JP3653399B2 - 水素吸蔵合金電極及びこれを用いた金属−水素化物アルカリ蓄電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素吸蔵合金粉末を主体とする負極活物質を含む水素吸蔵合金電極、及びこの水素吸蔵合金電極と正極とが、アルカリ電解液が含浸されたセパレータを介して電池缶内に配設される金属−水素化物アルカリ蓄電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、水素を可逆的に吸蔵,放出することができる水素吸蔵合金の開発が盛んに行われており、斯かる水素吸蔵合金を負極材料として用いる金属−水素化物アルカリ蓄電池が、従来汎用されている鉛蓄電池、ニッケル−カドミウム蓄電池などに比べて、軽量で、且つ、高容量化が可能であるなどの理由から、次世代のアルカリ蓄電池の主流を占めるものとして有望視されている。
【0003】
ここで、上記金属−水素化物アルカリ蓄電池においては、負極である水素吸蔵合金電極内での導電性が良くないという課題がある。そこで、従来より、水素吸蔵合金電極に、金属或いは金属酸化物を導電剤として添加するようなものが提案されている。
しかしながら、このような構成とした場合であっても、導電剤として金属を用いた場合には充放電中に導電剤である金属の一部が酸化され、また導電剤として金属酸化物を用いた場合には元来導電性が不十分であるため、導電剤として十分に機能せず、充放電サイクルを繰り返すにしたがって出力特性が低下する。即ち、充放電サイクルを繰り返すにしたがって深い深度での放電時に分極が大きくなり、放電時の電池電圧が低くなるという課題を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の課題を考慮してなされたものであって、充放電を繰り返した場合であっても十分な導電性を確保することにより、充放電サイクル経過後であっても出力特性が低下するのを抑えることができる水素吸蔵合金電極及びこれを用いた金属−水素化物アルカリ蓄電池を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明第1の態様の水素吸蔵合金電極は、負極活物質である水素吸蔵合金粉末の表面に導電剤が存在する水素吸蔵合金電極において、上記導電剤として、導電性の被覆層を有し且つ耐アルカリ性で充放電時にも安定な第1の金属酸化物が用いられることを特徴とする。
上記構成であれば、第1の金属酸化物は耐アルカリ性で充放電時にも安定であるため、充放電を繰り返しても電池内で悪影響を及ぼすことがなく、しかも第1の金属酸化物の表面には導電性の被覆層が設けられているので、良好な導電性が得られることになる。
【0006】
また、本発明第2の態様は、上記第1の態様の水素吸蔵合金電極において、前記導電性の被覆層として、アンチモン及び/又はリンがドープされた第2の金属酸化物が用いられることを特徴とする。
このように、アンチモン及び/又はリンがドープされた第2の金属酸化物を導電性の被覆層として用いると、アンチモン等のドープ効果により金属酸化物に十分な導電性を付与することができると共に、導電剤として金属を用いる場合に比べて耐アルカリ性と充放電時における安定性とが発現される。
【0007】
また、本発明第3の態様は、上記第2の態様の水素吸蔵合金電極において、前記第2の金属酸化物として、酸化錫、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化ホウ素、酸化ガリウム、酸化タリウム、酸化ゲルマニウム、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化ビスマス、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化セレン、酸化テルル、酸化マンガン、酸化レニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化ルテニウム、酸化ロジウム、酸化パラジウム、酸化オスミウム、酸化イリジウム、及び酸化白金から成る群から選択される少なくとも一種が用いられることを特徴とする。
これら、第2の金属酸化物は導電性やアルカリ溶液中での安定性の観点から選択されたものであり、酸化錫等の上記金属酸化物を用いれば、上記効果が一層発揮される。
【0008】
また、本発明第4の態様は、上記第1、第2又は第3の態様の水素吸蔵合金電極において、前記第1の金属酸化物として、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウムから成る群から選択される少なくとも一種が用いられることを特徴とする。
第1の金属酸化物としては上記のものに限定するものではないが、第1の金属酸化物として酸化チタン等を用いれば、上記効果が一層発揮される。
【0009】
また、本発明第5の態様は、上記第1、第2、第3又は第4の態様の水素吸蔵合金電極において、前記水素吸蔵合金に対する前記導電性の被覆層を有する第1の金属酸化物の割合が、0.01〜10重量%に規制されることを特徴とする。
このように規制するのは、導電性の被覆層を有する第1の金属酸化物の割合が0.1重量%未満であれば、添加効果が十分に発揮されないために、電極の導電性が十分に向上しない一方、導電性の被覆層を有する第1の金属酸化物の割合が10重量%を超えると、負極における水素吸蔵合金の割合が減少するため、水素吸蔵量が減少するという理由によるものである。
【0010】
また、上記目的を達成するために、本発明第6の態様にかかる金属−水素化物アルカリ蓄電池は、負極活物質である水素吸蔵合金粉末の表面に導電剤が存在する負極と、正極とが、アルカリ電解液が含浸されたセパレータを介して電池缶内に配設される金属−水素化物アルカリ蓄電池において、上記導電剤として、導電性の被覆層を有し且つ耐アルカリ性で充放電時にも安定な第1の金属酸化物が用いられることを特徴とする。
【0011】
また、本発明第7の態様は、上記第6の態様の水素吸蔵合金電極において、前記導電性の被覆層として、アンチモン及び/又はリンがドープされた第2の金属酸化物が用いられることを特徴とする。
【0012】
また、本発明第8の態様は、上記第7の態様の水素吸蔵合金電極において、前記第2の金属酸化物として、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化ホウ素、酸化ガリウム、酸化タリウム、酸化ゲルマニウム、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化ビスマス、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化セレン、酸化テルル、酸化マンガン、酸化レニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化ルテニウム、酸化ロジウム、酸化パラジウム、酸化オスミウム、酸化イリジウム、及び酸化白金から成る群から選択される少なくとも一種が用いられることを特徴とする。
【0013】
また、本発明第9の態様は、上記第6,第7又は第8の態様の水素吸蔵合金電極において、前記第1の金属酸化物として、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウムから成る群から選択される少なくとも一種が用いられることを特徴とする。
【0014】
また、本発明第10の態様は、上記第6,第7、第8又は第9の態様の水素吸蔵合金電極において、前記水素吸蔵合金に対する前記導電性の被覆層を有する第1の金属酸化物の割合が、0.01〜10重量%に規制されることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
先ず、市販のミッシュメタル(Mm;La,Ce,Nd,Pr等の希土類元素の混合物)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)を原材料とし、それぞれが元素比で1:3.2:1.0:0.2:0.6の割合となるように混合した後、高周波誘導加熱溶解炉を用いて1500℃で溶融し、更に溶湯を冷却することにより、組成式MmNi3.2 Co1.0 Al0.2 Mn0.6 で示される水素吸蔵合金鋳塊を作製した。次に、この水素吸蔵合金鋳塊を粉砕することにより、平均粒径が50μmの水素吸蔵合金粉末を得た。
【0016】
これと並行して、粒径が1μmの酸化チタン(TiO2 )と、酸化錫(SnO2 、粒径:0.1μm)と、この酸化錫に対する添加割合が1.0重量%の塩化アンチモン(SbCl3 、粒径:0.1μm)とを均一に混合した後、還元ガス雰囲気(水素ガス雰囲気)の炉内で500℃で1時間加熱するというメカノフュージョン法により、酸化チタンの表面をアンチモンがドープされた酸化錫で覆った。以下、アンチモンがドープされた酸化錫で覆われた酸化チタンを導電剤と称する。また、上記酸化チタンは第1の金属酸化物を構成し、上記酸化錫は第2の金属酸化物を構成する。
【0017】
次いで、前記水素吸蔵合金粉末に、水素吸蔵合金粉末に対する添加割合が1.0重量%の上記導電剤を添加して、混合粉末を作製すると共に、結着剤としてのPEO(ポリエチレンオキサイド)の割合が5重量%の水溶液を、水素吸蔵合金粉末10重量部に対して1重量部を混合して作製した。この後、上記水溶液と上記混合粉末とを混合してペーストを調製した。次に、このペーストを芯体(鉄にニッケルメッキを施したパンチングメタルからなる)に塗着し、更に圧延することにより板状の負極を作製した。
【0018】
しかる後、上記負極と公知の焼結式ニッケル正極とを、ナイロン不織布からなるセパレータを介して巻回して発電要素を作製した後、この発電要素を電池缶内に収納し、更にこの電池缶内に30%のKOHから成る電解液を注入することにより、理論容量が1200mAh(AAサイズ)の電池を作製した。
尚、上記実施の形態では、第1の金属酸化物である酸化チタンの粒径は1μmとしたが、これに限定するものではない。但し、第1の金属酸化物の粒径が1μmを超えると水素吸蔵合金の充填密度が小さくなって、負極の単位体積あたりの水素吸蔵合金量が減少するため、第1の金属酸化物の粒径は1μm以下であることが望ましい。
【0019】
また、上記実施の形態では、塩化アンチモンを用いて酸化錫にアンチモンをドープしているが、これに限定するものではなく、酸化アンチモン等他のアンチモン化合物を用いてドープしても良く、更にドープするものとしてはアンチモンに限定するものではなく、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、トリポリン酸、亜リン酸、或いは次亜リン酸等のリン酸化合物を用いることによりリンをドープしても良い。また、ドープ時の加熱温度は、上記の如く500℃に限定するものではなく、300〜1000℃の範囲であれば円滑にドープされ、また加熱時間も1時間に限定するものではなく、30分〜2時間であれば円滑にドープされる。更に、還元性ガスとしては水素ガスに限定するものではなく、アンモニアガス、一酸化炭素ガスであっても良く、また、ドープする際のガスとしては還元性ガスの他、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスを用いることも可能である。
【0020】
更に、アンチモン或いはリンを酸化錫等にドープ際、酸化錫に対する塩化アンチモン等のアンチモン化合物等の添加割合は1.0重量%に限定するものではないが、0.1重量%以上にするのが望ましい。これは、アンチモン化合物等の添加割合が0.1重量%未満であるとドープ効果が十分に発揮されないからである。
【0021】
加えて、酸化錫等の第2の金属酸化物及び塩化アンチモン等のアンチモン化合物或いはリン酸化合物の粒径は前記の如く0.1μmに限定するものではないが、0.2μm以下とするのが望ましい。これは、酸化チタン等の第1の金属酸化物の粒径は上述の如く1μm以下に規制されるため、第2の金属酸化物及びアンチモン化合物等の粒径が0.2μmを超えると、第1の金属酸化物の表面を均一に覆うことができないからである。
【0022】
また、酸化チタンの表面に導電性の被覆層を形成する方法としては上記メカノフュージョン法に限定するものではなく、例えば、以下の方法によっても達成できる。
先ず、酸化チタンの水懸濁液に、塩化第2錫、硫酸錫、或いは硝酸スズ等から成る錫塩、又は錫酸ナトリウム、錫酸カリウムから成る錫酸塩の溶液を添加した後、アンモニア水、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、或いは炭酸アンモニウムから成るアルカリ、又は塩酸、硫酸、硝酸或いは酢酸から成る酸を添加する。次に、これにアンチモン化合物又はリン化合物の水溶液を添加、攪拌した後、処理液を濾過、洗浄し、更に100℃程度で乾燥させる。最後に、650℃の還元性ガス或いは不活性ガス雰囲気中で1時間熱処理することにより酸化チタンの表面に導電性の被覆層を形成することができる。
【0023】
更に、水素吸蔵合金粉末の平均粒径は50μmに限定されるものではないが、10〜70μmの範囲であるのが望ましい。これは、水素吸蔵合金粉末の平均粒径が10μm未満であると水素吸蔵合金粉末の表面に生成する酸化皮膜の割合が相対的に多くなる一方、70μmを超えると負極全体としての水素吸蔵合金粉末の表面積が減少する。これらのことから、水素の吸蔵,放出を円滑に行うことができなくなるという理由によるものである。
【0024】
加えて、本発明に用いられる水素吸蔵合金としては上記希土類系水素吸蔵合金に限定するものではなく、ZrNi等のZr−Ni系水素吸蔵合金、TiFe等のTi−Fe系水素吸蔵合金、ZrMn2 等のZr−Mn系水素吸蔵合金、TiMn1.5 等のTi−Mn系水素吸蔵合金、またはMg2 Ni等のMg−Ni系水素吸蔵合金等を用いることも可能である。
【0025】
また、金属−水素化物アルカリ蓄電池に特に好ましいCaCu5 型の結晶構造を有する水素吸蔵合金は、一般式MmNia Cob Alc Mnd で表される。ここで、この式中におけるMmはLa,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Sc,Y,Pm,Gd,Tb,Gy,Ho,Er,Tm,Yb,Luから選択される希土類元素の混合物であり、特に、La,Ce,Pr,Nd,Smの混合物を主体とするものが好ましく、また、a>0、b>0、c>0、d≧0で、4.4≦a+b+c+d≦5.4である。
【0026】
そして、上記の組成からなる水素吸蔵合金はアルカリ二次電池のサイクル特性や放電特性等の基本性能を満たすことができる。また、上記の水素吸蔵合金における水素を吸蔵する特性を変更しない範囲において、Si,C,W,Bの元素を添加させてもよい。
また好ましくは上記の組成式において、ニッケルの量aを2.8≦a≦5.2、コバルトの量bを0<b≦1.4、アルミニウムの量cを0<c≦1.2、更にマンガンの量dをd≦1.2にすることが好ましい。さらに、電池の容量を高くするためには、アルミニウムの量cをc≦1.0、マンガンの量dをd≦1.0にすることが好ましい。
【0027】
加えて、水素吸蔵合金電極に用いられる芯体としては、上記鉄にニッケルメッキを施したパンチングメタルに限定するものではなく、発泡ニッケル、ニッケル繊維焼結体等を用いることもできる。
【0028】
【実施例】
(実施例1)
実施例1としては、上記発明の実施の形態で示した電池を用いた。
このようにして作製した電池を、以下、本発明電池A1と称する。
【0029】
(実施例2〜7)
水素吸蔵合金粉末に対する導電剤(表面に導電性の被覆層を有する酸化チタン)の添加量を、それぞれ0.005重量%、0.01重量%、0.10重量%、5.00重量%、10.00重量%及び15.00重量%とする他は、上記実施例1と同様にして電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下、それぞれ本発明電池A2〜A7と称する。
【0030】
(実施例8〜13)
塩化アンチモンを用いて酸化錫にアンチモンををドープするのではなく、それぞれオルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、トリポリン酸、亜リン酸、及び次亜リン酸を用いて酸化錫にリンをドープする他は、上記実施例1と同様にして電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下、それぞれ本発明電池A8〜A13と称する。
【0031】
(比較例)
導電剤(表面に導電性の被覆層を有する酸化チタン)を添加しない他は、実施例1と同様にして電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下比較電池Xと称する。
【0032】
(実験1)
上記本発明電池A1〜A7と比較電池Xとにおいて、下記(1)の条件で200サイクル充放電を行った後、下記(2)の条件で充放電を行い、3C(1200mA)で30秒間放電したときの電池電圧を測定したので、その結果を表1に示す。
充放電条件
(1)充電条件:1C(1200mA)で−ΔVが10mVになるまで充電
放電条件:1C(1200mA)で放電終止電圧が1Vになるまで放電
(2)充電条件:0.1C(120mA)で11時間充電
放電条件:1/3C(400mA)で放電し、DOD(放電深度)が80%に達した際に、3C(3600mA)で30秒間放電
【0033】
【表1】
【0034】
表1から明らかなように、導電剤(表面に導電性の被覆層を有する酸化チタン)が添加された本発明電池A1〜A7は、導電剤が添加されていない比較電池Xに比べて、充放電を200サイクル繰り返した後の3C放電時の電圧が高くなっていることが認められる。これは、導電剤が水素吸蔵合金粉末間に存在することにより、水素吸蔵合金粉末間の接触抵抗が低減して、電極の分極が抑制されると共に、表面に導電性の被覆層が形成された酸化チタンはアルカリ電解液中で安定であるため、充放電サイクル後の深い深度での放電時における電圧が上昇するという理由による。
【0035】
但し、導電剤の添加量が0.005重量%の本発明電池A2及び導電剤の添加量が15.00重量%の本発明電池A7は、導電剤の添加量が0.01〜10.00重量%の本発明電池A1、A3〜A6に比べて3C放電時の電圧が低くなっていることが認められる。これは、導電剤の添加量が0.005重量%の本発明電池A2では、添加効果が十分に発揮されないために、電極の導電性が悪くなる一方、導電剤の添加量が15.00重量%の本発明電池A7では、負極における水素吸蔵合金の割合が減少するため、水素吸蔵量が減少するという理由によるものと考えられる。
【0036】
(実験2)
上記本発明電池A8〜A13において、上記実験1と同様の条件で充放電を行い、3C(1200mA)で30秒間放電したときの電池電圧を測定したので、その結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】
表2から明らかなように、本発明電池A8〜A13では、充放電を200サイクル繰り返した後の3C放電時の電圧が高くなっていることが認められる。
【0039】
また、酸化チタンに被覆する導電性の被覆層として、酸化錫の代わりに酸化アンチモン、酸化鉄、酸化インジウム、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化ホウ素、酸化ガリウム、酸化タリウム、酸化ゲルマニウム、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化ビスマス、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化セレン、酸化テルル、酸化マンガン、酸化レニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化ルテニウム、酸化ロジウム、酸化パラジウム、酸化オスミウム、酸化イリジウム及び酸化白金においても同様の導電性向上の効果が得られることを確認している。
【0040】
【発明の効果】
以上で説明したように本発明によれば、充放電を繰り返した場合であっても十分な導電性を確保することにより、充放電サイクル経過後であっても出力特性が低下するのを抑えることができるといった優れた効果を奏する。
Claims (8)
- 負極活物質である水素吸蔵合金粉末の表面に導電剤が存在する水素吸蔵合金電極において、
上記導電剤として、アンチモン及び/又はリンがドープされた第2の金属酸化物からなる導電性の被覆層を有し且つ耐アルカリ性で充放電時にも安定な第1の金属酸化物が用いられることを特徴とする水素吸蔵合金電極。 - 前記第2の金属酸化物として、酸化錫、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化ホウ素、酸化ガリウム、酸化タリウム、酸化ゲルマニウム、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化ビスマス、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化セレン、酸化テルル、酸化マンガン、酸化レニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化ルテニウム、酸化ロジウム、酸化パラジウム、酸化オスミウム、酸化イリジウム、及び酸化白金から成る群から選択される少なくとも一種が用いられる、請求項1記載の水素吸蔵合金電極。
- 前記第1の金属酸化物として、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウムから成る群から選択される少なくとも一種が用いられる、請求項1又は2記載の水素吸蔵合金電極。
- 前記水素吸蔵合金に対する前記導電性の被覆層を有する第1の金属酸化物の割合が、0.01〜10重量%に規制される、請求項1、2、又は3記載の水素吸蔵合金電極。
- 負極活物質である水素吸蔵合金粉末の表面に導電剤が存在する負極と、正極とが、アルカリ電解液が含浸されたセパレータを介して電池缶内に配設される金属−水素化物アルカリ蓄電池において、
上記導電剤として、アンチモン及び/又はリンがドープされた第2の金属酸化物からなる導電性の被覆層を有し且つ耐アルカリ性で充放電時にも安定な第1の金属酸化物が用いられることを特徴とする金属−水素化物アルカリ蓄電池。 - 前記第2の金属酸化物として、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化ホウ素、酸化ガリウム、酸化タリウム、酸化ゲルマニウム、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化ビスマス、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化セレン、酸化テルル、酸化マンガン、酸化レニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化ルテニウム、酸化ロジウム、酸化パラジウム、酸化オスミウム、酸化イリジウム、及び酸化白金から成る群から選択される少なくとも一種が用いられる、請求項5記載の金属−水素化物アルカリ蓄電池。
- 前記第1の金属酸化物として、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウムから成る群から選択される少なくとも一種が用いられる、請求項5、又は6記載の金属−水素化物アルカリ蓄電池。
- 前記水素吸蔵合金に対する前記導電性の被覆層を有する第1の金属酸化物の割合が、0.01〜10重量%に規制される、請求項5、6、又は7記載の金属−水素化物アルカリ蓄電池。
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