JP3861788B2 - 水素吸蔵合金粉末、水素吸蔵合金電極およびそれを用いたニッケル水素蓄電池。 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素吸蔵合金粉末とそれを用いた水素吸蔵合金電極およびニッケル水素蓄電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ニッケル水素蓄電池は、耐過充電、耐過放電特性に優れ、一般ユーザーにとって使い易い電池であるところから、携帯電話、小型電動工具および小型パーソナルコンピュータ等の携帯用小型電子機器類用の電源として広く利用されており、これらの小型電子機器類の普及とともに需要が飛躍的に増大している。また、ハイブリッド型電気自動車(HEV)の駆動用電源としても実用化されている。そして、アルカリ蓄電池に対してはさらなる容量アップ、充放電サイクル性能の向上が求められている。
【0003】
前記ニッケル水素蓄電池の負極は、活物質となる水素吸蔵合金を主成分とするペーストを、鉄、ニッケルや銅等、耐アルカリ性で良導電性金属の多孔性基板に担持させたものである。
【0004】
前記水素吸蔵合金としてはLa-Ni系の他にMg系、Ti系、Zr系の合金があるが、合金の活性が高いこと、耐久性が優れているところからLa-Ni系の合金が重用されている。しかし、HEV用電源やパーソナルコンピューター用電源等高温で動作する機会が多くなり、電池に対して高温での耐久性など高温特性の更なる改良が求められており、従来の水素吸蔵合金電極を適用したニッケル水素蓄電池においては、水素吸蔵合金の耐久性が劣り、前記要求に対応仕切れない欠点があった。
【0005】
従来、水素吸蔵合金の組成の改良によって水素吸蔵合金の耐久性を向上しようとする試みがなされてきた。(例えば、特許文献1参照。)
【0006】
【特許文献1】
特開平5−62674号公報(第2頁、第14段落、第4頁、表1、表2)
【0007】
上記特許文献1には、MmNi5(Mmはミッシュメタル)で示され、MmがLa0.2Ce0.4Pr0.1Nd0.1R0.2(Rは原子番号が63以上のランタノイドのうちの1種の元素を示す)なる例が開示されている。しかし、特許文献1で示された組成の水素吸蔵合金は、単位重量当たりの容量が250mAh/g以下と低い値であり、該水素吸蔵合金を用いて作製した水素吸蔵合金電極を適用したニッケル水素蓄電池は容量が低い欠点があった。
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術の欠点に鑑みなされたものであって、従来のものに比べて放電容量が劣らず、且つ、充放電サイクル特性に代表される耐久性において従来に勝る水素吸蔵合金電極およびニッケル水素蓄電池を提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明に係る水素吸蔵合金粉末を、CaCu5型の結晶構造を有し、La、Ce、Yと原子番号が63以上のランタノイドのうちの少なくとも1種の元素、NiおよびCoを必須成分とし、R1を原子番号59〜62のランタノイドのうちの少なくとも1種の元素とし、R2をYと原子番号が63以上のランタノイドのうちの少なくとも1種の元素とし、Xを希土類に属さない金属元素とし、組成式LaaCebR1cR2dNieCofXgで表した時に、前記組成式においてa〜gは成分比率(モル比)を表し、a+b+c+d=1.0であり、0.6≦a≦0.9、0.05≦b、0≦c、0<h<0.04、0.01<d≦0.06であり5.0≦e+f+g≦5.4であって、0.1≦f≦1.2、0<gで示される水素吸蔵合金粉末とする。
また、前記請求項1記載の水素吸蔵合金において、さらにMgを必須成分として含み、組成式La a Ce b R1 c R2 d Mg h Ni e Co f X g で表した時に、前記組成式においてa〜hは成分比率(モル比)を表し、a+b+c+d+h=1.0であり、0.6≦a≦0.9、0.05≦b、0≦c、0<h<0.04、0.01<d≦0.06であり、5.0≦e+f+g≦5.4、0.1≦f≦1.2、0<gで示されることを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明においては、水素吸蔵合金粉末を、前記請求項1に記載の組成を有する水素吸蔵合金粉末であって、該粉末に含まれるR2(R2は、原子番号が63以上のランタノイドのうちの少なくとも1種の元素を示す。該元素を総称して以下重希土類元素と記述する。)の濃度が、粉末の内部に比べて粉末の表面において高くすることが望ましい。
【0010】
本発明に係る水素吸蔵合金電極は、前記請求項1〜請求項4に記載の水素吸蔵合金粉末を適用した電極である。本発明に係るニッケル水素蓄電池は、ニッケル電極を正極とし、請求項5に記載の水素吸蔵合金電極を負極とするニッケル水素蓄電池である。前記ニッケル電極が、Er、Tm、Yb、Lu、Yのうちの少なくとも1種類の元素を含有したニッケル水素蓄電池がさらに望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係る水素吸蔵合金粉末は、CaCu5型の結晶構造を有し、La、Ce、原子番号が63以上のランタノイドのうちの少なくとも1種の元素、NiおよびCoを必須成分とし、R1を原子番号59〜62のランタノイドのうちの少なくとも1種の元素とし、R2をYと原子番号が63以上のランタノイドのうちの少なくとも1種の元素とし、Xを希土類に属さない金属元素とし、組成式LaaCebR1cR2dNieCofXgで表した時に、前記組成式においてa〜gは成分比率(モル比)を表し、a+b+c+d=1.0であり、0.6≦a≦0.9、0.05≦b、0≦c、0<h<0.04、0.01<d≦0.06であり5.0≦e+f+g≦5.4であって、0.1≦f≦1.2、0<gで示されることを特徴とする水素吸蔵合金粉末である。
【0012】
該水素吸蔵合金粉末は、例えば前記組成の合金のインゴットを粉砕して得る。該水素吸蔵合金の平均粒径は、20〜100μmとすることが望ましい。平均粒径が20μm未満では充填性が劣る。また、平均粒径が100μmを超えると水素吸蔵合金電極の活物質としての活性が低い欠点がある。
【0013】
前記Mm中のLaの比率aが0.6以下の場合は、該組成の合金粉末を水素吸蔵合金電極に適用した時に容量が低い欠点がある。前記Mm中のLaの比率aが0.9を超える場合は、アルカリ電解液中での耐食性が劣るために、該組成の合金粉末を水素吸蔵合金電極に適用した時に電極の耐久性が劣る欠点がある。
【0014】
本発明に係る水素吸蔵合金は、Ceの含有比率bを0.05以上とする。前記bを0.05≦bとすることによって水素吸蔵合金の耐食性を高める効果がある。また、充電時に正極で発生する酸素を水素吸蔵合金が吸収するのを促進する効果がある。このことによって、水素吸蔵合金の腐食が抑制され、サイクル性能を高めることができる。
【0015】
合金中の前記重希土類元素R2は、アルカリ電解液中での合金粉末の耐食性を向上させる作用がある。しかし、前記Mm中のR2の含有比率が大きくなるに従い、合金の水素の平行圧力が増大して該合金粉末を適用した水素吸蔵合金電極の容量が低下する。また、電極の活性化が遅くなる欠点がある。R2の比率dが0.06を超えるとこの欠点が顕著に現れる。
【0016】
前記e+f+gの値は5.0以上、5.4以下とする。該値が5.0未満の場合は、合金中にMmの偏析が生じ、耐食性が低い欠点がある。また、該値が5.4を超えると、水素吸蔵合金の水素吸蔵能が低下して該組成の合金粉末を水素吸蔵合金電極に適用した時に電極の容量が低い欠点がある。
【0017】
前記のように、本発明においては、水素吸蔵合金粉末に含まれるR2(R2は重希土類元素のうちの少なくとも1種の元素を示す)の濃度を、粉末の内部に比べて粉末の表面において高くすることが望ましい。ここでいう粉末の表面とは、合金粉末がアルカリ電解液と接触した時に合金が腐食を受けて合金を構成する一部の成分が溶出するために、合金の組成が元の組成と異なる組成に変化する領域を意味し、このような変化を受ける領域であれば粉末の表面からの深さに拘束されない。しかし、通常は粉末の表面からの距離が約500ナノメートル(nm)以下の領域をここでいう表面とみなすことができる。逆に、粉末の内部とは合金粉末がアルカリ電解液と接触しても組成の変化が起きない領域を意味し、具体的には粉末の表面からの距離が約600ナノメートル(nm)以上の領域を粉末の内部とみなすことができる。
【0018】
前記内部に比べて表面の重希土類元素R2がリッチな水素吸蔵合金粉末は、前記本発明に係る組成の合金粉末を高温、高濃度の化成アルカリ中に浸漬処理することによって得ることができる。該合金粉末は、アルカリ電解液中で表面に重希土類元素(R2)を含む不動態被膜を形成するため、耐食性が高いと考えられる。
【0019】
前記合金粉末表面に含まれる重希土類元素は、TEM(透過型電子顕微鏡)−EDSやESCA(光電子分光法)によって定量的に分析することができる。
【0020】
本発明においては、水素吸蔵合金中に含まれるNiの比率eは3.3以上4.4以下とすることが望ましい。該比率eが3.3未満および4.4を超える場合は、合金粉末の耐食性が劣る欠点があり、水素吸蔵合金電極のサイクル特性が低い欠点がある。
【0021】
本発明における水素吸蔵合金粉末に含まれるCoの比率fは、0.1以上1.2以下とする。fが0.1未満では合金粉末の耐食性が劣り、fが1.2を超えると水素吸蔵合金電極の活物質としての活性化が遅くなる欠点がある。
【0022】
本発明における前記希土類元素に属さない金属元素であるXは、Al、Cu、Fe、Mn、Ti、Zr、Cr、MoおよびBeのうち少なくとも1種の元素であることが好ましい。これらの金属元素元素は水素吸蔵合金に添加することによって、水素吸蔵合金の水素吸蔵能力を高めたり、水素吸蔵合金電極としての活性化を速めたり、水素吸蔵合金の耐食性を高めたりする効果がある。
【0023】
金属元素Xは、前記金属元素のうちでも特にMn、AlおよびFeが好ましい。Mnの存在は、水素吸蔵合金の水素吸蔵能力を高める効果がある。ただし、その反面合金の耐食性を低下させる。このような理由から、前記a+b+c+d=1.0あるいはa+b+c+d+h=1.0と表した時に、合金に含有させるMnの比率を0.1以上0.5以下とすることが好ましい。Alの存在は、水素吸蔵合金の耐食性を高めるのに有効である。その反面水素吸蔵合金電極の活性化が遅くなる欠点がある。このような理由から、前記a+b+c+d=1.0あるいはa+b+c+d+h=1.0と表した時に、合金に含有させるAlの比率を0.1以上0.5以下とすることが好ましい。Feの存在は、水素吸蔵合金を水素吸蔵合金電極の活物質材料と適用したときに電極の活性を高める効果がある。但し、Feの比率が多くなるに従い合金の耐食性が顕著に低下する。このような理由から、前記a+b+c+d=1.0あるいはa+b+c+d+h=1.0と表した時に、合金に含有させるFeの比率を0以上0.05以下とすることが好ましい。
【0024】
本発明に係る水素吸蔵合金に含有させる金属元素Xの比率gは0<gとする。前記の理由により、該範囲のうちでも0.2<g≦1.05とすることが好ましい。
【0025】
本発明に係る水素吸蔵合金電極は、前記本発明に係る水素吸蔵合金粉末をニッケルやニッケルメッキを施した金属製の穿孔板や発泡メタル等の対電解液性の基板に担持させたものである。
【0026】
本発明に係るニッケル水素蓄電池に適用するニッケル電極は、前記重希土類元素およびYのうちの少なくとも1種類の元素を含有したニッケル電極とすることが望ましい。該ニッケル電極を適用したニッケル水素蓄電池を、高温下で充電すると、ニッケル電極における酸素の発生が抑制される。該ニッケル電極を本発明に係る水素吸蔵合金電極と組み合わせたニッケル水素蓄電池は、従来のニッケル水素蓄電池に比較して顕著に水素吸蔵合金の腐食が抑制され耐久性に優れ、サイクル性能が顕著に優れたニッケル水素蓄電池となる。
【0027】
前記ニッケル電極に含まれる前記重希土類元素およびYのうちの、少なくとも1種類の元素は酸化物、水酸化物として含まれる。前記重希土類元素は、酸化物や水酸化物(水和した水酸化物も適用できる)としてニッケル電極に添加することが好ましい。特に酸化物が安価に入手でき、好ましい化合物である。
【0028】
【実施例】
以下実施例に基づいて本発明の詳細を説明する。
(実施例1)
(水素吸蔵合金の調整)
元素のモル比でLa0.60、Ce0.27、Pr0.01、Nd0.08、Yb0.04、Ni4.02、Co0.50、Mn0.30、Al0.32、Fe0.01を秤量し坩堝に投入し高周波溶解炉を用いてアルゴン雰囲気(不活性雰囲気)にて金属を溶解させて合金のインゴットを得た。該インゴットを粉砕して平均粒径40μmの合金粉末を得た。
【0029】
(水素吸蔵合金電極の作製)
前記水素吸蔵合金粉末100重量部に対して、平均粒径1μmのニッケルの微粉末3重量部、増粘剤であるメチルセルロース(MC)の1wt%水溶液20重量部と、結着剤であるスチレンブタジエンゴム1重量部とを加えて混練してペーストを調製した。
【0030】
水素吸蔵合金電極の基板には、ニッケル鍍金を施した厚さ70μm、開口径1.5mm、開口率40%の鋼板製の穿孔板を適用した。該基板の両面に前記ペーストを塗工した。塗工後の極板を乾燥し、厚さ1.1mmの極板を得た。該極板を2本のロールの間を通して、極板の仕上がり厚さが0.4mmになるようにプレス加工を施した。
【0031】
(ニッケル電極材料粉末の作製)
所定の方法に従いコバルトおよび亜鉛をそれぞれ水酸化物換算で3重量%および5重量%固溶状態で含有させた高密度水酸化ニッケルを核とし、表面に水酸化コバルトの被覆層を形成させた平均粒径が10μmの水酸化ニッケルを主成分とするニッケル電極材料粉末を用意した。なお、該材料粉末の表面に形成させた前記水酸化コバルトの被覆層の比率を6重量%とした。
【0032】
(ニッケル電極の作製)
得られたニッケル電極材料紛末80重量部に、濃度が1重量%のカルボキシメチルセルロース(CMC)水溶液20重量部を添加混練して、ニッケル電極活物質ペーストを作製した。該ペーストを厚さ1.4mm、目付量500g/m2の発泡ニッケル製多孔体基板に充填して乾燥した後、プレスして厚さを0.75mmに調整し、長尺帯状のニッケル電極用原板を得た。
【0033】
(水素吸蔵合金電極単板試験用セルの作製)
前記ニッケル電極と水素吸蔵合金電極をサイズ3cm×3cmに裁断し上辺の導電端縁に集電用タブを取り付けた。該水素吸蔵合金電極の両面に厚さ0.12mmの親水処理を施したポリプロピレン製不織布を介して所定寸法に裁断したニッケル電極を積層させた。ニッケル電極と水素吸蔵合金電極の充填容量の比、正極容量/負極容量の比が4になるように設定した。6.8モル/lのKOHと0.8モル/lのLiOHを含む電解液を所定量注入し、参照電極として酸化水銀電極(Hg/HgO)を挿入して水素吸蔵合金電極単板試験用セルとした。
【0034】
(水素吸蔵合金電極単板試験用セルの化成)
得られたニッケル水素蓄電池を温度20℃において12時間エージングした後、以下に記述する条件にて化成をおこなった。初回の充電は、1/50ItAの充電電流で10時間充電し、その後、1/10ItAの充電電流にて10時間充電した。次いで1/5ItAの放電電流にて水素吸蔵合金電極の参照電極に対する電位が−0.6Vに至った時を放電終止として放電した。2サイクル目以降は、充電を1/10ItAの充電電流にて12時間充電、1/5ItAの放電電流にて前記の放電終止条件にて放電した。該サイクルを1サイクルとし、初回の充放電を含めて10サイクル充放電を繰り返し実施した。
【0035】
(円筒型ニッケル水素蓄電池の作製)
前記ニッケル電極の原板を所定の寸法に裁断してニッケル電極とした。活物質充填量から算定されるニッケル電極の容量は、1600mAhであった。前記水素吸蔵電極の原板を所定の寸法に裁断して水素吸蔵合金電極とした。前記ニッケル電極と水素吸蔵合金電極を厚さ0.12mmの親水処理を施したポリプロピレ製不織布を介して積層し、これを捲回して極板群とした。該極板群の負極(水素吸蔵合金電極)と正極(ニッケル電極)の容量の比が1.6対1となるようにした。極板群に正極用集電端子を取り付け金属製電槽に挿入し、6.8モル/lのKOHと0.8モル/lのLiOHを含む電解液を所定量注入した後封口して円筒型の密閉式ニッケル水素電池とした。
【0036】
(円筒型ニッケル水素蓄電池の化成)
得られたニッケル水素蓄電池を温度40℃において12時間エージングした後、以下に記述する条件にて化成をおこなった。初回の充電は、1/50ItA(32mA)の充電電流で10時間充電し、その後、1/10ItA(160mA)の充電電流にて10時間充電した。次いで1/5ItA(320mA)の放電電流にて放電終止電圧を1.0Vとして放電した。2サイクル目以降は、充電を1/10ItA(160mA)の充電電流にて12時間充電、1/5ItA(320mA)の放電電流にて放電終止電圧を1.0Vとして放電した。該サイクルを1サイクルとし、初回の充放電を含めて10サイクル充放電を繰り返し実施した。
【0037】
(実施例2〜実施例6)
水素吸蔵合金を調整する時の金属元素の仕込量(モル比)を表1の実施例2〜実施例6に示した通りとした。それ以外は、実施例1と同じとした。
【0038】
(比較例1〜比較例3)
水素吸蔵合金を調整する時の金属元素の仕込量(モル比)を表1の比較例1〜比較例4に示した通りとした。それ以外は、実施例1と同じとした。表1に実施例1〜実施例6と比較例1〜比較例3の試作内容をまとめて示す。なお、表1においては、Mn、Al、Feの比率であるMn0.30、Al0.32、Fe0.01を合わせてX0.63として表示した。
【0039】
【表1】
【0040】
(実施例7、実施例8)
水素吸蔵合金を調整する時の金属元素の仕込量(モル比)を表2の実施例7、実施例8に示した通りとした。それ以外は、実施例1と同じとした。
【0041】
(比較例4、比較例5)
水素吸蔵合金を調整する時の金属元素の仕込量(モル比)を表2の比較例4、比較例5に示した通りとした。それ以外は、実施例1と同じとした。比較例5は、従来の水素吸蔵合金組成の1典型例として示した。
【0042】
【表2】
【0043】
(実施例9〜実施例19)
水素吸蔵合金を調整する時の金属元素の仕込量(モル比)を表3の実施例9〜実施例19に示した通りとした。それ以外は、実施例1と同じとした。
【0044】
【表3】
【0045】
(実施例20〜実施例23)
水素吸蔵合金を調整する時の金属元素の仕込量(モル比)を表4の実施例20〜実施例23に示した通りとした。それ以外は、実施例1と同じとした。
【0046】
(比較例6〜比較例9)
水素吸蔵合金を調整する時の金属元素の仕込量(モル比)を表4の比較例6〜比較例9に示した通りとした。それ以外は、実施例1と同じとした。
【0047】
【表4】
【0048】
(実施例24〜実施例27)
水素吸蔵合金の成分としてMgを加えた。水素吸蔵合金を調整する時の金属元素の仕込量(モル比)を表5の実施例24〜実施例27に示した通りとした。それ以外は、実施例1と同じとした。
【0049】
【表5】
【0050】
(実施例28)
水素吸蔵合金を調整する時の金属元素の仕込量(モル比)を表1の実施例2と同じとした。得られた水素吸蔵合金粉末100gを温度100℃に保った6.8モル/lのKOHと0.8モル/lのLiOHを含む水溶液200mlに1時間浸漬してその間溶液を撹拌した。その後水洗しアルカリを除去し、真空乾燥を行った。それ以外は実施例2と同じとした。
(水素吸蔵合金粉末中の重希土類元素の分析)
前記TEM-EDSを用いて得られた水素吸蔵合金粉末に含まれる元素分析を行った。なお、ここではアルカリ浸漬直後の水素吸蔵合金を対象として分析したが、電池に組み込んだ後化成を含めて充放電サイクル数が30サイクル以下の電池を解体して回収した水素吸蔵合金粉末を対象として分析してもほぼ同様の結果が得られる。
【0051】
(実施例29〜実施例33)
(ニッケル電極材料粉末の作製)
前記実施例2においてコバルトおよび亜鉛を固溶状態で含有させ、表面に水酸化コバルトからなる被覆層を形成させた水酸化ニッケル粉末97重量部に、それぞれ平均粒径約5μmのEr2O3、Tm2O3、Yb2O3、Lu2O3、Y2O3を3重量部を添加混合して正極材料粉末とした。それ以外は実施例2と同じとした。それぞれを実施例29〜実施例23とする。
【0052】
(実施例34)
正極には、前記実施例31と同じYb2O3を混合添加した正極材料粉末を適用したニッケル電極を用い、負極には前記実施例28と同じKOHとLiOHを含むアルカリ水溶液に浸漬処理した水素吸蔵合金粉末を適用した水素吸蔵合金を適用し、それ以外は実施例2と同様にしてニッケル水素蓄電池を作製した。
【0053】
(比較例10)
(ニッケル電極材料粉末の作製)
前記実施例30と同じ水酸化ニッケル粉末97重量部に、平均粒径約5μmのYb2O3を3重量部混合添加したニッケル電極と水素吸蔵合金電極には前記比較例1と同じ水素吸蔵合金電極を組み合わせてニッケ水素蓄電池を構成した。
表4に実施例29〜実施例34および比較例10の試作内容をまとめて示す。
【0054】
【表6】
【0055】
(水素吸蔵合金電極の単板試験)
化成終了後の水素吸蔵合金電極の単板試験用セルを、温度20℃において水素吸蔵合金電極の充填容量基準で0.2ItAの電流で120%充電し、同じく0.2ItAの電流で水素吸蔵合金電極の参照電極基準の電位が−0.6Vになるまで放電した。該充放電サイクルを5サイクル繰り返し行い、安定した容量が得られたことを確認した。後述の試験結果は化成終了後5サイクル目の容量を示した。
【0056】
(円筒型ニッケル水素蓄電池の充放電サイクル試験)
化成終了後の実施例電池および比較例電池を、温度20℃において充放電サイクル試験に供した。充電はItAの電流で1.2時間行い、放電はItAの電流にて放電終止電圧を1.0Vとして実施した。該充放電サイクルを1サイクルとして、サイクルを繰り返し実施した。放電容量が初期の80%に低下した時点をもってサイクル寿命とした。
【0057】
(高温における充放電試験)
化成終了後の実施例電池および比較例電池を6個用意し、3個を温度20℃において別の3個を50℃において充放電試験に供した。充電は0.2ItAの電流で6時間行い、放電は0.2ItAの電流にて放電終止電圧を1.0Vとして実施した。5サイクル充電放電を繰り返し行い安定した容量が得られたことを確認した。後述の試験結果は、化成終了後5サイクル目の50℃の容量と20℃の容量の比で示した。
【0058】
(円筒型ニッケル水素蓄電池の高温での充放電サイクル試験)
化成終了後の実施例電池および比較例電池を、温度40℃において充放電サイクル試験に供した。充電はItAの電流で1.2時間行い、放電はItAの電流にて放電終止電圧を1.0Vとして実施した。該充放電サイクルを1サイクルとして、サイクルを繰り返し実施した。
【0059】
(水素吸蔵合金電極の単板試験および円筒型蓄電池のサイクル試験結果)
表7〜表12に試験結果を示す。
【表7】
【0060】
表7に示す通り、水素吸蔵合金電極の単板試験によれば本発明の実施例1〜実施例6に係る水素吸蔵合金電極は、水素吸蔵合金1g当たり何れも280mAh/gを超える容量を示し、従来の典型的な例(表2に示した比較例5)とほぼ同等かまたはそれを上回る容量を有する。且つ、本発明に係る水素吸蔵合金を用いて作製した水素吸蔵合金電極を適用した円筒型ニッケル水素蓄電池は、充放電サイクルが400サイクルを超えており、前記比較例5や比較例3のサイクル性能を上回る性能を有している。水素吸蔵合金中のLaの比率の小さい比較例1は、容量が小さく、逆にLaの比率の大きい比較例2はサイクル性能が劣る。
【0061】
図1に水素吸蔵合金のLaの比率と水素吸蔵合金電極の単板試験における容量、ニッケル水素蓄電池のサイクル性能の関係を示した。図1に示す如く、Laの比率aが0.6〜0.9の領域で容量、サイクル性能共に優れており、0.6≦a≦0.9が良いことが判る。
【0062】
表7に示す通り、水素吸蔵合金中のCeの比率bを0.05≦bとした実施例3、実施例4、実施例5とb=0.01とした比較例3を比較すると何れの実施例も比較例1とほぼ同等の容量を有し、且つ比較例4に比べて優れたサイクル性能を示す。図2に水素吸蔵合金のCeの比率bと水素吸蔵合金電極の単板試験における容量、ニッケル水素蓄電池のサイクル性能の関係を示した。図2に示したように、水素吸蔵吸蔵合金中のCeの比率bは、0.05≦bの範囲においてサイクル性能が良いことが判る。
【0063】
【表8】
【0064】
表8に示す通り、実施例7および実施例8は、サイクル性能において比較例4および比較例5を上回っている。このことから水素吸蔵合金中のYbの存在がサイクル性能向上に有効であることが判る、但し、Ybの比率dを0.08と大きくするとdを0.06とした実施例8や、dを0.01とした実施例7と比べてサイクル性能が低下しており、dの値が高すぎても良くないことがわかる。図3に水素吸蔵合金のYbの比率dと水素吸蔵合金電極の単板試験における容量、ニッケル水素蓄電池のサイクル性能の関係を示した。図3に示したように、Ybの比率dが0.01〜0.06の領域で容量、サイクル性能共に優れており、0.01≦d≦0.06が良いことが判る。
【0065】
【表9】
【0066】
表9に示す通り、本発明の実施例9〜実施例19に係る水素吸蔵合金電極は、何れも280mAh/gを超える容量を示し、従来のものに比べて同等以上の容量を有する。且つ、本発明に係る水素吸蔵合金を用いて作製した水素吸蔵合金電極を適用した円筒型ニッケル水素蓄電池は、充放電サイクルが400サイクルを超えており、前記いずれの比較例電池と比べても比較例を上回るサイクル性能を有している。このことから、前記R2としてEu以下LuおよびY、ErとTmの2種類、ErとYbの2種類の元素を含むいずれの場合も放電容量が従来と同等以上であり、サイクル性能において優れていることが判る。
【0067】
【表10】
【0068】
表10に示すように、Niの比率e、Coの比率f、Sの比率gの和e+f+gが4.9と低い比較例8は、放電容量は高いが、サイクル性能が劣る。逆にe+f+gが5.5と高い比較例9は、容量が低い欠点があることが判る。図4にe+f+gの値と水素吸蔵合金電極の単板試験における容量、ニッケル水素蓄電池のサイクル性能の関係を示した。e+f+gの値が5.0〜5.4の領域で容量、サイクル性能共に優れており、5.0≦e+f+g≦5.4が良いことが判る。
【0069】
Niの比率が3.12と低く、Coの比率が1.4と高い比較例7は、放電容量、サイクル性能共に劣る。図5に水素吸蔵合金中のCoの比率fの値と水素吸蔵合金電極の単板試験における容量、ニッケル水素蓄電池のサイクル性能の関係を示した。Coの比率fが0.10〜1.2の領域で容量、サイクル性能共に優れており、0.1≦f≦1.2が良いことが判る。
【0070】
また、図6に水素吸蔵合金中のNiの比率eの値と水素吸蔵合金電極の単板試験における容量、ニッケル水素蓄電池のサイクル性能の関係を示した。Niの比率eが3.3〜4.4の領域で容量、サイクル性能共に優れており、3.3≦e≦4.4が好ましいことが判る。
【0071】
【表11】
【0072】
表11に示したように本発明の実施例24〜実施例27に係る水素吸蔵合金は、何れも290mAh/gを超える容量を示し、従来のものに比べて同等以上の容量を有する。且つ、実施例24、実施例25および実施例27に係る水素吸蔵合金を用いて作製した水素吸蔵合金電極を適用した円筒型ニッケル水素蓄電池は、500サイクルを超えるサイクル性能を有しサイクル性能において従来に比べて高い性能を有する。実施例24および実施例25は、Mgを含有しない水素吸蔵合金を用いた実施例17に比べて容量、サイクル性能共に勝る。また、実施例27もMgを含有しない実施例2に比べて容量、サイクル性能共に勝る。このことから、水素吸蔵合金中に希土類元素に加えてMgを含ませることが有効であることが判る。但し、水素吸蔵合金のMgの比率を0.07と高くした実施例26は、容量、サイクル性能共に実施例24、実施例25に比べて劣る。
【0073】
図7にMgの比率hと水素吸蔵合金電極の単板試験における容量、ニッケル水素蓄電池のサイクル性能の関係を示した。hの値が0〜0.04の領域で容量、サイクル性能共に優れており、0<h≦0.04が望ましいことが判る。
【0074】
表12に実施例2および実施例28に係る水素吸蔵合金の、粉末の表面および粉末の内部の分析結果を示す。
【表12】
【0075】
表12に示す通り、実施例2の水素吸蔵合金粉末は,表面からの深さが200nm、400nm、600nmいずれの部分においてもYbの比率が同じである。これに対して実施例28に係る水素吸蔵合金粉末においては、表面からの深さが200nm、400nmにおけるYbの比率が600nm前記粉末の表面のYbの含有比率が高い、つまり前記粉末内部に比べて表面のYbの含有比率高い値であることが判る。
【0076】
表13に実施例2および実施例28の水素吸蔵合金電極の単板試験における容量、ニッケル水素蓄電池のサイクル性能を示した。
【表13】
【0077】
表13に示す如く、本発明の実施例28に係る水素吸蔵合金を適用したニッケル水素蓄電池は、サイクル性能が顕著に優れている。実施例28の場合、合金粉末の表面がYbリッチであり、Ybを含む不動態化被膜によって被覆されたことにより、合金の耐食性が向上したことによると考えられる。なお、実施例28ではR2がYbの場合の例を示したが、R2がYまたはYb以外の前記重希土類元素の場合も同様の効果が得られる。
【0078】
表14に実施例2、実施例29〜実施例34および比較例10に係るニッケル水素蓄電池の高温充放電試験結果とサイクル性能を示した。
【表14】
【0079】
表14に示した如く、実施例29〜実施例33に係る希土類元素を含むニッケル電極を適用したニッケル水素蓄電池は、希土類元素を含まないニッケル電極を適用した実施例2のニッケル水素蓄電池と比較して50℃での充放電性能、40℃での充放電サイクル性能共に優れている。実施例29〜実施例33の場合は、ニッケル電極の充電受け入れ性が良く、充電の過程においてニッケル電極での酸素発生が抑制されたことと耐久性に優れた水素吸蔵合金電極を適用することによって、サイクル性能が顕著に向上したと考えられる。
【0080】
なお、実施例29〜実施例33においては、ニッケル電極に添加する物質としてYb等表6に示した重希土類元素およびYの酸化物を適用したが、該希土類元素の水酸化物を適用することも有効である。また実施例では水酸化ニッケル粉末97重量部に前記希土類元素の酸化物を3重量部を混合添加したが、本発明はこれに限定されるものではなく、水酸化ニッケル粉末90〜99重量部、Yb等前記希土類元素の化合物のうちの少なくとも1種類を1〜10重量部の範囲で混合添加するのが有効である。
【0081】
実施例34に係るニッケル水素蓄電池は、50℃放電での放電容量は実施例29〜実施例33とほぼ同等であるが、40℃におけるサイクル性能において実施例29〜実施例33を顕著に上回る性能(サイクル寿命)を示す。また、前記20℃での充放電サイクル試験においても、サイクル寿命が前記実施例28の680サイクル、実施例31の570サイクルに比べて720サイクルと顕著に上回るサイクル性能を示す。
【0082】
この結果は、前記実施例28の評価結果において記述した水素吸蔵合金の耐食性向効果と、実施例29〜実施例33の評価結果で記述したニッケル電極の酸素発生抑制効果が相俟ってサイクル性能向上において顕著な効果が得られたことを示すものと考えられる。
【発明の効果】
【0083】
本発明の請求項1に係る水素吸蔵合金粉末は、従来の水素吸蔵合金粉末に比べて単位重量あたりの容量が同等以上であり、耐久性が良く充放電サイクル特性に優れたニッケル水素蓄電池を可能にするものである。
【0084】
本発明の請求項2に係る水素吸蔵合金粉末は、特に耐久性に優れた水素吸蔵合金粉末である。
【0085】
本発明の請求項3に係るアルカリ蓄電池用負極は、耐久性に優れ、容量および活性化の速さにおいても従来の水素吸蔵合金に同等以上の水素吸蔵合金である。
【0086】
本発明の請求項4に係る水素吸蔵合金は、アルカリ電解液に対する耐食性において特に優れ、充放電サイクル特性に優れたニッケル水素蓄電池を可能にするものである。
【0087】
本発明の請求項5に係る水素吸蔵合金電極は、従来の水素吸蔵電極に比べて同等以上の容量を保持し、サイクル性能の優れた水素吸蔵合金電極である。
【0088】
本発明の請求項6に係るニッケル水素蓄電池は、従来の電池に比べて同等以上の容量を保持し、サイクル性能の優れたニッケル水素蓄電池である。
【0089】
本発明の請求項7に係るニッケル水素蓄電池は、高温での充放電性能および高温および常温での充放電サイクル性能の優れたニッケル水素蓄電池である。
【図面の簡単な説明】
【図1】水素吸蔵合金に含まれるLaの比率aと水素吸蔵合金粉末の容量、およびニッケル水素蓄電池のサイクル性能の関係を示すグラフである。
【図2】水素吸蔵合金に含まれるCeの比率bと水素吸蔵合金粉末の容量、およびニッケル水素蓄電池のサイクル性能の関係を示すグラフである。
【図3】水素吸蔵合金に含まれるYbの比率dと水素吸蔵合金粉末の容量、およびニッケル水素蓄電池のサイクル性能の関係を示すグラフである。
【図4】水素吸蔵合金に含まれるNi、CoおよびSの比率の和e+f+gと水素吸蔵合金粉末の容量、およびニッケル水素蓄電池のサイクル性能の関係を示すグラフである。
【図5】水素吸蔵合金に含まれるCoの比率fと水素吸蔵合金粉末の容量、およびニッケル水素蓄電池のサイクル性能の関係を示すグラフである。
【図6】水素吸蔵合金に含まれるNiの比率eと水素吸蔵合金粉末の容量、およびニッケル水素蓄電池のサイクル性能の関係を示すグラフである。
【図7】水素吸蔵合金に含まれるMgの比率hと水素吸蔵合金粉末の容量、およびニッケル水素蓄電池のサイクル性能の関係を示すグラフである。
Claims (7)
- CaCu5型の結晶構造を有し、La、Ce、Yと原子番号が63以上のランタノイドのうち少なくとも1種の元素、NiおよびCoを必須成分とし、R1を原子番号59〜62のランタノイドのうちの少なくとも1種の元素とし、R2をYと原子番号が63以上のランタノイドのうちの少なくとも1種の元素とし、Xを希土類に属さない少なくとも1種類の金属元素とし、組成式LaaCebR1cR2dNieCofXgで表した時に、前記組成式においてa〜gは成分比率(モル比)を表し、a+b+c+d=1.0であり、0.6≦a≦0.9、0.05≦b、0≦c、0.01<d≦0.06であり、5.0≦e+f+g≦5.4であって、0.1≦f≦1.2、0<gで示されることを特徴とする水素吸蔵合金粉末。
- 前記請求項1記載の水素吸蔵合金において、さらにMgを必須成分として含み、組成式LaaCebR1cR2dMghNieCofXgで表した時に、前記組成式においてa〜hは成分比率(モル比)を表し、a+b+c+d+h=1.0であり、0.6≦a≦0.9、0.05≦b、0≦c、0<h<0.04、0.01<d≦0.06であり、5.0≦e+f+g≦5.4、0.1≦f≦1.2、0<gで示されることを特徴とする請求項1記載の水素吸蔵合金粉末。
- 前記組成式LaaCebR1cR2dNieCofXgおよびLaaCebR1cR2dMghNieCofXgの金属元素XがMn、Al、Feのうち、少なくとも1種の元素であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水素吸蔵合金粉末。
- 前記請求項1または請求項2に記載の組成を有する水素吸蔵合金粉末であって、該粉末に含まれるR2(R2はYと原子番号が63以上のランタノイドのうちの少なくとも1種の元素を示す)の濃度が、粉末の内部に比べて粉末の表面において高いことを特徴とする水素吸蔵合金粉末。
- 請求項1,請求項2、請求項3または請求項4に記載の水素吸蔵合金粉末を耐アルカリ電解液性の金属からなる基板に担持させたことを特徴とする水素吸蔵合金電極。
- ニッケル電極を正極とし、請求項5に記載の水素吸蔵合金電極を負極とするニッケル水素蓄電池。
- 前記ニッケル電極が、Er、Tm、Yb、Lu、Yのうちの少なくとも1種類の元素を含有することを特徴とする請求項6に記載のニッケル水素蓄電池。
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