JP3635516B2 - 光ディスク装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,基板厚の異なる情報記録媒体(以下光ディスクという)に対して互換性を保つと共に,レーザ光の有効利用及び装置の小型化等を可能にした光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来の光ディスク装置の概念的構成は図14に示す様な構成となっている。同図において,半導体レーザ101から出射した直線偏光のレーザ光は,コリメートレンズ102で略平行光とされ,偏光ビームスプリツタ103を通過し,そしてλ/4板104を通過して円偏光となる。その後,レーザ光は,偏向プリズム105で偏向されて対物レンズ106に入射し,当該対物レンズ106で集光されて光ディスク107に微小径のレーザスポットが形成,照射される。
【0003】
一方,光ディスク107で反射したレーザ光は,往路とは反対回りの円偏光となり,対物レンズ106で再び略平行光とされ,偏向プリズム105で偏向されてλ/4板104を通過する。当該λ/4板104を通過することにより,レーザ光は往路と直交した直線偏光となって,偏光ビームスプリッタ103に入射し,当該偏光ビームスプリッタ103で反射され集光レンズ108により集束される。そして,レーザ光は受光素子109で受光され,当該受光素子109からの信号に基づき情報信号及びサーボ信号が検出されるようになっている。
【0004】
このような光ディスク装置に対して,記録容量の大容量化が強く要望され,かかる要望に応えるべくレーザ光の短波長化が進められている。
【0005】
一般に,光ディスク107に形成されるレーザスポットのスポット径は,レーザ光の波長λに比例し,記録容量は波長λの二乗に反比例して増大する。従って,レーザ光の波長を短くすれば,記憶容量の大容量化が可能になる。
【0006】
しかし,光ディスク107には,反射率や記録パワーに対して強い波長依存性を持つものがあり,かかる光ディスク107に短波長のレーザ光を用いると再生や記録等ができなくなる問題がある。即ち,互換性が保たれなくなる問題がある。
【0007】
そこで,従来用いられている波長(例えば,785nm)と,それより短波長(例えば,650nm)の2つのレーザ光を用いる方法が考えられ,そのためにそれぞれ波長の異なるレーザ光を出射する2つのレーザ源と,それぞれの波長に対応した光学特性を持つ2つの対物レンズ等により,2つの光ピックアップを持つ構成にすることが概念的に最も簡単な方法である。
【0008】
ところが,このように2つの光ピックアップを持つ構成にすると,装置の大型化及びコストアップの要因となるので,レーザ源が2つで,対物レンズが1つからなる1つの光ピックアップにより光ディスク装置を構成することが提案されている(例えば,特開平6−259804号公報)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,レーザ源が2つで対物レンズが1つとする構成の場合,光路中のレーザ光の一部を分離し,当該分離されたレーザ光を用いてレーザ源から出射されるレーザ光の光量を光量検出器等で検出する際には,両方のレーザ源からのレーザ光に対して等量又は所定比で分離することが困難であった。このため光量検出器からの信号を処理するときにゲイン調整が必要になり,当該ゲイン調整回路によるコストアップ等が生じる問題がある。
【0010】
また,分離する光量を適正に制御することが困難であるため,過剰な光量が光量検出器に導かれてレーザ光の有効利用が図れなくなる問題がある。
【0011】
さらに,レーザ光の往復路の光路分離等を行う場合には,略直交した光路に分離されるので,装置の小型化が困難になる問題がある。
【0012】
そこで,本発明は,従来の光ディスクに対して互換性を保ちながらレーザ光の有効利用,装置の簡略化,小型化及びコストアップを抑えることができる光ディスク装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため,請求項1にかかる発明は,基板厚の異なる2つの情報記録媒体と,基板厚に対応してそれぞれ異なる波長のレーザ光を出射する2つのレーザ源と,該レーザ源からのレーザ光を集光して情報記録媒体に微少径のレーザスポットを形成する対物レンズとを有してなる光ディスク装置において,レーザ源と対物レンズとの間に配設されて,入射するレーザ光の偏光状態に応じてレーザ光の往と復路の光路分離を行う偏光性光路分離手段と,レーザ源と偏光性光路分離手段との間に配設されて,該偏光性光路分離手段に入射するレーザ源からのレーザ光に所定の位相差を生じさせる第1位相子と,偏光性光路分離手段で分離された復路のレーザ光を受光する受光手段とを有し,第1位相子の厚みをD1,2つのレーザ源の波長をλ1,λ2として,波長λ1,λ2の常光線に対する第1位相子の屈折率をno(λ1),no(λ2),波長λ1,λ2の異常光線に対する第1位相子の屈折率をne(λ1),ne(λ2),波長λ1,λ2のレーザ光が第1位相子を通過することにより生じる位相差をδ(λ1),δ(λ2)としたときに,
δ(λ1)=(2π/λ1)×(no(λ1)−ne(λ1))×D1 …(式A)
δ(λ2)=(2π/λ2)×(no(λ2)−ne(λ2))×D1 …(式B)
δ(λ1)=(2n+1)×δ(λ2)=(2N+1)π …(式C)
但し,n=0,1,2,3… N=1,2,3…
前記式A,式B,式Cを満足するように第1位相子の厚さD1を設定して,偏光性光路分離手段に入射したレーザ源からのレーザ光のうち所定光量のレーザ光を例えば前方に設けた光量検出器に入射させることができるようにしたことを特徴とする。
【0014】
請求項2にかかる発明は,前記第1位相子の設定を,
δ(λ1)=2nπ かつ δ(λ2)=(N+1)π …(式D)
又は
δ(λ2)=2nπ かつ δ(λ1)=(N+1)π …(式E)
前記式A,式B,式D又は式A,式B,式Eを満足するように第1位相子の厚さD1を設定するようにしたことを特徴とする。
【0015】
請求項3にかかる発明は,偏光性光路分離手段と対物レンズとの間に設けた,当該領域を通過するレーザ光に略1/4波長の位相差を生じさせる第2位相子と,第1位相子のうち少なくとも1つを偏光性光路分離手段と一体に設けて,装置の小型化を可能にしたことを特徴とする。
【0016】
請求項4にかかる発明は,第1位相子又は第2位相子の少なくとも1つを蒸着位相差膜で形成して,第1位相子又は第2位相子を必要十分な薄さにできるようにしたことを特徴とする。
【0017】
請求項5にかかる発明は,偏光性光路分離手段を入射したレーザ光の偏光状態に応じて,当該レーザ光を回折,透過させる偏光性回折格子により形成して,往路と復路とが直交しないようにしたことを特徴とする。
【0018】
請求項6にかかる発明は,偏光性光路分離手段により光路分離された復路のレーザ光を受光する2つの受光素子からなる受光手段と,当該受光手段の各受光素子に,偏光性光路分離手段で分離された復路のレーザ光を分割し又は当該レーザ光の波長に応じて光路変更して受光させるレーザ光振分手段を設けて,異なる基板厚の情報記録媒体で反射されたレーザ光を当該情報記録媒体に対応させた受光素子で受光できるようにしたことを特徴とする。
【0019】
請求項7にかかる発明は,レーザ光振分手段として入射したレーザ光を回折する回折格子を用いて,当該レーザ光振分手段で振分けるレーザ光の振分方向の角度を小さくしたことを特徴とする。
【0020】
請求項8にかかる発明は,偏光性光路分離手段とレーザ光振分手段との間に配設されて,波長の異なる一方のレーザ光に対しては,当該レーザ光の波長の略整数倍の位相差を生じさせ,他方のレーザ光に対しては,当該レーザ光の波長の略1/2倍の位相差を生じさせる第3位相子を設けることによりレーザ光の偏光状態を変え,その偏光状態に応じてレーザ光振分手段によりレーザ光を分割し又は当該レーザ光の波長に応じて光路を変更させるようにしたことを特徴とする。
【0021】
請求項9にかかる発明は,第3位相子を蒸着位相差膜で形成することにより,当該第3位相子を必要十分な薄さにできるようにしたことを特徴とする。
【0022】
請求項10にかかる発明は,第3位相子をレーザ光振分手段と一体に設けたことを特徴とする。
【0023】
請求項11にかかる発明は,レーザ光振分手段を入射するレーザ光の偏光状態に応じて回折,透過する偏光性回折格子で形成して,当該レーザ光振分手段で振分ける角度を小さくしたことを特徴とする。
【0024】
請求項12にかかる発明は,2つのレーザ源と受光手段とが,1つに収納されたレーザユニットであることを特徴とする。
【0025】
請求項13にかかる発明は,2つのレーザ源が半導体レーザであって,その活性層の方向が互いに直交するように配設されてなることを特徴とする。
【0026】
請求項14にかかる発明は,第1位相子が,一方のレーザ源からのレーザ光に対して,波長の略整数倍の位相差を生じさせ,他方のレーザ源からのレーザ光に対しては略1/2波長の位相差を生じさせて偏光性光路分離手段に入射する際の各レーザ光の偏光状態を同一になるようにしたことを特徴とする。
【0027】
請求項15にかかる発明は,レーザユニットに第1位相子,偏光性光路分離手段及び第2位相子が一体に設けられていることを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態を図を参照して説明する。図1は本実施の形態にかかる光ディスク装置の概略構成図を示したものである。
【0029】
第1,2半導体レーザ1a,1bから波長の異なるレーザ光が出射されて,コリメートレンズ3により略平行光にされる。その後,レーザ光は第1位相子である位相子4に入射して,当該位相子4で所定の位相差が生じて偏光ビームスプリッタ5に入射する。
【0030】
偏光ビームスプリッタ5は,図2に示す様にP偏光のレーザ光は略100%透過し,S偏光のレーザ光は略100%反射する特性を持っている。広帯域の波長に対して,このような透過反射特性を持つ偏光ビームスプリッタを用いることにより,異なる波長に対しても十分な偏光特性が得られ,どちらの波長に対しても高効率の光学系を実現できる利点がある。
【0031】
これにより位相子4から出射されたレーザ光がS偏光成分を含む場合には,当該S偏光成分は偏光ビームスプリッタ5で反射されて集光レンズ13により集光され,光量検出器14に受光される。
【0032】
一方,P偏光成分は偏光ビームスプリッタ5で反射されることなく透過し,第2位相子であるλ/4板6に入射する。当該λ/4板6で位相がλ/4変化して円偏光となり偏向プリズム7に入射し偏向される。その後,対物レンズ8で集光されて第1又は第2の光ディスク9a,9bに微少スポットのレーザ光が照射される。
【0033】
当該第1,2光ディスク9a,9bで反射されたレーザ光は,往路と略同一の光路をたどり,対物レンズ8で集束され,偏向プリズム7で偏向されてλ/4板6に入射する。そして,当該λ/4板6で往路と直交したS偏光にされて,偏光ビームスプリッタ5に入射し,当該偏光ビームスプリッタ5で略100%反射される。
【0034】
反射されたレーザ光は,検出レンズ11により集束光となり受光手段である受光素子12に受光され,当該受光素子12からの信号に基づき公知の方法を用いて情報信号,トラッキング信号及びフォーカス信号のサーボ信号が検出される。
【0035】
なお,第1,2半導体レーザ1a,1bから出射されるレーザ光の波長は,第1半導体レーザ1aが785nm,第2半導体レーザ1bが650nmであり,また,第1光ディスク9aは基板厚の厚い(1.2mm)低容量光ディスクを示し,第2光ディスク9bは基板厚の薄い(0.6mm)大容量光ディスクを示すものとして説明する。
【0036】
そして,第1光ディスク9aに対して記録再生を行う時は,第1半導体レーザ1aを発振させ,第2光ディスク9bに対して記録再生を行う時は,第2半導体レーザ1bを発振させる。
【0037】
無論,上述した波長及び基板厚は例示であることを敢て付言するまでもない。また以下の説明では,便宜的理由から第1半導体レーザ1aを長波長レーザ1a,第2半導体レーザ1bを短波長レーザ1bと記載し,これらを総称してレーザ1と記載する。さらに,基板厚の厚い光ディスク9aを低密度ディスク9a,基板厚の薄い光ディスク9bを高密度ディスク9bと記載し,これらを総称して光ディスク9と記載する。
【0038】
また,検出レンズ11は,例えば片方の面が球面の円筒レンズが適用可能であり,フォーカス信号に対しては,例えば非点収差法が適用でき,トラッキング信号に対しては,位相差法等を適用することが可能である。
【0039】
また,上述した偏光ビームスプリッタ5の光学特性としては,図3に示すように,P偏光のレーザ光は略100%反射し,S偏光のレーザ光は略100%透過させるものであってもよく,この様な特性を持つ場合には,位相子4及びλ/4板6における位相差の発生条件を当該偏光ビームスプリッタの特性に合わせて設定すればよいことは以下の説明から明らかである。以下においては,偏光ビームスプリッタ5の特性が,図2に示すような特性であるとして説明する。
【0040】
さらに,位相子4及びλ/4板6は,単板の場合について説明するが,本発明はこれに限定されるものではなく,それぞれの光学軸を直交させて張合わせたものを用いることも可能である。
【0041】
図4を参照して位相子4の機能を説明する。一般的に半導体レーザは同図に示すようなレーザチップ1cを有し,当該レーザチップ1cの活性層1dから当該活性層1dに平行な方向に偏光したレーザ光が出射される。そこで,図1においてレーザ1における各レーザチップ1cの活性層1dの方向が,それぞれ紙面上下方向に設定されているとする。
【0042】
このとき偏光ビームスプリッタ5に入射するレーザ光は,共にP偏光となるので,光量検出器14にレーザ光を導かない場合,即ちレーザ1から偏光ビームスプリッタ5に入射したレーザ光をそのまま通過させる場合には,位相子4により位相差を生じさせる必要がない。
【0043】
一方,偏光ビームスプリッタ5に入射したレーザ光の一部,例えば光ディスク9に至るレーザ光の約10(%)を光量検出器14に導く場合は,後述する式1〜3を満たすように位相子4の厚みD1を設定すればよい。
【0044】
即ち,光ディスク9に至るレーザ光の約10(%)を光量検出器14に入射させる場合は,位相子4の光学軸をP偏光面に対し約9度傾けて,位相子4で位相差がλ/2を生じさせることによりS偏光成分を発生させて,偏光ビームスプリッタ5に入射させればよい。
【0045】
レーザ1からのレーザ光の波長をそれぞれλ1,λ2,波長λ1,λ2の常光線に対する位相子4の屈折率をno(λ1),no(λ2),波長λ1,λ2の異常光線に対する屈折率をne(λ1),ne(λ2)とすれば,各波長λ1,λ2のレーザ光が位相子4を通過することにより生じる位相差δ(λ1),δ(λ2)は,
δ(λ1)=(2π/λ1)(no(λ1)−ne(λ1))D1 …(1)
δ(λ2)=(2π/λ2)(no(λ2)−ne(λ2))D1 …(2)
となる。
【0046】
そして,波長λ1,λ2のレーザ光に対して,位相差が共にλ/2となるためには,位相差δ(λ1)と位相差δ(λ2)とが,
δ(λ1)=(2n+1)δ(λ2)=(2N+1)π …(3)
但し,n=0,1,2,3…,N=1,2,3…
の関係を満たせばよい。
【0047】
また,長波長レーザ1aに対しては,当該長波長レーザ1aに内蔵されている図示しない後方光検出器で出射光量を検出し,短波長レーザ1bに対しては,光量検出器14で光ディスクに至るレーザ光の約10(%)を用いて出射光量を検出する場合には,位相子4の厚みD1を以下のように設定する。
【0048】
即ち,長波長レーザ1aからのレーザ光は,偏光ビームスプリッタ5により反射されることなく通過するようにすればよいので,位相子4により当該レーザ光に対して位相差を発生させる必要はなく,仮に位相差が発生する場合であっても,当該位相差が波長λの整数倍になればよい。
δ(λ1)=2nπ …(4)
【0049】
一方,短波長レーザ1bに対しては,上述した方法により,位相子4の光学軸をP偏光面に対して約9度傾けて,当該位相子4で生じる位相差が短波長レーザ1bからのレーザ光に対してλ/2となるようにすればよい。
δ(λ2)=(N+1)π …(5)
【0050】
そして,式1,2で示す位相差δ(λ1),δ(λ2)が,式4,5を満たすように位相子4の厚みD1を設定すればよい。
【0051】
なお,短波長レーザ1bに対しては,当該短波長レーザ1bに内蔵されている図示しない後方光検出器で出射光量を検出し,長波長レーザ1aに対しては,光量検出器14で光ディスクに至るレーザ光の約10(%)を用いて出射光量を検出する場合も,上述した方法により位相子4の厚みD1を設定すればよい。
【0052】
次に,光ディスク9からのレーザ光が偏向プリズム7で偏向されて偏光ビームスプリッタ5に入射し,当該偏光ビームスプリッタ5により入射したレーザ光の略全てを反射して受光素子12に導く場合,即ち偏光ビームスプリッタ5で往路と復路との光路分離を行う場合について説明する。
【0053】
この場合は,図2に示した特性から解るように,復路のレーザ光がS偏光であればよく,往路において偏光ビームスプリッタ5から出射された直後のレーザ光がP偏光なので,λ/4板6を往復2回通過することにより位相差がλ/2異なればよいことになる。即ち,λ/4板6を1っかい通過することにより,λ/4の位相差が発じればよい。
【0054】
この条件を満足するλ/4板6の厚みD2は,λ/4板6の波長λ1,λ2に対する常光線に対する屈折率をNo(λ1),No(λ2),異常光線に対する屈折率をNe(λ1),Ne(λ2)とすると,各波長λ1,λ2のレーザ光に発生する位相差δ(λ1),δ(λ2)が,
δ(λ1)=(2π/λ1)(No(λ1)−Ne(λ1))D2 …(6)
δ(λ2)=(2π/λ2)(No(λ2)−Ne(λ2))D2 …(7)
となるので,これらが
δ(λ1)=(2n+1)δ(λ2)=(2N+1)(π/2) …(8)
n=0,1,2,3…,N=1,2,3…
を満たすようにλ/4板6の厚みD2を決定すればよい。
【0055】
以上説明したように,位相子4の厚みを目的に合わせて設定することにより,異なる波長のレーザ光にそれぞれ所望の位相差を発生させることができ,これにより偏光性光路分離手段5において所定量のレーザ光を分離して取出すことが可能になる。
【0056】
従って,分離して取り出されたレーザ光を光量検出器14で受光する場合でも,当該受光したレーザ光の光量が所定光量であるためゲイン調整が不要になり,当該ゲイン調整回路が不要になる。また,当該取り出されたレーザ光は必要十分な光量であるので,レーザ光の有効利用が可能になり,光学系の設計自由度を増すことが可能になる。
【0057】
さらに,異なる波長の光に対して共にλ/4の位相差を生じるλ/4板を設けたので,どちらの波長のレーザ光に対しても,往路と復路とで偏光状態を完全に直交させることができ,偏光ビームスプリッタ5で高効率に往路,復路の光路分離が行え,レーザ光の利用効率を高くすることが可能になる。
【0058】
なお,位相子4及びλ/4板6を偏光ビームスプリッタ5と一体に設けることも可能であり,かかる場合には部品数の削減が可能になるので装置の小型化や低コストが図れる。
【0059】
特に,位相子4及びλ/4板6を蒸着による蒸着位相差膜とすることにより当該位相子4,λ/4板6を必要十分な厚さに形成することがきると共に,これらの材料として高価な復屈折結晶を用いる必要が無くなり,装置の小型化や低コストに大きく寄与することが可能になる。
【0060】
蒸着位相差膜の材料としては,Ta25,SnO2等を用いることができる。
【0061】
ここで,必要十分な厚さとは以下の意味である。従来,例えば,波長λ=650nmで,位相子4をλ/4の厚さにしたいときは,λ/4=162.5nmとなり,これが必要十分な厚さであるが,このような薄い膜を切出し加工等により形成し,そして組込み等を行うことは非常に困難である。そこで,位相子の厚みをλ/4+kλ(k:整数)として,同一の位相差が発生するようにしながら厚さのみを厚くすることが行われる。しかし,蒸着位相差膜は,このような加工,組立等が不要なので,実際の寸法としてλ/4=162.5nmの厚みの位相子を用いることが可能になる。
【0062】
次に,本発明の第2の実施の形態を図を参照して説明する。なお,第1の実施の形態と同一構成に関しては同一符号を用い説明を適宜省略する。
【0063】
図5は本実施の形態にかかる光ディスク装置の概略構成を示す図である。本実施の形態においては,図1における偏光ビームスプリッタ5に変えて偏光性回折格子15を用いた点が特徴となっている。そして当該偏光性回折格子15に位相子4及びλ/4板6が一体に設けられている。無論,これらを一体に設け無ければならない必然性は無いが,一体に設けることにより上述した効果を得ることが可能になる利点がある。
【0064】
偏光性回折格子15は,格子溝15aを有して,当該格子溝15aに入射したレーザ光の偏光状態により透過,回折が生じる。
【0065】
このような偏光性回折格子15としては,例えば,LiNbO3(下付)に格子溝を形成した偏光性ホログラムでもよく,また狭ピッチ(波長λの1/2程度),深溝の格子溝を形成したものでもよい(光学 第20巻 第8号 pp.36 (1991年8月) 前田英男他 光磁気ヘッド用高密度デュアルグレーティング)。本実施の形態では,偏光性回折格子15としてLiNbO3に格子溝を形成した場合について説明する。
【0066】
レーザ1からのレーザ光は,格子溝15aの溝方向(図5において右方向:以下同じ)に平行に進行するレーザ光で,位相子4により格子溝15aと直交(図5において上下方向:以下同じ)する偏光成分が発生すると,当該偏光成分は回折されて光量検出器14に入射するようになる。
【0067】
一方,格子溝15aに平行(図5において紙面に垂直な方向:以下同じ)な偏光成分は,偏光性回折格子15を通過し,λ/4板6により円偏光とされ,光ディスク9に照射される。
【0068】
低密度ディスク9aで反射されたレーザ光は,λ/4板6により格子溝15aと直交した偏光になり,これにより偏光性回折格子15で回折され,その回折光がコリメートレンズ3で集束光されて受光素子12に受光され,情報信号及びサーボ信号が検出される。
【0069】
偏光性回折格子15及び受光素子12の構成として,図6,図7に示すような領域分割されたものが可能である。但し,これは例示であって,本発明はこれに限定されるものではない。
【0070】
図6に示す偏光性回折格子15は,3つの領域A,B,Cからなり,各領域A,B,Cに形成された格子溝15aに対応した方向にレーザ光が回折される。また,受光素子12は,図7に示すように4つの領域E,F,G,Hに分割構成されている。
【0071】
そして,図6の領域Aで回折されたレーザ光は,受光素子12の領域Eと領域Fの中央部分に入射するように設定され,ナイフエッジ法によりフォーカス信号Foが領域Eと領域Fとの光電信号の差分から検出される。
【0072】
また,領域B,Cで回折されたレーザ光は,受光素子12の領域G,Hにそれぞれ入射し,領域G,Hの光電信号の差分からトラック信号Trが検出される。
【0073】
さらに,情報信号は,領域E,F,G.Hからの光電信号の総和又はその一部から検出される。
【0074】
このように偏光性回折格子15により往復路の光路分離を行った場合,往路と復路とが直角にならないので,装置の小型化が可能になり利点がある。
【0075】
また,偏光性回折格子を複数の領域に分割してサーボ信号を検出するようにしたので,従来必要であった,シリンドリカルレンズ,ナイフエッジプリズム等のサーボ信号発生用光学素子が不要となって,部品点数の削減及び低コスト化が可能になる。
【0076】
次に,本発明の第3の実施の形態を図を参照して説明する。なお,第1,2の実施の形態と同一構成に関しては同一符号を用い説明を適宜省略する。
【0077】
上述した各実施の形態においては,受光手段は1つの受光素子12からなり,低密度ディスク9a及び高密度ディスク9bからの反射光は,当該受光素子12で受光するようにしていた。
【0078】
しかし,本発明はこれに限定されるものではなく,2つの受光素子17,18を用いて,例えば受光素子17を低密度ディスク9aに対するサーボ信号等を検出するための専用素子とし,受光素子18を高密度ディスク9bに対するサーボ信号等を検出するための専用素子として,各受光素子17,18の調整等を容易にすると共に,高品質な各種検出信号が得られるようにしたものである。
【0079】
図8〜11は,第1実施の形態にかかる構成について例示したものであるが,第2の実施の形態についても同様の構成とすることが原理的に可能である。
【0080】
なお,図8,9に示すレーザ光振分手段16,19は,波長に関係なく,即ち低密度ディスク9aからの反射光であるか高密度ディスク9bからの反射光であるかを問わずに入射したレーザ光を分割して受光素子17,18に入射させる構成である。また図10,11に示すレーザ光振分手段21,22は波長,即ち低密度ディスク9aからの反射光であるか高密度ディスク9bからの反射光であるかにより,入射したレーザ光の光路を変えて対応する受光素子17,18に入射させる構成となっている。
【0081】
即ち,図8は,検出レンズ11と受光素子17,18との光路中にレーザ光振分手段であるハーフミラ16を設けて,検出レンズ11からのレーザ光をハーフミラー16で2つに分け,それぞれを受光素子17,18で受光するようにしたものである。
【0082】
そして,長波長レーザ1aからのレーザ光により,低密度ディスク9aに対して記録再生する時は,受光素子17からの光電信号によりサーボ信号及び情報信号を検出する。また,短波長レーザ1bからのレーザ光により,高密度ディスク9bに対して記録再生する時は,受光素子18からの信号によりサーボ信号及び情報信号を検出する。
【0083】
また図9は,検出レンズ11と受光素子17,18との光路中にレーザ光振分手段である回折格子19を設けて,検出レンズ11からのレーザ光を,回折格子19により2つに分け,それぞれを受光素子17,18で受光するようにしたものである。
【0084】
そして,長波長レーザ1aからのレーザ光により,低密度ディスク9aに対して記録再生する時は,受光素子17からの信号によりサーボ信号及び情報信号を検出する。また,短波長レーザ1bからのレーザ光により,高密度ディスク9bに対して記録生成する時は,受光素子18からの信号によりサーボ信号及び情報信号を検出する。
【0085】
図10は,検出レンズ11と受光素子17,18との光路中に第3位相子である位相子20とレーザ光振分手段である偏光ビームスプリッタ等の偏光光学素子21とを順次設けた構成となっている。
【0086】
そして,位相子20により長波長レーザ1aからのレーザ光に対しては,整数倍の位相差を生じさせ,短波長レーザ1bからのレーザ光に対しては,略λ/2の位相差を生じさせる。その後,偏光光学素子21に入射させて光路分離を行うようにしたものである。
【0087】
これにより低密度ディスク9aで反射された長波長レーザ1aからのレーザ光は,位相子20によりS偏光となって偏光光学素子21に入射し,当該偏光光学素子21で略100%反射されて受光素子17に入射する。また,短波長レーザ1bからのレーザ光は,位相子20によりP偏光となって偏光光学素子21に入射し,当該偏光光学素子21を略100%透過して受光素子18に入射するようになる。
【0088】
そこで,長波長レーザ1aからのレーザにより低密度ディスク9aに対して記録再生を行う時は,受光素子17の出力に基づいてサーボ信号及び情報信号を検出し,短波長レーザ1bからのレーザにより高密度ディスク9bに対して記録再生を行う時は,受光素子18の出力に基づいてサーボ信号及び情報信号を検出する。
【0089】
図11は,検出レンズ11と受光素子17,18との光路中に第3の位相子である位相子20と偏光性回折格子22とを順次設けたものである。そして,位相子20により長波長レーザ1aからのレーザ光に対しては,整数倍の位相差を生じさせ,短波長レーザ1bからのレーザ光に対しては,略λ/2の位相差を生じさせる。その後,偏光性回折格子22に入射させて受光素子17,18に入射させる。なお,偏光性回折格子22は,偏光性回折格子15と同様な構成でよい。
【0090】
そして,長波長レーザ1aからのレーザ光は,位相子20で偏光性回折格子22の格子溝22aに直交(図11で左右方向)した偏光となり,これにより偏光性回折格子22で回折されて受光素子17に入射する。
【0091】
一方,短波長レーザ1bからのレーザ光は,位相子20により偏光方向が90度回転されて,偏光性回折格子22の格子溝22aに対し平行(図11で紙面に垂直な方向)な偏光となり,これにより偏光性回折格子22を透過して受光素子18に入射する。
【0092】
これにより長波長レーザ1aからのレーザ光により,低密度ディスク9aに対して記録再生する時は,受光素子17から信号に基づきサーボ信号及び情報信号を検出する。また,短波長レーザ1bからのレーザ光により,高密度ディスク9bに対して記録再生する時は,受光素子18からの信号に基づきサーボ信号及び情報信号を検出する。
【0093】
なお,レーザ光振分手段として回折格子19及び偏光性回折格子22を用いることにより,レーザ光の振分方向の角度が小さくできるので,装置の小型化が可能になり利点がある。
【0094】
また,位相子20を用いて偏光光学素子21及び偏光性回折格子22に入射する波長の異なる2つのレーザ光の偏光方向を略直交させたので,波長の異なる2つのレーザ光を完全に分離して,対応する受光素子17,18で受光できるようになり,レーザ光の利用効率が高くなると共にS/Nの高い情報信号及びサーボ信号が検出できるようになる。
【0095】
次に,本発明の第4の実施の形態を図を参照して説明する。なお,第1〜3の実施の形態と同一構成に関しては同一符号を用い説明を適宜省略する。
【0096】
これまでの説明では,長波長レーザ1a及び短波長レーザ1bはそれぞれ別体に形成された場合について説明した。しかし,本発明はこれに限定されるものではなく,図12,図13に示すように2つレーザ1を1つのケース内に収納したレーザユニットを用いても良い。
【0097】
図12,図13は,第2の実施の形態かかる構成にレーザユニットを用いた場合を示したものであるが,第1の実施の形態に当該レーザユニットを用いても良いことは付言するまでもない。
【0098】
図12に示すように,レーザユニットには図4に示すような2つレーザチップと1つの受光素子12とが配設されている。当該レーザチップを23a,23bで示す。各レーザチップ23a,23bからは,レーザ1から出射されると同様の波長のレーザ光,即ちレーザチップ23aからの波長635nmのレーザ光が,またレーザチップ23bから波長785nmのレーザ光が出射されるものとする。
【0099】
そして,波長635nmのレーザ光の偏光方向は,レーザチップ23aの活性層に垂直方向(図4においてTMモード)であり,波長785nmのレーザ光の偏光方向は,レーザチップ23bの活性層に平行方向(図4においてTEモード)とする。
【0100】
このとき,偏光性回折格子15に入射する際のレーザ光の偏光方向は,共に格子溝15aに平行(図12で紙面に垂直な方向)な偏光とする必要があるので,例えば,それぞれのレーザチツプ23a,23bの活性層の方向を直交させるか,または一方の波長に対しては整数倍の位相差を生じさせ,他方の波長に対しては略λ/2の位相差を生じさせるように位相子4の厚みを設定する。
【0101】
なお,図13に示すように,位相子4,偏光性回折格子15及びλ/4板6はそれぞれ一体に設けられても良く,またこれらがレーザユニット23のレーザ光出射窓に取付けられていても良い。
【0102】
このようにレーザユニットを用いることにより,部品点数の削減及び装置の小型化が可能になると共に光学系組み付け工数の削減及びそれによる低コスト化が可能になる。
【0103】
また,各部品を一体化しているので,温度,湿度の変化及び経時変化に対して,高い信頼性を得ることが可能になる。
【0104】
また,2つのレーザチップ23a,23bの活性層が互いに直交するように配設されて,当該各レーザチップ23a,23bから出射されるレーザ光の偏光方向が互いに直交する場合であっても,位相子4により偏光性光路分離手段15に入射するレーザ光の偏光状態を同一にすることができるので,往路及び復路のレーザ光の利用効率を高くすることが可能になる。
【0105】
さらにレーザチップ23a,23bの活性層に対し,当該レーザチップ23a,23bから出射されるレーザ光の偏光方向が直交している異なる種類のレーザ源を用いる場合に,活性層の方向を平行に取付けたときであっても,一方のレーザ光に対しては波長の略整数倍の位相差を生じせしめ,他方のレーザ光に対しては,波長の略1/2倍の位相差を生じさせるように位相子4を設けたので,偏光性光路分離手段15に入射する際の各レーザ光の偏光状態を同一にすることができ,往路,復路のレーザ光の利用効率を高くすることが可能になる。
【0106】
【発明の効果】
請求項1にかかる発明によれば,第1位相子により異なる波長の2つのレーザ光に対し,それぞれ所定の位相差を生じさせることが可能になり,当該位相差に応じて偏光性光路分離手段での反射,透過するレーザ光の光量比率を容易に調整することができるようになる。
【0107】
従って,2つのレーザに対して同じ位相差を生じさせて同量のレーザ光を光量検出器等に導くことができて,レーザ光の有効利用が可能になると共に,光量検出器からの信号のゲイン調整を不要にして回路を簡略化でき,さらに光学系の設計自由度を増すことが可能になる。
【0108】
請求項2にかかる発明によれば,一方のレーザ光に対してのみ位相差を生じさせて,当該レーザ光の一部を偏光性光路分離手段で反射させて光量検出器等に導くことができて,レーザ光の有効利用が可能になると共に,光量検出器からの信号のゲイン調整を不要にして回路を簡略化でき,さらに光学系の設計自由度を増すことが可能になる。
【0109】
請求項3にかかる発明によれば,第1位相子又は第2位相子とのうち少なくとも1つを偏光性光路分離手段と一体に設けたので,装置の小型化が図れる。
【0110】
請求項4にかかる発明によれば,第1位相子又は第2位相子の少なくとも1つを蒸着位相差膜で形成したので,各位相子を必要十分な薄さにすることができるようになると共に,各位相子の材料として高価な複屈折結晶を用いる必要がなくなるため,装置の小型化,低コスト化が図れる。
【0111】
請求項5にかかる発明によれば,偏光性光路分離手段に偏光性回折格子を用いたので,往路と復路とが直交しない構成とすることができ,装置の小型化が図れると共に,当該偏光性回折格子を複数の領域に分割してサーボ信号を検出するようにしたので,従来必要であった,シリンドリカルレンズ,ナイフエッジプリズム等のサーボ信号発生用光学素子が不要となって,部品点数の削減及び低コスト化が図れる。
【0112】
請求項6にかかる発明によれば,情報記録媒体で反射されたレーザ光を受光する受光手段に,当該レーザ光の波長に対応して受光素子を設けたので,各波長の反射光に対して受光素子が調整でき,精度の高いサーボ信号を検出することが可能になる。
【0113】
請求項7にかかる発明によれば,レーザ光振分手段として回折格子を用いたので,レーザ光の振分方向の角度が小さくでき,装置の小型化が図られる。
【0114】
請求項8にかかる発明によれば,偏光性光路分離手段とレーザ光振分手段との間に設けた第3位相子により,一方のレーザ光に対しては,当該レーザ光の波長の略整数倍の位相差を生じさせ,他方のレーザ光に対しては,当該レーザ光の波長の略1/2倍の位相差を生じさせるようにしたので,これら波長の異なる2つのレーザ光の偏光方向を直交させることが可能になって,レーザ光振分手段により当該波長の異なる2つのレーザ光を完全に分離できるようになる。よって,効率良く受光手段で受光することができ,S/Nの高い情報信号及びサーボ信号の検出が可能になる。
【0115】
請求項9にかかる発明によれば,第3位相子に蒸着による位相差膜を用いたので,当該第3位相子を必要十分な薄さにすることができるようになると共に,当該第3位相子の材料として高価な複屈折結晶を用いる必要がなくなるため,装置の小型化及び低コスト化が可能になる。
【0116】
請求項10にかかる発明によれば,第3位相子とレーザ光振分手段とを一体化したので,装置の小型化が可能になる。
【0117】
請求項11にかかる発明によれば,レーザ光振分手段として偏光性回折格子を用いたので,当該レーザ光振分手段で振分ける角度を小さくすることができて装置の小型化が図られる。
【0118】
また,偏光性回折格子を複数の領域に分割することにより,サーボ信号検出用のレーザ光を生成することができ,従来必要であったシリンドリカルレンズ,ナイフエッジプリズム等のサーボ信号発生用の光学素子が不要になり部品の削減及び装置のコストかが可能になる。
【0119】
請求項12にかかる発明によれば,2つのレーザ源と受光手段とを1つのケースに収納したレーザユニットを用いたので,部品点数の削減及び装置の小型化が可能になる。
【0120】
請求項13にかかる発明によれば,2つのレーザチップの活性層が互いに直交するように配設されて,当該各レーザチップから出射されるレーザ光の偏光方向が互いに直交する場合であっても,偏光性光路分離手段に入射するレーザ光の偏光状態を同一にすることができるので,往路及び復路のレーザ光の利用効率を高くすることが可能になる。
【0121】
請求項14にかかる発明によれば,レーザチップの活性層に対し,当該レーザチップから出射されるレーザ光の偏光方向が直交している異なる種類のレーザ源を用いる場合に,活性層の方向を平行に取付けたときであっても,一方のレーザ光に対しては波長の略整数倍の位相差を生じせしめ,他方のレーザ光に対しては,波長の略1/2倍の位相差を生じさせるように第1位相子を設けたので,偏光性光路分離手段に入射する際の各レーザ光の偏光状態を同一にすることができ,往路,復路のレーザ光の利用効率を高くすることが可能になる。
【0122】
請求項15にかかる発明によれば,レーザユニットに第1位相子,偏光性光路分離手段及び第2位相子を一体に設けたので,光学系の部品点数を大幅の削減することがきると共に,光学系組み付け工数の削減及びそれによる低コスト化,さらに装置の小型化が可能になる。
【0123】
また,各部品を一体化しているので,温度,湿度の変化及び経時変化に対して,高い信頼性を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の説明に適用される光ディスク装置の概略構成図である。
【図2】偏光ビームスプリッタの特性図である。
【図3】図2と逆の特性を持つ偏光ビームスプリッタと特性図である。
【図4】レーザチップの斜視図である。
【図5】第2の実施の形態の説明に適用される光ディスク装置の概略構成図である。
【図6】図5に用いられる偏光性回折格子の構成図である。
【図7】図5に用いられている受光素子の構成図である。
【図8】第3の実施の形態の説明に適用される光ディスク装置の概略構成図である。
【図9】第3の実施の形態の説明に適用される光ディスク装置の他の概略構成図である。
【図10】第3の実施の形態の説明に適用される光ディスク装置の他の概略構成図である。
【図11】第3の実施の形態の説明に適用される光ディスク装置の他の概略構成図である。
【図12】第4の実施の形態の説明に適用される光ディスク装置の概略構成図である。
【図13】第4の実施の形態の説明に適用される光ディスク装置の他の概略構成図である。
【図14】従来の技術の説明に適用される一般的な光ディスク装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1a 第1半導体レーザ素子
1b 第2半導体レーザ素子
4,20 位相子
5 偏光ビームスプリッタ
6 λ/4板
8 対物レンズ
9a,9b 光ディスク
12,17,18 受光素子
14 光量検出器
15,22 偏光性回折格子
16 ハーフミラー
19 回折格子
21 偏光光学素子
23 レーザユニット
Ic レーザチップ
Id 活性層

Claims (15)

  1. 基板厚の異なる2つの情報記録媒体と,前記基板厚に対応してそれぞれ異なる波長のレーザ光を出射する2つのレーザ源と,該レーザ源からのレーザ光を集光して前記情報記録媒体に微少径のレーザスポットを形成する対物レンズとを有してなる光ディスク装置において,
    前記レーザ源と前記対物レンズとの間に配設されて,入射するレーザ光の偏光状態に応じてレーザ光の往と復路の光路分離を行う偏光性光路分離手段と,
    前記レーザ源と前記偏光性光路分離手段との間に配設されて,該偏光性光路分離手段に入射する前記レーザ源からのレーザ光に所定の位相差を生じさせる第1位相子と,
    前記偏光性光路分離手段で分離された復路のレーザ光を受光する受光手段とを有し,
    前記第1位相子の厚みをD1,前記2つのレーザ源の波長をλ1,λ2として,波長λ1,λ2の常光線に対する第1位相子の屈折率をno(λ1),no(λ2),波長λ1,λ2の異常光線に対する第1位相子の屈折率をne(λ1),ne(λ2),波長λ1,λ2のレーザ光が第1位相子を通過することにより生じる位相差をδ(λ1),δ(λ2)としたときに,
    δ(λ1)=(2π/λ1)×(no(λ1)−ne(λ1))×D1 …(式A)
    δ(λ2)=(2π/λ2)×(no(λ2)−ne(λ2))×D1 …(式B)
    δ(λ1)=(2n+1)×δ(λ2)=(2N+1)π …(式C)
    但し,n=0,1,2,3… N=1,2,3…
    前記式A,式B,式Cを満足するように第1位相子の厚さD1を設定することを特徴とする光ディスク装置。
  2. 前記第1位相子の設定を,
    δ(λ1)=2nπ かつ δ(λ2)=(N+1)π …(式D)
    又は
    δ(λ2)=2nπ かつ δ(λ1)=(N+1)π …(式E)
    前記式A,式B,式D又は式A,式B,式Eを満足するように第1位相子の厚さD1を設定することを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
  3. 前記偏光性光路分離手段と前記対物レンズとの間に設けた,当該領域を通過するレーザ光に略1/4波長の位相差を生じさせる第2位相子と,前記第1位相子のうち少なくとも1つが,前記偏光性光路分離手段と一体に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の光ディスク装置。
  4. 前記第1位相子又は第2位相子の少なくとも1つが,蒸着位相差膜であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の光ディスク装置。
  5. 前記偏光性光路分離手段が,入射したレーザ光の偏光状態に応じて,当該レーザ光を回折,透過させる偏光性回折格子であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の光ディスク装置。
  6. 前記受光手段が,前記偏光性光路分離手段により光路分離された復路のレーザ光を受光する2つの受光素子からなり,かつ,当該各受光素子に,前記偏光性光路分離手段からのレーザ光を分割し又は当該レーザ光の波長に応じて光路を変えて受光させるレーザ光振分手段を有することを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の光ディスク装置。
  7. 前記レーザ光振分手段が,入射したレーザ光を回折する回折格子であることを特徴とする請求項6記載の光ディスク装置。
  8. 前記偏光性光路分離手段と前記レーザ光振分手段との間に配設されて,波長の異なる一方のレーザ光に対しては,当該レーザ光の波長の略整数倍の位相差を生じさせ,他方のレーザ光に対しては,当該レーザ光の波長の略1/2倍の位相差を生じさせる第3位相子を設けたことを特徴とする請求項6記載の光ディスク装置。
  9. 前記第3位相子が,蒸着位相差膜であることを特徴とする請求項8記載の光ディスク装置。
  10. 前記第3位相子が,前記レーザ光振分手段と一体に設けられていることを特徴とする請求項8又は9記載の光ディスク装置。
  11. 前記レーザ光振分手段が,入射するレーザ光の偏光状態に応じて回折,透過させる偏光性回折格子であることを特徴とする請求項8乃至10いずれか1項記載の光ディスク装置。
  12. 前記2つのレーザ源と前記受光手段とが,1つのケースに収納されてなるレーザユニットを用いたことを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の光ディスク装置。
  13. 前記2つのレーザ源が半導体レーザであって,その活性層の方向が互いに直交するように配設されてなることを特徴とする請求項12記載の光ディスク装置。
  14. 前記第1位相子が,一方の前記レーザ源からのレーザ光に対して,当該レーザ光の波長の略整数倍の位相差を生じさせ,他方の前記レーザ源からのレーザ光に対して当該レーザ光の波長の略1/2倍の位相差を生じさせることを特徴とする請求項12記載の光ディスク装置。
  15. 前記レーザユニットに前記第1位相子,前記偏光性光路分離手段及び第2位相子が一体に設けられていることを特徴とする請求項1乃至5又は12乃至14いずれか1項記載の光ディスク装置。
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