JP3636824B2 - 体脂肪測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、体脂肪の状態(体脂肪率、脂肪重量、除脂肪体重等)を電気的に測定するための体脂肪測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
肥満であるかないかは、見た目や体重ではなく、実は、体重に占める脂肪の割合、すなわち体脂肪率で決まる、といわれている。だから、健康づくりを考える上で、ウェイトコントロールよりもファットコントロール(肥満の解消・予防)が重視される今日、正しい体脂肪の測定は大きな意味を持つ。
ところで、体の総電導量は、体水分量の総電導量と略等しく、その大部分が筋組織に含まれていると考えられること、及び脂肪組織の水分含有量は、最小であると仮定できることから、生体電気インピーダンス(Bioelectric Impedance)は、体脂肪等の身体組成を充分反映していると考えらている。例えば、除脂肪体重(FFM)は、身長の二乗を生体電気インピーダンスで割った量に比例することが、ルカスキー等によって報告されている(H.C.Lukaski et al, The American Journal of Clinical Nutrition, 41(1985)810-817)。
【0003】
生体電気インピーダンスの上述した特性を活かして、従来から、例えば、特開平5−337097号公報等に記載されているように、4個の表面電極を人体の皮膚表面の所定の部位、すなわち、人体の手甲部と、同側の足甲部とにそれぞれ2個ずつ貼り付け、このうち、手甲部と足甲部との間の2個の電極間に正弦波交流電流を流し、残りの2個の電極から人体の手足間の電圧を検出して、生体電気インピーダンスを測定し、測定された生体電気インピーダンスに基づいて、予めプログラムされた所定の体脂肪推定式を駆使して、体脂肪率等の体脂肪の状態を推計する体脂肪測定装置が開発されている。
【0004】
ここで、人体の組織を構成する細胞について言及すると、図4に示すように、細胞1,1,…は、細胞膜2,2,…によって取り囲まれているが、細胞膜2,2,…は、電気的には容量(リアクタンス)の大きなコンデンサと見ることができる。このため、外部から印加された電流は、周波数の低いときには、同図に実線A,A,…で示すように、細胞外液3のみを流れる。しかし、周波数が高くなるにつれて、細胞膜2,2,…を通って流れる電流が増え、周波数が非常に高くなると、同図に破線B,B,…で示すように、細胞1,1,…内を通って流れるようになる。したがって、組織内細胞は、図5(a)に示すような電気的等価回路で表されることになる。なお、同図(a)において、Reは細胞外液抵抗、Riは細胞内液抵抗、Cmは細胞膜容量を示す。このような電気的等価回路のインピーダンス軌跡は、図6に破線Cで示すように、半円となる。
【0005】
しかしながら、実際の人体の組織では、いろいろな大きさの細胞が不規則に配置されているので、実際の人体のインピーダンス軌跡は、同図に実線Dで示すように、中心が実軸より上がった円弧となり、電気的等価回路は、図5(b)に示すように、時定数τ=Cmk・Rikが分布している分布定数回路で表される。なお、同図(b)において、Reは細胞外液抵抗、Rikは各細胞の細胞内液抵抗、Cmkは各細胞の細胞膜容量を示す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の体脂肪測定装置にあっては、いずれも、手足間に流すべき正弦波交流電流の周波数は骨格筋組織の特性周波数である略50kHzに固定され、主として一般の健常者を対象とした構成となっていた。
しかしながら、例えば、筋肉が引き締まったスポーツ選手等は、一般の健常者と比較して、細胞内液量に対する細胞外液量の割合が小さいので、上記従来の体脂肪測定装置で測定すると、細胞内液抵抗Riに対する細胞外液抵抗Reの比(Re/Ri)が小さく測定され、この結果、痩せていても体脂肪率が実際よりも高く算出されてしまうという問題があった。
【0007】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、一般の健常者であると、スポーツ選手等であるとを問わず、正確に体脂肪を測定できる体脂肪測定装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明に係る体脂肪測定装置は、マルチ周波数のプローブ電流を生成し、生成した各周波数のプローブ電流を被験者の体に投入して該被験者の体の電気インピーダンスを各周波数毎に測定する生体電気インピーダンス測定手段と、該生体電気インピーダンス測定手段によって各周波数毎に測定された上記被験者の体の周波数0時及び無限大時の上記電気インピーダンスに基づいて、上記被験者の体の細胞外液抵抗と細胞内液抵抗との比を算出する抵抗比算出手段と、上記生体電気インピーダンス測定手段によって測定された上記被験者の体の特定周波数時の上記電気インピーダンスと、上記抵抗比算出手段によって算出された上記被験者の体の細胞外液抵抗と細胞内液抵抗との比とに基づいて、上記被験者の体脂肪の状態を推計する体脂肪推計手段とを備えてなることを特徴としている。
【0009】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の体脂肪測定装置であって、上記生体電気インピーダンス測定手段は、上記被験者の体に投入される上記プローブ電流の各周波数毎に、該被験者の体の生体電気インピーダンス又は生体電気アドミッタンスを測定し、測定された各周波数毎の上記生体電気インピーダンス又は生体電気アドミッタンスに基づいて、最小二乗法の演算手法を駆使して、インピーダンス軌跡又はアドミッタンス軌跡を求め、求められた該インピーダンス軌跡又はアドミッタンス軌跡から、上記被験者の体の周波数0時及び周波数無限大時の生体電気インピーダンス又は生体電気アドミッタンスを算出すると共に、上記抵抗比算出手段は、上記生体電気インピーダンス測定手段によって算出された上記被験者の体の周波数0時及び周波数無限大時の生体電気インピーダンス又は生体電気アドミッタンスに基づいて、上記被験者の体の細胞外液抵抗と細胞内液抵抗との比を算出することを特徴としている。
【0010】
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の体脂肪測定装置であって、上記特定周波数時の電気インピーダンスは、略50kHz時の電気インピーダンスであることを特徴としている。
【0011】
さらにまた、請求項4記載の発明は、請求項1,2又は3記載の体脂肪測定装置であって、上記被験者の身長、体重、性別及び年齢のうち少なくとも一つを人体特徴データとして入力するための人体特徴データ入力手段が付加されてなると共に、上記体脂肪推計手段は、上記生体電気インピーダンス測定手段によって測定された上記被験者の体の特定周波数時の上記電気インピーダンスと、上記抵抗比算出手段によって算出された上記被験者の体の細胞外液抵抗と細胞内液抵抗との比と、上記人体特徴データ入力手段によって入力された上記人体特徴データとに基づいて、上記被験者の体脂肪の状態を推計することを特徴としている。
【0012】
【作用】
この発明の構成において、生体電気インピーダンス測定手段は、特定周波数時、周波数0時、及び無限大時の生体電気インピーダンスをそれぞれ求める。抵抗比算出手段は、周波数0時及び無限大時の生体電気インピーダンスに基づいて、被験者の生体組織の細胞内液抵抗と細胞外液抵抗との比を求める。
体脂肪推計手段は、求められた細胞内液抵抗と細胞外液抵抗との比と、特定周波数時の生体電気インピーダンスとに基づいて、被験者の体脂肪率等の体脂肪の状態を推計する。
推計においては、筋肉が引き締まったスポーツ選手等は、一般の健常者と比較して細胞内液量に対する細胞外液量の割合が小さいので、体脂肪率が実際よりも高く算出されてしまう。故に、この発明では、細胞内液抵抗に対する細胞外液抵抗の比を推計に組み込み、細胞内液量に対する細胞外液量の割合が小さいスポーツ選手等に対しては、得られる体脂肪率を低くするようにして推計を行う。それ故、この発明の構成によれば、細胞内液量と細胞外液量との相対関係が考慮されて、一段と実情に即した推計がなされるので、例えば、一般の健常者であっても、細胞外液量の比較的少ないスポーツ選手等であっても、正確な推計値を得ることができる。
ここで、周波数無限大時の生体電気インピーダンスを計算で求める代わりに、例えば、400kHzの生体電気インピーダンスを周波数無限大の電気インピーダンスとみなして取り扱うことも考えられるが、高周波では、浮遊容量や外来ノイズの影響を受けるため、所望の測定再現性や測定精度が得られないという問題がある。しかし、この発明の構成では、最小二乗法の演算手法を駆使して、周波数無限大時の生体電気インピーダンスを求めるので、一段と再現性が良くかつ正確な体脂肪に関する推計値を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。説明は、実施例を用いて具体的に行う。
図1は、この発明の一実施例である体脂肪測定装置の電気的構成を示すブロック図、また、図2は、同装置の使用状態を模式的に示す模式図である。
この例の体脂肪測定装置4は、図1及び図2に示すように、被験者の体Eに測定信号としてマルチ周波数電流Iaを流すための信号出力回路5と、被験者の体Eを流れるマルチ周波数電流Iaを検出するための電流検出回路6と、被験者の手足間の電圧Vbを検出するための電圧検出回路7と、入力装置としてのキーボード8と、出力装置としての表示器9と、各種制御・各種演算処理を行うCPU(中央処理装置)10と、CPU10の処理プログラムを記憶するROM11と、各種データを一時記憶するデータ領域及びCPU10の作業領域が設定されるRAM12と、測定時に被験者の手甲部Hや足甲部Lの皮膚表面に貼り付けられる4個の表面電極Hp,Hc,Lp,Lcとから概略構成されている。
【0014】
上記信号出力回路5は、PIO(パラレル・インタフェース)51、測定信号発生器52及び出力バッファ53から構成されている。測定信号発生器52は、全測定時間の間、例えば800nsecの周期で、PIO51を介して行われるCPU10の指示に従って、周波数が、例えば1kHz〜400kHzの範囲で、かつ、15kHzの周波数間隔で段階変化するマルチ周波数電流(測定信号)Iaを繰り返し生成し、生成したマルチ周波数電流Iaを出力バッファ53を介して表面電極Hcに送出する。この表面電極Hcは、測定時、被験者の手甲部Hに貼り付けられ、これにより、500〜800μAの範囲にあるマルチ周波数電流(測定信号)Iaが被験者の体Eを流れることになる。
【0015】
上記電流検出回路6は、I/V変換器(電流/電圧変換器)61、BPF(バンドパスフィルタ)62、A/D変換器63及びサンプリングメモリ64から構成されている。I/V変換器61は、被験者の体E、すなわち被験者の手甲部H(図2)に貼り付けられた表面電極Hcと足甲部Lに貼り付けられた表面電極Lcとの間を流れるマルチ周波数電流Iaを検出して電圧Vaに変換し、変換により得られた電圧VaをBPF62に供給する。BPF62は、入力された電圧Vaのうち、略1kHz〜800kHzの帯域の電圧信号のみを通して、A/D変換器63に供給する。A/D変換器63は、CPU10の指示に従って、アナログの入力電圧Vaを所定のサンプリング周期毎に標本化してデジタル信号に変換する。サンプリングメモリ64は、SRAMからなり、A/D変換器63から出力されるデジタル化された電圧Vaを電流データとしてサンプリング周期毎、測定信号Iaの周波数毎に高速に格納した後、CPU10からの求めに応じてCPU10に送出する。
【0016】
電圧検出回路7は、差動増幅器71、BPF(バンドパスフィルタ)72、A/D変換器73及びサンプリングメモリ74から構成されている。差動増幅器71は、被験者の体E、すなわち被験者の手甲部Hに貼り付けられた表面電極Hpと足甲部Lに貼り付けられた表面電極Lpとの間の電圧を検出する。BPF72は、入力された電圧Vbのうち、略1kHz〜800kHzの帯域の電圧信号のみを通して、A/D変換器73に供給する。A/D変換器73は、CPU10の指示に従って、アナログの入力電圧Vbを所定のサンプリング周期毎に標本化してデジタル信号に変換する。サンプリングメモリ74は、SRAMからなり、A/D変換器73から出力されるデジタル化された電圧Vbを電圧データとしてサンプリング周期毎、測定信号Iaの周波数毎に高速に格納した後、CPU10からの求めに応じてCPU10に送出する。
なお、電流検出回路6のサンプルホールド回路63と電圧検出回路7のサンプルホールド回路73との検出動作のタイミングは、CPU10の制御によって揃えられている。同様に、電流検出回路6のA/D変換器64と電圧検出回路7のA/D変換器74との検出動作のタイミングは、CPU10の制御によって揃えられている。
【0017】
上記キーボード8は、被験者の身長、体重、性別及び年齢等の人体特徴項目、全測定時間及び測定回数等を入力するためのテンキーや機能キー、及び操作者が測定開始を指示するための開始スイッチ等を有して構成されている。キーボード8から供給される各キーの操作データは、図示せぬキーコード発生回路でキーコードに変換されてCPU10に供給される。
【0018】
ROM11は、オペレーティングシステム(OS)の他に、CPU10の各種処理プログラム、例えば、生体電気インピーダンス算出プログラム、インピーダンス軌跡算出プログラム、周波数0時インピーダンス決定プログラム、周波数無限大時インピーダンス決定プログラム、細胞外液/内液抵抗比算出プログラム及び体脂肪推計プログラム等を格納する。
ここで、生体電気インピーダンス算出プログラムには、サンプリングメモリ64,74に記憶された周波数毎の電流データ及び電圧データを順次読み出して、各周波数についての被験者の生体電気インピーダンスを算出する手順が記載されている。インピーダンス軌跡算出プログラムには、生体電気インピーダンス算出プログラムの稼働により得られた各周波数についての被験者の生体電気インピーダンスに基づいて、最小二乗法の演算手法に従って、周波数0から周波数無限大までのインピーダンス軌跡を算出する処理手順が書き込まれている。
周波数0時インピーダンス決定プログラム、周波数無限大時インピーダンス決定プログラムには、それぞれ、インピーダンス軌跡算出プログラムの稼働により得られたインピーダンス軌跡に基づいて、それぞれ、0、無限大の時の被験者の生体電気インピーダンスを決定する手法が手順を追って書き込まれている。
細胞外液/内液抵抗比算出プログラムは、周波数0時インピーダンス決定プログラム及び周波数無限大時インピーダンス決定プログラムの稼働により得られた両インピーダンスに基づいて、細胞外液抵抗及び細胞内液抵抗を求め、さらに、細胞内液抵抗に対する細胞外液抵抗の比を算出する。
また、体脂肪推計プログラムは、生体電気インピーダンス算出プログラムの稼働により得られた周波数が略50kHzの時の被験者の生体電気インピーダンスと、細胞外液/内液抵抗比算出プログラムの稼働により得られた細胞内液抵抗に対する細胞外液抵抗の比と、キーボード8を介して入力された被験者の身長、体重、性別及び年齢等の人体特徴項目とに基づいて、被験者の体脂肪の状態(体脂肪率、脂肪重量、除脂肪体重等)を推計する。
【0019】
RAM12のデータ領域には、さらに、生体電気インピーダンス算出プログラム等により得られた被験者の生体電気インピーダンスを周波数毎に格納する生体電気インピーダンス記憶領域と、細胞外液/内液抵抗比算出プログラムにより得られた細胞内液抵抗に対する細胞外液抵抗の比を格納する抵抗比記憶領域と、キーボード8を介して入力された被験者の身長、体重、性別及び年齢等の人体特徴項目を格納する人体特徴項目記憶領域と、体脂肪推計プログラムにより得られた体脂肪率、脂肪重量、除脂肪体重等の数値を格納する体脂肪記憶領域等が設定される。
【0020】
CPU10は、装置各部を制御する他、ROM11に記憶された各種処理プログラムをRAM12を用いて順次実行することにより、被験者の体脂肪(体脂肪率、脂肪重量、除脂肪体重等)を推計する。
表示器9は、例えば、液晶表示パネルからなり、キーボード8からの入力データやCPU10の演算結果、例えばインピーダンス軌跡や、周波数50kHz時のインピーダンスや、細胞内液抵抗に対する細胞外液抵抗の比や、被験者の氏名や、身長、体重、性別及び年齢等の人体特徴項目を表示する。
【0021】
次に、この例の動作について説明する。
まず、測定に先だって、図2に示すように、2個の表面電極Hc,Hpを被験者の手甲部Hに、2個の表面電極Lp,Lcを被験者の同じ側の足甲部Lに貼り付ける(このとき、表面電極Hc,Lcを、表面電極Hp,Lpよりも人体の中心から遠い部位に取り付ける)。次に、操作者(又は被験者自身)が体脂肪測定装置4のキーボード8を操作して、被験者の身長、体重、性別及び年齢等の人体特徴項目を入力すると共に、全測定時間や測定回数等を設定する。全測定期間は、測定精度を高めるため、少なくとも2秒以上(呼吸の周期以上)となるように設定する。また、測定回数は例えば100回に設定する。
【0022】
次に、操作者(又は被験者自身)がキーボード8の開始スイッチをオンにすると、CPU10は、信号出力回路5の測定信号発生器52に、マルチ周波数電流(測定信号)Iaの生成を指示する。これにより、測定信号発生器52が、マルチ周波数電流(測定信号)Iaを生成するので、マルチ周波数電流(測定信号)Iaが出力バッファ53及び被験者の手甲部Hに貼り付けられた表面電極Hcを介して、被験者の体Eを流れ、測定が開始される。
【0023】
マルチ周波数電流(測定信号)Iaが被験者の体Eに供給されると、電流検出回路6のI/V変換器61において、表面電極Hc,Lcが貼り付けられた手足間を流れるマルチ周波数電流Iaが検出され、アナログの電圧Vaに変換された後、BPF62を経て、A/D変換器63へ供給される。A/D変換器63では、供給された入力電圧Vaが、CPU10の指示に従って、所定のサンプリング周期毎に標本化され、デジタルの電圧に変換される。そして、変換されたデジタルの電圧値はサンプリングメモリ64に格納される。
一方、電圧検出回路7の差動増幅器71において、表面電極Hp,Lpが貼り付けられた手足間で生じた電圧Vbが検出され、BPF72を経て、A/D変換器73へ供給される。A/D変換器73では、供給された入力電圧Vbが、CPU10の指示に従って、所定のサンプリング周期毎に標本化され、デジタルの電圧に変換される。変換されたデジタルの電圧値はサンプリングメモリ74に格納される。CPU10は、装置各部を制御して、上述の処理を指定された測定回数(今の場合、100回)繰り返す。
【0024】
そして、測定回数が100回になると、CPU10は、測定を停止する制御を行った後、これより、まず、生体電気インピーダンス算出プログラムを起動して、両サンプリングメモリ64,74に格納された周波数毎の電流データ及び電圧データを順次読み出して、各周波数についての被験者の生体電気インピーダンス(測定回数100回の平均値)を算出する。なお、生体電気インピーダンスの算出には、その成分(抵抗及びリアクタンス)の算出も含まれる。次に、CPU10は、インピーダンス軌跡算出プログラムを起動して、生体電気インピーダンス算出プログラムにより得られた各周波数についての被験者の生体電気インピーダンス及びその成分(抵抗及びリアクタンス)に基づいて、最小二乗法を用いるカーブフィッティングの手法に従って、周波数0から周波数無限大までのインピーダンス軌跡を算出する。このようにして算出されたインピーダンス軌跡は、図3(a),(b)に示すように、中心が実軸より上がった円弧となる。
【0025】
次に、CPU10は、周波数0時インピーダンス決定プログラム及び周波数無限大時インピーダンス決定プログラムに従って、インピーダンス軌跡算出プログラムにより得られたインピーダンス軌跡に基づいて、それぞれ、周波数が0、無限大の時の被験者の生体電気インピーダンスを求める。つまり、インピーダンス軌跡の円弧が、図中X軸と交わる点が、それぞれ周波数0Hzと無限大の時の生体電気インピーダンスになる。次に、CPU10は、細胞外液/内液抵抗比算出プログラムに従って、周波数0時インピーダンス決定プログラム及び周波数無限大時インピーダンス決定プログラムにより得られた両インピーダンスに基づいて、細胞外液抵抗及び細胞内液抵抗を求め、さらに、細胞内液抵抗に対する細胞外液抵抗の比を算出する。
次に、CPU10は、体脂肪推計プログラムの処理手順に従って、生体電気インピーダンス算出プログラムにより得られた周波数が略50kHzの時の被験者の生体電気インピーダンスと、キーボード8を介して入力された被験者の身長、体重、性別及び年齢等の人体特徴項目と、細胞外液/内液抵抗比算出プログラムの稼働により得られた細胞内液抵抗に対する細胞外液抵抗の比とに基づいて、被験者の体脂肪の状態(体脂肪率、脂肪重量、除脂肪体重等)を推計する。
【0026】
最後に、CPU10は、算出された被験者の体脂肪状態(体脂肪率、脂肪重量、除脂肪体重等)をRAM12に記憶すると共に、図3に示すように、インピーダンス軌跡、周波数50kHz時のインピーダンス、細胞内液抵抗に対する細胞外液抵抗の比、被験者の氏名、身長、体重、性別及び年齢等の人体特徴項目を表示器9に表示する。そして、当該一連の処理を終了する。
【0027】
このように、上記構成によれば、一段と実情に即した推計がなされるので、例えば、一般の健常者であっても、細胞外液量の比較的少ないスポーツ選手等であっても、正確な推計値を得ることができる。
また、インピーダンス軌跡算出プログラムにより、最小二乗法の演算手法を駆使して、インピーダンス軌跡を求め、求められた軌跡から、周波数0時インピーダンス決定プログラム及び周波数無限大時インピーダンス決定プログラムにより、周波数0時及び無限大時の生体電気インピーダンスを求めるので、高周波投入時の浮遊容量や外来ノイズの影響を回避でき、また、人体への直流の直接投入を回避できる。それ故、測定精度が向上する。
【0028】
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
例えば、生体電気インピーダンスを算出する代わりに、生体電気アドミッタンスを算出するようにしても良く、これに伴い、インピーダンス軌跡を算出する代わりに、アドミッタンス軌跡を算出するようにしても良い。
また、上述の実施例においては、人体特徴項目として、被験者の身長、体重、性別及び年齢等を入力する場合について述べたが、必要に応じて、その一部を省略しても良く、人種の項目を付加しても良い。また、出力装置として、プリンタを付設しても良い。
また、上述の実施例においては、周波数が略50kHzの時のインピーダンスについては、生体電気インピーダンス算出プログラムによって得られたデータをこのまま用いて、被験者の体脂肪を求めたが、インピーダンス軌跡算出プログラムにより得られたインピーダンス軌跡に基づいて、略50kHzの時のインピーダンスを求め、これに基づいて体脂肪の算出を行うようにしても良い。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の体脂肪測定装置によれば、細胞内液抵抗と細胞外液抵抗との比と、特定周波数時の生体電気インピーダンスとに基づいて、被験者の体脂肪率等の体脂肪の状態が推計される。それ故、一段と実情に即した推計がなされるので、例えば、一般の健常者であっても、細胞外液量の比較的少ないスポーツ選手等であっても、正確な推計値を得ることができる。
また、最小二乗法の演算手法を駆使して、インピーダンス軌跡又はアドミッタンス軌跡を求め、求められた軌跡から周波数0時及び無限大時の生体電気インピーダンスを求め、これらの生体電気インピーダンスに基づいて、細胞内液抵抗と細胞外液抵抗との比を算出するので、高周波投入時の浮遊容量や外来ノイズの影響を回避でき、また、人体への直流の直接投入を回避できる。それ故、測定精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例である体脂肪測定装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】同装置の使用状態を模式的に示す模式図である。
【図3】同装置における表示器の表示例を示す図である。
【図4】人体の細胞組織中を低周波の電流及び高周波の電流が流れる様子を説明するための図である。
【図5】組織内細胞の電気的等価回路図である。
【図6】人体のインピーダンス軌跡を示す図である。
【図7】周波数無限大時の組織内細胞の電気的等価回路図である。
【符号の説明】
4 体脂肪測定装置
5 信号出力回路(生体電気インピーダンス算出手段の一部)
52 測定信号発生器
53 出力バッファ
6 電圧検出回路(生体電気インピーダンス算出手段の一部)
61 I/V変換器
62 BPF
63 A/D変換器
64 サンプリングメモリ
7 電圧検出回路(生体電気インピーダンス算出手段の一部)
71 差動増幅器
72 BPF
73 A/D変換器
74 サンプリングメモリ
8 キーボード(人体特徴データ入力手段)
10 CPU(生体電気インピーダンス算出手段、抵抗比算出手段、体脂肪推計手段)
11 ROM
12 RAM
Hc,Hp,Lc,Lp 表面電極
E 被験者の体
H 被験者の手甲部
L 被験者の足甲部
Ia マルチ周波数電流(プローブ電流)
Vb 被験者の手足間の電圧
Claims (4)
- マルチ周波数のプローブ電流を生成し、生成した各周波数のプローブ電流を被験者の体に投入して該被験者の体の電気インピーダンスを各周波数毎に測定する生体電気インピーダンス測定手段と、
該生体電気インピーダンス測定手段によって各周波数毎に測定された前記被験者の体の周波数0時及び無限大時の前記電気インピーダンスに基づいて、前記被験者の体の細胞外液抵抗と細胞内液抵抗との比を算出する抵抗比算出手段と、
前記生体電気インピーダンス測定手段によって測定された前記被験者の体の特定周波数時の前記電気インピーダンスと、前記抵抗比算出手段によって算出された前記被験者の体の細胞外液抵抗と細胞内液抵抗との比とに基づいて、前記被験者の体脂肪の状態を推計する体脂肪推計手段とを備えてなることを特徴とする体脂肪測定装置。 - 前記生体電気インピーダンス測定手段は、前記被験者の体に投入される前記プローブ電流の各周波数毎に、該被験者の体の生体電気インピーダンス又は生体電気アドミッタンスを測定し、測定された各周波数毎の前記生体電気インピーダンス又は生体電気アドミッタンスに基づいて、最小二乗法の演算手法を駆使して、インピーダンス軌跡又はアドミッタンス軌跡を求め、求められた該インピーダンス軌跡又はアドミッタンス軌跡から、前記被験者の体の周波数0時及び周波数無限大時の生体電気インピーダンス又は生体電気アドミッタンスを算出すると共に、
前記抵抗比算出手段は、前記生体電気インピーダンス測定手段によって算出された前記被験者の体の周波数0時及び周波数無限大時の生体電気インピーダンス又は生体電気アドミッタンスに基づいて、前記被験者の体の細胞外液抵抗と細胞内液抵抗との比を算出することを特徴とする請求項1記載の体脂肪測定装置。 - 前記特定周波数時の電気インピーダンスは、略50kHz時の電気インピーダンスであることを特徴とする請求項1又は2記載の体脂肪測定装置。
- 前記被験者の身長、体重、性別及び年齢のうち少なくとも一つを人体特徴データとして入力するための人体特徴データ入力手段が付加されてなると共に、
前記体脂肪推計手段は、前記生体電気インピーダンス測定手段によって測定された前記被験者の体の特定周波数時の前記電気インピーダンスと、前記抵抗比算出手段によって算出された前記被験者の体の細胞外液抵抗と細胞内液抵抗との比と、前記人体特徴データ入力手段によって入力された前記人体特徴データとに基づいて、前記被験者の体脂肪の状態を推計することを特徴とする請求項1,2又は3記載の体脂肪測定装置。
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