JP3649423B2 - インクジェット用記録シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット用記録シートに関し、特に、水性インクの吸収性に優れ、安定した高品位な印字画像を与え、且つ搬送性、ブロッキング性、耐水性、耐湿性に優れるインク受容層を有するインクジェット用記録シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、種々の作動原理、例えば、静電吸引方式、圧電素子を用いてインクに機械的振動又は変位を与える方式、インクを加熱して発泡させ、その圧力を利用する方式等によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の記録シートに付着させ、画像や文字等の記録を行うものであり、高速印字や騒音の発生が少なく、高品位印字及び多色印字の行える記録方式として種々の用途に急速に普及している。
【0003】
このようなインクジェット記録に用いられる記録シートには、記録シート上に付着したインクが滲みや流れを発生し印字品位を損ねることが無いように、紙等の基材シートにインク吸収を速やかにし、明瞭なインクドットが形成されるように、種々の顔料と樹脂とを主成分とするインク受容層を設けたもの、或いは紙自身に多孔質の顔料をすきこんだ記録用シート等が提案されている。
【0004】
例えば、特開昭57−82085号公報には、顔料として無機顔料と有機顔料とを併用し、水溶性高分子からなるインク受容層が、又、特開昭62−268682号公報には、微粉末シリカとシラノール基を有するポリビニルアルコール共重合体よりなるインク受容層を設けることがそれぞれ開示されている。
【0005】
しかし、装置の高速化、高精細化或いはフルカラー化等のインクジェット記録装置の性能の向上や用途の拡大に伴い、インクジェット用記録シートにも次のような高度な特性を併せ持つことが要求されるようになった。
(1)インクの吸収が速く、且つ吸収容量が大きいこと、
(2)インクの発色性が高いこと、
(3)インク受容層の表面強度が高いこと、
(4)支持体が耐水性を有し、インクにより支持体に凹凸やカールを生じないこと、
(5)インク受容層が画像印字後に耐水性、耐オゾン性等の画像保存性が良いこと、及び
(6)インク受容層が経時変化しないものであること。
【0006】
従来、これらの要求を満たすためにインクジェット用記録シートに設けるインク受容層の成分として、インク吸収性に優れた多孔質顔料や水溶性高分子を使用したり、インク受容層の耐水性向上のためにラテックスを使用したり、更には支持体自体に耐水性を有する合成紙やプラスチック等を用いることが実施及び検討されてきた。
【0007】
しかしながら、支持体に紙を用いたり、水性高分子のみをインク受容層として用いたものは、インク受容層の耐水性が悪く、印字部分が滲み、画像の鮮明性に劣る。一方、支持体に合成紙やプラスチックフィルムを用いたり、インク受容層の樹脂にラテックスを使用したものについては、インク受容層と支持体の接着性やインクの吸収性や乾燥性に問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はインクジェット用記録シートに関し、特に、水性インクの吸収性に優れ、且つインクの形状がシャープで、インクの発色性に優れ、安定した高品位な印字画像を与え、更に搬送性、ブロッキング性、耐水性や耐湿性に優れるインク受容層を有するインクジェット用記録シートの提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明はインクジェット記録に使用される基材シートの片面に、少なくとも一層のインク受容層を設けたインクジェット用記録シートにおいて、インク受容層が、親水性ポリウレタン樹脂又は親水性ポリウレア樹脂又は親水性ポリウレタン−ポリウレア樹脂を用い、上記樹脂を乳化(O/W又はW/O)させ、基材シートに塗布及び成膜させる方法により形成された多孔質の上記の樹脂からなることを特徴とするインクジェット用記録シートである。
【0010】
一般に、インクジェット用記録シートの印字画像の解像度は、インク吸収量に依存しており、インクの吸収性が高すぎると、印字画像濃度が低下するとともに、鮮明性や発色性が低下して解像度が劣るようになる。一方、インク吸収性が低すぎると印字濃度は高くなるが、濃度ムラや滲みにより印字画像の品質が低下したりインク乾燥時間が長くなるといった欠点がある。
【0011】
本発明者らは、上記の如き従来のインクジェット用記録シートの問題点を解決するために、種々検討を重ねた結果、水性インクの吸収性に優れ、且つインクドットの形状がシャープで、インクの発色性に優れ、安定した高品位な印字画像を与え、更に搬送性、ブロッキング性、耐水性、耐湿性に優れるインク受容層を有するインクジェット用記録シートが得られることを見出した。
本発明によれば、インク受容層に多孔質の親水性樹脂を使用することにより、毛細管現象により水性インクの吸水性を高め、高品位な印字画像を与えるとともに、搬送性、ブロッキング性等に優れた性能を有するインクジェット用記録シートが提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳しく説明する。
本発明のインクジェット用記録シートにおいて、インク受容層を構成する樹脂成分は、多孔質親水性ポリウレタン樹脂又は多孔質親水性ポリウレア樹脂又は多孔質親水性ポリウレタン−ポリウレア樹脂である。
【0013】
本発明において多孔質インク受容層を形成する親水性ポリウレタン樹脂又は親水性ポリウレア樹脂又は親水性ポリウレタン−ポリウレア樹脂は従来公知の方法に準じて得ることができる。
これらの好ましいものについて更に具体的に説明すると、親水性ポリウレタン樹脂、親水性ポリウレア樹脂及び親水性ポリウレタン−ポリウレア樹脂は、ポリオール及び/又はポリアミンとポリイソシアネートとを反応させることによって得られる。
【0014】
本発明において好ましいポリオール及びポリアミンとしては、末端基が水酸基かアミノ基であり、分子量が200乃至8,000の範囲の親水性化合物である。
末端が水酸基で親水性を有するものとしては、例えば、
ポリエチレングリコール、
ポリエチレングリコール/ポリテトラメチレングリコール共重合ポリオール、
ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール共重合ポリオール、
ポリエチレングリコールアジペート、
ポリエチレングリコールサクシネート、
ポリエチレングリコール/ポリ−ε−カプロラクトン共重合ポリオール及び
ポリエチレングリコール/ポリ−バレロラクトン共重合ポリオール等が挙げられる。
【0015】
末端がアミノ基で親水性を有する化合物としては、例えば、
ポリエチレンオキサイドジアミン、
ポリエチレンオキサイドプロピレンオキサイドジアミン、
ポリエチレンオキサイドトリアミン、
ポリエチレンオキサイドプロピレンオキサイドトリアミン等が挙げられる。
【0016】
但し、親水性ポリウレタン樹脂、親水性ポリウレア樹脂又は親水性ポリウレタン−ポリウレア樹脂を合成するに際しては、形成するインク受容層の耐水性を保持するために親水性鎖を有しない他のポリオールやポリアミン、そしてシリコーンポリオールやパーフロロアルキルポリオール等を共重合させることも可能である。
【0017】
上記ポリオールと反応させる有機イソシアネートとしては、従来公知のいずれのものも使用でき、或いはこれらの有機ポリイソシアネートと低分子量のポリオールやポリアミンとを末端イソシアネートとなるように反応させて得られるウレタンプレポリマー等も当然使用することができる。又、鎖伸長剤としては、従来公知のいずれの低分子ジオールや低分子アミン等が挙げられる。
上記の如き材料から得られる、親水性ポリウレタン樹脂又は親水性ポリウレア樹脂又は親水性ポリウレタン−ポリウレア樹脂の好ましい分子量は1万乃至50万であり、最も好ましくは分子量2万乃至20万である。
【0018】
本発明において多孔質インク受容層を得る方法としては、上記の親水性ポリウレタン樹脂又は親水性ポリウレア樹脂又は親水性ポリウレタン−ポリウレア樹脂を含む塗布液を調製し、これを基材に塗布及び成膜する方法が挙げられる。上記樹脂を含む塗布液を調製し、インク受容層を形成する方法としては下記のような代表的な方法が挙げられる。
【0019】
(1)上記樹脂を乳化(O/W又はW/O)させ、基材シートに塗布及び成膜させる方法、
(2)上記樹脂に、有機溶剤に部分的に溶解部分と非溶解部分を持たせ、有機溶剤による溶解性の差により樹脂の分散液とし、これを基材シートに塗布及び成膜させる方法、
(3)上記樹脂を水に親和性のある有機溶剤に溶解した溶液を基材シートに塗布し、この基材シートを水中に浸漬して溶剤を除去して成膜させる方法
【0020】
本発明のインクジェット用記録シートの基材としては、紙、プラスチックフィルム、ガラス、布、木材、金属等が用いられる。紙としては、例えば、上質紙、中質紙、コート紙、キャストコート紙等が挙げられる。又、プラスチックフィルムとしては、ポリエステル、セルローストリアセテート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリメチルメタアクリレート等の50乃至250μmのシート等を挙げることができる。又、必要に応じて基材に対する接着性を付与するプライマー層や非受容層側である基材シートの裏面にカール防止層や摩擦係数を改良する滑性層を設けることもできる。
【0021】
インク受容層を構成する樹脂成分としては、前述の樹脂単独でもよいが、インクジェット用インクの組成により、親水性及び/又は吸水性を更に付与するか、或いは調整する意味で、水溶性高分子を組み合わせて使用してもよい。ここで使用される水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、CMC、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、澱粉、カチオン澱粉、ゼラチン、カゼイン、アクリル酸系重合体等が挙げられる。
【0022】
又、インク受容層や印字画像に耐水性や耐久性を更に付与する目的で、前記樹脂に疎水性の高分子を組み合わせて使用してもよい。ここで使用される疎水性高分子としては、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等の如く一般に使用されている合成樹脂が挙げられる。
【0023】
更に、インク受容層のインクの吸収性、定着性、発色性、更にはブロッキング性、耐水性を向上させる目的で無機や有機の顔料或いは樹脂粒子を添加することができる。使用される顔料や樹脂粒子としては、例えば、カオリン、デラミカオリン、水酸化アルミニウム、シリカ、珪藻土、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、アルミナ、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、コロイダルシリカ、ゼオライト、ベントナイト、セリサイト、リトポン等の鉱物質顔料、多孔質顔料やポリスチレン樹脂、尿素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリウレタン樹脂、その他有機顔料等の微粒子、多孔質微粒子、及び中空粒子等の公知の顔料や樹脂粒子の中からインクジェット用記録シートの品質設計に応じて1種又は2種以上が適宜使用される。
この場合、これら顔料や樹脂粒子の使用量は、樹脂組成物全固形分の0〜95%重量%、好ましくは10〜90重量%の範囲で配合される。
【0024】
更に、必要に応じて、インク受容層中には樹脂や顔料の他に増粘剤、離型剤、浸透剤、湿潤剤、熱ゲル化剤、サイズ剤、消泡剤、抑泡剤、発泡剤、着色剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、クエンチャー剤、防腐剤、帯電防止剤、架橋剤、分散剤、滑剤、可塑剤、pH調整剤、流動性改良剤、固化促進剤、耐水化剤等の各種助剤を適宜配合することも可能である。
【0025】
本発明のインクジェット用記録シートは、多孔質インク受容層の形成方法により、基材への塗布や貼り合わせによって得ることができる。形成される多孔質インク層の厚みとしては1乃至2,000μmが好ましい。厚みが1μm未満ではインクの吸収が不十分となり、高品位な印字画像が得られなくなる、又、厚みが2,000μm以上では厚さによる濃度の低下や、インク受容層の折れ割れやカール等の問題が発生し易くなる。
【0026】
【実施例】
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、文中部又は%とあるのは重量基準である。
実施例1
(乳化による方法:O/Wタイプ)
ポリテトラメチレングリコール(分子量:1,970)70部とポリエチレングリコール(分子量2,040)230部及びトリメチロールプロパン2部に76部の水添加MDIを加え、90℃で5時間反応させ、末端イソシアネートのプレポリマーが得られた。得られた生成物の遊離イソシアネート基を定量すると、理論値が2.65%であるのに対して実測値は2.44%であった。
【0027】
得られたプレポリマー100部にトルエン30部及び界面活性剤(エマルゲン;花王製)2部を添加して均一に溶解した後、3.4部のイソホロンジアミンを水30部に溶解した水溶液を、室温下(24℃)で溶液を約6,000rpmの高速攪拌下で徐々に添加する。添加終了後、ホモミキサーで高速攪拌下、水370部を加えて平均分子量約12万の乳白色ポリウレタン−ポリウレア樹脂分散液を得た。
【0028】
この分散液100部にアニオン系整泡剤(サンノプコ社製)1部を添加したものをホモミキサーで攪拌して空気による均一な気泡を形成させた分散液を、厚さ80μmの合成紙(商品名;ユポFPG−80/王子油化合成紙社製)上に、固形分塗工量30g/m2となるようにバーコーターで塗工乾燥し、均一な多孔質インク受容層を有する本発明のインクジェット用記録シートを得た。
【0029】
実施例2
(乳化による方法:W/Oタイプ)
ポリテトラメチレングリコール(分子量;1020)50部、ポリエチレングリコール(分子量2,040)150部及びエチレングリコール6部を、メチルエチルケトン350部に溶解し、70℃でよく攪拌しながらジフェニルメタンジイソシアネート54部を添加する。添加終了後、更にメチルエチルケトン257部を加え、80℃で6時間反応させ、平均分子量が9万8千である固形分30%のポリウレタン樹脂溶液を得た。
【0030】
次に、ウレタン系乳化剤16部及びトルエン172部を加えて、ホモミキサーで高速攪拌下、水690部を加えて乳白色のポリウレタン樹脂分散液を得た。この分散液を厚さ80μmの合成紙(商品名;ユポFPG−80/王子油化合成紙社製)上に、固形分塗工量30g/m2となるようにバーコーターで塗工し、最初60℃で乾燥し、次に130℃で乾燥させることにより、均一な多孔質インク受容層を有する本発明のインクジェット用記録シートを得た。
【0031】
参考例3
(溶解性の差による方法)
ポリエチレングリコール(分子量2,040)200部及び1,4−ブタンジオール15部をトルエン250部とメチルエチルケトン250部に溶解し、70℃でよく攪拌しながらジフェニルメタンジイソシアネート66部を添加する。添加終了後、更にメチルエチルケトン340部を加え、80℃で6時間反応させると反応の進行とともに溶液は乳白色となる。その後、攪拌しながら常温まで冷却し、固形分25%の1〜3μmの微粒子が均一に分散した乳白色ポリウレタン樹脂溶液を得た。この溶液を実施例1と同様に、固形分塗工量30g/m2となるように塗布乾燥し、均一な多孔質インク受容層を有する本発明のインクジェット用記録シートを得た。
【0032】
参考例4
(水中浸漬法による方法)
ポリエチレンオキサイド(テキサコケミカル、ジェファーミンED;分子量2,000)200部及びプロピレンジアミン10部をジメチルホルムアミド350部に溶解し、内温を0〜5℃としてよく攪拌しながら、61部の水添加MDIを280部のジメチルホルムアミドに溶解したものを徐々に滴下して反応させた。滴下終了後、次第に内温を上昇させ、50℃に達したところで更に5時間反応させて、平均分子量が12万である固形分30%の淡黄色透明なポリウレア樹脂溶液を得た。この溶液を実施例1と同様に合成紙上に固形分塗工量30g/m2となるようにバーコーターで塗工し、40℃のジメチルホルムアミド/水(=1/1)の浴の中に浸漬した後乾燥させ、均一な多孔質インク受容層を有する本発明のインクジェット用記録シートを得た。
【0033】
参考例5
ポリテトラメチレングリコール(分子量;1,020)40部、ポリエチレングリコール(分子量2,040)160部、1,4−ブタンジオール8部及びジフェニルメタンジイソシアネート52部を塊状重合した。得られた平分子量7万8千の熱可塑性ポリウレタン樹脂35部とステアリルアルコール65部とを、直径(Φ)35mmの押出機で190℃で混練しながら連続的に幅400mm、ダイギャップ1mmのTダイから押し出して膜厚80μmのシートを得た。得られたシートを水/ジメチルホルムアミド(=3/7)の混合溶液に浸漬し、シート中のステアリルアルコールを除去し、次にポリエステル系接着剤(ポリエスター;日本合成化学製)で合成紙と貼り合わせ表面温度130℃の加熱ローラーで片面熱処理することにより、膜厚30μmの均一な多孔質インク受容層を有する本発明のインクジェット用記録シートを得た。
【0034】
比較例1
実施例1と同じ処方で得られたポリウレタン−ポリウレア樹脂分散液を、合成紙上に気泡を形成させずに塗布し、130℃/2分間の条件で乾燥し、透明インク受容層を形成したインクジェット用記録シートを得た。
【0035】
比較例2
参考例3で溶剤のメチルエチルケトンをジメチルホルムアミドに置き換えた他は同様にして、淡黄色透明なポリウレタン樹脂溶液を得た。
この溶液を合成紙上に塗布乾燥し、透明インク受容層を形成したインクジェット用記録シートを得た。
【0036】
比較例3
参考例4のポリウレア樹脂溶液を合成紙上に塗布後、ジメチルホルムアミド/水の浴に浸漬することなく、そのまま130℃/3分間で乾燥させ、透明インク受容層を形成したインクジェット用記録シートを得た。
【0037】
比較例4
参考例5の塊状重合して得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂を、ステアリルアルコールを添加することなく、Tダイ加工して得られたシートを合成紙と張り合わせ、透明インク受容層を形成したインクジェット用記録シートを得た。
【0038】
以上のようにして得られた9種類のシートについて、水溶性染料インクで印字記録するインクジェットプリンターで、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色を使用して印字記録を行い、以下の項目の評価を行った。
「ブロッキング性」
インク受容層に未処理のポリエチレンテレフタレートフィルムを、荷重0.29MPa及び温度40℃で1日放置後、ブロッキング性の評価を行った。
○:ブロッキング性なし
△:わずかにブロッキング性あり
×:ブロッキング性あり
【0039】
「プリンター搬送性」
インクジェットプリンターで印字記録の際のプリンター搬送性を評価した。
○:搬送性良好
△:わずかに異音を生じる
×:搬送性不良
【0040】
「インク吸収性」
インク吸収性の評価は、プリントしたインクが乾燥するまでの秒数を測定した。
○:5秒以下
△:6〜10秒
×:11秒以上
【0041】
「発色鮮明性」
発色鮮明性は、上記プリンターでカラー画像を印字後、得られたカラー画像の発色鮮明性について目視により観察した。
○:良い
△:普通
×:悪い
【0042】
「滲み」
滲みは、マゼンタとシアンの重複印刷境界部分のインクの滲み及び流れ出しの程度を目視で観察した。
○:良い
△:普通
×:悪い
【0043】
「インク受容層の耐水性」
インク受容層に水をつけ、一定の指圧で水を拭き取った時のインク受容層の剥離状態を評価した。
○:変化なし
△:わずかに変化
×:剥がれる
【0044】
【表1】
Figure 0003649423
【0045】
【発明の効果】
上記のように、インク受容層を構成する樹脂成分が、多孔質親水性ポリウレタン樹脂又は多孔質親水性ポリウレア樹脂又は多孔質親水性Vポリウレタン−ポリウレア樹脂からなるインクジェット用記録シートは、インクの吸収性及び発色性に優れ、安定した高品位な印字画像を与え、更にはインク受容層及び印字画像の搬送性、ブロッキング性、耐水性及び耐湿性に優れる。

Claims (1)

  1. 基材シートの少なくとも片面に、少なくとも一層のインク受容層を設けたインクジェット用記録シートにおいて、インク受容層が、親水性ポリウレタン樹脂又は親水性ポリウレア樹脂又は親水性ポリウレタン−ポリウレア樹脂を用い、上記樹脂を乳化(O/W又はW/O)させ、基材シートに塗布及び成膜させる方法により形成された多孔質の上記の樹脂からなることを特徴とするインクジェット用記録シート。
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