JP3646566B2 - 空燃比センサの抵抗検出装置 - Google Patents

空燃比センサの抵抗検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は空燃比センサの抵抗検出装置に関し、特に、内燃機関の排気空燃比を検出する空燃比センサ素子、例えば酸素濃度検出素子のインピーダンスを検出する空燃比センサの抵抗検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の機関の空燃比制御においては、機関の排気系に空燃比センサと触媒とを配設し、触媒により排気ガス中の有害成分(HC、CO、NOx 等)を最大限浄化するため、空燃比センサにより検出される機関の排気空燃比が目標空燃比、例えば理論空燃比になるようにフィードバック制御を行っている。この空燃比センサとして、機関から排出される排気ガス中に含まれる酸素濃度に比例して限界電流を出力する限界電流式の酸素濃度検出素子が用いられている。限界電流式酸素濃度検出素子は、酸素濃度から機関の排気空燃比を広域かつリニアに検出するものであり、空燃比制御精度を向上させたり、リーンバーン制御を行ったりするために有用である。
【0003】
上記酸素濃度検出素子は、空燃比の検出精度を維持するため活性状態に保つことが不可欠であり、通常、機関始動時から同素子に付設されたヒータを通電することにより同素子を加熱し早期活性化しその活性状態を維持するようヒータの通電制御を行っている。
図27は酸素濃度検出素子の温度とインピーダンスの相関関係を示す図である。上記酸素濃度検出素子(以下、単に素子と記す)の温度とインピーダンスとの間には図27に太線で示すような相関関係、すなわち素子温度の上昇に連れて素子のインピーダンスが減衰するという関係がある。この関係に着目し、上記のようなヒータの通電制御においては、素子のインピーダンスを検出して素子温度を導き出し、その素子温度が所望の活性化温度、例えば700°Cになるようにフィードバック制御を行っている。例えば、図27の太線に示すように、素子のインピーダンスZacが、初期制御素子温700°Cに相当する素子のインピーダンス30Ω以上とき(Zac≧30)、すなわち素子温が700°C以下のとき、ヒータを通電し、Zacが30Ωより小のとき(Zac<30)、すなわち素子温が700°Cを超えるとき、ヒータの通電を解除する制御を行うことで、素子の温度を活性化温度700°C以上に保ち、素子の活性状態を維持している。また、ヒータ通電時は、素子のインピーダンスとその目標値との偏差(Zac−30)をなくすために必要な通電量を求め、その通電量を供給するようデューティ制御を行っている。
【0004】
特開平9−292364号公報に開示されている酸素濃度センサの素子抵抗検出方法は、上記酸素濃度検出素子のインピーダンスを検出するに際し、空燃比検出用の直流分の電圧に同素子温度を検出するために好適な1つの周波数、例えば5KHzの交流分の電圧を重畳して同素子に印加し、この交流分電圧重畳後に同素子に流れる電流を測定して、これら重畳印加電圧と測定電流とから素子インピーダンスを検出している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平9−292364号公報開示の酸素濃度センサの素子抵抗検出方法により検出される素子インピーダンスは、内燃機関の排気通路に酸素濃度センサを配設したとき、経時変化に伴い、排気温、あるいは素子の電極表面や内部への付着物により電極部が劣化し、図27に細線で示すような相関関係をもつようになり、センサ素子の劣化に伴いその検出値にずれが生じる。また、上記素子インピーダンスは、内燃機関の排気通路に酸素濃度センサを配設したとき、機関の吸入空気量または負荷状態および排気空燃比等により排気通路内のガス状態が変化し、このガス状態の変化によってその検出値にずれが生じる。
【0006】
このようにインピーダンスの検出値にずれが生じると、図27に太線で示すように、例えば素子温制御目標値が30Ωで現在の真の素子インピーダンスが30Ωのとき、上記ずれにより素子インピーダンスが20Ωとして誤検出されると、素子の温度は800°Cと見なされ素子温度を下げるヒータ制御が行われる。この制御が継続すると、センサ素子は活性温度700°Cより低くなりセンサ素子は活性状態を維持できなくなり、その結果空燃比制御の精度が悪化し、排気エミッションが悪化するという問題が生じる。
【0007】
一方、同様に素子温制御目標値が30Ωで現在の真の素子インピーダンスが30Ωのとき、上記ずれにより素子インピーダンスが90Ωとして誤検出されると、素子の温度は600°Cと見なされ素子温度を上げるヒータ制御が行われる。この制御が継続すると、センサ素子は活性温度700°Cより高くなりセンサ素子は過加熱され、その結果センサ素子の劣化が促進され、寿命が短縮するという問題が生じる。
【0008】
それゆえ、本発明は上記問題を解決し、経時変化に伴いセンサ素子が劣化したり、被検出ガスのガス状態が変化したりしても、センサ素子の過加熱によるセンサ素子の劣化やヒータへの過多な電力供給によるヒータ抵抗の劣化を防止する空燃比センサの抵抗検出装置を提供することを目的とする。
本発明はまた、空燃比センサの素子の故障を判定する空燃比センサの抵抗検出装置を提供することをその他の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記問題を解決する本発明による空燃比センサの抵抗検出装置は、酸素濃度検出素子と、該酸素濃度検出素子を活性化するヒータと、該酸素濃度検出素子に電圧を印加することにより被検出ガス中の酸素濃度に比例した電流を該酸素濃度検出素子から検出して該被検出ガス中の空燃比を検出する空燃比検出手段と、を備える空燃比センサの抵抗検出装置において、前記酸素濃度検出素子に電圧を印加して該酸素濃度検出素子のインピーダンスを検出するインピーダンス検出手段と、前記ヒータへ供給される電力量を算出する電力量算出手段と、内燃機関の冷間定常アイドル状態、完全暖機定常アイドル状態および完全暖機定常走行状態の内の少なくとも一つの運転状態のときに前記電力量算出手段により算出された前記電力量に応じて、前記インピーダンス検出手段により検出された前記酸素濃度検出素子のインピーダンスを補正する補正手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
上記電力量算出手段として、例えば、所定期間中前記ヒータへ供給された電力の積算電力量を算出する積算電力算出手段、あるいは平均電力を算出する平均電力量算出手段がある。
上記構成、すなわち内燃機関の冷間定常アイドル状態、完全暖機定常アイドル状態および完全暖機定常走行状態の内の少なくとも一つの運転状態のときに上記電力算出手段により算出された前記電力量を、経時変化に伴うセンサ素子の劣化のパラメータとし、上記電力量に応じて、前記酸素濃度検出素子のインピーダンスを補正して、同素子の素子温制御目標値を補正する。これによりヒータへの電力量に応じて、すなわち経時変化に伴うセンサ素子の劣化に応じて素子温制御目標値を適切に制御でき、酸素濃度検出素子やヒータへの過加熱を防止する。
【0012】
本発明はまた、上記空燃比センサの抵抗検出装置において、前記運転状態のときに前記電力量算出手段により算出された前記電力量に基づいて、前記酸素濃度検出素子の故障を判定する故障判定手段を備える。
上記構成により酸素濃度検出素子の故障を判定できる。
本発明はまた、上記空燃比センサの抵抗検出装置において、前記インピーダンス検出手段は、前記酸素濃度検出素子に直流分に交流分が重畳された電圧を印加し該酸素濃度検出素子のインピーダンスを検出する。
【0013】
上記構成により酸素濃度検出素子のインピーダンスを短時間で検出できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明による空燃比センサ抵抗検出装置の一実施形態の概略構成図である。図1以降、同一のものは同一符号で示す。図1中、参照番号1はシリンダブロック、2はピストン、3はシリンダヘッド、4は燃焼室、5は吸気マニホルド、6は排気マニホルドをそれぞれ示す。吸気マニホルド5は、サージタンク7、吸気ダクト8およびエアフローメータ9を介してエアクリーナ10に接続される。吸気ダクト8内にはスロットル弁11が配設され、吸気マニホルド5には燃料噴射弁12が吸気ポート13へ向けて配設される。排気マニホルド6には排気管14が接続され、この排気管14の途中にはHC、CO、NOxの3成分を同時に浄化するとともに酸素ストレージ効果を有する三元触媒を内蔵した触媒コンバータ15が配設される。
【0015】
電子制御ユニット(ECU)100は、デジタルコンピュータからなり、双方向性バス41によって相互に接続されたROM42、RAM43、バックアップ用のB.RAM44、CPU45、入力ポート46および出力ポート47、等を具備する。エアフローメータ9は吸入空気量に比例した出力電圧を発生し、その出力電圧の信号をA/D変換器48を介して入力ポート46に入力する。排気マニホルド6内の上流側には空燃比センサ101が配設され、空燃比センサ101は排気ガス中の酸素濃度を検出し、その出力信号を空燃比センサ回路103、A/D変換器48を介して入力ポート46に入力する。
【0016】
吸気ダクト8内のスロットル弁11の開度はアクセルペダル(図示せず)の踏込み動作に連動して可変される。スロットル弁11にはスロットル開度の全閉状態を検出するアイドルスイッチを有するスロットルポジションセンサ18が設けられており、スロットルポジションセンサ18はECU100に接続されECU100の入力ポート46にアイドルスイッチのオンオフ信号XIDLEを入力するとともに、A/D変換器48を介して入力ポート46にスロットル開度に比例したアナログ電圧の信号を入力する。
【0017】
サージタンク7には吸気通路内の絶対圧を検出する圧力センサ19が設けられ、圧力センサ19は吸気圧に比例したアナログ電圧の信号をA/D変換器48を介して入力ポート46に入力する。
シリンダブロック1にはウォータジャケット内の機関200の冷却水温を検出する水温センサ20が取付けられており、水温センサ20は機関200の冷却水温に比例したアナログ電圧の信号をA/D変換器48を介して入力ポート46に入力する。
【0018】
バッテリ105の電圧もECU100に接続され、バッテリ105の電圧はECU100内のA/D変換器48を介して入力ポート46に入力される。また、機関200が搭載される車両の車速を検出する車速センサ21もECU100に接続され、車速センサ21のアナログ電圧出力は、ECU100内のA/D変換器48を介して入力ポート46に入力される。
【0019】
ディストリビュータ16には2つのクランク角センサ33、34が設けられ、クランク角センサ33はクランク角に換算して720°CA毎の基準位置を検出して出力パルス信号を発生し、クランク角センサ34はクランク角に換算して30°CA毎の位置を検出して出力パルス信号を発生する。これらの出力パルス信号は入力ポート46に入力され、クランク角センサ34の出力パルス信号はCPU45の割込端子にも入力される。クランク角センサ33、34の出力パルス信号から、例えば機関200の回転数が演算される。
【0020】
一方、出力ポート47は駆動回路49を介して燃料噴射弁12に接続される。燃料噴射弁12から吸気ポート13へ向けて吸気通路17へ噴射される燃料噴射量は、空燃比が目標空燃比、本実施形態では理論空燃比になるように駆動回路49により開弁される燃料噴射弁12の開弁時間を可変することにより制御される。出力ポート47は駆動回路49を介してアラーム22にも接続され、アラーム22は空燃比センサ素子102やヒータ104が劣化したと判定されたときに付勢される。
【0021】
なお、CPU45の割込は、A/D変換器によるA/D変換終了時やクランク角センサ34の出力パルス信号の受信時に発生する。A/D変換器48を介して入力ポート46へ入力されたデジタルデータはA/D変換毎に読取られ、RAM43に格納される。機関200の回転数NEもクランク角センサ34の出力パルス信号がCPU45の割込端子に入力される毎に演算されRAM43に格納される。つまりRAM43に格納される機関200のデータは絶えず更新される。
【0022】
また、ヒータ104は空燃比センサ101に内蔵されセンサ素子を活性化するために加熱するためのものであるが、後述の処理によりCPU45により演算されたデジタルデータを出力ポート47を介してD/A変換器50でアナログ電圧に変換しヒータ回路106を介してヒータ104へ電力が供給される。
図2は図1に示す空燃比センサ101およびヒータ104の制御を示す図である。図1に示す機関200の排気空燃比を検出する空燃比センサ101は、空燃比センサ素子(以下、センサ素子と記す)102とヒータ104とを有する。空燃比センサ回路(以下、センサ回路と記す)103がECU100内に設けられ、センサ素子102に電圧を印加する。センサ回路103は、デジタルコンピュータからなるECU100内で空燃比センサ1を制御する役割を担う制御ユニット、すなわち空燃比センサ制御ユニットA/FCU110からアナログの印加電圧を受けこれに応じた電圧をセンサ素子102に印加する。A/FCU110は後述の処理にしたがって算出したデジタルデータを内部に設けられたD/A変換器50によりアナログ電圧に変換してセンサ回路103へ出力する。この電圧の印加に伴いA/FCU110は被検出ガス中、すなわち排気ガス中の酸素濃度に比例して変化するセンサ素子102を流れる電流を検出する。A/FCU110はこの電流を検出するため内部に設けられたA/D変換器48によりセンサ回路103からセンサ素子102を流れる電流に相当するアナログ電圧を受ける。A/FCU110はこのアナログ電圧をデジタルデータに変換し、変換したデジタルデータを後述する処理に使用する。
【0023】
空燃比センサ101はセンサ素子102が活性状態にならないとその出力を空燃比制御に使用できない。このため、A/FCU110は機関始動時にバッテリ105からヒータ104へ電力供給してヒータ104を通電し、センサ素子102の早期活性化を行い、センサ素子102が活性化された後はその活性状態を維持するようヒータ104へ電力供給する。空燃比センサ回路103は内部に積分回路が設けられており、A/FCU110から空燃比センサ回路103へ入力された矩形パルスを正弦波状のパルスに変換した電圧をセンサ素子102に印加するようになっている。これにより高周波ノイズによるセンサ素子の出力電流の検出エラーを防止している。
【0024】
しかるに、図27に示したように、センサ素子102の抵抗がセンサ素子102の温度に依存すること、すなわちセンサ素子温度の増大に連れて減衰することに着目し、センサ素子102の抵抗がセンサ素子102の活性状態を維持する温度に相当する抵抗値、例えば30Ωとなるようヒータ104へ電力供給することによりセンサ素子102の温度を目標温度、例えば700°Cに維持する制御が行われている。また、A/FCU110は内部に設けられたA/D変換器48によりヒータ回路106からヒータ104の電圧と電流に相当するアナログ電圧を受けデジタルデータに変換してこのデジタルデータを後述する処理に使用する。例えば、ヒータ104の抵抗値を算出し、この抵抗値に基づき機関の運転状態に応じた電力供給をヒータ104に行うとともにヒータ104の過昇温(OT)を防止するようヒータ104の温度制御を行う。
【0025】
図3は空燃比センサの入出力信号を示す図であり、(A)は空燃比センサへ印加する入力電圧の波形を示す図であり、(B)は空燃比センサから検出される出力電流の波形を示す図である。横軸は時間を示し、縦軸は電圧および電流を示す。図3の(A)に示すように、空燃比センサに印加する入力電圧Vmとして、常時直流電圧0.3Vが印加されている。センサ素子のインピーダンスを測定するため、後述するルーチンの実行により、空燃比センサに±0.2Vの第1周波数(例えば5KHz)のパルス電圧が上記直流電圧0.3Vに重畳して印加される。一方、図3の(B)に示すように、空燃比センサから検出される出力電流Imは、空燃比センサに直流電圧0.3Vのみを印加している間はその時々の被測定ガスの酸素濃度に応じた値を示すが、空燃比センサに上記パルス電圧±0.2Vを直流電圧0.3Vに重畳することにより変化する。このときの空燃比センサからの出力電流の変化を検出してセンサ素子のインピーダンスを算出する。
【0026】
ここで、空燃比センサ素子の構造、等価回路およびインピーダンス特性について以下に説明する。
図4は空燃比センサ素子の構造を示す図であり、(A)は断面図を示す図であり、(B)は電解質部の部分拡大図である。
図5は空燃比センサ素子の等価回路を示す図である。図5において、R1は例えばジルコニアからなる電解質のバルク抵抗(図4の grain(グレイン)部)、R2は電解質の粒界抵抗(図4の grain boundary (グレイン境界)部)、R3は例えば白金からなる電極の界面抵抗を示し、C2は電解質の粒界の容量成分、C3は電極界面の容量成分を示し、Z(W)は交流による分極が行われると周期的に界面濃度が変化するために生じるインピーダンス分(ワールブルインピーダンス)を示す。
【0027】
図6は空燃比センサ素子のインピーダンス特性を示す図である。横軸はインピーダンスZの実部Z' 、縦軸は虚部Z" を示す。空燃比センサ素子のインピーダンスZはZ=Z’+jZ”で表される。図6から、電極界面抵抗R3は、周波数が1〜10KHzに近づくにつれて0に収束することが判る。また、破線で示す曲線は、空燃比センサ素子により酸素大のガス状態を検出するときの素子インピーダンスを示す。一方、一点鎖線で示す曲線は、空燃比センサ素子により酸素小のガス状態を検出するときの素子インピーダンスを示す。この破線または一点鎖線で示されるインピーダンス特性からR3の部分が特に変化することが判る。
【0028】
図7は交流入力電圧の周波数とインピーダンスとの関係を示す図である。図7は図6について横軸を周波数fに、縦軸をインピーダンスZacに変換したものである。図6から、周波数1KHz〜10MHzではインピーダンスZacが所定値(R1+R2)に収束し、10MHzより高周波側ではインピーダンスZacは減少し、R1に収束することが判る。このことから、インピーダンスZacを安定した状態で検出するためには、Zacが周波数によらず一定値となる1KHz〜10MHz付近が望ましいことが判る。また、破線および一点鎖線で示す曲線も、図6に示すインピーダンス特性に対応する。
【0029】
図8は空燃比センサの電圧−電流特性を示す図である。横軸に空燃比センサへの印加電圧V、縦軸に空燃比センサの出力電流Iを示す。図8から判るように、印加電圧Vと出力電流Iとは略比例関係にあり、空燃比がリーンであれば正側に、空燃比がリッチであれば負側へ電流値が変化する(図8における特性線L1を参照)。つまり、空燃比がリーン側になる程限界電流は増大し、空燃比がリッチ側になる程限界電流は減少する。また、出力電流Iが0mAのとき、空燃比は理論空燃比(=14.5)になる。この電圧−電流特性は素子温に依存し、素子温度が高いとき程L1の傾きは大きくなるが、限界電流値は素子温による影響は少なく、空燃比一定で素子温が変化しても限界電流は略同一値を示す。
【0030】
次に、A/FCU110により実行されるこのセンサ素子のインピーダンスの算出ルーチンについて以下に詳細に説明する。
図9はセンサ素子のインピーダンス算出ルーチンの前半フローチャートであり、図10にセンサ素子のインピーダンス算出ルーチンの後半フローチャートを示す。より詳しくは、図10はセンサ素子のインピーダンス算出ルーチンにおける特定周波数重畳処理のフローチャートであり、図11と図12は特定周波数重畳処理を遂行するために必要な割込処理ルーチンのフローチャートである。図9および図10に示すルーチンは、所定の周期、例えば1msec毎に実行される。
【0031】
先ず、ステップ901では、イグニッションスイッチIGSW(図示せず)がオンかオフかを判別し、IGSWがオンのときはステップ902へ進み、IGSWがオフのときは本ルーチンを終了する。ステップ902では、空燃比センサにVm=0.3Vの直流電圧がすでに印加されているか否かを判別し、その判別結果がYESのときはステップ903へ進み、その判別結果がNOのときはステップ904へ進む。ステップ904では空燃比センサに0.3Vの直流電圧を印加する。
【0032】
ステップ903では、ステップ904で空燃比センサに0.3Vの直流電圧を印加してから4msecが経過した時期か否か、あるいは本ルーチンの前回処理周期に空燃比センサの電流Imsを読込んでから4msecが経過した時期か否かを、例えばカウンタにより判別し、これらの判別結果の何れか一方がYESのときはステップ905へ進み、その判別結果の両方がNOのときは本ルーチンを終了する。ステップ905では、空燃比センサの電流Imsを読込み、図10に示すステップ1001へ進む。
【0033】
次に、図10〜図12を相互に参照しつつ、センサ素子のインピーダンス算出ルーチンの特定周波数重畳処理のフローチャートを説明する。特定周波数として5KHzを用いた例で説明する。先ず、ステップ1001では、今回処理周期が本ルーチン開始からk×64msec(k=1、2、3、…)経過した時期か否かを、例えばカウンタにより判別し、これらの判別結果がYES、すなわち今回処理周期が本ルーチン開始から64msec、128msec、192msec、…のときはステップ1002へ進み、その判別結果がNOのときは本ルーチンを終了する。ステップ1002では、空燃比センサへの印加電圧Vm(=0.3V)に−0.2Vのパルス電圧を重畳する。したがって、このときの空燃比センサへの印加電圧Vmは0.1Vとなる。また、ステップ1002では図11に示す第1タイマ割込が起動される。
【0034】
ここで、図11の第1タイマ割込処理について説明する。ステップ1101では、上記第1タイマ割込の起動後85μsが経過したか否かを判別し、その判別結果がYESのとき、ステップ1102へ進み空燃比センサの出力電流Im1を読込み、その判別結果がNOのとき、ステップ1101へ戻る。
ステップ1103では、上記第1タイマ割込の起動後100μsが経過したか否かを判別し、その判別結果がYESのとき、ステップ1104へ進み空燃比センサにVm=0.5Vの電圧を印加し、その判別結果がNOのとき、ステップ1101へ戻る。また、ステップ1104では図12に示す第2タイマ割込が起動される。
【0035】
ここで、図12の第2タイマ割込処理について説明する。ステップ1201では、上記第2タイマ割込の起動後100μsが経過したか否かを判別し、その判別結果がYESのとき、ステップ1202へ進み、空燃比センサにVm=0.3Vの電圧を印加して通常の空燃比検出状態に戻し、その判別結果がNOのとき、ステップ1201へ戻る。
【0036】
再び、図10へ戻る。ステップ1003では、今回処理周期が本ルーチン開始から(k×64+4)msec(k=1、2、3、…)経過した時期か否かを判別し、その判別結果がYESのときはステップ1004へ進み、その判別結果がNOのときは本ルーチンを終了する。
ステップ1004では、特定周波数電圧印加時のインピーダンスZacを次式から計算する。
【0037】
Zac=ΔVm/ΔIm=0.2/(Im −Ims)
ステップ1005では、Zacのガード処理、すなわちZacを下限ガード値KRELと上限ガード値KREHとの間に収めるKREL≦Zac≦KREHとする処理を実行する。具体的には、ZacがKREL≦Zac≦KREHのときはそのままとし、Zac<KRELのときはZac=KREL=1(Ω)とし、KREH<ZacのときはZac=KREH=200(Ω)とする処理を実行する。なお、ガード処理は通常外乱やA/D変換誤差等によるデータを無視するために行う。
【0038】
図13はヒータ制御のタイムチャートである。図13において、横軸は時間、縦軸は、上段がヒータへ供給する電力のデューティ比、中段がヒータ温度、下段が素子インピーダンスをそれぞれ示す。機関始動に伴い、ヒータへの通電が開始された時刻t0 からヒータが目標(上限)温度、例えば1200°Cに到達するまでの時刻t1 まではデューティ比100%の全通電制御が行われ、時刻t1 からセンサ素子が活性化された温度700°Cに相当するインピーダンス30Ωに到達した時刻t2 まではヒータの温度を目標温度に維持するヒータ温フィードバック制御が行われ、時刻t2 以降はセンサ素子の温度を素子活性化温度700°Cに維持する素子温フィードバック制御が行われる。このヒータ制御ルーチンをフローチャートに基づき以下に説明する。
【0039】
図14はヒータ制御ルーチンのフローチャートである。本ルーチンは、所定の周期、例えば100msec毎に実行される。先ず、ステップ1401では、イグニッションスイッチ(図示せず)がONかOFFかを判別し、イグニッションスイッチがONのときはステップ1402へ進み、イグニッションスイッチがOFFのときは本ルーチンを終了する。ステップ1402では、ヒータ抵抗RHをヒータへの印加電圧とヒータの通電電流とから算出する。ステップ1403では、ステップ1402で算出したヒータ抵抗RHとヒータ抵抗学習値RHGとを比較し、RH≧RHGのときはステップ1404へ進み、RH<RHGのときはステップ1405へ進む。ここで、ヒータ抵抗学習値RHGとはヒータ温度が目標温度(1200°C)のときの抵抗値を製品毎や経時変化によるバラツキを解消できるように学習した値である。
【0040】
ステップ1404では、素子インピーダンスZacを読取る。ステップ1406では読取ったZacとセンサ素子の活性温度に相当する30Ωとを比較し、Zac>30のときはセンサ素子が活性状態であると判断してステップ1408へ進み、Zac≦30のときはセンサ素子が非活性状態であると判断してステップ1407へ進む。ステップ1405では全通電(100%デューティ)制御を行い、ステップ1407ではヒータ温フィードバック制御を行い、ステップ1408では素子温フィードバック制御を行う。次に、特定周波数を印加して検出した空燃比センサのインピーダンスZacに基づき、センサ素子の温度を活性化温度に維持する素子温フィードバック制御ルーチンについて以下に説明する。
【0041】
図15は素子温フィードバック制御ルーチンのフローチャートである。本ルーチンは、所定の周期、例えば128msec毎に実行される。本ルーチンは、特定周波数5KHzに対する空燃比センサのインピーダンスZacと素子温制御目標値Zactgとの偏差Zacerr (=Zactg−Zac)に基づいて、ヒータ通電のデューティ比のPID制御を行う。先ず、ステップ1500では、後述する素子温制御目標値算出ルーチンを実行する。
【0042】
次に、ステップ1501では、比例項KPを次式から算出する。
KP=Zacerr ×K1 (K1 :定数)
ステップ1502では、積分項KIを次式から算出する。
KI=ΣZacerr ×K2 (K2 :定数)
ステップ1503では、微分項KDを次式から算出する。
【0043】
KD=(ΔZacerr /Δt)×K3 (K3 :定数)
ステップ1504では、PIDゲインKPIDを次式から算出する。
KPID=KP+KI+KD
ステップ1505では、出力デューティ比を次式から算出する。
DUTY(i) =DUTY(i-1) ×KPID
ステップ1506では、出力デューティ比DUTY(i) のガード処理を行い、DUTY(i) を下限値KDUTYLと上限値KDUTYHとの間KDUTYL≦DUTY(i) ≦KDUTYHに収める処理を実行する。具体的には、KDUTYL≦DUTY(i) ≦KDUTYHのときはそのままとし、DUTY(i) <KDUTYLのときはDUTY(i) =KDUTYLとし、KDUTYH<DUTY(i) のときはDUTY(i) =KDUTYHとする処理を実行する。
【0044】
また、図13、図14に示したヒータ制御において、本発明はヒータおよびセンサ素子の過昇温(Over Temperature)を防止するため、特定周波数5KHzに対する空燃比インピーダンスZacが劣化補正後の素子温制御目標値Zactgより所定値、例えば5Ωを超えるか否か(Zac≦Zactg−5(Ω))を判別し、その判別結果がYESのときは正常、すなわちヒータおよびセンサ素子は過昇温になっていないものと判定し、図14のフローチャートで示したヒータ制御ルーチンを実行し、その判別結果がNOのときは異常、すなわちヒータおよびセンサ素子は過昇温になっていると判定し、DUTY(i) =0に設定する処理を行う。
【0045】
次に、センサ素子の経時変化を推定し学習する素子温制御目標学習値Zactgg に基づき、かつセンサ素子により検出する被検出ガスのガス状態に応じて、素子温制御目標値Zactgを算出するルーチンについて以下に説明する。
図16は素子温制御目標値算出ルーチンのフローチャートである。このルーチンは、所定の周期、例えば100msec毎に実行される。先ず、ステップ1601では、センサ素子の劣化を学習して素子温制御目標学習値Zactgg を算出し、これをB.(バックアップ)RAMに記憶する。この素子温制御目標学習値の算出は、後述するように、例えばセンサ素子のヒータへ供給する電力の平均電力量を算出して求めることができる。この学習値は機関始動時のイニシャルセットによりB.RAMに読込まれる。
【0046】
ステップ1602では、図17に示す吸入空気量ga(g/sec)からインピーダンスの補正量KLD(Ω)を算出するマップに基づき、エアフローメータにより読取った吸入空気量gaから補正量KLDを算出する。図17に示すように、補正量KLDは吸入空気量が所定量20(g/sec)を境に減量補正値から増量補正値に切り替わる。これは吸入空気量の増大に伴いセンサ素子の電極界面抵抗が増大し、素子インピーダンスが増大するからである。
【0047】
他の実施の形態として、ステップ1602では図18に示す機関の負荷状態からインピーダンスの補正量KLD(Ω)を算出するマップに基づき補正量KLDを算出してもよい。図18に示すように、機関の負荷状態は、クランク角センサの検出信号から算出した機関の回転数NE(rpm)と吸気圧センサにより読取った吸入管負圧(mmHg)とから推定する。補正量KLDは中負荷状態を境に、低負荷低回転数側では減量補正値に、高負荷高回転数側では増量補正値に切り替わる。これは高負荷高回転数側程吸入空気量が増大し、センサ素子の電極界面抵抗が増大し、素子インピーダンスが増大するからである。
【0048】
なお、機関の負荷は、回転数NE(rpm)とエアフローメータにより読取った吸入空気量ga(g/sec)とからga/NEを算出し、その算出値で代用してもよい。
ステップ1603では、図19に示す機関の空燃比(A/F)からインピーダンスの補正量KAF(Ω)を算出するマップに基づき、空燃比センサにより読取った空燃比(A/F)から補正量KAFを算出する。図19に示すように、補正量KAFは機関の理論空燃比(A/F)14.5を境に量補正値から量補正値に切り替わる。これは空燃比の増大に伴い酸素濃度が増大し、センサ素子の電極界面抵抗が減少し、素子インピーダンスが減少するからである。
【0049】
ステップ1604では、ステップ1601〜1603でそれぞれ算出した素子温制御目標学習値Zactgg 、吸入空気量または負荷による補正量KLD、および空燃比による補正量KAFを用いて、素子温制御目標値Zactgを次式から算出する。
Zactg = Zactgg +KLD+KAF
このように素子温制御目標値を可変することによりセンサ素子およびヒータ抵抗の過加熱を防止できる。
【0050】
次に、所定期間中ヒータへ供給された電力の積算電力量を算出し、算出した積算電力量からセンサ素子の劣化の度合いを判断して、空燃比センサの素子インピーダンスの素子温制御目標学習値Zactgg を算出するルーチンについて以下に説明する。
図20は機関始動時の素子劣化補正ルーチンの前半部フローチャートであり、図21は同後半部フローチャートである。本ルーチンは、所定の周期、例えば128msec毎に実行される。先ず、ステップ2001では、現在、ヒータ抵抗を流れる電流HTIi とヒータ抵抗へ印加する電圧HTVi とヒータ電力供給のデューティ比DUTYi とを読取りヒータへ供給する電力HTWi (=HTIi ×HTVi ×DUTYi )を算出する。ステップ2002では、学習完了フラグ(XZACGE)がオフか、あるいは学習禁止フラグ(XZACGI)がオフかを判別し、その判別結果がYESのときはステップ2003へ進み、その判別結果がNOのときは本ルーチンを終了する。
【0051】
ステップ2003では、機関始動時の学習条件が成立しているか否かを判別し、その判別結果がYESのときはステップ2004へ進み、その判別結果がNOのときはステップ2005へ進む。
機関始動時の学習条件は、機関が冷間定常アイドル状態であることを示す下記の各条件を満足したとき成立とみなす。
・機関始動時水温THWstが所定温度範囲内(THW1≦THWst≦THW2)
・機関始動時バッテリ電圧BATstが所定値以上(KBA≦BATst)
・機関始動時空燃比センサのインピーダンスZacst(Ω)が所定値以上(KZac≦Zacst)
・機関回転数NE(rpm )が所定値以下(NE≦KNE)
・機関吸気圧PM(mmHg)が所定値以下(PM≦KPM)
・車速SPD(km/h)が所定値以下(SPD≦KSPD)
・機関アイドルスイッチがオン
ステップ2004では、学習条件成立フラグ(XZACG )をオンとする。ステップ2005では、機関始動後最初の学習条件成立フラグ(XZACGF)がオンかオフかを判別し、オン(XZACGF=1)のときステップ2012へ進み、オフ(XZACGF=0)のとき本ルーチンを終了する。
【0052】
ステップ2006では、前回処理周期で学習条件成立フラグ(XZACG )がオンかオフかを判別し、オフ(XZACG =0)のときステップ2007へ進み、オン(XZACG =1)のときステップ2008へ進む。ステップ2007では、機関始動後最初の学習条件成立フラグ(XZACGF)をオンにする。
ステップ2008では、空燃比センサの素子インピーダンスZacが所定範囲内(KZacG1≦Zac≦KZacG2)か否かを判別し、その判別結果がYESのときはステップ2009へ進み、その判別結果がNOのときはステップ2010へ進む。ここで、KZacG1は下限値、すなわち素子温度600°Cに相当する素子インピーダンスであり、KZacG2上限値、すなわち素子温度400°Cに相当する素子インピーダンスである。ステップ2009では、今回処理周期の積算電力量ΣHTWi を次式から算出する。
【0053】
ΣHTWi =ΣHTWi-1 +HTWi
ここで、ΣHTWi-1 は前回処理周期の積算電力量を示し、イグニッションスイッチをオンに切換え機関を始動した直後に0にクリアされる。ステップ2009実行後は図21のステップ2101へ進む。
ステップ2010では、空燃比センサのインピーダンスZacが所定値KZacG1以下(Zac≦KZacG1)か否かを判別し、その判別結果がYESのときはステップ2011へ進み、その判別結果がNOのときは図21のステップ2101ヘ進む。ステップ2011では学習完了フラグ(XZACGE)をオンに設定する。
【0054】
ステップ2101では、学習完了フラグ(XZACGE)がオンかオフかを判別し、学習完了フラグがオン(XZACGE=1)のとき、ステップ2102へ進み、学習完了フラグがオフ(XZACGE=0)のときは本ルーチンを終了する。ステップ2102では、空燃比センサの故障判定を行う。すなわち、今回処理周期の積算電力量ΣHTWi が所定値KΣHTW以上か否かを判別し(ΣHTWi ≧KΣHTW)、その判別結果がYESのときは空燃比センサは故障であると判断しステップ2103へ進み、その判別結果がNOのときはステップ2104へ進む。ステップ2103では空燃比センサの故障フラグ(XAFSF )をオンに設定し、本ルーチンを終了する。
【0055】
ステップ2104では、図25を用いて後述するヒータ積算電力量ΣHTWi から素子温制御目標学習値Zactgg を算出するルーチンを実行する。ステップ2105では学習完了フラグ(XZACGE)をオフにクリアする。次に、機関アイドル時の素子劣化補正ルーチンについて説明する。
図22は機関アイドル時の素子劣化補正ルーチンの前半部フローチャートである。本ルーチンは、所定の周期、例えば128msec毎に実行される。先ず、ステップ2201では、現在、ヒータ抵抗を流れる電流HTIi とヒータ抵抗へ印加する電圧HTVi とヒータ電力供給のデューティ比DUTYi とを読取りヒータへ供給する電力HTWi (=HTIi ×HTVi ×DUTYi )を算出する。
【0056】
ステップ2202では、機関アイドル時の学習条件が成立しているか否かを判別し、その判別結果がYESのときはステップ2203へ進み、その判別結果がNOのときは本ルーチンを終了する。
機関アイドル時の学習条件は、機関が完全暖機定常アイドル状態であることを示す下記の各条件を満足したとき成立とみなす。
・機関始動時水温THWstが所定温度範囲内(THW1≦THWst≦THW2)
・バッテリ電圧BATが所定値KBAT以上(KBAT≦BAT)
・空燃比センサのインピーダンスZac(Ω)が所定値範囲内(KZac1 ≦Zac≦KZac2 )
・機関回転数NE(rpm )が所定値以下(NE≦KNE)
・機関吸気圧PM(mmHg)が所定値以下(PM≦KPM)
・車速SPD(km/h)が所定値以下(SPD≦KSPD)
・機関アイドルスイッチがオン
ステップ2203では、学習条件成立後、所定時間経過したか否かを判別し、その判別結果がYESのときはステップ2204へ進み、その判別結果がNOのときは本ルーチンを終了する。ステップ2204では、学習条件成立フラグ(XZACG )をオンとする。
【0057】
ステップ2206では、前回処理周期で学習条件成立フラグ(XZACG )がオンかオフかを判別し、オフ(XZACG =0)のときステップ2207へ進み、オン(XZACG =1)のときステップ2208へ進む。ステップ2207では、積算電力量ΣHTWi を0にクリアし、かつ学習領域内経過時間カウンタCZACGTを0にクリアする。
【0058】
ステップ2208では、学習領域内経過時間カウンタCZACGTをインクリメント(CZACGT=CZACGT+1)する。
ステップ2209では、今回処理周期の積算電力量ΣHTWi を次式から算出する。
ΣHTWi =ΣHTWi-1 +HTWi
ここで、ΣHTWi-1 は前回処理周期の積算電力量を示し、イグニッションスイッチをオンに切換え機関を始動した直後に0にクリアされる。ステップ2209実行後は図21に示すフローチャートのステップ2101へ進む。
【0059】
ステップ2210では、学習領域内経過時間カウンタCZACGTが所定値KZACGT以上(CZACGT≧KZACGT)か否かを判別し、その判別結果がYESのときはステップ2211へ進み、その判別結果がNOのときは図21のステップ2101ヘ進む。ステップ2211では学習完了フラグ(XZACGE)をオンに設定する。次に、機関走行時について説明する。
【0060】
図23は機関走行時の素子劣化補正ルーチンの前半部フローチャートである。図23に示す機関走行時の素子劣化補正ルーチンは図22に示す機関アイドル時の素子劣化補正ルーチンにおけるステップ2202のアイドル時の学習条件をステップ2302の定常走行時の学習条件に置き換えたものであるので、ステップ2302の定常走行時の学習条件のみを以下に説明する。
【0061】
機関走行時の学習条件は、機関が完全暖機定常走行状態であることを示す下記の各条件を満足したとき成立とみなす。
・機関始動時水温THWstが所定温度範囲内(THW1≦THWst≦THW2)
・バッテリ電圧BATが所定値KBAT以上(KBAT≦BAT)
・空燃比センサのインピーダンスZac(Ω)が所定値範囲内(KZac1 ≦Zac≦KZac2 )
・機関回転数NE(rpm )が所定範囲内(KNE1L≦NE≦KNE1H)
・機関の負荷率のなまし値KLSM(%)が所定範囲内(KKLSM1L≦KLSM≦KKLSM1H)
なお、以上により、機関始動時、アイドル時、走行時の3つの運転状態における素子劣化補正ルーチンの実施の形態を説明したが、これら3つの何れか1つあるいはこれらを組合わせて素子劣化補正を行ってもよい。
【0062】
次に、空燃比センサの故障判定後の処理を説明する。
図24は空燃比センサ故障判定診断ルーチンのフローチャートである。本ルーチンは、所定の周期、例えば128msec毎に実行される。先ず、ステップ2401では、空燃比センサの故障判定フラグ(XFAFS )がオンかオフかを判別し、XFAFS =1のときはステップ2402へ進み、XFAFS =0のときは本ルーチンを終了する。ステップ2402では、機関の排気空燃比を目標空燃比、例えば理論空燃比へ制御する空燃比フィードバック制御を停止する。ステップ2403では、ヒータへの通電を停止しヒータの過加熱を防止する。ステップ2404では警告灯(図示せず)を点灯し、ドライバに空燃比センサの故障を知らせる。次に、図21のステップ2104の処理、すなわちヒータ積算電力量ΣHTWi から素子温制御目標値Zactgを補正するルーチンについて以下に説明する。
【0063】
図25は素子温制御目標学習値算出ルーチンのフローチャートである。本ルーチンは、所定の周期、例えば128msec毎に実行される。先ず、ステップ2501では、ヒータの積算電力量ΣHTWi から平均電力量HTWAVを次式から算出する。
HTWAV=ΣHTWi /積算回数
ステップ2502では、図26に示すマップを用いて平均電力量HTWAV(watt・h )からセンサ素子の劣化を推定する素子温制御目標学習値Zactgg の補正量 ZACOT(Ω)を算出する。ステップ2503では、今回処理周期の素子温制御目標学習値Zactggiを次式から算出する。
【0064】
Zactggi=Zactggi-1 + ZACOT
ここで、Zactggi-1は前回処理周期の素子温制御目標学習値である。ステップ2504では、バッテリバックアップのSRAMに上記のように学習した素子温制御目標学習値Zactggiを次式のように更新して記憶する。
Zactggb=Zactggi
図26のマップから判るように、補正量 ZACOTは平均電力量HTWAVの増大に伴い大きい値に設定されている。これは、空燃比センサの劣化に伴い、センサ素子のインピーダンス特性が変化し、センサ素子の温度を高温にする制御、すなわち素子温制御目標学習値Zactggiを低くする制御が行われ、このためヒータへ供給する電力量は大となる。本発明は、それゆえ、ヒータへの供給電力量の平均電力量を算出し、算出した平均電力量が増大したとき素子のインピーダンスを増大するよう制御することにより、センサ素子やヒータ抵抗の過加熱を防止している。また、センサ素子やヒータ抵抗の過加熱を防止することにより、センサ素子やヒータ抵抗の早期劣化を防止し寿命を延ばすことができる。
【0065】
以上説明した本発明の実施の形態では、特定周波数に5KHzを用いたが、本発明はこれに限定されない。空燃比センサの電解質、電極等の材料、センサ回路の特性、印加電圧、使用温度等を考慮してこれら周波数は適宜選択できる。なお、特定周波数としては図5、図6におけるR1(電解質のバルク抵抗)+R2(電解質の粒界抵抗)+R3(電極界面抵抗)までのインピーダンスが検出可能な周波数を選択すれば、R1+R2のインピーダンスまでを検出可能な周波数を選択する場合と比して被検出ガスのガス状態の変化をより顕著に捕らえることができる。
【0066】
また、以上説明した本発明の実施の形態によれば、センサ素子の経時変化に伴う劣化のパラメータとして、電力算出手段により、センサ素子を加熱するヒータへ供給する電力の積算電力量を算出して求め、求めたヒータの積算電力量に基づき、平均電力量を求め、この平均電力量から素子温制御目標学習値を算出する。次いで、センサ素子により検出される被検出ガスのガス状態に応じて、具体的には空気量または負荷および空燃比に応じて、同素子の素子温制御目標値の補正量を算出する。このように算出した素子温制御目標学習値および補正量とから、センサ素子のインピーダンスを補正して、同素子の素子温制御目標値を補正する。すなわち、経時変化に伴うセンサ素子の劣化状態を示すヒータへの積算電力量に基づく素子温制御目標学習値を、センサ素子により検出される被検出ガスのガス状態に応じて補正して素子温制御目標値を算出する。そして、センサ素子の温度を算出した素子温制御目標値とするように制御するので、センサ素子やヒータへの過加熱を防止することができる。
【0068】
【発明の効果】
本発明の空燃比センサの抵抗検出装置によれば、内燃機関の冷間定常アイドル状態、完全暖機定常アイドル状態および完全暖機定常走行状態の内の少なくとも一つの運転状態のときに算出されたヒータへの電力量に応じて、酸素濃度検出素子のインピーダンスを補正して、同素子の素子温制御目標値を補正でき、その結果、ヒータへの電力量に応じて素子温制御目標値を適切に制御でき、酸素濃度検出素子やヒータへの過加熱を防止できる。
本発明はまた、所定時間内のヒータへの電力量から、酸素濃度検出素子の故障を判定できる。
【0069】
本発明はまた、酸素濃度検出素子に直流分に交流分を重畳した電圧を印加することにより、同素子のインピーダンスを短時間に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による空燃比センサ制御装置の一実施形態の概略構成図である。
【図2】図1に示す空燃比センサおよびヒータの制御を示す図である。
【図3】空燃比センサの入出力信号を示す図であり、(A)は空燃比センサへ印加する入力電圧の波形を示す図であり、(B)は空燃比センサから検出される出力電流波形を示す図である。
【図4】空燃比センサ素子の構造を示す図であり、(A)は断面図を示す図であり、(B)は電解質部の部分拡大図である。
【図5】空燃比センサ素子の等価回路を示す図である。
【図6】空燃比センサ素子のインピーダンス特性を示す図である。
【図7】交流入力電圧の周波数とインピーダンスとの関係を示す図である。
【図8】空燃比センサの電圧−電流特性を示す図である。
【図9】センサ素子のインピーダンス算出ルーチンの前半フローチャートである。
【図10】センサ素子のインピーダンス算出ルーチンにおける特定周波数重畳処理のフローチャートである。
【図11】特定周波数重畳処理を遂行するために必要な第1割込処理ルーチンのフローチャートである。
【図12】特定周波数重畳処理を遂行するために必要な第2割込処理ルーチンのフローチャートである。
【図13】ヒータ制御のタイムチャートである。
【図14】ヒータ制御ルーチンのフローチャートである。
【図15】素子温フィードバック制御ルーチンのフローチャートである。
【図16】素子温制御目標値算出ルーチンのフローチャートである。
【図17】吸入空気量からインピーダンスの補正量を算出するマップである。
【図18】機関の負荷状態からインピーダンスの補正量を算出するマップである。
【図19】機関の空燃比からインピーダンスの補正量を算出するマップである。
【図20】機関始動時の素子劣化補正ルーチンの前半部フローチャートである。
【図21】機関始動時の素子劣化補正ルーチンの後半部フローチャートである。
【図22】機関アイドル時の素子劣化補正ルーチンの前半部フローチャートである。
【図23】機関走行時の素子劣化補正ルーチンの前半部フローチャートである。
【図24】空燃比センサ故障判定診断ルーチンのフローチャートである。
【図25】素子温制御目標学習値算出ルーチンのフローチャートである。
【図26】ヒータ平均電力量から素子温制御目標学習値の補正量を算出するマップである。
【図27】酸素濃度検出素子の温度とインピーダンスの相関関係を示す図である。
【符号の説明】
1…シリンダブロック
9…エアフローメータ
18…スロットルポジションセンサ
19…吸気圧センサ
20…水温センサ
21…車速センサ
22…アラーム
33…クランク角センサ
34…クランク角センサ
100…ECU
101…空燃比センサ
102…センサ素子
103…センサ回路
104…ヒータ
105…バッテリ
106…ヒータ回路
110…A/FCU
200…機関

Claims (3)

  1. 酸素濃度検出素子と、該酸素濃度検出素子を活性化するヒータと、該酸素濃度検出素子に電圧を印加することにより被検出ガス中の酸素濃度に比例した電流を該酸素濃度検出素子から検出して該被検出ガス中の空燃比を検出する空燃比検出手段と、を備える空燃比センサの抵抗検出装置において、
    前記酸素濃度検出素子に電圧を印加して該酸素濃度検出素子のインピーダンスを検出するインピーダンス検出手段と、
    前記ヒータへ供給される電力量を算出する電力量算出手段と、
    内燃機関の冷間定常アイドル状態、完全暖機定常アイドル状態および完全暖機定常走行状態の内の少なくとも一つの運転状態のときに前記電力量算出手段により算出された前記電力量に応じて、前記インピーダンス検出手段により検出された前記酸素濃度検出素子のインピーダンスを補正する補正手段と、
    を備えたことを特徴とする空燃比センサの抵抗検出装置。
  2. 前記運転状態のときに前記電力量算出手段により算出された前記電力量に基づいて、前記酸素濃度検出素子の故障を判定する故障判定手段を備える請求項1に記載の空燃比センサの抵抗検出装置。
  3. 前記インピーダンス検出手段は、前記酸素濃度検出素子に直流分に交流分が重畳された電圧を印加して該酸素濃度検出素子のインピーダンスを検出する請求項1または2に記載の空燃比センサの抵抗検出装置。
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