JP3646828B2 - レーザビーム発生用光学素子及びこのレーザビーム発生用光学素子を用いたバーコード読み取り装置 - Google Patents

レーザビーム発生用光学素子及びこのレーザビーム発生用光学素子を用いたバーコード読み取り装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、集光スポット径が比較的小さく、同じ集光スポット径のレーザビームとして一般的なガウスビームに比べて焦点深度が深いレーザビーム(以下長焦点レーザビームと称する)を発生することができるレーザビーム発生用光学素子及びこのレーザビーム発生用光学素子を用いたバーコード読み取り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザビームを用いる光学系では、光軸に対し垂直な面内における動径方向の強度分布がガウス分布になる、いわゆるガウスビームが用いられてきた。ガウスビームを通常の集光光学系を用いて集光すると、集光スポット径ωが最小になる位置からビーム径がK倍になる位置までの距離△は下記(1)式で表される。
【0003】
△=±(π/λ)・ω0 2√(K2−1) …(1)
但し、ω0:集光スポット径が最小となるときのピーク強度の1/e2になる位置でのビームの半径
λ:波長
上記(1)式より、距離△はKにほぼ比例することが分かる。
【0004】
ここで、バーコード読み取り装置で読み取ることが可能な最小線幅のバーコードは、バーコードのある位置におけるレーザビーム(ガウスビーム)のスポット径ωより広くなければならない。また、バーコードを読み取れる範囲は上記(1)式の△に比例する。このような制約のため、バーコード読み取り装置で読み取ることが可能なバーコードの最小線幅と読み取り深度は自由に設定することができない。
【0005】
ガウスビーム集光光学系を用いたバーコード読み取り装置の一従来例として、「松下インターテクノ株式会社」より販売されている商品名MS‐710のバーコード読み取り装置(以下では単にMS−710と称する)が知られている。
【0006】
図8はバーコード読み取り装置における読み取り可能なバーコードの最小線幅〔mm〕と読み取り深度〔mm〕との関係を両対数グラフで表しており、この内、プロット■を結ぶ直線はMS−710の場合を示し、プロット◇を結ぶ直線は後述のベッセルビームを用いたバーコード読み取り装置の場合を示し、またプロット+はバーコード読み取り装置の要求仕様値を示している。
【0007】
図8に示すように、MS−710では、読み取り可能なバーコードの最小線幅と読み取り深度との関係は傾き1の直線で近似できることが分かる。これは、上記(1)式で示される距離△がスポット径の倍率Kの1乗にほぼ比例していることを反映している。
【0008】
ところで、実際にバーコードの貼付される商品では、表面に凹凸があったり、バーコード読み取り装置に対して奥行き方向に傾いて置かれる場合があり、このような場合には、読み取り深度が不足するため、バーコードの読み取りができないことがしばしば生じる。
【0009】
また、ピッチの狭いバーコードを読み取る装置でピッチの粗いバーコードを読み取る場合には、ピッチの狭いバーコードを読み取る場合に比べて、より遠くで読み取る必要のあるところ、ガウスビームは焦点深度が浅く、読み取り深度が十分でないため、商品に近づいて読み取らねばならず、不便である。
【0010】
また、手の届かない所にある場合は、読み取りが不可能であるため、別にピッチの粗いバーコードのみを読み取れる読み取り深度の深いバーコード読み取り装置を用意する必要があった。このため、設備コストがアップしたり、手狭なスペースに設置できないという問題があった。
【0011】
このような問題を解決するため、複数の焦点距離を持つ光学系を複合したものを用い、通常のガウスビームを用いた光学系でもバーコードの最小線幅に応じた焦点深度の光学系となるようにした装置もある。
【0012】
しかし、この場合も全ての最小線幅のバーコードに対し十分な焦点深度を持つ光学系とするには至っていない。また、光学系の構成が極めて複雑になり、装置が高価になって実用的ではない。
【0013】
更に、ガウスビームの場合、最小スポット径になる位置の両側に対称にビームが広がるため、読み取り範囲も最小スポット径になる位置の両側に対称に設定する方が広くできる。しかしながら、最も最小線幅の細いバーコードは、バーコード全体の大きさが小さいため、近くで読む方が自然である。このため、最小スポット径になる位置のほぼ片側しか利用することができない。
【0014】
これらの問題を解決するため、焦点深度が非常に大きく、かつスポット径が比較的小さいレーザビームとして、光軸に対し垂直な動径方向の電界分布が、第1種0次ベッセル関数状であるベッセルビーム〈非回折性ビーム)が考案されている。なお、ベッセルビームの詳細については、以下の文献等に詳しく記述されている。
【0015】
(1)J.Durnin:Vol.4,No.4/April 1987/J.Opt.Soc.Am.A,p651〜p654
(2)上原 喜代治:応用物理 第59巻 第6号(1990),p746〜p750
図11は、基本的なベッセルビーム発生光学系の一従来例を示す。この光学系では、光学素子として半導体レーザ素子とアキシコンプリズムのみが用いられる。この光学系は、光軸に対し回転対称であるので、以後の説明では光軸を含む断面内を代表して説明する。
【0016】
図11において、半導体レーザ素子11から出射された球面波のレーザ光Aは、コリメートレンズ12により平面波に変換された後、円錐レンズであるアキシコン13に入射する。アキシコン13は、光軸14を含む面内で切った断面でみると、屈折する面を表す関数、即ち稜線は傾きの符号の異なる2つの直線であり、光軸上においてつながっており、連続ではあるが微分不可能な関数となっている。形状で表現すると連続点が尖った形の光学素子となっている。
【0017】
光軸14で区画される半平面における、光を屈折する効果を有する面の稜線B’,B”で屈折された後の光の進行方向は光軸14からの高さによらず一定である。従って、屈折後の光は平面波であり、光軸14で区画される2つの半平面でそれぞれ進行方向が異なることになる。
【0018】
即ち、この断面内において、アキシコン13を出射したレーザビームは図11に示すように、光軸14で区画される半平面内では稜線B’により屈折され、光軸14に対し角度θで交差する方向に進む平面波A’となる。同様に、光軸14で区画される反対側の半平面内では稜線B”により屈折され、光軸に対しやはり角度θで交差する方向に進む平面波A”となる。但し、進行方向は光軸14に対しA’と軸対称の方向である。
【0019】
ホログラムを用いることによっても上記アキシコン13と等価な光学素子を作製することができる。即ち、例えば図12(a)に示すように、フレネルレンズと同様に、屈折面の厚さを光路差が波長λの1/2になる毎に基準面に戻せば良い。この場合、断面が鋸歯状の厚みを持ったホログラムとなるが、より単純なものとしてフレネルの帯板のように光路差が波長λの1/2になる半径を周期として図12(b)のように厚さを変えるか、図12(c)のように透過率を反転する等、光学的な特性を変化させれば良い。図12(b)、(c)の場合、ホログラムは同心円の集まりになることは明らかである。
【0020】
図13は図12(a)、(b)、(c)の各ホログラムを光軸14方向からみた形状を表している。図より明かなように、等間隔の同心円になっている。
【0021】
説明を簡単にするために、上記従来例ではコリメートレンズ12を用い、平行光がアキシコン13に入射するようにしているが、ホログラムを用いると、このコリメートレンズ12の機能を兼ねさせることができる。即ち、球面波をベッセルビームに直接変換することも可能となる。この場合、ホログラムはフレネルレンズと類似の、周期の変化する同心円となる。
【0022】
さらに、半導体レーザ素子のように楕円状の光束も直接ベッセルビームに変換可能である。その方法については、R.P.MacDonald等がAPPLIED OPTICS/Vol.32,No.32/10 November 1993,p6470〜p6474に記載している。
【0023】
この長焦点レーザビームの光軸14を含む断面でみた、光軸14に対し垂直な方向の電界分布は、上記平面波A’、A”が互いに干渉して第1種0次ベッセル関数に比例するベッセルビームが形成される。
【0024】
図14は、この基本的なベッセルビームの、光軸14に垂直な方向での強度分布を示す。また、図15は光軸方向で見た集光スポット径の変化を示す。ベッセルビームの場合は、図中の曲線Jで示されるように集光スポット径は光軸方向に殆ど変化せず、スポットサイズが同程度のガウスビームである図中の曲線Iに比べ、光軸方向にスポット径が殆ど変化しないことが分かる。即ち、図15よりベッセルビームの焦点深度はガウスビームの焦点深度に比べて格段に深くなっていることが分かる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記従来のベッセルビームでは、通常のガウスビームと比較すると焦点深度は十分深くなっているものの、以下に示す理由により、バーコード読み取り装置としては十分ではない。
【0026】
即ち、バーコード読み収り装置に求められる性能としては、特定の最小線幅のバーコードをできるだけ広い範囲で読みとる性能の他に、様々な最小線幅のバーコードが読めることが必要である。また、最小線幅の太いバーコードに対しては読み取り範囲が十分深いことが要求される。
【0027】
図8のプロット十で示した点が、バーコードの最小線幅とそれに対応する読みとり深度の要求仕様値である。1つの焦点しかない単純な光学系では、ガウスビームを用いた場合には既に説明したように、読み取れるバーコードの最小線幅と読み取り深度の関係は傾き1の直線になるため、要求仕様を完全に満足することができないという課題があった。このため、実用的には、読み取り範囲を限定して使用されている。
【0028】
また、最小線幅の異なる、複数のバーコードを要求仕様通り読み取れるバーコード読み取り装置を実現するためには、焦点位置が複数ある光学系が用いられるが、多数のレンズが使用された複雑な光学系になる、という課題がある。
【0029】
一方、従来のベッセルビームを用いた場合は、コリメートレンズ12とアキシコン13のみを用いた単純な光学系でも読み取れるバーコードの最小線幅と読み取り範囲の関係は、図8上で傾きが0の直線に対応するため、複数のバーコードに対して読み取り深度に対する要求仕様を満足することができる。
【0030】
しかし、図8の直線Yのように、最も最小線幅の細いバーコードが読み取れるように光学系を設計したときには、最も最小線幅の太いバーコードに対する読み取り深度が不十分であり、逆に、読み取り深度を十分広くしようとすると、図8の直線Xのように、最も最小線幅の細いバーコードを読むことができないという課題があった。
【0031】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、簡潔な光学系で特定の最小線幅のバーコードを広い範囲で読み取ることができると共に、最小線幅の異なる複数のバーコードを要求仕様通り読み取ることが可能になるレーザビームを発生するレーザビーム発生用光学素子及びこのレーザビーム発生用光学素子を用いたバーコード読み取り装置を提供することを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】
本発明のレーザビーム発生用光学素子は、光軸に対し回転対称で、該光軸を含む面で切った断面の稜線を表す曲線が光軸上で微分不可能な非線形関数で表され、かつ該稜線の該光軸に近い箇所の傾斜を大きくする一方、該稜線の該光軸から離れた箇所の傾斜を小さくしてある光学素子からなり、そのことにより上記目的が達成される。
【0033】
また、本発明のレーザビーム発生用光学素子は、前記光学素子と光学的に等価なホログラムからなり、そのことにより上記目的が達成される。
【0034】
また、本発明のレーザビーム発生用光学素子は、前記光学素子の機能と、光源からの光を平行光に変換するコリメートレンズとしての機能を併せ持つホログラムからなり、そのことにより上記目的が達成される。
【0035】
また、本発明のバーコード読み取り装置は、請求項1記載のレーザビーム発生用光学素子を備えたバーコード読み取り装置であって、該レーザビーム発生用光学素子の前記稜線の傾きの変化の程度を変えることにより、該レーザビーム発生用光学素子からの距離に対する集光スポット径の大きさの変化の程度を調節でき、読み取り可能なバーコードの最小線幅と、読み取り深度との関係を、該読み取り可能なバーコードの最小線幅を縦軸にとって、該読み取り深度を横軸にとって、両対数グラフで表したとき、傾きPが、下記の条件を満足するように
0<P<1
設定してなり、そのことにより上記目的が達成される。
【0036】
また、本発明のバーコード読み取り装置は、請求項2記載のレーザビーム発生用光学素子を備えたバーコード読み取り装置であって、読み取り可能なバーコードの最小線幅と、読み取り深度との関係を、該読み取り可能なバーコードの最小線幅を縦軸にとって、該読み取り深度を横軸にとって、両対数グラフで表したとき、傾きPが、下記の条件を満足するように
0<P<1
設定してなり、そのことにより上記目的が達成される。
【0037】
また、本発明のバーコード読み取り装置は、請求項3記載のレーザビーム発生用光学素子を備えたバーコード読み取り装置であって、読み取り可能なバーコードの最小線幅と、読み取り深度との関係を、該読み取り可能なバーコードの最小線幅を縦軸にとって、該読み取り深度を横軸にとって、両対数グラフで表したとき、傾きPが、下記の条件を満足するように
0<P<1
設定してなり、そのことにより上記目的が達成される。
【0038】
また、本発明のバーコード読み取り装置は、レーザ光源、該レーザ光源から出射された光を平行光に変換するコリメートレンズ及び請求項1記載のレーザビーム発生用光学素子を備え、読み取り可能なバーコードの最小線幅と、読み取り深度との関係を、該読み取り可能なバーコードの最小線幅を縦軸にとって、該読み取り深度を横軸にとって、両対数グラフで表したとき、傾きPが、複数の要求仕様値を結ぶ直線の傾きに対応する傾きに設定されており、そのことにより上記目的が達成される。
【0039】
また、本発明のバーコード読み取り装置は、レーザ光源、該レーザ光源から出射された光を平行光に変換するコリメートレンズ及び請求項1記載のレーザビーム発生用光学素子と光学的に等価なホログラム素子を備え、読み取り可能なバーコードの最小線幅と、読み取り深度との関係を、該読み取り可能なバーコードの最小線幅を縦軸にとって、該読み取り深度を横軸にとって、両対数グラフで表したとき、傾きPが、複数の要求仕様値を結ぶ直線の傾きに対応する傾きに設定されており、そのことにより上記目的が達成される。
【0040】
また、本発明のバーコード読み取り装置は、レーザ光源、及び、請求項1記載のレーザビーム発生用光学素子としての機能と該レーザ光源からの光を平行光に変換するコリメートレンズとしての機能とを併せ持つホログラムを備え、読み取り可能なバーコードの最小線幅と、読み取り深度との関係を、該読み取り可能なバーコードの最小線幅を縦軸にとって、該読み取り深度を横軸にとって、両対数グラフで表したとき、傾きPが、複数の要求仕様値を結ぶ直線の傾きに対応する傾きに設定されており、そのことにより上記目的が達成される。
【0041】
以下に、本発明の作用を図1及び図8〜図10を参照しつつ説明する。
【0042】
光軸4に対し回転対称で、光軸4を含む面で切った断面の稜線D’、D”を表す曲線が光軸4上で微分不可能な非線形関数で表される形状のレーザビーム発生用光学素子3を用いると、このレーザビーム発生用光学素子3に入射する入射光は、図1に示すように、光軸4に対し分割される。そして、このレーザビーム発生用光学素子3から出射した2つの光束C’、C”は互いに干渉し、その光強度は減衰されにくい。このため、このレーザビーム発生用光学素子3によれば、ベッセルビームに類似の長焦点レーザビームを発生することができる。
【0043】
加えて、このレーザビーム発生用光学素子3では、光軸4に近い部分のレーザビーム発生用光学素子3の稜線D’、D”の傾斜を大きくし、反対に、光軸4から離れたところのレーザビーム発生用光学素子3の稜線D’、D”の傾斜を小さくしてあるので、光軸4に近いところで発生したレーザビームの傾きは大きくなる。この結果、レーザビーム発生用光学素子3に近いところで発生したレーザビームの傾きも大きくなるので、その集光スポット径を小さくできる。一方、光軸4から遠いところで発生したレーザビームの傾きは小さい。この結果、レーザビーム発生用光学素子3に遠いところで発生したレーザビームの傾きも小さくなるので、その集光スポット径を大きくすることができる。
【0044】
従って、レーザビーム発生用光学素子3の稜線D’、D”の傾きの変化の程度を変えることにより、集光スポット径と焦点深度を調節することができる。このため、このようなレーザビーム発生用光学素子3によれば、読み取り可能なバーコードの最小線幅と読み取り深度を調節することができる。即ち、読みとり可能なバーコードの最小線幅と読み取り深度との関係を両対数グラフで表したとき(図8参照)、傾きを0から1の範囲で調節することができる。
【0045】
ここで、両対数グラフ上での傾きPを1(=ガウスビームの場合の傾き)未満にすると、ガウスビームよりも焦点深度を深くできるので、特定の最小線幅のバーコードをできるだけ広い範囲で読み取ることができる。一方、傾きPを0(=ベッセルビームの場合の傾き)よりも大きくすると、ベッセルビームとは異なり、複数の最小線幅のバーコードを読み取ることができる。また、最小線幅の太いバーコードに対して読み取り範囲を十分に確保できる。
【0046】
そして、本発明のレーザビーム発生用光学素子を用いたバーコード読み取り装置によれば、両対数グラフ上での傾きPが0<P<1になるようにレーザビーム発生用光学素子3の稜線D’、D”の傾きを設定している。
【0047】
このため、本発明によれば、特定の最小線幅のバーコードをできるだけ広い範囲で読み取ることができ、かつ複数の最小線幅のバーコードを読み取ることができ、更には最小線幅の太いバーコードに対して読み取り範囲を十分に確保できるバーコード読み取り装置を実現できる。
【0048】
また、本発明のレーザビーム発生用光学素子では、レーザビーム発生用光学素子3に近いところでスポット径が最も小さくなるため、読み取り範囲を犠牲にすることなく、最小線幅の最も細いバーコードは近くで読むことができる。
【0049】
図8から分かるように、全ての最小線幅のバーコードを読み取るためには最小集光スポット径としては0.07mm以下、最大読み取り深度7000mm、傾き0.62の直線を実現すれば良い。即ち、この傾き0.62の直線は、全ての要求仕様値(図中にプロット+で表示)を結ぶ直線の傾きであるからである。
【0050】
この条件を満足するためには、以下のようにすればよい。即ち、光源に波長λmmのレーザビームを用いる場合を例にとって説明すると、上記レーザビーム発生用光学素子3の最も光軸に近いところ(図1において、y=0となる位置 )で発生するレーザビームの光軸との傾きθ(0)を0.766×λ/0.07rad以上とすることにより最小スポット径を0.07mm以下とし、光軸から最も遠いところ(図1において、y=Rとなる位置)で発生するレーザビームの光軸との傾きθ(R)を0.766×λ/1.8rad以上とし、かつ、tanθ(R)<R/(1.2×7000)となるようにすれば、レーザビーム発生用光学素子3から7000mmの位置での集光スポットのスポット径を1.8mmにすることができるので、上記条件を満足することができる。
【0051】
ここで、傾きθ(0)を0.766×λ/0.07rad以上とすれば、最小スポット径を0.07mm以下にできる理由を、R.P.MacDonald等(Applied Optics vol32,p6470(1993))に従って説明する。
【0052】
まず、本発明の長焦点レーザビームはスポット径の異なるベッセルビームの集まりと考えられる。そこで、最内周を通る光で形成されるベッセルビームのスポット径Wを最小線幅の最も細いバーコードが読み取れるようにθ(0)を決定する。
【0053】
ここで、図9に示すように、ベッセルビームのビーム径は0次ベッセル関数のJ(βρ)の第1零点の値(半径)となり、下記(2)式で表される。
【0054】
W=4.81/β …(2)
但し、数値4.81は計算によって求められた値であり、詳細については省略する。
【0055】
一方、レーザビームが光軸4となす角をθとすると、下記(3)式が成立する。
【0056】
β=(2π/λ)・tanθ …(3)
(2)式及び(3)式より、下記(4)式が成立する。
【0057】
W={4.81/(2πtanθ)}・λ=0.766λ/θ …(4)
但し、tanθ≒θ
(4)式より、
θ=0.766λ/W …(5)
ここで、上記したようにレーザビームのスポット径Wは、読み取りたいバーコードの最小線幅と等しいかそれ以下のビーム径とすればよいので、W≦0.07radより、傾きθ(0)を、下記(6)式の条件を満足するように設定すれば、最小スポット径を0.07mm以下にできる。
【0058】
θ(0)>0.766λ/0.07 …(6)
また、傾きθ(R)を0.766×λ/1.8rad以上とすればよいのは、以下の理由による。
【0059】
即ち、最外周を通る光で形成されるベッセルビームのスポット径Wは最小線幅の最も太いバーコードの最小線幅と等しいかそれ以下のビーム径にすればよいからである。従って、下記(7)式の条件を満足するように傾きθ(R)を設定すればよい。
【0060】
θ(R)>0.766λ/1.8 …(7)
また、tanθ(R)をtanθ(R)<R/(1.2×7000)とすればよいのは、以下の理由による。
【0061】
まず、図1のレーザビーム発生用光学素子3において、集光スポットが形成される最も近い点は、光学素子3の稜線D’、D”の頂点の位置であり、最も遠い位置は、下記(8)式で与えられる。
【0062】
Zmax=tanθ(R) …(8)
ここで、図10に示すようにベッセルビームは、レーザビーム発生用光学素子3から遠いところでは光強度が変動するため、バーコード読み取り装置に応用する場合は、その変動を抑える工夫をする必要がある。即ち、図10(a)はレーザビーム発生用光学素子3から遠いところで光強度の変動が大きい様を示しており、同図(b)は光強度変動を過剰に抑制した場合を示し、同図(c)は光強度変動を適正に抑制した場合を示している。同図(c)から分かるように、このような工夫をした場合には、20%程度使用できる距離が減少している。
【0063】
このため、使用できる距離については余裕を持たせる必要があるので、本発明では、20%程度の余裕を持たせている。従って、実用的なビーム径一定の最大距離は約Zmax/1.2となる。それ故、読み取り範囲を7000mmに設定する場合は、Zmax≒1.2×7000とすればよい。
【0064】
よって、上記(8)式より、tanθ(R)を下記(9)式の条件を満足するように設定すればよい。
【0065】
tanθ(R)<R/(1.2×7000) …(9)
なお、図10(c)に示すような光強度変動を適正化する方法としては、例えば本願出願人が特願平7−213265号で先に提案したものがある。
【0066】
本発明では、上記のようなレーザビーム発生用光学素子3の代わりに、これと光学的に等価なホログラムを用いることが可能である。ホログラムを用いる場合は、通常のホトリソグラフィー法を用いて光学素子を作製できるので、量産することが可能になる。
【0067】
また、コリメートレンズを一体化したホログラムを用いることも可能である。この場合は、光学系の部品点数を低減できるので、光学系の構成をより一層簡潔化できる。
【0068】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づき具体的に説明する。
【0069】
(レーザビーム発生用光学素子の実施形態1)
図1は本発明レーザビーム発生用光学素子の実施形態1を光源及びコリメートレンズと共に示す。即ち、このレーザビーム発生用光学素子を備えたレーザビーム発生装置を示している。
【0070】
このレーザビーム発生装置は、半導体レーザ1、コリメートレンズ2及びレーザビーム発生用光学素子3を備えている。半導体レーザ1から出射された球面波のレーザビームCはコリメートレンズ2により平面波に変換された後、レーザビーム発生用光学素子3に入射する。
【0071】
このレーザビーム発生用光学素子3は、光軸(Z軸)4に対して回転対称であるため、以下では簡単のため、光軸4を含む面でみた任意の断面内に限定して説明を行う。
【0072】
レーザビーム発生用光学素子3の光を屈折する作用を有する面は、光軸4を含む平面で切った断面でみたとき、2つの稜線D’、D”で形成されている。一方の稜線D’で屈折された光の進行方向の光軸4となす角θはベッセルビームと異なり、光軸4からの高さrにより変化する。光軸4外において発散するようにするため、光軸4から離れるほどθは小さくなる。θがrの関数であることを強調するため、以下ではθ(r)と書く。
【0073】
本実施形態1ではスポット径がレーザビーム発生用光学素子3からの距離に応じて大きくなるようにするため、θ(r)がrのべき関数になるようにしている。図1に示す幾何学的関係により、θ(r)は下記(10)で表される。
【0074】
θ(r)=θ0−△θ(1一r/R)Q …(10)
但し、R:レーザビーム発生用光学素子3の外径(半径)
△θ:発散の範囲を決める定数であり、発散点E’(又は発散点E”)から出て、r=Rの位置で屈折される光と、発散点E’(又は発散点E”)から出て、r=0の位置で屈折される光とがなす角
Q:発散の強さを決める定数
他方の稜線D”で屈折された光についても同様に上記(10)式の関係が成立する。
【0075】
以下、説明を簡単にするために、Q=1の場合を例にとって説明する。上記の稜線D’、D”を表す関数f(r),g(r)はそれぞれ下記(11)式 、(12)式で表され、光軸4上では微分不可能な関数となる。
【0076】
【数1】
Figure 0003646828
【0077】
【数2】
Figure 0003646828
【0078】
以下に図2を参照しつつ、上記(11)、(12)式の導出過程について説明する。図2に示す幾何学的関係により、下記(13)式が成立する。
【0079】
θ1=π−α,θ2=θ1+θ …(13)
このθは上記(10)式のθ(r)である。
【0080】
今、稜線D’に相当する曲線の関数として下記(14)式のものを想定する。
【0081】
z=f(r) …(14)
この曲線の接線5は関数z=f(r)を微分すれば得られるので、下記(15)式で表される。
【0082】
z=f′(r)・r+m …(15)
但し、mはこの接線5とz軸との交点である。
【0083】
ここで、接線5の傾きf′(r)は、図2に示す幾何学的関係により、下記(16)式で表される。
【0084】
f′(r)=tanα(r) …(16)
ここで、屈折率をnとすると、スネルの法則より、下記(17)式の関係が成立する。
【0085】
nsinθ1=sinθ2 …(17)
この(17)式に上記(13)式の関係を代入すると、下記(18)式が成立する。
【0086】
nsin(π−α)=sin(π−α+θ) …(18)
(18)式を整理すると、下記(19)式になる。
【0087】
nsinα=sin(α−θ) …(19)
また、α=α(r),θ=θ(r)であるから、(19)式は下記(20)式に書き改められる。
【0088】
Figure 0003646828
(20)式の両辺をsinα(r)で割ると、下記(21a),(21b)式が成立する。
【0089】
n=cosθ(r)−{tanα(r)}-1・sinθ(r) …(21a)
{n−cosθ(r)}/sinθ(r)=−{tanα(r)}-1 …(21b)
よって、
tanα(r)=−sinθ(r)/{n−cosθ(r)} …(22)
となる。
【0090】
(22)式に上記(16)式の関係を代入すると、下記(23)式が成立する。
【0091】
f′(r)=−sinθ(r)/{n−cosθ(r)} …(23)
よって、稜線D’は、上記(23)式を積分した、上記(11)式で表される関数となる。
【0092】
同様に、稜線D”は、上記(12)式で表される。
【0093】
ここで、θ(r)の与えかたによっては、式中の不定積分が実行できない場合があるが、その場合には、数値積分を行うことによつて、関数の形が決定できる。
【0094】
一例として、s=△θ/R,t=θ0−△θ,θ(r)=sr+tとおくと、上記f(r)は、下記(24)式に書き改められる。
【0095】
f(r)=−(1/s)・log{n−cos(sr+t)}+c …(24)
ここで、f(0)=z0とすると、下記(25)式が成立する。
【0096】
f(0)=z0=−(1/s)・log(n−cost)+c …(25)
よって、積分定数cは下記(26)式で表される。
【0097】
c=z0+(1/s)・log(n−cost) …(26)
従って、上記(11)式は下記(27)式に書き改められる。
【0098】
Figure 0003646828
さて、レーザビーム発生用光学素子3を出射したレーザビームは図1に示すように、稜線D’、D”で屈折され、2つの光束C’、C”に分けられる。光束C’は光軸4と交差し、かつ、光軸4外の仮想的な点E’から発散する光束となる。一方、光束C”は光軸4と交差し、かつ、光軸4外の仮想的な点E”から発故する光束となる。発散点E’とE”とは光軸4に対して互いに対称な位置にあるため光束D’、D”は交差することになる。互いに交差している部分では、光束D’、D”の波面が互いに干渉して、光軸4に対し垂直な面内で見たとき、動径方向に第1種0次ベッセル関数に類似した振幅分布を持つ長焦点レ‐ザビームが形成される。
【0099】
バーコード読み取り装置においては、読み取り可能なバーコードの最小線幅は集光スポット径によりほぼ決まるので、集光スポット径をレーザビーム発生用光学素子3からの距離に応じて設定できることは実用上桓めて重要である。本発明のレーザビーム発生用光学素子3がこのような特性を持つのは以下に示すように、レーザビーム発生用光学素子3により集光スポット径がレーザビーム発生用光学素子3からの距離に応じて可変できるからである。
【0100】
このレーザビーム発生用光学素子3を用いると、ベッセルビーム発生装置と類似の下記(28)式、(29)式でレーザビーム発生用光学素子3からの距離Zにおける集光スポット径ω0が与えられる。
【0101】
ω0=0.766・λ/θ(r) …(28)
Z=r・tanθ(r) …(29)
ここで、θ(r)は上記(10)式で与えられるrのQ次関数である。これから、距離Zにおける集光スポット径を決めるのは光軸4からrの高さを通る光束の、光軸4とのなす角度θ(r)である。θ(r)はレーザビーム発生用光学素子3の屈折率、高さrにおける面の傾きによって決まるので、rを0からRまで変えたときのレーザビーム発生用光学素子3の面の高さr付近の微小な範囲における傾きを適宜設定することにより、所望の集光スポット径の光軸方向の分布を実現することができる。その詳細については、上記の作用のところで説明したので、ここでは省略する。
【0102】
(バーコード読み取り装置の実施形態1)
図3は実施形態1のレーザビーム発生用光学素子を用いた本発明バーコード読み取り装置の実施形態1を示す。以下にその構成を動作と共に説明する。
【0103】
半導体レーザ21から出射された光(球面波)Fはコリメートレンズ22により平行光に変換され、上記レーザビーム発生用光学素子3同様のレーザビーム発生用光学素子23に入射される。このレーザビ一ム発生用光学素子23から出た長焦点レーザビームGは光偏向装置であるポリゴンミラー24で±30゜の範囲で偏向され、バーコード25に照射される。
【0104】
そして、バ一コード25により変調され、散乱された光束Hはレンズ26で集光され、信号読み取り用のホトダイオード27に入射し、ビームの出射方向制御信号(図示しない参照光)を参照することによりバーコード信号が読み取られる。上述のように、本発明のレーザビーム発生用光学素子23で発生されたレーザビームの集光スポット径は、レーザビーム発生光学素子23からの距離に応じて増加する。
【0105】
上述の作用のところで説明したように、集光スポットが形成される最も近い点はレーザビーム発生用光学素子23の頂点の位置であり、最も遠い位置は上記(8)式で与えられる。
【0106】
Zmax=R/tanθ(R) …(8)
ここで、tanθ(R)が負の数になるときはZmaxは無限大とみなすことができる。実用的には、レーザビーム発生用光学素子23から離れるほど光の強度が弱くなり、バーコードの読み取りには不適当となる。集光スポット径はレーザビーム発生光学素子23からの距離に応じて増加し、その変化の大きさは図8の直線Zのように、傾きPの直線となる。
【0107】
本実施形態では、図8に示したように、どのような最小線幅のバーコードでも必要な読み取り深度で読みとれる最も大きい傾き0.62を選んだ。傾きが、より小さくても読み取り深度は問題ないが、長焦点レーザビームの強度が減少するため好ましくない。
【0108】
しかし、集光スポット径のZ方向の変化の大きさとしては図8の直線Zのような関数に限ることはなく、すべての最小線幅のバーコードを読み取る必要がない場合には、傾きを大きくして強度を大きくする方が一般に有利である。また、新しい規格のバーコードが採用された場合には、新規な最小線幅のバーコードを必要な読み取り深度で読み取れる傾きになるように設計すれば良い。
【0109】
(レーザビーム発生用光学素子の実施形態2)
図4は本発明レーザビーム発生用光学素子の実施形態2を示す。このレーザビーム発生用光学素子33は、実施形態1のレーザビーム発生用光学素子3と光学的に等価なホログラムである。
【0110】
図4に示すように、このホログラム33は、光軸方向からみると、外側に比べて内側の間隔が詰まった同心円になっている。即ち、このホログラム33は平行光を発散光に変換する必要があるため、外周に近付くほどピッチの粗い同心円になっている。この点で、等間隔の同心円の集合である図13のホログラムとは明確に異なっている。
【0111】
光学的に等価であるため、このホログラム33によれば、上記レーザビーム発生用光学素子23同様の長焦点レーザビームを形成することができる。
【0112】
(バーコード読み取り装置の実施形態2)
図5は本発明バーコード読み取り装置の実施形態2を示す。このバーコード読み取り装置は、レーザビーム発生用光学素子として、図4のホログラム33を用いている。
【0113】
他の構成については、図3に示すものと同一であるので、対応する部分に同一の符号を付して、具体的な説明は省略する。
【0114】
このバーコード読み取り装置においても、上記実施形態1のバーコード読み取り装置同様の効果を奏することができる。
【0115】
(レーザビーム発生用光学素子の実施形態3)
図6は本発明レーザビーム発生用光学素子の実施形態3を示す。このレーザビーム発生用光学素子43は、実施形態1のレーザビーム発生用光学素子3と光学的に等価であり、かつコリメートレンズの機能を一体化したホログラムである。
【0116】
図6に示すように、このホログラム43は、光軸方向からみると、図4のホログラム33と同様に外側に比べて内側が詰まった同心円になっている。但し、図4のホログラム33とは異なり、内側に向けて間隔が不均一に詰まっている。
【0117】
これは、このホログラム43は球面波を平行光に変換する機能(有限の焦点距離を持つレンズと等価な機能)と、この平行光を発散光に変換する機能を併せ持つ必要があるため、前者の機能を満足するために、外周側ほどピッチの細かいホログラムとし、かつ収差を抑制するため不等間隔にする必要がある一方、図4のホログラム33と光学的に等価にして後者の機能を発揮する必要上、外周側ほどピッチを少し粗くする必要があるため、両機能を発揮するために図示する同心円の集合になっている。
【0118】
(バーコード読み取り装置の実施形態3)
図7は本発明バーコード読み取り装置の実施形態3を示す。このバーコード読み取り装置は、レーザビーム発生用光学素子として、図6のホログラム43を用いている。
【0119】
他の構成については、図3及び図5に示すものと同一であるので、対応する部分に同一の符号を付して、具体的な説明は省略する。
【0120】
このバーコード読み取り装置によれば、コリメートレンズが不要になる。このため、光学系を簡潔化できる利点がある。
【0121】
【発明の効果】
以上の本発明レーザビーム発生用光学素子によれば、焦点深度が深いだけでなく、集光スポット径が光学素子からの距離に応じて大きくなるレーザビームを形成することができる。このため、このレーザビーム発生用光学素子をバーコード読み取り装置に用いると、1台のバーコード読み取り装置で、全ての最小線幅のバーコードを要求される読み取り深度で読み取ることが可能となる。
【0122】
また、このレーザビーム発生用光学素子を用いると、光学系が、コリメートレンズとこのレーザビーム発生用光学素子だけで済むため、簡潔な構成の光学系で、全ての最小線幅のバーコードを要求される読み取り深度で読み取るとることが可能なバーコード読み取り装置を実現できる。
【0123】
また、特にレーザビーム発生用光学素子として、ホログラムを用いる場合は、量産性に優れているので、レーザビーム発生用光学素子及びバーコード読み取り装置のコストダウンに大いに寄与できる利点がある。
【0124】
また、特にレーザビーム発生用光学素子として、コリメートレンズの機能を併せ持つホログラムを用いる場合は、光学系をより一層簡潔化できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザビーム発生用光学素子の実施形態1を光源及びコリメートレンズと共に示す模式的側面図。
【図2】実施形態1のレーザビーム発生用光学素子の稜線の曲線を導き出すための幾何学的説明図。
【図3】本発明バーコード読み取り装置の実施形態1を示す斜視図。
【図4】レーザビーム発生用光学素子の実施形態2を示す、ホログラムを光軸方向からみた図。
【図5】本発明バーコード読み取り装置の実施形態2を示す斜視図。
【図6】レーザビーム発生用光学素子の実施形態3を示す、コリメートレンズの機能を併せ持つホログラムを光軸方向からみた図。
【図7】本発明バーコード読み取り装置の実施形態3を示す斜視図。
【図8】読み取るべきバーコードの最小線幅と読み取り深度との関係を表すグラフ。
【図9】ベッセルビームのビーム径が0次ベッセル関数のJ(βρ)の第1零点の値になることを示すグラフ。
【図10】(a)は強度変動大の状態を、(b)は強度変動過剰抑制の状態を、(c)は強度変動適正の状態をそれぞれ示す、光強度と光学素子からの距離との関係を示すグラフ。
【図11】基本的なベッセルビーム発生光学系の一従来例を示す模式的側面図。
【図12】(a)、(b)、(c)共に図11のアキシコンと光学的に等価なホログラムを示す部分断面図。
【図13】図12のホログラムを光軸方向から見た図。
【図14】 基本的なベッセルビームの光軸に垂直な方向での強度分布を示すグラフ。
【図15】基本的なベッセルビームの光軸方向で見た集光スポット径の変化を示すグラフ。
【符号の説明】
1,21 半導体レーザ
2,22 コリメートレンズ
3,23 レーザビーム発生用光学素子
4 光軸
24 光偏向用ポリゴンミラー
25 バーコード
26 バーコードで散乱された信号光を集めるレンズ
27 信号検出用光検出器
33 レーザビーム発生用光学素子と光学的に等価なホログラム
43 レーザビーム発生用光学素子と光学的に等価であり、かつコリメートレンズの機能を併せ持つホログラム

Claims (9)

  1. 光軸に対し回転対称で、該光軸を含む面で切った断面の稜線を表す曲線が光軸上で微分不可能な非線形関数で表され、かつ該稜線の該光軸に近い箇所の傾斜を大きくする一方、該稜線の該光軸から離れた箇所の傾斜を小さくしてある光学素子からなるレーザビーム発生用光学素子。
  2. 前記光学素子と光学的に等価なホログラムからなる請求項1記載のレーザビーム発生用光学素子。
  3. 前記光学素子の機能と、光源からの光を平行光に変換するコリメートレンズとしての機能を併せ持つホログラムからなる請求項1記載のレーザビーム発生用光学素子。
  4. 請求項1記載のレーザビーム発生用光学素子を備えたバーコード読み取り装置であって、
    該レーザビーム発生用光学素子の前記稜線の傾きの変化の程度を変えることにより、該レーザビーム発生用光学素子からの距離に対する集光スポット径の大きさの変化の程度を調節でき、読み取り可能なバーコードの最小線幅と、読み取り深度との関係を、該読み取り可能なバーコードの最小線幅を縦軸にとって、該読み取り深度を横軸にとって、両対数グラフで表したとき、傾きPが、下記の条件を満足するように
    0<P<1
    設定したバーコード読み取り装置。
  5. 請求項2記載のレーザビーム発生用光学素子を備えたバーコード読み取り装置であって、
    読み取り可能なバーコードの最小線幅と、読み取り深度との関係を、該読み取り可能なバーコードの最小線幅を縦軸にとって、該読み取り深度を横軸にとって、両対数グラフで表したとき、傾きPが、下記の条件を満足するように
    0<P<1
    設定したバーコード読み取り装置。
  6. 請求項3記載のレーザビーム発生用光学素子を備えたバーコード読み取り装置であって、
    読み取り可能なバーコードの最小線幅と、読み取り深度との関係を、該読み取り可能なバーコードの最小線幅を縦軸にとって、該読み取り深度を横軸にとって、両対数グラフで表したとき、傾きPが、下記の条件を満足するように
    0<P<1
    設定したバーコード読み取り装置。
  7. レーザ光源、該レーザ光源から出射された光を平行光に変換するコリメートレンズ及び請求項1記載のレーザビーム発生用光学素子を備え、読み取り可能なバーコードの最小線幅と、読み取り深度との関係を、該読み取り可能なバーコードの最小線幅を縦軸にとって、該読み取り深度を横軸にとって、両対数グラフで表したとき、傾きPが、複数の要求仕様値を結ぶ直線の傾きに対応する傾きに設定されているバーコード読み取り装置。
  8. レーザ光源、該レーザ光源から出射された光を平行光に変換するコリメートレンズ及び請求項1記載のレーザビーム発生用光学素子と光学的に等価なホログラム素子を備え、読み取り可能なバーコードの最小線幅と、読み取り深度との関係を、該読み取り可能なバーコードの最小線幅を縦軸にとって、該読み取り深度を横軸にとって、両対数グラフで表したとき、傾きPが、複数の要求仕様値を結ぶ直線の傾きに対応する傾きに設定されているバーコード読み取り装置。
  9. レーザ光源、及び、請求項1記載のレーザビーム発生用光学素子としての機能と該レーザ光源からの光を平行光に変換するコリメートレンズとしての機能とを併せ持つホログラムを備え、読み取り可能なバーコードの最小線幅と、読み取り深度との関係を、該読み取り可能なバーコードの最小線幅を縦軸にとって、該読み取り深度を横軸にとって、両対数グラフで表したとき、傾きPが、複数の要求仕様値を結ぶ直線の傾きに対応する傾きに設定されているバーコード読み取り装置。
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