JP4097494B2 - 三相交流モータ駆動用インバータ装置 - Google Patents

三相交流モータ駆動用インバータ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インバータ回路を構成する半導体スイッチ素子に故障が発生した場合でも、三相交流モータの運転の継続を可能にする三相交流モータ駆動用インバータ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電力変換システムが基盤技術として社会を支えるに至り、故障などによってシステムが停止した場合の社会的悪影響は大きい。このため、電力変換器の故障に対し、駆動システムの高信頼化が要求される場合には、複数の装置を用意し冗長性を持たせることや、決められた使用時間に達すると、状況の如何にかかわらず装置を更新するなどして信頼性を確保してきた。これらの手法は、故障自体について即時に対策を講ずるものではなく、突然の故障に対しては無防備である。なお電動機駆動用インバータに用いられている半導体スイッチ素子(バルブデバイス)の故障としては、一般的には、過電流による短絡故障、経年劣化等による開放故障の2つの故障モードが考えられる。
【0003】
インバータ回路を構成する半導体スイッチ素子に故障が発生したときでも、三相交流モータの運転を継続することができるインバータ装置については、海外において報告例がある。例えば、1993年に発行された「IEEE TRANSACTIONS INDUSTRY APPLICATIONS.VOL.29.NO.5」の910頁〜917頁に掲載された「A strategy for improving reliability of field−oriented controlled induction moter drives」と題する論文に記載のインバータ装置では、三相交流モータの中性点を整流回路の出力の中性点に接続する必要がある。そのためモータ側の構造も含めてインバータ装置を構成する必要があった。
【0004】
また2001年に発行された「IEEE TRANSACTIONS INDUSTRY APPLICATIONS.VOL.37.NO.3」の873頁〜879頁に掲載された「An induction motor drivesystem with improved fault tolerance」と題する論文に掲載のインバータ装置では、通常の三相インバータ回路に加えて余分な主回路素子を必要とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前者の従来のインバータ装置では、三相交流モータの中性点を整流回路の出力の中性点に接続する必要があるため、モータ側の構造も含めてインバータ装置を構成する必要があった。
【0006】
また後者のインバータ装置では、通常の三相インバータ回路に加えて余分な主回路素子を必要とするため、通常のモータやインバータ回路をそのまま利用することができない問題があった。
【0007】
本発明の目的は、通常の三相交流モータ及びインバータ回路を用いることができて、しかもインバータ回路を構成する半導体スイッチ素子に故障が発生した場合には、三相交流モータの運転を継続することができる三相交流モータ駆動用インバータ装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、整流回路の出力側の中性点の電圧が変動する場合でも、支障なく三相交流モータの運転を継続することができる三相交流モータ駆動用インバータ装置を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、インバータ回路を構成する半導体スイッチ素子の故障時においても、故障前と同じトルクを得ることができる三相交流モータ駆動用インバータ装置を提供することにある。
【0010】
本発明の別の目的は、インバータ回路を構成する半導体スイッチ素子の故障を簡単に検出することができる三相交流モータ駆動用インバータ装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、交流電源の出力を整流する整流回路を含んで構成される直流電源回路と、それぞれ直列に接続された2つの半導体スイッチ素子と該半導体スイッチ素子に対して直列に接続されたヒューズとを含んで構成された第1乃至第3のアーム回路が並列接続されて構成され、直流電源回路から供給される直流電圧を三相交流電圧に変換する三相電圧制御型インバータ回路と、三相電圧制御型インバータ回路を構成する6個の前記半導体スイッチ素子をそれぞれPWM制御するためのPWM制御信号を発生するPWM制御回路を含むPWM制御器とを備えて三相分の励磁巻線が星形結線された三相交流モータを駆動する三相交流モータ駆動用インバータ装置を改良の対象とする。
【0012】
直流電源回路は整流回路の出力電圧を等分して中性点に出力する分圧回路を備えている。そして本発明は、故障素子判定手段と、中性点接続スイッチ回路と、中性点接続スイッチ駆動回路とを備えている。故障素子判定手段は、第1乃至第3のアーム回路をそれぞれ構成する半導体スイッチ素子の故障を検出する。中性点接続スイッチ回路は、第1乃至第3のアーム回路をそれぞれ構成する2つの半導体スイッチ素子の接続点によってそれぞれ構成される第1乃至第3の出力点と中性点との間に配置されて第1乃至第3の出力点を選択的に中性点に接続するように構成されている。また中性点接続スイッチ駆動回路は、故障素子判定手段の判定結果に基づいて、故障している半導体スイッチ素子を含むアーム回路の出力点を中性点に接続するために中性点接続スイッチ回路に駆動信号を出力するように構成されている。そしてPWM制御器は、故障素子判定手段の判定結果に応じて、故障している半導体スイッチ素子を含む1つのアーム回路以外の2つのアーム回路を構成する4個の半導体スイッチ素子にPWM制御信号を与えて、位相差π/3を持つ線間電圧が第1乃至第3の出力点間に現れるように構成されている。
【0013】
本発明をより具体的なレベルで表現すると、本発明が改良の対象とする三相交流モータ駆動用インバータ装置は、直流電源回路と、三相電圧制御型インバータ回路と、第1の正弦波信号発生回路及びPWM制御回路を含むPWM制御器とを具備する。直流電源回路は、交流電源の出力を整流する整流回路を含んで構成される。本発明においては、直流電源回路が、整流回路の出力電圧を等分して中性点に出力する分圧回路を備えている。また三相電圧制御型インバータ回路は、それぞれ直列に接続された2つの半導体スイッチ素子と該半導体スイッチ素子に対して直列に接続されたヒューズとを含んで構成された第1乃至第3のアーム回路が並列接続されて構成され、直流電源回路から供給される直流電圧を三相交流電圧に変換する。なお三相電圧制御型インバータ回路の構成は、ダイオード等の各種の付属部品がインバータ回路の周辺に存在していてもよい。PWM制御器に含まれる第1の正弦波信号発生回路は、位相が120度ずつ異なる所定の周波数の3種類の正弦波信号を発生する。またPWM制御回路は、3種類の正弦波信号を入力として、三相電圧制御型インバータ回路を構成する6個の半導体スイッチ素子をそれぞれPWM制御するためのPWM制御信号を発生するように構成されている。ここで1個の半導体スイッチ素子とは、物理的に1個の半導体スイッチ素子から構成される場合だけでなく、トランジスタのダーリントン接続のように複数個の半導体スイッチ素子により1つのスイッチ回路が構成される場合を含むものである。
【0014】
本発明では、故障素子判定手段を設ける。この故障素子判定手段は、第1乃至第3のアーム回路をそれぞれ構成する2つの半導体スイッチ素子の接続点によってそれぞれ構成される第1乃至第3の出力点から三相交流モータの星形結線された三相分の励磁巻線にそれぞれ供給されるモータ電流に基づいて、第1乃至第3のアーム回路をそれぞれ構成する2つの半導体スイッチ素子の故障を検出する。故障素子判定手段は、例えば、第1乃至第3の出力点から三相交流モータに出力される三相電流を検出するモータ電流検出器の出力に基づいて、相電流の有無から故障した半導体スイッチ素子を判定するように構成することができる。
【0015】
また本発明においては、第1乃至第3の出力点と分圧回路の中性点との間に、第1乃至第3の出力点を選択的に中性点に接続する中性点接続スイッチ回路を設ける。この中性点接続スイッチ回路は、第1乃至第3の出力点から選択された1つの出力点を中性点に接続するものである。この接続により、三相励磁巻線は、電気的に2つの励磁巻線がV結線された状態になる。
【0016】
そこで本発明では、中性点接続スイッチ駆動回路を設ける。この中性点接続スイッチ駆動回路は、故障素子判定手段の判定結果に基づいて、故障している半導体スイッチ素子を含むアーム回路の出力点を中性点に接続するために中性点接続スイッチ回路に駆動信号を出力する。
【0017】
更に本発明においては、PWM制御器に、位相が60度ずつ異なる所定の周波数の2種類の正弦波信号を発生する第2の正弦波信号発生回路と、信号切換回路とを更に設ける。信号切換回路は、故障素子判定手段の判定結果に応じて、故障している半導体スイッチ素子を含む1つのアーム回路以外の2つのアーム回路を構成する4個の半導体スイッチ素子にPWM制御信号を与えるために、3種類の正弦波信号に代えて2種類の正弦波信号をPWM制御回路に入力する。そしてPWM制御回路は、3種類の正弦波信号に代えて2種類の正弦波信号が入力されると、三相交流モータの励磁巻線が、V結線されたものとして所定の励磁巻線を励磁するためのPWM制御信号を出力するように構成されている。
【0018】
励磁巻線の一相に対応するインバータ回路のアームを構成する半導体スイッチ素子に導通不良の故障が発生した場合には、その半導体スイッチ素子を通して十分に電流が流れなくなる。またその半導体スイッチ素子が短絡状態になる故障が発生した場合には、各アームに含まれるヒューズが切れて、結果的には前述と同様にその半導体スイッチ素子を通しては電流が流れなくなる。このような状態になったときに、本発明では故障した半導体スイッチ素子を含むアームの出力点を整流回路の出力電圧を等分する中性点に接続することにより、三相の励磁巻線のうち健全な二相の励磁巻線をV結線する。そして健全な二相の励磁巻線に流れる電流を制御する2つのアームに含まれる4つの半導体スイッチ素子を位相差60度の正弦波を用いてパルス幅変調することにより、V結線された二相の励磁巻線により三相平衡の出力電流が得られる。すなわちこの結線において、直流側の中性点を基準としてインバータ回路の残された正常な二相から、位相差π/3[rad]を持つ正弦波の線間電圧を印加することで、電動機の相電圧に三相平衡電圧が得られるようになって、交流モータ(誘導機)を応急運転できるようになる。よって本発明によれば、特別に設計したモータや特別に設計したインバータ回路を用いなくても、インバータ回路を構成する半導体スイッチ素子が故障した場合に、応急運転を簡単に行うことができる。
【0019】
なおインバータ回路の2相のみを使用して、モータの励磁巻線の1相を直流側の中性点に接続する回路方式自体は、海外において低コストインバータの実現方式の一つとして検討が行われている例がある。しかしながら、従来行われてきたこれらの検討は、通常のインバータを応急運転する場合に組み替える回路方式としての検討ではない。例えば、1999年7月に発行された「IEEE TRANSACTIONS INDUSTRY APPLICATIONS.VOL.14.NO.4」の743頁〜752頁に掲載された「Adaptive SVM to compensate DC−link voltage ripple for four−switch three−phase voltage−source inverters」と題する論文や、1995年にIEEEから発行された「VSI−PWM rectifier/Invertersystem with a reduced switch count」と題する論文には、定常的にモータの励磁巻線の1相を直流側の中性点に接続する回路方式が示されている。しかしながらこれらの論文中には、インバータ回路を構成する半導体スイッチ素子に故障が発生した場合の応急措置として、V結線を用いることはまったく示唆されていない。
【0020】
直流電圧が同一の条件下で、V結線により応急運転をする場合には、正常なインバータ装置よりも出力できるトルクの上限が下がる問題がある。これを解消するためには、正弦波の周波数を下げること、例えば、応急運転では速度を通常の半分までとすることで、対象とする速度範囲での発生トルクを正常時と同等とすることができる。
【0021】
しかしながらこのような低速運転(正弦波の周波数を下げる運転)を行う場合には、直流側の中性点の電圧の変動が顕著になり、交流モータの電流波形が悪くなる問題が生じる。そこでこれを解消するためには、中性点電圧変動分を検出する中性点電圧変動分検出回路と、第2の正弦波信号発生回路から出力される2種類の正弦波信号に中性点電圧変動分をそれぞれ加算する第1及び第2の加算回路とを更に設ける。そしてこの場合には、信号切換回路を、故障素子判定手段の判定結果に応じて、故障している半導体スイッチ素子を含む1つのアーム回路以外の2つのアーム回路を構成する4個の半導体スイッチ素子にPWM制御信号を与えるために、3種類の正弦波信号に代えて第1及び第2の加算回路から出力される中性点電圧変動分を含む2種類の正弦波信号をPWM制御回路に入力するように構成する。このようにすると直流側の中性点の電圧の変動を検出してインバータ回路のパルス幅変調の指令値に帰還することによる新しいパルス幅変調方式により、中性点の電圧の変動の影響を抑圧して、良好な出力電流波形を実現できる。
【0022】
分圧回路は、整流回路の出力段に挿入される平滑用コンデンサを容量が等しい直列接続された2つの平滑コンデンサにより構成することができる。この場合には、2つの平滑コンデンサの接続点が中性点となる。
【0023】
また中性点電圧変動分検出回路は、基準電圧と中性点の電圧とを比較して電圧変動分を検出するように構成すればよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の三相交流モータ駆動用インバータ装置の一実施の形態の構成の主要部を示す回路図である。図1において、符号1で示したものは200Vの三相交流電源であり、この交流電源1の出力は6個のダイオードがブリッジ接続されて構成された整流回路2によって整流される。整流回路2の直流出力端子間には容量が等しい2つ平滑コンデンサC1及びC2が直列に接続されてなる直列回路から構成された分圧回路3が並列に接続されている。2つ平滑コンデンサC1及びC2の接続点が中性点Nを構成しており、中性点Nの電位は整流回路2の出力電圧Edcの1/2である。
【0025】
また整流回路2の直流出力端子間には三相電圧制御型インバータ回路4が接続されている。このインバータ回路4は、整流回路2から出力された直流電圧を三相交流電圧に変換して、三相誘導電動機すなわち三相交流モータ5に供給する。インバータ回路4の出力周波数を変えることにより、三相交流モータ5の速度は変化する。インバータ回路4は、第1乃至第3のアーム回路4A乃至4Cが並列接続されて構成されている。第1のアーム回路4A乃至4Cは、それぞれ直列に接続されたトランジスタからなる2つの半導体スイッチ素子Q1及びQ2,Q3及びQ4並びにQ5及びQ6と、これらの半導体スイッチ素子に対してそれぞれ直列に接続されたヒューズf1〜f6と、半導体スイッチ素子を構成するトランジスタのエミッタコレクタ回路に逆並列接続されたダイオードD1〜D6とを含んで構成されている。各アーム回路4A乃至4Cにおける2つの半導体スイッチ素子の接続点が第1乃至第3の出力点U乃至Wを構成している。これら第1乃至第3の出力点U乃至Wには、三相分の励磁巻線が星形結線された三相誘導電動機からなる三相交流モータの各励磁巻線の端部がそれぞれ接続されている。また第1乃至第3の出力点U乃至Wと分圧回路3の中性点Nとの間には、駆動信号に応じて切り替わって第1乃至第3の出力点U乃至Wを選択的に中性点Nに接続する中性点接続スイッチ回路7が配置されている。中性点接続スイッチ回路7は、駆動信号が無いときに開状態になり、駆動信号が入力されている間は閉状態となる電磁スイッチ等からなる開閉制御が可能な3つの常開接点SW1〜SW3により構成されている。
【0026】
駆動信号は、中性点接続スイッチ駆動回路8から供給される。中性点接続スイッチ駆動回路8は、第1乃至第3のアーム回路4A乃至4Cをそれぞれ構成する2つの半導体スイッチ素子の故障を検出する故障素子判定手段9の判定結果に基づいて、故障している半導体スイッチ素子を含むアーム回路の出力点を中性点Nに接続するために中性点接続スイッチ回路7に駆動信号を出力する。故障素子判定手段9は、例えば、第1乃至第3のアーム回路4A乃至4Cの第1乃至第3の出力点U乃至Wから三相交流モータ5の三相分の励磁巻線にそれぞれ供給されるモータ電流を図示しないモータ電流検出器を用いて検出し、各相のモータ電流のの有無または大小に基づいて、第1乃至第3のアーム回路4A乃至4Cをそれぞれ構成する半導体スイッチ素子の故障を検出する。例えば、出力点Vからのモータ電流が他の出力点U及びWからのモータ電流と比べて小さくなっている場合には、第2のアーム回路4Bを構成する半導体スイッチ素子Q3又はQ4のいずれかまたは両方が故障しているものと判断することができる。なお出力点から流れ出る電流の極性を見れば、アーム回路を構成する2つの半導体スイッチ素子のいずれが故障しているのかが判別できる。このようにして故障素子判定手段9が、故障が発生している半導体スイッチ素子または故障が発生している半導体スイッチ素子が含まれているアーム回路を判別すると、そのアーム回路の出力点を中性点Nに接続するための駆動信号が、中性点接続スイッチ駆動回路8から中性点接続スイッチ回路7に出力される。図示の例では、半導体スイッチ素子Q3が故障しているため、常開接点SW2が閉状態になって、出力点Vが中性点Nに接続されている。このようにすると、三相交流モータ5の三相分の励磁巻線はV結線されたのと同じ状態になる。この点は後に説明する。
【0027】
6個の半導体スイッチ素子Q1〜Q6は、PWM制御器10から出力されるPWM制御信号によりPWM(パルス幅変調)制御される。PWM制御器10は、位相が120度ずつ異なる所定の周波数の3種類の正弦波信号を発生する正弦波信号発生回路と、これらの正弦波信号を入力として各相分のPWM制御信号を発生するPWM制御回路とを含んで構成されている。PWM制御器10は、正弦波信号と三角波信号のキャリア信号との比較により得たパルス幅が変調されたパルス信号をPWM制御信号として、半導体スイッチ素子Q1〜Q6のベースにそれぞれ出力する。またこのPWM制御器10は、故障素子判定手段9の判定結果に応じて、故障している半導体スイッチ素子を含む1つのアーム回路以外の2つのアーム回路を構成する4個の半導体スイッチ素子にPWM制御信号を与えて、位相差π/3を持つ線間電圧が、三相交流モータの三相分の励磁巻線に現れるように構成されている。具体的には、位相が60度ずつ異なる所定の周波数の2種類の正弦波信号を用いて、故障している半導体スイッチ素子を含む1つのアーム回路以外の2つのアーム回路を構成する4個の半導体スイッチ素子のためのPWM制御信号を作るように構成されている。なおこのようなPWM制御器の機能は、市販のインバータ回路のドライバ回路に含まれている一般的なPWM制御回路に入力される位相が120度異なる3つの正弦波信号の代わりに、位相が60度ずつ異なる所定の周波数の2種類の正弦波信号を対応する相の入力部に入力することにより得られる。
【0028】
バルブデバイス即ち半導体スイッチ素子の故障モードは過電流による短絡、経年劣化等による開放の二通りである。各アーム回路の両端に挿入した電力用のヒューズf1〜f6は、半導体スイッチ素子が短絡故障した場合においても開放となる。従って、半導体スイッチ素子に故障が起こると故障相は開放となる。このとき、故障素子判定手段9とPWM制御器10の前述した機能により、故障の起こったアーム回路の半導体スイッチ素子への導通信号は遮断される。そして中性点接続スイッチ回路8中の常開接点が閉じることにより、故障した相の電動機端子即ち故障した半導体スイッチ素子を含むアーム回路の出力点が、直流電圧平滑用のコンデンサC1及びC2の中性点Nに接続される。先に述べたように、図1の例では、V相のプラス側の半導体スイッチ素子Q3が故障し、三相交流モータ5のV相(故障相)が常開接点SW2が閉じることにより直流側の中性点に接続されている例を示している。以下の説明では、V相を故障相と仮定し説明する。
【0029】
本実施の形態[応急運転法(二相三線式駆動法)]では、応急運転時は故障の起こった相(V相)が接続された直流側の中性点Nの電圧を基準として、正常動作できる他の二相(U相・W相)から、直流側の中性点Nに対して、位相差π/3[rad]を持つ正弦波電圧を印加することによって、変圧器のV結線と同様の原理で、モータ5の相電圧に位相差π/3[rad]の三相平衡電圧を印加することができる。この状態を本願明細書では、応急運転時または二相三線式駆動時と言う。下記式(1)及び式(2)は、このときの各電圧を示す。
【0030】
【数1】
Figure 0004097494
図2に二相三線式駆動時のモータの電圧フェーザ図を示す。図2では位相角をVUVを基準に反時計周りを正方向と定義している。応急運転時は、インバータの直流電源電圧Edcが正常時と同一であり、直流側の中性点Nの電圧を基準としてモータの励磁巻線に線間電圧を印加するため、インバータ回路4が印加できる線間電圧の最大値は正常時線間電圧に比べ1/2倍となる。従って、定格トルクを得ようとすると運転速度の上限は低くなる。
【0031】
図3及び図4に応急運転による実験結果の一例を示す。実験装置の主要諸元は下記の表1に示す通りであった。
【0032】
【表1】
Figure 0004097494
二相三線式駆動の特性観察のため、まず定格周波数で駆動を行った実験結果を図3に示す。インバータ回路の周波数はf=50[Hz]、変調率a=0.9とし、直流電源電圧Edcの制限により、電動機磁束は正常時の半分の運転条件で駆動を行った。また、このときは出力の電流帰還制御は行っていない。二相三線式駆動時において、誘導機の相電圧が三相平衡電圧となり、三相平衡状態で電動機を駆動できていることが図3から分かる。但し、この状態では、トルクが半減するものの応急運転は可能である。
【0033】
定格トルクを落とさずに応急運転するためには、インバータ回路の周波数を下げる必要がある。本願明細書では、インバータ回路の周波数を定常運転時よりも下げて応急運転するときを低周波数駆動時と言う。この応急運転を想定した低周波数駆動時における実験結果を図4に示す。インバータ回路の周波数をf=25[Hz]、変調率a=1.0とし、電動機磁束を平常時と同じになるように設定した。図4の結果では、三相電流は不平衡で振幅も安定していない。このような状態でも一応の応急運転は可能であるが好ましくない。図5に、図4の実験における直流側電圧及び故障相電流波形(V相電流)と、直流側の中性点Nの電圧を示す。三相電流が不平衡で振幅も安定しないのは、直流側の中性点Nに故障相電流(V相電流)が流れることで直流側の中性点Nの電圧が変動し、インバータ回路が図2に示した所定の電圧をモータ(誘導機)に印加できず、相電圧が正しく制御されていないためである。不平衡電流が直流側の中性点Nの電圧変動をさらに促進するため、モータ(誘導機)は不安定な運転状態となる。直流側の中性点Nに流れる電流を簡単化して21/2Isinωtと表すと、直流側の中性点Nの電圧変動分Δνは以下の式(3)で求められる。
【0034】
【数2】
Figure 0004097494
ここに、Δνは直流側の中性点Nの電圧変動分である。
【0035】
基本波周波数で直流側の中性点の電圧が変動し、低周波数駆動時、重負荷駆動時において出力電圧への影響が顕著となる。応急運転時おいて、定格トルクを得る低周波では、定格電流が直流側の中性点に流れ、電動機は不安定な状態となり運転が困難となる。そこで応急運転の際には、直流側の中性点の電圧変動を考慮したインバータ回路の制御法を用いるのが好ましい。
【0036】
図6は、直流側の中性点の電圧変動を考慮したインバータ装置の主要部の構成を示す回路図である。図6において、図1に示した回路図と同様の部品には、図1に付した符号と同じ符号を付して説明を省略する。また図7には、図6の制御部の構成をブロック図で示してある。図7においては、図示を簡略化するために、多相の部分も単相のようにして図示してある。更に図8は、図7の回路の主要部の更なる詳細を示している。
【0037】
図6に示すように、この実施の形態の制御部は、大きく分けて、PWM制御器101と、モータ電流検出器108と、故障素子判定器109と、中性点電圧検出器114とを備えている。モータ電流検出器108は、各相の相電流を検出する3台の変流器により構成される。図7に示すように、故障素子判定器109は、故障素子判定手段110と中性点接続スイッチ駆動回路112とから構成される。故障素子判定手段110は、モータ電流検出器108が検出した第1乃至第3のアーム回路4A乃至4Cの第1乃至第3の出力点U乃至Wから三相交流モータ5の三相分の励磁巻線にそれぞれ供給されるモータ電流iu乃至iwに基づいて、第1乃至第3のアーム回路4A乃至4Cをそれぞれ構成する2つの半導体スイッチ素子の故障を検出する。図8に示すように、この例では、各相のモータ電流iu乃至iwの実効値電流を実効値電流演算手段111で演算し、演算結果を故障相判定部112で予め定めた基準値と比較して、演算結果が基準値よりも小さくなった相で故障が発生したと判定する。この例では、1つのアーム回路に含まれる2つの半導体スイッチ素子のうちいずれが故障したかまでは判別できない。しかし実際には、故障が発生した相が特定できればよく、このことは特に問題とはならない。故障相判定部112による判定結果は、中性点接続スイッチ駆動回路113(図7)と後述する切換スイッチ駆動回路103b(図8)とに与えられる。先の実施の形態と同様に、判定結果が中性点接続スイッチ駆動回路113(図7)に入力されると駆動信号により指定された中性点接続スイッチ回路7の常開接点が閉じられ、故障が発生している相のアーム回路の出力点が直流側の中性点Nに接続される。
【0038】
PWM制御器101は、PWM制御回路102と、信号切換回路103と、第1の正弦波信号発生回路104と、第2の正弦波信号発生回路105と、中性点電圧変動分検出回路106と、加算手段107とを備えている。第1の正弦波信号発生回路104は、位相が120度ずつ異なる所定の周波数(具体例では50Hz)の3種類の正弦波信号を発生する。また第2の正弦波信号発生回路105は、位相が60度ずつ異なる所定の周波数(具体例では25Hz)の2種類の正弦波信号を発生する。図8には、正弦波信号の位相が相違することを示すためにブロックの内部に出力される正弦波信号の位相角を記載してある。
【0039】
中性点電圧変動分検出回路106は、中性点電圧検出器114によって検出した中性点Nの電圧変動分を検出する。中性点電圧検出器114は、中性点とアースとの間の電圧に比例した値を測定できれば、いかなるものであってもよく、例えば、適宜の抵抗体分圧回路により構成することができる。中性点電圧変動分検出回路106は、図8に示すように、中性点電圧変動分Δνを、中性点の電圧と予め定めた基準電圧(直流電圧が200Vであれば、100V)とを比較器106aで比較することにより求める。電圧変動分Δνは、加算手段107を構成する第1及び第2の加算回路107a及び107bにより、第2の正弦波信号発生回路105から出力される位相が60度異なる2種類の正弦波信号にそれぞれ加算される。
【0040】
信号切換回路103は、故障素子判定手段110の判定結果に応じて、故障している半導体スイッチ素子を含む1つのアーム回路以外の2つのアーム回路を構成する4個の半導体スイッチ素子にPWM制御信号を与えるために、第1の正弦波信号発生回路から出力される3種類の正弦波信号に代えて、第2の正弦波信号発生回路105から出力される2種類の正弦波信号に第1及び第2の加算回路107a及び107bによって中性点Nの電圧変動分Δνを加算した指令信号をPWM制御回路102に与える。図8に概念的に示すように、信号切換回路103は、切換スイッチ回路103aと、故障素子判定手段110の判定結果により切換のための駆動信号を出力する切換スイッチ駆動回路103bとから構成される。切換スイッチ駆動回路103bは故障素子判定手段110が半導体スイッチ素子の故障を判定しない場合には、各スイッチ回路SW11〜SW13の接点を第1の正弦波信号発生回路104の3つの出力部に接続された接点にそれぞれ接続している。したがってこの状態では、PWM制御回路102に、120度位相の異なる正弦波信号が指令信号として入力されている。また故障素子判定手段110が、故障した半導体スイッチ素子を含むアーム回路を検出して故障相判定部112から故障した半導体スイッチ素子を含むアーム回路の相を示す信号が切換スイッチ駆動回路103bに入力されると、切換スイッチ駆動回路103bは故障した半導体スイッチ素子を含むアーム回路以外の2つのアーム回路に含まれる4つの半導体スイッチ素子にPWM制御信号を与えるために、PWM制御回路の適宜の相の正弦波信号入力端子(故障した半導体スイッチ素子が含まれるアーム回路の相以外の2つの相に対応する正弦波信号入力端子)に位相が60度異なる2種類の正弦波信号を供給するように切換スイッチSW11〜SW13を切り換える。この切換により、故障した半導体スイッチ素子が含まれるアーム回路の2つの半導体スイッチ素子への導通信号の供給は停止される。そして残りの正常なアーム回路に含まれる4つの半導体スイッチ素子には、電気的にはV結線状態になっている交流モータ5の励磁巻線を励磁して三相平衡電圧を得ることができるようにするための、PWM制御信号がPWM制御回路102から各半導体スイッチ素子のベースに与えられる。
【0041】
図6を用いて、直流側の中性点Nの電圧変動を考慮したインバータ出力電圧の補正原理を説明する。インバータ直流電源電圧Edcは常に一定と考える。基準を直流側のマイナス側母線電位のOにとる。変動がない場合の中性点の電圧は(1/2)Edcとなる。直流側の中性点Nの電圧がΔνだけ変動すると、中性点の電圧νNOは(1/2)Edc+Δνとなる。変動時においても所定の線間電圧を印加するには、νUNとνWNの電位差を正常時と同一にすればよい。つまり、変動がない場合のνUO、νWOに対して、それぞれνUO+Δν、νWO+Δνとすればよい。従って、直流側の中性点Nの電圧変動を考慮し、線間に任意の電圧を印加するには、電圧変動分Δνを加算した電圧を、正常な相へ印加すればよい。以上を考慮し、電圧変動分を考慮した指令値を与えるには、U相−V相、V相−W相の線間電圧に対する直流側電圧は(1/2)Edcとなるので、指令値(正弦波信号)が比較される三角波の振幅を1とすれば、補正前の指令値ν refに電圧に対する電圧変動割合を加算し、以下の式(4)に示す指令値ν** refとすればよい。
【0042】
【数3】
Figure 0004097494
図9及び図10に、直流電圧側の変動分を補正する制御を用いた実験結果の一例を示す。実験条件は図4に示した実験条件と同様に設定した。図9には相電流波形、図10には直流側の中性点Nの電圧特性を示した。図9及び図10から分かるように、このような補正を行うと、図4及び図6に示す実験結果と比較して、直流側の中性点Nの電圧変動の影響が顕著になる低周波数駆動時(25Hz時)においても、三相平衡状態で交流モータ(誘導機)を応急運転できる。
【0043】
図11に応急運転時のトルク−すべり特性結果を示す。実験条件は図4に示した実験条件と同様に設定した。平常時はインバータ回路の運転条件を周波数f=50[Hz]とし、変調率a=0.9とし、応急運転時は電動機磁束が定格運転時と同様になるように、周波数f=25[Hz]とし、変調率a=0.9とした。この結果からも、応急運転時において、平常時と同様のトルク−すべり特性を示し、応急運転においても正常時と同等のトルクが得られることが分かる。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、故障した半導体スイッチ素子を含むアームの出力点を整流回路の出力電圧を等分する中性点に接続することにより、三相の励磁巻線のうち健全な二相の励磁巻線をV結線し、健全な二相の励磁巻線に流れる電流を制御する2つのアームに含まれる4つの半導体スイッチ素子をPWM制御して、V結線された二相の励磁巻線により三相平衡の出力電流を得ることができる。そのため本発明によれば、特別に設計したモータや特別に設計したインバータ回路を用いなくても、インバータ回路を構成する半導体スイッチ素子が故障した場合に、応急運転を簡単に行うことができる利点がある。
【0045】
また直流側の中性点の電圧の変動分を検出してインバータ回路のパルス幅変調の指令値(正弦波信号)に帰還(加算)すれば、中性点の電圧の変動の影響を抑制して、良好な出力電流波形を得られる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の三相交流モータ駆動用インバータ装置の一実施の形態の構成の主要部を示す回路図である。
【図2】二相三線式駆動時のモータの電圧フェーザ図である。
【図3】定格周波数駆動時における電流波形を示す図である。
【図4】低周波数駆動時における電流波形を示す図である。
【図5】低周波数駆動時における直流電圧、中性点の電圧及びV相電流波形を示す図である。
【図6】直流側の中性点電圧変動を考慮したインバータ装置の主要部の構成を示す回路図である。
【図7】図6の制御部の構成を示すブロック図である。
【図8】図7の回路の主要部の詳細を示す図である。
【図9】図6の実施の形態において、補正制御を低周波数駆動時における電流波形を示す図である。
【図10】補正制御を用いた低周波数駆動時における直流電圧、中性点の電圧及びV相電流波形を示す図である。
【図11】正常駆動時と応急運転時における電動機トルクの出力特性を示す図である。
【符号の説明】
1 三相交流電源
2 整流回路
3 分圧回路
4 インバータ回路
5 交流モータ(誘導機)
7 中性点接続スイッチ回路
8 中性点接続スイッチ駆動回路
9 故障素子判定手段
10,101 PWM制御器
102 PWM制御回路
103 信号切換回路
104 第1の正弦波信号発生回路
105 第2の正弦波信号発生回路
106 中性点電圧変動分検出回路
107 加算手段
107a,107b 第1及び第2の加算回路
108 モータ電流検出器
109 故障素子判定器
110 故障素子判定手段
114 中性点電圧検出器
N 中性点

Claims (7)

  1. 交流電源の出力を整流する整流回路を含んで構成される直流電源回路と、
    それぞれ直列に接続された2つの半導体スイッチ素子と該半導体スイッチ素子に対して直列に接続されたヒューズとを含んで構成された第1乃至第3のアーム回路が並列接続されて構成され、前記直流電源回路から供給される直流電圧を三相交流電圧に変換する三相電圧制御型インバータ回路と、
    前記三相電圧制御型インバータ回路を構成する6個の前記半導体スイッチ素子をそれぞれPWM制御するためのPWM制御信号を発生するPWM制御回路を含むPWM制御器とを備えて三相分の励磁巻線が星形結線された三相交流モータを駆動する三相交流モータ駆動用インバータ装置であって、
    前記直流電源回路は前記整流回路の出力電圧を等分して中性点に出力する分圧回路を備えており、
    前記第1乃至第3のアーム回路をそれぞれ構成する前記半導体スイッチ素子の故障を検出する故障素子判定手段と、
    前記第1乃至第3のアーム回路をそれぞれ構成する前記2つの半導体スイッチ素子の接続点によってそれぞれ構成される第1乃至第3の出力点と前記中性点との間に配置されて前記第1乃至第3の出力点を選択的に前記中性点に接続する中性点接続スイッチ回路と、
    前記故障素子判定手段の判定結果に基づいて、故障している半導体スイッチ素子を含む前記アーム回路の前記出力点を前記中性点に接続するために前記中性点接続スイッチ回路に駆動信号を出力する中性点接続スイッチ駆動回路とを更に備え、
    前記PWM制御器は、前記故障素子判定手段の判定結果に応じて、故障している前記半導体スイッチ素子を含む1つの前記アーム回路以外の2つの前記アーム回路を構成する4個の前記半導体スイッチ素子にPWM制御信号を与えて、位相差π/3[rad]を持つ線間電圧が第1乃至第3の出力点間に現れるように構成されていることを特徴とする三相交流モータ駆動用インバータ装置。
  2. 交流電源の出力を整流する整流回路を含んで構成される直流電源回路と、
    それぞれ直列に接続された2つの半導体スイッチ素子と該半導体スイッチ素子に対して直列に接続されたヒューズとを含んで構成された第1乃至第3のアーム回路が並列接続されて構成され、前記直流電源回路から供給される直流電圧を三相交流電圧に変換する三相電圧制御型インバータ回路と、
    位相が120度ずつ異なる所定の周波数の3種類の正弦波信号を発生する第1の正弦波信号発生回路及び、前記3種類の正弦波信号を入力として、前記三相電圧制御型インバータ回路を構成する6個の前記半導体スイッチ素子をそれぞれPWM制御するためのPWM制御信号を発生するPWM制御回路を含むPWM制御器とを備えて三相分の励磁巻線が星形結線された三相交流モータを駆動する三相交流モータ駆動用インバータ装置であって、
    前記直流電源回路は、前記整流回路の出力電圧を等分して中性点に出力する分圧回路を備えており、
    前記第1乃至第3のアーム回路をそれぞれ構成する前記2つの半導体スイッチ素子の接続点によってそれぞれ構成される第1乃至第3の出力点から前記三相交流モータの前記三相分の励磁巻線にそれぞれ供給されるモータ電流に基づいて、前記第1乃至第3のアーム回路をそれぞれ構成する前記半導体スイッチ素子の故障を検出する故障素子判定手段と、
    前記第1乃至第3の出力点と前記中性点との間に配置されて前記第1乃至第3の出力点を選択的に前記中性点に接続する中性点接続スイッチ回路と、
    前記故障素子判定手段の判定結果に基づいて、故障している半導体スイッチ素子を含む前記アーム回路の前記出力点を前記中性点に接続するために前記中性点接続スイッチ回路に駆動信号を出力する中性点接続スイッチ駆動回路とを更に備え、
    前記PWM制御器は、
    位相が60度ずつ異なる所定の周波数の2種類の正弦波信号を発生する第2の正弦波信号発生回路と、
    前記故障素子判定手段の判定結果に応じて、故障している前記半導体スイッチ素子を含む1つの前記アーム回路以外の2つの前記アーム回路を構成する4個の前記半導体スイッチ素子にPWM制御信号を与えるために、前記3種類の正弦波信号に代えて前記2種類の正弦波信号を前記PWM制御回路に入力する信号切換回路とを更に備え、
    前記PWM制御回路は、前記3種類の正弦波信号に代えて前記2種類の正弦波信号が入力されると、前記三相交流モータの前記励磁巻線がV結線されたものとして所定の前記励磁巻線を励磁するための前記PWM制御信号を出力するように構成されていることを特徴とする三相交流モータ駆動用インバータ装置。
  3. 交流電源の出力を整流する整流回路を含んで構成される直流電源回路と、
    それぞれ直列に接続された2つの半導体スイッチ素子と該半導体スイッチ素子に対して直列に接続されたヒューズとを含んで構成された第1乃至第3のアーム回路が並列接続されて構成され、前記直流電源回路から供給される直流電圧を三相交流電圧に変換する三相電圧制御型インバータ回路と、
    位相が120度ずつ異なる所定の周波数の3種類の正弦波信号を発生する第1の正弦波信号発生回路及び、前記3種類の正弦波信号を入力として、前記三相電圧制御型インバータ回路を構成する6個の前記半導体スイッチ素子をそれぞれPWM制御するためのPWM制御信号を発生するPWM制御回路を備えて三相分の励磁巻線が星形結線された三相交流モータを駆動する三相交流モータ駆動用インバータ装置であって、
    前記直流電源回路は、前記整流回路の出力電圧を等分して中性点に出力する分圧回路を備えており、
    前記第1乃至第3のアーム回路をそれぞれ構成する前記2つの半導体スイッチ素子の接続点によってそれぞれ構成される第1乃至第3の出力点から前記三相交流モータの励磁巻線にそれぞれ供給されるモータ電流に基づいて、前記第1乃至第3のアーム回路をそれぞれ構成する前記半導体スイッチ素子の故障を検出する故障素子判定手段と、
    前記第1乃至第3の出力点と前記中性点との間に配置されて前記第1乃至第3の出力点を選択的に前記中性点に接続する中性点接続スイッチ回路と、
    前記故障素子判定手段の判定結果に基づいて、故障している半導体スイッチ素子を含む前記アーム回路の前記出力点を前記中性点に接続するために前記中性点接続スイッチ回路に駆動信号を出力する中性点接続スイッチ駆動回路とを更に備え、
    前記PWM制御器は、
    位相が60度ずつ異なる所定の周波数の2種類の正弦波信号を発生する第2の正弦波信号発生回路と、
    前記中性点電圧変動分を検出する中性点電圧変動分検出回路と、
    前記第2の正弦波信号発生回路から出力される前記2種類の正弦波信号に前記中性点電圧変動分をそれぞれ加算する第1及び第2の加算回路と、
    前記故障素子判定手段の判定結果に応じて、故障している前記半導体スイッチ素子を含む1つの前記アーム回路以外の2つの前記アーム回路を構成する4個の前記半導体スイッチ素子にPWM制御信号を与えるために、前記3種類の正弦波信号に代えて前記第1及び第2の加算回路から出力される前記中性点電圧変動分を含む前記2種類の正弦波信号を前記PWM制御回路に入力する信号切換回路とを更に備え、
    前記PWM制御回路は前記3種類の正弦波信号に代えて前記2種類の正弦波信号が入力されると、前記三相交流モータの前記励磁巻線がV結線されたものとして所定の前記励磁巻線を励磁するための前記PWM制御信号を出力するように構成されていることを特徴とする三相交流モータ駆動用インバータ装置。
  4. 前記第2の正弦波信号発生回路から出力される前記2種類の正弦波信号の周波数は、前記第1の正弦波信号発生回路から出力される前記3種類の正弦波信号が前記PWM制御回路に入力されているときに得られる定格トルクと実質的に同じトルクが得られるように、前記3種類の正弦波信号の周波数よりも低く設定されていることを特徴とする請求項3に記載の三相交流モータ駆動用インバータ装置。
  5. 前記分圧回路は、容量の等しい2つのコンデンサが直列に接続されて構成されており、前記2つのコンデンサの接続点が前記中性点を構成している請求項1,2または3に記載の三相交流モータ駆動用インバータ装置。
  6. 前記故障素子判定手段は、前記第1乃至第3の出力点から前記三相交流モータに出力される三相電流を検出するモータ電流検出器の出力に基づいて、相電流の有無から前記故障した半導体スイッチ素子を判定するように構成されている請求項1,2または3に記載の三相交流モータ駆動用インバータ装置。
  7. 前記中性点電圧変動分検出回路は、基準電圧と前記中性点の電圧とを比較して前記電圧変動分を検出するように構成されている請求項3に記載の三相交流モータ駆動用インバータ装置。
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