JP3633075B2 - 流体封入式筒型マウント装置およびその製造方法 - Google Patents

流体封入式筒型マウント装置およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、内部に封入された流体の流動作用に基づいて所定の防振効果を得るようにした流体封入式筒型マウント装置とその製造方法に係り、特に、合成樹脂製の筒状ブラケットを備えた流体封入式筒型マウント装置およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装される防振連結体の一種として、軸部材と、その外方に所定距離を隔てて配された中間スリーブを、本体ゴム弾性体によって連結する一方、本体ゴム弾性体にポケット部を設けて中間スリーブに設けられた窓部を通じて外周面に開口せしめると共に、中間スリーブにアウタスリーブを外挿し、該アウタスリーブをシールゴム層を介して中間スリーブに嵌着せしめて窓部を流体密に閉塞することにより、内部に非圧縮性流体が封入された流体室を形成したマウント本体に対して、合成樹脂製の筒状ブラケットを外挿せしめて、アウタスリーブに固定的に取り付けてなる構造の流体封入式筒型マウント装置が、知られている。
【0003】
このようなマウント装置では、振動入力時に流動せしめられる封入流体の共振作用等の流動作用に基づいて、優れた減衰効果や低動ばね効果を得ることが出来るのであり、自動車用エンジンマウントやボデーマウント,デフマウント,サスペンションブッシュ等に、好適に採用され得る。
【0004】
ところで、かくの如きマウント装置においては、優れた耐久性と信頼性および耐荷重性を実現するために、簡単な構造と良好なる製作性を確保しつつ、流体室の流体密性を向上せしめることが要求されている。
【0005】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、構造や製作性の複雑化を伴うことなく、流体室の流体密性が向上せしめられる、改良された構造の流体封入式筒型マウント装置と、その製造方法を提供することにある。
【0006】
【解決手段】
そして、かかる課題を解決するために、流体封入式筒型マウント装置に関する本発明の特徴とするところは、軸部材と、該軸部材の外方に所定距離を隔てて配された中間スリーブを、本体ゴム弾性体によって連結する一方、該本体ゴム弾性体にポケット部を設けて該中間スリーブに設けられた窓部を通じて外周面に開口せしめると共に、該中間スリーブにアウタスリーブを外挿し、該アウタスリーブをシールゴム層を介して該中間スリーブに嵌着せしめて該窓部を流体密に閉塞することにより、内部に非圧縮性流体が封入された流体室を形成したマウント本体に対して、合成樹脂製の筒状ブラケットが装着され、前記アウタスリーブに固定的に取り付けられている流体封入式筒型マウント装置において、前記筒状ブラケットが、前記アウタスリーブの外周面上で形成されて、形成と同時に前記マウント本体に組み付けられていると共に、該筒状ブラケットの成形樹脂圧力が、前記シールゴム層に対して、直接的に又は間接的に、圧縮力として及ぼされていることにある。
【0007】
なお、ポケット部によって形成された流体室は、単一であっても良いが、流体流動を効率的に生ぜしめて流体の共振作用に基づく防振効果を有効に得るためには、二つ以上の流体室を形成し、それらをオリフィス通路によって相互に連通させることが望ましい。また、流体室に封入される非圧縮性流体は、特に限定されるものでないが、流体の共振作用に基づく防振効果を有効に得るためには、0.1Pa・s以下の粘性率を有する低粘性流体を採用することが望ましい。
【0008】
また、筒状ブラケットの成形樹脂圧力に基づく圧縮力は、筒状ブラケットがシールゴム層に直接に圧接されること等によって、シールゴム層に対して直接的に及ぼされていても良く、或いは、筒状ブラケットがシールゴム層に他部材を介して間接に圧接されること等によって、シールゴム層に対して間接的に及ぼされていても良い。
【0009】
さらに、アウタスリーブの材質は、特に限定されるものでなく、金属製や合成樹脂製のもの等が適宜に採用される。また、アウタスリーブの外周面に接着処理を施して、筒状ブラケットに接着するようにしても良い。
【0010】
このような本発明に従う構造とされた流体封入式筒型マウント装置においては、筒状ブラケットの成形時における樹脂材料の充填圧がシールゴム層に及ぼされることから、特別な部材等を必要とすることなく、筒状ブラケットの成形樹脂圧力を有効に利用して、シール性ひいては流体密性の向上が図られ得るのである。
【0011】
また、かかる流体封入式筒型マウント装置においては、筒状ブラケットの成形樹脂圧力を利用して、流体室の流体密性が確保されることから、中間スリーブに外挿したアウタスリーブを八方絞り加工等で縮径することが必ずしも必要でなくなり、それによって製作性の向上も達成される。
【0012】
なお、シールゴム層は、アウタスリーブの内周面に固着されていても良いが、中間スリーブの外周面に固着形成することが望ましく、シールゴム層を本体ゴム弾性体と一体形成することによって、より一層の構造の簡略化と製作性の向上が図られ得る。
【0013】
ところで、本発明に従う流体封入式筒型マウント装置においては、前記した構成に加えて、更に、筒状ブラケットの軸方向両端部において、アウタスリーブよりも軸直角方向内方にまで延び出す環状の内方突部が一体形成されて、該内方突部の内周側端縁部が中間スリーブの軸方向端面上に位置せしめられると共に、かかる筒状ブラケットの成形樹脂圧力によって該内方突部がシールゴム層の軸方向端面に圧接されて、該シールゴム層に圧縮力が及ぼされる。
【0014】
このような構成に従えば、筒状ブラケットの成形樹脂圧力が、内方突部によって、シールゴム層の軸方向端面に対して直接的に作用せしめられて、シールゴム層に圧縮力が及ぼされることとなる。また、筒状ブラケットにおける内方突部の内周側端縁部が中間スリーブの軸方向端面上に位置せしめられることから、筒状ブラケットの成形型を中間スリーブの軸方向端面に当接させて成形バリの発生を有利に防止することが出来る。更にまた、筒状ブラケットにおける内方突部の中間スリーブ軸方向端面への係止作用によって、筒状ブラケットの中間スリーブに対する軸方向変位が防止されることから、マウント装置の軸方向耐荷重性能の向上も図られ得る。
【0015】
さらに、本発明に従う流体封入式筒型マウント装置においては、前記した構成に加えて、中間スリーブの軸方向両端面上に、軸直角方向内方に向かう段差面が形成されると共に、筒状ブラケットの内方突部における内周端縁部が、該段差面よりも軸直角方向内方に位置せしめられて該段差面に係合せしめられる。
【0016】
このような構成に従えば、中間スリーブの段差面に対して筒状ブラケットの内方突部が係合されることによって、筒状ブラケットの中間スリーブに対する軸直角方向変位も防止されることから、シールゴム層に及ぼされる作用圧力の安定化が図られて、振動荷重入力時等においても一層安定した流体密性が発揮されるのである。なお、特に、このような記載の構成を採用する場合には、合成樹脂製の中間スリーブが好適に用いられ、それによって、中間スリーブの軸方向端面上に段差面を容易に形成することが出来る。
【0017】
また、本発明の好ましい態様においては、請求項に記載されているように、アウタスリーブの軸方向長さが中間スリーブよりも短くされて、該中間スリーブの軸方向両端部の外周面上に設けられたシールゴム層の外周面に、筒状ブラケットの内周面が直接に圧接されることにより、筒状ブラケットの成形樹脂圧力によってシールゴム層に圧縮力が及ぼされる。
【0018】
このような構成に従えば、筒状ブラケットの成形樹脂圧力が、シールゴム層の外周面に対して直接的に作用せしめられて、シールゴム層に圧縮力が及ぼされることとなり、筒状ブラケットのシールゴム層に対する直接的な圧接面を有利に確保することが可能となる。なお、シールゴム層の外周面には、筒状ブラケットの形成前に、必要に応じて接着剤を塗布して、筒状ブラケットに接着せしめることも可能である。
【0019】
また、本発明の好ましい態様においては、請求項に記載されているように、アウタスリーブが合成樹脂製とされ、該アウタスリーブの外周面に筒状ブラケットの成形樹脂圧力が及ぼされて該アウタスリーブが縮径されることにより、該アウタスリーブがシールゴム層の外周面に圧接されて、該シールゴム層に圧縮力が及ぼされる。
【0020】
このような構成に従えば、筒状ブラケットの成形樹脂圧力が、アウタスリーブを介し、シールゴム層の外周面に対して間接的に作用せしめられて、シールゴム層に圧縮力が及ぼされることとなる。即ち、筒状ブラケットの成形樹脂圧力によって、アウタスリーブに対して実質的な絞り効果が作用せしめられて、中間スリーブとアウタスリーブの間でシールゴム層が挟圧されることによって、優れた流体密性が発揮されるのである。
【0021】
また、本発明の好ましい態様においては、請求項に記載されているように、中間スリーブの軸方向両端部がアウタスリーブから軸方向外方に突出せしめられて、かかる中間スリーブの軸方向突出端部の外周面に対して、筒状ブラケットの内周面が直接に接着される。
【0022】
このような構成に従えば、筒状ブラケットの成形樹脂圧力がシールゴム層に圧縮力として及ぼされて、シールゴム層によるシール性が発揮されることに加えて、筒状ブラケットが中間スリーブに直接に接着されることによって、二重のシール機構が実現されるのであり、流体密性の更なる向上が図られ得る。
【0023】
また、本発明の好ましい態様においては、請求項に記載されているように、前記請求項6に記載された態様のマウント装置において、中間スリーブが合成樹脂製とされると共に、該中間スリーブにおける前記軸方向突出端部の外周面にプラズマ処理が施されて、かかる軸方向突出端部の外周面上で筒状ブラケットが直接形成されることによって、該筒状ブラケットの内周面が該軸方向突出端部の外周面に対して直接に接着せしめられる。
【0024】
このような構成に従えば、中間スリーブの樹脂材質に拘わらず、中間スリーブと筒状ブラケットの接着力を確保することが出来るのであり、特別な接着剤を使用する必要もないといった利点がある。
【0025】
なお、本発明の好ましい態様においては、請求項に記載されているように、アウタスリーブが合成樹脂製とされ、該アウタスリーブの外周面に凹凸が形成されて、該凹凸が筒状ブラケットに係合せしめられることにより、筒状ブラケットのアウタスリーブに対する相対移動を規制する係合機構が設けられる。
【0026】
このような構成に従えば、筒状ブラケットの中間スリーブに対する軸方向又は周方向の相対変位が防止されることから、マウント装置の耐荷重性能の向上や耐久性の向上等が図られ得る。
【0027】
さらに、前述の如き課題を解決するために、流体封入式筒型マウント装置の製造方法に関する本発明の特徴とするところは、請求項3に記載の流体封入式筒型マウント装置を製造する方法にして、前記アウタスリーブを合成樹脂材料にて形成する一方、前記軸部材と前記中間スリーブが前記本体ゴム弾性体によって連結された一体加硫成形品を前記非圧縮性流体中に浸漬せしめて、かかる非圧縮性流体中で該中間スリーブに該アウタスリーブを外挿することにより、前記窓部を仮シールして前記流体室に該非圧縮性流体を封入した後、該一体加硫成形品を該非圧縮性流体中から取り出して前記筒状ブラケットの成形型にセットし、該アウタスリーブの外周面上に前記筒状ブラケットを形成することにより、該筒状ブラケットの成形樹脂圧力によって該アウタスリーブを縮径せしめて前記シールゴム層の外周面に圧接し、前記窓部を本シールすることにある。
【0028】
このような本発明方法に従えば、非圧縮性流体中でアウタスリーブを中間スリーブに外挿するだけの簡単な作業によって、非圧縮性流体中での八方絞り加工等の面倒な作業を必要とすることなく、非圧縮性流体を流体室に封入することが出来るのであり、しかも、その後、筒状ブラケットの成形樹脂圧力を利用してアウタスリーブをシールゴム層に密着させることによって、筒状ブラケットの形成と同時に、特別な作業を必要とすることなく、優れた流体密性が実現されることとなる。
【0029】
従って、本発明方法によれば、簡単な製作性と良好なコスト性をもって、優れた流体密性を有する流体封入式筒型マウント装置を製造することが出来るのである。
【0030】
【発明の実施の形態・実施例】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0031】
先ず、図1及び図2には、本発明の第一の実施例としての自動車用エンジンマウント10が、示されている。このエンジンマウント10は、軸部材としての内筒金具12と、アウタスリーブとしての外筒部材14が、本体ゴム弾性体16によって連結されると共に、外筒部材14の外周面に筒状ブラケット18が嵌着固定された構造を有しており、図示しないパワーユニットとボデーの何れか一方に対して内筒金具12が取り付けられると共に、パワーユニットとボデーの何れか他方に対して外筒部材14が筒状ブラケット18を介して取り付けられることにより、パワーユニットとボデーの間に介装されて、パワーユニットをボデーに対して防振支持せしめるようになっている。なお、そのような装着状態下、エンジンマウント10には、パワーユニット重量が及ぼされることによって、本体ゴム弾性体16が弾性変形せしめられて、内筒金具12と外筒部材14が略同一軸上に位置せしめられると共に、かかるパワーユニット荷重の略入力方向(図1中、上下方向)に、防振すべき主たる振動荷重が入力されることとなる。
【0032】
より詳細には、内筒金具12は、小径の円筒形状を有している。また、内筒金具12の径方向外方には、所定距離を隔てて且つ所定量だけ偏心して、薄肉円筒形状の中間スリーブ20が配設されている。なお、本実施例では、内筒金具12と中間スリーブ20が、何れも、鉄等の金属材料にて形成されている。そして、これら内筒金具12と中間スリーブ20の間に、全体として略厚肉円筒形状の本体ゴム弾性体16が介装されており、本体ゴム弾性体16の内周面に内筒金具12が、外周面に中間スリーブ20が、それぞれ加硫接着された一体加硫成形品21とされている。
【0033】
また、中間スリーブ20には、第一の窓部22と第二の窓部24が、内筒金具12との偏心方向で対向位置して形成されていると共に、本体ゴム弾性体16には、これらの窓部22,24を通じて外周面に開口する第一のポケット部26と第二のポケット部28が設けられている。なお、内筒金具12と中間スリーブ20の偏心方向における離隔距離の大なる側に形成された第一のポケット部26には、底部中央において、内筒金具12側から突出する第一のストッパ部30が設けられている。また、内筒金具12と中間スリーブ20の偏心方向における離隔距離の小なる側に形成された第二のポケット部28の底壁部は、本体ゴム弾性体16を貫通して形成されたスリット32によって薄肉化されて変形容易な可撓性膜34とされていると共に、第二のポケット部28の開口部の周方向中央部分には、中間スリーブ20における第二の窓部24の周縁部間を軸方向に跨いで延びて、内筒金具12に対してスリット32を挟んで径方向に対向位置する第二のストッパ部36が設けられている。
【0034】
さらに、中間スリーブ20には、その外周面を略全面に亘って覆う薄肉のシールゴム層38が設けられて、加硫接着されている。なお、本実施例では、かかるシールゴム層38が、本体ゴム弾性体16と一体形成されている。
【0035】
また、中間スリーブ20の軸方向中央部分には、シールゴム層38によって、第一の窓部22と第二の窓部24の間をそれぞれ周方向に延びる凹溝40,40が形成されており、これらの凹溝40,40によって、第一のポケット部26と第二のポケット部28が接続されている。
【0036】
さらに、このような一体加硫成形品21には、薄肉の円筒形状を有する外筒部材14が外挿されて、中間スリーブ20の外周面に嵌着されている。これにより、中間スリーブ20における第一及び第二の窓部22,24が外筒部材14によって覆蓋されて、内部に所定の非圧縮性流体が封入された受圧室44および平衡室46が形成されていると共に、一体加硫成形品21に形成された凹溝40,40が外筒部材14によって覆蓋されて、受圧室44と平衡室46の間での流体流動を許容するオリフィス通路48,48が形成されている。なお、封入流体としては、水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリコール,シリコーン油等が採用され得、特に流体の共振作用に基づく防振効果を有利に得るためには、0.1Pa・s以下の粘性率を有する低粘性流体が好適に採用される。
【0037】
すなわち、外筒部材14が一体加硫成形品21に組み付けられることにより、それぞれ内部に所定の非圧縮性流体が封入された受圧室44と平衡室46を備え、内筒金具12と外筒部材14の間に振動が入力せしめられた際、それら受圧室44と平衡室46の間でオリフィス通路48,48を通じて流動せしめられる流体の流動作用に基づいて所定の防振効果を発揮し得るマウント本体50が構成されているのである。
【0038】
ここにおいて、本実施例では、外筒部材14として、繊維補強されたポリアミド樹脂等のような適当な強度を有する合成樹脂製のものが採用されている。また、かかる外筒部材14の一体加硫成形品21への組み付けは、別形成された一体加硫成形品21と外筒部材14を、それぞれ非圧縮性流体中に浸漬せしめて、非圧縮性流体中で、外筒部材14を一体加硫成形品21の中間スリーブ20に外挿することによって、行われている。また、外筒部材14は、中間スリーブ20の外周面に設けられたシールゴム層38の外径寸法よりも僅かに小さな内径寸法を有しており、一体加硫成形品21に外挿されることによって、外筒部材14がシールゴム層38の外周面に密接せしめられ、特別な外力が作用しない状態下では、第一及び第二のポケット部26,28が外筒部材14によって流体密に覆蓋されて仮シールされることにより、受圧室44および平衡室46の流体密性が確保されるようになっている。なお、中間スリーブ20に対する外筒部材14の外挿を容易とするためには、例えば、シールゴム層38の外周面や外筒部材14の内周面における軸方向一方の端部にテーパを付することも、有効である。
【0039】
さらに、外筒部材14の外周面には、適当な強度を有する合成樹脂製の筒状ブラケット18が外嵌固定されて装着されている。この筒状ブラケット18は、略厚肉円筒形状の筒体部52と、該筒体部52の外周面上から両側に延び出した平板形状の取付脚部54,54を一体的に備えていると共に、取付脚部54に対して取付用金属リング56が固着されている。そして、かかる筒状ブラケット18は、筒体部52が外筒部材14の外周面に固着される一方、取付脚部54,54に固着された金属リング56に挿通されるボルト等によって、図示しないパワーユニット又はボデーに固着されるようになっている。なお、筒体部52と取付脚部54,54の間には、補強リブ58が立設されている。
【0040】
ここにおいて、筒状ブラケット18は、マウント本体50の外周面を成形面の一部として形成されている。具体的には、筒状ブラケット18の成形型に対して、筒体部52の成形キャビティの中央部分にマウント本体50をセットすると共に、取付板部54の成形キャビティ内に取付用金属リング56をセットせしめて、かかる成形キャビティに所定の樹脂材料を注入充填することによって、それらマウント本体50と取付用金属リング56を鋳包むようにして筒状ブラケット18が形成されており、かかる筒状ブラケット18が、その形成と同時に、マウント本体50に対して組み付けられているのである。なお、筒状ブラケット18の形成に先立って、マウント本体を構成する外筒部材14の外周面には、必要に応じて、接着剤塗布等の適当な接着処理が施され、筒状ブラケット18に対する固着強度の向上が図られる。
【0041】
このようにして筒状ブラケット18が形成されることにより、その成形時において、筒状ブラケット18の成形キャビティに対する成形樹脂材料の充填圧が、マウント本体50を構成する外筒部材14の外周面に対して、縮径力として及ぼされることとなる。そして、本実施例では、外筒部材14が、合成樹脂材料製の薄肉円筒形状とされていることから、成形樹脂材料の充填圧によって縮径され、シールゴム層38の外周面に密着されているのであり、以て、中間スリーブ20と外筒部材14の間でシールゴム層38が挟圧されて流体密に本シールされることによって、振動等の外的荷重の作用時においても受圧室44と平衡室46における流体密性が十分に確保されるようになっているのである。
【0042】
また、特に本実施例では、図3にも示されているように、筒状ブラケット18の軸方向長さが中間スリーブ20や外筒部材14よりも長くされており、該筒状ブラケット18の軸方向両端部からそれぞれ径方向内方に向かって突出し、外筒部材14の軸方向端面を覆って中間スリーブ20の軸方向端面上にまで至る円環形状の内方突部60,60が、一体形成されている。そして、この内方突部60は、中間スリーブ20と外筒部材14の間に介在せしめられたシールゴム層38の軸方向端面に対して、直接に当接されており、筒状ブラケット18の成形時に、成形樹脂材料の充填圧が、シールゴム層38の軸方向端面に対して直接に及ぼされるようになっている。
【0043】
要するに、本実施例では、筒状ブラケット18の成形樹脂材料の充填圧が、シールゴム層38の外周面に対し、外筒部材14を介して間接的に作用せしめられると共に、シールゴム層38の軸方向端面に対し、内方突部60によって直接的に作用せしめられるのであり、それによって、シールゴム層38に有効な圧縮力が及ぼされて、該シールゴム層38による中間スリーブ20と外筒部材14の間のシール性が有利に確保され得るのである。
【0044】
しかも、内方突部60によって、筒状ブラケット18における筒体部52の内周側端縁部が、中間スリーブ20の軸方向端面上に位置せしめられていることから、筒状ブラケット18の成形型を中間スリーブ20の軸方向端面に当接させて成形キャビティの型合わせ面を構成することが出来るのであり、それによって、筒体部52の内周側端縁部を有利に噛み切ってバリ等の発生を防止することが出来るのである。
【0045】
従って、上述の如き構造とされたエンジンマウント10においては、特別な部材等を必要とすることなく、筒状ブラケットの成形樹脂圧力を有効に利用して、受圧室44および平衡室46における流体密性の向上が図られるのであり、優れた流体密性を有する流体封入式のエンジンマウント10を、八方絞り加工等の面倒な作業を必要とすることなく、容易に且つ優れた生産性をもって製造することが出来るのである。
【0046】
また、本実施例のエンジンマウント10においては、筒状ブラケット18の内方突部60,60によって、中間スリーブ20および外筒部材14の筒状ブラケット18に対する軸方向の相対変位が阻止されることから、軸方向の耐荷重性能も有利に確保され得るのである。
【0047】
次に、図4及び図5には、本発明の第二の実施例としてのエンジンマウント64が示されている。なお、本実施例は、第一の実施例に比して、主に中間スリーブの別の構造例を示すものであり、第一の実施例と同様な構造とされた部材および部位については、それぞれ、図面中に第一の実施例と同一の符号を付することにより、詳細な説明を省略する。
【0048】
すなわち、本実施例のエンジンマウント64においては、繊維補強されたポリアミド樹脂等の適当な強度の樹脂材料によって形成された中間スリーブ66が採用されており、第一の実施例と同様、本体ゴム弾性体16の外周面に加硫接着されている。
【0049】
そして、中間スリーブ66が合成樹脂製とされていることから、金属製の中間スリーブを採用した第一の実施例に比して、中間スリーブ66の形状の設計自由度が有利に確保されるのであり、本実施例では、内筒金具12を挟んで主たる振動入力方向で対向位置する両側部分が径方向内方に厚肉化されることによって、内筒金具12側に向かって突出して、該内筒金具12側への当接によって本体ゴム弾性体16の変形量を制限する第一のストッパ部68と第二のストッパ部70が一体的に形成されている。
【0050】
また、中間スリーブ66は、第一の実施例の中間スリーブよりも全体的に厚肉とされており、図6にも示されているように、軸方向両端部の内周側の軸方向長さが短くされて、厚さ方向の中間部分に位置して径方向内方に向かう円環状の段差面72が形成されている。そして、筒状ブラケット18の内方突部60の先端部分が、この中間スリーブ66の段差面72よりも径方向内方にまで延び出されており、内方突部60の先端部分において、段差面72に係合する環状係合片74が一体形成されている。
【0051】
更にまた、中間スリーブ66の外周面には、螺旋状等の適当な形態をもって周方向に延びる凹溝7が形成されており、この凹溝76が外筒部材14で覆蓋されることによって、受圧室44と平衡室46を相互に連通するオリフィス通路48が、第一の実施例よりも長い流路長さで形成されている。
【0052】
なお、本実施例では、第一のポケット部26が、本体ゴム弾性体16における内筒金具12と中間スリーブ66の偏心方向における離隔距離の大なる側を軸直角方向に貫通して延びるトンネル形状をもって形成されており、中間スリーブ66の周壁部で周方向に所定距離を隔てて設けられた一対の第二の窓部75,75を通じて外周面に開口せしめられていると共に、第一の実施例と同様、外筒部材14によって第二の窓部75,75が覆蓋されることにより、受圧室44が構成されている。
【0053】
このような構造とされたエンジンマウント64においては、前記第一の実施例と同様な効果が何れも有効に発揮されることに加えて、中間スリーブ66の段差面72に対して筒状ブラケット18の環状係合片74が係止されることにより、中間スリーブ66に対する筒状ブラケット18の相対変位が、軸方向だけでなく軸直角方向においても阻止されることから、荷重入力時等においても、中間スリーブ66と外筒部材14の間に介装されたシールゴム層38に対して安定した圧縮力が及ぼされることとなり、より一層安定したシール性能が発揮されるのである。
【0054】
さらに、図7〜10には、それぞれ、本発明の別の実施例の要部拡大図が示されている。なお、図7〜10は、何れも、第一実施例における第3図に対応する図であって、第一実施例と同様な構造とされた部材および部位については、それぞれ、図中に第一実施例と同一の符号を付することにより、詳細な説明を省略する。
【0055】
先ず、図7に示された実施例においては、外筒部材14の軸方向長さが中間スリーブ20よりも短くされており、中間スリーブ20に外筒部材14を外挿せしめた状態下でも、中間スリーブ20の外周面を略全面に亘って覆うように形成されたシールゴム層38の外周面が、外筒部材14の軸方向両側において、周方向に連続して露呈せしめられている。そして、このシールゴム層38の露呈外周面80に対して、筒状ブラケット18の筒体部52の内周面が直接に密着されている。なお、シールゴム層38の露呈外周面80には、筒状ブラケット18の形成前に、必要に応じて、接着剤塗布等の適当な接着処理が施される。なお、中間スリーブ20は、金属製であっても合成樹脂製であっても良い。
【0056】
このような構造を採用すれば、筒状ブラケット18の成形時に、該筒状ブラケット18の成形樹脂圧力が、外筒部材14を介することなく、シールゴム層38の露呈外周面80に対して直接に作用せしめられるのであり、それによって、シールゴム層38に対してより有効な圧縮力が及ぼされてシール性の向上が図られるのである。
【0057】
また、図8に示された実施例においては、中間スリーブ20が合成樹脂製とされていると共に、該中間スリーブ20の軸方向両端部が、シールゴム層38および外筒部材14から軸方向外方に所定長さで延び出させられて、その外周面が周方向に連続して露呈せしめられている。そして、この中間スリーブ20の軸方向両側の露呈外周面82に対して、筒状ブラケット18の筒体部52の内周面が直接に密接されて接着されている。
【0058】
ここにおいて、中間スリーブ20の軸方向両側の露呈外周面82に対する筒状ブラケット18の接着は、例えば、露呈外周面82に適当な接着剤を塗布した後、該露呈外周面82を成形面の一部として筒状ブラケット18を形成することによって接着することも可能であるが、その他、筒状ブラケット18の形成前に、露呈外周面82にプラズマ処理を施して表層面を改質乃至は活性化し、その後に、前記実施例と同様、露呈外周面82を成形面の一部として筒状ブラケット18を形成することによって接着することも可能である。このようにプラズマ処理を利用すれば、中間スリーブ20を形成する樹脂材料の種類に拘わらず、また接着剤を必要とすることなく、露呈外周面82に筒状ブラケット18を接着することが出来るのである。
【0059】
そして、このような構造を採用すれば、中間スリーブ20の軸方向両端部が、筒状ブラケット18に対して直接に接着せしめられることから、受圧室44および平衡室46が、シールゴム層38によるシール部分と、中間スリーブ20と筒状ブラケット18の接着部分とによって、外部空間に対して二重にシールされることとなり、それによって、一層優れた流体密性が発揮されるのである。
【0060】
次に、図9に示された実施例においては、中間スリーブ20の軸方向両端部に、前記第二の実施例と同様な段差面72が形成されて、かかる段差面72に対して、筒状ブラケット18に一体形成された環状係合片74が係合せしめられていると共に、中間スリーブ20の軸方向両端部の外径寸法が大きくされて、中間スリーブ20の軸方向中央部分の外周面に環状の段差面84が形成されている。また、この段差面84を含む、中間スリーブ20の軸方向両側の大径部分の外周面は、シールゴム層38や外筒部材14で覆われることなく直接に露呈されている。そして、かかる露呈外周面(段差面84を含む)86に対して、図8に示された実施例と同様、筒状ブラケット18の筒体部52が直接に接着されていると共に、段差面84に対して係合する環状係合突起88が、筒状ブラケット18の筒体部52に一体形成されている。なお、中間スリーブ20は、金属製であっても良いが、製作性やコスト性等の点から、合成樹脂製のものが好ましい。
【0061】
このような構造を採用すれば、図8に示された実施例と同様、受圧室44および平衡室46が二重にシールされて優れた流体密性が発揮されると共に、筒状ブラケット18に形成された環状係合片74と環状係合突起88が中間スリーブ20に係合して、該中間スリーブ20に対する筒状ブラケット18の軸方向および軸直角方向の相対変位が阻止されることから、優れた耐荷重性能とより安定したシール性能が発揮されるのである。
【0062】
さらに、図10に示された実施例においては、外筒部材14の外周上に突出する複数の突起90が一体形成されている。なお、かかる突起90の形状は任意に設計されるものであり、周方向及び/又は軸方向に連続乃至は非連続とされた各種の形状をもって形成され得る。そして、外筒部材14の外周面を成形面の一部として筒状ブラケット18が形成されることによって、筒状ブラケット18には、外筒部材14の突起90に対応した形状の凹部が形成されて、突起90に嵌合せしめられている。
【0063】
このような構造を採用すれば、外筒部材14における突起90の筒状ブラケット18に対する嵌合作用により、外筒部材14と筒状ブラケット18の相対変位が阻止されることから、外筒部材14に対して特別な接着処理を施すことなく、外筒部材14を筒状ブラケット18に対して強固に固着せしめて、優れた耐荷重性能を得ることが出来るのである。なお、このことから明らかなように、本実施例では、突起90と筒状ブラケット18の嵌合構造によって係合機構が構成されている。
【0064】
なお、特に本実施例では、外筒部材14の軸方向中央部分だけに突起90が形成されており、外筒部材14の軸方向両端部には、筒状ブラケット18の成形樹脂圧力による縮径が安定して生ぜしめられるようになっている。また、本実施例では、シールゴム層38の軸方向端面が、中間スリーブ20および外筒部材14の軸方向端面よりも所定量だけ軸方向内方に引っ込んで位置せしめられて、中間スリーブ20と外筒部材14の間で軸方向に開口する環状凹部92が形成されており、かかる環状凹部92に入り込んで係合する環状係合片94が筒状ブラケット18に一体形成されることによって、中間スリーブ20および外筒部材14に対する筒状ブラケット18の相対変位も防止されるようになっている。
【0065】
以上、本発明の実施例について詳述してきたが、これらは文字通りの例示であって、本発明は、かかる具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0066】
例えば、外筒部材14を鉄等の金属材料にて形成することも可能である。なお、金属製の外筒部材を採用する場合には、筒状ブラケット18の成形樹脂圧力によって外筒部材を縮径させることは難しくなるが、例えば、第一実施例のように、シールゴム層38の軸方向端面に当接する内方突部60を筒状ブラケット18に設けて、筒状ブラケット18の成形樹脂圧力をシールゴム層38の軸方向端面に直接に作用せしめたり、或いは図7に示されているように、シールゴム層38に露呈外周面80を設けて、筒状ブラケット18の成形樹脂圧力をシールゴム層38の外周面に直接に作用せしめたりすること等によって、シールゴム層38に圧縮力を及ぼして有効な流体密性を得ることが可能である。
【0067】
また、シールゴム層38に対して、筒状ブラケット18の成形樹脂圧力による圧縮力が有効に及ぼされる限り、筒状ブラケット18における内方突部60は、必ずしも形成する必要はない。
【0068】
更にまた、流体室やオリフィス通路の構造は、マウント要求特性等に応じて適宜に変形されるものであり、前記実施例のものに限定されるものでない。例えば、一つ或いは三つ以上の流体室を有するマウント装置や、高粘性流体を封入して減衰効果を得るようにしたマウント装置等にも、本発明は適用可能である。
【0069】
また、筒状ブラケットの具体的構造も、マウントが装着される部材の形状等に応じて適宜に変形されるものであり、前記実施例のものに限定されるものでない。例えば、装着孔に圧入固定されるような場合には、取付板部54を有しない筒体形状のブラケット構造等が採用される。
【0070】
加えて、本発明は、自動車用エンジンマウントの他、ボデーマウントやデフマウント、或いは自動車以外の各種のマウント装置に対しても同様に適用可能である。
【0071】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【0072】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明に従えば、筒状ブラケットの成形樹脂圧力を利用してシールゴム層に圧縮力が及ぼされることから、特別な部品点数や製作工程の増加を伴うことなく、流体室のシール性が有利に確保され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例としてのエンジンマウントを示す横断面図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】図2におけるa部を拡大して示す説明図である。
【図4】本発明の第二の実施例としてのエンジンマウントを示す横断面図である。
【図5】図4におけるV−V断面図である。
【図6】図5におけるa部を拡大して示す説明図である。
【図7】本発明の別の実施例の要部断面を拡大して示す説明図である。
【図8】本発明の更に別の実施例の要部断面を拡大して示す説明図である。
【図9】本発明の更に別の実施例の要部断面を拡大して示す説明図である。
【図10】本発明の更に別の実施例の要部断面を拡大して示す説明図である。
【符号の説明】
10,64 エンジンマウント
12 内筒金具
14 外筒部材
16 本体ゴム弾性体
18 筒状ブラケット
20,66 中間スリーブ
38 シールゴム層
44 受圧室
46 平衡室
48 オリフィス通路
50 マウント本体
60 内方突部

Claims (7)

  1. 軸部材と、該軸部材の外方に所定距離を隔てて配された中間スリーブを、本体ゴム弾性体によって連結する一方、該本体ゴム弾性体にポケット部を設けて該中間スリーブに設けられた窓部を通じて外周面に開口せしめると共に、該中間スリーブにアウタスリーブを外挿し、該アウタスリーブをシールゴム層を介して該中間スリーブに嵌着せしめて該窓部を流体密に閉塞することにより、内部に非圧縮性流体が封入された流体室を形成したマウント本体に対して、合成樹脂製の筒状ブラケットが装着され、前記アウタスリーブに固定的に取り付けられている流体封入式筒型マウント装置において、
    前記筒状ブラケットが、前記アウタスリーブの外周面上で形成されて、その形成と同時に前記マウント本体に組み付けられていると共に、該筒状ブラケットの成形樹脂圧力が、前記シールゴム層に対して、直接的に又は間接的に、圧縮力として及ぼされており、且つ該筒状ブラケットの軸方向両端部において、前記アウタスリーブよりも軸直角方向内方にまで延び出す環状の内方突部が一体形成されており、該内方突部の内周側端縁部が前記中間スリーブの軸方向端面上に位置せしめられていると共に、かかる筒状ブラケットの成形樹脂圧力によって該内方突部が前記シールゴム層の軸方向端面に圧接されて、該シールゴム層に圧縮力が及ぼされ、更に前記中間スリーブの軸方向両端面上に、軸直角方向内方に向かう段差面が形成されていると共に、前記筒状ブラケットの内方突部における内周端縁部が、該段差面よりも軸直角方向内方に位置せしめられて該段差面に係合されていることを特徴とする流体封入式筒型マウント装置。
  2. 前記アウタスリーブの軸方向長さが前記中間スリーブよりも短くされており、該中間スリーブの軸方向両端部の外周面上に設けられた前記シールゴム層の外周面に、前記筒状ブラケットの内周面が直接に圧接されて、該筒状ブラケットの成形樹脂圧力によって該シールゴム層に圧縮力が及ぼされている請求項1に記載の流体封入式筒型マウント装置。
  3. 軸部材と、該軸部材の外方に所定距離を隔てて配された中間スリーブを、本体ゴム弾性体によって連結する一方、該本体ゴム弾性体にポケット部を設けて該中間スリーブに設けられた窓部を通じて外周面に開口せしめると共に、該中間スリーブにアウタスリーブを外挿し、該アウタスリーブをシールゴム層を介して該中間スリーブに嵌着せしめて該窓部を流体密に閉塞することにより、内部に非圧縮性流体が封入された流体室を形成したマウント本体に対して、合成樹脂製の筒状ブラケットが装着され、前記アウタスリーブに固定的に取り付けられている流体封入式筒型マウント装置において、
    前記筒状ブラケットが、前記アウタスリーブの外周面上で形成されて、その形成と同時に前記マウント本体に組み付けられていると共に、該筒状ブラケットの成形樹脂圧力が、前記シールゴム層に対して、直接的に又は間接的に、圧縮力として及ぼされている一方、前記アウタスリーブが合成樹脂製とされ、該アウタスリーブの外周面に前記筒状ブラケットの成形樹脂圧力が及ぼされて該アウタスリーブが縮径されることにより、該アウタスリーブが前記シールゴム層の外周面に圧接されて、該シールゴム層に圧縮力が及ぼされていることを特徴とする流体封入式筒型マウント装置。
  4. 前記アウタスリーブが合成樹脂製であり、該アウタスリーブの外周面に凹凸が形成されて、該凹凸が前記筒状ブラケットに係合せしめられることにより、該筒状ブラケットの該アウタスリーブに対する相対移動を規制する係合機構が設けられている請求項に記載の流体封入式筒型マウント装置。
  5. 軸部材と、該軸部材の外方に所定距離を隔てて配された中間スリーブを、本体ゴム弾性体によって連結する一方、該本体ゴム弾性体にポケット部を設けて該中間スリーブに設けられた窓部を通じて外周面に開口せしめると共に、該中間スリーブにアウタスリーブを外挿し、該アウタスリーブをシールゴム層を介して該中間スリーブに嵌着せしめて該窓部を流体密に閉塞することにより、内部に非圧縮性流体が封入された流体室を形成したマウント本体に対して、合成樹脂製の筒状ブラケットが装着され、前記アウタスリーブに固定的に取り付けられている流体封入式筒型マウント装置において、
    前記筒状ブラケットが、前記アウタスリーブの外周面上で形成されて、その形成と同時に前記マウント本体に組み付けられていると共に、該筒状ブラケットの成形樹脂圧力が、前記シールゴム層に対して、直接的に又は間接的に、圧縮力として及ぼされている一方、前記中間スリーブの軸方向両端部が前記アウタスリーブから軸方向外方に突出せしめられており、かかる中間スリーブの軸方向突出端部の外周面に対して、前記筒状ブラケットの内周面が直接に接着されていることを特徴とする流体封入式筒型マウント装置。
  6. 前記中間スリーブが合成樹脂製とされると共に、該中間スリーブにおける前記軸方向突出端部の外周面にプラズマ処理が施されており、かかる軸方向突出端部の外周面上で前記筒状ブラケットが直接形成されることによって、該筒状ブラケットの内周面が該軸方向突出端部の外周面に対して直接に接着されている請求項に記載の流体封入式筒型マウント装置。
  7. 請求項3に記載の流体封入式筒型マウント装置を製造する方法にして、
    前記アウタスリーブを合成樹脂材料にて形成する一方、前記軸部材と前記中間スリーブが前記本体ゴム弾性体によって連結された一体加硫成形品を前記非圧縮性流体中に浸漬せしめて、かかる非圧縮性流体中で該中間スリーブに該アウタスリーブを外挿することにより、前記窓部を仮シールして前記流体室に該非圧縮性流体を封入した後、該一体加硫成形品を該非圧縮性流体中から取り出して前記筒状ブラケットの成形型にセットし、該アウタスリーブの外周面上に前記筒状ブラケットを形成することにより、該筒状ブラケットの成形樹脂圧力によって該アウタスリーブを縮径せしめて前記シールゴム層の外周面に圧接し、前記窓部を本シールすることを特徴とする流体封入式筒型マウント装置の製造方法。
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