JP3657495B2 - 養魚介類用飼料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脂溶性ビタミンおよびレシチンを含有する養魚介類用飼料等に関し、特に魚介類の生体内脂溶性ビタミンの蓄積性を向上させた養魚介類用飼料等に関し、また、これらを使用した養魚介類の飼育法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
脂溶性ビタミンは様々な生理活性を有することが知られている。例えば、ビタミンEは代表的な脂溶性抗酸化剤であり、中でもα−トコフェロールは生体内での抗酸化活性の高さから食品や飼料向けの添加剤として幅広く利用されている。とくに、生体内脂質の過酸化が引き起こす疾病の予防に有効であること(Alvin C. Chan, The Journal of Nutrition, 128, 1593−1596 (1998))等が一般的に知られている。また、高用量のビタミンEを飼料中に含有させることによって肉質が改善できる(特開平11−308970号公報)などの事実も知られている。
また、レシチンはその両親媒性による物理的性質により、乳化剤などとして食品や水畜産生物あるいはペットなどの飼料向けの添加剤として幅広く利用されている。さらに、レシチンには様々な生理活性があることが知られており、奇形の防止や成長性に寄与することがこれまでに報告されている(Akio Kanazawa, Shin−Ichi Teshima, Tadashi Kobayashi, Masatomo Takae, Toru Iwashita and Ryogo Uehara, Memoirs of Faculty of Fisheries, Kagoshima University, 32,115−120 (1983))。さらに、ヒトにおいては脂質や脂溶性ビタミンの吸収を促進するなどの生理活性があることがわかっており(原健次, 生理活性脂質の生化学と応用, 85−119, (1993))、これらの相互作用については脂質吸収機構の観点からも研究されている。
しかし、本発明で利用する養魚介類用飼料のように、哺乳類とは脂質吸収機構の大きく異なる(日本水産学会編, 水産学シリーズ22 養魚と飼料脂質, 7−22 (1990))魚類において、脂溶性ビタミンの蓄積効率を容易に向上させうる技術は未だ知られていない。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】
代表的な脂溶性ビタミンの一種であるビタミンEはその生理活性から、食品や飼料の添加剤として広く利用されている。水産分野においてもビタミンEは飼料の酸化抑制効果等に加え、生体内の抗酸化機能などを有することが知られており、利用されている。また、さらに近年では、多量のビタミンEを摂取することによって免疫機能や抗病性が向上する可能性が示唆されている(Sakai Masahiro, Aquaculture, 172, 63−92, (1999))。また、これらの現象の中には体内のビタミンEレベルと密接に相関していることがわかっている例もあり(毛良明夫, 大山剛, 村田寿, 山内清, 境正, 吉田照豊, 宇川正治, 魚病対策技術開発研究成果報告書(2)黄疸の発症条件に関する研究, 1995, 94−105(1996))、体内のビタミンEレベルを高く維持することを可能とする技術が望まれている。
しかし、例えば、単に飼料中のビタミンEを増量した場合、強力な抗酸化剤であるためにビタミンE自身は酸化された状態になり、これの適切な還元剤が存在しなければかえって酸化が進行することも考えられる。また、ビタミンE添加量を増大することは相対的に、その他の成分の減量やコストの上昇につながるといったデメリットが考えられる事から、投与したビタミンEがより効率的に蓄積されるような技術の開発が望まれている。
従って、本発明の目的は上記問題を解決する養魚介類用飼料、養魚介類用飼料用オイル及び養魚介類の飼育方法を提供するものである。
【0004】
【本発明が解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者らは脂溶性ビタミンの高い蓄積効率が得られる飼料について研究を続けた結果、脂溶性ビタミン添加飼料に対し、レシチンを一定量以上添加することで脂溶性ビタミンの魚類における蓄積効率が大きく向上することを見いだした。
また、その結果、生体内の過酸化脂質の減少や酸化ストレスに対する抵抗性が向上する事が明らかとなった。
すなわち、本発明の養魚介類用飼料は、1種又は2種以上の脂溶性ビタミンを0.01〜10.0質量%、かつ、レシチンを0.1〜30.0質量%含有することを特徴とする養魚介類用飼料である。好ましくは、脂溶性ビタミンとレシチンの質量比が1:0.01〜2000である養魚介類用飼料に関する。
また、脂溶性ビタミンのうち少なくとも1種がビタミンEであることが好ましく、ビタミンEを0.01〜5.0質量%含有することを特徴とすることが好ましく、ビタミンEとレシチンの質量比が1:0.01〜2000である場合が好ましい。
ここで、レシチンが、レシチンの総量に対し植物原料由来のレシチンを1.0質量%以上含有するものである場合が好ましい。
特に、上記の魚介類用飼料は、魚介類体内脂溶性ビタミンの蓄積率を向上させる効果を有するという特徴がある。
ここで、脂溶性ビタミン、レシチン及び液状油脂から成り、脂溶性ビタミンの含量が0.05〜50質量%、レシチンの含量が0.5〜95質量%であることを特徴とする養魚介類用飼料用オイルに関し、好ましくは液状油脂が、脂肪酸エチルエステルおよび/または脂肪酸メチルエステルを1.0質量%以上含有するものである養魚介類用飼料用オイルを配合した養魚介類用飼料が好ましい。
ここで、上記の養魚介類用飼料を給餌することを特徴とする養魚介類の飼育方法に関し、好ましくは魚介類体内脂溶性ビタミンの蓄積効率を向上させることを特徴とする養魚介類の飼育方法に関する。
本方法により飼育された養魚介類は生体内の過酸化脂質の減少や酸化ストレスに対する抵抗性が向上するという効果が得られる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本出願における発明は、脂溶性ビタミンとレシチンを含有することを特徴とする養魚介類用飼料、養魚介類用飼料用オイル及び、該養魚介類用飼料を給餌することを特徴とする養魚介類の飼育法に関するものである。
すなわち、本発明の養魚介類用飼料は、1種又は2種以上の脂溶性ビタミンを0.01〜10.0質量%、かつ、レシチンを0.1〜30.0質量%含有することを特徴とする養魚介類用飼料である。脂溶性ビタミンを含み、さらに、レシチンを含むことで、魚介類体内脂溶性ビタミンの蓄積率を向上させる等の好ましい効果が得られる。脂溶性ビタミン単独ではこの様な効果を得ることはできず、上記のように1種又は2種以上の脂溶性ビタミンを0.01〜10.0質量%、かつ、レシチンを0.1〜30.0質量%含有させることで本発明の効果が好適に得られる。脂溶性ビタミン含量が上記の範囲以下であるときは、レシチンがあっても魚介類体内脂溶性ビタミンのは好適に蓄積せず、逆に上記範囲以上である場合には、本発明で得られる蓄積性の向上効果より大幅に向上することがないため好ましくない。
また、好ましくは、脂溶性ビタミンとレシチンの質量比が1:0.01〜2000である養魚介類用飼料は本発明の効果が好適に得られるため好ましい。レシチン含量が、脂溶性ビタミンの含有量との比において、上記範囲内である場合には本発明の魚介類体内脂溶性ビタミン蓄積性の向上効果等が得られるため好ましい。しかし、上記範囲外の場合は、脂溶性ビタミンの蓄積性を向上させることができないので好ましくない。
また、脂溶性ビタミンのうち少なくとも1種がビタミンEであることが好ましい。ビタミンEはα、β、γ、δ、各トコフェロールまたは各トコトリエノール、あるいはこれらの光学異性体、またはトコフェロールアセテート等のトコフェロール誘導体等があり、これらの1種または2種以上を含むことが好ましい。また、その由来も動物原料、植物原料等いずれも限定されるものではなく、その形態も、液状、ペースト状、顆粒状、粉末状等いずれも限定されるものではない。本発明の養魚介類用飼料は、ビタミンEを0.01〜5.0質量%含有することが好ましく、さらには、ビタミンEとレシチンの質量比が1:0.01〜2000である場合が好ましい。
ここで、レシチンが、レシチンの総量に対し植物原料由来のレシチンを1.0質量%以上含有ものである場合が好ましい。
ここで、飼料原料に対して脂溶性ビタミン、レシチンを配合することでも本発明の養魚介類用飼料を得ることができ、また、脂溶性ビタミンやレシチンを多く含む飼料原料を組合わせることでも本発明の養魚介類用飼料を調整することができるが、脂溶性ビタミン、レシチン及び液状油脂から成り、脂溶性ビタミンの含量が0.05〜50質量%、レシチンの含量が0.5〜95質量%であることを特徴とする養魚介類用飼料用オイルを使用することでも本発明の養魚介類用飼料を好適に調製することができる。ここで、好ましくは液状油脂が、脂肪酸エチルエステルおよび/または脂肪酸メチルエステルを1.0質量%以上含有するものである場合には、養魚介類用飼料用オイルとしても操作性が向上するという好ましい性質を有するため、特に好適に利用される
上述したことであるが、本発明の構成をとることにより、本発明の養魚介類用飼料は、特に魚介類体内脂溶性ビタミンの蓄積率を向上させる効果を有するという特徴を有する。
また、本発明の養魚介類用飼料を給餌することを特徴とする養魚介類の飼育方法に関し、好ましくは魚介類体内脂溶性ビタミンの蓄積効率を向上させることを特徴とする養魚介類の飼育方法に関する。本方法により飼育された養魚介類は脂溶性ビタミン、特にビタミンEが魚介類体内に蓄積した場合、生体内の過酸化脂質の減少や酸化ストレスに対する抵抗性が向上するという効果が得られので好ましい。
本発明は、これまでにはなしえなかった高い効率で、生体に対する脂溶性ビタミンの蓄積を可能とする養魚介類用飼料、養魚介類用飼料用オイル及び該養魚介類用飼料を給餌することを特徴とする養魚介類の飼育法に関するものである。本発明によれば、養魚介類の飼育に関し、養魚介類に容易かつ低コストで、効率的に脂溶性ビタミンの生理効果を享受させることが可能になるため好ましい。
【0006】
本出願における発明は、脂溶性ビタミンとレシチンを含有することを特徴とする養魚介類用飼料、養魚介類用飼料用オイル及び、該養魚介類用飼料を給餌することを特徴とする養魚介類の飼育法に関するものである。
【0007】
本発明の養魚介類とは特に限定されるものではなく、例えば、ブリ、ヒラメ、トラフグ、アユ、コイ、サケマス類、チョウチョウウオ類、ワキン等、海産養殖、鑑賞用魚類あるいは淡水養殖、鑑賞用魚類などがあげられる。本発明でいう魚介類とはその種を特に限定するものではなく、例えば、人工飼料を給餌して飼育可能な水産動物類として魚類、甲殻類、両生類、貝類、棘皮動物等があげられる。
好ましくは魚類、甲殻類、両生類等、一般的に油脂を含む配合飼料を用いて飼育が行われるものがあげられる。
また、好ましくは魚類やクルマエビ、スッポン、アワビ等、飼料中タンパク質原料として主に魚粉を用いるのが一般的な水産動物類があげられる。これらは魚粉中の過酸化脂質による酸化ストレスを受けやすい環境にあり、本発明による生理効果を受けやすいと言える。
さらに好ましくは、魚類としてブリ、ヒラメ、トラフグ、アユ、コイ、サケマス類、チョウチョウウオ類、ワキン等、海産養殖、鑑賞用魚類あるいは淡水養殖、鑑賞用魚類などがあげられる。特に、魚類に関しては不飽和度の高い長鎖の脂肪酸を多く体内に保持しており、生体内で高い抗酸化力を持つビタミンEは非常に重要な栄養素である(Blazer, V. S., Annual Rev. of Fish Diseases, 309−323,
(1992))。そのため、本発明を用いれば効率よくビタミンEが体内に蓄積され、その高い効果が期待できる。
また、特に、高密度大量飼育や赤潮の被害等を受けやすい環境で飼育されるブリ、マダイは酸化ストレスにさらされやすく、ビタミンEを効率よく投与することが重要であると考えられることから、本発明の貢献できるところは多い。
【0008】
本発明における脂溶性ビタミンとは特に限定されるものではなく、一般的に脂溶性ビタミンと呼ばれるビタミンE、ビタミンA、ビタミンK、ビタミンD、及びこれらの同族体、異性体、誘導体等を含む。またその由来も、天然、合成を問わない。
具体的にはビタミンEにおいてはα−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノールの同族体、また、RRR−α−トコフェロール、2−epi−α−トコフェロール、2−ambo−α−トコフェロールなどに代表される異性体、トコフェロールアセテート、コハク酸トコフェロールカルシウム、酢酸トコフェロール等のビタミンE誘導体等があげられる。
ビタミンAにおいては、レチノール、レチナール、レチノイン酸、3−デヒドロレチノール、3−デヒドロレチナール、3−デヒドロレチノイン酸、あるいは、プロビタミンAである、β−カロテン、α−カロテン、γ−カロテン、β−クリプトキサンチン、エカイネノン、β−アポ−12‘−カロテナール、β−アポ−12’−カロテン酸等が挙げられる。
また、ビタミンKについてはフィロキノン(K1)、メナキノン(K2)同族体、等に加え、合成によって化合されるメナジオン(K3)、メナジオール(K4)、4−アミノ−2−メチル−1−ナフトール(K5)、2−メチル−1,4−ナフタレンジアミン(K6)、4−アミノ−3−メチル−1−ナフトール(K7)等の同族体があげられる。
ビタミンDについてはビタミンD2、ビタミンD3、ビタミンD4、ビタミンD5、ビタミンD6、ビタミンD7、また、エルゴステロールや7−DHC等のプロビタミンD、あるいはプレビタミンD、ピロビタミンD、イソピロビタミンDなどの異性体等があげられる。
【0009】
また、本発明において脂溶性ビタミンのうち少なくとも1種がビタミンEであることが好ましい。
ビタミンEはα、β、γ、δ、各トコフェロールまたは各トコトリエノール、あるいはこれらの光学異性体、またはトコフェロールアセテート等のトコフェロール誘導体等があり、これらの1種または2種以上を含むことが好ましい。
また、その由来も動物原料、植物原料、合成等いずれも限定されるものではなく、その形態も液状、ペースト状、顆粒状、粉末状等いずれも限定されるものではない。
【0010】
本発明において用いるレシチンは、ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルイノシトール(PI)、ホスファチジン酸(PA)、ホスファチジルセリン(PS)等の単体、あるいは2種以上の混合物で、その形態は特に限定されるものではない。例えば形態として、油状、ペースト状、粉末状、顆粒状、ブロック状などがあげられる。また、その由来も動植物から得られるが特に限定されるものではないが、好ましくは大豆、菜種、アマニ、コーン、綿実、ひまわり、サフラワー等をはじめとする植物原料由来のものである。植物原料から搾油する工程中から発生するものも好適に利用することができる。
【0011】
本発明の養魚介類用飼料は、1種又は2種以上の脂溶性ビタミンを0.01〜10質量%、好ましくは0.01〜7質量%、さらに好ましくは0.03〜5質量%、かつ、レシチンを0.1〜30.0質量%、好ましくは0.1〜10.0質量%、さらに好ましくは0.5〜5質量%含有することを特徴とする養魚介類用飼料である。
脂溶性ビタミンを含有し、さらに、レシチンを含有することで、本発明の養魚介類用飼料は、魚介類体内脂溶性ビタミンの蓄積率を向上させる等の好ましい効果が得られる。脂溶性ビタミン単独ではこの様な効果を得ることはできず、上記のように1種又は2種以上の脂溶性ビタミンを0.01〜10質量%、好ましくは0.01〜7質量%、さらに好ましくは0.03〜5質量%、かつ、レシチンを0.1〜30.0質量%、好ましくは0.1〜10.0質量%、さらに好ましくは0.5〜5質量%含有させることで、本発明の効果が好適に得られる。脂溶性ビタミン含量が上記の範囲以下であるときは、レシチンが存在しても魚介類体内脂溶性ビタミンは好適に蓄積せず、逆に上記範囲以上である場合には、本発明の範囲内で得られる蓄積性の向上効果より大幅に向上することがないため好ましくない。
【0012】
また、脂溶性ビタミンとレシチンの質量比が1:0.01〜2000、好ましくは1:0.05〜500、さらに好ましくは1:0.1〜100である養魚介類用飼料は本発明の効果が好適に得られるため好ましい。レシチン含量が、脂溶性ビタミンの含有量との比において、上記範囲内である場合には本発明の魚介類体内脂溶性ビタミン蓄積性の向上効果等が得られるため好ましい。しかし、上記範囲外の場合は、脂溶性ビタミンの蓄積性を向上させることができないか、効果が少ないため好ましくない。
【0013】
本発明の養魚介類用飼料は、ビタミンEを0.01〜5.0質量%、好ましくは0.01〜4質量%、さらに好ましくは0.02〜3質量%含有することが好ましく、さらには、ビタミンEとレシチンの質量比が1:0.01〜2000、好ましくは1:0.02〜500、さらに好ましくは1:0.1〜100である場合が好ましい。
ここで、レシチンが、レシチンの総量に対し植物原料由来のレシチンを1.0質量%以上、好ましくは5.0質量%以上、さらに好ましくは10.0質量%以上含有ものである場合が好ましい。
【0014】
ここで、本発明の養魚介類用飼料は、飼料原料に対して脂溶性ビタミン、レシチンを配合することでも本発明の養魚介類用飼料を製造することができ、また、配合方法についても限定されるものではなく、例えば、各種配合飼料素材として、粉末飼料に練り込む、あるいは飼料成形時に練り込む、成形後に添着するなどの他、養殖魚で用いられるような、生餌との混合や、給餌直前にエサに添着する等の方法が挙げられる。
また、脂溶性ビタミンやレシチンを多く含む飼料原料を組合わせることでも本発明の養魚介類用飼料を製造することができる。
さらに、脂溶性ビタミン、レシチン及び液状油脂から成る養魚介類用飼料用オイルを使用することでも本発明の養魚介類用飼料を好適に製造することができる。
本発明における液状油脂とは常温で、流動性がある油脂のことを指し、その由来や製法については特に限定されず、植物油、動物油のほかに、微生物の発酵作用時に副生する醸造副生油脂やその他合成によるものなどを含む。
具体的には大豆油、菜種油、アマニ油、ゴマ油、綿実油、コーン油、オリーブ油、椿油等の植物油、イワシ油、サンマ油、イカ油、タラ肝油、鯨油、牛脚等の動物油、醤油あるいは魚醤等の発酵生産時に副生する油脂等があげられる。
【0015】
上記養魚介類用飼料用オイルは、脂溶性ビタミンの含量が0.05〜50質量%、好ましくは0.05〜30質量%、さらに好ましくは0.1〜10質量%、レシチンの含量が0.5〜95質量%、好ましくは1.0〜90質量%、さらに好ましくは5〜80質量%であることを特徴とする養魚介類用飼料用オイルを使用することでも本発明の養魚介類用飼料を好適に製造することができる。また、液状油脂の含量は必要とする性状に応じて配合することができ、特に制限されないが、3〜95質量%、好ましくは10〜99.5質量%、さらに好ましくは50〜99質量%である。
【0016】
ここで、好ましくは液状油脂が、脂肪酸エチルエステルおよび/または脂肪酸メチルエステルを1.0質量%以上、好ましくは5.0質量%以上、さらに好ましくは10.0質量%以上含有するものである場合が好ましい。この場合、養魚介類用飼料用オイルとしても粘度が低下し、餌に混ぜ合わせる場合に操作性が向上する等の好ましい性質を有するため、特に好適に利用される。この操作性の向上により、飼料へのオイル添加時に簡便な添加・混合操作が可能になるほか、本発明オイルが飼料へ均一に混合される。とくに、クランブル状や粉末状の飼料においては混合時に凝集塊ができにくくなり、多くの魚に均一に投与することが可能となるために投与効果が高く、好ましい。さらに、これらの特徴は飼料作成過程において粒度調整時に歩留まりが高くなり、飼料作成時にも好適である。
該脂肪酸エチルエステルおよび/または脂肪酸メチルエステルを含有するものとしては、オレイン酸エチル、オレイン酸メチル等の脂肪酸エステル体や、しょうゆ油等があげられ、これらから選ばれる1種または2種以上の液状油脂を使用することができ、また、これらと他の液状油脂から選ばれる1種または2種以上の液状油脂等を配合したものを使用することができる。
【0017】
本発明の養魚介類用飼料は、特に魚介類体内脂溶性ビタミンの蓄積率を向上させる効果を有するという特徴を有する。
本発明における魚介類体内脂溶性ビタミンの蓄積率とは魚介類の体内組織中の脂溶性ビタミンの含有量をもって評価を行うもので、本発明においては飼育終了後に対照となる試験区の魚介類に比べて多くのビタミンが測定された場合、蓄積性が向上したと判断される。また、脂溶性ビタミンの蓄積性の評価対象となる体内組織は特に限定されないが、脂溶性の蓄積性が高く、測定に適していることから実施例では肝臓(マダイにおいては肝膵臓)を測定することで評価される。
本発明における実施例等において用いたビタミンE測定方法は常法に従った。生体を解剖し、標的組織をすりつぶしてけん化した後、n−ヘキサンでトコフェロールを抽出。抽出したトコフェロールは窒素ガスを用いてヘキサンを除去し保存。測定時には保存サンプルをn−ヘキサンに溶解し、測定サンプルとした。測定は高速液体クロマトグラフを用い、蛍光検出器によってピーク面積を測定し、内部標準および標準トコフェロールとの比較より、各種トコフェロール含有量を算出した。各種トコフェロール含量の和をビタミンE量とした。内部標準物質としては2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−クロマノールを用いた。
また、本発明における実施例において用いたビタミンA測定方法は常法に従った。生体を解剖し、標的組織をすりつぶしてエタノール及びn−ヘキサンを用いてビタミンAを抽出。抽出後、窒素ガスを用いてヘキサンを除去した後、直ちにイソプロパノールで残留物を溶解し、測定試料とした。測定は高速液体クロマトグラフを用い、蛍光検出器によってレチノール及びビタミンAパルミテートのピーク面積を測定し、検量線との比較より各含量を算出した。レチノール及びビタミンAパルミテートの和をビタミンA含量とした。
その他、上記の方法に限定されず、公知の測定方法によって、測定することができる。
【0018】
魚類において脂溶性ビタミンは欠乏した場合に様々な栄養性疾病になることが知られている。例えばビタミンAを例に取ると欠乏症として眼球の出血や眼球突出、鰓蓋の異常等が知られている。また、これら栄養性疾病は生体内のビタミンA蓄積量と相関しているとの指摘もある(荻野珍吉,魚類の栄養と飼料,186−232,(1989))。
また、ビタミンEにおいても、これが欠乏することによって様々な欠乏症が発症することが知られている。また、前述したとおり、近年では多量のビタミンEを摂取することによって免疫機能や抗病性が向上する可能性が示唆されている(Sakai Masahiro, Aquaculture, 172, 63−92, (1999))。
よって、本発明に飼料を与えることによって魚介類体内脂溶性ビタミンの蓄積率を向上させることにより、蓄積したビタミンAレベルが高くなった場合、細菌性疾病等の感染症についても発症にくくなる例などが知られている。また、体内のビタミンEレベルと密接に相関していることがわかっている例もあり(毛良明夫, 大山剛, 村田寿, 山内清, 境正, 吉田照豊, 宇川正治, 魚病対策技術開発研究成果報告書(2)黄疸の発症条件に関する研究, 1995, 94−105(1996))、体内のビタミンEレベルを高く維持することで疾病の発症を防ぐことが可能となり、免疫機能や抗病性が向上する可能性が示唆されている。生体内の過酸化脂質の減少や酸化ストレスに対する抵抗性が向上する等の効果が期待できる。
【0019】
また、本発明の養魚介類用類飼料を給餌することを特徴とする養魚介類の飼育方法に関し、好ましくは魚介類体内脂溶性ビタミンの蓄積効率を向上させることを特徴とする養魚介類の飼育方法に関する。
本発明における養魚介類飼料を製造する方法については先に述べたが、給餌の方法についても特に限定されるものではない。例としては、適量、あるいは規定量を人の手によって直接、養魚介類に投与する方法や、モイストペレット給餌機を代表とする船上機器によって投与する方法、あるいは遠隔操作による機械給餌、タイマーやコンピュータープログラム等を用いた自動給餌機による給餌、さらに、養魚介類の学習能力を利用した自発給餌、さらには、フィルム状、練り餌状、チップ状等の形で養魚介類の飼育環境中に固定あるいは浮遊させ、適時給餌させる方法などがあげられる。
本方法により飼育された養魚介類は脂溶性ビタミン、特にビタミンEが魚介類体内に蓄積した場合、生体内の過酸化脂質の減少や酸化ストレスに対する抵抗性が向上するという効果が得られるので好ましい。その結果、養魚介類の生残率が向上する等の効果が得られる。
【0020】
本発明は、これまでにはなしえなかった高い効率で、生体に対する脂溶性ビタミンの蓄積を可能とする養魚介類用飼料、養魚介類用飼料用オイル及び該養魚介類用飼料を給餌することを特徴とする養魚介類の飼育法に関するものである。本発明によれば、養魚介類の飼育に関し、養魚介類に容易かつ低コストで、効率的に脂溶性ビタミンの生理効果を享受させることが可能になるため好ましい。その結果、養魚介類の生残率が向上する等の効果が得られる。
【0021】
【実施例】
以下に、本発明についての実施例を示すが、これらに限定されるものではない。以下、「質量%」を単に「%」と示すことがある。
製造例A〜G
表1の配合組成となるように飼料を作成した。A〜Gについて飼料作成はカゼイン、デキストリン、コーンスターチ、コリンクロライド、ミネラル混合物、ビタミン混合物を、ミキサーでよく混合し、基本飼料粉末を作製した。さらに、これに対し、大豆油、レシチン、ビタミンE、ビタミンA、を順次ミキサーで混合し、飼料粉末とした。これに水を加え、水分が均一になるように練り、飼料塊を作製、乾燥した。乾燥後、飼料塊を砕き、破砕断片はメッシュによって、均一の粒径のものを集め、飼料とした。
【0022】
製造例H〜I
H〜Iについてはあらかじめ、大豆油、マリンシードオイル、ビタミンE、ビタミンA、レシチンを規定量となるように順次、秤量、混合し、飼料用混合オイルを作製した。なお、レシチンを油脂中に均一に溶解させるためレシチン溶解時に一旦、容器に収容、窒素を充填して密封し、これを湯煎によって加熱した。さらに、A〜G同様に基本飼料粉末を作製した。その後、飼料用混合オイル及び、基本飼料粉末をミキサーにて混合し、飼料粉末とした。さらに、これに対しA〜Gと同様の操作を加え飼料を成形した。
【0023】
【表1】
Figure 0003657495
【0024】
表1において、ビタミン混合物はビタミンE及びビタミンAは含まれていないものを用いた。また、ビタミンEとしてはα−トコフェロールを、ビタミンAとしてはビタミンAレチノールを用いた。また大豆レシチンはレシチン含量が99%以上である粉末状大豆レシチンを用いた。また、卵黄レシチンについても同等のレシチン含有率のものを用いた。また、飼料用オイルを作製した場合、脂肪酸エチルエステルを含有したものは飼料調製に際して操作性が良好であった。また、大豆油についてはビタミンEを除去したものを用いた。
【0025】
比較例1〜4、実施例1〜6
次に、ニジマスを用いた投与試験及び、酸化ストレス耐性試験を行った。ニジマス(平均魚体重0.81g)550尾を、比較例1〜4、実施例1〜6の計10区に区分けした循環濾過式水槽に55尾ずつ収容し、製造例A〜Iの飼料で4週間の飼育試験を行った。また、コントロール区には製造例Aの飼料をもとに、ビタミンA、ビタミンE及びレシチンを全く含まず、これらを大豆油に置き換えた飼料を作成し、投与した。飼育期間の水温は18度に調整し、給餌率は魚体重あたり4%とした。飼育試験終了後は各区より20尾の供試魚を取り上げ、解剖し肝臓を摘出した。摘出後の肝臓はそのうちの10個体分をビタミンE含量の測定に、残りの半数をビタミンAの測定に供試し、測定後、各試験区毎の平均値を算出した。
さらに、投与試験終了後のニジマスを用い、酸化ストレス耐性試験に供試した。酸化ストレス耐性試験は投与試験終了後のニジマス、各区30尾ずつに対し、過酸化脂質を経口投与することで酸化ストレスを与え、その様子を観察した。酸化ストレス耐性試験において投与した飼料はカゼイン50%、デキストリン10%、コーンスターチ3.5%、コリンクロライド0.5%、ミネラル混合物4%、ビタミン混合物2%、脂質30%となるように調製し、脂質として通気法により酸化させた魚油(POV:1023.7)を添加した。これを2ヶ月間に渡り投与した。なお、ビタミン混合物はビタミンA、ビタミンEを含まないものを調製した。2ヶ月間の投与期間終了後の生残尾数から生残率を求めた。
投与試験終了後の各試験区の肝臓ビタミンA及びビタミンE含量の平均値及び酸化ストレス耐性試験の生残率を表2に示す。
【0026】
【表2】
Figure 0003657495
【0027】
脂溶性ビタミンの測定結果は、表2からわかるように、飼料への脂溶性ビタミン添加量が同じ場合、レシチン無添加である比較例2に比べ、実施例1はレシチンの添加によって肝臓の脂溶性ビタミン含量が著しく高くなっていた。また、比較例3の結果から明らかなように、レシチンが添加されていても脂溶性ビタミンの添加量が極端に少ない場合はこうした効果は見られなかった。これらの事から、実施例1で見られた肝臓中に脂溶性ビタミンが多く蓄積される現象は、レシチン単独の効果によるものではなく、飼料中のレシチンが、脂溶性ビタミンの魚体内への蓄積を促進した結果であると言える。また、この効果はビタミンA、ビタミンEいずれにおいても確認され、また、実施例3の結果から明らかなように脂溶性ビタミンが、ビタミンE単独の場合においても確認された。さらに、比較例4の結果を見ると、比較例2との比較において、その効果はあまり見られず、レシチンの添加量に対する脂溶性ビタミン添加量の比があまりに小さいと効果が現れにくいことが考えられる。
さらに、実施例4の結果から明らかなように、添加レシチンとして卵黄レシチンを用いた場合、レシチンの添加効果は見られたものの、実施例1と比較するとその効果は若干低いものであった。
また、実施例5より明らかなように脂溶性ビタミン及び脂質の混合オイルを作製し、これを添加することによって飼料を作成した場合、各原料を順次混合した場合に比べてより高い効果が得られることが明らかとなった。さらに、脂肪酸エチルエステルを含有する、しょうゆ油添加した場合、オイル作製時にオイルの粘度を著しく低下させることが可能であり、操作性が向上したほか、飼料作成時にも均一に混ざりやすいなどの特徴が見られた。しょうゆ油を用いた実施例6においては実施例5よりも、さらに高いレシチンの添加効果が見られた。
さらに、酸化ストレス耐性試験の結果は、投与試験においてビタミンA及びビタミンEを含まない飼料を投与した比較例1では40%と低い生残率にとどまり、両ビタミン投与区である比較例2の方が高い生残率を示した。これは抗酸化剤であるビタミンEの効果によりニジマスの酸化ストレス耐性が高まったためと考えられる。
一方、レシチンの添加効果という観点からは比較例2に比べて実施例1では生残率が高くなっており、レシチンの添加がビタミンの蓄積を促進したたことによって、さらに高い酸化ストレス耐性を獲得したものと考えられる。
また、比較例3、4のようにレシチンによる脂溶性ビタミンの蓄積促進効果があまり得られない場合は比較例1に比べて生残率が同等、または低いものであった。
【0028】
比較例5〜8、実施例7〜14
比較例1及び実施例1、6と同様の試験をマダイ、ブリ、アユ、ヒラメにおいて行った。また、そのときの供試魚を酸化ストレス耐性試験に供試し、生残率を求めた。
各魚種につき試験区を3区設け、製造例A、B、Iの各飼料の投与を行った。飼育条件は表3に示した。飼育後の供試魚は表3に従って、必要尾数を取り上げ、肝臓ビタミンE含量及び肝臓中TBARSの測定を行った。これら測定に用いなかった供試魚はさらに酸化ストレス耐性試験に供試した。酸化ストレス耐性試験は表4の条件で行い、その他飼育条件等は表3に従った。過酸化油脂としては通気法により酸化させた魚油(POV:1023.7)を用いた。
各試験区におけるビタミンE蓄積量、TBARS、および、酸化ストレス耐性試験における生残率を表4に示した。
【0029】
【表3】
Figure 0003657495
【0030】
【表4】
Figure 0003657495
【0031】
【表5】
Figure 0003657495
【0032】
表5の結果を見るとニジマス同様、マダイ、ブリ、アユ、ヒラメいずれの魚種においてもレシチンの添加によってビタミンEの魚体内への蓄積は促進されていた。また、肝臓中のビタミンE蓄積量が多い試験区では肝臓中のTBARSが低い値を示していた。これは、α−トコフェロールが多く蓄積され、これが生体内で抗酸化剤として働いたために過酸化脂質の生成が抑制されたためと考える。
さらに、酸化ストレス耐性試験においては、いずれの魚種においても生残率がビタミンE蓄積量に依存しており、飼料中のビタミンE添加量が同じであってもこれを効率よく体内に蓄積することによって酸化ストレスに対する耐性が高くなることが明らかとなった。
【0033】
実施例1〜6から明らかなように脂溶性ビタミン添加飼料に対し、同時にレシチンを添加すると魚介類体内脂溶性ビタミン含量が著しく高い値を示した。またレシチン単独の投与ではこのような現象は見られなかった。この事から脂溶性ビタミン添加飼料にレシチンを添加あるいは混合することで脂溶性ビタミンが効率的に魚介類体内に蓄積されることが明らかとなった。この現象はニジマスに特異的なものではなく、実施例7〜14より明らかなように様々な魚種において確認された。さらに、こうした効果は植物由来のレシチンを用いた場合に、特に顕著であった。さらに、事前にオイルとして脂溶性ビタミン、レシチンをその他油脂と混合し、飼料に添加することによって、より効果が高まった。また、脂肪酸エステル体を混合した場合には一相効果が高まった。また、実施例からわかるように本発明における脂溶性ビタミンの蓄積促進効果は魚介類の生残率を大きく左右する要因になり、本発明が産業上の生産性を大きく向上させうるものであることが明らかとなった。
【0034】
【発明の効果】
本発明の養魚介類用飼料を与えることで、魚介類体内にビタミンE等の脂溶性ビタミンの蓄積性が向上する。これにより、養魚介類の酸化ストレス耐性等が向上し、その結果、養魚介類の生残率が向上する。つまり、本発明の養魚介類用飼料を給餌することで、養魚介類は健全に生育され、酸化ストレス等に弱く生育が難しい魚介類について生育が可能になるという効果や、単位区画内で生育される率が高くなることから事業的な視点からも生産率の向上という効果が得られる。

Claims (10)

  1. 1種又は2種以上の脂溶性ビタミンを0.01〜10.0質量%と、レシチンを0.1〜30.0質量%と、植物油の液状油脂とを含有する養魚介類用飼料であり、
    前記植物油の液状油脂が、脂肪酸エチルエステルおよび/または脂肪酸メチルエステルを1.0質量%以上含有する植物油の液状油脂である、
    ことを特徴とする養魚介類用飼料。
  2. 脂溶性ビタミンとレシチンの質量比が1:0.01〜2000である請求項1に記載の養魚介類用飼料。
  3. 脂溶性ビタミンのうち少なくとも1種がビタミンEであることを特徴とする請求項1または2に記載の養魚介類用飼料。
  4. ビタミンEを0.01〜5.0質量%含有することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の養魚介類用飼料。
  5. レシチンが、レシチンの総量に対し植物原料由来のレシチンを1.0質量%以上含有するものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の養魚介類用飼料。
  6. 脂溶性ビタミンと、レシチンと、植物油の液状油脂とを、予め混合させ、該混合物を配合するものである請求項1〜5のいずれか1項に記載の養魚介類用飼料。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の養魚介類用飼料からなる養魚介類の体内への脂溶性ビタミンの蓄積剤。
  8. 脂溶性ビタミン、レシチン及び、植物油の液状油脂から成り、
    前記脂溶性ビタミンの含量が0.05〜50質量%であり、
    前記レシチンの含量が0.5〜95質量%であり、
    前記植物油の液状油脂が、脂肪酸エチルエステルおよび/または脂肪酸メチルエステルを1.0質量%以上含有する植物油の液状油脂である、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の養魚介類用飼料の原料である配合用オイル。
  9. 請求項8に記載の養魚介類用飼料の原料である配合用オイルが配合された請求項1〜のいずれか1項に記載の養魚介類用飼料。
  10. 請求項9に記載の養魚介類用飼料からなる養魚介類の体内への脂溶性ビタミンの蓄積剤。
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