JP3645762B2 - プレス機械の診断方法及びその装置 - Google Patents

プレス機械の診断方法及びその装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3645762B2
JP3645762B2 JP29562499A JP29562499A JP3645762B2 JP 3645762 B2 JP3645762 B2 JP 3645762B2 JP 29562499 A JP29562499 A JP 29562499A JP 29562499 A JP29562499 A JP 29562499A JP 3645762 B2 JP3645762 B2 JP 3645762B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
load
press
machine
mold
measuring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP29562499A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001113399A (ja
Inventor
一成 桐井
格良 天野
良明 塚本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Kyoho Machine Works Ltd
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Kyoho Machine Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp, Kyoho Machine Works Ltd filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP29562499A priority Critical patent/JP3645762B2/ja
Publication of JP2001113399A publication Critical patent/JP2001113399A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3645762B2 publication Critical patent/JP3645762B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B30PRESSES
    • B30BPRESSES IN GENERAL
    • B30B15/00Details of, or accessories for, presses; Auxiliary measures in connection with pressing
    • B30B15/0094Press load monitoring means

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Control Of Presses (AREA)
  • Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)
  • Presses And Accessory Devices Thereof (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレス機械の異常状態を診断する方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プレス品の成形不良を引き起こす要因としてプレス機械の平行度異常等がある。プレス機械の平行度とは、図7に示されるように、可動型18(上型18)を支持するスライドプレート15の平行度のことであり、この平行度が許容範囲を外れるとプレス素材に偏荷重が加わり、プレス品の成形不良となる。このため、従来は、プレス機械のメンテナンス時に、ダイヤルゲージGによってスライドプレート15の位置を各コラム12h毎に測定し、その測定値に基づいて前記平行度の診断を行っている。
【0003】
しかし、上記したプレス機械の診断方法によると、プレス機械を停止させなければ診断が行えないため、プレス成形中におけるプレス機械の平行度等を診断することはできない。このため、プレス成形中に発生した平行度異常等の発見が遅れ、不良品を多数発生させる虞がある。また、手作業で診断を行うため、診断に手間が掛かるとともに、診断のためにプレス機械を長く停止させなければならず、プレス機械の稼働率が低下するという問題がある。
このような問題を解決するために、プレス機械の作動中にそのプレス機械の異常を診断する技術が特開平6−304800号公報に記載されている。前記プレス機械の異常診断技術は、図25に示されるように、四本のプランジャー74p(図25は正面図のため二本だけ表示)の各々に歪みゲージ72を取付け、その歪みゲージ72によってスライドプレート75に加わる荷重を測定し、その測定値からプレス機械70の異常を診断するものである。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記したプレス機械70の異常診断技術では、四本のプランジャー74pに取付けた歪みゲージ72によってスライドプレート75に加わる荷重を測定し、その測定値からプレス機械70の異常を診断するために、異常診断の範囲が限定されるという問題がある。
【0005】
本発明は、プレス機械の作動中にそのプレス機械の診断を広い範囲で行えるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した課題は、請求項1又は請求項2に記載されたプレス機械の診断方法及びその装置によって解決される。
本発明によると、プレス機械の機枠に加わる荷重を測定し、測定した荷重に基づいてプレス機械の診断を行うため、プレス機械の作動中にそのプレス機械の平行度等の診断を広い範囲で行うことができる。このため、プレス成形中に発生した異常を速やかに発見でき、不良品の大量発生を防止できる。さらに、診断時にプレス機械を停止させる必要もなくなるため、プレス機械の稼働率の低下も抑制できる。
【0007】
さらに、荷重測定手段で各々の機枠に加わる荷重を測定し、これ基づいて各々の機枠に加わる荷重の時間的な変化を表す荷重波形を求め、各々の機枠に対応する荷重波形の時間的なズレとプレス速度とからプレス機械の平行度を診断する。このため、従来のようにダイヤルゲージを使用して手動でプレス機械の平行度を診断する必要がなくなり、平行度診断の手間が大幅に低減される。
【0008】
上記した課題は、請求項3又は請求項4に記載されたプレス機械の診断方法及びその装置によって解決される。
本発明によると、各プレス成形時における所定タイミングの荷重の変動状態に基づいてプレス荷重付加手段と可動型間に配置された油圧シリンダの油漏れを診断する。このため、従来、目視で行っていた前記油圧シリンダの油漏れ点検を自動化できるとともに、それに起因するプレス機の不調及び成形不良を早期に発見することができる。
【0009】
上記した課題は、請求項5又は請求項6に記載されたプレス機械の診断方法及びその装置によって解決される。
本発明によると、荷重の立ち上がり時間に基づいてプレス機械の総合ガタを診断するため、従来、目視で行っていた総合ガタの診断を自動化できるとともに、総合ガタによるプレス機の不調及び成形不良を早期に発見することができる。
【0010】
上記した課題は、請求項7又は請求項8に記載されたプレス機械の診断方法及びその装置によって解決される。
本発明によると、上死点時における荷重に基づいてバランサ用シリンダの持ち上げ力(カウンターバランス)又はタイロッドの緩みを診断できるため、その診断が容易になり、オーバーバランス等に起因したプレス機械の不調を早期に発見することができる。
【0011】
上記した課題は、請求項9又は請求項10に記載されたプレス機械の診断方法及びその装置によって解決される。
本発明によると、プレス機械の機枠に加わる荷重と、しわ押さえ装置における状態量から求めたしわ押さえ荷重との差から摺動部分の摩擦荷重を求めることができるため、摺動部分の異常検出が可能になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、図1から図7に基づいて本発明の第1の実施の形態に係るプレス機械の診断装置及び診断方法の説明を行う。本実施の形態はプレス機械の平行度を診断する診断装置及び診断方法に関するものであり、図1は前記プレス機械の概略を表す縦断面図、図2は前記診断装置を表すブロック図、図3は前記診断装置の歪みゲージユニットを表す図面である。
【0013】
先ず、図1に基づいて前記プレス機械10の概略を説明する。
前記プレス機械10は板素材を絞り加工するためのシングルアクション型のプレス機械であり、その下部にベッド11を備えている。前記ベッド11の中央には後記するクッションパッド22等を収納する凹部であるオープニング11hが形成されており、そのオープニング11hの周囲四個所にプレス機械10の機枠を構成する支柱状のコラム12hが立設されている。また、前記コラム12hの上には同じく機枠を構成する昇降駆動装置用の架台14fが載置されている。
前記ベッド11、コラム12h及び昇降駆動装置用の架台14fは、各々のコラム12h内を縦に通されたタイロッド12tによって強固に連結されている。
【0014】
昇降駆動装置14は後記する金型18,19にプレス荷重を加える装置であり、モータ(図示されていない)の回転力を受けて回転運動を行う歯車機構14hと、歯車機構14hの回転運動を上下方向の往復運動に変換するクランク軸14kと、前記クランク軸14kの動作をプランジャー14pに伝達するピンジョイント14j及び連接棒14bを備えている。前記連接棒14bはプレス機械10の周方向四個所に設けられており、各々の連接棒14bの下端部に前記プランジャー14pが連結されている。
【0015】
前記プランジャー14pは昇降駆動装置14からのプレス荷重をスライドプレート15に伝える部材であり、各々のプランジャー14pがダイハイト調整用油圧シリンダ13を介してスライドプレート15に連結されている。即ち、前記プランジャー14pの下端部がダイハイト調整用油圧シリンダ13のピストン13pと一体化されており、そのハウジング13hがスライドプレート15と一体化されている。
【0016】
前記スライドプレート15は金型の上型18を支持する部材であり、前記コラム12hの側面に固定されたギブ12xに沿って昇降する。また、前記スライドプレート15と昇降駆動装置用の架台14fとの間には、4本のバランサ用エアシリンダ16が装着されている。
前記バランサ用エアシリンダ16はスライドプレート15に対して持ち上げ力を付与するためのシリンダであり、前記持ち上げ力が前記スライドプレート15及び上型18の重力と釣り合うように調整されている。
【0017】
プレス機械10の各々のコラム12hには、所定位置にそれぞれ歪みゲージユニット30が前記コラム12hに加わるプレス荷重を検出できるように取付けられている。前記歪みゲージユニット30は、例えば、図3(A),(B),(C)に示されるように、歪みゲージ片32を縦方向に2枚、横方向に2枚配置し、各々の歪みゲージ片32の配線を直接接続してホイートストンブリッジを構成したものであり、それらの歪みゲージ片32が一体で防水モールド処理されている。前記歪みゲージユニット30を構成する各々の歪みゲージ片32は、コラム12hがプレス荷重を受けて歪むことによりそのコラム12hと共に歪み、その抵抗値が変化する。この結果、ホイートストンブリッジの出力電圧E(歪みゲージユニット30の出力電圧E)が変化する(図3(C)参照)。ここで、歪みゲージユニット30の出力電圧Eは前記コラム12hに加わるプレス荷重に対応するように調整される。
【0018】
4枚の歪みゲージ片32でホイートストンブリッジを構成した場合には、1枚の歪みゲージ片32と3台の標準抵抗とでホイートストンブリッジを構成する場合に必要となるブリッジBOXが不要になる。
また、前記歪みゲージ片32には抵抗値1kΩのものが使用されるとともに、ブリッジ電圧はDC10Vが使用されている。これにより、一般的に使用されている抵抗値120Ωの歪みゲージ片、DC2Vのブリッジ電圧を使用した歪みゲージと比較してノイズの影響を受け難くなる。
【0019】
また、歪みゲージユニット30は一体で防水モールド処理されている。これにより、歪みゲージユニット30をコラム12hにそのまま貼り付けることができ、歪みゲージをコラム12h等に取付ける手間が従来と比較して低減される。
以後、歪みゲージユニット30を単に歪みゲージ30と呼ぶことにする。
【0020】
前記プレス機械10のベッド11上には、図1に示されるように、前記スライドプレート15と対向する位置にボルスタ17が設置されており、そのボルスタ17上に下型19が取付けられている。
また、前記ボルスタ17の下側でベッド11のオープニング11hの内部には、クッションパッド22がガイド23に沿って上下摺動できるように設置されている。前記クッションパッド22はエアシリンダ24によって上動方向の力を受けており、そのエアシリンダ24の供給空気圧がエアタンク24tに取付けられたエア圧センサ24pによって測定される。
【0021】
前記クッションパッド22の上面には油圧シリンダ25が縦向きに設置されており、各々の油圧シリンダ25によってクッションピン26が縦向きに支持されている。前記クッションピン26はボルスタ17及び下型19に形成された貫通孔26kに挿通されてその先端部(上端部)が下型19のポンチ19fの周囲に突出している。そして、それらのクッションピン26の上にしわ押さえリング20が水平に載置されている。
前記油圧シリンダ25の油圧室は互いに連通しており、それらの油圧室内の油圧が油圧センサー25pによって測定される。
【0022】
次に、前記プレス機械10の動作を簡単に説明する。
前記しわ押さえリング20の上に板素材がセットされると、昇降駆動装置14が動作してその動きがプランジャー14p等を介してスライドプレート15に伝達される。これによって、前記スライドプレート15がコラム12h側面のギブ12xに沿って上死点の位置から下降し、そのスライドプレート15と共に上型18も下降する。そして、前記上型18が下降する過程でそのしわ押さえ面18eが板素材に当接すると、板素材の端縁は上型18のしわ押さえ面18eとしわ押さえリング20とに挟まれて拘束される。
ここで、板素材の端縁を上型18のしわ押さえ面18eとしわ押さえリング20とによって拘束する力、即ち、しわ押さえ荷重Fは次のようにして求められる。
【0023】
しわ押さえ荷重Fは、エアシリンダ24がクッションパッド22を上方に押し上げようとする力(Pa×A)からしわ押さえリング20の重量W1とクッションパッド22の重量W0とを除いた値に等しくなる。即ち、F=Pa×A−W1−W0 となる。ここで、Paはエア圧センサ24pの測定値、Aはエアシリンダ24の断面積である。なお、この計算ではクッションパッド22の摺動抵抗に起因する力は無視している。
また、クッションピン26の本数をn、油圧シリンダ25の油圧(油圧センサー25pの測定値)をPsとすれば、しわ押さえ荷重Fは、F=Ps×(n×S) となる。ここで、Sは油圧シリンダ25の断面積である。
【0024】
板素材の端縁が上型18としわ押さえリング20とで拘束され、この状態から前記上型18がさらに下降すると、その上型18に押圧されてしわ押さえリング20、クッションピン26、油圧シリンダ25及びクッションパッド22がエアシリンダ24の力(Pa×A)に抗して下降する。これによって、板素材の中央部が上型18の成形面18fと下型19のポンチ19fとによって絞り成形される。
そして、上型18及びスライドプレート15が下死点まで到達した段階で絞り成形が終了する。絞り成形が終了すると、上型18及びスライドプレート15が上死点の位置まで上昇し、プレス製品がプレス機械10から取出される。これによって、プレス成形の1サイクルが終了する。
【0025】
前記上型18が下降する過程で、その上型18がしわ押さえリング20や下型19を押圧することにより生じる衝撃反力は、スライドプレート15、プランジャー14p、昇降駆動装置14等を介して各々のコラム12hに伝達され、前記コラム12hは上下に伸びる方向の荷重を受ける。前記荷重により各々のコラム12hが歪むと、それぞれのコラム12hの歪みが歪みゲージ30に作用し、その歪みゲージ30はコラム12hに加わる荷重に対応した電圧Eを出力する。即ち、歪みゲージ30の出力電圧Eに基づいて、その歪みゲージ30が取付けられているコラム12hに加わる荷重を求めることができる。さらに、各々のコラム12hに加わる荷重を加算することにより、プレス荷重PFを求めることができる。
即ち、前記歪みゲージ30が本発明の荷重測定手段に相当する。
【0026】
図4は、プレス成形時のプレス荷重PFの一般的な変化の様子を時間の関数として表したものである。
即ち、時間T0で上型18が上死点の位置から下降を開始し、時間T1でその上型18がしわ押さえリング20上の板素材に当接すると、このタイミングからプレス荷重PFが増加してその値はしわ押さえ荷重Fにほぼ等しくなる。
さらに、前記上型18、板素材及びしわ押さえリング20等が引き続き下降し、時間T2で板素材が下型19のポンチ19fに当接すると、このタイミングからプレス荷重PFが急増し、その板素材の中央部が上型18の成形面18fと下型19のポンチ19fとによって絞り成形される。
【0027】
そして、前記上型18等が下死点の位置まで到達した段階(時間T3)でプレス荷重PFが最大となり、絞り成形が終了する。
下死点の位置から上型18及びしわ押さえリング20等が上昇するとプレス荷重PFが急減し、時間T4で板素材が下型19のポンチ19fから離れると、プレス荷重PFはしわ押さえ荷重Fにほぼ等しくなる。さらに、上型18が上昇して、時間T5でその上型18がしわ押さえリング20から離れると、プレス荷重PFは零になる。
【0028】
次に、本実施の形態に係るプレス機械の診断装置について説明する。
前記診断装置50は、図2に示されるように、歪みゲージ30と油圧センサー25pとエア圧センサ24p及び計測BOX52とから構成される。前述のように、歪みゲージ30はプレス機械10の機枠を構成する各々のコラム12hに装着されており、前記コラム12hの上下方向に加わる荷重を測定する。
前記油圧センサー25pは、クッションパッド22の各油圧シリンダ25を互いに連通させる配管途中に取付けられており、それらの油圧シリンダ25の油圧Psを測定する。
また、エア圧センサ24pはエアシリンダ24の圧力室と連通するエアタンク24tに取付けられており、そのエアシリンダ24のエア圧Paを測定する。
計測BOX52は、歪みゲージ30からの荷重信号、油圧センサー25pからの油圧信号(Ps)及びエア圧センサ24pからのエア圧信号(Pa)を取り込んで各データを記憶し、表示画面54に波形グラフをリアルタイムに表示したり、データ解析を行う装置であり、パソコンを主体に構成されている。
即ち、前記診断装置50の計測BOX52が本発明の診断手段に相当する。
【0029】
次に、図5から図7に基づいて本実施の形態に係るプレス機械10の平行度を診断する方法について説明する。
先ず、平行度を診断するプレス機械10の機番を設定する(図5(A)のステップ101)。次に、プレス機械10を実際に作動させてプレス成形を行い、そのときの成形データを診断装置50に入力する(ステップ102)。即ち、図5(B)に示されるように、プレス成形開始から終了までの間、ステップ111からステップ113までの処理を1ms毎に繰り返し実行し、各々のコラム12hに取付けられた歪みゲージ30からの荷重信号をデータとして記憶する。そして、プレス成形後に前記荷重データに基づいて各々のコラム12h毎にプレス成形中の荷重波形を表示する(ステップ114)。ここで、各々のコラム12h毎の荷重波形Hは図4に示すプレス荷重PFの波形と近似した傾向で変化する。
【0030】
次に、コラム12h毎の荷重波形に基づいてスライドプレート15の平行度を演算する(図5(A)ステップ103)。
前記スライドプレート15の平行度は次の手順によって求められる。
先ず、図6に示されるように、基準となるコラム12h(No1コラム)の荷重波形H1に対する他のコラム12h(No2コラム)の荷重波形H2を比較し、立ち上がりタイミングのズレ、即ち、時間遅れを求める。なお、図6は荷重波形H1,H2を模式的に表している。
時間遅れが仮にT[秒]とすれば、プレス速度をS[mm/秒]とした場合に、T×S[mm]だけNo2コラムにおけるスライドプレート15の位置がNo1コラムにおけるスライドプレート15の位置よりも高いことになる。即ち、前記スライドプレート15はNo1コラム〜No2コラム間でNo2コラム側がT×S[mm]だけ高くなるような傾斜が存在する。
【0031】
同様に、No3コラム及びNo4コラムについても各々の荷重波形(図示されていない)をNo1コラムの荷重波形H1と比較し、立ち上がりタイミングのズレTから、前記スライドプレート15のNo1コラム〜No3コラム間の傾斜の存在、及びNo1コラム〜No4コラム間の傾斜の存在を把握する。そして、前記スライドプレート15の傾斜が許容範囲内であれば、平行度を満足するものと判断してプレス成形作業を継続する。
なお、プレス速度S[mm/秒]は、S=2R×Sinθにより求められる。ここで、Rはクランク軸14kの回転半径[mm]であり、2Rはクランク軸14kの回転直径[mm]、即ち、スライドプレート15の昇降量を表している。また、θはクランク軸14kの単位時間当たりの回転角度である。
【0032】
このように、本実施の形態に係るプレス機械10の平行度診断方法によると、プレス成形中に、常時、スライドプレート15の平行度を診断できるため、従来のように、ダイヤルゲージGによって各コラム12h毎にスライドプレート15の位置を実測する方式(図7参照)に比べ、平行度の診断が容易になる。また、常時、スライドプレート15の平行度を診断できるため、その平行度が許容範囲を外れることによる成形不良等を早期に発見することができる。このため、不良品の大量発生を防止できるとともに、診断時にプレス機械を停止させる必要もなくなり、稼働率の低下を抑制できる。
なお、前記スライドプレート15が平行であっても、ギブ12x等のガタによって荷重波形Hの立ち上がりタイミングがずれることがある。このため、本実施の形態に係る平行度診断方法を実施するためには、ギブ12x等のガタが許容範囲内にあることが前提である。
【0033】
(第2の実施の形態)
以下、図8、図9に基づいて本発明の第2の実施の形態に係るプレス機械の診断装置及び診断方法の説明を行う。本実施の形態はプレス機械のポイント部の油漏れを診断する方法に関するものであり、その方法を実施するための診断装置として第1の実施の形態において使用された診断装置50が使用される。
プレス機械10のポイント部であるダイハイト調整用油圧シリンダ13の油圧室(コネクションスクリューブポイント油圧室)において油漏れが発生すると、プランジャー14pからの押圧力がスライドプレート15に効率的に伝わらなくなり、プレス荷重PFが低下する。特に、プレス荷重PFの低下率は荷重が最大となる下死点において最も大きくなる。プレス荷重PFが低下するとプレス品の成形不良が発生するため、プレス機械10ではコネクションスクリューブポイント油圧室(以下、油圧室という)における油圧を常に監視しており、油圧が所定値を下回った場合には自動的に作動油をその油圧室に供給できるようにしている。
【0034】
このため、油漏れが発生すると油圧室に対する作動油の供給が頻繁になり、油圧室の油圧は短い周期で上下する。また、作動油の漏れ量が多くなるほど油圧の変動周期は短くなる。
プレス荷重PFは前記油圧室の油圧にほぼ対応するため、油圧が変動すると、図8に示されるように、プレス荷重PFもそれに対応して変動する。したがって、プレス成形を行う毎にその下死点におけるプレス荷重PF(下死点荷重)を記憶してその下死点荷重の変動を監視することにより油圧室の油漏れを発見することができる。
【0035】
図9は、本実施の形態に係るポイント部の油漏れ診断方法を実行するためのフローチャートである。ステップ201に示されるように、プレス成形を行う毎に成形データ(荷重データ)を計測BOX52に入力して記憶し、下死点荷重をプロットする。なお、具体的な成形データの入力方法については第1の実施の形態に係るプレス機械の診断方法の場合と同様である(図5(B)参照)。次に、それぞれのプレス成形における下死点荷重の変動範囲が判定範囲内か否かを判定(ステップ202)し、判定範囲から外れた場合には(図8参照)、油漏れと診断する。油漏れと診断された場合にはNGランプが点灯され(ステップ204)、正常と診断された場合にはOKランプが点灯される(ステップ203)。
【0036】
ここで、許容範囲は約5トン〜20トンの間で設定される。なお、本実施の形態においてはプレス成形を行う毎に下死点荷重をプロットしたが、例えば5回あるいは10回のプレス成形に対して下死点荷重を1点プロットする方式でも良い。また、本実施の形態においては許容範囲を設定し、下死点荷重がその許容範囲から外れたら油漏れと診断したが、下死点荷重の変動率あるいは変動周期から油漏れを診断しても良い。例えば、変動率が判定値より大きい時、あるいは変動周期が判定周期よりも短い時に油漏れと診断する。
また、下死点荷重の代わりに下死点の近傍におけるプレス荷重PFを使用しても良い。
なお、いずれかのコラム12hの荷重に基づいて診断しても良いし、全てのコラム12hの荷重に基づいて診断しても良い。
このように、本実施の形態においては下死点荷重の変化から油漏れの診断が可能なため、従来のように、目視で油漏れを監視する場合と比べて油漏れの発見が容易になり、油漏れに起因した成形不良を早期に発見することができる。
【0037】
(第3の実施の形態)
以下、図10、図11に基づいて本発明の第3の実施の形態に係るプレス機械の診断装置及び診断方法の説明を行う。本実施の形態はプレス機械の経年変化を診断する方法に関するものであり、その方法を実施するための診断装置として第1の実施の形態において使用された診断装置50が使用される。
プレス機械10では、歯車機構14h、ピンジョイント14j等でカジリが発生した場合、ギブ12xとスライドプレート15との間の摺動抵抗が大きい場合等は、前記スライドプレート15を昇降させるために余分な力が必要になり、その分だけプレス荷重PFが大きくなる。
逆に、歯車機構14h、ピンジョイント14j等にガタがある場合、ギブ12xとスライドプレート15との間の摺動抵抗が小さい場合等は、前記スライドプレート15が昇降し易くなるためプレス荷重PFが比較的小さくなる。
このため、プレス成形時の下死点荷重を1日に1データ程度記憶してその下死点荷重の変動を監視することにより、プレス機械10がカジリ傾向にあるか、あるいはガタ傾向にあるか、経年変化診断を行うことができる。なお、経年変化診断はコネクションスクリューブポイント油圧室の油漏れが発生していない状態で実施するものとする。
【0038】
図11は、本実施の形態に係るプレス機械10の経年変化診断を実行するためのフローチャートである。ステップ301に示されるように、プレス成形を行う毎に成形データ(荷重データ)を計測BOX52に入力して記憶し、1日に1データ程度の割合で下死点荷重をプロットする。次にステップ302で下死点荷重の経時的変動状況を判定する。例えば、数十回分の下死点荷重を抽出し、最初と最後の下死点荷重の差が正の判定値以上であるか、あるいは負の判定値以下であるかを判定する。そして、下死点荷重が経時的に変動していない場合にはOKランプを点灯させて処理を終了する(ステップ303)。下死点荷重が経時的に上昇方向に変動していれば、歯車機構14h、ピンジョイント14j等のカジリ、ギブ12xとスライドプレート15との間の摺動抵抗の増加が考えられるため、NGランプを点灯させて処理を終了する(ステップ304)。
【0039】
下死点荷重が下降方向に変動している場合には(図10参照)、歯車機構14h、ピンジョイント14j等のガタ、ギブ12xとスライドプレート15との間の摺動抵抗の減少(ギブ12xのガタ)が考えられるため、NGランプを点灯させて処理を終了する(ステップ305)。
このように、本実施の形態においては下死点荷重の経時的な変動状況からプレス機械の経年変化を診断することが可能なため、従来のように、目視で診断する場合と比べて診断が容易になり、ガタ等に起因した成形不良を早期に発見することができる。
【0040】
(第4の実施の形態)
以下、図12、図13に基づいて本発明の第4の実施の形態に係るプレス機械の診断装置及び診断方法の説明を行う。本実施の形態はプレス機械の総合ガタを診断する方法に関するものであり、その方法を実施するための診断装置として第1の実施の形態において使用された診断装置50が使用される。
プレス機械10では、歯車機構14hのバックラッシ等のガタが大きい場合には力の伝達が遅れるため、各コラム12h毎の荷重波形Hの立ち上がりが遅れる。したがって、プレス機械10にガタがない状態における荷重波形Hの立ち上がり時間Tsと、実際のプレス成形時における荷重波形Hの立ち上がり時間Tmとを比較することにより、プレス機械10の総合ガタを診断することができる。
【0041】
図13は、本実施の形態に係るプレス機械10の総合ガタ診断法を実行するためのフローチャートである。ここで、図13のフローチャートに示す処理を実行する前に、プレス機械10にガタがない状態における正常時の荷重波形H(基準波形)を計測BOX52内のパソコンに記憶しておくものとする。
先ず、ステップ401に示されるように、プレス成形中の成形データ(荷重データ)を計測BOX52に入力し、縦軸に荷重、横軸に時間を取ってプロットする。次に、ステップ402で基準波形の立ち上がり時間Tsと、プロットした荷重波形Hの立ち上がり時間Tmとを比較し、立ち上がり時間差(Tm−Ts=Te)が許容範囲内か否かを判定する。立ち上がり時間差Teが許容範囲内であれば総合ガタが許容範囲内であるとしてOKランプを点灯させて処理を終了する(ステップ403)。また、立ち上がり時間差Teが許容範囲を超えていればNGランプを点灯させて処理を終了する(ステップ404)。
【0042】
このように本実施の形態においてはコラム12hに取付けられた歪みゲージ30からの信号で荷重波形Hを求めることにより、プレス機械の総合ガタを診断することができるため、従来のように、メンテナンス時の目視点検等で診断する場合と比べて診断が容易になり、ガタ等に起因した成形不良を早期に発見することができる。
なお、基準波形の立ち上がり傾斜Ksと、プロットした荷重波形Hの立ち上がり傾斜Kmとを比較し、立ち上がり傾斜差(Ks−Km)からプレス機械の総合ガタを診断することも可能である。
【0043】
(第5の実施の形態)
以下、図14、図15及び図1に基づいて本発明の第5の実施の形態に係るプレス機械の診断装置及び診断方法の説明を行う。本実施の形態はプレス機械のカウンターバランスの不良、タイロッドの緩みを診断する方法に関するものであり、その方法を実施するための診断装置として第1の実施の形態において使用された診断装置50が使用される。
図1に示されるように、スライドプレート15と昇降駆動装置用の架台14fとの間には、4本のバランサ用エアシリンダ16が装着されており、前記バランサ用エアシリンダ16の持ち上げ力が前記スライドプレート15及び上型18の重力と釣り合うように調整されている。
しかし、バランサ用エアシリンダ16の持ち上げ力が前記スライドプレート15及び上型18の重力よりも大きいと上死点におけるプレス荷重PF(上死点荷重)は負の値になる。
【0044】
また、昇降駆動装置用の架台14fはタイロッド12tによってコラム12hと連結されているため、前記タイロッド12tが緩んでいるとプレス荷重PFの一部がそのタイロッド12tの緩み部分で吸収され、プレス成形時におけるコラム12hの伸び方向の歪みが小さくなる。即ち、プレス荷重PFに対して歪みゲージ30の出力電圧Eが小さくなる。このため、荷重検定後にタイロッド12tが緩むと、荷重が加わらない上死点における荷重値(上死点荷重)は負の値になる。したがって、プレス成形を行う毎にその上死点荷重を監視することによりプレス機械10のカウンターバランスの不良、タイロッドの緩みを診断することができる。
【0045】
図15は、本実施の形態に係るプレス機械10のカウンターバランスの不良、タイロッドの緩み診断法を実行するためのフローチャートである。
先ず、ステップ501に示されるように、プレス成形中の成形データ(荷重データ)を計測BOX52に入力し、縦軸に荷重、横軸に時間を取ってプロットする。次に、ステップ502で上死点荷重が零点を基準として許容範囲内に入っているか否かを判定する。上死点荷重が許容範囲内に入っていればカウンターバランスの良好、タイロッドの緩みなしと診断してOKランプを点灯させて処理を終了する(ステップ503)。また、上死点荷重が許容範囲から外れていれば(図14参照)カウンターバランスの不良、タイロッドの緩みと診断してNGランプを点灯させて処理を終了する(ステップ504)。
【0046】
ここで、NGと診断された場合には、先ずバランサ用エアシリンダ16に供給する空気圧を調節してカウンターバランサーの調整を行う。そして、カウンターバランサーの調整を行ってもなお上死点荷重が許容範囲から外れる場合にタイロッドの調査、調整を行う。
このように本実施の形態においてはコラム12hに取付けられた歪みゲージ30で上死点荷重を求めることにより、プレス機械のカウンターバランスの不良、タイロッドの緩みを診断するができるため、従来のように、荷重検定においてカウンターバランスを診断する場合と比べて診断が容易になり、カウンターバランスの不良等を早期に発見することができる。
【0047】
(第6の実施の形態)
以下、図16のフローチャートに基づいて本発明の第6の実施の形態に係るプレス機械の診断装置及び診断方法の説明を行う。本実施の形態はプレス品の品質不良の原因となるプレス機械の荷重異常を診断する方法に関するものであり、その方法を実施するための診断装置として第1の実施の形態において使用された診断装置50が使用される。
プレス機械10で各種部品を成形する場合、その成形荷重(下死点荷重)はその部品を成形する金型毎に異なる。したがって、使用する型毎にプレス成形時の下死点荷重が許容範囲内にあるか否かを監視すれば、荷重異常及びそれに起因したプレス品の品質不良を早期に発見することができる。
【0048】
次に、図16のフローチャートに基づいて本実施の形態に係るプレス機械の診断方法を説明する。
先ず、ステップ601においてプレス機械10の機番を設定するとともに、各々の機番のプレス機械10において使用される型の番号(型番)を設定する。そして、各々の型番毎に前後左右のコラム12hに加わる下死点荷重の許容範囲(上限判定値及び下限判定値)を設定する。
【0049】
次に、所定型番の金型を使用して実際に板素材をプレス成形する。このとき、プレス成形中の成形データ(荷重データ)を計測BOX52に入力し、各コラム12h毎に縦軸に荷重、横軸に時間を取ってプロットする(ステップ602)。そして、ステップ603で各々のコラム12h毎に下死点荷重がその型番に応じた許容範囲(下限判定値〜上限判定値間)に入っているか否かを判定する。下死点荷重が各々のコラム12hについて全てその型番に応じた許容範囲に入っていれば、荷重異常及びそれに起因したプレス品の品質不良はないものとし、OKランプを点灯させて処理を終了する(ステップ604)。また、一部あるいは全てのコラム12hについて下死点荷重が許容範囲から外れていれば荷重異常及びプレス品の品質不良と診断してNGランプを点灯させて処理を終了する(ステップ605)。
ここで、許容範囲は、定格荷重の約10%に設定されている。
【0050】
また、前述のように、プレス成形中の成形データ(荷重データ)を各コラム12h毎にプロットするため、プレス機械10の前後左右における荷重分布を求めることができる。このため、4本のコラム12hに加わる荷重を合計したプレス荷重PFが正常であっても、スライドプレート15等の傾きにより型の前後左右で荷重の強弱が存在するような場合には荷重異常と判定される。したがって、プレス荷重PFの正常時における荷重分布のアンバランスに起因したプレス品の品質不良を容易に発見することができる。
【0051】
このように、本実施の形態においてはコラム12hに取付けられた歪みゲージ30でプレス成形中の荷重データを求め、その荷重データからプレス品の品質不良を診断できるため、従来は人の感覚を頼りに行っていたプレス品の品質の診断を自動化できる。
【0052】
(第7の実施の形態)
以下、図17、18に基づいて本発明の第7の実施の形態に係るプレス機械の診断装置及び診断方法の説明を行う。本実施の形態は、第6の実施の形態と同様にプレス品の品質不良の原因となるプレス機械の荷重異常を診断する方法に関するものであり、その方法を実施するための診断装置として第1の実施の形態において使用された診断装置50が使用される。
第6の実施の形態ではプレス成形時の下死点荷重が許容範囲内にあるか否かによって荷重異常を判定したが、本実施の形態ではプレス成形時の荷重波形を正常な荷重波形と比較することにより荷重異常の判定を行う。
【0053】
先ず、各々の型毎にプレス成形を行い、正常にプレス成形が行われたときの各々のコラム12h毎の荷重波形を基準波形としてメモリに記憶する(図17(A)、図18(A)のステップ701〜703)。
次に、所定の金型を使用してプレス成形を行い、プレス成形中の成形データ(荷重データ)を各コラム12h毎に、縦軸に荷重、横軸に時間を取ってプロットする。このようにして、プロットしたコラム12h毎の荷重波形と基準波形とを時間単位で比較し、全てのタイミングにおける荷重波形と基準波形との荷重差(全点荷重差)が許容範囲に入っているか否かを判定する。そして、全てのコラム12hについて全点荷重差が許容範囲に入っていればプレス品の品質は良好としてOKランプを点灯させ、処理を終了する(ステップ713)。また、いずれかのコラム12hについて、いずれかの荷重差が許容範囲から外れていればプレス品の品質不良と診断してNGランプを点灯させて処理を終了する(ステップ714)。
【0054】
このように、本実施の形態においてもコラム12hに取付けられた歪みゲージ30でプレス成形中の荷重データを求め、その荷重データからプレス品の品質不良を診断できるため、従来は人の感覚を頼りに行っていたプレス品の品質の診断を自動化できる。
【0055】
(第8の実施の形態)
以下、図19、20に基づいて本発明の第8の実施の形態に係るプレス機械の診断装置及び診断方法の説明を行う。本実施の形態は、第7の実施の形態と同様にプレス品の品質不良の原因となるプレス機械の荷重異常を診断する方法に関するものであり、その方法を実施するための診断装置として第1の実施の形態において使用された診断装置50が使用される。
第7の実施の形態ではプレス成形時の荷重波形を正常な荷重波形(基準波形)と比較することにより荷重異常を判定したが、本実施の形態ではプレス成形に要するエネルギーに着目し、このエネルギーと正常にプレス品が成形された時のエネルギーとを比較することにより、荷重異常の判定を行う。
【0056】
ここで、プレス成形に要するエネルギーE(以下、成形エネルギーEという)は、図19に示されるように、プレス成形時の荷重波形Hの時間積分値W1から空打ち時の荷重波形H0の時間積分値W2を除することにより求められる。なお、成形エネルギーEは各々のコラム12h毎に算出された成形エネルギーe1〜e4の和から求められる。
先ず、各々の型毎に試験的にプレス成形を行い、正常に成形が行われたときの成形エネルギーEを算出して(図20(A)のステップ801、802、803)、その成形エネルギーEを基準エネルギーESとしてメモリに記憶する(ステップ804)。
【0057】
このようにして、各々の型毎に基準エネルギーESが記憶されて診断準備が完了すると、通常の操業状態でプレス成形が行われる。
プレス成形が行われると、プレス成形中の成形データ(荷重データ)が各コラム12h毎に、縦軸に荷重、横軸に時間を取ってプロットされるとともに、プレス成形時の荷重波形Hの時間積分値W1と空打ち時の荷重波形H0の時間積分値W2との差から成形エネルギーEが算出される(ステップ811、812)。次に、前記成形エネルギーEと基準エネルギーESとが比較され、その差が許容範囲内であれば、プレス品の品質は良好としてOKランプを点灯させ、処理を終了する(ステップ814)。また、成形エネルギーEと基準エネルギーESとの差が許容範囲から外れていればプレス品の品質不良と診断してNGランプを点灯させて処理を終了する(ステップ815)。
【0058】
このように、本実施の形態においてもコラム12hに取付けられた歪みゲージ30でプレス成形中の荷重データを求め、その荷重データからプレス品の品質不良を診断できるため、従来は人の感覚を頼りに行っていたプレス品の品質の診断を自動化できる。
【0059】
プレス成形中の荷重は、上型18が上死点から下降を開始して再び上死点に戻るまでの間(1サイクル)の荷重波形を計測することにより把握することができる。前記プレス成形における1サイクルの荷重波形を計測するためには、上型18が上死点の位置から下降を開始するタイミング(計測開始タイミング)を把握するとともに、上型18が再び上死点まで戻るタイミング(計測終了タイミング)を把握する必要がある。現状では、計測開始タイミング及び計測終了タイミングはプレス機械10のクランク軸14kの角度信号に基づいて決定している。
【0060】
しかし、前記クランク軸14kの角度は角度センサーによって検出する方式のため、その角度センサーの設置用のスペースと保守点検用のスペースとが必要となる。このため、設備コストが高くなるとともに保守点検にも手間が掛かる。したがって、角度センサーを使用せずに計測開始タイミング及び計測終了タイミングを把握できれば設備コスト的にもメンテナンス的にも好ましい。
そこで、角度センサー等を使用せずに荷重波形から計測開始タイミング及び計測終了タイミングを決定することができる荷重波形の計測方法の一例を図21(A)、(B)に基づいて説明する。
【0061】
先ず、計測の基準となるトリガ荷重Hstを予め設定しておく。ここで、トリガ荷重Hstはしわ押え荷重Fよりも若干小さい値に設定される。
計測開始ボタンがONされた後(ステップ901)、プレス成形が行われて荷重データが計測BOX52に入力され、荷重Hがトリガ荷重Hstを超えると(ステップ902)、そのタイミングTsよりTt時間前、即ち、時間Ttsからのデータが保存される。さらに、時間Ttsから最小計測時間Tminが経過したか否かが判定され(ステップ904)、最小計測時間Tminが経過した後に荷重Hがトリガ荷重Hstより小さくなると(ステップ905)、そのタイミングTeからTt時間、即ち、時間Tteまでデータが保存される。
【0062】
ここで、最小計測時間Tminは上型18が上死点の位置から下死点の位置まで下降するのに要する時間にほぼ等しく設定されている。このため、しわ押さえ時のノイズ等の影響により荷重Hがトリガ荷重Hstを下回った場合でも、データの保存が中断されることはない。なお、上型18が上昇する際のしわ押さえ時にはノイズ等により荷重Hがトリガ荷重Hstを下回ることはないため、ノイズ対策は不要である。
このように、本実施の形態によると荷重波形から計測開始タイミング及び計測終了タイミングを決定できるため、従来必要であった角度センサー等が不要になる。
【0063】
各々のコラム12hに取付けられた歪みゲージ30によってプレス荷重PFを測定する場合、前記プレス荷重PFと歪みゲージ30の出力信号とが正しく対応するように、歪みゲージ30の荷重校正を行う必要がある。
前記荷重校正は、一般的に、図23に示されるように、ロードセルRを使用して行われる。
【0064】
荷重校正を行うには前段階として、プレス機械10から上型18と下型19とを取外し、ボルスタ17上の所定位置に所定個数(4個)のロードセルRを設置する。次に、プレス機械10を駆動させてスライドプレート15を下降させ、ロードセルRに荷重を加える。このとき、スライドプレート15がロードセルRを押圧する際の荷重(プレス荷重PF)はロードセルRによって直接測定されるとともに、そのロードセルRからの押圧反力はスライドプレート15、プランジャー14p及び昇降駆動装置14等を介して各々のコラム12hに伝達され、歪みゲージ30によって測定される。ここで、全ロードセルRに加わる荷重と全コラム12hに加わる荷重とは等しいため、次の関係式が成立する。
【0065】
[プレス荷重PF]=[全ロードセル荷重]
=[校正係数K]×[全歪みゲージ30の出力電圧]
したがって、校正係数Kは、[全ロードセル荷重]÷[全歪みゲージ30の出力電圧]で表される。
しかし、上記した荷重校正方法では、荷重校正の前段階としてプレス機械10から上型18と下型19とを取外し、ボルスタ17上の所定位置に所定個数のロードセルRを設置しなければならない。このため、荷重校正に手間と時間が掛かる。
そこで、ロードセルR等の特別な装置を使用せずに荷重校正を行うことができる荷重校正方法の一例を図22に基づいて説明する。
【0066】
図22のグラフは、プレス荷重PFの波形と、油圧Psから求めたしわ押さえ荷重Fの波形とを表したものである。
図22に示されるように、板素材の絞り成形後であって(上型18の上昇中)、その板素材の端縁が上型18としわ押さえリング20とによって拘束されている状態、即ち、図における時間T4〜T5の間では、プレス荷重PFはしわ押さえ荷重Fに等しくなる。
なお、実際にはスライドプレート15とギブ12xとの間には摺動抵抗Rxが存在するため、プレス荷重PFはしわ押さえ荷重Fと前記摺動抵抗Rxによる荷重Xとの和で表される。しかし、前記荷重Xはしわ押さえ荷重Fと比較して非常に小さいため荷重校正時には無視するものとする。
【0067】
前記しわ押さえ荷重Fは、前述のように、油圧シリンダ25の油圧(油圧センサー25pの測定値)をPsとすれば、F=Ps×(n×S)で表される。ここで、nはクッションピン26の本数、Sは油圧シリンダ25の断面積である。このため、しわ押さえ荷重Fの波形は油圧Psの波形(均圧油圧波形)と同じ形状で、その大きさのみが異なっている。
【0068】
前述のように、時間T4〜T5の間では、プレス荷重PFはしわ押さえ荷重Fに等しいと考えられるため、例えば、時間T6におけるプレス荷重PFをPF6、また時間T6におけるしわ押さえ荷重FをF6とし、この時の全歪みゲージ30の出力電圧をE6とすれば、
Figure 0003645762
で表される。
したがって、校正係数Kは、[しわ押さえ荷重F6]÷[全歪みゲージ30の出力電圧E6]となる。
なお、時間T6は、例えば、上死点あるいは下死点の時点から所定時間後とする。
このように、プレス成形中のしわ押さえ荷重Fを利用して簡易に荷重校正を行うことができるため、荷重校正の手間が大幅に低減される。
【0069】
プレス機械10には、スライドプレート15とギブ12xとの間に摺動抵抗Rxが存在する。この摺動抵抗Rに起因する摩擦荷重を測定することにより、摺動部分の異常等を検出できるととともに、正確なプレス荷重を求めることができる。そこで、図24に基づいてスライドプレート15の摺動抵抗Rに基づく摩擦荷重を求める方法について説明する。
板素材の絞り成形後であって、その板素材の端縁が上型18としわ押さえリング20とによって拘束されている状態、即ち、図24における時間T4〜T5の間では、プレス荷重PFはしわ押さえ荷重Fに前記摺動抵抗に起因する荷重Xを加えた荷重に等しくなる。
【0070】
即ち、[プレス荷重PF]=[しわ押さえ荷重F]+[摺動抵抗に起因する荷重X]となる。
したがって、[摺動抵抗に起因する荷重X]は、[プレス荷重PF]−[しわ押さえ荷重F]から求めることができる。
このように、従来は測定が困難であったスライドプレート15とギブ12xとの間の摺動抵抗に起因する荷重Xを容易に求めることができる。
【0071】
以上の実施の形態では、シングルアクション型のプレス機械について説明したが、本発明はダブルアクション型等種々のプレス機械に適用することができる。また、プレス素材を絞り成形する場合について説明を行ったが、本発明は抜き加工や曲げ加工等種々の加工を行う場合にも適用することができる。
また、歪みゲージ30をプレス機械10の機枠を構成するコラム12hに取付けたが、プレス機械がコラムを使用せずに一体型の機枠を備えている場合には機枠の四隅等に歪みゲージを取付けても良い。
また、各コラム12h、即ち、機枠の複数箇所に歪みゲージ30を取付けたが、診断の内容によっては機枠の一個所に歪みゲージを取付けても良い。
【0072】
【発明の効果】
本発明によると、プレス機械の作動中でも容易にそのプレス機械の診断が可能になるため、プレス成形中に発生した異常を速やかに発見でき、不良品の大量発生を防止できる。また、診断時にプレス機械を停止させる必要がないため、稼働率の低下も抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態において使用されるプレス機械の概略を表す縦断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るプレス機械の診断装置のブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るプレス機械の診断装置で使用される歪みゲージユニットの配線接続図(A図)、平面図(B図)及び電気回路図(C図)である。
【図4】本発明の第1の実施の形態において使用されるプレス機械のプレス成形時における荷重波形図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るプレス機械の診断方法を表すフローチャート(A図)、及び成形データの入力方法を表すフローチャート(B図)である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るプレス機械の診断方法を表す模式荷重波形図である。
【図7】従来のプレス機械の診断方法を表す模式図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るプレス機械の診断方法において使用される下死点荷重の推移を表すグラフである。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るプレス機械の診断方法を表すフローチャートである。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係るプレス機械の診断方法において使用される下死点荷重の推移を表すグラフである。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係るプレス機械の診断方法を表すフローチャートである。
【図12】本発明の第4の実施の形態に係るプレス機械の診断方法を表す模式荷重波形図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態に係るプレス機械の診断方法を表すフローチャートである。
【図14】本発明の第5の実施の形態に係るプレス機械の診断方法を表す模式荷重波形図である。
【図15】本発明の第5の実施の形態に係るプレス機械の診断方法を表すフローチャートである。
【図16】本発明の第6の実施の形態に係るプレス機械の診断方法を表すフローチャートである。
【図17】本発明の第7の実施の形態に係るプレス機械の診断方法を表す模式図である。
【図18】本発明の第7の実施の形態に係るプレス機械の診断方法において使用される基準波形を記憶するフローチャート(A図)、及び本発明の第7の実施の形態に係るプレス機械の診断方法を表すフローチャート(B図)である。
【図19】本発明の第8の実施の形態に係るプレス機械の診断方法を表す模式図である。
【図20】本発明の第8の実施の形態に係るプレス機械の診断方法において使用される基準エネルギーを記憶するフローチャート(A図)、及び本発明の第8の実施の形態に係るプレス機械の診断方法を表すフローチャート(B図)である。
【図21】荷重波形の計測方法において計測した荷重波形を表す図面(A図)、及び荷重波形の計測方法を表すフローチャート(B図)である。
【図22】荷重校正方法を表す図面である。
【図23】一般的に使用されている荷重校正方法を表す図面である。
【図24】スライドプレートの摺動抵抗に起因した荷重を求める方法を表す模式図である。
【図25】従来のプレス機械の異常診断方法を表す模式図である。
【符号の説明】
10 プレス機械
12 機枠
12h コラム
15 スライドプレート
18 上型
19 下型
20 しわ押さえリング
22 クッションパッド
24 エアシリンダ
24p エア圧センサー
25 油圧シリンダ
25p エア圧センサー
26 クッションピン
30 歪みゲージ(荷重測定手段)
32 歪みゲージ片
50 診断装置
52 計測BOX(診断手段)

Claims (10)

  1. 金型の周囲に立設された複数の支柱状の機枠と、各々の前記機枠に加わる荷重を測定可能な荷重測定手段と、それらの機枠に支持されており、前記金型にプレス荷重を加えることが可能なプレス荷重付加手段とを備えており、前記金型に対して前記プレス荷重付加手段からプレス荷重が加わったときに、そのプレス荷重の反力に相当する荷重が各々の前記機枠に加わる構成であり、前記荷重を前記荷重測定手段で測定することによりプレス荷重を求めることが可能なプレス機械の診断方法であって、
    プレス成形中に、各々の機枠に加わる荷重を荷重測定手段で連続的に測定し、その測定結果を各々の機枠に対応する荷重データとして記憶する工程と、
    各々の機枠に対応する荷重データに基づいて、各々の機枠に加わる荷重の時間的な変化を表す荷重波形を求め、各々の機枠に対応する前記荷重波形を比較して時間的なズレを求める工程と、
    前記荷重波形の時間的なズレとプレス速度とに基づいて前記金型の傾斜の程度である平行度を求める工程と、
    を有することを特徴とするプレス機械の診断方法。
  2. 金型の周囲に立設された複数の支柱状の機枠と、各々の前記機枠に加わる荷重を測定可能な荷重測定手段と、それらの機枠に支持されており、前記金型にプレス荷重を加えることが可能なプレス荷重付加手段とを備えており、前記金型に対して前記プレス荷重付加手段からプレス荷重が加わったときに、そのプレス荷重の反力に相当する荷重が各々の前記機枠に加わる構成であり、前記荷重を前記荷重測定手段で測定することによりプレス荷重を求めることが可能なプレス機械の診断装置であって、
    プレス成形中に、各々の機枠に加わる荷重を荷重測定手段で連続的に測定し、その測定結果を各々の機枠に対応する荷重データとして記憶する手段と、
    各々の機枠に対応する荷重データに基づいて、各々の機枠に加わる荷重の時間的な変化を表す荷重波形を求める手段と、
    各々の機枠に対応する前記荷重波形の相互間の時間的なズレとプレス速度とに基づいて前記金型の傾斜の程度である平行度を求める手段と、
    を有することを特徴とするプレス機械の診断装置。
  3. 金型の周囲に立設された複数の支柱状の機枠と、各々の前記機枠に加わる荷重を測定可能な荷重測定手段と、それらの機枠に支持されており、前記金型にプレス荷重を加えることが可能なプレス荷重付加手段と、前記プレス荷重付加手段と前記金型との間に設置されている油圧シリンダとを備えており、前記金型に対して前記プレス荷重付加手段から油圧シリンダを介してプレス荷重が加わったときに、そのプレス荷重の反力に相当する荷重が各々の前記機枠に加わる構成であり、前記荷重を前記荷重測定手段で測定することによりプレス荷重を求めることが可能なプレス機械の診断方法であって、
    プレス成形を行う毎に、あるいはプレス成形を複数回行う毎に1回づつ、そのプレス成形中の所定タイミングにおける荷重データを記憶する工程と、
    記憶された荷重データの変動範囲が許容範囲内にあるか否かを判定して前記油圧シリンダの油漏れを診断する工程と、
    を有することを特徴とするプレス機械の診断方法。
  4. 金型の周囲に立設された複数の支柱状の機枠と、各々の前記機枠に加わる荷重を測定可能な荷重測定手段と、それらの機枠に支持されており、前記金型にプレス荷重を加えることが可能なプレス荷重付加手段と、前記プレス荷重付加手段と前記金型との間に設置されている油圧シリンダとを備えており、前記金型に対して前記プレス荷重付加手段から油圧シリンダを介してプレス荷重が加わったときに、そのプレス荷重の反力に相当する荷重が各々の前記機枠に加わる構成であり、前記荷重を前記荷重測定手段で測定することによりプレス荷重を求めることが可能なプレス機械の診断装置であって、
    プレス成形を行う毎に、あるいはプレス成形を複数回行う毎に1回づつ、そのプレス成形中の所定タイミングにおける荷重データを記憶する手段と、
    記憶された荷重データの変動範囲が許容範囲内にあるか否かを判定して前記油圧シリン ダの油漏れを診断する手段と、
    を有することを特徴とするプレス機械の診断装置。
  5. 金型の周囲に立設された複数の支柱状の機枠と、各々の前記機枠に加わる荷重を測定可能な荷重測定手段と、それらの機枠に支持されており、前記金型にプレス荷重を加えることが可能なプレス荷重付加手段とを備えており、前記金型に対して前記プレス荷重付加手段からプレス荷重が加わったときに、そのプレス荷重の反力に相当する荷重が各々の前記機枠に加わる構成であり、前記荷重を前記荷重測定手段で測定することによりプレス荷重を求めることが可能なプレス機械の診断方法であって、
    プレス成形を行い、そのプレス成形中に、機枠に加わる荷重を荷重測定手段で連続的に測定し、その測定結果を前記機枠の荷重データとして記憶するとともに、その荷重データに基づいて、前記機枠に加わる荷重の時間的な変化を表す荷重波形を求める工程と、
    その荷重波形の立ち上がり時間と、前記プレス機械にガタのない状態でプレス成形を行った時の荷重波形の立ち上がり時間とを比較することで、前記プレス機械の総合ガタを診断する工程と、
    を有することを特徴とするプレス機械の診断方法。
  6. 金型の周囲に立設された複数の支柱状の機枠と、各々の前記機枠に加わる荷重を測定可能な荷重測定手段と、それらの機枠に支持されており、前記金型にプレス荷重を加えることが可能なプレス荷重付加手段とを備えており、前記金型に対して前記プレス荷重付加手段からプレス荷重が加わったときに、そのプレス荷重の反力に相当する荷重が各々の前記機枠に加わる構成であり、前記荷重を前記荷重測定手段で測定することによりプレス荷重を求めることが可能なプレス機械の診断装置であって、
    プレス成形を行い、そのプレス成形中に、機枠に加わる荷重を荷重測定手段で連続的に測定し、その測定結果を機枠の荷重データとして記憶するとともに、その荷重データに基づいて、前記機枠に加わる荷重の時間的な変化を表す荷重波形を求める手段と、
    その荷重波形の立ち上がり時間と、前記プレス機械にガタのない状態でプレス成形を行った時の荷重波形の立ち上がり時間とを比較することで、前記プレス機械の総合ガタを診断する手段と、
    を有することを特徴とするプレス機械の診断装置。
  7. 金型の周囲に立設された複数の支柱状の機枠と、各々の前記機枠に加わる荷重を測定可能な荷重測定手段と、それらの機枠に支持されており、前記金型にプレス荷重を加えることが可能なプレス荷重付加手段と、前記機枠の一端を前記金型支持用のベッドに連結し、その機枠の他端を前記プレス荷重付加手段の架台に連結するタイロッドと、前記金型の可動型の重量とほぼ等しい力でその可動型を持ち上げるバランサ用シリンダとを備えており、前記金型に対して前記プレス荷重付加手段からプレス荷重が加わったときに、そのプレス荷重の反力に相当する荷重が各々の前記機枠に加わる構成であり、前記荷重を前記荷重測定手段で測定することによりプレス荷重を求めることが可能なプレス機械の診断方法であって、
    前記金型の可動型が上死点にあるときに、前記機枠に加わる荷重に基づいてプレス荷重を求める工程と、
    前記上死点におけるプレス荷重が零点を基準にして許容範囲内にあるか否かを判定して前記バランサ用シリンダの持ち上げ力及び前記タイロッドの緩みを診断する工程と、
    を有することを特徴とするプレス機械の診断方法。
  8. 金型の周囲に立設された複数の支柱状の機枠と、各々の前記機枠に加わる荷重を測定可能な荷重測定手段と、それらの機枠に支持されており、前記金型にプレス荷重を加えることが可能なプレス荷重付加手段と、前記機枠の一端を前記金型支持用のベッドに連結し、その機枠の他端を前記プレス荷重付加手段の架台に連結するタイロッドと、前記金型の可動型の重量とほぼ等しい力でその可動型を持ち上げるバランサ用シリンダとを備えており、前記金型に対して前記プレス荷重付加手段からプレス荷重が加わったときに、そのプレス荷重の反力に相当する荷重が各々の前記機枠に加わる構成であり、前記荷重を前記荷重測定手段で測定することによりプレス荷重を求めることが可能なプレス 機械の診断装置であって、
    前記金型の可動型が上死点にあるときに、前記機枠に加わる荷重から求めたプレス荷重が零点を基準にして許容範囲内にあるか否かを判定し、前記バランサ用シリンダの持ち上げ力及び前記タイロッドの緩みを診断する構成であることを特徴とするプレス機械の診断装置。
  9. 金型の周囲に立設された複数の支柱状の機枠と、各々の前記機枠に加わる荷重を測定可能な荷重測定手段と、それらの機枠に支持されており、前記金型にプレス荷重を加えることが可能なプレス荷重付加手段と、前記金型の可動型によって押圧された板素材の周縁部に対して前記プレス荷重付加手段の反対側からしわ押さえ荷重を付与可能なしわ押さえ装置と、前記金型に対して前記プレス荷重付加手段からプレス荷重が加わったときに、そのプレス荷重の反力に相当する荷重が各々の前記機枠に加わる構成であり、前記荷重を前記荷重測定手段で測定することによりプレス荷重を求めることが可能なプレス機械の診断方法であって、
    板素材の成形が完了した後のしわ押さえ状態において、前記荷重測定手段により求められたプレス荷重と、しわ押さえ装置における状態量から求めたしわ押さえ荷重との差から前記金型の可動型における摺動部分の摩擦荷重を求めることを特徴とするプレス機械の診断方法。
  10. 金型の周囲に立設された複数の支柱状の機枠と、各々の前記機枠に加わる荷重を測定可能な荷重測定手段と、それらの機枠に支持されており、前記金型にプレス荷重を加えることが可能なプレス荷重付加手段と、前記金型の可動型によって押圧された板素材の周縁部に対して前記プレス荷重付加手段の反対側からしわ押さえ荷重を付与可能なしわ押さえ装置と、前記金型に対して前記プレス荷重付加手段からプレス荷重が加わったときに、そのプレス荷重の反力に相当する荷重が各々の前記機枠に加わる構成であり、前記荷重を前記荷重測定手段で測定することによりプレス荷重を求めることが可能なプレス機械の診断装置であって、
    板素材の成形が完了した後のしわ押さえ状態において、前記荷重測定手段により求められたプレス荷重と、しわ押さえ装置における状態量から求めたしわ押さえ荷重との差から前記金型の可動型における摺動部分の摩擦荷重を求める構成であることを特徴とするプレス機械の診断装置。
JP29562499A 1999-10-18 1999-10-18 プレス機械の診断方法及びその装置 Expired - Fee Related JP3645762B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29562499A JP3645762B2 (ja) 1999-10-18 1999-10-18 プレス機械の診断方法及びその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29562499A JP3645762B2 (ja) 1999-10-18 1999-10-18 プレス機械の診断方法及びその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001113399A JP2001113399A (ja) 2001-04-24
JP3645762B2 true JP3645762B2 (ja) 2005-05-11

Family

ID=17823054

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29562499A Expired - Fee Related JP3645762B2 (ja) 1999-10-18 1999-10-18 プレス機械の診断方法及びその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3645762B2 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5191318B2 (ja) * 2008-08-29 2013-05-08 勝三 川西 荷重検出装置
JP6585374B2 (ja) * 2015-04-30 2019-10-02 コマツ産機株式会社 プレスシステムおよびプレスシステムの制御方法
JP6587416B2 (ja) * 2015-04-30 2019-10-09 コマツ産機株式会社 プレスシステムおよびプレスシステムの制御方法
JP6666077B2 (ja) * 2015-04-30 2020-03-13 コマツ産機株式会社 プレスシステムおよびプレスシステムの制御方法
JP2018171625A (ja) * 2017-03-31 2018-11-08 日本電産シンポ株式会社 プレス装置、プレスシステム、及びプレス情報取得方法
JP7195729B2 (ja) * 2017-07-04 2022-12-26 コマツ産機株式会社 機械システムおよび制御方法
JP7001375B2 (ja) * 2017-07-05 2022-01-19 株式会社アマダ 金型プレス装置及び金型プレス方法
JP6990051B2 (ja) * 2017-07-05 2022-01-12 株式会社アマダ 金型プレス装置及び金型プレス方法
JP7212260B2 (ja) * 2019-03-19 2023-01-25 オムロン株式会社 薄板プレス加工部品の品質判定方法、薄板プレス加工部品の品質判定装置およびプレス加工システム
JP7399050B2 (ja) * 2019-10-03 2023-12-15 アガトン・アクチエンゲゼルシャフト・マシーネンファブリーク 基準部品監視システム
KR102409116B1 (ko) * 2020-12-21 2022-06-22 주식회사 호원 프레스 장치
JP2022182123A (ja) 2021-05-27 2022-12-08 パナソニックIpマネジメント株式会社 加工工程監視装置及び加工工程監視方法
KR102559051B1 (ko) * 2021-08-09 2023-07-21 포항공과대학교 산학협력단 프레스 금형 평행도 측정 방법 및 장치와 프레스 장치 모니터링 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001113399A (ja) 2001-04-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3645762B2 (ja) プレス機械の診断方法及びその装置
CN206430675U (zh) 一种轴承轴向游隙的自动检测装置
JP2776296B2 (ja) プレス加工方法、プレス加工装置、およびピン伝達荷重検出装置
JPH05285555A (ja) プレス機械のしわ押え荷重測定装置
CN104912873A (zh) 一种模拟工况的液压缸侧向力加载装置
CN206339329U (zh) 多量程力传感器校准装置
CN106706343A (zh) 一种弹性车轮的径向和轴向刚度测试方法及工装
CN110231242A (zh) 一种旋转摩擦磨损实验仪及其控制***和使用方法
CN108663274A (zh) 一种千斤顶用三轴动静态试验机以及试验方法
CN106644329B (zh) 一种高精度动态测量的120mn桥梁支座测试机
KR101241657B1 (ko) 부품 압입 조립장치
CN2879151Y (zh) 轴承承载力测量装置
CN102288403B (zh) 张紧轮扭矩测试装置
CN112284660A (zh) 一种曲轴弯曲扭转复合载荷试验装置
JP2848168B2 (ja) プレス機械の荷重測定装置
CN202048978U (zh) 一种自动检定仪
CN211347732U (zh) 一种全自动顶锻试验机
RU2730737C1 (ru) Шинно-рельсовый стенд для статических испытаний
CN210665326U (zh) 一种机械式高温持久蠕变试验机
JP7296779B2 (ja) プレス装置、プレス装置の荷重異常検知方法及び荷重異常検知プログラム
CN208847594U (zh) 一种千斤顶用三轴动静态试验机
CN211504520U (zh) 用于平板式制动检验平台的检定装置
CN207239619U (zh) 仪表自动压针装置
JP4325142B2 (ja) プレス機械の試験方法、試験システム、試験用プログラム、および試験用プログラム記録媒体
CN103123257A (zh) 进排气气门油封内凸缘检具及其检测方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041027

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041102

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050125

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050204

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080210

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090210

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100210

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110210

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110210

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120210

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120210

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130210

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees