JP2005333968A - 油中水型乳化油脂組成物 - Google Patents

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Akiko Matsumura
晶子 松村
Hiroyuki Iioka
宏之 飯岡
Hiroaki Onishi
博昭 大西
Akihiko Yoshida
明彦 吉田
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Abstract

【課題】 調味料や香料などの素材に依存することなくベーカリー製品の風味を向上させるとともに乳化剤などを用いることなくベーカリー製品の食感を改良する油中水型乳化油脂組成物を提供すること。
【解決手段】 乳製品類および卵類のうちいずれか1種もしくは両方を基質とし、微生物による発酵とプロテアーゼによる酵素処理を同時に行ったものを油脂に対して乳化させた油中水型乳化油脂組成物をベーカリー製品に対して用いることにより風味を向上させると同時に食感の改良効果を生み出すことが可能となる。
【選択図】なし

Description

本発明は、乳化剤、香料、調味料が無添加でありながらベーカリー製品の風味を向上させ、且つベーカリー製品の食感を改良することのできるベーカリー製品用油中水型乳化油脂組成物に関するものである。
ベーカリー製品のおいしさを形成する要因として香りや呈味などの風味、もちもち感やさっくりとした食感、焼き色などの外観といった要素が考えられる。風味に関する要因としては、小麦粉、乳製品、食塩、卵、糖類、油脂など原材料に由来するもの、焼成や発酵など加工由来のものがあげられ、これら諸条件にこだわりを持つことにより、より良いベーカリー製品ができあがる。しかしながら、近年、ベーカリー製品においても作業の効率化、原料価格の低減といったことが求められ、必ずしも全てのベーカリー製品が優れた風味のものとは限らない。このような場合、風味を向上させるための素材として調味料や香料などの素材が一般的に用いられる。
また、ベーカリー製品の食感に関する近年の傾向として、口当たりの軽いもの、つまり、ソフトさ、口どけの良さなどが強調されたものが増えており、このような食感を出すために乳化剤などの添加物を用いることとなる。乳化剤は、ベーカリー製品の食感改良のために用いられるだけでなく、ベーカリー製品の作業性を向上させたり、ベーカリー製品に用いる原料の乳化に使用されるなど、その使用領域はかなり広範なものとなっている。
ところが、近年消費者における健康志向の高まりから、調味料、香料、乳化剤などの添加物は敬遠される傾向にあり、これを解決する手段として様々な天然物の品質向上素材やベーカリー製品の製法などが提案されている。例えば、禾本科植物から調整した原料に担子菌を培養した食品風味増強剤(特開平2−283260)、α化とした米を粉砕し微粉状にしたものをベーカリー製品に添加する方法(特許3033828号)等が挙げられる。ただし、このような天然素材を用いた品質向上材の場合、物性のみもしくは風味のみなどどちらか一方への効果を持つものが多く、さらに化学合成品程の効果は得られない。また、食感と風味の向上を両立させた素材は皆無である。
本発明はこのような状況を鑑みて開発されたもので、調味料や香料などの素材に依存することなくベーカリー製品の風味を向上させるとともに乳化剤などを用いることなくベーカリー製品の食感を改良する素材を提供するためのものである。
乳製品類および卵類のうちいずれか1種もしくは両方を基質とし、微生物による発酵とプロテアーゼによる酵素処理を同時に行ったものを油脂に対して乳化させた油中水型乳化油脂組成物をベーカリー製品に用いることにより風味を創出すると同時に食感の改良効果を生みだし、本発明を完成させた。
本発明によれば、乳製品類および卵類を基質とし、微生物による発酵とプロテアーゼによる酵素処理を行ったものに対して油脂を乳化させた油中水型乳化油脂組成物をベーカリー製品に添加することで、ベーカリー製品の風味を向上させると同時に食感を改良することが可能となる。
本発明における乳製品類は、乳より加工して得られる物質のうちタンパク質を含む物でであれば、牛乳、加工乳、生クリーム、脱脂乳、脱脂粉乳、全粉乳、カゼイン、ホエイパウダー、チーズ、ヨーグルトなどいずれの形態でも良く、また、これら物質に限定されるものではない。
本発明における卵類は、卵より加工して得られる物質のうちタンパク質を含む物であれば良く、割卵、凍結卵、乾燥卵もしくは糖類や塩類が添加されたものなどその状態に限定されるものではない。
本発明における酵素は、プロテアーゼであれば良く、植物由来、動物由来、微生物由来などその起源に限定されるものではない。ただし、プロテアーゼの種類もしくは温度、pH、時間などの反応条件によっては苦味を生じることもあり、その苦味が最終製品において影響を及ぼさないように工程を管理する必要がある。また、乳酸発酵と同時に酵素処理を行う場合、プロテアーゼの種類についてはpH4〜6の酸性領域で活性を持つものが望ましい。
本発明における菌種は、ヨーグルトやチーズなどのスターターに用いられる乳酸菌やケフィアに代表される乳酸菌や酵母などの複数の微生物を含む複合スターターなどいずれの形態でも良く、その菌種に限定されるものではない。ただし、風味の面などから乳酸発酵を行う微生物を含んでいることが望ましい。
本発明における油脂は、ナタネ油、大豆油、米油、サフラワー油、オリーブ油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、サル脂などの植物油脂、牛脂、豚脂、魚油、乳脂などの動物油脂もしくはこれらに対し水素添加、分別、エステル交換などの操作を行ったもののうち1種または複数を用いることが可能であるが、その種類に限定されるものではない。
本発明の油中水型乳化油脂組成物は、上記の油脂に対して乳製品類もしくは卵類を基質とし乳酸菌などの菌を用いて発酵させ、プロテアーゼ処理を行った素材を乳化させることで得られる。本発明品における油分は30〜98%、発酵素材は2〜70%であることが望ましい。発酵素材が2%未満の場合、本発明品のベーカリー製品における効果が少なく油分が30%未満の場合は油中水型の乳化形態を取ることが困難となる。
発酵および酵素処理のみを行った風味素材のみでもベーカリー製品に対して効果を出すことは可能であるが、風味素材単体では保管中に風味成分の一部が失われることから実用面で問題が残る。油中水型の内層に風味成分を封じ込め保管中の風味の劣化を防ぐことではじめて発酵素材がベーカリー製品に対して十分に効果を発揮することとなる。また、さらに本発明品の品質を向上させる目的で糖類、塩類、でんぷんなど上記以外の素材を本発明品中に加えることも可能である。
本発明におけるベーカリー製品は、食パン、菓子パン、テーブルロール、バンズ、ベーグル、デニッシュ、ペストリー、スポンジケーキ、パウンドケーキ、パイ、タルト、ビスケット、クラッカー、プレッツェル、ボーロ、どら焼き、月餅、饅頭のようなパン・菓子類など小麦粉を主原料とするものを指すが、本発明はこれらベーカリー製品の種類に限定されるものではない。また、以下に実施例を示すが本発明はこの実施例に限定されるものではない。
風味素材の調製
以下の配合比率は全て重量%で示す。
脱脂粉乳15%、乾燥全卵5%、水66.9%を混合した後、65℃30分間殺菌。この基質に市販ヨーグルト3%、スミチームFP(新日本化学工業(株))0.1%を添加、30℃で20時間反応を行った後、80℃20分間加熱することにより殺菌と酵素の失活を行い、風味素材とした。また、比較品には同じ基質で発酵及び酵素反応をさせずに同様の加熱処理を行ったものを用いた(基質未反応品)。
実施例1及び比較例1
後記(表1)のベース油脂70%に対し上記風味素材30%を添加、65℃で乳化を行った後、90℃で殺菌、急冷練り合わせを行い実施例1とした。同様に後記(表1)のベース油脂70%に対し基質未反応品30%を添加しその後同様の処理をしたものを比較例1とした。
Figure 2005333968
実施例2及び比較例2
パンに対する本発明品の効果を調べるために、表2の条件で食パンを作成した。この食パンに対して分析(官能評価、パンの硬さの測定)を行った。
Figure 2005333968
官能評価の方法
比較例2と実施例2のパンについて、パネラー18人で評価を行い、風味の総合評価およびパンの柔らかさを5点満点で評価した。風味は(とても良い5点、良い4点、普通3点、悪い2点、とても悪い1点)のように、パンの柔らかさは(とても柔らかい5点、柔らかい4点、普通3点、硬い2点、とても硬い1点)のように表した。評価は、パン焼成から1日後に行った。結果を表3に示す。
Figure 2005333968
パンの硬さの測定
パンの硬さの測定を以下のような手順で行った。食パンを2cmの厚さにスライスしたものに対して直径15mmの円柱にて50%圧縮を行い、その応力を測定することでパンの硬さを評価した。分析はパンの焼成から1日後、2日後、4日後に行った。また、分析機器にはテクスチャーアナライザーTA−XT2i(Stable Micro Systems社製)を用いた。結果を表4に示す。表4の数値は応力の大きさを示し、数値が大きいほどパンが硬いことを示す。
Figure 2005333968
表3の結果から本発明品の添加によりパンの風味が向上し、表3,4の結果から本発明品の添加によりパンが柔らかくなっていることが確認された。
実施例3及び比較例3
クッキーに対する本発明品の効果を調べるために、表5の条件でクッキーを作成した。このクッキーに対して官能評価を行った。
Figure 2005333968
官能評価は、パネラー21人で行い、風味と食感の軽さの評価を比較例3と実施例3のクッキーについて5点満点で評価した。風味は(良い5点、やや良い4点、普通3点、やや悪い2点、悪い1点)のように、食感の軽さは(軽い5点、やや軽い4点、普通3点、やや重い2点、重い1点)のように表した。結果を表6に示す。
Figure 2005333968
表6の結果から、本発明品をクッキーに添加することで官能的に評価の高いクッキーが得られることが確認された。
以上の結果から、本発明品には調味料や香料などの素材に依存することなくベーカリー製品の風味を向上させるとともに乳化剤などを用いることなくベーカリー製品の食感を改良する効果があることが確認された。

Claims (2)

  1. 乳製品類および卵類のうちいずれか1種もしくは両方を基質とし、菌による発酵と酵素処理を同時に行った風味素材を含有することを特徴とする油中水型乳化油脂組成物。
  2. 請求項1に記載の油中水型乳化油脂組成物を用いることを特徴とするベーカリー製品の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010220565A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Q P Corp ケーキ
JP2010259381A (ja) * 2009-05-08 2010-11-18 Q P Corp パン生地又はパン
JP2012130316A (ja) * 2010-12-24 2012-07-12 Tsukishima Foods Industry Co Ltd 卵黄風味油
JP2012223133A (ja) * 2011-04-20 2012-11-15 Tsukishima Foods Industry Co Ltd ルー用油脂組成物、ルー、ルー利用食品
JP2014079209A (ja) * 2012-10-17 2014-05-08 Tsukishima Foods Industry Co Ltd 菓子類用品質改良材

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