JP3643611B2 - 耐火シート製巻取式可動たれ壁 - Google Patents
耐火シート製巻取式可動たれ壁 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、コンクリート等の建造物の屋内に設置する巻取式耐火シートで構成された可動たれ壁に関する。
【0002】
【従来の技術と問題点】
火災が発生すると猛毒な煙が天井に昇り、天井を伝わって隣室等に移動する。この煙に巻かれると人体に悪影響を与え、死に至ることがある。また煙の拡散が早いと、その煙により避難が遅れることがある。そのため、近年の建造物は、建築基準法上、煙の移動を一時的にストップさせ、その間に避難をしやすくする目的で、その建物の防煙区画毎に天井に防煙壁を設けることが義務付けられている。
【0003】
この基準に合致する防煙壁の一つとして、天井から下方に50cm以上突き出るたれ壁が知られており、盛んに使用されている。
【0004】
この種のたれ壁の一つとして、フレキシブルなシートから造られた巻取式可動たれ壁が存在する。この可動たれ壁は火災時に煙感知器との連動により、天井内のケースに格納してある可動たれ壁を天井面から下方に垂直に突出させて防煙たれ壁を形成させるものである。
【0005】
しかるに従来の可動たれ壁は、天井面からせいぜい50〜80cm程度下方に突出するのみであって、そのたれ壁自体が防火戸ないし防火シャッターのように非火災側の延焼・類焼を防ぐ構造になってはいなかった。すなわち、従来の可動たれ壁は、多くの場合ガラス繊維シート等の不燃シートあるいは可燃性シート材料を難燃処理したもので造られているが、火熱に耐える耐火構造になっていない。また可動たれ壁が床面に近接するまで降下して、火災側の熱及び煙が非火災側に移動するのを防ぐような仕組みになっていない。したがって、建築基準法に合致するためには、防煙区画域ごとに防煙壁が必要であり、同様に、防火区画域毎に別途に防火戸や防火シャッターを設置しなければならなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように従来は、建物の防煙区域ごとにあるいは防火区域ごとに、法律が要請する防煙特性を持たせた防煙壁あるいは防火特性を持たせた防火戸や防火シャッターを別々に設ける必要がある。すなわち、従来の防煙たれ壁(可動たれ壁)は、火災時の火熱に耐える耐火構造になっていないことと、火災時に床面に近接するまで降下できないので、火災側の熱及び煙が非火災側に移動するのを防ぐことができない。したがって火災側とその隣接空間(非火災側)への延焼・類焼を防ぐできないという問題点を有していた。防火シャッターを併せ設けると、総体的に費用が多くにかかるという問題点がある。
【0007】
本発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、室内で火災が発生した場合に室内の煙感知器の作動に連動して可動たれ壁が天井面から下方に突出して、煙が他の隣接区域に移動ないし拡散するのを一時的にストップさせ、かつまた室内所要部の周辺温度が上昇した場合は、熱感知器の作動に連動しその可動たれ壁を床面に近接するまで降下して、火災側の熱及び煙が非火災側に移動するのを防ぎ、安全な防火並びに防煙区画を確保することができる巻取式可動たれ壁を提供するものである。
【0008】
【問題点を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明の可動たれ壁は、建物の天井部に配設した巻取り軸に防煙シートを巻上げ巻戻し自在に巻着し、シート左右の端縁部がガイドレールに挿入されて該レールに沿って防煙シートを昇降させるようにした巻取式可動たれ壁であって、
防煙シートは、断熱、耐火性を有した巻き取り可能な可撓性シート材料をもって形成し、煙感知器または熱感知器の作動信号に基づいて開閉機のブレーキを開放し、防煙シートを自重で垂直に下降させて建物の開口部を半閉、全閉あるいは予め設定された停止位置でシートを停止する操作回路と、該シートの位置を検出する検出器(リミットスイッチ)と、該検出器の検出信号に基づいて巻取り軸を制動する開閉機のブレーキとを具備したことを特徴としている。
【0009】
操作回路は、防煙シートの停止位置に対応して複数個設けられた検出器を介しブレーキを開放して全閉位置あるいは予め設定された停止位置まで防煙シートを降下するように構成されている。
【0010】
使用に当たって本発明は、通常時は押しボタン操作により開閉機で防煙シートを所定の高さに巻き上げ、火災が発生した時には煙感知器および熱感知器信号により少なくとも防煙シートの下降動作を2段階にわけて降下するように構成されている。
【0011】
【実施例】
次に、本発明の構成を図面に示す一実施例に基づき具体的に説明する。
【0012】
図面において、巻取り軸1は、建物の天井裏に配設した収納ケース2内に配設され、後記のように煙感知器等の作動に連動する開閉機のモーターを介して駆動輪及び従動輪をチェーンで作動して、巻取り軸1が回転するようになっている。
【0013】
防煙シート3は、断熱、耐火性を有した巻き取り可能な可撓性シートで構成され、シートの上部は巻取り軸1に巻き上げ、巻き戻し自在に取り付けられ、シートの下部には重錘の役目を果たす開口幅ほぼ一杯の幅を持つ座板4が固着されている。また、防煙シートの左右端縁部は、建物の開口部壁面に固定されているガイドレール5の溝に挿入して昇降するようになっている。なお本防煙シートのガイドレールは、従来の防可動たれ壁用レールと異なり、天井7から床面8まで設けられている。符号6は防煙シートの座板の上面両端よりに固定した係止金具を示し、ガイドレールの縦方向に設ける屈曲部5aと互いに係合しあって、シートが降下するとき或いは火災により生ずる風圧により防煙シートが煽られてガイドレールから脱離するのを防止する。なお前記脱離防止金具は図示実施例の位置以外に防煙シートの左右に、所定間隔に取り付けることができる。
【0014】
本発明に好適に使用できる断熱、耐火性を有した防煙シートとしては、例えば商品名ネクステル(販売:住友スリーエム)として市販されているセラミッククロス、商品名シリグラス(日本無機)として市販されているシリカクロス、商品名ナスロン(日本精線)として市販されている金属繊維や細線を編み込んで形成した金属繊維クロス、商品面ラスタン(旭化成)として市販されている耐炎繊維製のクロス等が使用できる。
【0015】
天井の部分には、サーマルプロテクター内蔵の電磁ブレーキ10つきモーター9が取り付けられ、モーターの軸に駆動輪11を固定すると共に、巻取り軸1の端部に従動輪12を固定している。この駆動輪11と従動輪12との間にチェーン13が張設されている。符号14は巻き上げ用フックである。
【0016】
図5は本発明の巻取式可動たれ壁の配線図であって、図中20は制御装置、21は通常開閉操作用の巻き上げ、停止、巻き下ろしの3点押しボタンスイッチである。またLSは上限リミットスイッチ、LS1、LS2、LS3はシートの停止位置を規定するリミットスイッチであり、防煙シート3がそれぞれ図示を省略した煙感知器及び熱感知器からの信号で天井面から50〜80cmの高さ(半閉位置)h1、または床面から30〜50cmの高さh2(避難用)に降下したとき及び全閉位置に達したとき、これを検出して電磁ブレーキ10を作動させて防煙シートの下降を停止する。
【0017】
図6は各種信号と垂れ壁(シート)の上限位置から下限位置までの停止位置を示した説明図、図7で示したものは各種信号と開閉機の操作回路との信号の流れを示すブロック線図である。
【0018】
【作用】
本発明は、通常時は、押しボタン操作により開閉機で防煙シートを所定の高さに巻き上げておく。火災時、建造物内部の防災センター22を経由して煙感知器からの信号を制御装置20が受信すると、ブレーキが解除され防煙シート3が自重で下降する。
【0019】
すなわちまず煙感知器信号はLS1を通って操作回路24に入り、ブレーキを開放する。シートが半閉位置h1に来るとリミットスイッチLW1が切れてブレーキが復帰しシートは停止する。また同様にして、熱感知器からの信号はLS2を通って操作回路24に入り、ブレーキを開放する。防煙シート3が床面から30〜50cmの高さh2に達すると、リミットスイッチLS2が切れてブレーキが復帰しシートは停止する。なお手動押しボタンスイッチ21の手動上昇信号が上限リミットスイッチLSを通って操作回路24に入ると、ブレーキを開放すると同時にモーターを駆動して巻き取り軸を回転させ、防煙シートを巻き上げる。
【0020】
【発明の効果】
本発明たる防煙たれ壁は、火災時の火熱に耐える耐火構造になっているうえ、火災時に床面に近接するまで降下するので、火災側の熱及び煙が非火災側に移動するのを防ぐことができる。すなわち建物内で火災が発生した場合に室内の煙感知器の作動に連動して可動たれ壁が天井面から下方に突出して、煙が他の隣接区域に移動ないし拡散するのを一時的にストップさせ、かつまた室内所要部の周辺温度が上昇した場合は、熱感知器の作動に連動しその可動たれ壁を床面に近接するまで降下して、火災側の熱及び煙が非火災側に移動するのを防ぎ、安全な防火並びに防煙区画を確保することができる。したがって火災側とその隣接空間(非火災側)への延焼・類焼を防ぐできることができるものである。その上本発明防煙たれ壁は、防火シャッターを併せ設ける場合に比較すると、設備費用が総体的に安くなるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明巻取式可動たれ壁の正面図である。
【図2】同上側面図である。
【図3】ガイドレール部分の拡大断面図である。
【図4】開閉機部分の説明図である。
【図5】本発明巻取式可動たれ壁の配線図である。
【図6】各種信号と垂れ壁(シート)の上限位置から下限位置までの停止位置を示した説明図である。
【図7】各種信号と開閉機の操作回路との信号の流れを示すブロック線図である。
【符号の説明】
1 巻取り軸
3 防煙シート
5 ガイドレール
10 ブレーキ
LS 上限リミットスイッチ
LS1、LS2、LS3 停止位置規定リミットスイッチ
Claims (2)
- 建物の天井部に配設した巻取り軸に防煙シートを巻上げ巻戻し自在に巻着し、シート左右の端縁部がガイドレールに挿入されて該レールに沿って防煙シートを昇降させるようにした巻取式可動たれ壁であって、
防煙シートは、断熱、耐火性を有した巻き取り可能な可撓性シート材料をもって形成し、煙感知器または熱感知器の作動信号に基づいて開閉機のブレーキを開放し、防煙シートを自重で垂直に下降させて建物の開口部を半閉、全閉あるいは予め設定された停止位置で前記防煙シートを停止する操作回路と、該防煙シートの位置を検出する検出器と、該検出器の検出信号に基づいて巻取り軸を制動する開閉機のブレーキを具備したことを特徴とする巻取式可動たれ壁。 - 前記操作回路は、防煙シートの停止位置に対応して複数個設けた検出器を介して、ブレーキを開放して前記建物の開口部の全閉位置あるいは予め設定された停止位置まで防煙シートを降下するように構成されている請求項1に記載の巻取式可動たれ壁。
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