JP3635121B2 - 留め具 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、板体の表面に被着部材を取付けるための留め具であって、板体上に表出して被着部材を係止可能な頭部と、該頭部から延びる支柱部と、該支柱部の周囲に拡縮可能に配されて板体の取付孔に嵌合する脚部とから成る留め具に関する。ここで板体とは、例えば自動車の車室内壁であるボディパネル板等が該当し、また、被着部材とは、前記ボディパネルに取付けるトリムボード等が該当する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の留め具としては、例えば実開平5−83426号や、特開平5−164120号等を含めて多数の提案がなされている。これらは、頭部に弾性変形可能な脚部を一体成形したものであるが、その構造上、脚部が一定の厚みのパネル(板体)にしか対応できず、パネルの厚みの吸収代が狭小であったり、繰り返しの使用により損傷を受け易い等の欠点があった。
【0003】
そこで、このような欠点を解決し得るものとして、いわわる2ピースクリップと称されるクリップも提案されている。これには、例えば本出願人が既に提案した特開昭61−167708号公報に開示されたようなものがある。
【0004】
すなわち、特開昭61−167708号公報には、挿入体と該挿入体を内部に挿入する中空の外筒体とから成り、外筒体を板体の係止孔に嵌合させた後、挿入体を外筒体内部に押込むことにより、外筒体の拡開を得て取付孔に固く嵌着し、更に挿入体を外筒体内部の奥に押し込むと、外筒体が元の径に復帰して取り外すことができるものが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような従来の技術に係る2ピースクリップでは、挿入体と外筒体とがそれぞれ分離独立した成形品であるから、取付け作業が煩わしく、時間がかかり、コストアップの要因となるという問題点があった。また、挿入体を外筒体内部に押込んで外筒体の拡開させていても、それだけでは、板体に対する取付強度に不安があった。そこで、繰り返し使用の前提となる着脱性能を何ら損なうことなく、ある程度重量のある被着部材にも対応可能であり、使用時に受け得る外力や振動に対しても十分に耐えうるべく、取付強度を更に高めて信頼性を向上させるための改良が望まれていた。
【0006】
本発明は、以上のような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、2ピースクリップの優れた機能を1部品で実現することでコストを低減し、しかも再使用のための着脱性能を何ら損なうことなく、十分な取付強度を得ることができる留め具を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項に存する。
【0008】
[1] 板体(A)の表面に被着部材(B)を取付けるための留め具(10)であって、板体(A)上に表出して被着部材(B)を係止可能な頭部(20)と、該頭部(20)から延びる支柱部(30)と、該支柱部(30)の周囲に拡縮可能に配されて板体(A)の取付孔(a1)に嵌合する脚部(40)とから成る留め具(10)において、
前記脚部(40)は、前記支柱部(30)の先端側が案内される係合孔(42)が形成された頂端部位(41)と、該頂端部位(41)より前記頭部(20)に向って延び、支柱部(30)を間にして相互に離隔し対向する少なくとも一対の弾性片(43)とから成り、
前記支柱部(30)は、該支柱部(30)の先端側よりやや前記頭部(20)側に太径の係止部位(32)を有し、
前記支柱部(30)と各弾性片(43)とは、使用前の通常状態では支柱部(30)から斜め下方に延びて、各弾性片(43)の内壁に斜めに連結する倒れた状態にあり、支柱部(30)が脚部(40)内側へ押圧され軸心方向に相対的に移動した時に、支柱部(30)の軸心と略直交するように起きあがり、その起きあがった状態で各弾性片(43)を外方へ拡開保持する、起倒可能なヒンジ片(50)により相互に連結しており、
前記係合孔(42)の口元径は、前記係止部位(32)の外径より若干小さく設定されており、
前記支柱部(30)が前記脚部(40)内側へ押圧され軸心方向に相対的に移動した状態で、前記各弾性片(43)の拡開とともに、前記係止部位(32)が、前記係合孔(42)に圧入するようにしたことを特徴とする留め具(10)。
【0009】
[2] 前記脚部(40)の各弾性片(43)の自由端側に、前記板体(A)の取付孔(a1)の外側に係合し弾性片(43)全体が取付孔(a1)内に入り込むのを防ぐフランジ(44)が形成されていることを特徴とする[1]項記載の留め具(10)。
[3] 前記支柱部(30)の基端側に、該支柱部(30)が脚部(40)内側へ押圧されて移動した時に各弾性片(43)の内側に圧接して各弾性片(43)を前記板体(A)の取付孔(a1)の内周縁に付勢する凸部(33)を設けたことを特徴とする[1]項または[2]項記載の留め具(10)。
【0010】
【作用】
本発明にかかる留め具(10)を使用する場合には、先ず板体(A)の取付孔(a1)に留め具(10)の脚部(40)を嵌合させる。すなわち、脚部(40)の頂端部位(41)を取付孔(a1)内に当てがい、頭部(20)を適度に押圧すればよい。この時、脚部(40)の各弾性片(43)は、倒れた状態のヒンジ片(50)により支柱部(30)に連結されており、未だ拡開していない通常の状態にある。なお、板体(A)の取付孔(a1)の内径は、通常の状態にある各弾性片(43)の外壁が適度に密着し得る大きさに予め設定されている。
【0011】
続いて、留め具(10)の頭部(20)を更に強く押し、支柱部(30)を脚部(40)内側へ押圧して軸心方向に相対的に移動させる。すると、支柱部(30)と脚部(40)との軸心方向における相互の位置関係の変化に伴い、両者を連結している前記ヒンジ片(50)が起き上がるように変位し、各弾性片(43)が取付孔(a1)の内側にて外方へ拡開する。それにより、各弾性片(43)は自身の弾撥力に加えて、ヒンジ片(50)の付勢力により板体(A)の取付孔(a1)に強固に嵌着される。なお、支柱部(30)が脚部(40)内側へ押圧されて移動する際、支柱部(30)の先端側は頂端部位(41)の案内手段(42)に案内されるため、軸心方向にずれることがない。
【0012】
また、前記脚部(40)の各弾性片(43)の自由端側に、板体(A)の取付孔(a1)の外側に係合し弾性片(43)全体が取付孔(a1)内に入り込むのを防ぐフランジ(44)を形成すれば、板体(A)に仮留めされた状態の脚部(40)に対し、支柱部(30)を軸心方向に相対的に移動させることが容易にできる。
【0013】
また、支柱部(30)の基端側に、該支柱部(30)が脚部(40)内側へ押圧されて移動した時に各弾性片(43)の内側に圧接する凸部(33)を設ければ、各弾性片(43)の自由端側をも前記板体(A)の取付孔(a1)の内周縁側に強く付勢することができ、更に強力な取付強度を得ることができる。
さらにまた、支柱部(30)が脚部(40)内側へ押圧されて移動すると、支柱部(30)の先端側が、前記脚部(40)にある案内手段(42)に圧入する関係に設定するとよい。これにより、支柱部(30)と脚部(40)とはそれらの先端側においても相互に係合するから、使用中に支柱部(30)が脚部(40)外側へ戻る如く不用意に移動することがなく、より確実に脚部(40)は板体(A)の取付孔(a1)に嵌着される。
【0014】
板体(A)上に表出する留め具(10)の頭部(20)により被着部材(B)は係止されるが、被着部材(B)の修理等のために留め具(10)を板体(A)から外す必要が生じた場合、支柱部(30)を脚部(40)外側へと強く引っ張り、各弾性片(43)と支柱部(30)とを連結するヒンジ片(50)が支柱部(30)の軸心に対して起き上がった状態から再び倒れる状態へ変位させる。
【0015】
すると、各弾性片(43)はヒンジ片(50)につられて拡開しない通常の状態へ戻り、同期して支柱部(30)の係止部位(32)も脚部(40)の頂端部位(41)にある案内手段(42)から外れるため、脚部(40)を板体(A)の取付孔(a1)から引き抜くことができる。以上により、留め具(10)を繰り返し使用しても、引き抜き時に脚部(40)が板体(A)側から強い干渉を受けることがなく、一定した荷重を得られ、また荷重変化も少なくなる。
【0016】
【実施例】
以下、図面に基づき本発明の各種実施例を説明する。
図1〜図6は本発明の第1実施例を示している。
本実施例に係る留め具10は、板体として例えば車室内壁であるボディパネルAの表面に、被着部材として例えば車室内張用のトリムボードを成す装飾板Bを取付けるための部材である。
【0017】
かかる留め具10は、図1〜図3に示すように、ボディパネルA上に表出して装飾板Bを係止可能な頭部20と、該頭部20の下面側中心から延びる支柱部30と、該支柱部30の周囲に拡縮可能に配されてボディパネルAの取付孔a1に嵌合する脚部40とから成る。なお、留め具10は、例えばポリアミド樹脂やポリアセタール樹脂等の合成樹脂から一体成形されたものである。
【0018】
前記頭部20は、軸21の上端にその軸心と直交するよう円形に広がるヘッドフランジ22と、その下方に平行に形成された中間フランジ23と、更にその下方に平行に形成されたシールフランジ24とから成る。各フランジ22〜24は下方のもの程、大径となるように形成されている。また、ヘッドフランジ22と中間フランジ23との間には、装飾板Bを挟み得る隙間が設けられている。
【0019】
中間フランジ23の外周縁側は、斜め上方に延びてから再び下方へ折曲されており、装飾板Bの裏面に対し弾撥的に当接するための薄肉の弾接部位23aとして形成されている。また、シールフランジ24は、中間フランジ23と中心側が密着するよう形成されている。シールフランジ24の外周縁は斜め下方に延びており、ボディパネルAの表面に密接するように設定されている。
【0020】
前記支柱部30は、頭部20のシールフランジ24の下面側中心から軸21の軸心と一致するようにそのまま下方に延びている。この支柱部30の基端側は板状断面に形成されているが、その先端側は次第に先細となって細軸状になっている。また、支柱部30の基端側には、その側面に対して直角に延出し、テーパが施された凸部としてのリブ33が設けられている。一方、支柱部30の最先端は、次述する脚部40の係合孔42に案内されるガイド31となっており、そのやや上方には太径の係止部位32が形成されている。なお、リブ33や係止部位32の作用については後述する。
【0021】
前記脚部40は、支柱部30の先端側のガイド31が案内される案内手段としての係合孔42が形成された頂端部位41と、該頂端部位41より頭部20に向って延び、支柱部30を間にして相互に離隔し対向する一対の弾性片43とから成る。頂端部位41には、ボディパネルAの取付孔a1に案内されるようテーパが施されている。また、係合孔42の最も狭い口元の内径は、前述した支柱部30の係止部位32が十分に圧入し得る程度の大きさに設定されている。
【0022】
各弾性片43は、頂端部位41より頭部20に向って外方へ広がりつつ延び、それらの外壁は支柱部30を中心とする円弧形に加工されている。各弾性片43の外壁を含む円の大きさは、ボディパネルAの取付孔a1に無理なく嵌合し得るように設定されている。また、各弾性片43の自由端側の外壁には円周方向に沿って内側にくびれる溝45が形成されており、更に、自由端の先にはボディパネルAの取付孔a1の外側表面上に係合し弾性片43全体が取付孔a1内に入り込むのを防ぐフランジ44が形成されている。なお、前記溝45にボディパネルAの取付孔a1の内縁が丁度嵌合するようになっている。
【0023】
前記支柱部30と各弾性片43との略中間は、支柱部30が脚部40内側へ押圧され軸心方向に相対的に移動した時に、各弾性片43を外方へ拡開させる起倒可能なヒンジ片50により連結されている。すなわち、使用前の通常状態では、図1に示すようにヒンジ片50は支柱部30の途中から斜め下方に延びて弾性片43の内壁に斜めに連結する倒れた状態にあるが、図3に示すように支柱部30が脚部40内側へ相対的に移動すると、ヒンジ片50は支柱部30の軸心と略直交するよう起き上がり脚部40を外方へ拡開させるように設定されている。
【0024】
各弾性片43は、それぞれがヒンジ片50により個別に支柱部30に連結されている。また、ヒンジ片50により、支柱部30と脚部40とは互いに軸心方向に相対的に移動可能に一体的に連なっており、一部品として構成されている。なお、本実施例では弾性片43は一対であるが、必要とする荷重、取付強度等に応じて、2対にする等と適宜設定すればよい。
【0025】
次に作用を説明する。
留め具10を使用するときは、予め頭部20を装飾板Bを係止しておく。装飾板Bには図示省略したが、ヘッドフランジ22が挿通し得る大きさの大孔と挿通不能な小孔とが細溝により連なるアレイ状の取付孔が形成されており、その大孔にヘッドフランジ22を入れから軸21を小孔側に動かして強固に嵌合させればよい。図3に示すように、装飾板Bは、ヘッドフランジ22と中間フランジ23との間に挟まれるようになる。装飾板Bの裏面に対しては中間フランジ23の弾接部位23aが弾撥的に当接するため、ガタ付きは防止される。
【0026】
装飾板BをボディパネルAに取付けるには、先ず装飾板Bに係止された留め具10の脚部40をボディパネルAの取付孔a1に嵌合させる。すなわち、脚部40の頂端部位41を取付孔a1内に差し込み、留め方向に適度に押圧すればよい。この時、脚部40の各弾性片43は、倒れた状態のヒンジ片50により支柱部30に連結されており、未だ拡開していない通常の状態にある。
【0027】
脚部40を取付孔a1内に押込もうとすると、脚部40の各弾性片43にあるフランジ44が取付孔a1の外側表面上に当り、脚部40はそれ以上は取付孔a1内に入り込めずに止まる。このとき、各弾性片43の溝45にボディパネルAの取付孔a1の内縁が丁度嵌合する。このような状態から更に装飾板Bと共に頭部20を留め方向に押圧すると、頭部20より延びる支柱部30が脚部40内側へと軸心方向に相対的に移動する。
【0028】
すると、支柱部30と脚部40との軸心方向における相互の位置関係の変化に伴い、両者を連結しているヒンジ片50が主として弾性片43側の連結箇所を回転中心として起き上がるように変位し、各弾性片43を取付孔a1の内側にて外方へと拡開させる。それにより、各弾性片43は自身の弾撥力に加えて、ヒンジ片50の付勢力によりボディパネルAの取付孔a1に強固に嵌着される。
【0029】
しかも、前記各弾性片43の拡開と同時に、支柱部30の先端側にある係止部位32が脚部40の頂端部位41にある係合孔42に圧入する。図3に示すように、係合孔42の口元径は係止部位32の外径より若干小さく設定されており、更に係合孔42の内側は係止部位32とほぼ同一形状の球面になっているため、係合孔42に一旦圧入した係止部位32は抜き方向に引っ張られても、多少の力では係合孔42から抜け出すことができず、係合状態が維持される。
【0030】
従って、支柱部30と脚部40はそれらの先端側においても相互に係合するから、使用中に支柱部30が脚部40外側へ戻る如く不用意に移動することがなく、より確実に脚部40はボディパネルAの取付孔a1に嵌着される。なお、支柱部30が脚部40内側へ押圧されて移動する際、支柱部30のガイド31が係合孔42に案内されるため、軸心方向にずれない。更に、係止部位32と係合孔42との係合により、装飾板BはボディパネルAから一定の高さに固定できる。
【0031】
更にまた、図3に示すように留め具10の使用時には、支柱部30の基端側にあるリブ33が、各弾性片43の内側壁に圧接し、拡開された各弾性片43の自由端側をもボディパネルAの取付孔a1の内周縁に強く係合させることができ、各弾性片43が内側に復元するのをより確実に防止することができる。以上のような使用時には、シールフランジ24がボディパネルAの表面に圧着され、支柱部30の基端側より侵入してこようとする水や音を遮断できる。
【0032】
一方、装飾板Bの修理等のために留め具10をボディパネルAから外す場合には、装飾板Bと共に頭部20を、支柱部30の係止部位32と脚部40の係合孔42との係合力より強い力で抜き方向に引っ張ればよい。すると、係止部位32と係合孔42との係合状態が解除され、同期して、ヒンジ片50が支柱部30の軸心に対して起き上がった状態から再び倒れる状態へ変位しつつ、各弾性片43を軸心側に引き寄せるため、各弾性片43は拡開しない元の状態へ戻る。それにより、脚部40をボディパネルAの取付孔a1から容易に引き抜くことが可能となる。
【0033】
また再度、装飾板BをボディパネルAに取付ける場合には、前述した留め動作を繰り返せばよい。以上のように留め具10の一連の動きの中で、装飾板BをボディパネルAに固定する手段は、ヒンジ片50で脚部40の各弾性片43をそれぞれ拡開させて取付孔a1に密嵌させることであり、抜き方向への固定は係止部位32と係合孔42との係合力により固定するため、繰り返し使用しても、留め具10はボディパネルAの角部やプレスバリ等によって損傷を受けにくく、初期の荷重を余り損なうことがない。また、脚部40の弾性片43を取付孔a1に押し付けているため、ボディパネルAの厚みの変化に対し広範囲で固定できる。
【0034】
図7及び図8は本発明の第2実施例を示している。
本実施例に係る留め具10aは、その支柱部30、脚部40、及びヒンジ片50の構成が前述した第1実施例と共通するが、頭部20aの構成が第1実施例とは異なっている。また、ボディパネルCと装飾板Dの構成と、それらの取付態様も第1実施例とは異なる。
【0035】
図7及び図8に示すように、留め具10aは、その頭部20aがボディパネルC上のみならず装飾板D上にも表出するタイプのものであり、留め具10aの頭部20aが外側から見えるボタンクリップ類である。頭部20aは、支柱部30の基端より薄傘状の円形に広がるように形成された一つのフランジから成る。
【0036】
かかる留め具10aを使用する場合には、予めボディパネルCと装飾板Dとをそれらの取付孔が合致するように重ね合わせておき、留め具10の脚部40をパネルCと装飾板Dとの各取付孔にいっぺんに嵌合させるよう、頭部20aを留め方向へ押圧する。すると図7に示すように、各弾性片43の溝45に、パネルCと装飾板Dとの取付孔の内縁が丁度嵌合する。
【0037】
このような状態から更に頭部20aを留め方向に押圧すると、頭部20aより延びる支柱部30が脚部40内側へと軸心方向に相対的に移動して、前述した第1実施例の場合と同様に脚部40がパネルCに確実かつ強固に嵌着し、更に本実施例の場合には脚部40は装飾板Dに対しても嵌着され、かつ装飾板Dは頭部20aによってパネルC側に押圧され係止される。
【0038】
なお、頭部20aの構成は以上のものに限定されるわけではなく、要は使用時に、ボディパネルA,C上に表出して装飾板B,Dを係止可能な態様であればよい。また、他の部位の構成も図示したものに限定されるわけではない。
【0039】
【発明の効果】
本発明に係る留め具によれば、頭部を強く押して支柱部を脚部内側へ軸心方向に相対的に移動させた時に、ヒンジ片の変位により脚部の各弾性片が板体の取付孔の内側にて拡開するから、1部品としてまとめられてコストが低減され、しかも再使用のための着脱性能を何ら損なうことなく耐久性にも優れ、更に確実に板体に取付けられて、十分な取付強度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る留め具を示す正面図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る留め具を示す側面図である。
【図3】本発明の第1実施例に係る留め具の使用状態であってボディパネルに装飾板を完全に取付けた状態を示す断面図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】本発明の第1実施例に係る留め具を示す平面図である。
【図6】本発明の第1実施例に係る留め具を示す底面図である。
【図7】本発明の第2実施例に係る留め具をボディパネル及び装飾板に仮留めした状態を示す断面図である。
【図8】本発明の第2実施例に係る留め具の使用状態であってボディパネルに装飾板を完全に取付けた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
A,C…ボディパネル(板体)
a1…取付孔
B,D…装飾板(被着部材)
10,10a…留め具
20…頭部
30…支柱部
31…ガイド
32…係止部位
33…リブ
40…脚部
41…頂端部位
42…係合孔
43…弾性片
44…フランジ
50…ヒンジ片
Claims (3)
- 板体の表面に被着部材を取付けるための留め具であって、板体上に表出して被着部材を係止可能な頭部と、該頭部から延びる支柱部と、該支柱部の周囲に拡縮可能に配されて板体の取付孔に嵌合する脚部とから成る留め具において、
前記脚部は、前記支柱部の先端側が案内される係合孔が形成された頂端部位と、該頂端部位より前記頭部に向って延び、支柱部を間にして相互に離隔し対向する少なくとも一対の弾性片とから成り、
前記支柱部は、該支柱部の先端側よりやや前記頭部側に太径の係止部位を有し、
前記支柱部と各弾性片とは、使用前の通常状態では支柱部から斜め下方に延びて、各弾性片の内壁に斜めに連結する倒れた状態にあり、支柱部が脚部内側へ押圧され軸心方向に相対的に移動した時に、支柱部の軸心と略直交するように起きあがり、その起きあがった状態で各弾性片を外方へ拡開保持する、起倒可能なヒンジ片により相互に連結しており、
前記係合孔の口元径は、前記係止部位の外径より若干小さく設定されており、
前記支柱部が前記脚部内側へ押圧され軸心方向に相対的に移動した状態で、前記各弾性片の拡開とともに、前記係止部位が、前記係合孔に圧入するようにしたことを特徴とする留め具。 - 前記脚部の各弾性片の自由端側に、前記板体の取付孔の外側に係合し弾性片全体が取付孔内に入り込むのを防ぐフランジが形成されていることを特徴とする請求項1記載の留め具。
- 前記支柱部の基端側に、該支柱部が脚部内側へ押圧されて移動した時に各弾性片の内側に圧接して各弾性片を前記板体の取付孔の内周縁に付勢する凸部を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の留め具。
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