、負荷電力Po=200Wの場合、交流入力電圧VAC=90V〜270Vに対して、力率改善回路10Aを設けない場合は、力率PFは0.58〜0.45となるが、力率改善回路10Aを備えた図8の回路の場合、力率PFは0.85〜0.80となる。
つまり力率PFとしては、負荷電力Poや交流入力電圧VACの大幅な変動に対しても、変化の少ない特性を実現できる。
【0092】
また、AC/DC電力変換効率(ηAC/DC)は、交流入力電圧VAC=100V時では、負荷電力Po=200W〜50Wの範囲において、力率改善回路10Aを設けない場合、90.8%〜88.8%となるが、力率改善回路10Aを備えた図8の回路の場合、90.2%〜85.8%となった。
交流入力電圧VAC=230V時では、負荷電力Po=200W〜50Wの範囲においてAC/DC電力変換効率(ηAC/DC)は、力率改善回路10Aを設けない場合、92.0%〜87.1%となるが、力率改善回路10Aを備えた図8の回路の場合、90.8%〜83.8%となった。
【0093】
また、この図8の回路の場合でも、低速リカバリ型ダイオードD1の経路と高速リカバリ型ダイオードD2の経路で充電電流I1,I2が分流するが、その様子は、図6に見ることができる。
即ち、交流入力電圧VACのピーク近辺では低速リカバリ型ダイオードD1に対して図示する波形の電流I1が流れることで、高速リカバリ型ダイオードD2に対する電流I2は大電流とはなっていない。
【0094】
<第4の実施の形態>
続いて本発明の第4の実施の形態のスイッチング電源回路を説明する。
この実施の形態は、上記第3の実施の形態と同様の目的に加えて、交流入力電圧VAC=100V系の場合にAC/DC電力変換効率(ηAC/DC)の向上を図るものである。
図11は第4の実施の形態のスイッチング電源回路の回路図である。なお、図8と同一部分には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。この場合、図8の回路と比較して、主に倍電圧整流回路に力率改善機能を備えるようにしたことが異なるものとなっている。
【0095】
この図に示す電源回路の一次側には、電圧共振形のスイッチングコンバータ(電圧共振形コンバータ)が設けられる。そして、この電圧共振形コンバータに対して力率改善機能を備えた整流回路、即ち力率改善整流回路11Aが備えられるものである。
【0096】
この図に示す電源回路においては、ラインフィルタトランスLFTを介した商用交流電源ACからの交流入力電流IACは、力率改善整流回路11によって整流され、直列接続された2つの平滑コンデンサCi1,Ci2によって平滑されることで、倍電圧整流方式により全波整流方式の2倍の整流平滑電圧Eiを得るようにされている。
【0097】
電圧共振形コンバータの構成は、概略第3の実施の形態と同様となる。
この場合も電圧共振形コンバータは、例えば高耐圧のバイポーラトランジスタによる1石のスイッチング素子Q1 を備える。
スイッチング素子Q1 に対してクランプダイオードDD1が接続されることや、並列共振コンデンサCrが、自身のキャパシタンスと、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1側のリーケージインダクタンスとにより電圧共振形コンバータの一次側並列共振回路を形成すること、一次側にアクティブクランプ回路15が形成されることで電圧共振パルス電圧がクランプされることは図8の回路と同様である。
【0098】
また、絶縁コンバータトランスPITの二次側にも二次巻線N2と並列に共振コンデンサC2が配されて共振回路が形成され、複合共振コンバータの構成を採ること、整流ダイオードDo、平滑コンデンサCoにより整流平滑が行われて直流出力電圧Eoを得ること、PFMによる制御回路1によりスイッチング素子Q1のスイッチング周波数が制御されて二次側直流出力電圧Eoの安定化が図られることも同様である。
【0099】
なお、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1はトランスTの一次巻線(インダクタンスLT1)を介して平滑コンデンサCi1の正極に接続される。
トランスTは、その一次側が、一次巻線(インダクタンスLT1)とされ、二次側には二次巻線(インダクタンスLT2)と三次巻線(インダクタンスLT3)が巻装された構造となる。
【0100】
続いて、力率改善整流回路11Aの構成について説明する。
この力率改善整流回路11Aは、交流入力電流IACの整流作用を有するとともにその力率改善作用を有するものとされる。具体的には、電圧帰還方式力率改善電源を倍電圧整流方式で構成する。
【0101】
力率改善整流回路11Aにおいては、交流ライン間にノーマルモードノイズ抑圧用のコンデンサCNが配される。
また2つの高速リカバリ型ダイオードD11、D12が設けられる。高速リカバリ型ダイオードD11、D12は直列接続され、トランスTを介して平滑コンデンサCi1の正極端子と一次側アース間に配される。
つまり、高速リカバリ型ダイオードD11のカソードに対してはトランスTの二次巻線(インダクタンスLT2)の巻終り端が直列接続され、この二次巻線(LT2)の巻始め端が平滑コンデンサCi1の正極端子に接続される。さらに、高速リカバリ型ダイオードD12のアノードに対しては、トランスTの三次巻線(インダクタンスLT3)の巻始め端が直列接続され、この三次巻線(LT3)の巻終り端が一次側アースに接続される。
そして、二次巻線(LT2)及び三次巻線(LT3)は、一次巻線(LT1)に流れる一次電流によって誘起電圧が発生する。つまり、これによって、アクティブクランプ回路15によりクランプされた電圧共振パルス電圧が、力率改善整流回路11A(二次巻線(LT2)及び三次巻線(LT3)に直列接続されている高速リカバリ型ダイオードD11,D12)に電圧帰還されることになる。
またこの場合、インダクタンスLT2、LT3に発生する誘起電圧は互いに逆極性となる。
【0102】
また力率改善整流回路11Aにおいてはさらに、交流ラインには低速リカバリ型ダイオードD13,D14の直列回路が配される。
低速リカバリ型ダイオードD13,D14の直列回路は、平滑コンデンサCi1の正極端子と一次側アース間に配される。
【0103】
このような力率改善整流回路11Aにおいて、まず整流機能を説明する。
この力率改善整流回路11Aにおいては、高速リカバリ型ダイオードD11、D12が第1の整流回路として機能し、また、低速リカバリ型ダイオードD13,D14が第2の整流回路として機能する。
【0104】
即ち交流入力電圧VACの正の期間では、交流電源AC→高速リカバリ型ダイオードD11→インダクタンスLT2→平滑コンデンサCi1→・・・の系で、第1の整流回路による整流電流が流れて平滑コンデンサCi1へ充電され、また同時に、交流電源AC→低速リカバリ型ダイオードD13→平滑コンデンサCi1→・・・の系で、第2の整流回路による整流電流が流れて平滑コンデンサCi1へ充電される。
また交流入力電圧VACの負の期間では、交流電源AC→平滑コンデンサCi2→一次側アース→インダクタンスLT3→高速リカバリ型ダイオードD12→・・・の系で、第1の整流回路による整流電流が流れて平滑コンデンサCi2へ充電され、また同時に、交流電源AC→平滑コンデンサCi2→一次側アース→低速リカバリ型ダイオードD14→・・・の系で、第2の整流回路による整流電流が流れて平滑コンデンサCi2へ充電される。
【0105】
つまり、第1,第2の整流回路により、整流電流は2系統に分流して平滑コンデンサCi1、Ci2に供給されることになる。
そして平滑コンデンサCi1、Ci2が直列接続され、平滑コンデンサCi1の正極端子側から整流平滑電圧Eiが取り出されることで、倍電圧整流方式となる。
【0106】
力率改善整流回路11Aによる力率改善機能は次のようになる。
上述のように2つの高速リカバリ型ダイオードD11、D12に対しては、トランスTの二次巻線(インダクタンスLT2)、三次巻線(インダクタンスLT3)がそれぞれ直列接続されており、これによって力率改善整流回路11Aに対して、一次側並列共振回路によって得られトランスTの一次巻線(LT1)に流れるスイッチング出力(クランプされた電圧共振パルス電圧)が帰還される。
【0107】
このようにして帰還されたスイッチング出力により、整流電流経路にはスイッチング周期の交番電圧が重畳されることになるが、このスイッチング周期の交番電圧の重畳分によって、高速リカバリ型ダイオードD11(又はD12)では整流電流をスイッチング周期で断続する動作が得られることになり、この断続作用により整流出力電圧レベルが平滑コンデンサCi1(又はCi2)の両端電圧よりも低いとされる期間にも平滑コンデンサCi1(又はCi2)への充電電流が流れるようにされる。
この結果、交流入力電流の平均的な波形が交流入力電圧の波形に近付くようにされて交流入力電流の導通角が拡大される結果、力率改善が図られることになる。
【0108】
また力率改善整流回路11Aでは、上述した第1、第2の整流回路の作用により、平滑コンデンサCi1、Ci2への充電電流は分流されることになる。
これは、交流入力電圧VACの正負のピーク値近辺において高速リカバリ型ダイオードD11又はD12に過大な充電電流が流れることを防止するものとなる。つまり交流入力電圧VACの正負のピーク値近辺においては充電電流が低速リカバリ型ダイオードD13,D14に流れ、高速リカバリ型ダイオードD11,D12に対しては高周波の電流のみが流れる。このため高速リカバリ型ダイオードD11,D12の電力損失が低下して高効率化が可能となる。これにより図8の回路に比べてAC/DC電力変換効率(ηAC/DC)の向上が可能となる。
また各高速リカバリ型ダイオードD11,D12として電流容量の小さいものを選定できること、及び発熱低下により放熱板が不要となることなどにより、回路の小型化やコストダウンが可能となる。
【0109】
そしてこの図11の電源回路によっても、力率改善整流回路11Aは図17のような直列共振コンデンサC10を介さないで電圧共振パルス電圧が帰還される構成となっている。これにより、回路設計の容易化とともに、交流入力電圧VACや負荷電力の変動に対しても変動の少ない力率を実現できるものとなる。
また一次側にアクティブクランプ回路15が形成され、これによってスイッチング制御範囲を拡大し、AC100V系、200V系に対応したワールドワイドなスイッチング電源回路を実現しているとともに、スイッチング素子Q1としてのトランジスタの耐圧の低下を図ることができる。
さらにアクティブクランプ回路15によって、交流入力電圧VACの上昇に伴ってスイッチング素子Q1のオフ時の電圧共振パルス電圧(クランプ電圧)のパルス幅が拡大することになるため、電圧帰還パルス電圧の変化が少なくなるという作用も生じ、これによって力率の変化が減少するという効果も生ずる。
【0110】
<第5の実施の形態>
図12は、本発明の第5の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成を示す回路図である。
図12に示す電源回路の一次側には、電圧共振形のスイッチングコンバータ(電圧共振形コンバータ)が設けられる。そして、この電圧共振形コンバータに対して力率改善回路10Bが備えられるものである。
なお、第1の実施の形態として図1に示した回路と同一部分には同一符号を付す。
【0111】
この図に示す電源回路においては、図1と同様に、商用交流電源ACに対して、ラインフィルタトランスLFT、アクロスコンデンサCLが設けられ、いわゆるラインフィルタを構成し、また商用交流電源ACを全波整流するブリッジ整流回路Diが備えられている。ブリッジ整流回路Diにより全波整流された整流出力は、力率改善回路10Bを介して平滑コンデンサCiに充電され、平滑コンデンサCiの両端には整流平滑電圧Eiが得られる。
【0112】
高耐圧のバイポーラトランジスタによる1石のスイッチング素子Q1 を備える電圧共振形コンバータは、図1とほぼ同様の構成となる。
即ちスイッチング素子Q1 のベースと平滑コンデンサCiの負極(1次側アース)間にはクランプダイオードDD1が挿入される。エミッタは一次側アースに接地される。
スイッチング素子Q1 のコレクタは、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1を介して平滑コンデンサCiの正極端子と接続される。
スイッチング素子Q1は、制御回路1からの制御電流がベースに印加され、その制御電流によってスイッチング周波数が可変されるスイッチング動作を行う。
【0113】
また図1と同様に、スイッチング素子Q1のコレクタ−エミッタ間に対しては、並列共振コンデンサCrが接続され、並列共振コンデンサCrは、自身のキャパシタンスと、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1側のリーケージインダクタンスL1とにより電圧共振形コンバータの一次側並列共振回路を形成する。スイッチング素子Q1のオフ時には、この並列共振回路の作用によって並列共振コンデンサCrの両端電圧は、正弦波状のパルス波形となる電圧共振形の動作が得られる。但し本例の場合は後述するアクティブクランプ回路15の作用によりパルス電圧がクランプされる。
【0114】
絶縁コンバータトランスPITは、上記図2に示した構造で、一次巻線N1と二次巻線N2が分割した状態で巻装され、また中央磁脚に対してはギャップGを形成することで、結合係数kとしては、例えばk≒0.85という疎結合の状態を得るようにしており、その分、飽和状態が得られにくいようにしている。
【0115】
絶縁コンバ−タトランスPITの一次巻線N1の一端は、スイッチング素子Q1のコレクタと接続され、他端側は平滑コンデンサCiの正極(整流平滑電圧Ei)と接続されている。
また絶縁コンバータトランスPITの一次側にはドライブ巻線Ngが中間タップ接続で形成される。
なお、図1の場合と異なり、一次側に三次巻線N3は形成されない。
【0116】
絶縁コンバータトランスPITの二次側にも二次巻線N2と並列に共振コンデンサC2が配されて共振回路が形成され、複合共振コンバータの構成を採ること、整流ダイオードDo、平滑コンデンサCoにより整流平滑が行われて直流出力電圧Eoを得ること、PFMによる制御回路1によりスイッチング素子Q1のスイッチング周波数が制御されて二次側直流出力電圧Eoの安定化が図られることは、図1と同様である。
【0117】
また、この電源回路も、一次側にアクティブクランプ回路15が備えられる。即ちアクティブクランプ回路15として、MOS−FETの補助スイッチング素子Q2,クランプコンデンサC3,ボディダイオードのクランプダイオードDD2を備える。また、補助スイッチング素子Q2を駆動するための駆動回路系として、ドライブ巻線Ng,コンデンサCg,抵抗Rg、R1を備えて成る。
【0118】
補助スイッチング素子Q2のドレイン−ソース間に対してはクランプダイオードDD2が並列に接続される。その接続形態としては、クランプダイオードDD2のアノードがソースに対して接続され、カソードがドレインに対して接続されるようになっている。
また、補助スイッチング素子Q2のドレインはクランプコンデンサC3に接続され、クランプコンデンサC3は、後述する力率改善回路10B内の高速リカバリ型ダイオードD2のカソードに接続される。
また、補助スイッチング素子Q2のソースはスイッチング素子Q1のコレクタ点に接続される。
従って、アクティブクランプ回路15としては、補助スイッチング素子Q2、クランプダイオードDD2の並列接続回路に対して、クランプコンデンサC3を直列に接続して成るものとされる。
【0119】
また、補助スイッチング素子Q2の駆動回路系としては、図示するように、補助スイッチング素子Q2のゲートに対して、コンデンサCg−抵抗Rg−ドライブ巻線Ngの直列接続回路が接続される。この直列接続回路は補助スイッチング素子Q2のための自励式駆動回路を形成する。即ちこの自励式駆動回路からの信号電圧がスイッチング素子Q2のゲートに印加されスイッチング動作が行われる。
この場合のドライブ巻線Ngは、一次巻線N1の巻始め端部側に形成されており、巻数としては例えば1T(ターン)としている。
これによりドライブ巻線Ngには、一次巻線N1に得られる交番電圧に応じて電圧が発生する。また、この場合には、その巻方向の関係から、一次巻線N1とドライブ巻線Ngとは逆極性の電圧が得られる。
従ってスイッチング素子Q1と補助スイッチング素子Q2は交互にオン/オフすることになる。そして、その動作により、スイッチング素子Q1のコレクタ側に発生する電圧共振パルス電圧V3は図13のような波形となる。
【0120】
続いて、力率改善回路10Bの構成について説明する。
この力率改善回路10Bは、ノーマルモードフィルタ用のコンデンサCN、低速リカバリ型ダイオードD1、高速リカバリ型ダイオードD2、インダクタンスLs、及びコンデンサC4によって構成される。
即ち力率改善回路10Bにおいては、まずブリッジ整流回路Diと平滑コンデンサCiの正極間に直列に低速リカバリ型ダイオードD1が接続される。
また、低速リカバリ型ダイオードD1に対して並列にノーマルモードフィルタ用のコンデンサCNが配される。
【0121】
さらに、インダクタンスLsとコンデンサC4は並列接続され、この並列回路の一端に対して高速リカバリ型ダイオードD2のカソードが直列接続される。上記並列回路(インダクタンスLsとコンデンサC4)の他端側は平滑コンデンサCiの正極に接続される。従って、高速リカバリ型ダイオードD2と上記並列回路(インダクタンスLsとコンデンサC4)の直列接続が、低速リカバリ型ダイオードD1、及びノーマルモードフィルタ用コンデンサCNのそれぞれに対して並列に接続されている状態となる。
【0122】
力率改善回路10Bによる力率改善機能は次のようになる。
この力率改善回路10Bの場合、ブリッジ整流回路Diからの整流電流が平滑コンデンサCiへの充電電流として流れる経路としては、低速リカバリ型ダイオードD1を介して電流I1が流れる経路と、高速リカバリ型ダイオードD2及びインダクタンスLsを介して高周波スイッチング電流として電流I2が流れる経路の2つとなる。
【0123】
そして力率改善回路10Bに対しては、一次側並列共振回路によって得られる電圧共振パルス電圧に応じて、アクティブクランプ回路15に発生するパルス電圧即ち図13の電圧V3が帰還される。
このとき、スイッチング素子Q1のオフ時には、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1の誘起電圧による電流は、補助スイッチング素子Q2のボディダイオード(クランプダイオードDD2)を介して、クランプコンデンサC3→インダクタンスLsと流れるため、インダクタンスLsに並列にコンデンサC4を設けることで、図13に示すようにパルス電圧V3のピーク値を低下して電圧帰還するようにしている。
【0124】
このようにして帰還されたスイッチング出力により、高速リカバリ型ダイオードD2及びインダクタンスLsを流れる電流I2の電流経路にはスイッチング周期の交番電圧が重畳されることになるが、このスイッチング周期の交番電圧の重畳分によって、高速リカバリ型ダイオードD2では整流電流をスイッチング周期で断続する動作が得られる。
つまり、高速リカバリ型ダイオードD2のカソード電圧V2がアノード電圧(つまり整流電圧V1)より低いときに、高速リカバリ型ダイオードD2がオン/オフを行う。この断続作用により整流出力電圧レベルV1が平滑コンデンサCiの両端電圧よりも低いとされる期間にも平滑コンデンサCiへの充電電流が流れるようにされる。
この結果、交流入力電流の平均的な波形が交流入力電圧の波形に近付くようにされて交流入力電流の導通角が拡大される結果、力率改善が図られることになる。
【0125】
また、上述したように平滑コンデンサCiへの充電電流は低速リカバリ型ダイオードD1による経路と、高速リカバリ型ダイオードD2及びインダクタンスLsによる経路に分流されるが、低速リカバリ型ダイオードD1は交流入力電圧VACの正負のピーク値近辺のみで導通する。つまりピーク値近辺でのみ充電電流I1が流れる。このため交流入力電圧VACの正負のピーク値近辺において高速リカバリ型ダイオードD2に過大な充電電流が流れることを防止するものとなる。このため高速リカバリ型ダイオードD2の電力損失が低下して高効率化が可能となる。
また従って、各ダイオードD1,D2として電流容量の小さいものを選定できること、及び発熱低下により放熱板が不要となることなどにより、回路の小型化やコストダウンが可能となる。
【0126】
また、この力率改善回路10Bでは、図17のような直列共振コンデンサC10を介さないで電圧共振パルス電圧が帰還される構成となっている。これは、回路設計の容易化とともに、交流入力電圧VACや負荷電力の変動に対しても変動の少ない力率を実現できるものとなる。
【0127】
また上記したように一次側にアクティブクランプ回路15が形成され、これによってスイッチング制御範囲を拡大し、AC100V系、200V系に対応したワールドワイドなスイッチング電源回路を実現しているとともに、スイッチング素子Q1としてのトランジスタの耐圧の低下を図ることができる。
さらにアクティブクランプ回路15によって、交流入力電圧VACの上昇に伴ってスイッチング素子Q1のオフ時の電圧共振パルス電圧(クランプ電圧)のパルス幅が拡大することになるため、図13に示した電圧帰還パルス電圧の変化が少なくなるという作用も生じ、これによって力率の変化が減少するという効果も生ずる。
【0128】
図14、図15は、力率PF及び直流入力電圧Eiの変化特性を示している。図14は交流入力電圧VAC=100V、50Hz時と、交流入力電圧VAC=230V、50Hz時とのそれぞれにおいて、負荷電力Po=0〜200Wの変化に対する上記の各特性である。
また図15は、負荷電力Po=200Wにおいて、交流入力電圧VAC=90〜288Vの変化に対する上記の各特性である。
これらの各図において実線は力率改善機能(PFI)を有する場合、つまり図12の回路の場合の特性であり、点線は力率改善のための回路構成を設けない場合の特性である。
【0129】
また図12の回路の各部の動作波形は上述した図1の回路の動作波形とほぼ同様になり、図6の波形を参照できる。
なお、この場合図12の回路としての各種定数は次の通りである。
絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1=53T
インダクタンスLs=22μH
一次側並列共振コンデンサCr=3300pF
クランプコンデンサC3=0.047μF
コンデンサC4=6800pF
フィルタ用コンデンサCN=1μF
【0130】
図14からわかるように、交流入力電圧VAC=100V時では、力率改善回路10Bを設けない場合、負荷電力Po=200W〜50Wの範囲において、力率PFは0.57〜0.46、直流入力電圧Eiは131V〜138Vとなるが、力率改善回路10Bを備えた図12の回路の場合、力率PFは0.82〜0.80、直流入力電圧Eiは133V〜143Vとなる。
また、交流入力電圧VAC=230V時では、力率改善回路10Bを設けない場合、負荷電力Po=200W〜50Wの範囲において、力率PFは0.47〜0.39、直流入力電圧Eiは317V〜320Vとなるが、力率改善回路10Bを備えた図12の回路の場合、力率PFは0.80〜0.74、直流入力電圧Eiは328V〜350Vとなる。
さらに図15からわかるように、負荷電力Po=200Wの場合、交流入力電圧VAC=90V〜270Vに対して、力率改善回路10Bを設けない場合は、力率PFは0.58〜0.45となるが、力率改善回路10Bを備えた図12の回路の場合、力率PFは0.85〜0.80となる。
つまり力率PFとしては、負荷電力Poや交流入力電圧VACの大幅な変動に対しても、変化の少ない特性を実現できる。
【0131】
また、AC/DC電力変換効率(ηAC/DC)は、交流入力電圧VAC=100V時では、負荷電力Po=200W〜50Wの範囲において、力率改善回路10Bを設けない場合、90.8%〜88.8%となるが、力率改善回路10Bを備えた図12の回路の場合、90.7%〜86.9%となった。
交流入力電圧VAC=230V時では、負荷電力Po=200W〜50Wの範囲においてAC/DC電力変換効率(ηAC/DC)は、力率改善回路10Bを設けない場合、92.0%〜87.1%となるが、力率改善回路10Bを備えた図12の回路の場合、91.4%〜85.1%となった。
【0132】
また、上述のように低速リカバリ型ダイオードD1の経路と高速リカバリ型ダイオードD2の経路で充電電流I1,I2が分流する様子は、図6に見ることができる。
即ち、交流入力電圧VACのピーク近辺では低速リカバリ型ダイオードD1に対して図示する波形の電流I1が流れることで、高速リカバリ型ダイオードD2に対する電流I2は大電流とはなっていない。
【0133】
<第6の実施の形態>
続いて本発明の第6の実施の形態のスイッチング電源回路を説明する。
この実施の形態は、上記第5の実施の形態と同様の目的に加えて、交流入力電圧VAC=100V系の場合にAC/DC電力変換効率(ηAC/DC)の向上を図るものである。
図16は第6の実施の形態のスイッチング電源回路の回路図である。なお、図12と同一部分には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。この場合、図12の回路と比較して、主に倍電圧整流回路に力率改善機能を備えるようにしたことが異なるものとなっている。
【0134】
この図に示す電源回路の一次側には、電圧共振形のスイッチングコンバータ(電圧共振形コンバータ)が設けられる。そして、この電圧共振形コンバータに対して力率改善機能を備えた整流回路、即ち力率改善整流回路11Bが備えられるものである。
【0135】
この図に示す電源回路においては、ラインフィルタトランスLFTを介した商用交流電源ACからの交流入力電流IACは、力率改善整流回路11Bによって整流され、直列接続された2つの平滑コンデンサCi1,Ci2によって平滑されることで、倍電圧整流方式により全波整流方式の2倍の整流平滑電圧Eiを得るようにされている。
【0136】
電圧共振形コンバータの構成は、概略第5の実施の形態と同様となる。
この場合も電圧共振形コンバータは、例えば高耐圧のバイポーラトランジスタによる1石のスイッチング素子Q1 を備える。
スイッチング素子Q1 に対してクランプダイオードDD1が接続されることや、並列共振コンデンサCrが、自身のキャパシタンスと、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1側のリーケージインダクタンスとにより電圧共振形コンバータの一次側並列共振回路を形成すること、一次側にアクティブクランプ回路15が形成され、アクティブクランプ回路15で発生するパルス電圧が力率改善整流回路11Bに帰還されることは図12の回路と同様である。
【0137】
また、絶縁コンバータトランスPITの二次側にも二次巻線N2と並列に共振コンデンサC2が配されて共振回路が形成され、複合共振コンバータの構成を採ること、整流ダイオードDo、平滑コンデンサCoにより整流平滑が行われて直流出力電圧Eoを得ること、PFMによる制御回路1によりスイッチング素子Q1のスイッチング周波数が制御されて二次側直流出力電圧Eoの安定化が図られることも同様である。
【0138】
続いて、力率改善整流回路11Bの構成について説明する。
この力率改善整流回路11Bは、交流入力電流IACの整流作用を有するとともにその力率改善作用を有するものとされる。具体的には、電圧帰還方式力率改善電源を倍電圧整流方式で構成する。
【0139】
力率改善整流回路11Bにおいては、交流ライン間にノーマルモードノイズ抑圧用のコンデンサCNが配される。
また2つの高速リカバリ型ダイオードD11、D12が設けられる。高速リカバリ型ダイオードD11、D12は直列接続され、トランスTを介して平滑コンデンサCi1の正極端子と一次側アース間に配される。
つまり、高速リカバリ型ダイオードD11のカソードに対してはトランスTの一次巻線(インダクタンスLT1)が直列接続され、この一次巻線(LT1)の他端が平滑コンデンサCi1の正極端子に接続される。さらに、高速リカバリ型ダイオードD12のアノードに対しては、トランスTの二次巻線(インダクタンスLT2)が直列接続され、この二次巻線(LT2)の他端が一次側アースに接続される。
【0140】
また一次巻線(インダクタンスLT1)に対しては並列にコンデンサC4が接続される。従って、高速リカバリ型ダイオードD12と、高速リカバリ型ダイオードD11と、インダクタンスLT1及びコンデンサC4の並列回路とが、直列接続された状態となっている。
そして上記並列回路と高速リカバリ型ダイオードD11の接続点、つまり高速リカバリ型ダイオードD11のカソードに対して、アクティブクランプ回路15のクランプコンデンサC3が接続される。
これによって、アクティブクランプ回路15に発生するパルス電圧が、力率改善整流回路11Bに電圧帰還されることになる。
【0141】
また力率改善整流回路11Bにおいてはさらに、交流ラインには低速リカバリ型ダイオードD13,D14の直列回路が配される。
低速リカバリ型ダイオードD13,D14の直列回路は、平滑コンデンサCi1の正極端子と一次側アース間に配される。
【0142】
このような力率改善整流回路11Bにおいて、まず整流機能を説明する。
この力率改善整流回路11Bにおいては、高速リカバリ型ダイオードD11、D12が第1の整流回路として機能し、また、低速リカバリ型ダイオードD13,D14が第2の整流回路として機能する。
【0143】
即ち交流入力電圧VACの正の期間では、交流電源AC→高速リカバリ型ダイオードD11→インダクタンスLT1→平滑コンデンサCi1→・・・の系で、第1の整流回路による整流電流が流れて平滑コンデンサCi1へ充電され、また同時に、交流電源AC→低速リカバリ型ダイオードD13→平滑コンデンサCi1→・・・の系で、第2の整流回路による整流電流が流れて平滑コンデンサCi1へ充電される。
また交流入力電圧VACの負の期間では、交流電源AC→平滑コンデンサCi2→一次側アース→インダクタンスLT2→高速リカバリ型ダイオードD12→・・・の系で、第1の整流回路による整流電流が流れて平滑コンデンサCi2へ充電され、また同時に、交流電源AC→平滑コンデンサCi2→一次側アース→低速リカバリ型ダイオードD14→・・・の系で、第2の整流回路による整流電流が流れて平滑コンデンサCi2へ充電される。
【0144】
つまり、第1,第2の整流回路により、整流電流は2系統に分流して平滑コンデンサCi1、Ci2に供給されることになる。
そして平滑コンデンサCi1、Ci2が直列接続され、平滑コンデンサCi1の正極端子側から整流平滑電圧Eiが取り出されることで、倍電圧整流方式となる。
【0145】
力率改善整流回路11Bによる力率改善機能は次のようになる。
上述のように2つの高速リカバリ型ダイオードD11、D12に対しては、アクティブクランプ回路15に発生するパルス電圧が帰還される。
このようにして帰還されたパルス電圧により、整流電流経路にはスイッチング周期の交番電圧が重畳されることになるが、このスイッチング周期の交番電圧の重畳分によって、高速リカバリ型ダイオードD11(又はD12)では整流電流をスイッチング周期で断続する動作が得られることになり、この断続作用により整流出力電圧レベルが平滑コンデンサCi1(又はCi2)の両端電圧よりも低いとされる期間にも平滑コンデンサCi1(又はCi2)への充電電流が流れるようにされる。
この結果、交流入力電流の平均的な波形が交流入力電圧の波形に近付くようにされて交流入力電流の導通角が拡大される結果、力率改善が図られることになる。
【0146】
また力率改善整流回路11Bでは、上述した第1、第2の整流回路の作用により、平滑コンデンサCi1、Ci2への充電電流は分流されることになる。
これは、交流入力電圧VACの正負のピーク値近辺において高速リカバリ型ダイオードD11又はD12に過大な充電電流が流れることを防止するものとなる。つまり交流入力電圧VACの正負のピーク値近辺においては充電電流が低速リカバリ型ダイオードD13,D14に流れ、高速リカバリ型ダイオードD11,D12に対しては高周波の電流のみが流れる。このため高速リカバリ型ダイオードD11,D12の電力損失が低下して高効率化が可能となる。これにより図12の回路に比べてAC/DC電力変換効率(ηAC/DC)の向上が可能となる。
また各高速リカバリ型ダイオードD11,D12として電流容量の小さいものを選定できること、及び発熱低下により放熱板が不要となることなどにより、回路の小型化やコストダウンが可能となる。
【0147】
そしてこの図16の電源回路によっても、力率改善整流回路11Bは図17のような直列共振コンデンサC10を介さないで電圧共振パルス電圧が帰還される構成となっている。これにより、回路設計の容易化とともに、交流入力電圧VACや負荷電力の変動に対しても変動の少ない力率を実現できるものとなる。
また一次側にアクティブクランプ回路15が形成され、これによってスイッチング制御範囲を拡大し、AC100V系、200V系に対応したワールドワイドなスイッチング電源回路を実現しているとともに、スイッチング素子Q1としてのトランジスタの耐圧の低下を図ることができる。
さらにアクティブクランプ回路15によって、交流入力電圧VACの上昇に伴ってスイッチング素子Q1のオフ時の電圧共振パルス電圧(クランプ電圧)のパルス幅が拡大することになるため、電圧帰還パルス電圧の変化が少なくなるという作用も生じ、これによって力率の変化が減少するという効果も生ずる。
【0148】
以上、実施の形態について説明してきたが、本発明はさらに多様な変形例が考えられる。
例えば本出願人は、複合共振形スイッチングコンバータとして、二次側直列共振回路を利用した全波整流回路、2倍電圧整流回路、4倍電圧整流回路などを備えた構成も既に提案しているが、このような構成も本実施の形態の変形例として成立し得る。つまり、本実施の形態としては二次側の共振回路及び整流回路の構成として特に限定されるものではない。
【0149】
また、一次側の電圧共振形コンバータとして、1石のスイッチング素子を備えたいわゆるシングルエンド方式の構成を述べたが、2石のスイッチング素子を交互にスイッチングさせるいわゆるプッシュプル方式にも本発明が適用できるものである。
またスイッチング素子に対するスイッチング駆動方式は自励発振形、他励発振形のどちらを採用しても良い。
【0150】
【発明の効果】
以上の説明からわかるように本発明では、スイッチング周波数制御方式複合共振形コンバータとして、電圧帰還方式の力率改善機能と一次側にアクティブクランプ手段を設けた回路構成において、交流入力電圧が100V系と200V系の両方について高調波歪規制を満足する力率を得ることができ、ワールドワイドに対応可能なスイッチング電源回路を実現できるという効果がある。
また力率については、負荷電力や交流入力電圧の変動に対しても変動の少ない特性を実現できる。特に負荷電力の低下に伴う力率の低下を少なくできる。
また、直列共振コンデンサを介さずに一次側の電圧共振パルス電圧が力率改善手段(又は力率改善整流手段)に帰還される構成である。つまり力率改善の為の回路系において直列共振コンデンサを不要とすることができ、これによってZVS動作領域確保を考慮した回路設計が容易化される。
【0151】
また、力率改善手段(力率改善整流手段)において力率改善のための高速リカバリ型ダイオードに対して、交流入力電圧のピーク値近辺で大電流が流れることを解消でき、発熱が低下し、従って電流容量の小さいダイオードを選定できること、及び放熱板が不要となることなどにより、回路の小型化やコストダウンが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のスイッチング電源回路の回路図である。
【図2】実施の形態の絶縁コンバータトランスの構造の説明図である。
【図3】第1、第3の実施の形態のクランプされた帰還電圧波形の説明図である。
【図4】第1の実施の形態のスイッチング電源回路の力率と直流入力電圧の特性の説明図である。
【図5】第1の実施の形態のスイッチング電源回路の力率と直流入力電圧の特性の説明図である。
【図6】第1の実施の形態のスイッチング電源回路の各部の動作の波形図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態のスイッチング電源回路の回路図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態のスイッチング電源回路の回路図である。
【図9】第3の実施の形態のスイッチング電源回路の力率と直流入力電圧の特性の説明図である。
【図10】第3の実施の形態のスイッチング電源回路の力率と直流入力電圧の特性の説明図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態のスイッチング電源回路の回路図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態のスイッチング電源回路の回路図である。
【図13】第5の実施の形態のクランプされた帰還電圧波形の説明図である。
【図14】第5の実施の形態のスイッチング電源回路の力率と直流入力電圧の特性の説明図である。
【図15】第5の実施の形態のスイッチング電源回路の力率と直流入力電圧の特性の説明図である。
【図16】本発明の第6の実施の形態のスイッチング電源回路の回路図である。
【図17】先行技術としてのスイッチング電源回路の構成を示す回路図である。
【図18】先行技術のスイッチング電源回路の各部の動作の波形図である。
【図19】先行技術のスイッチング電源回路の各部の動作の波形図である。
【図20】先行技術のスイッチング電源回路の力率の特性の説明図である。
【符号の説明】
1 制御回路、10,10A,10B 力率改善回路、11,11A,11B力率改善整流回路、15 アクティブクランプ回路、Ci,Ci1,Ci2 平滑コンデンサ、D1,D13,D14 低速リカバリ型ダイオード、D2,D11,D12 高速リカバリ型ダイオード、Di ブリッジ整流回路、Cr 並列共振コンデンサ、C2 二次側並列共振コンデンサ、C3 クランプコンデンサ、PIT 絶縁コンバータトランス、Q1 スイッチング素子、Q2 補助スイッチング素子、T トランス、Lp,Ls,LT1,LT2,LT3 インダクタンス

Claims (10)

  1. 交流入力電圧を整流するブリッジ整流回路と
    該ブリッジ整流回路からの整流出力電圧を平滑する平滑手段と、
    一次側出力を二次側に伝送するために設けられるとともに、一次巻線と二次巻線が疎結合とされる所要の結合係数が得られるようにギャップが形成された絶縁コンバータトランスと、
    スイッチング素子を有し、上記平滑手段により平滑された整流出力電圧を上記スイッチング素子により断続して上記絶縁コンバータトランスの一次巻線に出力するようにされたスイッチング手段と、
    少なくとも、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線を含む漏洩インダクタンス成分と一次側並列共振コンデンサのキャパシタンスとによって形成されて、上記スイッチング素子がオフのとき上記一次側並列共振コンデンサの両端電圧として正弦波状のパルス波形を得る一次側共振回路と、
    クランプコンデンサと補助スイッチング素子が直列に接続され、上記補助スイッチング素子が上記スイッチング素子と交互にオンオフされることで上記パルス波形電圧をクランプするアクティブクランプ手段と、
    上記ブリッジ整流回路と上記平滑手段の間に接続され、上記交流入力電圧の正負のピーク近辺で導通する第一のダイオードと、該第一のダイオードに並列接続され、少なくとも第二のダイオードとインダクタとの直列接続回路と、該直列接続回路に対して上記アクティブクランプ手段によりクランプされた上記パルス波形電圧を帰還する電圧帰還回路とを有し、該電圧帰還回路により帰還されたパルス波形電圧に基づいて上記第二のダイオードが整流電流を断続することにより力率を改善する力率改善手段と、
    上記絶縁コンバータトランスの二次巻線の漏洩インダクタンス成分と、二次側共振コンデンサのキャパシタンスとによって二次側において形成される二次側共振回路と、
    上記二次側共振回路を含んで形成され、上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に得られる交番電圧を入力して、整流動作を行って二次側直流出力電圧を生成するように構成された直流出力電圧生成手段と、
    を備えることを特徴とするスイッチング電源回路。
  2. 上記二次側直流出力電圧のレベルに応じて上記スイッチング素子をスイッチングさせる周波数を可変することにより上記二次側直流出力電圧に対する定電圧制御を行うように構成された定電圧制御手段を、更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  3. 上記電圧帰還回路として、上記絶縁コンバータトランスの一次側には三次巻線が設けられ、
    記アクティブクランプ手段によってクランプされた上記パルス波形電圧が、上記三次巻線を介して上記力率改善手段に帰還されることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  4. 上記電圧帰還回路として、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線と上記平滑コンデンサの間に一次巻線が接続されるトランスが設けられ、
    該トランスの二次巻線は、上記力率改善手段におけるインダクタとされ、
    上記アクティブクランプ手段によってクランプされた上記パルス波形電圧が、上記トランスを介して上記力率改善手段に帰還されることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  5. 上記力率改善手段におけるインダクタと並列回路を構成するコンデンサが設けられ
    上記アクティブクランプ手段における上記クランプコンデンサが、上記第二のダイオードと上記インダクタとの接続点に接続されるとともに、上記補助スイッチング素子はボディーダイオードを有し、
    上記一次側共振回路で得られる正弦波状のパルス波形電圧により上記ボディーダイオードおよび上記クランプコンデンサを介して上記力率改善手段に電流が流れることで上記電 圧帰還回路が形成されることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  6. 直列接続された2つの整流素子および直列接続された2つの平滑コンデンサにより構成され、交流入力電圧を整流および平滑して倍電圧の直流電圧を出力する整流平滑手段と、
    一次側出力を二次側に伝送するために設けられるとともに、一次巻線と二次巻線が疎結合とされる所要の結合係数が得られるようにギャップが形成された絶縁コンバータトランスと、
    上記倍電圧直流入力電圧をスイッチング素子により断続して上記絶縁コンバータトランスの一次巻線に出力するようにされたスイッチング手段と、
    少なくとも、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線を含む漏洩インダクタンス成分と一次側並列共振コンデンサのキャパシタンスとによって形成されて、上記スイッチング素子がオフのとき上記一次側並列共振コンデンサの両端電圧として正弦波状のパルス波形を得る一次側共振回路と、
    ランプコンデンサと補助スイッチング素子が直列に接続され、上記補助スイッチング素子が上記スイッチング素子と交互にオンオフされることで上記パルス波形電圧をクランプするアクティブクランプ手段と、
    上記アクティブクランプ手段によりクランプされた上記パルス波形電圧を帰還する電圧帰還回路と、上記整流平滑手段において直列接続された2つの整流素子に対してそれぞれ並列接続される直列回路であって、整流素子とインダクタからなる直列回路一対を有し、上記直列回路のそれぞれの整流素子が上記電圧帰還回路により帰還されるクランプされたパルス波形電圧に基づいて整流電流を断続することにより力率を改善する力率改善整流手段と、
    記絶縁コンバータトランスの二次巻線の漏洩インダクタンス成分と、二次側共振コンデンサのキャパシタンスとによって二次側において形成される二次側共振回路と、
    上記二次側共振回路を含んで形成され、上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に得られる交番電圧を入力して、整流動作を行って二次側直流出力電圧を生成するように構成された直流出力電圧生成手段
    備えたことを特徴とするスイッチング電源回路。
  7. 上記二次側直流出力電圧のレベルに応じて、上記スイッチング素子をスイッチングさせる周波数を可変することにより上記二次側直流出力電圧に対する定電圧制御を行うように構成された定電圧制御手段を、更に備えたことを特徴とする請求項6に記載のスイッチング電源回路。
  8. 上記電圧帰還回路として、上記絶縁コンバータトランスの一次側には三次巻線が設けられ、上記アクティブクランプ手段によってクランプされた上記パルス波形電圧が、上記三次巻線を介して上記力率改善手段に帰還されることを特徴とする請求項6に記載のスイッチング電源回路。
  9. 上記絶縁コンバータトランスの一次巻線と上記平滑コンデンサの間に接続される一次巻線、それぞれ上記インダクタとなる二次巻線および三次巻線を備えたトランスが上記電圧帰還回路として設けられ、
    記アクティブクランプ手段によってクランプされた上記パルス波形電圧が、上記トランスを介して上記力率改善手段に帰還されることを特徴とする請求項6に記載のスイッチング電源回路。
  10. 上記力率改善整流手段には、それぞれ上記インダクタとなる一次巻線および二次巻線を備えたトランスと、上記トランスの一次巻線と並列回路を構成するコンデンサとが設けられ、上記アクティブクランプ手段における上記クランプコンデンサが、上記トランスの一次巻線と並列回路を構成するコンデンサとの接続点に接続されるとともに、上記補助スイッチング素子はボディーダイオードを有し、上記一次側共振回路で得られる上記パルス波形電圧より上記ボディーダイオードおよび上記クランプコンデンサを介して上記力率改善手段に電流が流れることで上記電圧帰還回路が形成されることを特徴とする請求項6に記載のスイッチング電源回路。
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