JP3631957B2 - 三相整流装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、3つの双方向性スイッチング素子を用いて三相交流電源電圧を直流電圧に変換する三相整流装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来の三相整流装置としては、特許第2857094号公報、特開平11−122930号公報に開示されたものがあり、これを図13に示す。
すなわち、図13において、三相整流装置101は、正側および負側直流母線102、103間に三相ブリッジ接続された全波整流回路104と、3つの双方向性スイッチング素子105ないし107からなる整流回路108と、正側および負側直流母線102および103間に直列に接続された2個の平滑用コンデンサ109、110とを備えている。そして、3つの双方向性スイッチング素子105ないし107において、各正側および負側直流出力端子PおよびNは、正側および負側直流母線102、103に接続され、各一方の交流入力端子Lは、それぞれ交流リアクトル111ないし113を介して全波整流回路104の各交流入力端子に接続され、各他方の交流入力端子CNは、平滑用コンデンサ109、110の中点端子114に接続されている。
【0003】
更に、全波整流回路104の各交流入力端子は、R、S、T相の交流電源線115、116、117およびヒューズ118、119、120をそれぞれ介してR、S、T相の主回路用入力端子TR、TS、TTに接続されており、また、交流電源線115、116、117間には、相間コンデンサ121ないし123が接続されている。
【0004】
三相整流装置101は、CPU124を備えており、その各出力端子は、ドライブ回路125、126、127の入力端子にそれぞれ接続されており、各ドライブ回路125、126、127の出力端子は、前記双方向性スイッチング素子105、106、107の各ゲート端子Gに接続されている。R、S、T相の制御回路用入力端子TR1、TS1、TT1は、位相検出回路128の各入力端子に接続されており、その位相検出回路128の出力端子は、前記CPU124の入力端子に接続されている。前記R相およびS相の交流電源線115および116には、変流器129および130が配設されており、その出力端子は、交流電流検出回路131の入力端子に接続され、その交流電流検出回路131の出力端子は前記CPU124の入力端子に接続されている。
【0005】
そして、三相整流装置101において、R、S、T相の主回路用入力端子TR,TS,TTは、R、S、T相の主回路用配線132、133、134および入力リアクトル135、136、137を介して三相交流電源138の各出力端子138R、138S、138Tに接続されており、R,S,T相の制御回路用入力端子TR1,TS1,TT1は、R、S、T相の制御回路用配線139、140、141を介して三相交流電源138の各出力端子138R、138S、138Tに接続されている。また、正側および負側直流母線102および103が接続された直流出力端子TO1およびTO2は、誘導電動機142を駆動するインバータ143に接続されている。
【0006】
しかして、上記従来例の作用につき、図14のフローチャートを参照して説明する。三相整流装置101に電源が投入されると、CPU124は動作を開始する(スタート)。CPU124は、先ず、「初期化」の処理ステップT1になり、所定の初期化動作を行った後、「異常発生?」の判断ステップT2に移行し、ここでは、三相整流装置101に異常が発生しているか否かを判断して「NO」(正常)ならば「電圧位相データ(θ)の取込み」の処理ステップT3に移行する。尚、CPU124は、「異常発生?」の判断ステップT2で「YES」(異常)と判断したときには、「異常信号出力」の処理ステップT4に移行し、異常信号を出力して異常警報器を動作させる。
【0007】
CPU124は、処理ステップT3に移行したときには、ここで位相検出回路128からの位相データ(θ)を取込み、次いで、「電流データ(IR、IS、IT)の取込み」の処理ステップT5に移行して交流電流検出回路131の電流データ(IR、IS、IT(=−(IR+IS))を取込む。そして、CPU124は、「スイッチング用データの作成」の処理ステップT6に移行し、ここでは、位相データ(θ)と電流データ(IR、IS、IT)とに基づいて、交流電源線115、116、117に流れる交流入力電流が正弦波になるようなスイッチング用データを作成し、次の「ドライブ回路の駆動」の処理ステップT7に移行してそのスイッチング用データに基づきドライブ回路125、126、127を駆動し、以て、双方向性スイッチング素子105、106、107をPWM制御する。
【0008】
このような構成によれば、例えば、単に全波整流回路104と平滑用コンデンサ109、110とのみから構成される一般的な三相整流装置とは異なり、高調波の抑制効果が得られる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記構成によると、三相交流電源138の出力端子138R、138S、138Tを、入力リアクトル135、136、137を介した主回路用配線132、133、134により主回路用入力端子TR,TS,TTに接続する作業と、制御回路用配線139、140、141により制御回路用入力端子TR1,TS1,TT1に接続する作業とが必要になり、このときに、主回路用入力端子TR,TS,TTに接続される相と制御回路用入力端子TR1,TS1,TT1に接続される相とが一致しない誤配線が発生すると、三相整流装置101が正常に動作しなくなる。
【0010】
このため従来では、図13に示すように、入力端子が交流電源線115、116、117に接続された位相検出回路144と、各入力端子が位相検出回路128および144の出力端子に接続された比較回路145とを設けて、両者の検出位相が一致するか否かの判定を行うようにしている。
【0011】
ところが、このような構成にすると、高い三相交流電源電圧(通常200V)を受ける2つもの位相検出回路128および144を設けることになり、回路構成上および絶縁構造上からも基板サイズが大きくなり、また、位相検出回路144および比較回路145を設けることは、それだけコストアップになる問題がある。
【0012】
また、全波整流回路104、整流回路108を構成する素子のの故障による電源短絡を防止するために従来よりヒューズ118、119、120が設けられているが、そのうちの1相のヒューズが溶断して欠相状態になると、三相整流装置101が正常に動作しなくなるので、早期に異常検出する必要がある。
【0013】
更に、正側および負側直流母線102、103間に直列に接続された平滑用コンデンサ109、110の耐圧は、正側および負側直流母線102、103間の直流電圧の1/2にできるので、小形化を図れるが、双方向性スイッチング素子105、106或いは107が故障すると、平滑用コンデンサ109或いは110に中点端子114を介して交流電圧ピーク(通常の2倍の過電圧)が印加されたり、正側直流母線102−中点端子114間と負側直流母線10−中点端子114間とに電圧アンバランスが生じて耐圧を超過するので、速やかに異常検出する必要がある。
【0014】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、誤配線を検出することができながら、基板サイズを小さくでき、コストダウンを図ることができる三相整流装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、欠相状態を早期に検出することができる三相整流装置を提供することにある。
本発明の第3の目的は、2個の平滑用コンデンサの過電圧、電圧アンバランスを速やかに検出することができる三相整流装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の三相整流装置は、正側および負側直流母線間に3つの双方向性スイッチング素子を接続して構成された整流回路と、前記3つの双方向性スイッチング素子の各交流入力端子の一方と三相交流電源の各出力端子との間にそれぞれ接続された3個の交流リアクトルと、前記正側および負側直流母線間に直列に接続され、中点端子が前記3つの双方向性スイッチング素子の各交流入力端子の他方に接続された2個の平滑用コンデンサと、前記三相交流電源の各出力端子に接続され、交流電源電圧の位相を検出する位相検出手段と、前記整流回路の交流入力電流を検出する交流電流検出手段と、前記位相検出手段から得られる位相データと交流電流検出手段から得られる電流データとに基づいて前記交流入力電流が正弦波となるようなスイッチング用データを作成してドライブ回路を介して前記3つの双方向性スイッチング素子をPWM制御する制御手段とを具備し、
前記制御手段は、通常運転前に、前記位相検出手段が検出する各相のゼロクロス付近の所定期間にて前記双方向性スイッチング素子を個別にパルス駆動して各相に流れる電流を検出し、所定レベル以上の電流を検出したときに異常信号を出力するように構成されているところに特徴を有する。
【0016】
このような構成によれば、位相検出手段が検出する各相のゼロクロス付近の所定期間にて双方向性スイッチング素子を個別にパルス駆動して各相に流れる電流を検出するので、整流回路に入力される電圧の相と位相検出手段に入力される電圧の相とが一致しているときには、検出される電流は所定レベル未満になるが、一致していないときには、1つの相に他相の交流電圧が印加されることから、検出される電流は所定レベル以上になり、以て、誤配線が早期に検出される。
そして、このような構成によれば、従来のような誤配線検出用の位相検出回路および比較回路を設ける必要がないので、基板サイズを小さくでき、コストダウンを図ることができる。
【0017】
請求項2記載の三相整流装置は、制御手段は、異常信号の出力をキャンセルして、パルス駆動に同期して検出された各相の電流データと位相データを取得した後、予め記憶された相改正用テーブルに基づいて相データを改正するように構成されているところに特徴を有する。
このような構成によれば、誤配線のときには、予め記憶された相改正用テーブルに基づいて相データが改正されるので、配線をやり直さなくても、正常運転を行わせることができる。
【0018】
請求項3記載の三相整流装置は、正側および負側直流母線間に3つの双方向性スイッチング素子を接続して構成された整流回路と、前記3つの双方向性スイッチング素子の各交流入力端子の一方と三相交流電源の各出力端子との間にそれぞれ接続された3個の交流リアクトルと、前記正側および負側直流母線間に直列に接続され、中点端子が前記3つの双方向性スイッチング素子の各交流入力端子の他方に接続された2個の平滑用コンデンサと、前記三相交流電源の各出力端子に接続され、交流電源電圧の位相を検出する位相検出手段と、前記整流回路の交流入力電流を検出する交流電流検出手段と、前記位相検出手段から得られる位相データと交流電流検出手段から得られる電流データとに基づいて前記交流入力電流が正弦波となるようなスイッチング用データを作成してドライブ回路を介して前記3つの双方向性スイッチング素子をPWM制御する制御手段とを具備し、
前記制御手段は、通常運転前に、前記位相検出手段が検出する各相のゼロクロス付近以外の位相の所定期間にて前記双方向性スイッチング素子を個別にパルス駆動して各相に流れる電流を検出し、設定レベル以下の電流を検出したときに異常信号を出力するように構成されているところに特徴を有する。
【0019】
このような構成によれば、位相検出手段が検出する各相のゼロクロス付近以外の位相の所定期間にて前記双方向性スイッチング素子を個別にパルス駆動して各相に流れる電流を検出するので、欠相状態が生じたときには、検出される電流は設定レベル以下となるものであり、以て、欠相状態が早期に検出される。
【0020】
請求項4記載の三相整流装置は、正側および負側直流母線間に3つの双方向性スイッチング素子を接続して構成された整流回路と、前記3つの双方向性スイッチング素子の各交流入力端子の一方と三相交流電源の各出力端子との間にそれぞれ接続された3個の交流リアクトルと、前記正側および負側直流母線間に直列に接続され、中点端子が前記3つの双方向性スイッチング素子の各交流入力端子の他方に接続された2個の平滑用コンデンサと、前記三相交流電源の各出力端子に接続され、交流電源電圧の位相を検出する位相検出手段と、前記整流回路の交流入力電流を検出する交流電流検出手段と、前記位相検出手段から得られる位相データと交流電流検出手段から得られる電流データとに基づいて前記交流入力電流が正弦波となるようなスイッチング用データを作成してドライブ回路を介して前記3つの双方向性スイッチング素子をPWM制御する制御手段とを具備し、
前記制御手段は、前記電流検出手段が検出する交流入力電流が規定レベル以上の場合に、個々の相の交流入力電流の変化を監視し、所定時間以上の間、同一レベル電流が流れている相若しくは電流が流れていない相が検出されたときには異常信号を出力するように構成されているところに特徴を有する。
このような構成によれば、通常運転状態においても欠相状態を検出することができる。
【0021】
請求項5記載の三相整流装置は、正側および負側直流母線間に3つの双方向性スイッチング素子を接続して構成された整流回路と、前記3つの双方向性スイッチング素子の各交流入力端子の一方と三相交流電源の各出力端子との間にそれぞれ接続された3個の交流リアクトルと、前記正側および負側直流母線間に直列に接続され、中点端子が前記3つの双方向性スイッチング素子の各交流入力端子の他方に接続された2個の平滑用コンデンサと、前記三相交流電源の各出力端子に接続され、交流電源電圧の位相を検出する位相検出手段と、前記整流回路の交流入力電流を検出する交流電流検出手段と、前記正側および負側直流母線間の直流電圧を検出する直流電圧検出手段と、前記平滑用コンデンサの中点端子と前記正側若しくは負側直流母線殿間の中点電圧を検出する中点電圧検出手段と、前記位相検出手段から得られる位相データと交流電流検出手段から得られる電流データとに基づいて前記交流入力電流が正弦波となるようなスイッチング用データを作成してドライブ回路を介して前記3つの双方向性スイッチング素子をPWM制御する制御手段とを具備し、
前記制御手段は、前記交流電流検出手段および中点電圧検出手段の検出に基づき、前記中点端子における定格電圧を超える過電圧の発生や前記正側直流母線−中点端子間と負側直流母線−中点端子間とににおける所定レベル以上の電圧アンバランスの発生などの異常を検出したときには異常信号を出力するように構成されているところに特徴を有する。
このような構成によれば、2個の平滑用コンデンサの中点端子における定格電圧を超える過電圧の発生や前記正側直流母線−中点端子間と負側直流母線−中点端子間とにおける所定レベル以上の電圧アンバランスの発生を速やかに検出することができる。
【0022】
請求項6記載の三相整流装置は、3つの双方向性スイッチング素子の各交流入力端子の他方と2個の平滑用コンデンサの中点端子との間に1つのスイッチ手段が設けられ、制御手段は、異常を検出したときには前記スイッチ手段を開放させるように構成されているところに特徴を有する。
このような構成によれば、2個の平滑用コンデンサの中点端子に定格電圧を超える過電圧が発生したときや前記正側直流母線−中点端子間と負側直流母線−中点端子間とに所定レベル以上の電圧アンバランスが発生したときには、スイッチ手段が開放されることにより、整流回路が2個の平滑用コンデンサの中点端子から切離される。
【0023】
請求項7記載の三相整流装置は、三相交流電源電圧を直流電圧に変換して正側および負側直流母線間に印加する全波整流回路を設けたところに特徴を有する。このような構成によれば、整流回路が2個の平滑用コンデンサの中点端子から切離されても全波整流回路により正側および負側直流母線間に直流電圧を供給することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の誤配線と対象とする第1の実施例につき、図1ないし図4を参照して説明する。
まず、図1において、三相整流装置1は、正側および負側直流母線2、3間にダイオード4aないし4fを三相ブリッジ接続して構成された全波整流回路4と、3つの双方向性スイッチング素子5R、5S、5Tからなる整流回路5と、正側および負側直流母線2、3間に直列に接続された2個の平滑用コンデンサ6、7とを備えている。
【0025】
ここで、双方向性スイッチング素子5R、5S、5Tの構成について図2を参照して説明するに、これらは同一構成をなすものである。すなわち、4個のダイオード8aないし8dがブリッジ接続されて単相整流回路8が形成され、その正および負直流出力端子にIGBT9のコレクタおよびエミッタが接続され、一方の交流入力端子が交流入力端子Lに接続され、他方の交流入力端子が交流入力端子CNに接続されている。また、単相整流回路8において、正の直流出力端子はダイオード10を介して正側直流出力端子Pに接続され、負の直流出力端子はダイオード11を介して負側直流出力端子Nに接続されている。そして、IGBT9のゲートはゲート端子Gに接続されている。尚、図2に示す回路は、半導体モジュール化されて1つの素子とされている。この場合、以下においては、IGBT9のゲートにゲート信号が与えられてIGBT9がオンしたときには、説明の便宜上、対応する双方向性スイッチング素子5R、5S或いは5Tがオンすると表現することにする。
【0026】
さて、再び図1を参照する。3つの双方向性スイッチング素子5R、5S、5Tにおいて、各正側および負側直流出力端子PおよびNは、正側および負側直流母線2および3に接続され、各一方の交流入力端子Lは、それぞれ交流リアクトル12、13、14を介して全波整流回路4の各交流入力端子に接続され、各他方の交流入力端子CNは、平滑用コンデンサ6、7の中点端子67に接続されている。更に、全波整流回路4の各交流入力端子は、R、S、T相の交流電源線15、16、17およびヒューズ18、19、20をそれぞれ介してR、S、T相の主回路用入力端子TR,TS,TTに接続され、また、交流電源線15、16、17間には、相間コンデンサ21、22、23が接続されている。
【0027】
三相整流装置1は、制御手段たるCPU24を備えており、その各出力端子は、ドライブ回路25、26、27の入力端子にそれぞれ接続されており、各ドライブ回路25、26、27の出力端子は、前記双方向性スイッチング素子5R、5S、5Tの各ゲート端子Gに接続されている。R、S、T相の制御回路用入力端子TR1、TS1、TT1は、位相検出手段たる位相検出回路28の各入力端子に接続されており、その位相検出回路28の出力端子は、前記CPU24の入力端子に接続されている。前記R相およびS相の交流電源線15および16には、変流器29および30が配設されており、その出力端子は、交流電流検出手段たる交流電流検出回路31の入力端子に接続され、その交流電流検出回路31の出力端子は、前記CPU24の入力端子に接続されている。
【0028】
直流電圧検出手段たる直流電圧検出回路32の入力端子は、正側および負側直流母線2、3に接続されており、その直流電圧検出回路32の出力端子は、前記CPU24の入力端子に接続されている。入力手段たる入力インターフェース33の入力端子は、情報用入力端子Ta、Tbに接続されており、その入力インターフェース33の出力端子は、前記CPU24の入力端子に接続されている。そして、CPU24おいて、出力端子は、報知手段たる表示装置34の入力端子に接続されており、入出力端子は、記憶手段たるEEPROM35に接続されている。
【0029】
更に、三相整流装置1において、R、S、T相の主回路用入力端子TR,TS,TTは、R、S、T相の主回路用配線36、37、38および入力リアクトル39、40、41を介して三相交流電源42の各出力端子42R、42S、42Tに接続されており、R、S、T相の制御回路用入力端子TR1、TS1、TT1は、R、S、T相の制御回路用用配線43、44、45を介して三相交流電源42の各出力端子42R、42S、42Tに接続されている。尚、前記相間コンデンサ21ないし23および入力リアクトル39ないし41はノイズフィルタを構成するものであるが、この内の入力リアクトル39ないし41は、大形の部品であるので、三相整流装置1の各構成部品を搭載する基板とは別置き状態にされている。そして、正側および負側直流母線2および3に接続された直流出力端子TO1およびTO2は、誘導電動機46を駆動するインバータ47に接続されている。
【0030】
外部情報装置たるパネルキー48の出力端子は、情報用入力端子Ta、Tbに接続されている。この場合、パネルキー48は、運転停止、異常リセット、初期チェック完了リセット、パラメータ等の情報の設定に用いられるもので、その情報は、入力インターフェース33を介してCPU24に与えられるようになっている。CPU24は、与えられた情報を必要に応じてEEPROM35に記憶させるようになっており、特に、パラメータの設定のときにはそのパラメータをEEPROM35に記憶させるようになっている。また、CPU24は、異常を検出したときには、表示装置34に異常表示(異常報知)を行わせ、パラメータの設定の時には、表示装置34にそのパラメータの表示を行わせ、パラメータの編集が可能になっている。
【0031】
次に、本実施例の作用につき、図3および図4をも参照して説明する。
先ず、誤配線検出の原理について図3を参照して説明する。この場合、インバータ47は、通常運転を停止しているものとする。今、主回路用入力端子TR、TS、TTに印加される交流電源電圧をR、S、T相電圧と称し、制御回路用入力端子TR1、TS1、TT1に印加される交流電源電圧をR1、S1、T1相電圧と称し、交流電源線15、16、17に流れる交流電流(交流入力電流)をR、S、T相電流と称するものとする。尚、本実施例では、制御回路用配線43、44、45が制御回路用入力端子TR1、TS1、TT1に配線され、従って、制御回路用入力端子TR1、TS1、TT1に正常にR1、S1、T1相電圧が印加されているものとする。そして、CPU24は、位相検出回路28を介してR1、S1、T1相電圧の位相を位相データ(θ)として取込み、交流電流検出回路31を介してR、S、T相電流を電流データ(IR、IS、IT(=−(IR+IS))として取込むようになっている。
【0032】
図3(a)で示すように、主回路用配線36、37、38が正常に主回路用入力端子TR、TS、TTが配線されている場合には、R1、S1、T1相電圧とR、S、T相電圧の位相が一致する。このとき、CPU24は、R1相電圧を起点に相順が正相の場合において、位相検出回路28からの位相データ(θ)を基にS1、R1、T1相電圧のゼロクロス付近の所定期間tにてS、R、T相駆動パルスPSa、PRa、PTaを出力してドライブ回路5S、5R、5Tに与えるようになっている。尚、上記所定期間tは、ゼロクロス点の前後15度(合計30度)以内が好ましい。
【0033】
従って、図3(b)に示すように、R相が正常配線の場合には、R1相電圧とR相電圧の位相が一致しているので、R1相電圧のゼロクロス付近の所定期間tにてR則駆動パルスPRaを双方向性スイッチング素子5Rに与えてオンさせても、R相電流は流れないか或いは流れても所定レベル未満である。
【0034】
これに対して、図3(c)に示すように、R相−S相の誤配線の場合には、R相の制御回路用入力端子TR1にR1相電圧が印加されているときには、R相の主回路用入力端子TRにはR相電圧の代わりにS相電圧が印加されており、これにより、R1相電圧のゼロクロス付近の所定期間tにてR相駆動パルスPRaを双方向性スイッチング素子5Rに与えてオンさせると、双方向性スイッチング素子5RはS相電圧の60度付近でオンするようになり、所定レベル以上のR相電流が正(+)方向に流れる。
【0035】
また、図3(d)に示すように、R相−T相の誤配線の場合には、制御回路側がR1相電圧のときには主回路側はR相電圧の代わりにT相電圧になるので、R1相電圧のゼロクロス付近の所定期間tにてR相駆動パルスPRaを双方向性スイッチング素子5Rに与えてオンさせると、双方向性スイッチング素子5RはT相電圧の300度付近でオンするようになり、所定レベル以上のR相電流が負(−)方向に流れる。
【0036】
次に、図4に示すフローチャートを参照する。三相整流装置1に電源が投入されると、CPU24は動作を開始する(スタート)。CPU24は、先ず、「初期化」の処理ステップS1になり、記憶プログラム、記憶データの読出しなどのの所定の初期化動作を行った後、「異常発生?」の判断ステップS2に移行し、ここでは、三相整流装置1に異常が発生しているか否かを判断して「NO」(正常)ならば「電圧位相データ(θ)の取込み」の処理ステップS3に移行する。尚、CPU24は、「異常発生?」の判断ステップS2で「YES」(異常)と判断したときには、「異常信号出力」の処理ステップS4に移行し、異常信号を出力して表示装置の34に異常報知の表示を行わせる。
【0037】
CPU24は、処理ステップ3に移行したときには、ここで位相検出回路28からの位相データ(θ)を取込み、次いで、「電流データ(IR、IS、IT)の取込み」の処理ステップS5に移行して交流電流検出回路31の電流データ(IR、IS、IT(=−(IR+IS))を取込む。そして、CPU24は、[初期チェック完了?]の判断ステップS6に移行し、ここでは、先ず「NO」と判断して「各相のゼロクロス区間?」の判断ステップS7に移行する。CPU24は、判断ステップS7では、例えば、図3(a)で示すように、S1、R1、T1相電圧の相順でそのゼロクロス付近になった否かを判断し、「NO」のときには判断ステップS2に戻る。
【0038】
CPU24は、判断ステップS7で「YES」と判断したときには、「ゼロクロス相のみスイッチング用データ作成」の処理ステップS8に移行し、ここで図3(a)で示すようなS、R、T相駆動パルスPSa、PRa、PTaを作成する。具体的には、CPU24は、判断ステップS7でS1相電圧のゼロクロス付近を検出して「YES」と判断したときには、処理ステップS8でS相駆動パルスPSaを作成して「ドライブ回路の駆動」の処理ステップS9でS相の双方向性スイッチング素子5Sをオンさせ、次いで、「ゼロクロス相に電流は流れたか?」の判断ステップS10に移行し、ここで、所定レベル以上のS相電流が流れたか否かを判断し、「NO」(正常)のときには「全相チェック完了か?」の判断ステップS11に移行し、ここで「NO」のときには、判断ステップS2に戻る。
【0039】
CPU24は、次に、判断ステップS7でR1相電圧のゼロクロス付近を検出して「YES」と判断したときには、処理ステップS8でR相駆動パルスPRaを作成して「ドライブ回路の駆動」の処理ステップS9でR相の双方向性スイッチング素子5Rをオンさせ、次いで、「ゼロクロス相に電流は流れたか?」の判断ステップS10に移行し、ここで、所定レベル以上のR相電流が流れたか否かを判断し、「NO」(正常)のときには「全相チェック完了か?」の判断ステップS11に移行し、ここで「NO」のときには、判断ステップS2に戻る。
【0040】
CPU24は、次に、判断ステップS7でT1相電圧のゼロクロス付近を検出して「YES」と判断したときには、処理ステップS8でT相駆動パルスPTaを作成して「ドライブ回路の駆動」の処理ステップS9でT相の双方向性スイッチング素子5Tをオンさせ、次いで、「ゼロクロス相に電流は流れたか?」の判断ステップS10に移行し、ここで、所定レベル以上のT相電流が流れたか否かを判断し、「NO」(正常)のときには「全相チェック完了か?」の判断ステップS11に移行し、ここでは、R1、S1、T1(R、S、T)全相のチェックを完了したことにより「YES」と判断して「初期チェック完了セット」の処理ステップS12に移行し、初期チェック完了した旨のセット処理を行なう。
【0041】
CPU24は、次に、判断ステップS2に戻り、更に、処理ステップS3およぎS5を経て[初期チェック完了?]の判断ステップS6に移行するが、ここでは、前述の処理ステップS12で初期チェック完了のセット処理が行われていることから、「YES」と判断して「スイッチング用データの作成」の処理ステップS13および「ドライブ回路の駆動」の処理ステップS14が行われるようになる。
【0042】
これにより、CPU24は、従来と同様の原理により、位相データ(θ)と電流データ(IR、IS、IT)とに基づいて、交流電源線15、16、17に流れる交流入力電流が正弦波になるようなスイッチング用データを作成し、そのスイッチング用データに基づきドライブ回路25、26、27を駆動し、以て、双方向性スイッチング素子5R、5SをPWM制御して、インバータ47に直流電源を供給する通常運転が行なわれる。
【0043】
さて、CPU24は、誤配線がある場合には(例えば、図3(b)ないし(d)参照)、判断ステップS7に移行して「YES」と判断した後、処理ステップS8を経て処理ステップS9に移行してS、R或いはT相の双方向性スイッチング素子5S、5R或いは5Tをオンさせたときに、いずれかの相のゼロクロス付近で所定レベル以上の電流が流れるので、判断ステップS10で「YES」(異常)と判断して「誤配線異常セット」の処理ステップS15に移行し、ここで誤配線異常のセット処理を行なって、判断ステップS2に戻る。
【0044】
CPU24は、判断ステップS2に戻ると、このときには処理ステップS15で誤配線異常のセット処理が行われていることから、ここでは「YES」と判断して、「異常信号出力」の処理ステップS4となり、表示装置34に異常信号を出力する。これにより、表示装置34は、異常が発生した旨の報知の表示、特には、誤配線異常報知の表示を行なう。この場合、CPU24は、動作を停止するようになっている。
【0045】
このような本実施例によれば、位相検出回路28が検出する各相のゼロクロス付近の所定期間tにて双方向性スイッチング素子5R、5S、5Tを個別にパルス駆動して各相に流れる電流を検出するので、制御回路側に印加されるR1、S1、T1相電圧の相と主回路側に印加されるR、S、T相電圧の相とが一致しているときには、交流電流検出回路31で検出される電流は所定レベル未満になるが、一致していないときには、1つの相に他相の交流電圧が印加されることになって、検出される電流は所定レベル以上になり、以て、誤配線が早期に検出されて、表示装置34に誤配線異常が表示(報知)される。
【0046】
そして、本実施例によれば、誤配線検出をCPU24によるソフトウエア処理にて行なうようにしているので、従来のような誤配線検出用の位相検出回路144および比較回路145を設ける必要がなく、従って、三相整流装置1の基板サイズを小さくできるとともに、基板サイズの小形化と相俟ってコストダウンを図ることができる。
【0047】
しかも、本実施例によれば、R,S,T各相のゼロクロス付近でR、S、T各相の双方向性スイッチング素子5R、5S、5Tをパルス駆動するようにしたので、正常配線の場合は各相に所定レベル未満の電流しか流れない、実際にはほとんど流れないので、構成素子の発熱防止の効果も期待することができる。
【0048】
尚、上記実施例では、R、S、Tの三相のチェックを行なうようにしたが、この内の二相のみのチェックを行なうようにしてもよく、この場合には、変流器29、30を設けた二相とすることが好ましい。
また、上記実施例では、誤配線のチェックを通常運転前たる電源投入直後に行なうようにしたが、これに限らず、例えば、通常運転開始直前毎に行なうようにしてもよい。
【0049】
図5ないし図7は本発明の誤配線を対象とする第2の実施例であり、上記第1の実施例と同一部分には同一符号を付して示し、以下異なる部分について説明する。尚、この第2の実施例では、説明の便宜上、図1も参照して説明する。
先ず、誤配線の態様について、図5に基づき説明する。すなわち、配線が正常な場合には、図5(a)に示すように、R1、S1、T1相はR、S、T相にそれぞれ対応する。これに対して、S相−T相誤配線の場合には、図5(b)に示すように、R1相はR相に対応するが、S1、T1相はT、S相にそれぞれ対応する。R相−T相誤配線の場合には、図5(c)に示すように、S1相はS相に対応するが、R1、T1相はT、R相にそれぞれ対応する。R相−S相誤配線の場合には、図5(d)に示すように、T1相はT相に対応するが、R1、S1相はS、R相にそれぞれ対応する。R相−S相、S相−T相、T相−R相誤配線の場合には、図5(e)に示すように、R1、S1、T1相はS、T、R相にそれぞれ対応する。そして、R相−T相、S相−R相、T相−S相誤配線の場合には、図5(f)に示すように、R1、S1、T1相はT、R、S相にそれぞれ対応する。
【0050】
そして、図6には、図3(a)に示すように、S1、R1、T1相電圧の順にS1、R1、T1相駆動パルスPSa、PRa、PTaにより双方向性スイッチング素子5S、5R、5Tを御駆動させた場合において、上記図5(a)ないし(f)に示す正常配線と5つの誤配線の態様におけるS、R、T相電流の状態が示されている。この図6において、「ゼロ」は所定レベル未満の電流が流れたこと、「正」は所定レベル以上の電流が正方向に流れたこと、「負」は所定レベル以上の電流が負方向に流れたことを示す。この図6に示す内容の相改正用テーブルがCPU24に備えられている。
【0051】
次に、この第2の実施例の作用につき、図7のフローチャートを参照して説明する。
図7において図4のフローチャートと異なるところは、先ず、CPU24は、「ドライブ回路の駆動」の処理ステップS14の次に判断ステップS6と同様の「初期チェック完了?」の判断ステップS16に移行するようになっており、ここで「NO」のときには判断ステップS2に戻るようになっている。そして、CPU24は、判断ステップS11および処理ステップS12の次に判断ステップS16に移行するようになっている。また、CPU24は、判断ステップS16で「YES」と判断したときには、「誤配線改正要求?」の判断ステップS17に移行するようになっており、ここで「NO」の時には判断ステップS2に戻るようになっている。従って、この第2の実施例において、誤配線がない(正常)状態において三相整流装置1が通常運転を行なうまでの動作は前記実施例と略同様である。
【0052】
さて、CPU24は、判断ステップS6で「NO」と判断したときには、判断ステップS7、処理ステップS8、S9および判断ステップS10を経て、S、R、T相電圧の順にS、R、T相駆動パルスPSa、PRa、PTaにより双方向性スイッチング素子5S、5R、5Tをオン駆動してその時の電流が「ゼロ」、「正」或いは「負」かを判断し、「ゼロ」のときには、判断ステップS11に移行するが、「正」或いは「負」のときには、処理ステップS15を経て「誤配線異常クリア 誤配線改正要求セット」の処理ステップS18に移行し、ここでは、処理ステップS15でセットした誤配線異常をクリア(キャンセル)するとともに、誤配線改正要求のセット処理を行なう。
【0053】
CPU24は、次に、「相改正用データを保持(相および電流データ)」の処理ステップS19に移行し、前述の「ゼロ」、「正」、「負」のデータ即ち相データおよび電流データを相改正用データとして保持(記憶)し、「全相チェック完了?」の判断ステップS11に移行する。CPU24は、この判断ステップS11ではS、R、T相全相のチェックが終了したか否かを判断するが、ここで、「NO」と判断したときには、判断ステップS16に移行して、前述の動作を繰返すが、「YES」と判断したときには、「初期チェック完了セット」の処理ステップS12に移行して初期チェック完了のセット処理を行って、判断ステップS16に移行する。
【0054】
CPU24は、判断ステップS16に移行すると、このときには処理ステップS12で初期チェック完了のセット処理を行っているので、ここでは「YES」と判断して「誤配線改正要求?」の判断ステップS17に移行する。CPU24は、判断ステップS17に移行すると、このときには処理ステップS18で誤配線改正要求のセット処理を行っているので、ここでは「YES」と判断して「相改正実行」の処理ステップS20に移行する。そして、CPU24は、この処理ステップS20では、上述の相改正用データを図6に示す相改正用テーブルと照らし合わせて、どの形態の誤配線かを判断し、その誤配線の態様に応じて図5(b)ないし(f)のように誤配線改正(読換え)を行なう。その後、CPU24は、「誤配線改正要求クリア」の処理ステップS21に移行して、誤配線改正要求のクリア処理を行った後、判断ステップS2に戻る。
【0055】
尚、上記誤配線改正とは、例えば、図5(b)で示すS相−T相誤配線の場合には、S1相のときにはT相の電流を読込み、T1相のときにはS相の電流を読込むことを意味し、図5(c)で示すR相−T相誤配線の場合には、R1相のときにはT相の電流を読込み、T1相のときにはR相の電流を読込むことを意味し、図5(d)で示すR相−S相誤配線の場合には、R1相のときにはS相の電流を読込み、S1相のときにはR相の電流を読込むことを意味する。その他の誤配線の場合も同様である。
【0056】
このような第2の実施例によれば、誤配線のときには、相改正用データと予め記憶された位相改正用テーブルに基づいて誤配線の態様が判断され、その判断に基づいて相データが改正されるので、配線をやり直さなくても、正常運転を行わせることができる。
尚、上記第2の実施例において、改正用データをEEPROM35に記憶させておくようにすれば、次の電源投入時に誤配線チェックを行なうに際しては、R、S、T三相とも電流が「ゼロ」となって正常配線と判断されるので、素子に所定レベル以上の電流を流すことはない。
【0057】
図8および図9は本発明の欠相を対象とする第3の実施例であり、前記第1の実施例と同一部分には同一符号を付して示し、以下異なる部分について説明する。尚、この第3の実施例では、説明の便宜上、図1も参照して説明する。
先ず、欠相検出の原理について図8を参照して説明する。この場合、インバータ47は、通常運転を停止しているものとする。
【0058】
今、図8で示すように、主回路用配線36、37、38が正常に主回路用入力端子TR、TS、TTが配線されている場合には、R1、S1、T1相電圧とR、S、T相電圧の位相が一致する。このとき、CPU24は、R1相電圧を起点に相順が正相の場合において、位相検出回路28からの位相データ(θ)を基にR1、S1、T1相電圧の最大電圧付近の所定期間tにてR、S、T相駆動パルスPRb、PSb、PTbを出力してドライブ回路5R、5S、5Tに与えるようになっている。尚、上記所定期間tは、最大電圧点の前後15度(合計30度)以内が好ましい。
【0059】
従って、ヒューズ18、19或いは20の溶断などによる欠相状態のない正常時には、各R、S、T相電圧の最大電圧付近でR、S、T相駆動パルスPRb、PSb、PTbがドライブ回路25、26、27に与えられて双方向性スイッチング素子5R、5S、5Tがオンすると、設定レベルを超えるR、S、T相電流が流れることになる。換言すれば、R、S或いはT相駆動パルスPRb、PSb或いはPTbに基づき双方向性スイッチング素子5R、5S或いは5TがオンされてもR、S或いはT相電流が設定レベル以下のときには、R、S或いはT相が欠相異常であることになる。
【0060】
次に、この第3の実施例の作用につき、図9に示すフローチャートを参照して説明するに、以下においては、図4のフローチャートと異なる部分について説明する。
CPU24は、「初期チェック完了?」の判断ステップS6で「NO」と判断したときには、「最大電圧区間?」の判断ステップS22に移行する。CPU24は、判断ステップS22では、例えば、図8で示すように、R1、S1、R1、T1相電圧の相順で最大電圧付近になった否かを判断し、「NO」のときには判断ステップS2に戻る。
【0061】
CPU24は、判断ステップS22で「YES」と判断したときには、「最大電圧相のみスイッチング用データ作成」の処理ステップS23に移行し、ここでは、図8で示すR、S、T相駆動パルスPRb、PSb、PTbを作成する。具体的には、CPU24は、判断ステップS22でR1相の最大電圧付近を検出して「YES」と判断したときには、処理ステップS23でR相駆動パルスPRbを作成して「ドライブ回路の駆動」の処理ステップS9でR相の双方向性スイッチング素子5Rをオンさせ、次いで、「パルス駆動期間中に電流は流れたか?」の判断ステップS24に移行し、ここで、設定レベルを超えるR相電流が流れたか否かを判断し、「YES」(正常)のときには「全相チェック完了か?」の判断ステップS11に移行し、ここで「NO」のときには、判断ステップS2に戻る。
【0062】
CPU24は、次に、判断ステップS22でS1相の最大電圧付近を検出して「YES」と判断したときには、処理ステップS23でS相駆動パルスPSbを作成して「ドライブ回路の駆動」の処理ステップS9でS相の双方向性スイッチング素子5Sをオンさせ、次いで、「パルス駆動期間中に電流は流れたか?」の判断ステップS24に移行し、ここで、設定レベルを超えるS相電流が流れたか否かを判断し、「YES」(正常)のときには、「全相チェック完了か?」の判断ステップS11に移行し、ここで「NO」のときには、判断ステップS2に戻る。
【0063】
CPU24は、次に、判断ステップS22でT1相の最大電圧付近を検出して「YES」と判断したときには、処理ステップS23でT相駆動パルスPTbを作成して「ドライブ回路の駆動」の処理ステップS9でT相の双方向性スイッチング素子5Tをオンさせ、次いで、「パルス駆動期間中に電流は流れたか?」の判断ステップS24に移行し、ここで、設定レベルを超えるT相電流が流れたか否かを判断し、「YES」(正常)のときには、「全相チェック完了か?」の判断ステップS11に移行し、ここでは、R1、S1、T1(R、S、T)全相のチェックを完了したことにより「YES」と判断して「初期チェック完了セット」の処理ステップS12に移行し、初期チェック完了した旨のセット処理を行なう。以後の動作は第1の実施例と同様である、
さて、CPU24は、欠相がある場合には判断ステップS22に移行して「YES」と判断した後、処理ステップS23を経て処理ステップS9に移行してR、S或いはT相の双方向性スイッチング素子5R、5S或いは5Tをオンさせたときに、いづれかの相の最大電圧付近で設定レベル以下の電流しか流れないので、判断ステップS24で「NO」(異常)と判断して「欠相異常セット」の処理ステップS25に移行し、ここで欠相異常のセット処理を行なって、判断ステップS2に戻る。
【0064】
CPU24は、判断ステップS2に戻ると、このときには処理ステップS25で欠相異常のセット処理が行われていることから、ここでは「YES」と判断して、「異常信号出力」の処理ステップS4となり、表示装置34に異常信号を出力する。これにより、表示装置34は、異常が発生した旨の報知の表示、特には、欠相異常報知の表示を行なう。この場合、CPU24は、動作を停止するようになっている。
【0065】
このような第3の実施例によれば、位相検出回路28が検出する各相の最大電圧付近の所定期間tにてR、S、T相の双方向性スイッチング素子5R、5S、5Tを個別にパルス駆動して各R、S、T相に流れる電流を検出するので、欠相状態が生じたときには、検出される電流は設定レベル以下となるものであり、以て、欠相状態を早期に検出することができる。
【0066】
尚、上記第3の実施例では、R、S、T相電圧の正の最大電圧付近にてR、S、T相の双方向性スイッチング素子5R、5S、5Tをパルス駆動するようにしたが、これに限らず、例えば、負の最大電圧付近でパルス駆動してもよく、要は、ゼロクロス付近以外の位相の所定期間でパルス駆動すればよい。
【0067】
この場合、パルス駆動で負の電流をも検出するようにすれば、誤配線検出も行なうことができる。
ところで、前記第2の実施例の場合に欠相が生じていたときには、二相の誤配線として誤って改正してしまう可能性があり、従って、第2の実施例に第3の実施例のような欠相検出機能をもたせることが好ましい。
尚、この第3の実施例においても、第1の実施例の誤配線検出機能或いは第2の実施例の誤配線改正機能をもたせるようにしている。
【0068】
図10は本発明の欠相を対象とする第4の実施例であり、図4と同一部分には同一符号を付して示し、以下異なる部分について説明する。尚、この第4の実施例では、説明の便宜上、図1も参照する。
CPU24は、処理ステップS5の次に「規定レベル以上の電流が流れているか?」の判断ステップS26に移行し、「NO」のときには処理ステップS13、S14を経て判断ステップS2に戻るようになり、以て、三相整流装置1の通常運転が開始される。CPU24は、「規定レベル以上の電流が流れているか?」の判断ステップS26においては、R、S、T相電流の平均値が通常の50%以上あるか否かを検出するもので、上述したように通常運転が開始されると、ここで「YES」と判断して「一定時間R相の電流がゼロもしくは同一データか?」の判断ステップS27に移行し、「NO」のときには「一定時間S相の電流がゼロもしくは同一データか?」の判断ステップS28に移行し、「NO」のときには「一定時間T相の電流がゼロもしくは同一データか?」の判断ステップS29に移行し、「NO」のときには処理ステップS13に移行し、通常運転が続行される。
【0069】
ところで、ヒューズ18、19或いは20の溶断による欠相の場合には、R、S或いはT相電流が一定時間以上ゼロとなるものであり、また、変流器29、30或いは交流電流検出回路31の故障などの電流検出ハード手段の故障のときには、R、S或いはT相電流が一定時間以上同一値(同一データ)が連続するものである。従って、CPU24は、判断ステップS27、S28、S29のいずれかにおいて「YES」と判断したときには、「欠相異常のセット」の処理ステップS30に移行し、ここで欠相異常のセット処理を行なって判断ステップS2に戻る。以後の動作は前記第3の実施例と同様である。
【0070】
従って、この第4の実施例によれば、三相整流装置1の通常運転状態で欠相異常を検出することができるとともに、変流器29、30或いは交流電流検出回路31の故障などの電流検出ハード手段の故障も検出することができる。
尚、この第4の実施例においても、第1の実施例の誤配線検出機能或いは第2の実施例の誤配線改正機能をもたせるようにしている。
【0071】
図11および図12は本発明の平滑コンデンサの過電圧および電圧アンバランス検出を対象とする第5の実施例であり、前記第1の実施例と同一部分には同一符号を付して示し、以下異なる部分について説明する。
図11において、図1と異なるところは、双方向性スイッチング素子5R、5S、5Tの各交流入力端子CNの共通接続点と平滑用コンデンサ6、7の中点端子67との間に1つのスイッチ手段たる常開形のスイッチ59が接続され、両入力端子が正側直流母線2および中点端子67に接続された中点電圧検出手段たる中点電圧検出回路50が設けられている点にあり、中点電圧検出回路50の出力端子はCPU24の入力端子に接続されている。尚、スイッチ49は、CPU24からの信号(異常信号)に基づいて開放される例えば電磁式のものである。
【0072】
次に、この第5の実施例の作用につき、図12のフローチャートを参照して説明する。
CPU24は、判断ステップS2の次に「中点電圧(Vn)取込み」の処理ステップS31に移行し、中点電圧検出回路50が検出する正側直流母線2および中点端子67間の電圧(中点電圧(Vn))を取込む。尚、CPU24は、この処理ステップS31では、直流電圧検出回路32が検出する正側および負側直流母線2および3間の直流電圧も取込むようになっている。CPU24は、次に「中点過電圧発生?」の判断ステップS32に移行する。そして、CPU24は、この判断ステップS32では、中点電圧検出回路50が検出する中点電圧(Vn)が平滑用コンデンサ6、7の定格電圧を超える過電圧か否かを判断するもので、「NO」のときには「電圧アンバランス?」の判断ステップS33に移行する。
【0073】
CPU24は、上記判断ステップSで33では、中点電圧検出回路50が検出する中点電圧(Vn)と直流電圧検出回路32が検出する直流電圧とから平滑用コンデンサ6、7間に電圧アンバランスがあるか否かを判断するもので、「NO」のときには、「スイッチを閉成する」の処理ステップS34に移行してスイッチ49を閉成させ、しかる後、処理ステップS3、S5、S13およびS14を経て判断ステップS2に戻るようになる。従って、三相整流装置1は、第1の実施例と同様の通常運転を開始する。
【0074】
CPU24は、上記通常運転を行なっている場合おいて、中点電圧(Vn)が過電圧になったときには、「中点過電圧発生?」の判断ステップS32で「YES」と判断して「スイッチを開放する」の処理ステップS35に移行し、スイッチ49を開放する。これにより、双方向性スイッチング素子5R、5S、5Tの交流入力端子CNは中点端子67から切離される。
【0075】
また、CPU24は、上記通常運転を行なっている場合おいて、電圧アンバランスが発生したときには、「電圧アンバランス?」の判断ステップS33で「YES」と判断して「スイッチを開放する」の処理ステップS35に移行し、スイッチ49を開放する。これにより、双方向性スイッチング素子5R、5S、5Tの交流入力端子CNは中点端子67から切離される。
【0076】
そして、CPU24は、判断ステップS32或いはS33の次に「中点異常のセット」の処理ステップS36に移行し、ここで中点異常のセット処理を行なった後、判断ステップS2に戻る。CPU24は、判断ステップS2に戻ると、このときには処理ステップS35で中点異常のセット処理が行われていることから、ここでは「YES」と判断して、「異常信号出力」の処理ステップS4となり、表示装置34に異常信号を出力する。これにより、表示装置34は、異常が発生した旨の報知の表示、特には、中点異常報知の表示を行なう。この場合、CPU24は、動作を停止するようになっている。
【0077】
このような第5の実施例によれば、双方向性スイッチング素子5R、5S、5Tの故障に基づき2個の平滑用コンデンサ6、7の中点端子67に平滑用コンデンサ6、7の定格電圧を超える過電圧が発生したときや、正側直流母線2−中点端子67間と負側直流母線3−中点端子67間とに所定レベル以上の電圧アンバランスが発生したときには、これを中点異常として速やかに検出することができる。
【0078】
そして、中点異常が検出されたときには、スイッチ49が開放されることにより、整流回路5が2個の平滑用コンデンサ6、7の中点端子67から切離されるので、その後は、全波整流回路4と平滑用コンデンサ6、7とからなる通常の三相整流装置からインバータ47に直流電源を供給することができる。
尚、この第5の実施例においても、第1の実施例の誤配線検出機能、第2の実施例の誤配線改正機能或いは第3の実施例の欠相検出機能をもたせるようにしている。
【0079】
尚、上記第5の実施例において、表示装置34に中点過電圧と電圧アンバランスとを個別に表示させるようにしてもよい。
中点電圧検出回路50の入力端子は、負側直流母線3と中点端子67とに接続するようにしてもよい。
スイッチ49の代わりに、スイッチ手段として半導体スイッチング素子を設けるようにしてもよい。
スイッチ49の代わりに、双方向性スイッチング素子5R,5S,5Tにおける各交流入力端子Lと交流リアクトル12、13、14との間、各正側直流出力端子Pと正側直流母線2との間、若しくは、各負側直流出力端子Nと負側直流母線3間に、それぞれスイッチを設けるようにしてもよい。
スイッチ49を省略して、表示装置34による異常表示のみとしてもよい。
【0080】
尚、本発明は上記しかつ図面に示す実施例にのみ限定されるものではなく、次のような変形、拡張が可能である。
上記第1ないし第5の実施例では全波整流回路4を設けるようにしたが、これは必要に応じて設ければよい。
また、上記第1ないし第5の実施例ではノイズフィルタを構成する相間コンデンサ21、22、23および入力リアクトル39、40、41を設けるようにしたが、これらは必要に応じて設ければよい。
パネルキー48の代わりに、入力端子台或いは通信装置を設けるようにしてもよい。
【0081】
【発明の効果】
請求項1記載の三相整流装置によれば、位相検出手段が検出する各相のゼロクロス付近の所定期間にて双方向性スイッチング素子を個別にパルス駆動して各相に流れる電流を検出するようにしたので、整流回路に入力される電圧の相と位相検出手段に入力される電圧の相とが一致しているときには、検出される電流は所定レベル未満になるが、一致していないときには、1つの相に他相の交流電圧が印加されることから、検出される電流は所定レベル以上になり、以て、誤配線を早期に検出することができる。
そして、このような構成によれば、従来のような誤配線検出用の位相検出回路および比較回路を設ける必要がないので、基盤サイズを小さくでき、コストダウンを図ることができる。
【0082】
請求項3記載の三相整流装置によれば、位相検出手段が検出する各相のゼロクロス付近以外の位相の所定期間にて双方向性スイッチング素子を個別にパルス駆動して各相に流れる電流を検出するようにしたので、欠相状態が生じたときには検出される電流は設定レベル以下となることから、欠相状態を早期に検出することができる。
【0083】
請求項5記載の三相整流装置によれば、2個の平滑用コンデンサの中点端子における平滑用コンデンサの定格電圧を超える過電圧の発生や前記正側直流母線−中点端子間と負側直流母線−中点端子間とにおける所定レベル以上の電圧アンバランスの発生を速やかに検出することができる。しかも、電流検出ハード手段の故障をも検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す電気的構成のブロック線図
【図2】双方向性スイッチング素子の結線図
【図3】作用説明用の波形図
【図4】作用説明用のフローチャート
【図5】本発明の第2の実施例の配線状態を示す図
【図6】相改正用テーブルの内容を示す図
【図7】図4相当図
【図8】本発明補第3の実施例示す図3相当図
【図9】図4相当図
【図10】本発明の第4の実施例を示す図4相当図
【図11】本発明の第5の実施例を示す図1相当図
【図12】図4相当図
【図13】従来例を示す図1相当図
【図14】図4相当図
【符号の説明】
図面中、1は三相整流装置、2は正側直流母線、3は負側直流母線、4は全波整流回路、5は整流回路、5Rないし5Tは双方向性スイッチング素子、6および7は平滑用コンデンサ、67は中点端子、12ないし14は交流リアクトル、24はCPU(制御手段)、25ないし27はドライブ回路、28は位相検出回路(位相検出手段)、31は交流電流検出検出回路(交流電流検出手段)、32は直流電圧検出回路(直流電圧検出手段)、34は表示装置(報知手段)、42は三相交流電源、42Rないし42Tは出力端子、49はスイッチ、50は中点電圧検出回路(中点電圧検出手段)を示す。
Claims (7)
- 正側および負側直流母線間に3つの双方向性スイッチング素子を接続して構成された整流回路と、
前記3つの双方向性スイッチング素子の各交流入力端子の一方と三相交流電源の各出力端子との間にそれぞれ接続された3個の交流リアクトルと、
前記正側および負側直流母線間に直列に接続され、中点端子が前記3つの双方向性スイッチング素子の各交流入力端子の他方に接続された2個の平滑用コンデンサと、
前記三相交流電源の各出力端子に接続され、交流電源電圧の位相を検出する位相検出手段と、
前記整流回路の交流入力電流を検出する交流電流検出手段と、
前記位相検出手段から得られる位相データと交流電流検出手段から得られる電流データとに基づいて前記交流入力電流が正弦波となるようなスイッチング用データを作成してドライブ回路を介して前記3つの双方向性スイッチング素子をPWM制御する制御手段とを具備し、
前記制御手段は、通常運転前に、前記位相検出手段が検出する各相のゼロクロス付近の所定期間にて前記双方向性スイッチング素子を個別にパルス駆動して各相に流れる電流を検出し、所定レベル以上の電流を検出したときに異常信号を出力するように構成されていることを特徴とする三相整流装置。 - 制御手段は、異常信号の出力をキャンセルして、パルス駆動に同期して検出された各相の電流データと位相データを取得した後、予め記憶された相改正用テーブルに基づいて相データを改正するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の三相整流装置。
- 正側および負側直流母線間に3つの双方向性スイッチング素子を接続して構成された整流回路と、
前記3つの双方向性スイッチング素子の各交流入力端子の一方と三相交流電源の各出力端子との間にそれぞれ接続された3個の交流リアクトルと、
前記正側および負側直流母線間に直列に接続され、中点端子が前記3つの双方向性スイッチング素子の各交流入力端子の他方に接続された2個の平滑用コンデンサと、
前記三相交流電源の各出力端子に接続され、交流電源電圧の位相を検出する位相検出手段と、
前記整流回路の交流入力電流を検出する交流電流検出手段と、
前記位相検出手段から得られる位相データと交流電流検出手段から得られる電流データとに基づいて前記交流入力電流が正弦波となるようなスイッチング用データを作成してドライブ回路を介して前記3つの双方向性スイッチング素子をPWM制御する制御手段とを具備し、
前記制御手段は、通常運転前に、前記位相検出手段が検出する各相のゼロクロス付近以外の位相の所定期間にて前記双方向性スイッチング素子を個別にパルス駆動して各相に流れる電流を検出し、設定レベル以下の電流を検出したときに異常信号を出力するように構成されていることを特徴とする三相整流装置。 - 正側および負側直流母線間に3つの双方向性スイッチング素子を接続して構成された整流回路と、
前記3つの双方向性スイッチング素子の各交流入力端子の一方と三相交流電源の各出力端子との間にそれぞれ接続された3個の交流リアクトルと、
前記正側および負側直流母線間に直列に接続され、中点端子が前記3つの双方向性スイッチング素子の各交流入力端子の他方に接続された2個の平滑用コンデンサと、
前記三相交流電源の各出力端子に接続され、交流電源電圧の位相を検出する位相検出手段と、
前記整流回路の交流入力電流を検出する交流電流検出手段と、
前記位相検出手段から得られる位相データと交流電流検出手段から得られる電流データとに基づいて前記交流入力電流が正弦波となるようなスイッチング用データを作成してドライブ回路を介して前記3つの双方向性スイッチング素子をPWM制御する制御手段とを具備し、
前記制御手段は、前記電流検出手段が検出する交流入力電流が規定レベル以上の場合に、個々の相の交流入力電流の変化を監視し、所定時間以上の間、同一レベル電流が流れている相若しくは電流が流れていない相が検出されたときには異常信号を出力するように構成されていることを特徴とする三相整流装置。 - 正側および負側直流母線間に3つの双方向性スイッチング素子を接続して構成された整流回路と、
前記3つの双方向性スイッチング素子の各交流入力端子の一方と三相交流電源の各出力端子との間にそれぞれ接続された3個の交流リアクトルと、
前記正側および負側直流母線間に直列に接続され、中点端子が前記3つの双方向性スイッチング素子の各交流入力端子の他方に接続された2個の平滑用コンデンサと、
前記三相交流電源の各出力端子に接続され、交流電源電圧の位相を検出する位相検出手段と、
前記整流回路の交流入力電流を検出する交流電流検出手段と、
前記正側および負側直流母線間の直流電圧を検出する直流電圧検出手段と、
前記平滑用コンデンサの中点端子と前記正側若しくは負側直流母線殿間の中点電圧を検出する中点電圧検出手段と、
前記位相検出手段から得られる位相データと交流電流検出手段から得られる電流データとに基づいて前記交流入力電流が正弦波となるようなスイッチング用データを作成してドライブ回路を介して前記3つの双方向性スイッチング素子をPWM制御する制御手段とを具備し、
前記制御手段は、前記交流電流検出手段および中点電圧検出手段の検出に基づき、前記中点端子における定格電圧を超える過電圧の発生や前記正側直流母線−中点端子間と負側直流母線−中点端子間とにおける所定レベル以上の電圧アンバランスの発生などの異常を検出したときには異常信号を出力するように構成されていることを特徴とする三相整流装置。 - 3つの双方向性スイッチング素子の各交流入力端子の他方と2個の平滑用コンデンサの中点端子との間に1つのスイッチ手段が設けられ、
制御手段は、異常を検出したときには前記スイッチ手段を開放させるように構成されていることを特徴とする請求項5記載の三相整流装置。 - 三相交流電源電圧を直流電圧に変換して正側および負側直流母線間に印加する全波整流回路を設けたことを特徴とする請求項6記載の三相整流装置。
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