JP3644343B2 - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車や車両の操舵系にモータによるアシスト力を付与する電動パワーステアリング装置の制御装置に係り、詳しくは、アシスト力を付与する際に、電源電圧の低下を防止するようにした電動パワーステアリング装置の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は、従来の自動車等に使用される電動パワーステアリング装置の概略を示す。
【0003】
ステアリングホイール41に連結したステアリングシャフト42には、トーションバー43が設けられている。このトーションバー43には、トルクセンサ44が装着されている。そして、ステアリングシャフト42が回転してトーションバー43に力が加わると、加わった力に応じてトーションバー43が捩れ、その捩れをトルクセンサ44が検出している。
【0004】
又、ステアリングシャフト42には減速機45が固着されている。この減速機45には、モータ46の回転軸に取着したギア47が噛合されている。更に、減速機45にはピニオンシャフト48が固着されている。ピニオンシャフト48の先端には、ピニオン49が固着されるとともに、このピニオン49はラック51と噛合している。
【0005】
ラック51の両先端には、タイロッド52が固設されている。このタイロッド52の両端には、ナックル53が回動可能に連結されている。このナックル53には、前輪54が固着されている。又、ナックル53は、クロスメンバ55に回動可能に連結されている。
【0006】
従って、モータ46が回転すると、その回転数は減速機45によって減少されてピニオンシャフト48に伝達され、ピニオン及びラック機構50を介してラック51に伝達される。そして、ラック51に固設されたタイロッド52に連結されたナックル53は、モータ46の回転方向に応じて右方向又は左方向に移動する。尚、前輪54には車速センサ56が設けられている。
【0007】
そして、前記モータ46の回転数及び回転方向は、モータ駆動装置57から供給される正負のアシスト電流Iによって決定されている。このモータ駆動装置57が、モータ46に供給するアシスト電流Iは、モータ駆動装置57を制御するアシスト電流決定手段58によって演算されている。アシスト電流決定手段58は、トルクセンサ44からの検出信号VTからその時々のステアリングホイール41の回動トルクTを演算するとともに、車速センサ56からの検出信号P1からその時々の車速Vを演算する。
【0008】
アシスト電流決定手段58は、この演算した回動トルクTと車速Vに基づいてアシスト電流Iを算出する。この算出は、アシスト電流決定手段58内のメモリに予め記憶したアシストマップから求められる。
【0009】
図8は、車速VがV1の時における回動トルクTに対するアシスト電流Iのアシストマップを説明する図である。尚、アシストマップには各車速Vに対して回動トルクTに対するアシスト電流Iのマップが用意されている。
【0010】
図8について説明すると、ステアリングホイール41を右回転方向に回動操作することにより回動トルクTが基準トルクT0以上になると、アシスト電流Iは回動トルクTの増加とともに比例的に増大する。反対に、ステアリングホイール41を左回転方向に回動操作することにより回動トルクTが基準トルクT0以下になると、アシスト電流Iは回動トルクTのマイナス方向の増加とともに比例的にマイナス方向に増大する。アシスト電流決定手段58は、車速VがV1の時において、その時求めた回動トルクTに対するアシスト電流Iをマップから求める。そして、アシスト電流決定手段58はその求めたアシスト電流Iをモータ駆動装置57がモータ46に供給するようにモータ駆動装置57を制御する。
【0011】
ところで、前記のような電動パワーステアリング装置においては、大電流を必要とするシステムであり、大電流を前記モータ46に供給することにより、バッテリ電圧が低下し、その結果、エンジンストールが生ずる虞がある。このため、従来から、その対策技術が提案されている。
【0012】
特開平3−18635号公報では、停車中のアイドリング時において、据え切り操舵時のみのアイドルアップを、車両が停車しているか否かを判定するための車速検出信号と、ハンドル操作の検出を電動モータの使用電流値に基づいて行うようにしている。
【0013】
又、特開平10−23623号公報では、計測したモータ電流値とモータ角速度から電源電圧の低下を予測し、その予測値に基づいて電圧低下が検出されるとアイドルアップ信号を出力して、エンジンに付設したオルタネータの電流供給能力を高めることが提案されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前者の場合は、アイドルアップするか否かの判定に使用する使用電流値は実際にモータに流れている使用電流であることから、閾値を越えてから、アイドルアップ信号を出力しても、閾値を越えたときは既にモータ電流として電源電圧から供給され、電源電圧が落ち込みしていることになる。すなわち、既に電源電圧が落ち込みしており、確実に電源電圧の落ち込みを防止することができない問題がある。
【0015】
後者の場合は、モータの角速度検出を行うことになるが、角速度検出では、モータ逆起電力の推定値から求めており、この推定値は、モータ端子間電圧及び使用しているモータ電流値から算出している。このモータ角速度の算出においても、前者と同様に実際に使用しているモータ電流値を1つのパラメータとして取り入れていることから、結局ディレイが生じ、迅速な電源電圧の落ち込みを防止することができない問題がある。
【0016】
本発明の目的は、電源電圧の落ち込みを予測して、アイドルアップ指令を出すことにより確実に電源電圧の落ち込みを防止することができる電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ステアリングホイールの回動トルクに基づいて演算されたアシスト電流指令値と、モータのモータ電流値とから演算したアシスト電流制御値に基づいてアシスト力を出力するモータを備えた電動パワーステアリング装置の制御装置において、前記アシスト電流指令値を微分する微分手段と、前記微分手段が微分した値が、所定閾値以上か否かを判定し、所定閾値以上と判定した際に、アイドルアップ指令を行うアイドルアップ指令手段を備えた電動パワーステアリング装置の制御装置を要旨としている。
【0018】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、微分手段が、アシスト電流指令値を微分し、アイドルアップ指令手段は、微分手段が微分した値が、閾値以上か否かを判定し、微分値が閾値以上と判定した際に、アイドルアップ指令を行う。
【0019】
従って、モータに流れたモータ電流値を使用せず、すなわち、電源電圧から未だモータ電流を出力しない以前において、ステアリングホイールの回動トルクに基づいて演算されたアシスト電流指令値を微分している。このため、確実にアイドルアップ指令が出されて、エンジンがアイドルアップし、エンジンに付設されたオルタネータからの電力供給能力が高められる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した電動パワーステアリング装置の制御装置の一実施形態を図1〜図6に従って説明する。
【0021】
図1は、電動パワーステアリング装置の制御装置の概略を示す。
ステアリングホイール1に連結したステアリングシャフト2には、トーションバー3が設けられている。このトーションバー3には、トルクセンサ4が装着されている。そして、ステアリングシャフト2が回転してトーションバー3に力が加わると、加わった力に応じてトーションバー3が捩れ、その捩れ、即ちステアリングホイール1にかかる回動トルクTをトルクセンサ4が検出している。
【0022】
又、ステアリングシャフト2には減速機5が固着されている。この減速機5には電動モータ(以下、モータという)6の回転軸に取着したギア7が噛合されている。更に、減速機5にはピニオンシャフト8が固着されている。ピニオンシャフト8の先端には、ピニオン9が固着されるとともに、このピニオン9はラック10と噛合している。ラック10の両端には、タイロッド12が固設されており、そのタイロッド12の先端部にはナックル13が回動可能に連結されている。このナックル13には、タイヤとしての前輪14が固着されている。又、ナックル13の一端は、クロスメンバ15に回動可能に連結されている。
【0023】
従って、モータ6が回転すると、その回転数は減速機5によって減少されてピニオンシャフト8に伝達され、ピニオン及びラック機構11を介してラック10に伝達される。そして、ラック10は、タイロッド12を介してナックル13に設けられた前輪14の向きを変更して車両の進行方向を変えることができる。
【0024】
前輪14には、車速センサ16が設けられている。
次に、この電動パワーステアリング装置の電気的構成を示す。
トルクセンサ4は、ステアリングホイール1の回動トルクTに相対する電圧VTを出力している。車速センサ16は、その時の車速Vを前輪14の回転数に相対する周期のパルス信号Pとしてを出力する。
【0025】
制御装置を構成する舵取制御装置20は、アシスト電流演算手段としての中央処理装置(CPU)21、読み出し専用メモリ(ROM)22及びデータを一時記憶する読み出し及び書き込み専用メモリ(RAM)23を備えている。このROM22には、CPU21による演算処理を行わせるための制御プログラムが格納されている。RAM23は、CPU21が演算処理を行うときの演算処理結果等を一時記憶する。
【0026】
ROM22は、図3及び図4に示すようなアシストマップとしての高速基本アシストマップ及び低速基本アシストマップが格納されている。高速基本アシストマップ及び低速基本アシストマップは、通常状態(ハンドルステアリング戻しでない状態)における操舵トルク(回動トルク)に対応し、かつ車速に応じた基本アシスト電流を求めるためのものであり、回動トルクTに対する高速基本アシスト電流、及び低速基本アシスト電流がそれぞれ記憶されている。
【0027】
図2は、前記CPU21内部において、プログラムで実行される機能を示す制御ブロック図である。同制御ブロック図で図示されている各部は、独立したハードウエアを示すものではなく、CPU21で実行される機能を示している。
【0028】
以下、舵取制御装置20の機能と動作を説明する。
トルクセンサ4から入力された操舵トルク(回動トルク)信号は、トルク演算器24で回動トルクが演算され、位相補償器25で操舵系の安定を高めるために位相補償され、次のアシスト電流指令値演算器26に入力される。
【0029】
一方、車速センサ16から入力されたパルス信号Pは、車速演算器27でその時々の車速Vが演算されアシスト電流指令値演算器26に入力される。
アシスト電流指令値演算器26は、入力された操舵トルク(回動トルク)に基づき、かつ入力された車速Vに対応して、ROM22に格納した高速基本アシストマップ及び低速基本アシストマップを参照して基本アシスト電流を求める。詳しくは、前記各マップにおいて、操舵トルクに対応する電流値を求め、両電流値間を現在の車速に応じて線形補間することにより、車速に対応した基本アシスト電流が算出される。そして、この算出した電流に基づいて操舵トルク(回動トルク)と車速に対応した通常状態におけるアシスト電流指令値を出力する。
【0030】
比較器28、PI制御器29から構成される回路は、実際のモータ電流値がアシスト電流指令値に収束するようにフィードバック制御を行う回路である。
比較器28では、アシスト電流指令値演算器26から出力されたモータ6の制御目標値であるアシスト電流指令値と、後述するモータ電流検出器30で検出された実際のモータ電流値とが比較され、その差の信号が出力される。
【0031】
PI制御器29の比例演算器31では、アシスト電流指令値と実際のモータ電流値との差に比例した比例値が出力される。又、PI制御器29の積分演算器32では、フィードバック系の特性を改善するために積分され、積分値に比例した値が出力される。前記比例演算器31から出力された比例値、積分演算器32から出力された積分値は加算器33で加算され、演算結果であるアシスト電流制御値(以下、電流制御値という。)がモータ制御回路34に出力され、モータ駆動装置35を介してモータ6が駆動され、アシスト力を出力する。モータ電流はモータ電流検出器30にて検出される。
【0032】
モータ制御回路34は加算器33から入力された電流制御値に基づいて決定されるデューティ比のPWMを発生させるとともに、電流制御値の符号に基づいてモータの回転方向を決定する回転方向信号を出力する図示しないPWM回路と、Hブリッジ回路のFET1〜FET4のゲートを駆動する図示しないゲート駆動回路を備えている。
【0033】
モータ駆動装置35は4個の電界効果型トランジスタFET1〜FET4をブリッジに接続したHブリッジ回路にて構成され、その入力端子にはバッテリからイグニッション(ともに図示しない)でオン/オフされるリレーを経てバッテリ電圧Vccの電力が供給され、出力端子間にはモータ6が接続されている。
【0034】
前記FET1,FET2は電流制御値に基づいて決定されるデューティ比のPWM信号に基づいてオン/オフされ、モータ6に流れる電流の大きさが制御される。又、FET3とFET4は電流制御値の符号に基づいて決定される回転方向信号によりゲートがオン/オフされる。
【0035】
前記FET3が導通状態のときは、電流はFET1、モータ6、FET3を経て流れ、モータ6に正方向の電流が流れる。又、FET4が導通状態のときは、電流はFET2、モータ6、FET4を経て流れ、モータ6に負方向の電流が流れる。
【0036】
前記モータ電流検出器30にて検出されたモータ電流はフィードバック系の比較器28にフィードバックされる。
アシスト電流指令値を微分する微分手段としての微分器37は、アシスト電流指令値演算器26から出力されたアシスト電流指令値を微分し、アイドルアップ指令手段としてのアイドルアップ判定器38に出力する。アイドルアップ判定器38は、予めRAM23に記憶した過去のアシスト電流指令値(この実施形態では前回値)との差を算出することにより、微分値を得る。アイドルアップ判定器38は、入力した微分値と予め設定された所定閾値としての微分閾値Aとを比較する(図6(b)参照)。この微分閾値Aは、予めROM22内に記憶されており、電源電圧(バッテリ電圧)の低下が予測される値とされ、予め試験等で得られた値である。アイドルアップ判定器38は微分値が、微分閾値A以上と判定すると、アイドルアップ指令信号を出力する。このアイドルアップ指令信号は、エンジン制御を司る図示しないエンジン制御装置(エンジンECU)に入力される。エンジンECUはその指令信号に基づいて、アイドルアップ制御を行い、エンジンに付設されたオルタネータの電流供給能力を高める。
【0037】
次に、上記のように構成された動力舵取装置の作用についてCPU21の処理動作を図5のフローチャートに従って説明する。
先ず、CPU21は、ステップ(以下、ステップをSという。)1において、車両の走行中その時々において、車速センサ16からのパルス信号P,トルクセンサ4からの電圧VTをRAM23に読み込む。
【0038】
CPU21は、S2において、車速センサ16からのパルス信号Pに基づいてその時々の車速Vを演算するとともに、トルクセンサ4からの電圧VTに基づいてステアリングホイール1のその時々の回動トルクTを演算する。
【0039】
次にCPU21は、S3において、車速Vに対応した高速基本アシストマップ又は低速基本アシストマップを参照して、基本アシスト電流を求める。次に、S4において、車速が高速であれば第1補間係数マップに基づいて、低速であれば、第2補間係数マップに基づいて基本アシスト電流に補正を加えて車速に対応したアシスト電流指令値を算出し、RAM23に記憶する。
【0040】
次のS5において、算出されたアシスト電流指令値と、前回の制御サイクル時において算出して記憶した前回アシスト電流指令値(前回値)との差を演算し、すなわち、微分を行い微分値を算出する。S6において、予めROM22に記憶した閾値とこの微分値との比較を行い、微分値が、閾値以上と判定すると、S8においてアイドルアップ指令信号を出力し、S7に移行する。
【0041】
又、S6において、微分値が、閾値未満であると判定すると、S7に移行し、モータ制御を行い、この制御ルーチンを一旦終了する。
上記実施形態の電動パワーステアリング装置の舵取制御装置20によれば、以下のような特徴がある。
【0042】
(1) 上記実施形態では、ステアリングホイール1の回動トルクに基づいて演算されたアシスト電流指令値と、モータ6のモータ電流値とから演算したアシスト電流制御値に基づいてアシスト力を出力するモータ6を設けた。そして、アシスト電流指令値を微分するCPU21(微分手段としての微分器37の機能を有する。)と、アシスト電流指令値の微分値が、微分閾値A以上か否かを判定するCPU21(アイドルアップ指令手段としてのアイドルアップ判定器38の機能を有する。)を設けた。そして、CPU21が微分値を微分閾値A以上と判定した際に、アイドルアップ指令を行うようにした。この結果、モータ6に流れたモータ電流値を使用することなく、電源電圧から未だモータ電流を出力しない以前において、ステアリングホイール1の回動トルクに基づいて演算されたアシスト電流指令値を微分しているため、確実にアイドルアップ指令が出されて、エンジンがアイドルアップし、エンジンに付設されたオルタネータからの電力供給能力を高めることができる。
【0043】
図6(a)は電源電圧の低下を予測する場合、従来技術であるモータ電流値とモータ電流閾値B(電源電圧が低くなると予想できる予め試験等で得られた値)とを比較をした場合のタイムチャートを示し、図6(b)はアシスト電流指令値の微分値と微分閾値A(電源電圧が低くなると予想できる予め試験等で得られた値)とを比較する場合のタイムチャートを示している。図中、モータ電流とモータ電流閾値Bを比較する従来の技術の場合、実際にモータに流れたモータ電流がモータ電流閾値B以上になった場合を、t2、及びt4の時点とする。これに対して、アシスト電流指令値の微分値と微分閾値Aとを比較する場合、アシスト電流指令値の微分値が微分閾値A以上になった時点をt1,t3とすると、本実施形態では、同図に示すように従来の場合に比較して、早い時点で、電源電圧が低くなることを予測できる。
【0044】
(2) 本実施形態では、アシスト電流指令値は基本アシスト電流に基づいて算出され、この基本アシスト電流は、車速に応じて高速基本アシストマップ、及び低速基本アシストマップを含むアシストマップに基づいて算出した値に基づいて演算した。この結果、本実施形態では、車速に応じた基本アシスト電流が得られるため、車速に応じた微分値として得られることになる。この結果、車速感応型の電動パワーステアリングにおいて、上記(1)の作用効果を実現することが可能である。
【0045】
尚、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 前記実施形態では、CPU21にPI制御器29の機能を持たせたが、PI制御器29の代わりにPID制御器を設けても良い。
【0046】
○ 前記実施形態では、基本アシスト電流は、車速に感応するように高速基本アシストマップ、低速基本アシストマップを使用したが、さらに、路面摩擦係数μに感応するようにした高μ路基本アシストマップや、低μ路基本アシストマップを採用して、基本アシスト電流を算出し、この基本アシスト電流に基づいて得られたアシスト電流指令値を微分して、この微分値と閾値との比較結果に応じてアイドルアップ指令を行うようにしてもよい。
【0047】
次に、前記実施形態及び別例から把握できる請求項に記載した発明以外の技術的思想について、それらの効果と共に以下に記載する。
(1)アシスト電流指令値は基本アシスト電流に基づいて算出されるものであり、基本アシスト電流は、車速に応じて高速基本アシストマップ、及び低速基本アシストマップを含むアシストマップに基づいて算出した値に基づいて演算されるものであることを特徴する請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。こうすると、車速感応型の電動パワーステアリングにおいて、請求項1の発明の作用効果を実現することが可能である。
【0048】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1に記載の発明によれば、実際にモータに流れているモータ電流を検出するのではなく、アシスト電流指令値の微分値の大きさを判定することにより、電源電圧の落ち込みが予測でき、この予測によって、アイドルアップ指令を出すため、確実にかつ迅速に電源電圧の落ち込みを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に具体化した電動パワーステアリング装置の制御装置の概略図。
【図2】 同じく電動パワーステアリング装置の制御装置の制御ブロックダイヤグラム。
【図3】 回動トルクと高速基本アシスト電流とのマップ。
【図4】 回動トルクと低速基本アシスト電流とのマップ。
【図5】 CPUが処理する制御フローチャート。
【図6】 (a)はモータ電流値とモータ電流閾値とを比較をする場合のタイムチャート、(b)はアシスト電流指令値の微分値と微分閾値とを比較する場合のタイムチャート。
【図7】 従来の電動パワーステアリング装置の概略図。
【図8】 同じく回動トルクに対するアシスト電流Iのアシストマップ。
【符号の説明】
I…アシスト電流、T…回動トルク、
1…ステアリングホイール、4…トルクセンサ、
6…モータ、20…舵取制御装置、
21…CPU(微分手段、アイドルアップ指令手段を構成する)。
Claims (1)
- ステアリングホイールの回動トルクに基づいて演算されたアシスト電流指令値と、モータのモータ電流値とから演算したアシスト電流制御値に基づいてアシスト力を出力するモータを備えた電動パワーステアリング装置の制御装置において、
前記アシスト電流指令値を微分する微分手段と、
前記微分手段が微分した値が、所定閾値以上か否かを判定し、所定閾値以上と判定した際に、アイドルアップ指令を行うアイドルアップ指令手段を備えた電動パワーステアリング装置の制御装置。
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