JP3641346B2 - 自己保持型ロータリソレノイド - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、角型または円筒型形状の二方向自己保持型ロータリソレノイドの構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】
図１は、従来の二方向自己保持型ロータリソレノイドの構造の一例である。
図中、１は磁性体のヨーク、２は永久磁石のロータ、３は非磁性体のシャフト、４、５は非磁性体のケース、６は軸受、７はカラー、８は磁性体のリング、９はスラストワッシャ、１０はコイル、１１はピン、１２はストッパピン、１３はストッパ、１４は固定ビス、２０はリード線である。
【０００３】
次に動作について説明する。
永久磁石のロータ２に固定されているシャフト３は、通常、永久磁石のロータ２がヨーク１の内側突出部（以下壁面という）に引寄せられる力により、シャフト３に取付けたピン１１が、ストッパ１３に当って止まり保持されている。
【０００４】
次に、コイル１０に反対の磁界が発生するように通電すると、永久磁石のロータ２は磁界の変化により反対方向に回転する。
そして、永久磁石のロータ２に固定されたシャフト３に取付けられたピン１１が回転した側のストッパ１３に当って止まり、コイル１０の通電を切っても永久磁石のロータ２がヨーク１の壁面に引寄せられる力によりその位置に保持される。
【０００５】
次に、リード線２０にプラス・マイナスを逆に通電すると、前とは逆の磁界が発生し、永久磁石のロータ２に固定されたシャフト３は逆の方向に回転して元の位置にもどり、通電を切ってもその位置に保持される。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この様な従来のロータリソレノイドは、無通電時の保持力が弱くなることである。
すなわち、永久磁石のロータ２が、ヨーク１の壁面に直接接触しないで保持されている為、保持力が弱くなる。
【０００７】
そこで本発明は、角型または円筒型形状の自己保持型ソレノイドに於いて、小型で保持力の強い二方向自己保持型ロータリソレノイドを提供する事を目的とする。
【０００８】
【課題を解決する為の手段】
本発明は、磁性体のロータと、このロータに両方向回転磁界を形成するように、磁性体のヨークにコイルと永久磁石を配置したステータとにより構成され、ロータはコイルへのパルス通電により、永久磁石の磁力に反発してヨークのいずれか一方の壁面へ回転駆動すると共に、永久磁石の磁力により、コイルへの通電を切っても、ロータの移動位置を保持している事を特徴とする自己保持型ロータリソレノイドである。又、ヨークの壁面には、ロータの保持力を調整する事が可能な非磁性体のワッシャが介在されている。
【０００９】
【実施の形態】
図２は本発明の一実施例を示す二方向自己保持型ロータリソレノイドの構造図である。図に於いて、従来例と同じ符号は同一部品を示す。
【００１０】
２’は固定側に設けた永久磁石、１５は磁性体のロータ、１６はボビン、１７は非磁性体のカバー、１８はヨークガイド、２１はヨークの壁面（ストップ面）である。
【００１１】
シャフト３に固定された磁性体のロータ１５と、このロータ１５を外側から囲うように配置し、コイル１０の外側に取付けた二つのヨーク１の間に角型の永久磁石２’をはさみ込む。
ロータ１５はヨーク１の壁面２１がストッパとなって止まり、決められた角度を回転する。
ロータ１５の幅を変えることにより、回転角度を変えることができる。
【００１２】
この様な構造にすることにより、ロータ１５とヨーク１間で、吸着時には磁気回路のギャップがない様に構成されることになり、無通電時に大きな保持力を得ることができる。
例えば、２２×３２×２９の角型二方向自己保持型ロータリソレノイドで５ｋｇｆ・ｃｍの保持力を得ることができる。
【００１３】
図３は、本発明の二方向自己保持型ロータリソレノイドにおいて、ロータ１５にストップワッシャ１９を取付けた図である。
ストップワッシャ１９の厚さを変えることにより希望する保持力に下げて調整することができる。
又、図４は本発明の二方向自己保持型ロータリソレノイドにおける、回転時の動作を示す図である。
【００１４】
【発明の効果】
パルス通電により、或る一定角度を回転し、永久磁石によって二方向で自己保持するロータリソレノイドに於いて、大きな保持力を得る事が出来るので、ソレノイドの小型化が可能となる。
また、ストップワッシャの厚さを変えることにより任意の保持力に合わせることができるので実用上の用途は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図１】従来の二方向自己保持型ロータリソレノイドの構造図。
【図２】本発明の二方向自己保持型ロータリソレノイドの構造図。
【図３】本発明の二方向自己保持型ロータリソレノイドでストップワッシャを取付けた構造図。
【図４】本発明の二方向自己保持型ロータリソレノイドの回転時のロータ動作図。
【符号の簡単な説明】
１ ヨーク
２ 永久磁石のロータ
２’ 固定側永久磁石
３ シャフト
４ ケース（１）
５ ケース（２）
６ 軸受
７ カラー
８ リング
９ スラストワッシャ
１０ コイル
１１ ピン
１２ ストッパピン
１３ ストッパ
１４ 固定用ビス
１５ ロータ
１６ ボビン
１７ カバー
１８ ヨークガイド
１９ ストップワッシャ
２０ リード線
２１ 壁面

Claims (1)

1. 磁性体のロータと、
   前記ロータに両方向回転磁界を形成するように、コイルと、このコイルの外側に取り付けられると共に前記ロータを外側から囲うように配置した磁性体の二つのヨークと、この二つのヨークに挟み込まれた永久磁石とを備えたステータと、により構成され、
   前記ロータは、前記コイルへのパルス通電により、前記永久磁石の磁力に反発して二つの前記ヨークのいずれか一方の壁面へ回転駆動すると共に、前記永久磁石の磁力によりその移動位置が保持され、さらに前記ロータの保持力を調整する事が可能な非磁性体のストップワッシャが取付けられた事を特徴とする自己保持型ロータリソレノイド。

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