JP3640645B2 - 焼成食品用起泡剤、それを用いた焼成食品、焼成食品の製造方法及び焼成食品用プレミックス - Google Patents

焼成食品用起泡剤、それを用いた焼成食品、焼成食品の製造方法及び焼成食品用プレミックス Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、焼成食品用起泡剤、それを用いた焼成食品、焼成食品の製造方法及び焼成食品用プレミックスに関する。更に詳しくは、ケーキやパン等の起泡した食品に応用可能な焼成食品用起泡剤、及び、それを使用することにより風味、食感及び起泡性に優れるという良好な特性を具備した焼成食品及びその製造方法並びに焼成食品用プレミックスである。
本明細書において百分率は、特に断りのない限り質量による表示である。
【0002】
【従来の技術】
一般に、アイスクリーム、ホイップクリーム、パン、ケーキ、及びカプチーノ等の一部の飲料等の起泡した食品に各種の起泡剤が使用されている。
【0003】
従来、食品用の合成の起泡剤として、例えば主要な起泡食品であるケーキの場合には、起泡力のある蒸留飽和モノグリセライドに、ショ糖エステル、ポリグリセリンエステル、ソルビタンエステル等の乳化剤を配合した製剤が使用されている。しかしながら、このようなケーキ用起泡剤は通常ペースト又は液状であるため、粉末食品であるケーキ用ミックス粉への添加が困難で作業性が悪い。
また、油脂の消泡作用を抑制する目的で、脂肪酸モノグリセライド等に代表される合成乳化剤及び該合成乳化剤を含んだ起泡剤が添加されている。しかしながら、これらは風味が劣るうえに、近年の天然物志向から化学合成品を忌避する傾向が強く、天然物由来の起泡剤の開発が求められている。
【0004】
一方、天然の起泡剤としては、卵白蛋白質、大豆蛋白質、乳清蛋白質等の種々の蛋白質又はその加水分解物が使用されている。
【0005】
しかしながら、卵白蛋白質は加熱により凝固するため用途が制限されており、卵白蛋白質加水分解物は油脂を含む系での起泡性が十分ではないという問題がある。
【0006】
また、大豆蛋白質由来の起泡剤については、起泡性を有する大豆蛋白質の部分加水分解物の製造方法として、特開昭49−109551号公報、特許第2789840号公報等が知られている。
しかしながら、特開昭49−109551号公報に記載の方法で製造された大豆蛋白質由来の起泡性物質は、その色調及び風味が悪く、起泡性、特に含油系下における起泡性が十分ではないという問題点がある。
また、特許第2789840号公報に記載の方法では、水系及び含油系下において優れた起泡性を有すると共に色調及び風味に優れた起泡性大豆蛋白を製造できるが、原料蛋白質当りの収率が20%以下であり、収率が悪いという問題点がある。更に、大豆蛋白質由来の起泡剤では、純粋に乳製品のみの製品を製造したいとの市場の要請に応えられないという問題点がある。
【0007】
一方、牛乳由来の蛋白質の起泡剤としては、未分解の乳清蛋白質濃縮物(WPC)又はカゼインナトリウム等が使用されている例があるが、WPCは油脂及び砂糖が共存する系においては起泡性が低下してしまうほか熱安定性が悪いため用途が制限されるという問題点があり、また、カゼインナトリウムは起泡剤として起泡性が不十分であり、大量に使用する必要があることから用途が制限されてしまうという問題点がある。
【0008】
更に、前記未分解の牛乳由来の蛋白質の起泡剤の問題点を解決する目的で、次のとおりの牛乳由来の蛋白質を酵素により加水分解する起泡剤の製造方法が開示されている。
【0009】
(1)ホエー蛋白質をトリプシンで部分加水分解することを特徴とする起泡安定性が良好なホエー蛋白質の調製法(特開昭61−96956号公報:以下、従来技術1と記載する。)。
【0010】
(2)カゼイン等の乳蛋白質に蛋白分解酵素を作用させ分解度5〜20%の範囲に部分的に加水分解した乳蛋白性界面活性剤及びその製造方法(特開平1−160458号公報:以下、従来技術2と記載する。)。
【0011】
(3)蛋白加水分解物の水溶液により食用油脂を乳化させてなるO/W型ケーキ用起泡性乳化組成物(特開平9−9860号公報:以下、従来技術3と記載する。)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの従来技術には以下に記載するような不都合があった。前記従来技術1には、起泡安定性が良好なホエー蛋白質分解物が開示されているが、このホエー蛋白質は、風味は良いが食感が劣っており、砂糖等の共存する系において起泡性が悪い。そのため、ケーキ類を焼成した場合にセンターの高さが不十分であり、比重の低い軽い食感のケーキを製造するのに不向きであるという問題点を有している。
【0013】
また、前記従来技術2に開示される乳蛋白性界面活性剤は、食感は良いが、風味が劣っており、砂糖等の共存する系において起泡性が悪く、ケーキ類を焼成した場合にセンターの高さが不十分であるという問題点を有している。
【0014】
更に、前記従来技術3に開示されているO/W型ケーキ用起泡性乳化組成物は、蛋白加水分解物を乳化剤として単独で使用するものではなく、起泡性や風味を向上させるために、更に食用油脂を添加しなければ目的とするケーキ生地が調製できないという問題点を有する。また、乳蛋白加水分解物を使用した起泡性乳化組成物による実施例において、ボリューム、内相及び食感は、小麦蛋白加水分解物や大豆蛋白加水分解物を使用した起泡性乳化組成物よりも劣っていた。
【0015】
本発明者らは、特開2000−210030号公報において、特定の分子量分布を有する起泡性カゼイン加水分解物及びその製造方法を開示している。しかしながら、この起泡性カゼイン加水分解物は、分解物の分子量ごとに含量が細かく規定されており、製造に手間がかかる。
【0016】
したがって、本発明の目的は、風味、食感及び起泡性に優れるという良好な特性を具備し且つ製造が簡便な焼成食品用起泡剤を提供することであり、また、該起泡剤を使用した焼成食品及びその製造方法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、分解物の分子量範囲ごとの細かい含量を規定せずに簡便に製造・使用することが可能であり、且つ、小麦粉や糖類、膨剤等の材料をすべて混合してからホイップすることにより生地を調製するオールインミックス法に適した起泡性を有する乳蛋白加水分解物について鋭意開発を行った結果、重量平均分子量30,000〜110,000ダルトンのカゼイン加水分解物及び重量平均分子量20,000〜70,000ダルトンの乳清蛋白質加水分解物の混合物が、風味及び食感に優れるというバランスの取れた良好な特性を具備すること、並びに、該混合物を使用することにより、砂糖等の共存する系においても、起泡性に優れ、十分な膨らみ具合を保つという、比重が低く軽い食感のケーキ類に適した良好な特性を具備する焼成食品を製造することが可能であることを見い出し、本発明を完成した。
【0018】
すなわち、前記課題を解決する本発明の第一の発明は、重量平均分子量30,000〜110,000ダルトンのカゼイン加水分解物及び重量平均分子量20,000〜70,000ダルトンの乳清蛋白質加水分解物の混合物を含有する焼成食品用起泡剤である。該混合物中のカゼイン加水分解物と乳清蛋白質加水分解物の質量比は3:7〜9:1であることが好ましい。なお、前記質量比は、乾燥質量としての値である。
【0019】
前記課題を解決する本発明の第二の発明は、第一の発明の焼成食品用起泡剤を含有する生地を焼成して得られる焼成食品である。第二の発明の好ましい態様においては、前記生地は、前記焼成食品用起泡剤2〜6質量部と、その他の原料100質量部とを配合して得られたものである。また、前記焼成食品はケーキ類であることが好ましい。
【0020】
前記課題を解決する本発明の第三の発明は、焼成食品用起泡剤を含有する生地を調製する工程と、該生地を焼成する工程とを有する焼成食品の製造方法であって、前記焼成食品用起泡剤が、重量平均分子量30,000〜110,000ダルトンのカゼイン加水分解物及び重量平均分子量20,000〜70,000ダルトンの乳清蛋白質加水分解物の混合物を含有することを特徴とする焼成食品の製造方法である。第三の発明の好ましい態様においては、前記焼成食品用起泡剤における前記カゼイン加水分解物と前記乳清蛋白質加水分解物との質量比は3:7〜9:1であり、また、前記焼成食品用起泡剤2〜6質量部とその他の原料100質量部とを配合して前記生地を調製する。さらに、前記生地は、オールインミックス法によって調製することが好ましい。また、前記焼成食品は好ましくはケーキ類である。
【0021】
前記課題を解決する本発明の第四の発明は、第一の発明の焼成食品用起泡剤、小麦粉、糖類及び膨剤を含有する焼成食品用プレミックスである。前記焼成食品は好ましくはケーキ類である。第四の発明の好ましい態様においては、該ケーキ類がスポンジケーキである場合、前記焼成食品用プレミックス中の前記焼成食品用起泡剤の含有率が3〜11質量%であり、前記ケーキ類がシフォンケーキである場合、前記焼成食品用プレミックス中の前記焼成食品用起泡剤の含有率が8〜13質量%であり、また、前記ケーキ類がホットケーキである場合、前記焼成食品用プレミックス中の前記焼成食品用起泡剤の含有率が2〜8質量%である。なお、前記含有率は、乾燥質量としての値である。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について具体的に説明する。
本発明に使用するカゼイン加水分解物及び乳清蛋白質加水分解物の重量平均分子量は以下の方法により算出した。即ち、高速液体クロマトグラフィーを使用して、ポリヒドロキシエチル・アスパルタミド・カラム[Poly Hydroxyethyl Aspartamide Column:ポリ・エル・シー(Poly LC)社製;直径4.6×200mm]を用い、20mM塩化ナトリウム、50mMギ酸により溶出速度0.4ml/分で溶出する方法(宇井信生ら編、「タンパク質・ペプチドの高速液体クロマトグラフィー」、化学増刊第102号、第241頁、株式会社化学同人、1984年)により加水分解物を溶出した。検出は、UV検出器(島津製作所社製)を使用して行い、GPC分析システム(島津製作所社製)によりデータ解析して重量平均分子量を算出した。
【0023】
本発明のカゼイン加水分解物に使用される出発原料のカゼインは、市販品又は牛乳、脱脂乳等から公知の方法により分離された乳酸カゼイン、塩酸カゼイン等の酸カゼイン、カゼインナトリウム、カゼインカリウム、カゼインカルシウム等のカゼイン塩、又はこれらの任意の混合物である。
【0024】
上記原料カゼインを水又は温湯に分散させ、必要に応じて水酸化ナトリウム等のアルカリ剤を添加し、溶解させる。得られたカゼイン溶液中のカゼイン濃度に格別の制限はないが、効率性及び操作性の点から、蛋白質換算で5〜15質量%前後の濃度範囲にするのが望ましい。更に、雑菌汚染による変敗防止の点から、前記カゼイン溶液を80〜90℃で10分間程度加熱殺菌処理することが望ましい。加熱殺菌処理後、液温を40〜50℃程度に調整することが好ましい。
【0025】
次いで、得られたカゼイン溶液にクエン酸を添加して、蛋白質100g当り1g以上のクエン酸を含有させる。これにより、最終的に得られるカゼイン加水分解物の風味を改善することができる。
【0026】
蛋白質100g当りクエン酸を1g以上含有させると、当該カゼイン溶液のpHは5.9以下となり、後述するペプシンの最適pH範囲内に入る。しかし、カゼインの等電点は4.6であることから、カゼインの沈殿を生じさせないためには、カゼイン溶液のpHを5.0以上5.9以下に調整することが望ましい。例えば、クエン酸添加量を調整してカゼイン溶液のpHを5.0以上とする場合、クエン酸の添加量の上限は蛋白質100g当り8gであることが望ましい。
【0027】
本発明の方法に使用されるクエン酸としては、無水クエン酸、結晶クエン酸等の市販品を例示することができる。
【0028】
このpH調整の際には、蛋白質100g当り1g以上のクエン酸に加えて、クエン酸以外の酸を使用してもよい。クエン酸以外の酸としては、塩酸等の無機酸よりも、最終カゼイン加水分解物中の塩素等のミネラルの含有量を低減できる点で、有機酸が望ましく、特に、リンゴ酸及び/又はグルコン酸が、最終カゼイン加水分解物の風味を損なわない点で一層望ましい。
【0029】
本発明で用いるカゼイン加水分解物の重量平均分子量は30,000〜110,000ダルトンの範囲であり、この分子量範囲に加水分解されるように、基質濃度、蛋白質分解酵素の種類、酵素力価、加水分解反応温度及び反応時間を決定する必要がある。
【0030】
本発明において、風味が良好で、乳清蛋白質加水分解物と混合した際に十分な起泡性を発揮するカゼイン加水分解物を製造するためには、蛋白質分解酵素としてペプシンを使用することが特に好ましい。本発明の方法に使用されるペプシンは、ウシ由来又はブタ由来のペプシンのいずれであってもよく、簡便には、市販のペプシン・パウダー1:10000NF(ボルフガング・ミュールバウアー社製)、ペプシン1:10000NFXII (日本バイオコン社製)、ペプシン(シグマ社製)等を使用することができる。
【0031】
ペプシンは、4〜10℃の冷水に分散し、溶解させて使用する。このペプシン溶液の濃度は、最終カゼイン加水分解物の重量平均分子量が30,000〜110,000ダルトンの範囲に収まるように設定する必要があり、効率性及び操作性の点から、通常3〜10質量%程度の酵素濃度として使用することが望ましい。また、ペプシンの使用量についても、最終カゼイン加水分解物の重量平均分子量が上記範囲に収まるように設定する必要があり、カゼイン溶液中の蛋白質1g当り1000〜15000活性単位の割合で添加することが好ましい。更に酵素反応の温度についても、最終カゼイン加水分解物の重量平均分子量が上記範囲に収まるように設定する必要があるが、その温度は、酵素作用の発現する最適温度範囲を含む実用に供せられ得る範囲から選ばれ、通常30〜60℃の範囲から選ばれる。加水分解反応時間については、酵素反応の分解率をモニターしながら、好ましい分解率に達するまで反応を維持する。本発明のカゼイン加水分解物は、分解率が7〜15%であることが好ましく、このとき、カゼイン加水分解物の起泡性等が特に良好である。
【0032】
尚、蛋白質の分解率の算出方法は、ケルダール法(日本食品工業学会編、「食品分析法」、第102頁、株式会社光琳、昭和59年)により試料の全窒素量を測定し、ホルモール滴定法(満田他編、「食品工学実験書」、上巻、第547頁、養賢堂、1970年)により試料のホルモール態窒素量を測定し、これらの測定値から分解率を次式により算出する。
【0033】
分解率(%)=(ホルモール態窒素量/全窒素量)×100
【0034】
酵素反応の停止は、反応液中の酵素の失活により行われ、常法による加熱失活処理によって実施することができる。加熱失活処理の加熱温度とその保持時間は、使用する酵素の熱安定性を考慮し、酵素が十分に失活する条件に設定する。例えば、酵素としてペプシンを用いた場合、80〜130℃の温度範囲で、保持時間を30分〜2秒間として加熱することにより失活させることができる。また、加熱失活処理前に、アルカリ剤を使用して反応液のpH6以上に調整することにより、ペプシンの活性を一時的に停止させることもできる。この際使用するアルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を例示できる。
【0035】
得られたカゼイン加水分解物を含有する溶液(以下、カゼイン加水分解溶液ということもある)は、そのまま使用することが可能であり、また、必要に応じて、この溶液を公知の方法により濃縮した濃縮液として、また、この濃縮液を公知の方法により乾燥した粉末として使用することもできる。
【0036】
本発明の乳清蛋白質加水分解物に使用される出発原料の乳清蛋白質は、乳清蛋白質を主成分とするものであれば如何なるものでも使用することができるが、市販の各種乳清蛋白質、例えば、乳清蛋白質濃縮物(WPC)、乳清蛋白質分離物(WPI)等が望ましい。また、牛乳、脱脂乳、全脂粉乳、脱脂粉乳から、常法により乳清蛋白質を精製することもできる。
【0037】
この乳清蛋白質は、水又は温湯に分散し、溶解させて使用することが好ましい。該溶解液中の乳清蛋白質濃度は、格別の制限はないが、効率性及び操作性の点から、通常、蛋白質換算で5〜15質量%前後の濃度範囲にするのが望ましい。
【0038】
また、前記乳清蛋白質を含有する溶液は、雑菌汚染による変敗防止の点から、70〜90℃で10分〜15秒間程度加熱殺菌することが望ましい。加熱殺菌処理後、液温を45〜55℃程度に調整することが好ましい。
【0039】
次いで、前記乳清蛋白質を含有する溶液にアルカリ剤を添加して、該溶液のpHを、使用する蛋白質分解酵素の至適pH又はその付近(例えば、ブロメラインを用いる場合はpH7〜10)に調整することが望ましい。本発明の方法に使用するアルカリ剤は、食品又は医薬品に許容されるものであれば如何なるアルカリ剤であってもよく、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等を例示することができる。
【0040】
本発明で使用する乳清蛋白質加水分解物に占める非蛋白態窒素化合物量の割合は50%以下であることが好ましく、そのような乳清蛋白質加水分解物と前記カゼイン加水分解物とを混合した焼成食品用起泡剤を用いることにより、風味の良好な焼成食品を製造することができる。
【0041】
尚、非蛋白態窒素化合物量の測定は、ラッパポート(Rappaport)−梅田変法(臨床検査、第9巻、第534乃至537頁、1965年)に基づく測定キット(商品名:NPN−テストワコー;和光純薬工業社製)を使用し、該測定キットの説明書に従って試料の非蛋白態窒素量を測定し、得られた値に6.38を乗じて非蛋白態窒素化合物量を算出し、ケルダール法により測定した全窒素量に対する非蛋白態窒素化合物量の割合(%)として算出する。
【0042】
本発明で使用する乳清蛋白質加水分解物の重量平均分子量は、20,000〜70,000ダルトンの範囲であり、この分子量範囲に加水分解されるように、基質濃度、蛋白質分解酵素の種類、酵素力価、加水分解反応温度及び反応時間を決定する必要がある。
【0043】
本発明において、風味が良好で、カゼイン加水分解物と混合した際に十分な起泡性を発揮する乳清蛋白質加水分解物を製造するために用いる蛋白質分解酵素としては、ブロメライン、パパイン等を例示することができ、特にブロメラインを使用することが好ましい。市販のブロメラインとしてはブロメラインF(天野エンザイム社製)等を例示することができる。
【0044】
上記ブロメラインは4〜10℃の冷水に分散し、溶解して使用する。このブロメライン溶液の濃度は、最終乳清蛋白質加水分解物の重量平均分子量が20,000〜70,000ダルトンの範囲に収まるように設定する必要があり、通常3〜10%程度の酵素濃度の溶液として使用することが効率性及び操作性の点から望ましい。また、ブロメラインの使用量についても、最終乳清蛋白質加水分解物の重量平均分子量が上記範囲に収まるように設定する必要があり、乳清蛋白質1g当たり1000〜20000活性単位の割合で添加することが好ましい。更に、酵素反応の温度は、最終乳清蛋白質加水分解物の重量平均分子量が上記範囲に収まるように設定する必要があり、酵素作用が発現する最適温度範囲を含む実用に供され得る範囲から選ばれ、通常30〜60℃の範囲から選ばれる。加水分解反応は、酵素濃度、反応温度、初発pH等の反応条件や、最終乳清蛋白質加水分解物の好ましい重量平均分子量を考慮して、その反応継続時間を決定する必要がある。
【0045】
酵素反応の停止は、加水分解反応液中の酵素を失活させることにより行われ、常法による加熱失活処理によって実施することができる。加熱失活処理の加熱温度と保持時間は、使用した酵素の熱安定性を考慮し、酵素が十分に失活する条件を適宜設定する。例えば、酵素としてブロメラインを用いた場合、80〜130℃の温度範囲で30分〜2秒間の保持時間とすることにより失活させることができる。
【0046】
得られた乳清蛋白質加水分解物を含有する溶液(以下、乳清蛋白質加水分解溶液ということもある)は、そのまま使用することが可能であり、また、必要に応じて、この溶液を公知の方法により濃縮した濃縮液として、また、この濃縮液を公知の方法により乾燥した粉末としても使用することができる。
【0047】
本発明の焼成食品用起泡剤中に含まれるカゼイン加水分解物及び乳清蛋白質加水分解物の質量比は、乾燥質量として、〔カゼイン加水分解物〕:〔乳清蛋白質加水分解物〕=3:7〜9:1であることが好ましい。質量比をこの範囲内とすることにより、その起泡剤を用いた焼成食品の風味や食感が良好となる。
【0048】
本発明の焼成食品用起泡剤は、前記の好ましい質量比となるようにカゼイン加水分解溶液と乳清蛋白質加水分解溶液とを混合した後、噴霧乾燥して、又は凍結乾燥し粉砕して、粉末化された焼成食品用起泡剤を製造することができる。
【0049】
また、カゼイン加水分解物及び乳清蛋白質加水分解物をそれぞれ粉末化し、前記の好ましい質量比となるように、粉体混合機で混合することによっても焼成食品用起泡剤を製造することができる。尚、粉体混合機としては、容器回転式V型、容器回転式水平円筒型、機械撹拌式リボン型、機械撹拌式スクリュー型、機械撹拌式高速流動型等を例示することができる。
【0050】
本発明の焼成食品用起泡剤は、粉末状、液状等の任意の形態をとることが可能であり、粉末を包装して散剤の形態とすること、適量を打錠して錠剤の形態とすること等を例示することができる。更に、溶解性を改善すること等を目的として、粉末を顆粒化することも可能である。
【0051】
本発明の焼成食品用起泡剤は、さらに、風味や焼成色などを調整する目的等で、乳糖等の糖類、香料、着色料等のその他の成分を適宜混合して調製することも可能である。
【0052】
本発明の焼成食品用起泡剤を用いて焼成食品を製造する場合、風味や食感を良くし、釜落ちを抑えるためには、該焼成食品用起泡剤を、乾燥質量として、それ以外の原料(小麦粉、糖類、膨剤等)100質量部に対して2〜6質量部添加することが好ましく、特に3〜5質量部添加した時に、風味や食感が最も優れた焼成食品を製造することが可能である。
【0053】
本発明における焼成食品の適応範囲は、ケーキ、シュー、ワッフル、パイ等の洋生菓子類及びビスケットやクッキー等の洋菓子類、ブレッドやピザ等のパン類などが挙げられるが、その中でも、ショートケーキ、ロールケーキ、デコレーションケーキ等に使用する食感の軽いスポンジケーキやシフォンケーキ、マドレーヌ、パウンドケーキ、フルーツケーキ等のバターケーキ、スナックケーキ等のケーキ類の製造に特に適している。
【0054】
本発明において焼成食品を製造する際の方法としては、全卵をあらかじめホイップしてから生地を調製する共立て法、卵を卵白と黄身に分け、卵白部分をホイップしメレンゲ状態にしてから生地を調製する別立て法、及び、全ての原材料(小麦粉、糖類、膨剤等)を一緒にまとめて混合し、それをホイップして生地を調製するオールインミックス法等の方法が挙げられる。
特に、本発明の焼成食品用起泡剤をオールインミックス法で使用すれば、油脂や糖類が共存する系においても良好な起泡性を発揮するため、モノグリセライド、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン等の乳化油脂である化学合成起泡剤を使用することなく、大量生産に適し且つ品質の安定した生地を簡便に製造することが可能となる。
【0055】
本発明の焼成食品用プレミックスは、上記焼成食品用起泡剤と、小麦粉、糖類(砂糖、乳糖、麦芽糖、果糖、ブドウ糖等)および膨剤(ベーキングパウダー等)などの粉末材料を含有するものである。焼成食品用プレミックスは、当該焼成食品の材料のうち、粉末状のものを予め混合してなるもので、使用時には、これに卵、牛乳、油脂などを適宜加えて混合することによって生地を調製できるので、オールインミックス法による焼成食品の製造に好適である。該焼成食品用プレミックスには、上記の材料のほかに、香料、着色料等その他の粉末材料を適宜添加することができる。
【0056】
本発明の焼成食品用プレミックスは、起泡性に優れ、軽い食感の焼成食品を得ることができるので、特にケーキ類の製造に適しており、該ケーキ類としては、例えばスポンジケーキ、シフォンケーキ及びホットケーキを挙げることができる。該ケーキ類がスポンジケーキである場合、前記焼成食品用プレミックス中の前記焼成食品用起泡剤の含有率ーキ類がシフォンケーキである場合、前記焼成食品用プレミックス中の前記焼成食品用起泡剤の含有率は、乾燥質量として、好ましくは8〜13質量%、さらに好ましくは8〜10質量%である。また、前記ケーキ類がホットケーキである場合、前記焼成食品用プレミックス中の前記焼成食品用起泡剤の含有率は、乾燥質量として、好ましくは2〜8質量%、さらに好ましくは2〜4質量%である。
【0057】
次に試験例を示して本発明を詳細に説明する。
試験例1
この試験は、本発明の焼成食品用起泡剤中の乳清蛋白質加水分解物の望ましい重量平均分子量を検討するために行った。
(1)試料群の調製
後述の実施例1のカゼイン加水分解物の製造及び乳清蛋白質加水分解物の製造において、酵素反応の時間を変えて、カゼイン加水分解物(7万ダルトン)及び乳清蛋白質加水分解物(1万、2万、3.5万、7万、及び8.5万ダルトン)を製造した。下記の表1に記載のとおり、重量平均分子量を7万ダルトンに固定したカゼイン加水分解物(粉末状)と、種々の重量平均分子量の乳清蛋白質加水分解物(粉末状)とを等量ずつ混合して、焼成食品用起泡剤(試料1〜5)を調製した。
【0058】
【表1】
Figure 0003640645
【0059】
8.8gの試料1〜5に対し、全卵180g、砂糖(大日本明治精糖社製)125g、薄力粉(東京製粉社製)100g、ベーキングパウダー(愛国産業社製)0.5g、牛乳(森永乳業社製)30gを混合した。その混合物を、卓上型ミキサーであるケンミックス(愛工舎社製)を用い、35℃で180rpmにて2分間撹拌して、ケーキ生地を調製した。その後、ケーキ生地を円形の型(直径18cm×高さ6cm)に流し込み、オーブンで180℃、25分間焼成して、試料1〜5をそれぞれ含有するスポンジケーキを調製し、それぞれ試料群1〜5とした。
【0060】
(2)試験方法
試料群1〜5について、風味、食感、ケーキのセンターの高さ(膨らみ具合)及び比重について以下に示す評価方法で試験を行った。
a)風味
20歳から40歳までの男女各10人からなるパネルにより、次の評価方法に従って、調製したケーキの風味を官能的に試験した。本発明における風味とは、蛋白質加水分解物に特有の「苦味」による影響の程度によって定義され、苦味が少ないものほど良と判定して風味を評価した。
2点:風味が非常に良好
1点:風味が良好
0点:風味が不良
の3段階に評価し、10人の評価点の平均値を算出し、平均値が
1.5点以上:◎(非常に良好)
0.5点以上1.5点未満:○(良好)
0.5点未満:△(不良)
の基準により判定した。
【0061】
b)食感
20歳から40歳までの男女各10人からなるパネルにより、次の評価方法に従って、調製したケーキの食感を官能的に試験した。本発明における食感とは、ケーキの柔らかさやふんわり感などの軽い食感を指標にした硬さの程度によって定義され、柔らかくふんわり感が強いものほど良と判定して食感を評価した。
2点:風味が非常に良好
1点:風味が良好
0点:風味が不良
の3段階に評価し、10人の評価点の平均値を算出し、平均値が
1.5点以上:◎(非常に良好)
0.5点以上1.5点未満:○(良好)
0.5点未満:△(不良)
の基準により判定した。
【0062】
c)ケーキのセンターの高さ(膨らみ具合)
調製したケーキを室温下で放置し、24時間後のセンターの高さをノギスでそれぞれ測定し、高さが5cm以上を好ましい範囲と定めた。
【0063】
d)比重
原料撹拌後のケーキ生地の比重は、オーバーランカップ(中村医科理化器械店社製)を使用して測定し、軽い食感のケーキの製造に適するために、生地比重(単位:g/ml)が0.3以上0.6以下を好ましい範囲と定めた。
【0064】
(3)試験結果
本試験の結果は表2に示すとおりである。表2は、各試料群の風味、食感、ケーキのセンターの高さ、及び比重を比較した結果である。表2から明らかなとおり、重量平均分子量が2万ダルトン以上7万ダルトン以下の乳清蛋白質加水分解物を含む焼成食品用起泡剤を使用してスポンジケーキを焼成したとき、生地の膨らみは十分であり且つ比重も好ましい範囲に収まり、同時に風味や食感も良好な結果となった。中でも、重量平均分子量が3.5万以上7万ダルトン以下のときに全ての評価が最も良好であった。
【0065】
【表2】
Figure 0003640645
【0066】
また、重量平均分子量が7万ダルトンのカゼイン加水分解物以外に、3万、5万、9万、11万ダルトンのカゼイン加水分解物を使用して同様の試験を行ったところ、いずれも同様の結果が得られた。
【0067】
従って、本発明の焼成食品用起泡剤に使用する乳清蛋白質加水分解物の好ましい重量平均分子量範囲は20,000〜70,000ダルトンであることが判明した。
【0068】
試験例2
この試験は、本発明の焼成食品用起泡剤中のカゼイン加水分解物の望ましい重量平均分子量を検討するために行った。
(1)試料の調製
後述の実施例1のカゼイン加水分解物の製造及び乳清蛋白質加水分解物の製造において、酵素反応の時間を変えて、種々の重量平均分子量のカゼイン加水分解物(2万、3万、7.5万、11万、及び12万ダルトン)及び乳清蛋白質加水分解物(3万ダルトン)を製造した。表3に記載のとおり、重量平均分子量を3万ダルトンに固定した乳清蛋白質加水分解物(粉末状)と、重量平均分子量を変化させてたカゼイン加水分解物(粉末状)とを等量ずつ混合して、焼成食品用起泡剤(試料6〜10)を調製した。
【0069】
【表3】
Figure 0003640645
【0070】
試料6〜10の焼成食品用起泡剤8.8gを使用し、これに全卵180g、砂糖(大日本明治精糖社製)125g、薄力粉(東京製粉社製)100g、ベーキングパウダー(愛国産業社製)0.5g、牛乳(森永乳業社製)30gを混合した。該混合物を卓上型ミキサーであるケンミックス(愛工舎社製)を用い、35℃で180rpmにて2分間撹拌して、ケーキ生地を調製した。その後、ケーキ生地を、試験例1で用いたのと同じ型に流し込み、オーブンで180℃、25分間焼成して、試料6〜10をそれぞれ含有するスポンジケーキを調製し、それぞれ試料群6〜10とした。
【0071】
(2)試験方法
試験例1と同様の評価方法で試験を行った。
【0072】
(3)試験結果
本試験の結果は表4に示すとおりである。表4は、各試料群の風味、食感、ケーキのセンターの高さ及び比重を比較した結果である。表4から明らかなとおり、重量平均分子量が3万ダルトン以上11万ダルトン以下のカゼイン加水分解物を含む焼成食品用起泡剤を使用してスポンジケーキを焼成したとき、生地の膨らみは十分であり且つ比重も好ましい範囲に収まり、同時に風味や食感も良好な結果となった。中でも、重量平均分子量が7.5万以上11万ダルトン以下のときに全ての評価が最も良好であった。
【0073】
【表4】
Figure 0003640645
【0074】
また、重量平均分子量が3万ダルトン以外に、2万、5万、7万の乳清蛋白質加水分解物を使用して、同様の試験を行ったところ、いずれも同様の結果が得られた。
【0075】
従って、焼成食品用起泡剤に使用するカゼイン加水分解物の好ましい重量平均分子量範囲は30,000〜110,000ダルトンであることが判明した。
【0076】
試験例3
この試験は、本発明の焼成食品用起泡剤中のカゼイン加水分解物及び乳清蛋白質加水分解物の望ましい質量比を検討するために行った。
(1)試料の調製
後述の実施例1で製造したカゼイン加水分解物(重量平均分子量100,000ダルトン)及び乳清蛋白質加水分解物(重量平均分子量30,000ダルトン)を、表5に示す質量比で混合した試料11〜21を焼成食品用起泡剤として使用した。
【0077】
【表5】
Figure 0003640645
【0078】
調製した焼成食品用起泡剤を用いて、表6の配合のとおり、オールインミックス法により、スポンジケーキを調製した(基本配合(焼成食品用起泡剤以外の材料の合計)100質量部に対し、焼成食品用起泡剤を3質量部添加)。
【0079】
【表6】
Figure 0003640645
【0080】
即ち、全卵180g、砂糖(大日本明治精糖社製)125g、薄力粉(東京製粉社製)100g、ベーキングパウダー(愛国産業社製)0.5g、牛乳(森永乳業社製)30g、及び、焼成食品用起泡剤として前記試料11乃至試料21のいずれか13gを混合して、混合物を卓上型ミキサーであるケンミックス(愛工舎社製)を用いて、35℃で180rpmにて2分間撹拌してケーキ生地を調製した。その後、ケーキ生地を、試験例1で用いたのと同じ型に流し込み、オーブンで180℃、25分間焼成して、試料11乃至試料21をそれぞれ含有するスポンジケーキを調製し、それぞれ試料群11乃至試料群21とした。
【0081】
(2)試験方法
試験例1と同様の評価方法で試験を行った。
【0082】
(3)試験結果
本試験の結果は表7に示すとおりである。表7は、各試料群の風味、食感、ケーキのセンターの高さ、及び比重を比較した結果である。表7から明らかなとおり、スポンジケーキの風味は乳清蛋白質加水分解物の量が増加するに従って改善され、焼成食品用起泡剤中に乳清蛋白質加水分解物が1割以上含まれているときに良好であり、特に4割以上のときに風味は最も良好であった。また、スポンジケーキの食感はカゼイン加水分解物の量が増加するに従って改善され、焼成食品用起泡剤中にカゼイン加水分解物が3割以上含まれているときに良好であり、特に4割以上のときに食感は最も良好であった。更に、24時間後のケーキのセンターの高さが5cm以上を保持し、比重が軽い食感の生地の指標となる好ましい範囲(0.3〜0.6)に入るためには、焼成食品用起泡剤中にカゼイン加水分解物が3割以上含まれていることが必要であった。
【0083】
【表7】
Figure 0003640645
【0084】
以上の結果から、カゼイン加水分解物及び乳清蛋白質加水分解物の質量比は、〔カゼイン加水分解物〕:〔乳清蛋白質加水分解物〕=3:7〜9:1であることが好ましく、更に、その中で最も望ましい質量比は〔カゼイン加水分解物〕:〔乳清蛋白質加水分解物〕=4:6〜6:4であることが判明した。
【0085】
試験例4
この試験は、本発明の焼成食品用起泡剤を使用して焼成食品を製造する際の添加量を検討するために行った。
(1)試料の調製
表6の基本配合を100質量部とし、これに焼成食品用起泡剤として試験例3で使用した表5に記載の試料17(〔カゼイン加水分解物〕:〔乳清蛋白質加水分解物〕=6:4)を、乾燥質量として、1、2、3、4、5、6及び7質量部添加したケーキ生地を試験例3と同様に焼成して、各々試料群22、試料群23、試料群24、試料群25、試料群26、試料群27及び試料群28としてスポンジケーキを調製した。
【0086】
(2)試験方法
試験例1と同様の評価方法で試験を行った。
【0087】
(3)試験結果
本試験の結果は表8に示すとおりである。表8は、本発明の焼成食品用起泡剤を含有するスポンジケーキの風味、食感、ケーキのセンターの高さ、及び比重を試験した結果である。表8から明らかなとおり、風味及び食感は焼成食品用起泡剤を乾燥質量として2質量部以上添加したときに良好であり、特に3〜5質量部のときに風味及び食感はいずれも最も良好であった。また、24時間後のケーキのセンターの高さが5cm以上を保持されるためには、生地100質量部に対して焼成食品用起泡剤を2質量部以上添加していることが必要であった。更に、軽い食感の生地の指標となる好ましい比重範囲(0.3〜0.6)に入るためには、生地100質量部に対して焼成食品用起泡剤が2〜6質量部添加されていることが必要であった。
【0088】
【表8】
Figure 0003640645
【0089】
以上の結果から、焼成食品を製造する際の本発明の焼成食品用起泡剤の添加量は、乾燥質量として、生地100質量部に対して2〜6質量部が好ましく、中でも3〜5質量部添加した際に最も風味が良好で軽い食感の焼成食品を製造することが可能であることが判明した。
【0090】
試験例5
本発明の焼成食品用起泡剤の添加量を変化させて、スポンジケーキ用のプレミックスを製造し、スポンジケーキを調製した。
(1)試料の調製
グラニュー糖125g、薄力粉100g、ベーキングパウダー0.5g、及び後述の実施例1で製造した焼成食品用起泡剤を混合してスポンジケーキ用プレミックス試験試料を調製する際に、スポンジケーキ用プレミックス全量に対し、表9に記載の含有率となるように焼成食品用起泡剤の添加量を変化させて試験試料を調製した。各々の試験試料に、全卵180g、及び牛乳30gを混合し、混合物を卓上型ミキサーであるケンミックス(愛工舎社製)を用いて、35℃で180rpmにて2分間撹拌して、ケーキ生地を調製した。その後、ケーキ生地を型に流し込み、オーブンで180℃、25分間焼成してスポンジケーキを調製した。
(2)試験方法
前記試験例1の「風味」、「食感」及び「比重」の評価方法と同様に試験を行った。
(3)試験結果
本試験の結果は表9に示すとおりである。表9は、各スポンジケーキ用プレミックス試験試料を使用したスポンジケーキの風味、食感、及びケーキ生地の比重を比較した結果である。
【0091】
【表9】
Figure 0003640645
【0092】
表9から明らかなとおり、焼成食品用起泡剤の含有率が3.2〜10.5質量%のときに、生地の膨らみは十分であり風味や食感は良好であった。中でも、含有率が3.2〜7.7質量%のときに評価は最も良好であった。
【0093】
試験例6
本発明の焼成食品用起泡剤の添加量を変化させて、シフォンケーキ用のプレミックスを製造し、シフォンケーキを調製した。
(1)試料の調製
グラニュー糖35g、薄力粉65g、ベーキングパウダー1g、及び後述の実施例1で製造した焼成食品用起泡剤を混合してシフォンケーキ用プレミックス試験試料を調製する際に、シフォンケーキ用プレミックス全量に対し、表10に記載の含有率となるように焼成食品用起泡剤の添加量を変化させて試験試料を調製した。各々の試験試料に、全卵40g、サラダ油30g、及び卵白195gを混合し、混合物を卓上型ミキサーであるケンミックス(愛工舎社製)を用いて、35℃で180rpmにて4分間撹拌して、ケーキ生地を調製した。その後、ケーキ生地を型に流し込み、オーブンで180℃、30分間焼成してシフォンケーキを調製した。
(2)試験方法
前記試験例1の「風味」、「食感」及び「比重」の評価方法と同様に試験を行った。
(3)試験結果
本試験の結果は表10に示すとおりである。表10は、各シフォンケーキ用プレミックス試験試料を使用したシフォンケーキの風味、食感、及びケーキ生地の比重を比較した結果である。
【0094】
【表10】
Figure 0003640645
【0095】
表10から明らかなとおり、焼成食品用起泡剤の含有率が8.0〜12.9質量%のときに、生地の膨らみは十分であり風味や食感は良好であった。中でも、含有率が8.0〜10.0質量%のときに評価は最も良好であった。
【0096】
試験例7
本発明の焼成食品用起泡剤の添加量を変化させて、ホットケーキ用のプレミックスを製造し、ホットケーキを調製した。
(1)試料の調製
グラニュー糖40g、薄力粉120g、ベーキングパウダー3g、及び後述の実施例1で製造した焼成食品用起泡剤を混合してホットケーキ用プレミックス試験試料を調製する際に、ホットケーキ用プレミックス全量に対し、表11に記載の含有率となるように焼成食品用起泡剤の添加量を変化させて試験試料を調製した。各々の試験試料に、全卵60g、牛乳100g、及びバニラフレーバー0.5gを混合し、混合物を卓上型ミキサーであるケンミックス(愛工舎社製)を用いて、35℃で180rpmにて1分間撹拌して、ケーキ生地を調製した。その後、ケーキ生地をフライパンで焼成してホットケーキを調製した。
(2)試験方法
前記試験例1の「風味」、「食感」及び「比重」の評価方法と同様に試験を行った。
(3)試験結果
本試験の結果は表11に示すとおりである。表11は、各ホットケーキ用プレミックス試験試料を使用したホットケーキの風味、食感、及びケーキ生地の比重を比較した結果である。
【0097】
【表11】
Figure 0003640645
【0098】
表11から明らかなとおり、焼成食品用起泡剤の含有率が2.0〜7.5質量%のときに、生地の膨らみは十分であり風味や食感は良好であった。中でも、含有率が2.0〜3.9質量%のときに評価は最も良好であった。
【0099】
【実施例】
次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0100】
実施例1
以下の工程により、焼成食品用起泡剤を製造した。
〈1〉カゼイン加水分解物の製造
市販のカゼイン[ニュージーランド・デイリー・ボード製;アラシド(蛋白質含量:85%)]5kgを蒸留水50kgに溶解し、十分に分散させた。その後10%水酸化ナトリウム溶液を添加してpHを6.4に調整し、カゼインを完全に溶解して、濃度約10%のカゼイン水溶液を調製した。該カゼイン水溶液を85℃で10分間加熱殺菌し、その後液温を45℃に調整した。次いで、得られた殺菌カゼイン水溶液に、蒸留水で溶解して5%の濃度に調製したクエン酸(三栄源エフ・エフ・アイ社製)溶液を1450g添加(蛋白質100g当たりクエン酸1.7g含有)し、pHを5.5に調整して、クエン酸添加殺菌カゼイン水溶液を調製した。該クエン酸添加殺菌カゼイン水溶液にペプシンNFXII(日本バイオコン社製)4770万活性単位(蛋白質1g当たり11223活性単位)を添加し、45℃にて保温して加水分解を行った。4時間加水分解した時点で10%水酸化ナトリウム溶液を添加し、pHを6.5として酵素反応を一時的に停止させた。尚、この時点での分解率は10%であった。その後、85℃で10分間加熱して酵素を失活させ、酵素反応を完全に停止した。得られたカゼイン加水分解物を含有する溶液を常法により濃縮し、噴霧乾燥して粉末状のカゼイン加水分解物約4.8kgを製造した。製造したカゼイン加水分解物は、測定した結果、重量平均分子量は約100,000ダルトンであり、蛋白質含有量は88質量%であった。
【0101】
〈2〉乳清蛋白質加水分解物の製造
市販のホエイ蛋白質濃縮物[ミライ社製。ミラクテール(蛋白質含量:75%)]2kgを蒸留水18kgに溶解し、濃度約10%の乳清蛋白質水溶液を調製した。該乳清蛋白質水溶液を75℃で15秒間加熱殺菌し、その後液温を50℃に調整した。得られた殺菌乳清蛋白質水溶液に、ブロメライン(天野エンザイム社製)1500万活性単位(蛋白質1g当たり10000活性単位)を添加し、45℃に保温して加水分解を行った。10時間加水分解した時点での非蛋白態窒素化合物量の割合は25%であった。その後、85℃で10分間加熱して酵素を失活させて酵素反応を完全に停止させた。得られた乳清蛋白質加水分解物を含有する溶液を常法により濃縮し、噴霧乾燥して粉末状の乳清蛋白質加水分解物約1.9kgを製造した。製造した乳清蛋白質加水分解物は、測定した結果、重量平均分子量は約30,000ダルトンであり、蛋白質含有量は75質量%であった。
【0102】
〈3〉焼成食品用起泡剤の製造
前記で製造したカゼイン加水分解物2kg及び乳清蛋白質加水分解物1kgをV型粉体混合機で混合して焼成食品用起泡剤を約3kgを製造した。
【0103】
実施例2
実施例1で製造した焼成食品用起泡剤3kg 及び乳糖150gをV型粉粒体混合機で混合して焼成食品用起泡剤を製造した。製造した焼成食品用起泡剤を使用してスポンジケーキを製造したところ、風味及び起泡性に優れ、更に良好な焼き色のスポンジケーキに仕上がった。
【0104】
実施例3
実施例1で製造した焼成食品用起泡剤を使用して、苺のショートケーキを製造した。
Figure 0003640645
【0105】
〔工程〕
〈1〉ジェノワーズの製造
オールインミックス法で製造した。すなわち、全卵をミキサーボール(愛工舎社製)に入れて泡立て器でときほぐし、半分量のグラニュー糖を入れて良く混ぜ、35℃まで温めた。これに牛乳を加えてさらに泡立てた。事前に篩にかけた薄力粉、ベーキングパウダー及び焼成食品用起泡剤を混ぜ、これに残りのグラニュー糖とバニラシュガーを混ぜたものを、前記の泡立てた生地に添加し、ミキサーで低速で混ぜ合わせた。その後、生地比重が目標値0.43となるように高速でホイップした。次いで、丸型わくにベーキングシートを敷き、生地を流し込んで、オーブンで180℃、25分間焼成した。焼き上がったジェノワーズが冷めたら、三枚にスライスし、それぞれにあらかじめグラニュー糖と水を等量混合し、加熱溶解したシロップ溶液をしみ込ませた。
【0106】
〈2〉クレーム・シャンティの製造
ボールにフレッシュ・ヘビイ及びグラニュー糖を合わせ入れ、ボールの底を氷水にあてて冷やしながらゆっくりと泡立て器を動かして静かに泡立ててクレーム・シャンティを製造した。
【0107】
〈3〉仕上げ
ジェノワーズにクレーム・シャンティを塗り、スライスした苺をのせ、さらにクレーム・シャンティをのせてならし、ジェノワーズを重ねて同様に繰り返したあと、クレーム・シャンティを表面に薄く塗り、更に泡立てたクレーム・シャンティを表面に絞りだした。苺を飾り付け、ナパージュとパウダーシュガーで仕上げて、苺のショートケーキ3個を製造した。
【0108】
製造した苺のショートケーキは、本発明の焼成食品用起泡剤を使用したことで、従来、オールインミックス法での製造において必要であった乳化油脂等の化学合成起泡剤を使用する必要がなくなり、殆ど釜落ちせず、十分な起泡性を保ち、良好な風味を兼ね備えていた。
【0109】
実施例4
実施例1で製造した焼成食品用起泡剤1.2kg、グラニュー糖12.5kg、薄力粉10kg、及びベーキングパウダー50gを混合して、スポンジケーキ用プレミックス約23kgを製造した。
【0110】
実施例5
実施例1で製造した焼成食品用起泡剤900g、グラニュー糖3.5kg、薄力粉6.5kg、及びベーキングパウダー100gを混合して、シフォンケーキ用プレミックス約11kgを製造した。
【0111】
実施例6
実施例1で製造した焼成食品用起泡剤330g、グラニュー糖4kg、薄力粉12kg、及びベーキングパウダー300gを混合して、ホットケーキ用プレミックス約16kgを製造した。
【0112】
【発明の効果】
以上記載したとおり、本発明はカゼイン加水分解物及び乳清蛋白質加水分解物の混合物からなる焼成食品用起泡剤、それを用いた焼成食品及びその製造方法、並びに焼成食品用プレミックスに関するものであり、本発明により奏される効果は次のとおりである。
(1)製造が簡便である。
(2)従来の化学合成乳化剤を含む起泡剤の代用品として使用することができ、天然物志向の要求を満たすことができる。
(3)乳製品由来であることから、ケーキ類の配合に制限を与えることなく利用することが可能である。
(4)粉末状にすることができ、したがって、他の粉末材料との混合が容易となり、作業性を向上させることができる。
(5)風味及び食感が良好で、少量の使用且つ砂糖の共存する系において起泡性に優れ、広範囲の焼成食品を製造することが可能である。
(6)生地の比重が低く、軽い食感の焼成食品を製造することができる。
(7)従来の乳化剤を配合した起泡乳化剤、乳化油脂組成物を使用することなく、オールインミックス法でケーキ類を製造することが可能である。
(8)本発明のプレミックスは、起泡性に優れた焼成食品用起泡剤を含有するので、内相のキメが良く、食感及び風味が良好な焼成食品を簡便に製造することができる。

Claims (15)

  1. 重量平均分子量30,000〜110,000ダルトンのカゼイン加水分解物及び重量平均分子量20,000〜70,000ダルトンの乳清蛋白質加水分解物の混合物を含有する焼成食品用起泡剤。
  2. 前記カゼイン加水分解物と前記乳清蛋白質加水分解物の質量比が3:7〜9:1である請求項1に記載の焼成食品用起泡剤。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の焼成食品用起泡剤を含有する生地を焼成して得られる焼成食品。
  4. 前記生地が、前記焼成食品用起泡剤2〜6質量部と、その他の原料100質量部とを配合して得られたものである請求項3に記載の焼成食品。
  5. 前記焼成食品がケーキ類である請求項3又は請求項4に記載の焼成食品。
  6. 焼成食品用起泡剤を含有する生地を調製する工程と、該生地を焼成する工程とを有する焼成食品の製造方法であって、前記焼成食品用起泡剤が、重量平均分子量30,000〜110,000ダルトンのカゼイン加水分解物及び重量平均分子量20,000〜70,000ダルトンの乳清蛋白質加水分解物の混合物を含有することを特徴とする焼成食品の製造方法。
  7. 前記焼成食品用起泡剤における前記カゼイン加水分解物と前記乳清蛋白質加水分解物との質量比が3:7〜9:1である請求項6に記載の焼成食品の製造方法。
  8. 前記焼成食品用起泡剤2〜6質量部と、その他の原料100質量部とを配合して前記生地を調製することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の焼成食品の製造方法。
  9. 前記生地をオールインミックス法によって調製することを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれかに記載の焼成食品の製造方法。
  10. 前記焼成食品がケーキ類である請求項6乃至請求項9のいずれかに記載の焼成食品の製造方法。
  11. 請求項1又は請求項2に記載の焼成食品用起泡剤、小麦粉、糖類及び膨剤を含有する焼成食品用プレミックス。
  12. 前記焼成食品がケーキ類である請求項11に記載の焼成食品用プレミックス。
  13. 前記ケーキ類がスポンジケーキであり、前記焼成食品用プレミックス中の前記焼成食品用起泡剤の含有率が3〜11質量%である請求項12に記載の焼成食品用プレミックス。
  14. 前記ケーキ類がシフォンケーキであり、前記焼成食品用プレミックス中の前記焼成食品用起泡剤の含有率が8〜13質量%である請求項12に記載の焼成食品用プレミックス。
  15. 前記ケーキ類がホットケーキであり、前記焼成食品用プレミックス中の前記焼成食品用起泡剤の含有率が2〜8質量%である請求項12に記載の焼成食品用プレミックス。
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