JP3655622B2 - 荷電ビーム描画方法及び描画装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷電ビーム描画技術に係わり、特に近接効果の低減をはかった荷電ビーム描画方法及び描画装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体ウェハやマスク基板等の試料に微細パターンを描画するものとして、電子ビーム描画装置が用いられているが、この装置では後方散乱電子によりパターンの太りや細りが生じる、いわゆる近接効果の影響が問題となる。
【0003】
近接効果を補正する有効な方法の一つは、照射量補正法である。これは、パターンのサイズや粗密に基づき、場所によって照射量を決定する方法である。この最適照射量を決定する方法としては、(a)行列を用いる方法(例えば、非特許文献1参照)、(b)簡単な近似解の公式を用いる方法(例えば、非特許文献2参照)、等が用いられてきた。
【0004】
(a)は、照射量と各位置での感光量との関係を行列で表現しておき、この行列の逆行列を求めることによって、各位置での最適照射量を求めるという方法である。この方法の利点は、照射量を設定する図形のサイズを充分小さくすれば正確な最適照射量が求められることにある。一方、短所は、計算時間が莫大になることである。直接描画用としてLSIチップ分全てを補正するのに数100〜数1000時間が必要となる。
【0005】
(b)は、例えば次の公式により最適照射量の近似値D' を計算する方法である。
【0006】
D' =C/(1/2+ηU), …(i)
U=(1/π)∫ exp{-(x-x')2 } dx' …(ii)
ここで、Cは定数、ηは電子線の前方散乱によるレジストの感光量と後方散乱によるそれとの比である。パラメータUの積分は、描画する部分(パターン部)について行う。
【0007】
(ここで、及びこれ以下では、長さは後方散乱の広がりσb が1になるように規格化する。)
図1を参照して分るように、(ii)式は以下のように変形される。
【0008】
Figure 0003655622
erfは誤差関数を表わし、積分範囲は0からuである。
【0009】
erf=π-1/2∫ exp(−u2 )du …(iV)
ここで、照射量の評価点を(x,y)とし、Σによる加算は、(x,y)を中心とし、半径2〜3程度の円内部に存在する矩形について、或いはその円内部に一部でもかかる矩形について行う。或いは、円の代わりに(x,y)を中心とし、一辺4〜6程度の正方形又は長方形を用いてもよい。
【0010】
(iii) 式及び(iv)式から、以下の手順を用いれば、高速に計算できることが分る。
【0011】
(I)予め誤差関数のテーブルを作成しておく。
【0012】
(II)周辺の図形一つ一つに付いて、(I)のテーブルを利用し、(iii) 式の計算を行ってパラメータUを求める。
【0013】
(III)(II)の結果を用い、(i)式を用いて近似的最適照射量を計算する。
【0014】
このように近似解を用いる方法は高速に処理できる。実際、電子線直描用のLSIのパターンについては、代表図形法を併用することによって、1チップ当たりの補正が1時間程度で実行できている。但し、この近似解を用いる方法においては、あくまでも解は近似的なものにすぎない。
【0015】
図2に発生する誤差の例を示す。図2(a)のように、パターンを照射することとし、(a)の一点鎖線の部分でレジストの感光量を調べると、図2(b)のようになる。図2(b)で実線が理想値を示し、破線が(i)式で求めた照射量を利用した場合を示す。
【0016】
図中に示したように発生する感光量の誤差は3〜4%に及ぶ。この値は、これまでは無視できたが、最小線幅0.2μm以下の電子線直接描画では無視し得ない。また、レチクルを作成する場合には、レチクル上の最小線幅が0.5μm以下となる場合にも無視できない。
【0017】
また、近接効果の補正の計算は、描画に先立ち描画領域の全面にわたって行われていた。このため、電子ビーム描画装置内部で近接効果補正の計算を行うと、以下のような問題が生じる。例えば、近接効果の補正の計算にかかる時間を1時間とし、描画にかかる時間を1時間とした場合、近接効果補正の計算が施された描画全体の時間は2時間である。
【0018】
LSIパターンが大規模化すると、これを描画するためのデータ量は膨大になる。また、集積度の増加によって微細なパターンを描画するために高い寸法精度を必要とするようになる。その結果、近接効果補正の計算の処理時間が今後、今以上に膨大になると予想される。近接効果補正の計算をハードウェアで実現して処理時間を現実的な大きさに抑えることができても、描画図形データが出来上がらなければ、電子ビーム描画装置は描画を実行することができない。従って、上記の近接効果補正の計算時間は、電子ビーム描画装置の稼働効率を低下させる大きな要因となる。場合によっては、電子ビーム描画装置の稼働時間のうち、近接効果補正のための処理時間が大部分を占めることにもなる。
【0019】
【非特許文献1】
M.Parikh, J.App.Phys.19, p4371, p4378, p4383(1979))、
【0020】
【非特許文献2】
J.M.Parkovich, Journal of Vacuum Science & Technology B4, p159(1986)
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来、近接効果を照射量補正法で補正する場合には、行列法のような正確な方法を用いると計算時間は莫大なものとなり利用不可能となる。一方、計算時間の短い近似解の方法を用いると十分な補正精度が得られない、という問題があった。また、LSIパターンの大規模化及び要求寸法の高精度化に伴い、近接効果補正のための処理時間が増大し、荷電ビーム描画装置の稼働効率の低下を招くという問題があった。
【0022】
本発明は、上記事情を考慮して成されたもので、その目的とするところは、近接効果補正の処理によるロスタイムを軽減することができ、装置稼働率の向上をはかり得る荷電ビーム描画方法及び描画装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
(構成)
上記課題を解決するために本発明は、次のような構成を採用している。
【0024】
即ち本発明は、描画図形データをストライプ単位で処理し、試料上に荷電ビームを照射して所望パターンを描画する荷電ビーム描画方法において、任意のストライプの両端に、隣り合うストライプの図形パターンを荷電ビームの後方散乱の広がりより広い領域分だけ付けて新たな図形データを作成する工程と、作成された新たな図形データに対して近接効果補正計算を施して、最適照射量を計算する工程と、計算された最適照射量を基に対応するストライプを描画する工程とを含み、前記ストライプの描画と同時に、次のストライプに関する新たな図形データの作成及び最適照射量の計算を行うことを特徴とする。
【0025】
また本発明は、描画図形データをストライプ単位で処理し、試料上に荷電ビームを照射して所望パターンを描画する荷電ビーム描画装置において、任意のストライプの両端に、隣り合うストライプの図形パターンを後方散乱の広がりより広い領域分だけ付けて新たな図形データを作成する手段と、作成された新たな図形データに対して近接効果補正計算を施して、最適照射量を計算する手段と、計算された最適照射量を基に対応するストライプを描画する手段とを具備してなり、前記ストライプの描画と次のストライプに関する新たな図形データの作成及び最適照射量の計算を同時に行うことを特徴とする。
【0026】
(作用)
本発明では、ストライプの両端の外側にも図形データを付加したことで、ストライプ毎に近接効果補正計算を行うことが可能となり、両端の境界付近の図形においても高い寸法精度を確保できる。そのため、例えばストライプAを描画中にそれ以降に描画される予定のストライプBの近接効果補正の計算を実行することができる。このように、描画と同時に近接効果補正計算を行うため、この補正計算によって描画に付加される時間は、最初のストライプ分のみである。従って、ロスタイムを少なくし、高速処理が可能となる。
【0027】
なお、参考のために、近似的照射量をまず求め、それに対する修正量を順に求める方法で、計算時間を更に短くするために、新たに求めた近似的照射量或いはそれに対する修正量を重みとして加え、代表図形を計算し直し、得られた新たな代表図形を利用して、寄り正確な近似的最適照射量を求める方法について説明する。
【0028】
[I].照射量の解
最適照射量の正確な解を利用して照射量を求め、これを用いて描画する方法において、正確な解を得る方法は、後述する[IV]に示し、ここではまずその結果を述べる。また、以下では電子ビームを用いた場合を例に取り説明するが、イオンビームを用いた場合も同様に解析することができる。
【0029】
ビーム照射量の解は、フーリエ級数のように、変動の激しさを表す目安nによる級数で表現される。
【0030】
D(x)=Σdn (x) …(1)
0 (x)=1/{1/2+ηU(x)} …(2)
n (x)=ηd0 (x){dn-1 (x) U(x)-Vn (x)}(n≧1)…(3)
U(x)=∫ exp{-(x-x')2 }dx'/π …(4)
Vn (x)=∫ exp{-(x-x'}2 )dn-1 (x')dx'/π …(5)
ここで、Σの加算範囲はn=0から無限大まで、U,Vの積分範囲は描画部分である。記号ηは、電子ビームの前方散乱によるレジストの実効照射量(感光量)と後方散乱によるそれの比である。積分領域は、厳密には電子ビームを照射する部分(描画部、パターン)全てだが、実効的には後方散乱の広がりの3倍を半径とし、場所xを中心とする円内部など簡単なものでよい。
【0031】
関数dn (x)は、最適照射量D(x)の一部であり、関数D(x)における変動の一種を特徴づけるn項目に相当する部分である。近接効果を補正せずにパターンを描画した際の、電子ビームの後方散乱によるレジストの実効照射量(以下、後方散乱量と略す)をU(x)で示した。関数Vn (x)は、より低次の照射量dn-1 (x)でパターンを描画した際の後方散乱量に相当する。
【0032】
上述の式から、次の点が判る。即ち、(1)式の第1項だけをとると、パブコビックの近似解となる。先に述べたパブコビックの式の誤差の原因は、(1)式の第2項以後を無視したためである。直接描画用の従来法の誤差は、第2項以下を全て無視することによって発生する誤差である。
【0033】
[II].解の正確さと速い収束性
(3)式から、D(x)はη2 /{1/2+ηU(x)}2 の摂動展開になっていることが導きだせる(詳細は後述する[V]に説明する)。ηと{1/2+ηU(x)}については二乗だから、(1)式の級数が急速に収束することを示唆している。
【0034】
図4は、これを概略シミュレーションしたものである。大きなパターンのすぐ横に小さなパターンが存在する場合を計算したものである(従来方式で精度が劣化する典型的ケース)。多めに見積もっても、(1)式の第3項までの計算を行えば、十分実用的な精度(誤差0.5%を割る)が得られることが判る。
【0035】
このように、本方式は、(1)式の計算項を増やすほど、その補正精度を上げられる。しかも、図4から判るように収束が極めて早く、結果として計算速度も速い。
【0036】
[III].代表図形法の修正
上記の方式は、以下で述べるように、代表図形法との整合性も良く高速処理が可能である。関数dn (x)の計算時間(計算量)の大部分は、関数U(x)の値(n=0の場合)、及びVn (x)の値(n≧1の場合)を求めることに費やされる。しかし、関数U(x)の値の計算については、従来通り代表図形の処理を利用できる。また、以下に記すように、関数Vn (x)の値の計算にも代表図形を利用できる。(5)式は次のように変形できる。但し、Vの積分範囲は古い代表図形である。
【0037】
n (x)=∫exp{-(x-x')}2 {dn-1 (x')dx'}/π…(6)
この変形が可能な理由は、もとのパターンで積分する代わりに、古い代表図形を用いて積分してもその差が無視できることによる。この式は、微小面積dx'に低次の照射量dn-1 (x')の重みをつけた積分となっている。よって、古い代表図形を細分化した後、その細分割パターンの面積に低次の照射量dn-1 (x')の重みを付けて新しい代表図形を作れば、それを利用してVn を次の様に計算できる。但し、Vの積分範囲は新しい代表図形である。
【0038】
n (x)=∫exp{-(x-x')}2 dx'/π …(7)
n の計算に、(7)式を用いると、計算手順は次のようになる。
【0039】
(a)元のパターンから代表図形を第1の領域毎に作成
領域サイズ〜後方散乱の広がりσb 程度
〜10〜15μm(50kV,Si直描)
(b)Uの計算後、d0 (x)の計算
↓ i=1
(c)新しい代表図形の作成
(ア)古い代表図形を第2の小領域で分割
領域サイズ〜照射量の設定サイズ
〜後方散乱の広がりσb より充分小さい
〜2μm(50kV,Si直描)
(イ)(ア)の領域内のパターン或いは代表図形の面積にdi-1
の重みをかけ、第2の領域毎に面積と重心を求める。
【0040】
(ウ)(イ)の結果から、第2の領域毎に新しい代表図形を作成
(d)(c)の代表図形を用い、(7)式からVn を計算し、
(3)式からdn (x)を計算。
【0041】
(e)i=i+1として(c)へ戻って(c)(d)を繰返す、
所定回数(例えば、1回)繰返した後、最近照射量D(x)を
D=d0 +d1 +d2 +…+dn
と求める。
【0042】
以上の手順で、(a)と(b)は従来の近似解の方法と同じである。(d)の計算の殆ど全てはVn の計算に費されるので、(d)の計算時間は(b)の計算時間とほぼ同じになる。(c)の計算は(a)の計算よりも、短時間で済む。これは、(a)での入力には最小線幅0.5μm以下の小さなパターンが数多く存在するが、(c)の入力は一つの第1の領域について古い代表図形が一つあるだけだからである。
【0043】
おおまかに、(a)(b)(d)の計算時間を全てTと仮定し、(c)をT/5と仮定する。このとき、従来の近似解法に要する時間は2Tとなる。
【0044】
本発明の方法で照射量を2項目までのd0 +d1 とすると、2T+T+0.2T=3.2Tとなる。図4をみると補正精度は近似解の方法の3倍程度に向上している。即ち、本発明では近似解法の3倍の精度を実現するのに計算時間は1.6としかならない。照射量をd0 +d1 +d2 と第3項までとると、計算時間は2T+2×(T+0.2T)=4.4Tとなる。近似解の方法の2.2倍の計算時間を要するにすぎない。ところがその補正精度は、6倍にも向上する。
【0045】
このような方法を用いれば、高い精度を実現でき、その計算時間は従来法と同程度(2倍程度)ですむ。
【0046】
以上のように、正確な表現であること、速い収束をすること、代表図形法が利用できることによって、本方式は、近似解を手順とする従来法を越える精度を従来方法並の計算速度(せいぜい、半分に劣化する程度)で実効可能となる。
【0047】
[IV].解の導出
1)はじめに
ここでは、通常用いられるエネルギーの閾値モデル(レジストの特性等を全て無視し、最終的に得られるパターン寸法はエネルギーの閾値だけで決まるとするモデル)を仮定する。また、高解像度、高精度パターンの形成に有利な高電圧電子ビーム描画システムを利用することを前提とし、これに対応して、前方散乱の広がりとビーム解像度を零と仮定する。
【0048】
場所x' に電子ビームを入射する時、場所xのレジストが受ける実効的な露光量(エネルギー)E(x)は、次式で表される。
【0049】
E(x)=δ(x−x')+ηg(x−x') …(8)
ここで、第1項は電子ビームがレジストを直接露光する寄与を表し、第2項は後方散乱によりレジストを露光する寄与を表す。記号ηはそれらの比率である。また、関数g(x)の具体的表現は、基板や使用する近似によって各種提案されているが、その代表例を以下に示す。
【0050】
Figure 0003655622
ここで、後方散乱の広がりを1とするように長さの単位を規格化した。ηk は後方散乱量の第1項と第2項との比であり、σk は第2項の後方散乱の広がりである。照射量補正で最適照射量D(x)を求めるには、次の積分方程式
D(x)/2+∫ηD(x')g(x−x')dx'=1 …(11)
を、次の条件下で解けば良い。積分範囲は描画部である。
【0051】
Figure 0003655622
【0052】
ここで、(11)式の右辺第1項目の1/2は、全てのパターンの端部で実効露光量を一定にするパラメータである。レジストや現像条件等によって1/3或いは2/3と変更してもよい。この変更に対応して、以下の議論では対応する数値を変更すればよい。
【0053】
上記方程式は、線形であるため性質は良いが、付随する2つの条件が問題を煩雑にする。
【0054】
パブコビックは、次のようにして近似解を得た。D(x')の変動は緩やかなので、積分領域内での変動を無視する近似を取り、積分内のD(x')をD(x)で置き換えて(11)式の積分を次のように近似する。但し、積分範囲は描画部である。
【0055】
∫D(x')g(x-x')dx'=>D(x)∫g(x-x')dx' …(12)
この近似で、方程式は
D(x)/2+ηD(x)∫g(x-x')dx'=1 …(13)
と変形され、パブコビックの近似解
D(x)=1/{1/2+ηU(x)},
U(x)=∫g(x−x')dx' …(14)
が得られる。この置き換えで発生する誤差のために、充分な補正精度が得られない。本方式は、この誤差を考慮にいれることで、正確な表現を得るものである。
2)解の導出
以下の議論は、関数gの近似法には依存しないので、X線マスク等にも適用できるが、簡便さのため、一般的に用いられるダブルガウシャン近似(9)式を利用する。
【0056】
以下の議論は、概念的には摂動論である。但し、微小量について単純に展開するという一般的な摂動ではなく、「照射量の変動周波数についての摂動を実空間で行う」とでも言うべき新しいものであることを、予め記しておく。
【0057】
照射量D(x)を、フーリエ級数展開のように、未知の関数dn (x)で、次のように展開する。但し、Σの加算範囲はn=0から無限大までである。
【0058】
D(x)=Σdn (x)ξn …(15)
後に述べるように、最終的に得られる関数dn の周波数は、nが大きくなるほど大きい。この意味で、上式はフーリエ級数展開的なものとなっている。また、この展開は、後で示すように摂動展開になっており、摂動の次数を表す象徴的な記号として、記号ξを付加した。このξは、最終的には1と置く。(15)式を(11)式に代入し、
Σξn n (x)/2+ηΣξn ∫dn (x')g(x-x')dx'=1 …(16)
を得る。
【0059】
ここで、左辺の第2項を変形する。
【0060】
Figure 0003655622
この式は、関数dn の積分内での変動を無視し、右辺第1項のようにしたとき、右辺第2項の誤差が生じることを意味している。この意味で、第2項は第1項よりも小さく、高い周波数情報を含んでいる。この物理的解釈に従って、厳密ではないが、象徴的な摂動記号ξn をξn+1 で書き換える。
【0061】
Figure 0003655622
この式を(16)式に代入し、記号ξについて次式を合わせて、次式を得る。
Figure 0003655622
記号ξの各次数について未知の関数dn(x)に対する簡単な式
Figure 0003655622
を得る。ここで、
U(x) =∫g(x−x')dx' …(21)
n (x) =∫dn-1 (x')g(x−x')dx' …(22)
と置いた。よって、最終的に以下の解を得る。
【0062】
n (x) =η{dn-1 (x) U(x)-Vn (x)}/{1/2+ ηU(x)} (n≧1)…(23)
0 (x)=1/{1/2+ηU(x)} (n=0) …(24)
n≧1の場合、上式の右辺は、dn-1 の算出で無視した高次の変動項に相当する。よって、関数dn の変動は、nが大きくなるほど、大きくなる。この意味で、(14)式の展開はフーリエ変換的である。
【0063】
上記の特殊な摂動論は新しいものなので、収束性等について数学的には厳密に議論しなければならない。しかし、物理的、直感的には収束性がある。それは、以下のように理解できる。方程式(11)に含まれる照射量D(x)は、関数exp{-(x-x')2 } とコンボリューションされた形で実効照射量に寄与する。そのため、照射量D(x)の関数変動の激しさは、せいぜい、exp{-(x-x')2 } 程度でしかありえない。もし、あったとしても、それはコンボリューション計算を通して非常に小さな量になり、方程式への寄与は小さいことになるからである(例えば、0を中心に激しく変動する関数とゆっくり変動する関数とをコンボリューションすると0になる)。
【0064】
[V].収束性について
求めた解で、関数dn'(x)は、nが大きい程小さくなっていく。これを最も簡単な1次の項d1 (x)で示す。
【0065】
1 (x)=[∫{d0 (x)-d0 (x)}g(x-x')dx']/{1/2+ηU(x)}…(25)
式zを用い、積分内をQで表記すると、
Q=g(x-x')/{1/2+ ηU(x)}−g(x-x')/{1/2+ ηU(x')}…(26)
となる。おおまかにこの量を見積もるため、第2項を、xの回りでx−x'について1次までテーラ展開して、
Q=η{(x-x')・▽U(x)}/{1/2+ηU(x)}2 …(27)
を得る。
【0066】
【数1】
Figure 0003655622
これを(25)式の積分内に用いると、関数d1 (x)の目安d1 ' として、
1 ' =η2 ∫{(x-x') ・▽U(x)}g(x-x')dx'/{1/2+ηU(x)}3 …(28)
を得る。g(x)として(9)式を採用すると、積分内がさらに変形できて、
1 ' =(η2 /2){▽U(x) ・▽U(x)}/{1/2+ηU(x)}3 …(29)
となる。
【0067】
0次の項、d0 (x)との比は
(η2 /2){▽U(x) ・▽U(x)}/{1/2+ηU(x)}2 …(30)
となる。同様の議論は高次の項にも順繰りに成立し、今回得られた解が
[(η2 /2)/{1/2+ηU(x)}2 n …(31)
で収束していくことが分る。
【0068】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を図示の実施形態によって説明する。
【0069】
図5は、本発明の実施形態に使用した電子ビーム描画装置を示す概略構成図である。図中10は試料室、11はターゲット(試料)、12は試料台、20は電子光学鏡筒、21は電子銃、22a〜22eは各種レンズ系、23〜26は各種偏向系、27aはブランキング板、27b,27cはビーム成形用アパーチャマスクを示している。また、31は試料台駆動回路部、32はレーザ測長系、33は偏向制御回路部、34はブランキング制御回路部、35は可変成形ビーム寸法制御回路部、36はバッファメモリ及び制御回路、37は制御計算機、38はデータ変換用計算機、39はCADシステムを示している。
【0070】
電子銃21から放出された電子ビームはブランキング用偏向器23によりON−OFFされる。本装置はこの際の照射時間を調整することにより、照射位置に応じて照射量を変化させることを可能としている。ブランキング板27aを通過したビームはビーム成形用偏向器24及びビーム成形用アパーチャマスク27b,27cにより矩形ビームに成形され、またその矩形の寸法が可変される。そして、この成形されたビームは走査用偏向器25,26によりターゲット11上で偏向走査され、このビーム走査によりターゲット11が所望パターンに描画されるものとなっている。なお、本装置での電子線の標準の加速電圧は50kVであり、また発生し得る可変成形ビームの最大のサイズは高さ2μm,幅2μmの矩形である。
【0071】
この装置に入力できるデータ(EBデータ)の構造の概念図を、図6に記す。これは、代表図形法を利用した近接効果補正用データ圧縮を実現させる構造である(参考文献、Japanese Journal of Applied Physics; T.Abe, S.Yamasaki, T.Yamaguchi, R.Yoshikawa & T.Takigawa, Vol.30,p2965(1991) )。
【0072】
即ち、照射量は、図形のデータとは別個に小さな領域(例えば2μm□)毎に設定される。また、図形のデータは、ショット分割前の図形が定義され、繰返し配列の定義等でデータ圧縮される。
【0073】
図中のポインタの設定は、40×40μmのサブフィールド毎に行われる。図5の36の制御回路はこのデータ構造については、ポインタデータ群を読み込みながら次の処理を行う。
【0074】
(1) 位置情報と配列情報とからデータを展開し図形位置を求める。
【0075】
(2) (1) の結果を利用しながら図形をショットに分割する。
【0076】
(3) ショットの中心値を、サブフィールドの基準位置(例えば左下隅)を原点として算出する。
【0077】
(4) (3) の中心値が属する小領域を決める。
【0078】
(5) 照射量データの集合へのポインタから、照射量データの集合を選び出し、この集合の中から(4) で決めた小領域に対応する照射量のデータを求める。
【0079】
(6) ショットのデータと対応する照射量を各回路に送る。
【0080】
次に、上記装置を用いた電子ビーム描画方法、特に近接効果の補正方法について説明する。
【0081】
(第1の実施形態)
評価したパターンを図7に記す。これは、全て最小線幅0.2μmのパターンである。
【0082】
Siウェハ上の直接描画を想定し、加速電圧50kV、η=0.8、後方散乱の広がりσb =10μmとした。
【0083】
代表図形への置き換え等は行わず式(1)〜(5)をそのまま利用して照射量の計算を行い、レジストの感光量をシミュレーションした。
【0084】
図7中 (4)の位置での感光量を1とし、それからのずれを (1)〜(3) 及び(5)について求めた。その結果を図8に記す。全てのパターンで感光量の誤差は3項目までで0.5%以下となった。
【0085】
さらに、前記の電子ビーム露光装置を用いて、本方式の補正精度を実験的に求めた。使用したパターンは図7のものである。但し、補正の前に照射部のパターンを片側0.03μm縮小した。これは、電子ビームの前方散乱分、ビームの広がり等を考慮したものである。
【0086】
このパターンに対し式(1)〜(5)を利用して照射量の計算を行い、得られた値を用いてEBデータを作成した。補正用パラメータについては前述のシミュレーション同様σb =10,η=0.8とした。これらの処理は、EB装置とは別の計算機を用いて行った。また、本方式の式の計算は、第1項まで、第2項まで、第3項までの計算と3通りとした。
【0087】
このように作成したEBデータを用い、電子線露光を行った。レジストは、化学増幅型ネガレジストSALを用い、膜厚は0.5μmとした。レジストはSiウェハ上に直接塗布したものである。図7(c)の (4)近傍の照射量を8μc/cm2 とした。
【0088】
以上の条件で実験を行い、(え)の寸法がほぼ目標通りに0.2μmに仕上がる時の(あ),(い),(う),(え),(お)の寸法を断面SEMを用いて測定した。その測定結果を図9に記す。
【0089】
図9中の黒丸が寸法誤差の平均値を示す。棒はその測定誤差である。この測定誤差はEB装置の誤差、レジストプロセスに起因する誤差、SEMの等々が含まれている。図より、2項或いは3項までの計算でほぼ問題ない精度が得られていることが分る。
【0090】
(第2の実施形態)
16MビットDRAMの素子分離層(最小線幅0.5μm)のパターンを2/5に縮小し、最小線幅0.2μmのパターンをCADデータ上で作成した。このデータについて、片側0.02μm縮小し(リサイズ)、それに対し、本法で最適照射量の計算を行った。後にその詳細を説明する。
【0091】
50MIPSのCPUを4つ有するエンジニアリングワークステーション(EWS)を用い、本法第3項までを計算した。計算時間は、1項目の計算に2分、2項目及び3項目の計算に各1.4分を要した。総計は4.8分となった。第1の小領域と第2の小領域は同じものとし、その小領域のサイズは2μmとした。この計算の出力データの構造は前述の通りである。
【0092】
このように作成したEBデータを用い、前述の装置によってパターンを描画した。試料はSiウェハ上に膜厚0.5μmの化学増幅ネガレジストを塗布したものである。
【0093】
描画後、ベーキング(ポストイクスボーシャベークPEB)を行い、現像後、サンプルとして30ヶ所のパターン寸法測定したところ、近接効果による寸法変動は7nmとなった。これは測定誤差内であり、充分な補正精度が得られていることが確認された。
【0094】
ここで、照射量の算出法に関する詳細を図10を参照しながら述べる。
【0095】
(1)(R1)
元のLSIパターン(a)を、サイズσb /5×σb /5(2×2μm)の領域(第1の小領域)に区分し、各領域内に存在するパターンの総面積S1iを求める。
【0096】
次に、同じ面積を持つ代表図形を求める。代表図形の重心は小領域の中心(Xi ,Yi )とする。ここで図形iを矩形とし、左下隅の座標(XLi,YDi)、右上隅の座標(XRi、YUi)は、例えば次のように求められる。
【0097】
Li=Xi −(1/2)(S1i1/2
Ri=Xi +(1/2)(S1i1/2
Di=Yi −(1/2)(S1i1/2
Ui=Yi −(1/2)(S1i1/2
ここで、(S1i1/2 の計算は、関数計算を行ってもよいし、予め2乗根の値のテーブルを作成しておき、それを参照してもよい。むろん矩形を正方形とする必要はなく、適切な方式であれば長方形としてもよい。
【0098】
(2)(C1)
LSIパターン内部の全領域を後方散乱の広がりよりも充分小さい領域(第2の小領域)(例えばσb /5×σb /5・(2×2μm))に分けたとして各小領域の中心(xj ,yj )について、第1項相当の照射量を計算する。
【0099】
0 (xj ,yj )=1/{(1/2)+η・U}
U=Σ{erf(xRi−xj )−erf(xLi−xj )}
×{erf(yVi−yj )−erf(yDi−yj )}
erf=(π-1/2)∫exp(−u2 )du
ここで、Σの加算範囲は(xj ,yj )から半径2σb 〜3σb (20μm〜30μm)程度内に存在する(1)で求めた代表図形について行う。また、erfの計算は、関数値をその度に計算してもよいし、予めerfの値の表を作成しておき、計算実行時には、この表から値を読み出してもよい。
【0100】
(3)(R2)
(1)で求めた代表図形を以下のようにして変形する。第2の小領域(サイズσb /5×σb /5、2×2μm)毎に(1)で求めた面積Sk と(2)で求めた照射量第1項d0kを用い、次の量を計算する。
【0101】
k * =Sk ×d0k
そして、この値を新たな代表図形の面積Sk * とする。
【0102】
新たな代表図形iを矩形とし、左下隅座標(xLi,yDi)、右上隅の座標(xRi,yUi)を(1)と同様に次のように求める。
【0103】
Li=Xi −(1/2)(S1i1/2
Ri=Xi +(1/2)(S1i1/2
Di=Yi −(1/2)(S1i1/2
Ui=Yi −(1/2)(S1i1/2
ここで(Xi ,Yi )は小領域の中心である。
【0104】
(4)(C2)
各第2の小領域iの中心(xj ,yj )について、(2)で求めたUj (x,y)、d0j、パラメータη、第1の小領域に設定された新たな代表図形を用い、照射量第1項d2j(xj ,yj )を求める。
【0105】
Figure 0003655622
ここで、V1jのxRi等の座標は(3)で求めた新たな代表図形の座標である。
【0106】
(5)(f′)
(2)で求めたd0jに(4)で求めたd1jを加算する。
【0107】
(6)(R3)
さらに、新しい代表図形を(3)と同様に求める。但し、元の図形は最初に(1)で求めた代表図形を用い、重み付けに用いる照射量は(4)で求めた照射量の第2項d1jを用いる。
【0108】
(7)(C3)
(4)と同様、照射量の第3項d2jを求める代表図形は(6)で求めたものを用い、次式に従ってd2jを求める。
【0109】
2j(xj ,yj )=η{1/(1+ηU(xj ,yj ))
×{d1jU(xj ,yj )−V2j(xj ,yj )}
2j(xj ,yj )=Σ{ erf(xRi−xj )− erf(xLi−xj )}
×{ erf(yVi−yj )− erf(yDi−yj )}
(8)(f″)
(5)で求めた値に(7)で求めた値を加え、これを照射量として求める。
【0110】
(第3の実施形態)
本実施形態では、レチクルへの適用例を記す。
【0111】
前記実施形態の16MビットDRAMのパターンを拡大し、最小線幅0.6μmとした。これは、最小線幅0.5μmデバイス(1〜4GビットDRAM相当)4倍体レチクルに対応する。これを、2×2=4個並べたものをCAD上の1チップと定義した。これは、bit数では64MbitDRAMに相当する。
【0112】
パターンは、ポジレジストを使用するために、白黒反転したものを用いた。また、エッチングの変換差等を考慮して、予め全てのパターンを片側0.02μm縮小リサイズした。このパターンの近接効果補正を、50MIPSのCPUを4つ有するEWSを用いて行った。
【0113】
第1の小領域サイズを10μm、第2のそれを2μmとした。パラメータk1、k3 は1/2としk2 、k3 は0.8とした。補正手順は後に詳述する。計算時間は、1項目の計算に約16分、2項目、3項目の計算に各10分を要し、合計約36分であった。
【0114】
これで得られたEBデータを用い、前記電子線描画装置を用いてレチクル上のレジストにパターンを露光、現像してレジストパターンを形成した。レジストは膜厚0.4μmのポジレジストZEPを使用した。
【0115】
ここで、得られたレジストパターンの寸法をサンプル点30ヶ所について測定したところ、近接効果による寸法変動は実験誤差以下の7nmに抑えられていた。さらに、上記レジストパターンをマスクとし、クロムの異方性ドライエッチングを行ったところ、寸法変動は12nm以下であった。
【0116】
ここで、照射量の算出法に関する詳細を図11を参照しながら述べる。第2の実施形態との違いは第1の小領域のサイズの違いである。第2の実施形態での第1の小領域のサイズは第2の小領域のサイズと同じとし、しかも後方散乱より十分小さいもの(2×2μm)とした。本実施形態では、第2の小領域のサイズは後方散乱より十分小さいものとするが、第1の小領域サイズは後方散乱と同程度の10μmとする。
【0117】
(1)(R1)
元のLSIパターン(a)を、サイズσb ×σb (10×10μm)の領域(第1の小領域)に区分し、各領域内に存在するパターンの総面積(S1i)と重心(G1xi ,G1yi )を求める。図形iを矩形とし、左下隅の座標(xLi,yDi)、右上隅の座標(xRi,yUi)は、例えば次のように求められる。
【0118】
Li=G1xi −(1/2)(S1i1/2
Ri=G1xi +(1/2)(S1i1/2
Di=G1yi −(1/2)(S1i1/2
Ui=G1yi −(1/2)(S1i1/2
ここで、(S1i1/2 の計算は関数計算を行ってもよいし、予め2乗根の値のテーブルを作成しておき、それを参照してもよい。むろん矩形を正方形とする必要はなく、適切な方式であれば長方形としてもよい。
【0119】
(2)(C1)
LSIパターン内部の全領域を後方散乱の広がりよりも充分小さい領域(第2の小領域)(例えばσb /5×σb /5・(2×2μm))に分けたとして各小領域の中心(xj ,yj )について、第1項相当の照射量を計算する。
【0120】
Figure 0003655622
ここで、Σの加算範囲は(xj ,yj )から半径2σb 〜3σb (20μm〜30μm)内に存在する(1)で求めた代表図形について行う。また、erfの計算は、関数値をその度に計算してもよいし、予めerfの値の表を作成しておき、計算実行時には、この表から値を読み出してもよい。
【0121】
(3)(R2)
(1)で求めた代表図形を以下のようにして変形する。各第1の小領域内の代表図形を(2)で述べた第2の小領域(サイズσb /5×σb /5、2×2μm)で区分細分割する。各第2の小領域内部の小図形の面積Sk と重心(Gkx,Gky)を求める。また、この小領域について(2)で求めた照射量第1項d0kを用い、次の量を計算する。
【0122】
k ' =Sk ×d0k
kx' =Sk ' ×Gkx
ky' =Sk ' ×Gky
これらの値を用いて第1の小領域毎に新しい代表図形を計算する。新しい代表図形の面積S* 、重心(Gx * ,Gy * )は
k * =ΣSk '
x * =(ΣGkx' )/S*
y * =(ΣGky' )/S*
で求める。
【0123】
ここで、Σの加算範囲は新たな代表図形を決める第1の小領域(サイズσb ×σb 〜10×10μm)の内部に存在する全ての第2の小領域(サイズσb /5×σb /5〜2×2μm)について行う。
【0124】
新たな代表図形iを矩形とし、左下隅の座標(xLi,yDi)、右上隅の座標(xRi,yUi)は、例えば(1)と同様次のように求める。
【0125】
Li=G1xi −(1/2)(S1i1/2
Ri=G1xi +(1/2)(S1i1/2
Di=G1yi −(1/2)(S1i1/2
Ui=G1yi −(1/2)(S1i1/2
(4)(C2)
各第2の小領域iの中心(xj ,yj )について、(2)で求めたUj (x,y)、d0j、パラメータη、第1の小領域に設定された新たな代表図形を用いて、照射量第1項d2j(xj ,yj )を求める。
【0126】
Figure 0003655622
ここで、V1jのxRi等の座標は(3)で求めた新たな代表図形の座標である。
【0127】
(5)(f′)
(2)で求めたd0jに(4)で求めたd1jを加算する。
【0128】
(6)(R3)
さらに、新しい代表図形を(3)と同様に求める。但し、細分割前の図形は最初に(1)で求めた代表図形を用い、細分図形の重み付けに用いる照射量は(4)で求めた照射量の第2項を用いる。或いは、次のようにしてもよい。(3)では、元の代表図形を第2の小領域毎に細分割した。この細分割した図形をディスク等に記録しておき、これを用いて照射量の補正値d1 の重み付けを行い、新たな代表図形を算出してもよい。
【0129】
(7)(C3)
(4)と同様、照射量の第3項d2jを求める代表図形は(6)で求めたものを用い、次式に従ってd2jを求める。
【0130】
Figure 0003655622
(8)(f″)
(5)で求めた値に(7)で求めた値を加え、これを最終的な最適照射量として求める。
【0131】
(第4の実施形態)
本実施形態では、図5の36の制御回路部に近接効果補正の回路を追加した。処理のブロック図を図12に記す。
【0132】
LSIパターンのデータはストライプ単位で制御計算機からバッファメモリ2(バッファメモリ1)に転送される。ここで、各ストライプのデータには、実際に描画されるデータに加えて、ストライプの両脇に、そこから約100μm外側に存在する全てのパターンの情報が付加されている。この追加情報は、あくまでも近接効果の補正にのみ利用される情報であり、描画はされない。
【0133】
この転送中に、バッファメモリ1の内部のパターンデータは、パターンデータメモリ1(パターンデータメモリ2)に送られ、また同時に近接効果補正回路に送られる。近接効果補正回路は、入力されたパターンのデータから領域毎の補正照射量を計算し、この結果を照射量データメモリ1に出力、格納する。補正処理の内容は後に詳述する。
【0134】
この計算中は、パターンデータメモリ2(パターンデータメモリ)内部のパターンデータと照射量データメモリ2(照射データメモリ1)内部の照射量データが制御回路によって読みこまれ、描画に利用される。ここで、制御単位をストライプとせず、サブフィールド或いはサブフィールド数個〜数100個を単位に行ってもよい。
【0135】
入力されたパターンのデータは、繰返しの定義或いは配列の定義を利用してデータ圧縮されている。しかし、本近接効果補正回路は(後に述べるように)このデータを全て展開した後、補正計算を行い、ストライプ描画領域全体の上に碁盤の目状に区切られたサイズ2.5×2.5μmの小領域毎に照射量を算出する。そのため、照射量のデータの構造は図6の構造と異なり、ポインタデータ群の中に照射量データの集合へのポインタは含まれない。対応して制御回路の処理手順も次のように変更する。
【0136】
(1) 図形データを展開する。
【0137】
(2) 図形データをショットに分割する。
【0138】
(3) 各ショットの中心を求める。
【0139】
(4) 中心が属する小領域を算出する。
【0140】
(5) 対応する小領域の照射量を照射量データから読み込む。
【0141】
(6) ショットのデータと照射量のデータを次の制御回路に送る。
【0142】
ここで図6の例では、40×40μmのサブフィールドのポインタを利用して選び出し、その後その中から対応する小領域を選択したが、この例ではポインタを利用せず、ストライプ描画領域全体(例えば500μm×10cm)の中から小領域を選択する。
【0143】
以下、近接効果補正回路についても詳述する。
【0144】
これは、主としてデータ展開回路2種の代表図形作成回路と2種の補正計算回路とからなる。概略の手順を図13に記す。
【0145】
(1) データ展開回路繰返し表現或いは配列表現によって、データ圧縮されたパターン情報を展開する。
【0146】
(2) 代表図形作成回路1
(1) で展開されたパターンのデータから、代表図形を作成する。処理の基本は、サブフィールド単位(40×40μm)で行う。サブセットフィールドを10×10μmの領域に分割、対応してパターンを分割後、10×10μmの領域内のパターンの面積と重心を算出、これらと同じ面積と重心を持つ代表図形を計算する。
【0147】
図14にその回路構成を記す。モジュールDは、領域単位のパターンの分割を行う。図形は一つ毎にモジュールD1 に入力される。モジュールD1 は、40×40μmの領域内に存在するパターン1個を20×20μmの4つの領域単位に分割する。出力は最大4図形となる。
【0148】
モジュールD2-1 は左上端の領域を担当する。動作はD1 に対応したもので20×20μmの領域内に存在するパターンを10×10μmの4つの領域に相当する部分に分割する。
【0149】
同様に、D2-2 は右上端の20×20μm領域、D2-3 は左下端の20×20μm領域、D2-4 は右下端の20×20μm領域についてその処理を行う。これらD1 、D2-1 〜D2-4 によってパターンの小領域分割が終了する。
【0150】
モジュールPは各小領域内部のパターンの面積及び重心の計算を行い、代表図形を作成する。これは、順に入力される個々の図形iの情報を、
S=ΣSi * ,Gx ' =ΣGxi * ,Gy ' =ΣGyi
として順に計算し、サブフィールド内の入力パターン全ての処理が終了した時、その旨、コントローラから情報を受けて、
x =Gx ' /S,Gy =Gy ' /S
を算出する。以上によって得られたS,Gx ,Gy が小領域内の面積と重心である。
【0151】
ここで、個々の細分された図形の面積及び重心の計算は次のように行う。
【0152】
(ケース1)矩形(サイズw,h、左下端点の座標x* ,y* )の場合
Figure 0003655622
(ケース2)直角2等辺三角形の場合1
(左下隅が直角で座標が(x* 、y* )、等しい2辺の長さがl)
Figure 0003655622
(ケース3)直角2等辺三角形の場合2
(右下隅が直角で座標が(x* ,y* )、等しい2辺の長さがl)
Figure 0003655622
(ケース4)同上3
(左下隅が直角で座標x* 、y* 、等しい2辺の長さがl)
Figure 0003655622
(ケース5)同上4
(右下隅が直角で座標がx* ,y*
Figure 0003655622
(ケース6)45°を含む多角形
直角2等辺三角形と矩形に分割後、各々について前記(ケース1)〜(ケース5)によって面積と重心を計算する。
【0153】
回路は以上のようにして得られた面積と重心とから、次の量を計算し、これを代表図形分割回路及び補正計算回路1へ送る。
【0154】
Rj=Gxj+{(Si 1/2 /2}
Lj=Gxj−{(Si 1/2 /2}
Ui=Gyj+{(Si 1/2 /2}
Di=Gyj−{(Si 1/2 /2}
これらの量(xLj,yDi)及び(xRj,yUi)は代表図形を矩形としたこの左下隅及び右上隅の座標に相当する。
【0155】
(3) 代表図形分割回路(領域サイズ10×10μm)
代表図形作成回路1で作られた代表図形を、第2の領域に細分割する。この第2の領域のサイズは後方散乱の広がり10μmよりも充分小さい2.5×2.5μm程度とする。
【0156】
上記の例では入力される代表図形一つ(第1の領域一つ)について、最大9個の図形情報が出力される。図15に回路構成を示す。基本的には(2) の代表図形作成回路1の分割部分と同じである。第1段で10×10μmを5×5μmの領域4つに分割し、続いて5×5μmの各領域をそれぞれ2.5×2.5μmの領域4つに分割する。
【0157】
処理の内容が(2) と異なる点は、以下の通りである。
【0158】
(あ)(2) では一つのサブフィールドに数多くのLSIパターンが存在したため、モジュールD1 には数多くの図形が順に入力された。これに対し、(3) では一つの第1の領域には代表図形は一つしかないので、モジュールD1 には図形1個しか入力されない。
【0159】
(い)対応して各第2の領域(サイズ2.5×2.5μm)毎に分割された図形は一つであり、加算等の必要はない。本回路の出力は細分された第2の領域毎の代表図形の面積Sと重心(x* 、y* )である。この出力は代表図形作成回路2及び3へ送られる。
【0160】
(4) 補正計算回路1
代表図形作成回路1によって各第1の領域毎に作成された代表図形を用いて、第2の領域毎の第1の近似の最適照射量を求める。図16は回路のブロック図である。
【0161】
各補正計算モジュールは(サイズ2.5×2.5μmの)第2の小領域毎に設定され、周辺に存在する代表図形(サイズ10×10μmの第1の小領域毎に作成されたもの、(2) の出力)を元に第1近似の最適照射量を算出する。この最適照射量は、各第2の小領域の中心(x,y)で以下のように計算される。
【0162】
Figure 0003655622
ここでΣの加算範囲は、(xj ,yj )から半径2σb 〜3σb (20μm〜30μm)内に存在する前記(1)で求めた代表図形について行う。また、erfの計算は関数値をその度に計算してもよいし、予めerfの値の表を作成しておき、計算実行時にはこの表から値を読み出してもよい。これによって得られた第1近似の最適照射量は、代表図形作成回路2及び補正計算回路2及び加算回路に出力される。
【0163】
(5) 代表図形作成回路2及び3
ともに機能はほぼ同じであるので、代表図形作成回路2について図17を用いて説明する。
【0164】
この回路の入力はサイズ2.5×2.5μmである第2の小領域に設定された代表図形(代表図形分割回路の出力)及び前の工程で計算された照射量(作成回路2の場合)、或いは前の工程で計算された(照射量への)修正量(作成回路3の場合)である。
【0165】
各モジュールMはこれらの入力データを用いて次の量を計算する。
【0166】
j ''=Sj * ×dj *
xj''=Gxj * ×dj * ×Sj *
yj''=Gyj * ×dj * ×Sj *
ここで、Sj * は第2の小領域j内に設定された細分された代表図形の面積、(Gxj,Gyj)はその重心である。重心の代わりに、第2の小領域jの中心を利用してもよい。
【0167】
作成回路2の場合、入力のdj * は補正計算回路1の出力であり、第1近似の照射量d0 である。作成回路3の場合、入力のdj * は補正計算回路2の出力であり、最適照射量への修正量d1 である。
【0168】
次に、このように計算した量を用いて、次の量を算出する。
【0169】
l ' =ΣSj ''
xl' =ΣGxj''
yl' =ΣGyj''
ここで、M1-1 * は図18に記すように2.5×2.5μmサイズの第2の小領域4つ分の処理を行い、5×5μmサイズの領域内のSl ' とGxl' を算出し、これを出力する。M2 * は、5×5μmサイズの領域4つ分の処理を行い、10×10μmサイズの第1の領域内のSl ' とGxl' とを算出し、これを出力する。モジュールQ1 は、M2 * の出力から第1の小領域内の重心(Gxl,Gyl)を
xl=Gxj' /Sl '
yl=Gyj' /Sl '
によって求める。第1の小領域内の面積Sl は、Sl ' である。
【0170】
モジュールQ1 は、Sl ,Gxl,Gylより次の量を求め、補正計算回路2(補正計算回路3)へ出力する。
【0171】
Ri=Gxi+(1/2)(S1i1/2
Li=Gxi−(1/2)(S1i1/2
Ui=Gyi+(1/2)(S1i1/2
Di=Gyi−(1/2)(S1i1/2
ここで、(xRi,yUi),(xLi,yDi)は代表図形を矩形とした時の右上隅及び左下隅の座標に相等する。
【0172】
(6) 補正計算回路2及び3
補正計算回路2と3とはほぼ同じ機能を有するので、回路2について説明する。回路の概略ブロック図を図19に記す。
【0173】
本回路の入力は、(回路2の場合は)照射量の重みを付けて修正された代表図形、又は(回路3の場合は)照射量の修正量の重みを付けて修正された代表図形と、第1近似の最適修正量d0 である。
【0174】
本回路は、これらの入力を用いて、照射量の修正量d1 (回路2の場合)、或いはd2 (回路3の場合)を出力する。図19のモジュールCは、サイズ2.5×2.5μm程度の第2の小領域毎にアサインされ、周辺の代表図形を用いて以下のようにして修正照射量を算出する。
【0175】
まず、次の量Vj * (xj ,yj )を計算する。
【0176】
Figure 0003655622
ここで、照射量の計算点(xj ,yj )は、第2の小領域の中心であり、(xRi,yVi)及び(xLi,yDi)は、(5) で新たに作成された代表図形(矩形)の右上隅及び左下隅の座標である。また、Σの加算範囲は、(xj ,yj )から半径2σb 〜3σb (20〜30μm)内に存在する或いは一部でも含まれる新たな代表図形全てについて行う。
【0177】
次に、このVj * の結果を用いて、修正照射量を求める。
【0178】
具体的な式の計算を記す前に計算回路2の場合を例とし、計算式を変形しておく。
【0179】
Figure 0003655622
なる式で
0j=1/{(1/2)+ηU(xj ,yj )}
を用いてUを消去し、
Figure 0003655622
或いは
1j(xj ,yj )=1−d0j[(1/2)−ηVj * (xj ,yj )]
が得られる。回路はこの式を用い、d0 ,V等を利用して第1の近似量を計算する。
【0180】
計算回路3の場合も同様に式が変形できて
Figure 0003655622
が得られる。計算回路はこれを用い、d0 ,d,V等を利用して第2の修正量を計算する。
【0181】
(7) 加算回路
本回路は、第1近似の照射量d0 と、その修正量d1 及びd2 を加算し、照射量データメモリへ格納する。
【0182】
(第5の実施形態)
この実施形態は、第4の実施形態の一部が異なるものである。主たる違いは、代表図形は、常に2.5×2.5μm程度の小領域に作成され、補正計算にはこの小さな代表図形を用いる、という点にある。これに対し、第4の実施形態では、補正計算には、サイズ10×10μmの領域毎に設定された大きな代表図形を用いた。
【0183】
本実施形態の概要は、第4の実施形態とほぼ同じであり、ストライプ単位の処理、処理の概略、ストライプの両脇外側100μm程度以内に存在する全てのパターン情報を付加する点等々が同じである。図20に、本実施形態における補正計算回路のブロック図を記す。
【0184】
(1) データ展開回路
繰返し表現或いは配列表現され、データ圧縮されたパターン情報を展開する。
【0185】
(2) 代表図形作成回路1
(1) で展開されたパターンのデータから代表図形を作成する。処理の基本は、サブフィールド単位(40×40μm)で行う。サブフィールドを2.5×2.5μmの領域に分割、対応してパターンを分割後、2.5×2.5μmの領域内のパターンの面積とを算出、これと同じ面積を持つ代表図形を計算する。
【0186】
代表図形作成回路の構成は、前記図14に示すものと同様である。モジュールDは、領域単位のパターンの分割を行う。図形は一つ毎にモジュールD1 に入力される。モジュールD1 は、40×40μmの領域内に存在するパターン1個を20×20μmの4つの領域単位に分割する。出力は最大4図形となる。
【0187】
モジュールD2-1 は左上端の領域を担当する。動作はD1 に対応したもので20×20μmの領域内に存在するパターンを10×10μmの4つの領域に相等する部分に分割する。
【0188】
同様に、D2-2 は右上端の20×20μm領域、D2-3 は左下端の20×20μm領域、D2-4 は右下端の20×20μm領域についてその処理を行う。このような入れ子の木構造のモジュール構成を4段まで組み、この回路によってパターンを2.5×2.5μmサイズの小領域へ分割する。モジュールPは各小領域内部のパターンの面積の計算を行い、代表図形を作成する。
【0189】
これは、順に入力される個々の図形iの情報を、
S=ΣSi *
として順に計算することによって行う。
【0190】
ここで、個々の細分された図形の面積及び重心の計算は次のように行う。
【0191】
(ケース1)矩形(サイズw,h、左下端点の座標x* ,y* )の場合
(面積)=Si =w×h
(ケース2)直角2等辺三角形の場合
((x* ,y* )、等しい2辺の長さがL)
(面積)=Si =L×L/2
(ケース3)45°を含む多角形
直角2等辺三角形と矩形に分割後、各々について前記(ケース1)と(ケース3)によって面積を計算する。
【0192】
回路は以上のようにして得られた面積のデータを代表図形作成回路2に送るとともに、この面積から次の量を計算し、これを補正計算回路1へ送る。
【0193】
Rj=Gxj+{(Si 1/2 /2}
Lj=Gxj−{(Si 1/2 /2}
Ui=Gyj+{(Si 1/2 /2}
Di=Gyj−{(Si 1/2 /2}
これらの量(xLj,yDi)及び(xRj,xUi)は代表図形を矩形としたこの左下隅及び右上隅の座標に相当する。また、(Gxj,Gyj)は2.5×2.5μmサイズの小領域jの中心座標である。
【0194】
(4) 補正計算回路1
代表図形作成回路1によって各小領域毎に作成された代表図形を用いて、小領域毎の第1の近似の最適照射量を求める。この回路の構成は、前記図16と同じである。
【0195】
各補正計算モジュールは(サイズ2.5×2.5μmの)第2の小領域毎に設定され、周辺に存在する代表図形(サイズ2.5×2.5μmの小領域毎に作成されたもの、(2) の出力)を元にして第1近似の最適照射量を算出する。この最適照射量は、各第2の小領域の中心(x,y)で以下のように計算される。
【0196】
Figure 0003655622
ここでΣの加算範囲は、(xj ,yj )から半径2σb 〜3σb (20μm〜30μm)内に存在する(1) で求めた代表図形について行う。また、erfの計算は関数値をその度に計算してもよいし、予めerfの値の表を作成しておき、計算実行時にはこの表から値を読み出してもよい。これによって得られた第1近似の最適照射量は、代表図形作成回路2及び補正計算回路2及び加算回路に出力される。
【0197】
(5) 代表図形作成回路2及び3
ともに機能は同じであるので代表図形作成回路2について図21を用いて説明する。
【0198】
この回路の入力はサイズ2.5×2.5μmである小領域jのパターン面積Si * (代表図形分割回路の出力)及び前の工程で計算された照射量(作成回路2の場合)、或いは前の工程で計算された(照射量への)修正量di * (作成回路3の場合)である。
【0199】
各モジュールMはこれらの入力データを用いて次の量を計算する。
【0200】
j ''=Sj * ×dj *
この量Sj ''が新たな代表図形の面積となる。
【0201】
作成回路2の場合、入力のdj * は、補正計算回路1の出力であり、第1近似の照射量d0 である。作成回路3の場合、入力のdj * は、補正計算回路2の出力であり、最適照射量への修正量d1 である。このSj ''から、次の量を計算する。
【0202】
Ri=Gxi+(1/2)(Sj '')1/2
Li=Gxi−(1/2)(Sj '')1/2
Ui=Gyi+(1/2)(Sj '')1/2
Di=Gyi−(1/2)(Sj '')1/2
ここで、(Gxj,Gyj)はサイズ2.5×2.5μmの小領域の中心座標である。また、(xRi,yUi)、(xLi,yDi)は代表図形を矩形とした時の右上隅及び左下隅の座標に相当する。本回路はこの2つの座標値を補正計算回路2又は3へ送る。
【0203】
(6) 補正計算回路2及び3
補正計算回路2と3とは同じ機能を有するので、回路2について説明する。回路の概略ブロック図は前記図19と同じである。
【0204】
本回路の入力は、(回路2の場合は)照射量の重みをつけて修正された代表図形又は(回路3の場合は)照射量の修正量の重みをつけて修正された代表図形と、第1近似の最適修正量d0 である。
【0205】
本回路は、これらの入力を用いて、照射量の修正量d1 (回路2の場合)、或いはd2 (回路3の場合)を出力する。図19のモジュールCは、サイズ2.5×2.5μm程度の第2の小領域毎にアサインされ、周辺の代表図形を用いて以下のようにして修正照射量を算出する。
【0206】
まず、次の量Vj * (xj ,yj )を計算する。
【0207】
Figure 0003655622
ここで、照射量の計算点(xj ,yj )は、第2の小領域の中心であり、(xRi,yVi)及び(xLi,yDi)は、(5) で新たに作成された代表図形(矩形)の右上隅及び左下隅の座標である。また、Σの加算範囲は、(xj ,yj )から半径2σb 〜3σb (20〜30μm)内に存在する或いは一部でも含まれる新たな代表図形全てについて行う。
【0208】
次に、このVj * の結果を用いて、修正照射量を求める。
【0209】
計算回路2の場合、第4の実施形態で述べたように、本回路は、
1j(xj ,yj )=1−d0j[(1/2)−ηVj * (xj ,yj )]
なる式を用い、d0 ,Vj を利用して第1の近似量を計算する。
【0210】
計算回路3の場合には、
Figure 0003655622
なる式を用い、d0 ,Vj を利用して第2の修正量を計算する。
【0211】
(7) 加算回路本回路は、第1近似の照射量d0 と、その修正量d1 及びd2 を加算し、照射量データメモリへ格納する。
【0212】
(第6の実施形態)
最適照射量の算出法は、種々変形可能である。
【0213】
まず、第4及び第5の実施形態で述べたように、式(3)を以下のように変形して利用してもよい。
【0214】
Figure 0003655622
ここで、
0 (x)=1/(1/2+ηU(x))
を利用してV(x)を消去し、整理した。これを用いて計算し、近似的最適照射量への修正量を計算してもよい。
【0215】
また、例えば式(3)は、まず単純に次のように変形できる。
【0216】
Figure 0003655622
この積分内は、前の工程で得られた(照射量への)修正量dn-1 (x)で表されているが、これを前の工程までで得られた照射量Dn-1 (x)で置き換えてもよい。即ち、
Figure 0003655622
とし、n次までの照射量Dn をDn =Dn-1 +dn としてもよい。
【0217】
(3)′と(3)″との違いは、高次のオーダでほぼ無視できるからである。実際シミュレーションを行ったところ(3)″によって得られる精度は(3)′と同程度であった。
【0218】
以下に記すように、(3)′を利用する場合と同様、(3)″を利用する場合も代表図形法を利用できる。むろんU(x)の計算には、代表図形を用いることができる。(3)″は次のように変形できる。
【0219】
Figure 0003655622
n * (x)の計算と(5)式のVn (x)の計算との違いは、前者のDn-1(x')が後者ではdn-1 (x')となっているだけである。よって、Vn (x)の計算に代表図形を使用できたように、Vn * (x)の計算でも代表図形を使用できる。
【0220】
具体的には、以下のように処理すればよい。(サイズσb 〜σb 〜10×10μmの第1の小領域に設定された元の代表図形を第2の小領域(サイズσb /5〜σb /5〜2×2μm)に細分割し、各第2の領域の面積にDn-1 (x')の重みを付けて、第1の領域内の面積と重心を計算し、新たな代表図形を作成しその新たな代表図形を用いて次式を計算すればよい。
【0221】
n * (x)=∫exp(−(x−x')2 )dx'/π
さらに、調整係数η・d0 (x)の計算には、V(x)の代わりに前の工程で求められた近似的照射量、D1 =d0 (x),D2 =d0 +d1 ,D3 =d0 +d1 +d2 ,…の中からどれか一つを用いてもよい。即ち、例えばηd0 (x)に変えてη(d0 +d1 )を用いてもよいし、η×{1/(1/2)+η(d0+d1 )}を用いてもよい。U(x)を用いることとD2 、D3 、…を用いることの差は小さいからである。
【0222】
また、さらには、関数系をも調整してもよい。即ち、
Figure 0003655622
利用してもよい。
【0223】
さらに、d0 ,d1 ,d2 の算出は以下のようにしてもよい。
【0224】
まず、d0 の値の算出は、次のようにする。
【0225】
(1) 予めUとd0 との関係を表に作成しておく。
【0226】
この表は、
0 (xj ,yj )=1/{(1/2)+ηV}
0 (xj ,yj )=1/{(1/2)+ηV+σV2 +…}
などとし、η,σ等はパラメータとして予め最適値を求めておく。
【0227】
或いは関数関係ではなく、Uとd0 自身の最適な関数そのものを予め実験から求めておき、これを表にしておいてもよい。
【0228】
(2) 計算にあたっては次のようにする。
【0229】
(i)Uを求める。
【0230】
(ii)(1) の表によってd0 を求める。
【0231】
2 の値の算出を以下のようにしてもよい。
【0232】
2j=η* ×Dj * ×{d1jU(xj ,yj )−V2j(xj ,yj )}
ここで、η* はd0jで用いたηと同じでもよいし、その値を変えてもよい。計算を加速させる効果があるからである。但し、d0jで用いたη近傍の値を用いることが望ましい。
【0233】
また、Dj * については、先に述べたように
j * =1/[(1/2)+ηU(xj ,yj
としてもよいが、
Figure 0003655622
を用いてもよい。この値の算出についても前述のd0jの算出同様、表を利用してもよいし、関数形の変形等々を変形してもよい。
【0234】
計算は、前記(1)〜(5)式のままの手順で実行する必要はない。これまで述べたように有限項の計算で自動的に計算をまとめてもよい。例えば(1)式の計算は項数2或いは3で打ち止めればよい。
【0235】
或いは、次のようにしてもよい。即ち、計算項を増やすと共に個々の場所で設定される照射量の値は変化していくが、全ての場所でその変化率が所定の値以下(例えば1%以下)になった時、計算をとめてもよい。
【0236】
或いは、次のようにしてもよい。即ち、場所xでのレジストの感光量E(x)は、
Figure 0003655622
で表される。この第2項は前述の(3)''' 式のVn * である。また、第1項は計算された照射量そのものである。よって、計算の項数を増やしながらE(x)の値を調べることも容易である。場所によって異なるこのE(x)の値と所定の値との違いが、全ての場所で所定値以下(例えば0.5%以下)となったとき、計算を終了させてもよい。
【0237】
さらに、式(2)〜(5)を文字通り、そのまま利用する必要はなく、これらも適宜変形してよい。例えば式(2)は、次のように等価に変形できる。
【0238】
0 (x)=C/(C/2+ηC・U(x)) (Cは定数)
さらに等価でないが、次のように変形し、利用してもよい。
【0239】
0 (x)=C' /(p+kU(x))n
ここで、C' ,P,k,nは定数である。比率k/pは、(2)式では2ηである。
【0240】
よってこの比率には、近接効果の影響の大きさηなどの情報を含ませることができる。この比率は必ずしも2ηに固定する必要はなく、レジストの特性や、基板電子ビームの解像度現像の条件等々によって調整してもよい。
【0241】
C' 及びnは、極端に大きく(例えば10倍などと)変えなければ、それなりの補正精度を与える。この意味で自由度がある。但し、前述の値
C' =1,p=1/2,k=η,n=1
の近傍の値を使用することが望ましい。
【0242】
なお、10%〜20%程度の数値の変更は、計算を加速させる効果を持つ場合もある。同様のことは(3)(4)(5)式についても言える。例えば(3)と(3)′式を次のように変形する。
【0243】
n (x)=Nn (x),{dn-1 (x)U(x)−Vn (x)}
n (x)=Nn (x),{Dn-1 (x)U(x)−Vn * (x)}
n (x)=C2(n)/(k3(n)+k4(n)U(x,y)∫m2(n)
そして、定数C2(n)、k3(n)、k4(n)m2(n) を調整してもよい。またこれらの定数は、計算項(n)に依存して変化させ、それぞれ調整してもよい。なお、これらの値は
2(n)=1,k3(n)=1/2,k4(n)=η,m2(n)=1
の近傍であることが望ましい。この近傍でこれら値を調整して計算スピードを加速させることもできる。さらには、修正量di の算出を、以下のようにしてもよい。
【0244】
Figure 0003655622
或いは
Figure 0003655622
としてもよい。
【0245】
n-1 (x)U(x)−Vn (x)
及び
n-1 (x)U(x)−Vn (x)*
は1に比べて小さな量であり、この量についての1次の近似の範囲で前述の式と一致するからである。さらに、これらの式について前述のように各係数、各定数や指数を調整してもよい。
【0246】
(第7の実施形態)
第2及び第3の実施形態では、第3項の計算のために新たな代表図形(C'')を作る際、最初に作った代表図形(C)を用いた。この(C)に変えて第2項計算時に作成した代表図形(C' )を利用してもよい。同様の変更を、第4及び第5の実施形態の装置に施してもよい。
【0247】
また、これまで述べた実施形態の多くでは照射量の評価点を各小領域の中心に固定したが、小領域内に存在するパターンの重心としてもよい。この場合、重心は元のパターンの重心を利用してもよいし、新たな代表図形の重心を利用してもよい。
【0248】
さらに、代表図形の重心は、新たな代表図形を作る度に計算し直したが、最初に求めた重心をそのまま後の工程で利用してもよい。照射量の重み付けを加えることによって重心が変化する量は僅かな量であり、さらに高次のオーダだからである。
【0249】
さらに、第3及び第5の実施形態ではU及びVn の計算を誤差関数erfを用いたが、次のようにしてもよい。
【0250】
Figure 0003655622
ここで、(xi * ,yi * )は第1の小領域(j)の中心値であり、Si は各第1の小領域i内部のパターンの面積の合計である。
【0251】
第1の小領域のサイズ(2×2μm、2.5×2.5μm)が後方散乱の広がりよりも充分小さいからである。
【0252】
(第8の実施形態)
第4及び第5の実施形態も、第7の実施形態で述べたと同様に、種々にその実現方法を変えてもよい。さらにそれに加えて実現方法を変えてもよい。
【0253】
例えば、第4及び第5の実施形態では補正計算処理をストライプ単位で行い、その結果を用いて描画を行ったが、ストライプ内の特定領域、例えばストライプ幅×120μmを単位に行ってもよい。
【0254】
また、第4の実施形態では、元のLSIパターンからまず10μm×10μm毎の第1の小領域毎に代表図形を作成した後、この代表図形を細分割し、これを用いて新たな代表図形を作成したが、直接、元のLSIパターンからサイズ2.5×2.5μmの第2の小領域毎の代表図形を作成し、その後サイズ10×10μmの第1の小領域毎の代表図形を作成してもよい。
【0255】
図22にその手順を記す。ここで、第4の実施形態との違いは、代表図形作成回路1と代表図形分割回路がなくなり、作成回路1′と作成回路2′が追加された点である。代表図形作成回路1′は、元のLSIパターンから直接サイズ2.5×2.5μmの第2の小領域毎の代表図形を作成する。
【0256】
第4の実施形態では、10×10μmまでの分割にしたが、この回路は第4の実施形態の分割回路の段数を4段にふやして、小領域のサイズを2.5×2.5μmまで分割する。各第2の小領域内部の面積と重心の算出方法は、第4の実施形態のままとしてもよいが、重心については、各第2の小領域の中心としてもよい。これによって発生する誤差は小さいからである。
【0257】
代表図形作成回路2′は、第4の実施形態における作成回路2とほぼ同じものである。即ち、2.5×2.5μm程度の第2の小領域を16個とりまとめて、10×10μmの第1の小領域に一つの代表図形を作成する。
【0258】
第4の実施形態の作成回路2との違いは、本作成回路2′では近似照射量の重みを付けないという点である。逆にいえば、本作成回路2′を第4の実施形態の作成回路2と同じ回路構成とし、入力の近似照射量を全て1と設定することによって、本作成回路2′を実現してもよい。
【0259】
(第9の実施形態)
個々の回路の実現方法は、これまで述べた実施形態に限ったものではない。
【0260】
例えば、第4及び第5の実施形態における代表図形の作成では図形分割モジュールを木構造として、処理の高速化をはかったが、以下のようにしてもよい。即ち、40×40μmのサブフィールド内を0.1×0.1μm(〜0.8×0.8μm)の極々小領域に区分し、この極々小領域内にパターンが存在するか否かの情報を作成し(図23)、この情報から代表図形を作成してもよい。
【0261】
図24を参照しながら、これを説明する。ビットマップ展開回路は、まず最初に全ての極々小領域において、図形が存在しない旨の情報0をメモリにセットする。次に、順に入力される元のLSIパターンの図形について、各極々小領域に図形が存在するか否かを判定し、存在する場合には1をメモリにセットする。
【0262】
サブフィールド内の全図形について以上の処理を行った後、これらの図形の存在の有無に基づいて、以下のように代表図形を算出する。まず、第4の実施形態に対応し、第1の小領域(サイズ10×10μm)に代表図形を作成する場合について説明する。極々小領域のサイズを0.6125μmとする。第4の実施形態で述べた図17とほぼ同様の回路でこの機能を実現できる。図25にその回路を記す。
【0263】
1-1 ' は、0.6125μm×0.6125μmの近接する極々小領域4つについて、以下の計算を行う。
【0264】
j (2) * =ΣSi (1) *
xj(2) * =ΣSi (1) * ×xj *
yj(2) * =ΣSi (1) * ×yj *
ここで、Σの加算範囲は4つの極々小領域についての和、Si (1) * は、ビットマップ展開の情報、即ち極々小領域パターンがある場合は1、ない場合はゼロである。座標(xj * ,yj * )は極々小領域の中心座標である。
【0265】
同様にM2-1 ' は、0.125×0.125μmの領域4つに関する次の量
j (3) * =ΣSi (2) *
xj(3) * =ΣSi (2) * ×Gxi (2) *
yj(3) * =ΣSi (3) * ×Gyi (2) *
を計算する。
【0266】
同様の処理を順に行っていき、最終的に10×10μmサイズの各第1の小領域毎に次の量を得る。
【0267】
j * =ΣSi (1) *
xj * =ΣSi (1) * ×xj *
yj * =ΣSi (1) * ×yj *
モジュールQ1 は、これらの量から、各第1の小領域j(サイズ10×10μm)毎に重心(Gxj,Gyj)を以下のように求め、
xj * =Gxj * /Si
yj * =Gyj * /Si
これらと面積Sj * とから、代表図形に関する情報(xRj,yUj)、(xLj,xDj)を以下で算出して出力する。
【0268】
Ri=Gxj+{(Sj * 1/2 /2}
Li=Gxj−{(Sj * 1/2 /2}
Ui=Gyj−{(Sj * 1/2 /2}
Di=Gyj−{(Sj * 1/2 /2}
第8の実施形態についても、同様にビットマップ処理によって代表図形を計算できる。
【0269】
前述のビットマップ処理との違いは、計算終了を2.5×2.5μm程度の第2の小領域で止める点、これに対応して重心演算を行わない点である。よって処理は以下のようになる。
【0270】
(1) ビットマップ展開を行う。
【0271】
(2) サイズ2.5×2.5μmの第2の小領域毎に面積の計算を行う。
【0272】
これは図25のような回路構成で面積を計算する、或いは、2.5×2.5μm内に存在する極々小領域(サイズ0.6125×0.6125)に付加されたON(1)の数を求める、ことによって実現できる。
【0273】
(第10の実施形態)
これまでの装置の実施形態では補正計算を、照射量を設定する第2の小領域を単位とし、並列処理を行った。
【0274】
これを逆に、代表図形を単位に並列処理してもよい。即ち、代表図形1つから、周辺2σ〜3σ内に存在する第2の小領域(中心をxとする)について、
∫exp{−(x−x')2 }dx'
の計算を行い、この結果を第2の小領域に加算することで、U或いはVn を加算しこれを代表図形全てについて行えば、第1近似の最適照射量或いは近似的最適照射量への修正量を求めることができる。
【0275】
さらに、この手順を次のようにしてもよい。まず予め、U或いはVn を格納するメモリMをゼロクリアしておく、一つの代表図形jの右上隅、左下隅の座標を(xRj,yUj)(xLj,yDj)とする。これから、次の量を計算する。
【0276】
φx,i,j =erf(xRj−xi )−erf(xLj−xi
φy,i,j =erf(yUj−yi )−erf(yDj−yi
ここで、xi (yi )はサブフィールド40×40μm内の2.5×2.5μmサイズの第2の小領域の中心のx(y)座標である。
【0277】
代表図形一つに対し、φxij は40/2.5=17種存在し、φyij φも17種存在する。このφxij とφyij とから代表図形jのU(k,l)或いはVn (k,l)への寄与ΔU* をφx,i,j ・φy,i,j で計算し、メモリMに加える。ここで(k,l)はx方向にk番目、y方向にl番目の小領域を表す。
【0278】
このような処理を周辺の代表図形全てについて実行すればメモリM内にはU(k,l)或いはVn (k,l)の値が求められる。
【0279】
これらの処理を並列処理し高速化することも可能である。例えば、代表図形を単位に処理を並列化してもよい。さらに、パイプライン処理で高速化することも可能である。また、ベクトル処理を行って高速化してもよい。
【0280】
(第11の実施形態)
ここまでの実施形態では、並列処理と木構造のモジュール構成によって補正処理を実現した。しかし、本発明はこれに限ったものではない。例えば、ストライプを縦及び(或いは)横に数個〜数10個に分割し(これをサブストライプと呼ぶ)、このサブストライプ毎に処理モジュールをアサインし、全てのサブストライプの処理を並列に行ってもよい。
【0281】
ここで、各サブストライプのデータは、予め変換システムで作成しておく。また、変換システムは、各サブストライプの境界の外側約100μmまでのパターンデータを補正計算用として、そのサブストライプのデータ中に付加しておく。この付加されたパターンのデータは、EBシステムで描画する際は無視する。
【0282】
上述のサブストライプ処理を行うモジュールは、(代表図形を作成するモジュール)、(第1近似の照射量を算出するモジュール)、(代表図形を変形するモジュール)、及び(照射量の修正量を計算するモジュール)によって構成してもよい。さらに、マイクロプロセッサ、メモリ、データ転送機能の構成とし、代表図形を作成する機能等はマイクロプロセッサ内のプログラムによって実現してもよい。
【0283】
(第12の実施形態)
ここまでは、式(1)〜(5)を用いて(或いはそれを変形した式を用いて)補正計算を行い、その処理速度を加速する方法として、「代表図形を変形しながら処理する」という方式を用いた。
【0284】
しかし、この「代表図形を……」という方式は、式(1)〜(5)(及びその変形)と全く独立して利用できる。即ち、他の補正計算方式にも適用できる。以下、この例を示す。
【0285】
Journal of Vacuum Science & Technology B11, P2746,(1003),(T.R.Groves)では、次の2つの計算方法が記されている。場所xでの最適照射量をD(x)とする。
【0286】
(1)
D(x)=Σd(u) (x)
(0) (x)=1/(1+η)
(1) (x)=ηd(0) (x) −∫d(0) (x')・g'(x-x') dx' …(*1)
(u+1) (x)=−∫d(u) (x')・g'(x-x') dx' …(*2)
(2)
D(x)=Σd(u) (x) d(0) (x)=1/(1+kη)
(1) (x)=kηd(0) (x) −∫d(0) (x')・g'(x-x') dx'…(*3)
(u+1) (x)=−∫d(u) (x) ・g'(x-x') dx' …(*4)
ここで、kはパターン密度であり、0〜1の値を取る。また、Σの加算範囲は0から無限大である。
【0287】
これら2つの計算方式でも、(*1)〜(*4)の積分計算を行うことに殆どの計算時間を費やされる。しかし、これらの場合でも代表図形を変形させながら計算を行うことで、処理を高速化できる。なぜなら、d(i) (x) の計算で現れる積分は全て
∫d(i-1) (x')・g(x-x')dx'
なる形をしており、これを
∫g(x−x´)・[d(i-1) (x')・g(x-x')dx']
と変形すれば分るように、前記(作用)で述べたことが、この場合も成立するからである。
【0288】
具体的処理手順も、これまで述べた実施形態とほぼ同じでよい。計算方式(2)の場合を例にするとその違いは、1):式(5)の代わりに(*3)(*4)を用いる、或いは(*3)(*4)を変形した
(1) (x)=U(x) ηd(0) (x) −V1 * (x)
(u) (x)=−V(u) * (x)
Figure 0003655622
を用いる点、
2):収束の確認を行う方式とし、di の計算をiについてループさせる点、
3):実施形態4,5等のように回路を組む場合は、2)に対応して回路動作をループさせる点、等である。
【0289】
(第13の実施形態)
これまでの実施形態では、面積を小領域内部のパターンを特徴付ける量の一つとした。或いは、この面積を用いて代表図形を作成した。さらに、これを用いて補正計算を行った。しかし、面積そのものを利用しなくてもよい。
【0290】
以下、その一例を示す。全描画領域を第1の小領域で分割し、かつ各小領域同士に重なりがなく、さらに小領域のサイズは後方散乱の広がりよりも十分小さい場合を考える。ある小領域iのサイズを、2Δi×2Δi* とし、その内部に存在するパターンの面積をSiとする。この小領域でのパターン密度ρiはSi/(2Δi×2Δi* )で表される。
【0291】
面積に変えてこのパターン密度を利用し、例えば以下のように計算処理できる。簡単のため式(1)の第2項までの計算までで説明を止める。
【0292】
(1) 描画領域を第1の小領域に区分し、各小領域内のパターンの密度ρiを求める。
【0293】
(2) 以下のように、第1次の近似解を求める。
【0294】
(i)後方散乱量の目安U(xi)を求める。
【0295】
U(xi)=Σexp{−(xi −xj')}・ρ(xj')
ここで和は、少なくともxiを中心とする円内部に存在する、或いは
一部でも含まれる第1の小領域全てについてとる。
【0296】
(ii)Uを用いて、第1の近似解d0 を求める。
【0297】
0 (xi)=1/{1/2+ηU(x) }
下式を用い
(3) 密度ρi をρi ' に修正する。
【0298】
ρi ' =ρi ×d0 (xi)
(4) 第2次の近似解d0 +d1 を求める。
【0299】
(i)修正量d1 を求める。
【0300】
(a) d0 による後方散乱量の目安V1 を下式を用いて求める。
【0301】
1 (xi)=Σexp{−(xi-xj')2 ・ρ'(xj')}
(b) 修正量d1 を求める。
【0302】
第6の実施形態で述べた式でn=1とし、
1 (xi)=ηd0 (xi){1−d0 (xi)/2}
−ηd0 (xi)・V1 (xi)
を用いて計算する。
【0303】
(ii)d0 +d1 を計算し、第2次の近似解とする。
【0304】
以上の処理は、計算機を利用し、オフラインで行ってもよいし、第5の実施形態及び第8の実施形態で述べたと同様に回路で実現してもよい。
【0305】
(第14の実施形態)
図26は、本発明の第14の実施形態に係わる電子ビーム描画装置を示す概略構成図である。なお、図5と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0306】
この装置が図5の装置と異なる点は、制御回路部70の構成にあり、それ以外は図5の装置と同様である。図27に、制御回路部70に相当する処理のブロック図を示す。
【0307】
この制御回路部70は、ストライプ単位でLSIのパターンデータを一時的に格納する4つのバッファメモリ71a〜71d、パターンデータに補助領域を付加する補助領域添付回路72、補助領域付きパターンデータを一時的に格納する2つのバッファメモリ73a,73b、近接効果補正のために領域毎の補正照射量を計算する近接効果補正回路74、補助領域と本来のパターンデータ領域とを分離する補助領域分離回路75、2つの照射量データメモリ76a,76b、2つのパターンデータメモリ77a,77b、メモリ76,77のデータに基づき前記ブランキング制御回路部34及び可変成形ビーム寸法制御回路部35を制御する制御回路78等から構成されている。
【0308】
LSIパターンのデータは、制御計算機37からストライプ単位でバッファメモリ71a,71b,71c,71dにストライプの順番に従って転送される。バッファメモリ71dにデータが転送されるのと同時に、補助領域添付回路72では、バッファメモリ71a,71b,71cを選択して、バッファメモリ71aから上側補助領域に当たるパターンデータ、バッファメモリ71bからパターンデータ本体、バッファメモリ71cから下側補助領域に当たるパターンデータを入力し、これらのパターンデータを結合させて補助領域付きパターンデータとする。
【0309】
ここで、上側補助領域及び下側補助領域は共に、電子ビームの後方散乱の広がりに相当する領域である。従って、補助領域付きパターンデータは、本来のストライプに対して後方散乱の影響が現れる分だけ隣接ストライプのデータを含むものとなる。これにより、後述するようにストライプ毎に独立に近接効果補正の計算を行っても、十分に精度良い補正が可能となる。なお、上側補助領域及び下側補助領域は、電子ビームの後方散乱の広がりよりも広い領域であっても何等差し支えない。場合によっては、3つのストライプをそのまま接続したパターンデータとしてもよい。
【0310】
補助領域付きパターンデータが、補助領域添付回路72からバッファメモリ73a(又は73b)に転送される。バッファメモリ73a内部の補助領域付きパターンデータは、近接効果補正回路74に転送され、これと同時に補助領域分離回路75にも転送される。近接効果補正回路74では、入力されたパターンデータから領域毎の補正照射量を計算する。この計算に、簡単な近似解の公式を利用する方法(例えば、J.M.Parkovich,Jounal of Vacuum Science and TechnologyB4,p159(1986) )を用いた。この結果を、照射量データメモリ76a(又は76b)に出力し格納する。
【0311】
一方、補助領域分離回路75では、入力された補助領域付きパターンデータから補助領域と本来のパターンデータ領域とを分離する。補助領域はあくまでも近接効果補正回路74においてのみ利用されるものであり、描画には必要ないからである。そして、補助領域を取り除いたパターンデータをパターンデータメモリ77a(又は77b)に出力し格納する。
【0312】
次に、上記と同様にして、バッファメモリ71b,71c,71dのデータを基に、次のストライプに相当する補助領域付きパターンデータが補助領域添付回路72で作成され、バッファメモリ73bに転送される。このとき、バッファメモリ71aにはバッファメモリ71dに続くストライプのパターンデータが入力される。さらに、上記と同様にして、近接効果補正回路74で、入力されたパターンデータから領域毎の補正照射量を計算し、そのこの結果を、照射量データメモリ76bに出力し格納する。一方、補助領域分離回路75で、入力された補助領域付きパターンデータから補助領域と本来のパターンデータ領域とを分離し、補助領域を取り除いたパターンデータをパターンデータメモリ77bに出力し格納する。
【0313】
そして、これらの計算中は、先に求めたパターンデータメモリ77a内部のパターンデータと照射量データメモリ76a内部の照射量データが制御回路78によって読み込まれ、描画に利用される。
【0314】
上記の操作を、バッファメモリ73a,73b、照射量データメモリ76a,76b、及びパターンデータメモリ77a,77bを順次切り換えて、繰り返すことにより、ストライプ毎に連続して処理することができる。
【0315】
このように本実施形態では、描画と同時に近接効果補正計算を行うため、この補正計算による描画に付加される時間は、最初のストライプ分のみである。例えば、近接効果補正計算と描画にかかる時間がそれぞれ1時間とする。また、ストライプが100個あるとすると、1つのストライプにかかる処理時間はそれぞれ36秒である。従って本実施形態では、描画に付加される時間は36秒であり、両方の処理時間を合わせた場合、1時間+36秒である。故に、ロスタイムを少なくし、高速処理が実現できる。
【0316】
なお、上記の説明では制御回路部70内でストライプ単位のパターンデータにそれぞれ補助領域を付加したが、予めストライプ単位のパターンデータに補助領域を付加しておけば、前記した補助領域添付回路72を省略することも可能である。具体的には、前記データ変換用計算機38により設計データ(CADデータ)から描画図形データへの変換時に、ストライプ単位のパターンデータに補助領域を付加し、補助領域付きパターンデータを制御回路部70に転送するようにすればよい。
【0317】
また、本実施形態の変形例として、制御回路部70を図28に示すように構成してもよい。これは、補助領域分離回路75の代わりに、バッファメモリ71のデータをパターンデータメモリ77に選択して出力する描画パターンデータ選別回路79を設けたものである。
【0318】
図27の場合、補助領域添付回路72によりストライプ単位のパターンデータにそれぞれ補助領域を付加しており、実際の描画に使用するデータには補助領域は不要であるため、最終的にこの補助領域を除去するために補助領域分離回路75が必要となる。図28の場合、描画パターンデータ選別回路79によりパターンデータに補助領域を付加する前にパターンデータを選択しているので、補助領域分離回路75が不要となるのである。
【0319】
また、描画と同時に補正照射量を計算するストライプは描画するストライプの隣に限定されるものではない。場合によっては、2つ後のストライプや3つ後のストライプに対して補正照射量を計算してもよい。
【0320】
図29(a)は、補正回路と描画回路が離れている場合を示している。このとき、回路間でデータ転送が必要となる。そのシーケンスを図29(b)に示す。ここでは、ストライプ2を描画中に補正回路がストライプ4の補正照射量を計算し、さらに補正回路から描画回路に向けてストライプ3の図形データが転送されている。
【0321】
また、このケースに加えて、ストライプの多重描画を実現する例を説明する。ここで、ストライプの多重描画とは、描画領域(ストライプ)を徐々にずらしながら描画する方法である。図29(b)はストライプ1と2の境界付近を描画している状態を示している。このとき、補正回路はストライプ4の補正照射量を計算し、さらにストライプ3のデータは補正回路から描画回路に向けて転送されている。
【0322】
[他の実施形態]
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。実施形態では可変成形ビーム方式の電子ビーム描画装置を用いたが、これ以外の方式の描画装置にも適用できる。さらに、電子ビームの代わりにイオンビームを用いたイオンビーム描画装置に適用することも可能である。
【0323】
また、本発明は荷電ビーム描画装置の使用目的を限定するものではない。例えば、ウェハ上に直接レジストパターンを形成するという使用目的以外にも、X線マスクを作成する際、光ステッパ用マスク、レチクル等を作成する際にも利用可能である。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
【0324】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、近似的照射量をまず求め、これに対する修正量を順に求めることによって、高速に理想的最適照射量を求めることができる。さらに、新たに求めた近似的照射量或いはそれに対する修正量を重みとして加え、代表図形を計算し直し、得られた新たな代表図形を利用して近似的最適照射量を求めることによって、更なる高速処理を実現できる。
【0325】
また本発明によれば、ストライプの両端の外側にも図形データを付加し、ストライプ毎に近接効果補正計算を行うことにより、描画と同時に近接効果補正計算を行うことができる。このため、補正計算によって描画に付加される時間は、最初のストライプ分のみとなり、近接効果補正の処理によるロスタイムを軽減することができ、装置稼働率の向上をはかることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】近接効果補正で参照すべき領域を示す図。
【図2】従来の近似解法で発生する誤差の様子を示す図。
【図3】本発明の概要を示す図。
【図4】本発明方法を用いた時の計算項数と誤差の関係を示す図。
【図5】本発明の実施形態に使用した電子ビーム描画装置を示す概略構成図。
【図6】電子ビーム描画装置で使用されるデータ構造の概略概念図。
【図7】第1の実施形態で使用されたパターンを示す図。
【図8】各種パターンで生じる補正誤差の計算項数依存性を示す図。
【図9】各種パターンで生じる補正誤差の計算項数依存性を示す図。
【図10】第2の実施形態での処理の流れを示す図。
【図11】第3の実施形態での処理の流れを示す図。
【図12】第4の実施形態において近接効果処理を行うための回路を示すブロック図。
【図13】近接効果補正回路のブロック図。
【図14】代表図形作成回路1を示す図。
【図15】代表図形分割回路を示す図。
【図16】最初の近似的照射量を算出する補正計算回路1を示す図。
【図17】代表図形回路2及び3を示す図。
【図18】第2の小領域の情報を集めて第1の小領域に新しい代表図形を作成する様子を示す図。
【図19】補正計算処理回路2及び3を示す図。
【図20】第5の実施形態において近接効果処理を行うための回路を示すブロック図。
【図21】代表図形作成回路2及び3を示す図。
【図22】第8の実施形態において近接効果処理を行うための回路を示すブロック図。
【図23】第9の実施形態においてLSIパターンがビット展開される様子を示す図。
【図24】ビット展開回路を利用した代表図形作成回路を示す図。
【図25】図24のビット展開以降を詳しく説明する回路を示す図。
【図26】第14の実施形態に係わる電子ビーム描画装置を示す概略構成図。
【図27】図26の装置における制御回路部の具体的構成を示すブロック図。
【図28】図26の装置における制御回路部の具体的構成の別の例を示すブロック図。
【図29】ストライプの2つ以上先の補正照射量を計算する手法を示す図。
【符号の説明】
10…試料室
11…ターゲット(試料)
12…試料台
20…電子光学鏡筒
21…電子銃
22a〜22c…レンズ系
23〜26…偏向系
27a〜27c…アパーチャマスク
36…バッファメモリ及び制御回路
37…制御計算機
38…データ変換用計算機
39…CADシステム
51…ウェハ
52…チップ領域
53…小領域
54…描画パターン
70…制御回路部
71…バッファメモリ
72…補助領域添付回路
73…バッファメモリ
74…近接効果補正回路
75…補助領域分離回路
76…照射量データメモリ
77…パターンデータメモリ
78…制御回路
79…描画パターンデータ選別回路

Claims (4)

  1. 描画図形データをストライプ単位で処理し、試料上に荷電ビームを照射して所望パターンを描画する荷電ビーム描画方法において、
    任意のストライプの両端に、隣り合うストライプの図形パターンを荷電ビームの後方散乱の広がりより広い領域分だけ付けて新たな図形データを作成する工程と、作成された新たな図形データに対して近接効果補正計算を施して、最適照射量を計算する工程と、計算された最適照射量を基に対応するストライプを描画する工程とを含み、
    前記ストライプの描画と同時に、それ以降のストライプに関する新たな図形データの作成及び最適照射量の計算を行うことを特徴とする荷電ビーム描画方法。
  2. 前記新たな図形データを作成する工程は、設計データから描画図形データへのデータ変換時に行うことする請求項1記載の荷電ビーム描画方法。
  3. 描画図形データをストライプ単位で処理し、試料上に荷電ビームを照射して所望パターンを描画する荷電ビーム描画装置において、
    任意のストライプの両端に、隣り合うストライプの図形パターンを後方散乱の広がりより広い領域分だけ付けて新たな図形データを作成する手段と、作成された新たな図形データに対して近接効果補正計算を施して、最適照射量を計算する手段と、計算された最適照射量を基に対応するストライプを描画する手段とを具備してなり、
    前記ストライプの描画とそれ以降のストライプに関する新たな図形データの作成及び最適照射量の計算を同時に行うことを特徴とする荷電ビーム描画装置。
  4. 前記新たなデータを作成する手段は、描画図形データをストライプ単位で格納する複数のバッファメモリと、これらのバッファメモリに格納された図形データに基づき、任意のストライプの両端に、後方散乱の広がりより広い領域分だけ隣り合うストライプの図形パターンを付ける補助領域添付回路とからなることを特徴とする請求項3記載の荷電ビーム描画装置。
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