JP3657763B2 - 地図表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、地図データに基づいて所望の経路の設定や表示あるいは探索を行う地図表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、車載用ナビゲーション装置や地図検索ソフトウエアを実行するパーソナルコンピュータ(以後、「パソコン」と称する)等の地図表示装置が普及しつつある。これらの地図表示装置には、地図表示のために必要となる描画に関するデータや経路探索に必要となる道路に関するデータ等が地図データとして格納されており、CD−ROM等の媒体で提供されている。
【0003】
例えば、車載用ナビゲーション装置は、車両の現在位置近傍の地図データをCD−ROMから読み出して地図を画面表示し、また、地図データを用いて出発地から目的地までを結ぶ経路を探索して、その探索した経路を誘導経路として画面表示することにより、運転者を目的地まで案内するようになっている。また、パソコンでは、地図データをCD−ROMから読み出して地図を画面表示し、利用者の指示に応じて表示する地図を切り替えることにより、利用者は確認したい地域の地図を見ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、日常生活においては、例えば道案内をするときに「国道246号線を下って府中街道を左に曲がってください」などというように、道路名称(「国道○○号線」といった路線名や「××街道」といった通称)が用いられることが多い。しかし、道路名称だけでは、その道路がどこを通っているか、あるいはどこからどこに至る道路であるかといったことが明らかでない場合がある。これらのことを確認するために各種の地図表示装置を利用することがあるが、従来の車載用ナビゲーション装置やパソコンでは、直接、道路名称を指定して特定の道路を画面表示することができなかった。また、経路探索においては、普段走り慣れた道路を走行したい等の理由から、利用者は走行経路となる道路をあらかじめ指定しておきたいことがあるが、従来の車載用ナビゲーション装置やパソコンでは、道路名称によって道路を指定した経路の設定や探索を行うことができなかった。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、道路名称によって道路を特定して各種の処理を行うことができる地図表示装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明の地図表示装置は、道路名称指定手段によって指定された道路名称に対応する道路を道路特定手段によって特定しており、この特定された道路に関するデータを用いて経路表示、経路設定、経路探索等の各種の処理が実行される。したがって、道路名称を指定しただけで各種の処理を行うことができ、操作の簡略化や操作性の向上が可能になる。
【0007】
また、本発明の地図表示装置は、道路名称指定手段によって指定された道路名称に対応する道路を道路特定手段によって特定し、地図データ格納手段に格納された地図データに基づいて作成される地図画像上にこの特定した道路を強調して表示しており、道路名称を指定しただけでこの道路名称に対応する道路を地図上に現すことができる。特に、道路名称で指定された道路の全長を含むように地図表示の表示縮尺を設定することにより、起点から終点に至るまでの道路全体の形状や周辺地域の様子等の把握が容易となる。また、互いに交差している複数の道路の道路名称が指定されたときに、交差点付近の地図画像を表示することにより、これらの道路が経路として設定された場合の分岐箇所の確認が容易となる。
【0008】
また、本発明の地図表示装置は、道路名称によって指定された道路を順に通過経路とした経路設定を行って、地図データ格納手段に格納された地図データに基づいて作成される地図画像上にこの経路を構成する通過道路を強調して表示しており、道路名称を指定しただけで経路の設定を行い、その結果を表示することができる。特に、道路名称を順に指定する際に、既に指定された道路名称に対応する道路と交差する他の道路の道路名称リストを含む選択画面を表示し、この道路名称リストに含まれる道路名称を選択することにより道路名称の指定を行うようにすれば、道路名称を順に辿っていくだけで経路を設定することができ、操作性を向上させることができる。
【0009】
また、本発明の地図表示装置は、道路名称によって指定された道路を優先させた所定の経路探索を行って経路の設定を行って、地図データ格納手段に格納された地図データに基づいて作成される地図画像上にこの経路を構成する道路を強調して表示しており、道路名称を指定しただけで特定の道路を優先させた経路の設定を行い、その結果を表示することができる。特に、道路名称によって指定された道路のコストを小さな値に変更することにより、特定の道路を優先させた経路探索が可能になる。
【0010】
また、上述した道路名称の指定は、音声認識手段によって行うことが好ましい。利用者が発声した道路名称を音声認識手段によって解析して、この解析結果に対応した道路名称に基づいて道路を特定することができるため、表示された多くの道路名称の中から所望の道路名称を見つけて指定する場合に比べて操作が容易であり、操作性を向上させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明を適用した一実施形態の地図表示装置としてのナビゲーション装置は、利用者によって道路名称を指定することにより、▲1▼対応する道路の表示、▲2▼対応する道路によって構成される経路の設定(手動経路設定)、▲3▼対応する道路を優先させた経路探索処理による経路の設定(自動経路設定)のそれぞれを行うことに特徴がある。以下、一実施形態のナビゲーション装置について図面を参照しながら説明する。
【0012】
(1)ナビゲーション装置の全体構成
図1は、本発明を適用した一実施形態の車載用ナビゲーション装置の全体構成を示す図である。同図に示すナビゲーション装置は、全体を制御するナビゲーションコントローラ1と、地図表示や経路探索等に必要な各種の地図データを記録したCD−ROM2と、このCD−ROM2に記録された地図データを読み出すディスク読取装置3と、運転者や搭乗者が各種の指示を入力する操作部としてのリモートコントロール(リモコン)ユニット4と、自車位置と自車方位の検出を行うGPS受信機5および自律航法センサ6と、地図画像やこれに重ねて誘導経路を表示するディスプレイ装置9と、経路誘導を行う際に所定の案内音声を出力するオーディオ部10とを備えている。
【0013】
上述したディスク読取装置3は、1枚あるいは複数枚のCD−ROM2が装填可能であり、ナビゲーションコントローラ1の制御によっていずれかのCD−ROM2から地図データの読み出しを行う。リモコンユニット4は、経路探索指示を与えるための探索キー、経路誘導モードの設定に用いる経路誘導モードキー、目的地入力キー、左右上下のカーソルキー、地図の縮小/拡大キー、表示画面上のカーソル位置にある項目の確定を行う設定キー等の各種操作キーを備えており、キーの操作状態に応じた赤外線信号がナビゲーションコントローラ1に向けて送信される。
【0014】
GPS受信機5は、複数のGPS衛星から送られてくる電波を受信して、3次元測位処理あるいは2次元測位処理を行って車両の絶対位置および方位を計算し(車両方位は現時点における自車位置と1サンプリング時間ΔT前の自車位置とに基づいて計算する)、これらを測位時刻とともに出力する。また、自律航法センサ6は、車両回転角度を相対方位として検出する振動ジャイロ等の角度センサ12と、所定走行距離毎に1個のパルスを出力する距離センサ14とを備えており、車両の相対位置および方位を検出する。
【0015】
ディスプレイ装置9は、ナビゲーションコントローラ1から出力される画像データに基づいて、自車周辺の地図情報を車両位置マークや出発地マーク、目的地マーク等とともに表示したり、この地図上に誘導経路を表示したりする。また、ディスプレイ装置9は、利用者が各種の操作指示を入力するための操作画面を表示したり、利用者が指定した道路名称に対応する道路とその周辺の地図画像を表示したりする。オーディオ部10は、車両が接近中の交差点における案内音声を出力する。
【0016】
(2)地図データの詳細内容
次に、CD−ROM2に記録された地図データの詳細について説明する。CD−ROM2に記録された地図データは、所定の経度および緯度で区切られた図葉を単位としており、その区切り方に応じて複数のレベル(縮尺)に分けられる。各図葉の地図データは、図葉番号を指定することにより特定され、読み出すことが可能となる。また、各図葉ごとの地図データには、▲1▼地図表示に必要な各種のデータからなる描画ユニットと、▲2▼マップマッチングや経路探索、経路誘導等の各種の処理に必要なデータからなる道路ユニットと、▲3▼交差点の詳細データからなる交差点ユニットが含まれている。また、上述した描画ユニットには、建物あるいは河川等を表示するために必要な背景レイヤのデータと、市町村名や道路名等を表示するために必要な文字レイヤのデータが含まれている。
【0017】
上述した道路ユニットにおいて、道路上のある交差点と隣接する他の交差点等とを結ぶ線をリンクといい、2本以上のリンクを結ぶ点をノードという。図2は、上述した道路ユニットの全体構成を示す図である。同図に示すように、道路ユニットには、道路ユニットであることを識別するためのユニットヘッダと、全ノードの詳細データを納めた接続ノードテーブルと、接続ノードテーブルの格納位置を示すノードテーブルと、隣接する2つのノードによって特定されるリンクの詳細データを納めたリンクテーブルとが含まれている。
【0018】
図3は、道路ユニットに含まれる各種のテーブルの詳細な内容を示す図である。ノードテーブルは、図3(A)に示すように、着目している図葉に含まれる全ノードに対応したノードレコード#0、#1、…を格納している。各ノードレコードは、その並び順に#0から順にノード番号が与えられており、各ノードに対応する接続ノードテーブルの格納位置を示す。
【0019】
また、接続ノードテーブルは、図3(B)に示すように、存在するノードのそれぞれ毎に、
a.正規化経度・緯度、
b.このノードが交差点ノードであるか否かを示す交差点ノードフラグ、他の図葉との境界にあるノードであるか否かを示す隣接ノードフラグなどからなる「ノードの属性フラグ」、
c.このノードをリンクの一方端とするリンクがある場合に各リンクの他方端を構成するノードの数を示す「接続しているノードの数」、
d.このノードに接続されているリンクに右折禁止やUターン禁止等の交通規制が存在する場合にはその「交通規制の数」、
e.このノードが一方端となっている各リンクのリンク番号を示すリンク本数分の接続ノードレコード、
f.上述した交通規制が存在する場合にはその数に対応した交通規制の具体的な内容を示す交通規制レコード、
g.このノードが他の図葉との境界にあるノードである場合には、隣接する図葉の対応するノードの接続ノードテーブルの位置を示す「隣接ノードレコード」、
h.このノードが交差点ノードである場合には、交差点ユニットにおける対応する交差点レコードの格納位置およびサイズ、
等が含まれる。
【0020】
また、リンクテーブルは、図3(C)に示すように、着目している図葉に含まれる全てのリンクに対応したリンク番号順の複数のリンクレコードを含んでいる。これらの各リンクレコードは、
a.主に探索経路表示用に各リンクに付されたコードであるリンクID、
b.リンクの両端に位置する2つのノードを特定するノード番号1およびノード番号2、
c.リンクの距離、
d.このリンクの通過に必要な時間を分単位で示したコスト、
e.このリンクに対応する道路の属性情報を含む各種の道路属性フラグ、
f.このリンクに対応した実際の道路が高速道路であるか一般道であるかといった道路の種別や、道路の幅が何メートルあるかといった道路の幅員を示す道路種別フラグ、
g.このリンクに対応した道路に付された路線番号、
等が含まれる。
【0021】
図4は、描画ユニットの文字レイヤに含まれる道路名称テーブルの詳細な内容を示す図である。同図に示すように、道路名称テーブルには着目している図葉に含まれる各道路に対応した道路名称レコードが含まれており、各道路名称レコードには、
a.道路に付された路線番号、
b.この道路の内容(高速道路、都市高速道路、国道等)を示す道路種別コード、
c.国道や県道等に付された数字に対応した路線コード、
d.路線名称読み仮名文字列、
e.路線名称文字列、
等が含まれる。
【0022】
(3)ナビゲーションコントローラの詳細構成および動作
次に、図1に示したナビゲーションコントローラ1の詳細な構成について説明する。ナビゲーションコントローラ1は、CD−ROM2から読み出した地図データに基づいてディスプレイ装置9に所定の地図表示をするための地図バッファ16、地図読出制御部18、地図描画部20、VRAM22、読出制御部24、画像合成部26と、自車位置の計算やマップマッチング処理、経路探索処理、経路誘導処理を行うとともにその結果を表示するためのデータ記憶部30、車両位置・方位計算部32、マップマッチング処理部34、経路探索処理部36、設定経路メモリ38、経路探索メモリ40、設定経路描画部42、マーク画像発生部44、交差点案内部46と、利用者に対する各種の操作画面を表示したりリモコンユニット4からの操作指示を各部に伝えるためのリモコン制御部60、カーソル位置計算部62、操作画面発生部64と、利用者による道路名称の指定に応じて道路表示等の各種の制御を行う道路選択処理部48とを備えている。
【0023】
地図バッファ16は、ディスク読取装置3によってCD−ROM2から読み出された地図データを一時的に格納するためのものである。地図読出制御部18によって画面中心位置が計算されると、この画面中心位置を含む所定範囲の地図データの読み出し指示が地図読出制御部18からディスク読取装置3に送られて、地図表示に必要な地図データがCD−ROM2から読み出されて地図バッファ16に格納される。例えば、画面中心位置を含む4枚の図葉に対応した地図データが読み出されて地図バッファ16に格納される。
【0024】
地図描画部20は、地図バッファ16に格納された図葉の地図データに含まれる描画ユニットに基づいて、表示に必要な地図画像を作成する。作成された地図画像データはVRAM22に格納され、読出制御部24によって1画面分の地図画像データが読み出される。画像合成部26は、この読み出された地図画像データに、マーク画像発生部44、交差点案内部46、操作画面発生部64のそれぞれから出力される各画像データを重ねて画像合成を行い、合成された画像がディスプレイ装置9の画面に表示される。
【0025】
データ記憶部30は、GPS受信機5から出力される測位位置(自車位置)データを順次格納する。また、車両位置・方位計算部32は、自律航法センサ6から出力される自車の相対的な位置および方位から絶対的な自車位置および方位を計算する。マップマッチング処理部34は、データ記憶部30に格納されたGPS受信機5による自車位置あるいは車両位置・方位計算部32によって計算された自車位置が地図データの道路上に存在するか否かを判定し、道路上から外れた場合には計算により求めた自車位置を修正する処理を行う。マップマッチングの代表的な手法としては、パターンマッチングと投影法が知られている。
【0026】
経路探索処理部36は、リモコンユニット4のカーソルキーの操作によって地図上の特定箇所にカーソルが移動された後目的地入力キーが押下されると、このときカーソル位置計算部62によって計算されたカーソル位置を経路探索の目的地として設定する。設定された目的地データは設定経路メモリ38に格納される。また、経路探索処理部36は、リモコンユニット4の探索キーが押下されると、マップマッチング処理部34によって修正された後の自車位置を出発地として設定して設定経路メモリ38に格納するとともに、この設定経路メモリ38に格納された出発地および目的地を所定の条件下で結ぶ走行経路を探索する。例えば、時間最短等の各種の条件下で、コストが最小となる誘導経路が設定される。経路探索の代表的な手法としてはダイクストラ法や横形探索法が知られている。
【0027】
経路探索メモリ40は、経路探索に必要な交差点ネットワークリストのデータを格納するためのものであり、上述した経路探索処理部36によってこれらの格納データが読み出されて所定の経路探索処理が行われる。
【0028】
設定経路描画部42は、設定経路メモリ38に記憶された設定経路データの中から、その時点でVRAM22に描画された地図エリアに含まれるものを選び出し、地図画像に重ねて所定色で太く強調した誘導経路を描画する。マーク画像発生部44は、マップマッチング処理された後の自車位置に車両位置マークを発生させたり、所定形状を有するカーソルマークを発生する。
【0029】
交差点案内部46は、車両が接近中の交差点における案内を表示画像および音声で行うものであり、実際の経路誘導時に、自車が誘導経路前方にある交差点から所定距離内に接近したときに、この接近中交差点の案内図(交差点拡大図、行先、進行方向矢印)をディスプレイ装置9の画面に表示するとともに、オーディオ部10を通して進行方向を音声で案内する。
【0030】
道路選択処理部48は、道路名称選択に必要な各種の画面(検索道路設定画面、通過道路設定画面、優先道路設定画面)を作成したり、これらの画面に表示する道路名称を地図データから抽出する処理を行う。また、この道路選択処理部48は、道路名称を用いた経路表示、経路設定、経路探索等の各種の動作を制御しており、その詳細については後述する。
【0031】
上述した地図バッファ16が地図データ格納手段に、リモコンユニット4、道路選択処理部48および操作画面発生部64が道路名称指定手段に、道路選択処理部48が道路特定手段、経路設定手段に、経路探索処理部36および道路選択処理部48が経路探索手段に、地図描画部20、VRAM22、設定経路メモリ38、設定経路描画部42および道路選択処理部48が制御手段に、経路探索処理部36、設定経路メモリ38、設定経路描画部42および道路選択処理部48が処理実行手段にそれぞれ対応する。
(4)ナビゲーション装置の動作
ナビゲーション装置の全体およびナビゲーションコントローラ1は上述した構成を有しており、次に、▲1▼道路名称を指定した道路の表示動作、▲2▼道路名称を指定した道路によって構成される経路の設定動作、▲3▼道路名称を指定した道路を優先させた経路探索動作のそれぞれについて、場合を分けて説明する。
【0032】
(4−1)道路名称を指定した道路の表示動作
図5は、利用者によって指定された道路名称を有する道路を画面表示する場合の動作手順を示す流れ図である。まず、道路選択処理部48は、利用者によって道路検索が指示されたか否かを判定する(ステップ100)。
【0033】
図6は、動作選択画面の一例を示す図である。道路選択処理部48は、同図に示す動作選択画面がディスプレイ装置9に表示されているときに、利用者によってリモコンユニット4が操作され、「1.道路検索」が選択されたか否かを、カーソル位置計算部62によって計算されたカーソル位置に基づいて判定する。
【0034】
利用者によって「1.道路検索」が選択されると、道路選択処理部48は、所定範囲の地図データの読み出し指示を地図読出制御部18に送り、ディスク読取装置3によってCD−ROM2に格納された各図葉の描画ユニットの文字レイヤに含まれる道路名称テーブルの読み出しを行う(ステップ101)。例えば、道路名称テーブルを読み出す図葉の範囲については、全国版のCD−ROM2が用いられている場合には日本全国が網羅されるように、関東版のCD−ROM2が用いられている場合には関東全域が網羅されるように設定される。あるいは、狭い区域を利用者が指定して、指定された区域に対応する範囲の地図データを読み出すようにしてもよい。例えば、関東版のCD−ROM2が用いられているときに、利用者によって東京都や神奈川県等が指定され、この指定された範囲に対応する図葉の地図データに含まれる道路名称テーブルが読み出される。
【0035】
次に、道路選択処理部48は、地図バッファ16に格納された各図葉の道路名称テーブルを検索して各道路名称レコードの「路線名称文字列」を抽出し(ステップ102)、この抽出した「路線名称文字列」を含む検索道路設定画面を操作画面発生部64を介してディスプレイ装置9に表示する(ステップ103)。
【0036】
図7は、検索道路設定画面の一例を示す図である。同図に示すように、検索道路設定画面には、道路選択処理部48によって抽出された「路線名称文字列」に基づいて道路名称の一覧が含まれている。利用者は、リモコンユニット4のカーソルキーを操作していずれかの道路名称を指定し、さらにリモコンユニット4の「設定」キーを押下することによって、任意の道路名称を選択することができる。複数の道路名称を選択する場合には、上記操作を繰り返し行う。
【0037】
道路選択処理部48は、検索道路設定画面が表示されている状態において、利用者によって一つまたは複数の道路名称が指定された後に「了解」ボタンが選択されたか否かを判定しており(ステップ104)、「了解」ボタンが選択されると、次に複数の道路名称が選択されたか否かを判定する(ステップ105)。
【0038】
選択された道路名称が一つの場合にはステップ105で否定判断され、道路選択処理部48は、その道路名称によって特定される道路の起点から終点に至る経路の検索を行う(ステップ106)。具体的には、道路選択処理部48は、地図バッファ16に格納された道路名称テーブルに含まれる道路名称レコードの中から、検索道路設定画面で指定された道路名称文字列を有するものを抽出し、この抽出された道路名称レコードに含まれる路線番号を特定する。また、道路選択処理部48は、図3(C)に示したリンクテーブルに基づいて、この「路線番号」に対応する全リンクの両端の「ノード番号」を特定し、図3(B)に示した接続ノードテーブルに基づいて、「ノードの正規化経度・緯度」等のノード情報を取得する。これによって、道路選択処理部48は、利用者が選択した道路の起点から終点に至るこの道路を構成する全ノードのノード情報を取得することができる。この取得されたノード情報は設定経路メモリ38に格納される。
【0039】
次に、道路選択処理部48は、取得した各ノードの「ノードの正規化経度・緯度」に基づいて、最大および最小の経度・緯度を求める(ステップ107)。図8は、道路の起点から終点に至る経路の一例を示す図である。同図に示す経路は、ノードAを起点、ノードEを終点としており、道路選択処理部48によって、5つのノードA〜Eについてのノード情報が取得されている。道路選択処理部48は、このような経路について、最大の経度としてノードAの経度を、最小の経路としてノードDの経度を、最大の緯度としてノードBの緯度を、最小の緯度としてノードCの緯度をそれぞれ求める。
【0040】
次に、道路選択処理部48は、これらの最大および最小の経度・緯度に基づいて、経路全体が一画面で表示されるような地図の縮尺を判定し、地図読出制御部18に対して、この縮尺の図葉に対応する地図データをCD−ROM2から読み出すように指示を出し、この指示にしたがってCD−ROM2から読み出された地図データが地図バッファ16に格納される(ステップ108)。地図描画部20は、この地図データに含まれる描画ユニットに基づいて、表示に必要な地図画像を作成してVRAM22に描画する。また、設定経路描画部42は、ステップ106において道路選択処理部48によって取得された経路の全ノードのノード情報に基づいて、経路を構成するリンクに所定の色を付した画像を作成して、VRAM22に格納された地図画像の上に重ねて描画する。
【0041】
このようにして、経路が強調された地図画像が読み出し制御部24によってVRAM22から読み出され、道路名称によって指定された道路の全長が含まれるように地図画像がディスプレイ9の画面上に表示される(ステップ109)。図9は、道路の全長が含まれる地図画像の表示例を示す図である。例えば道路名称「国道246号線」が選択されると、その全長が含まれる地図画像が表示される。
【0042】
また、検索道路設定画面において選択された道路が複数本の場合(ステップ105で肯定判断の場合)には、道路選択処理部48は、選択された複数本の道路について、上述したステップ106と同様に、各道路の起点から終点に至る経路を検索して(ステップ110)、それぞれの道路についてのノード情報を取得し設定経路メモリ38に格納し、選択された道路が交差しているか否かを判定する(ステップ111)。具体的には、道路選択処理部48は、一の道路を構成するノードと他の道路を構成するノードに共通するものがあれば、そのノードを交差点としてこれらの道路が交差しているものと判断する。
【0043】
交差している場合には、道路選択処理部48は、この交差点付近を拡大表示するために必要な図葉の地図データを読み出す指示を地図読出制御部18に送り、この指示に応じた必要な地図データが読み出されて地図バッファ16に格納される。地図描画部20は、この地図データに含まれる描画ユニットに基づいて、表示に必要な地図画像を作成してVRAM22に描画する。また、設定経路描画部42は、選択された道路を構成するリンクの中でVRAM22の描画エリアに含まれるもののみを抽出し、この抽出したリンクに所定の色を付した画像を作成して、VRAM22に格納された地図画像の上に重ねて描画する。
【0044】
このようにして、交差点付近が拡大され、交差する道路が強調された地図画像がディスプレイ装置9の画面上に表示される(ステップ112)。なお、この表示において、交差点名称を合わせて表示することが好ましい。この交差点名称は、この交差点のノードに対応する接続ノードテーブル(図3(B))に含まれる「交差点レコードの格納位置」によって特定される交差点レコードの「交差点名称文字列」から求めることができる。図10は、交差点付近が含まれる地図画像の表示例を示す図である。例えば道路名称「国道246号線」と「府中街道」が選択されると、この交差点付近の画像がこの交差点名「溝***差点」とともに含まれる地図画像が表示される。
【0045】
また、選択された複数本の道路が交差していない場合(ステップ111で否定判断された場合)には、それぞれの道路の全長を表示するために、上述したステップ107〜ステップ109の動作が行われる。これにより、利用者によって選択された道路名称の複数の道路のそれぞれの全長が含まれる地図画像が表示される。
【0046】
このように、本実施形態のナビゲーション装置では、検索道路設定画面を用いて利用者によって道路名称が指定され、この指定された道路が1本あるいは互いに交差していない複数本の場合には、道路の全長が含まれ、しかもこの道路が強調された地図画像が表示される。したがって、利用者は、道路名称を指定するだけで道路の全長を表示させることができ、この道路の起点と終点はどこか、どのような形状を有しているか等を容易に理解することができる。
【0047】
また、指定された複数本の道路が交差している場合には、交差点付近の拡大画像が表示される。したがって、利用者は、複数の道路名称を指定するだけで、これらの道路の交差点付近を表示させることができ、これらの道路を経路として設定して走行する場合にどこを分岐すればよいか、分岐点の周辺に何があるかを容易に理解することができる。
【0048】
(4−2)道路名称を指定した道路によって構成される経路の設定動作
図11は、利用者によって指定された道路名称を有する道路によって構成される経路を設定する場合の動作手順を示す流れ図である。まず、道路選択処理部48は、利用者によって手動経路設定が指定されたか否かを判定する(ステップ200)。図6に示す動作選択画面が表示されているときに、利用者によってリモコンユニット4が操作され、「2.手動経路設定」が選択されると、次に道路選択処理部48は、「1.道路検索」が選択されたときと同様に、道路名称テーブルの読み出し(ステップ201)、路線名称文字列の抽出(ステップ202)を行う。次に、道路選択処理部48は、抽出した「路線名称文字列」を含む通過道路設定初期画面を操作画面発生部64を介してディスプレイ装置9に表示する(ステップ203)。
【0049】
図12は、通過道路設定初期画面の一例を示す図である。同図に示す通過道路設定初期画面には、道路選択処理部48によって抽出された「路線名称文字列」に基づいて道路名称の一覧が含まれている。利用者は、リモコンユニット4を操作していずれかの道路名称を選択し、さらに「次へ」ボタンを選択することによって、設定対象の経路を構成する最初の通過道路を任意に選択することができる。なお、この通過道路設定初期画面には、利用者によって選択される道路名称が一つである場合を考慮して、「終了」ボタンが含まれている。
【0050】
道路選択処理部48は、通過道路設定初期画面が表示された状態において、利用者によって道路名称が指定された後に「終了」ボタンあるいは「次へ」ボタンが選択されたか否かを判定しており(ステップ204、205)、「次へ」ボタンが選択されると、選択された道路名称に対応する道路と交差する道路を検索して、これらの交差道路に対応する「路線名称文字列」を抽出し(ステップ206)、この抽出した「路線名称文字列」を一覧リストとして含む通過道路設定画面を操作画面発生部64を介してディスプレイ装置9に表示する(ステップ207)。
【0051】
ある道路と交差している道路の検索は、例えば以下のようにして行われる。まず、道路選択処理部48は、選択された道路名称に対応した道路の起点から順に辿っていって、この道路に含まれる交差点ノードを全て抽出する。次に、道路選択処理部48は、各交差点ノードに対応した接続ノードテーブル(図3(B))に含まれる接続ノードレコードを検索して、各接続ノードを一方端とするリンクを抽出する。このようにして、ある道路と交差している道路に含まれるリンクが抽出され、これらの各リンクに対応する路線番号を図3(C)に示したリンクテーブルに基づいて検索し、この検索された路線番号に対応する「路線名称文字列」が図4に示す道路名称テーブルに基づいて抽出される。
【0052】
図13は、通過道路設定画面の一例を示す図である。同図に示す通過道路設定画面のレイアウトは、図12に示した通過道路設定初期画面と基本的に同じであるが、一つ前の画面に戻る指示を行うための「戻る」ボタンが追加されている。例えば、図12に示した通過道路設定初期画面において、利用者によって「国道246号線」が選択された後に「次へ」ボタンが選択されると、図13に示す通過道路設定画面には、「国道246号線」と交差する道路に付された道路名称のリストが表示される。なお、このリスト表示は、交差する順に並べる場合や50音順に並べて行う場合が考えられる。
【0053】
道路選択処理部48は、通過道路設定画面が表示された状態において、利用者によって道路名称が指定された後に「終了」ボタンあるいは「次へ」ボタンが選択されたか否か、または道路名称の指定の有無に関係なく「戻る」ボタンが選択されたか否かを判定する(ステップ208、209、210)。この状態において、いずれかの道路名称が選択された後に「次へ」ボタンが選択されると、この選択された道路名称に対応する道路と交差する道路が検索され、上述したステップ206以降の処理が繰り返される。
【0054】
図14は、次に表示される通過道路設定画面の一例を示す図である。例えば、図13に示した通過道路設定画面において道路名称「府中街道」が選択された場合に対応しており、府中街道と交差する道路の中から「大山街道」が選択された状態が示されている。なお、図13、図14に示す通過道路設定画面の一部を使用して、それまでの操作によって選択された全ての道路名称が、選択された順に表示されており、利用者によって選択内容を確認できるようになっている。
【0055】
なお、通過道路設定画面を用いて選択された道路名称の道路が1つ前に選択された道路名称の道路と複数箇所で交差している場合には、どちらの交差点で分岐するかがわからないため、交差点名を表示して利用者にいずれかの交差点を選択させ、経路を一義的に定めるようにする。図15は、交差点選択画面の一例を示す図である。表示される交差点名称は、交差点ノードに対応する接続ノードテーブル(図3(B))に含まれる「交差点レコードの格納位置」によって特定される交差点レコードの「交差点名称文字列」から求めることができる。
【0056】
また、図13等に示された通過道路設定画面が表示された状態において「戻る」ボタンが選択されると、次に道路選択処理部48は、操作画面発生部64を介して1つ前の通過道路設定画面を表示し(ステップ211)、この表示した画面が図12に示した通過道路設定初期画面であるか否かを判定する(ステップ212)。通過道路設定初期画面であればステップ204以降の処理が繰り返され、通過道路設定初期画面でなければステップ208以降の処理が繰り返される。
【0057】
また、図12に示された通過道路設定初期画面あるいは図13等に示された通過道路設定画面が表示された状態において「終了」ボタンが選択されると、次に道路選択処理部48は、それまでに選択された1あるいは複数の道路名称のそれぞれに対応した各道路を順に通過道路とする経路を設定して(ステップ213)、この設定した経路を強調して地図画像とともにディスプレイ装置9の画面に表示する(ステップ214)。
【0058】
経路の設定方法および表示方法については種々の方法が考えられる。例えば、新しい道路名称が選択される毎に、1つ前に選択された道路名称に対応する道路の中のどの部分が経路に含まれる部分として採用されるかが決まるので、その都度採用された道路の区間に対応するノードの集合を起点に近い方から順に設定経路メモリ38に格納する場合、経路を構成する全ての道路が決定した後に、起点から順に各道路上のノードを抽出して設定経路メモリ38に格納する場合、ノードの代わりにリンクを抽出する場合等が考えられる。また、設定された経路の表示については、設定された経路の全長を1画面に含めて表示して、その後の利用者からの指示に応じて詳細表示等を行う場合、少なくとも起点近傍のみの経路が含まれるような画面表示を行い、その後の利用者からのスクロール指示に応じて経路表示を行う場合等が考えられる。
【0059】
このように、本実施形態のナビゲーション装置では、ある道路と交差する道路を抽出し、この中のいずれかの道路名称を指定するという操作を繰り返すことにより、複数の分岐を有する経路を設定しており、道路名称を指定するだけで経路設定を行うことができる。特に、日常的に用いられている道路名称を用いることにより、操作性を向上させることができる。
【0060】
(4−3)道路名称を指定した道路を優先させた経路探索動作
図16は、道路名称によって指定された道路を優先させた経路探索動作の動作手順を示す流れ図である。まず、道路選択処理部48は、利用者によって自動経路探索が指定されたか否かを判定する(ステップ300)。図6に示す動作選択画面が表示されているときに、利用者によってリモコンユニット4が操作され、「3.自動経路探索」が選択されると、次に道路選択処理部48は、経路探索の目的地が設定されたか否かを判定する(ステップ301)。例えば、目的地の設定は、ディスプレイ装置9の画面上に所望地点近傍の地図画像とカーソルマークが表示されているときに、利用者によってリモコンユニット4の目的地入力キーを押下することにより行われる。
【0061】
目的地が設定されると、次に道路選択処理部48は、道路名称テーブルの読み出し(ステップ302)、路線名称文字列の抽出(ステップ303)を行い、この抽出した「路線名称文字列」を含む優先道路設定画面を操作画面発生部64を介してディスプレイ装置9に表示する(ステップ304)。
【0062】
図17は、優先道路設定画面の一例を示す図である。同図に示すように、優先経路設定画面には、道路選択処理部48によって抽出された「路線名称文字列」に基づいて道路名称の一覧が表示されている。利用者は、リモコンユニット4のカーソルキーを操作していずれかの道路名称を指定し、さらにリモコンユニット4の「設定」キーを押下した後に「終了」ボタンを選択することによって、任意の道路名称を選択することができる。複数の道路名称を指定する場合には、道路名称の指定と「設定」キーの押下とを交互に繰り返し、その後「終了」ボタンを選択すればよい。
【0063】
次に、道路選択処理部48は、優先道路設定画面が表示されている状態において、利用者によって道路名称が指定された後に「終了」ボタンが選択されたか否かを判定しており(ステップ305)、「終了」ボタンが選択されると、次に選択された一つあるいは複数の道路名称に対応する道路を構成する各リンクのコストを修正する(ステップ306)。具体的には、道路選択処理部48は、地図バッファ16から読み出した地図データに含まれる道路名称レコード(図4)に基づいて、選択された道路名称に対応する「路線番号」を特定し、この特定した「路線番号」を含んでいる全てのリンクレコード(図3(C))の「コスト」を通常よりも小さな値(例えば通常時の1/2に)に修正する。
【0064】
次に、経路探索処理部36は、選択された道路名称が付された道路を構成する各リンクについてはこの修正されたコストを用いて、出発地から目的地までの経路探索を行う(ステップ307)。経路探索の結果は、ノードの集合(あるいはリンクの集合でもよい)として設定経路メモリ38に格納され、設定された経路がディスプレイ装置9の画面に表示される。なお、ナビゲーション装置においては、通常は自車位置が経路探索における出発地として設定されるが、目的地と同様に、所望地点近傍の地図画像を表示させ、カーソルマークを所望地点に合わせた状態で所定のキー(例えば「決定」キー)を押下して出発地を設定するようにしてもよい。
【0065】
このように、本実施形態のナビゲーション装置では、ある道路を優先させて経路探索を行いたい場合に、この道路の名称を直接指定することができ、適当な経由地を指定してこれと同等の設定を行う場合に比べると、操作の簡略化、操作性の向上が可能になる。
【0066】
特に、適当な経由地を設定する場合には、まず各経由地を画面上に表示させる必要があるが、優先的に走行したい道路が地図上に強調されて表示されるわけではないため、優先的に走行したい道路上に複数の経由地を設定するという操作は非常に煩雑であり、実際は困難な場合も多い。これに対し、日常的に使用される道路名称を指定する操作は、図17に示した優先道路設定画面を見ながら、所望の道路名称を選択するだけであり、顕著な操作性の改善が可能となる。
【0067】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、利用者は、リモコンユニット4を操作することによって道路名称を選択したが、音声認識によって道路名称を選択するようにしてもよい。例えば、ナビゲーションコントローラ1に音声認識手段としての音声認識装置を接続し、音声認識結果として得られる道路名称の読み仮名文字列と一致するものを、図4に示す道路名称レコードの「路線名称読み仮名文字列」の中から検索することにより、利用者の発声による道路名称の選択が可能となる。
【0068】
また、上述した実施形態では、利用者は、図6に示す動作選択画面に表示された動作の中から所望の動作を選択しており、各動作はそれぞれ独立であるが、例えば、「1.道路検索」に対応した動作によって画面に強調表示された経路をカーソル操作等で選択すると、その経路が「2.手動経路設定」に対応した動作によって設定される通過道路の1つとして指定されるといったように、各動作を組み合わせるようにしてもよい。また、「3.自動経路探索」に対応した動作において、選択された一つあるいは複数の道路名称に対応する道路のコストを小さく設定したが、複数の道路の選択手法として、「2.手動経路設定」の動作において用いた手法を採用するようにしてもよい。すなわち、一つの道路名称が指定されたときに、その指定された道路と交差する道路の道路名称を表示して、この表示された道路名称の中からいずれかを指定するという操作を繰り返し行うことにより、複数の道路からなる経路を選択し、この選択した経路に含まれる道路のコストを小さな値に変更するようにしてもよい。この場合にディスプレイ装置9に表示される優先道路設定画面のレイアウトは、基本的に図12〜図15に示したものと同じであり、動作手順としては、図16に示したステップ304、305の各動作手順を、図11に示したステップ203〜212の各動作手順に置き換えればよい。道路名称の指定が終了して「終了」ボタンが選択された後に(ステップ204あるいは208において肯定判断された後に)、選択された経路に含まれる道路のコストが修正される(ステップ306)。
【0069】
また、上述した実施形態では、地図表示装置の一例として車載用のナビゲーション装置を考えたが、地図ソフトを実行したパソコンを地図表示装置として用いるようにしてもよい。パソコンは、プログラム処理によって上述したナビゲーションコントローラ1と同等の機能を実現することができ、上述した道路表示や経路設定、経路探索を行うことが可能となる。ただし、一般には、パソコンにはGPS受信機5や自律航法センサ6が接続されていないため、出発地については、利用者が手作業で入力する必要がある。
【0070】
地図表示装置としてのパソコンにプリンタを接続すれば、所望の道路名称の道路を強調した地図や、道路名称を辿っていくことにより設定された経路が含まれる地図、あるいは道路名称で特定した道路を優先させて実施した経路探索の結果が含まれる地図等をプリントアウトすることができる。また、パソコンと車載用ナビゲーション装置の双方にカードスロットを備えることにより、パソコンでの経路探索結果をメモリカードに記憶させて、車載用ナビゲーション装置での経路誘導に用いるといったことも可能となる。
【0071】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、道路名称指定手段によって指定された道路名称に対応する道路を道路特定手段によって特定しており、この特定された道路に関するデータを用いて経路表示、経路設定、経路探索等の各種の処理が実行される。したがって、道路名称を指定しただけで各種の処理を行うことができ、操作の簡略化や操作性の向上が可能になる。
【0072】
具体的には、本発明によれば、道路名称によって指定された道路を特定して、地図データに基づいて作成される地図画像上にこの特定した道路を強調して表示することにより、道路名称を指定しただけでこの道路名称に対応する道路を地図上に現すことができる。
【0073】
また、本発明によれば、道路名称によって指定された道路を順に通過経路とした経路設定を行って、地図データに基づいて作成される地図画像上にこの経路を構成する通過道路を強調して表示することにより、道路名称を指定しただけで経路の設定を行い、その結果を表示することができる。
【0074】
また、本発明によれば、道路名称によって指定された道路を優先させた所定の経路探索を行って経路の設定を行って、地図データに基づいて作成される地図画像上にこの経路を構成する道路を強調して表示することにより、道路名称を指定しただけで特定の道路を優先させた経路の設定を行い、その結果を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の車載用ナビゲーション装置の全体構成を示す図である。
【図2】道路ユニットの全体構成を示す図である。
【図3】道路ユニットに含まれる各種テーブルの詳細な内容を示す図である。
【図4】描画ユニットの文字レイヤに含まれる道路名称テーブルの詳細な内容を示す図である。
【図5】利用者によって指定された道路名称を有する道路を画面表示する場合の動作手順を示す流れ図である。
【図6】動作選択画面の一例を示す図である。
【図7】検索道路設定画面の一例を示す図である。
【図8】起点から終点に至る経路の一例を示す図である。
【図9】道路の全長が含まれる地図画像の表示例を示す図である。
【図10】交差点付近が含まれる地図画像の表示例を示す図である。
【図11】利用者によって指定された道路名称を有する道路によって構成される経路を設定する場合の動作手順を示す流れ図である。
【図12】通過道路設定初期画面の一例を示す図である。
【図13】通過道路設定画面の一例を示す図である。
【図14】通過道路設定画面の他の例を示す図である。
【図15】交差点選択画面の一例を示す図である。
【図16】道路名称によって指定された道路を優先させた経路探索動作の動作手順を示す流れ図である。
【図17】優先道路設定画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 ナビゲーションコントローラ
3 ディスク読取装置
4 リモコンユニット
9 ディスプレイ装置
16 地図バッファ
18 地図読出制御部
20 地図描画部
22 VRAM
36 経路探索処理部
38 設定経路メモリ
42 設定経路描画部
48 道路選択処理部
64 操作画面発生部
Claims (3)
- 地図表示に必要な地図データを格納する地図データ格納手段と、
道路名称を指定する道路名称指定手段と、
前記道路名称指定手段によって指定された道路名称に基づいて、この道路名称に対応する道路を特定する道路特定手段と、
前記道路名称指定手段によって指定された道路名称に対応した道路の全長が含まれるように前記地図画像の表示縮尺を設定し、前記地図データに基づいて作成される地図画像上で、前記道路特定手段によって特定された道路を強調して表示する制御手段と、
を備えることを特徴とする地図表示装置。 - 地図表示に必要な地図データを格納する地図データ格納手段と、
道路名称を指定する道路名称指定手段と、
前記道路名称指定手段によって順に指定された道路名称に対応する道路を、通過道路として経路の設定を行う経路設定手段と、
前記地図データに基づいて作成される地図画像上で、前記経路設定手段によって設定された経路を構成する前記通過道路を強調して表示する制御手段と、
を備え、前記道路名称指定手段は、ある道路名称が指定されたときに、この道路名称に対応する道路と交差する他の道路の道路名称リストを含む選択画面を表示し、この道路名称リストに含まれる道路名称を選択することにより道路名称の指定を行うことを特徴とする地図表示装置。 - 請求項1または2において、
前記道路名称指定手段は、道路名称の入力を音声認識手段によって行うことを特徴とする地図表示装置。
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