JP3631640B2 - 難燃性ポリエステル樹脂組成物およびそれからなる成形品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機械特性、溶融熱安定性および表面外観性に優れた難燃性ポリエステル樹脂組成物およびそれからなる成形品に関する。さらに詳しくは、靭性に優れ、ホットランナーシステム等を用いた厳しい成形条件下でも安定した成形品が得られ、かつ高い表面外観と白色度を有し、照明部品や家電製品等の外観用途に適した難燃性ポリエステル樹脂組成物ならびにそれからなる照明部品用および家電製品用成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性ポリエステル樹脂は、その優れた耐熱性、機械特性、耐薬品性、成形性から多くの用途に用いられているが、最近は製品の安全性確保の観点から、難燃性の賦与が求められることが多くなっている。しかし一般に熱可塑性ポリエステル樹脂は、難燃化することで機械物性、特に靭性が低下することが問題になることが多い。
【0003】
また最近は、廃棄物の削減などの観点からホットランナーシステムによる成形や、成形屑のリサイクルを行うことが多くなり、樹脂にはより高い溶融熱安定性が求められるようになっている。難燃性ポリエステル樹脂の機械特性、溶融熱安定性を改良するための方策としては、特開昭54−83053号公報、特開昭62− 172052号公報等で、難燃剤として特定分子量の臭素化ポリカーボネートオリゴマーと、特定分子量の臭素化エポキシ化合物を特定の比率で併用する方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの方法では溶融安定性はある程度改善されるものの、本発明で意図しているような、ホットランナーシステムによる成形や、成形屑のリサイクルを行うような厳しい成形条件下では、機械物性、特に靭性の維持が十分でなく、更には成形品の変色や異物・焼けの発生が避けられず、白色度の高い成形品を安定して得るのが困難であった。
【0005】
本発明は上述の事情を背景としてなされたものであり、その目的は、機械特性および溶融熱安定性に優れた難燃性ポリエステル樹脂組成物であって、靭性に優れ、ホットランナーシステム等を用いた厳しい成形条件下でも成形加工性に優れ、更には優れた表面外観、白色度を有する難燃性ポリエステル樹脂組成物を提供することにある。本発明の他の目的は、難燃性ポリエステル樹脂組成物およびそれからなる照明部品および家電製品用部品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、
(A)熱可塑性芳香族ポリエステル100重量部に対し、
(B)下式(1)で表わされる臭素化エポキシ系難然剤5〜60重量部、
【0007】
【化3】
Figure 0003631640
【0008】
(式中、Xは臭素及び/または塩素元素を、nは5以上20以下の整数を表す)(C)下式(2)で表わされる臭素化ポリカーボネート系難然剤1〜40重量部、
【0009】
【化4】
Figure 0003631640
【0010】
(式中、Xは臭素及び/または塩素元素を、nは3以上12以下の整数を表す)
【0011】
(D)アンチモン系難燃助剤1〜20重量部および
(E)燐酸塩系安定剤0.01〜5重量部
を添加してなる難燃性ポリエステル樹脂組成物であって、
(B)、(C)、(D)各成分の添加重量を各々b、c、dとしたときに、以下の式、
1.5<b/c<20
2.5<(b+c)/d<10
をともに満たし、
かつ、JIS K7210により260℃、滞留6分、荷重2160gにて測定した組成物のメルトフローレートをM(g/10min.)、260℃、滞留26分、荷重2160gにて測定したメルトフローレートをM’(g/10min.)としたときに、以下の式、
0.8< M’/M <1.5
を満たす、難燃性ポリエステル樹脂組成物である。
【0012】
本発明はまた、上記の難燃性ポリエステル樹脂組成物からなる照明部品用成形品および家電製品用成形品である。
以下、本発明を詳述する。
【0013】
[熱可塑性芳香族ポリエステル(A)]
熱可塑性芳香族ポリエステル(A)は、その酸成分がテレフタル酸および/またはナフタリンジカルボン酸であり、そのジオール成分が脂肪族ジオールである芳香族ポリエステルである。ジオール成分の脂肪族ジオールは、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。熱可塑性芳香族ポリエステル(A)として、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレートが好ましい。
【0014】
また熱可塑性芳香族ポリエステル(A)としては、上述のポリエステルの一部を共重合成分が置換したものでもよく、かかる共重合成分としては、イソフタル酸、フタル酸;メチルテレフタル酸、メチルイソフタル酸等のアルキル置換フタル酸;2,6−ナフタリンジカルボン酸、2,7−ナフタリンジカルボン酸、1,5−ナフタリンジカルボン酸等のナフタリンジカルボン酸類;4,4’−ジフェニルジカルボン酸、3,4’−ジフェニルジカルボン酸等のジフェニルジカルボン酸類;4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸等のジフェノキシエタンジカルボン酸類などの芳香族ジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂肪族又は脂環族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン等のジヒドロキシベンゼン類;2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等のビスフェノール類;ビスフェノール類とエチレングリコールのごときグリコールとから得られるエーテルジオールなどの芳香族ジオール、ε−オキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボン酸等が挙げられる。かかる共重合成分が共重合される場合、共重合量は合計で5モル%未満が好ましい。
【0015】
上述の熱可塑性芳香族ポリエステル(A)に、分岐成分として、トリメシン酸、トリメリット酸のごとき多官能性のエステル形成能を有する酸又はグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多官能のエステル形成能を有するアルコールを1.0モル%以下、好ましくは0.5モル%以下、更に好ましくは0.3モル%以下の割合で共重合せしめてもよい。
【0016】
熱可塑性芳香族ポリエステル(A)は、固有粘度(IV)が0.8〜1.2dl/gであることが好ましい。0.8より小さいと十分な特性、特に靭性が得られず、1.2より大きくなると熔融粘度が高く流動性が低下して成形性が損なわれるため好ましくない。ここで固有粘度は35℃でo−クロルフェノールを溶媒として測定したものである。
【0017】
[臭素化エポキシ系難燃剤(B)]
臭素化エポキシ系難然剤(B)は、下式(1)で表される臭素化ビスフェノールA系エポキシ樹脂である。
【0018】
【化5】
Figure 0003631640
【0019】
(式中、Xは臭素及び/または塩素元素を、nは5以上20以下の整数を表す)
【0020】
臭素化エポキシ系難燃剤(B)の臭素化ビスフェノールA系エポキシ樹脂の軟化点は、分子量及び分子量分布により変化するが、100〜250℃の範囲にあることが好ましい。
【0021】
臭素化エポキシ系難燃剤(B)の配合量は、熱可塑性芳香族ポリエステル(A)100重量部当たり5〜60重量部、好ましくは10〜50重量部である。臭素化エポキシ系難燃剤(B)は、無機充填剤を配合して、また臭素化エポキシ系難燃剤(B)以外の難燃剤を併用して、配合量を少なくできるが、その場合でも本発明の目的を達成するためには、熱可塑性芳香族ポリエステル100重量部あたり少なくとも5重量部は必要である。5重量部未満では得られる組成物の難燃性が不十分である。臭素化エポキシ系難燃剤(B)の配合量が60重量部を超えると、成形品の靭性の低下や色相の悪化、特に白色度の低下を招き、更なる難燃性の向上は期待できない。
【0022】
[臭素化ポリカーボネート系難燃剤(C)]
臭素化ポリカーボネート系難然剤(C)は、下式(2)で表される臭素化ビスフェノールA系ポリカーボネート樹脂である。
【0023】
【化6】
Figure 0003631640
【0024】
(式中、Xは臭素及び/または塩素元素を、nは3以上12以下の整数を表す)
【0025】
臭素化ポリカーボネート系難燃剤(C)の臭素化ビスフェノールA系ポリカーボネート樹脂の軟化点は、分子量及び分子量分布により変化するが、150〜300℃の範囲のものが好ましい。
【0026】
臭素化ポリカーボネート系難燃剤(C)の添加量は、熱可塑性芳香族ポリエステル(A)100重量部当たり、1〜40重量部、好ましくは3〜15重量部である。臭素化ポリカーボネート系難燃剤(C)も、無機充填剤を配合して、また臭素化ポリカーボネート系難燃剤(C)以外の難燃剤を併用して、配合量を少なくできるが、その場合でも本発明の目的を達成するためには、熱可塑性芳香族ポリエステル100重量部あたり少なくとも1重量部は必要である。1重量部未満では得られる組成物の難燃性が不十分であり、また40重量部を超えて配合しても更なる難燃性の向上は期待できず、組成物の溶融安定性を低下させる。
【0027】
そして、本発明の意図するような、ホットランナーシステムによる成形や、成形屑のリサイクルを行うような厳しい成形条件下での、機械物性、特に靭性の維持や白色度の高い成形品を安定して得るためには、臭素化エポキシ系難燃剤(C)の添加重量は、臭素化エポキシ系難燃剤(B)、臭素化ポリカーボネート系難燃剤(C)各成分の添加重量を各々b、cとしたときに、式
1.5<b/c<20
を満足することが必要である。ホットランナーシステムによる成形や、成形屑のリサイクル成形を行う場合、組成物は、通常のコールドランナーシステムによる射出成形の場合に比べて、加熱溶融される時間が長く、また一時的に300℃以上の高温に曝されるのが通常であり、組成物にはこのような厳しい成形条件に耐えるだけの溶融安定性が必要である。上記の式で、b/cが1.5以下であると、得られる組成物はこれらの成形に耐えられるだけの溶融安定性が得られない。またb/cが20以上であると、得られる組成物の機械特性、特に靭性が低下する。
【0028】
[アンチモン系難燃助剤(D)]
アンチモン系難燃助剤(D)は、臭素化エポキシ系難燃剤(B)及び臭素化ポリカーボネート系難燃剤(C)との相乗効果により、難燃性を高める働きをするものである。
【0029】
好適なアンチモン系難燃助剤(D)の例として、Sb、x NaO・Sb・y HO(x=0〜1,y=0〜4)を挙げることができる。アンチモン系難燃助剤(D)は、その粒径が0.02〜5μであることが好ましい。アンチモン系難燃助剤(D)は、エポキシ化合物、シラン化合物、イソシアネート化合物、チタネート化合物等で表面処理されたものを用いてもよい。
【0030】
アンチモン系難燃助剤(D)の配合量は、熱可塑性芳香族ポリエステル(A)100重量部あたり1〜20重量部である。
【0031】
そして、アンチモン系難燃助剤(D)の添加量は、臭素化エポキシ系難燃剤(B)、臭素化ポリカーボネート系難燃剤(C)、アンチモン系難燃助剤(D)各成分の添加重量を各々b、c、dとしたときに、式
2.5<(b+c)/d<10
を満足することが必要である。
【0032】
すなわち、アンチモン系難燃助剤(D)の配合量は、臭素化エポキシ系難燃剤(B)及び臭素化ポリカーボネート系難燃剤(C)の合計量に対し、0.1を超え0.4に満たない割合である。
【0033】
アンチモン系難燃助剤(D)の配合量が、熱可塑性芳香族ポリエステル100重量部あたり1重量部未満では充分な難燃性、耐熱性を得ることができず、20重量部を越えると樹脂や配合剤の分解を促進し、成形品の特性が低下する。そして、アンチモン系難燃助剤(D)の配合量が、臭素化エポキシ系難燃剤(B)及び臭素化ポリカーボネート系難燃剤(C)の合計量に対して0.4以上であると、成形品の機械特性、特に靭性が低下し、また白色度も低下し、0.1以下であると難燃性が十分に発現されない。
【0034】
[燐酸塩系安定剤(E)]
リン酸塩系安定剤(E)としては、燐酸一ナトリウム、燐酸二ナトリウム、燐酸三ナトリウム、ピロ燐酸ナトリウム、トリポリ燐酸ナトリウム、ヘキサメタ燐酸ナトリウム、燐酸アンモニウムなどを例示することができる。リン酸塩系安定剤(E)として好ましくは燐酸一ナトリウム、燐酸二ナトリウムであり、特に好ましくは燐酸二ナトリウムである。
燐酸塩系安定剤(E)の配合量は、熱可塑性芳香族ポリエステル100重量部にあたり0.01〜5重量部である。0.01重量部未満では溶融安定化の効果がなく、5重量部を超えても効果の一層の向上は期待できない。
【0035】
[メルトフローレート]
本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物は、JIS K7210により260℃、滞留6分、荷重2160gにて測定した組成物のメルトフローレートをM(g/10min.)、260℃、滞留26分、荷重2160gにて測定したメルトフローレートをM’(g/10min.)としたときに、以下の式、
0.8< M’/M<1.5
を満たすものである。 M’/Mが0.8以下であるとホットランナーシステムによる成形や、成形屑のリサイクル成形を行う際、加熱溶融される時間が長くなると該組成物が劣化して溶融粘度が低下し、成形品の機械強度、特に靭性の低下や、色相の悪化を招くとともに、安定した成形性が確保できなくなる。またM’/Mが1.5以上であると、加熱溶融される時間が長くなると該組成物が増粘して溶融粘度が増加し、この場合も安定した成形性が確保できなくなる。
【0036】
[物性]
本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物は、金型温度80℃にて射出成形して成形品としたときに、ASTM D638引張破断伸度が15%以上である成形品を得ることができる。
本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物は、金型温度25℃にて射出成形して板状成形品としたときに、L*,a*,b*表色系におけるL*値が85以上、かつb*が6以下である成形品を得ることができる。
このような成形品は、靭性が良好なため、小型・薄肉でもその組立や製品使用の工程で割れや折れの発生を抑制でき、また白色度が良好なため、照明部品用成形品および家電製品用成形品として好適に使用することができる。
【0037】
[添加剤]
本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、核剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、帯電防止剤、顔料等の添加剤、更に又衝撃改良剤、流動性改良剤等の改質剤を含有せしめることができる。
【0038】
[製造方法]
本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物は、公知の方法を採用して製造することができる。例えば、熱可塑性芳香族ポリエステル(A)、臭素化エポキシ系難燃剤(B)、臭素化ポリカーボネート系難燃剤(C)、アンチモン系難燃助剤(D)およびリン酸塩系安定剤(E)をブレンダーなどを用いて均一混合した後、バンバリーミキサー、加熱ロールや単軸又は多軸押し出し機等を用いて、230〜360℃、好ましくは230〜290℃の温度で熔融混練する方法で製造することができる。また、樹脂組成物の成分の一部を予め予備混練しておき、後に所定の配合比に調節して混練する方法も可能である。
【0039】
【実施例】
以下、実施例を挙げ本発明を詳述する。尚、実施例中の部は重量部を意味する。
【0040】
[組成物原料]
実施例に用いた組成物の原料は下記のとおりである。
ポリマー:
(A)熱可塑性芳香族ポリエステル(表中、PBT):
(a−1)帝人(株)製PBT C7000N IV:0.88
(a−2)帝人(株)製PBT C7000PG IV:1.14
(B)臭素化エポキシ系難燃剤(表中、Br−Ep):
(b−1)大日本インキ化学工業(株)製 プラサームEP100 重合度 n=約16
(b−2)油化シェルエポキシ(株)製 エピコート505 5 重合度 n=約2〜3
(C)臭素化ポリカーボネート系難燃剤(表中、Br−PC):
(c−1)帝人化成(株)製 ファイヤーガード7500 重合度 n=約5
(c−1)帝人化成(株)製 ファイヤーガード7100 重合度 n=約14
(D)アンチモン系難燃助剤:
(d−1)三酸化アンチモン 日本精鉱(株)製 PATOX−M
(d−2)五酸化アンチモン 日産化学(株)製 NA1030
(E)燐酸塩系安定剤:
和光純薬(株)製 燐酸二水素ナトリウム二水和物 試薬特級
【0041】
[特性]
成形物の特性は下記方法により測定した。
・溶融安定性:
得られた成形品のペレットを、東洋精機(株)製メルトフローテスターに6g投入し、JIS K7210により、260℃、滞留6分、荷重2160gにて測定した組成物のメルトフローレートをM(g/10min.)、260℃、滞留26分、荷重2160gにて測定した組成物のメルトフローレートをM’(g/10min.)として、M’/Mの値を求めた。
・燃焼性:
米国アンダーライターラボラトリーズのサブジェクト94(UL−94)の方法に準じ、1.0mmの厚みの試験片を用いて評価した。
・引張破断伸度:
シリンダー温度 260℃、金型温度 80℃、射出圧 約40MPa にてASTM D638の1号ダンベルを成形し、島津製作所(株)製オートグラフを用いて測定した。
・L*値・b*値
シリンダー温度 260℃、金型温度 80℃、射出圧 約80 MPa にて直径50mm、厚さ3mmの円板状成形品を成形し、日本電色(株)製カラーアナライザー TC−1800MK−IIを用いて測定した。
【0042】
[実施例1〜3および比較例1〜6]
表1に記載の配合成分を所定の割合で予め均一にドライブレンドした後、スクリュー径44mmのベント付き二軸押出機を用いてシリンダー温度250℃〜260℃、スクリュー回転数120rpm、吐出量50kg/hにて熔融混練し、スレッド状に押出し、冷却後切断して成形用ペレットを得た。次いでこのペレットを用いて上記特性の評価を行った。なお、成形の際には射出容量145cm、型締力80tの射出成形機を用いた。評価結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
Figure 0003631640
【0044】
実施例1〜3の組成物は何れも良好な溶融安定性を示し、かつ成形品の引張破断伸度も高く、靭性に優れた成形品であることが確認された。他方、比較例に記載の組成物は、溶融安定性に劣る(比較例1〜2)、成形品の引張破断伸度が低い(比較例3〜4)、成形品の色相が悪い(比較例5)などの欠点が見られ、満足する結果は得られなかった。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、機械特性および溶融熱安定性に優れ、ホットランナーシステム等による成形に耐えうる、表面外観、白色度に優れる難燃性ポリエステル樹脂組成物を提供することができる。
そこで、本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物は、照明部品用成形品および家電製品用成形品として好適に使用することができる。

Claims (6)

  1. (A)熱可塑性芳香族ポリエステル100重量部に対し、
    (B)下式(1)で表わされる臭素化エポキシ系難然剤5〜60重量部、
    Figure 0003631640
    (式中、Xは臭素及び/または塩素元素を、nは5以上20以下の整数を表す)
    (C)下式(2)で表わされる臭素化ポリカーボネート系難然剤1〜40重量部、
    Figure 0003631640
    (式中、Xは臭素及び/または塩素元素を、nは3以上12以下の整数を表す)
    (D)アンチモン系難燃助剤1〜20重量部および
    (E)燐酸塩系安定剤0.01〜5重量部
    を添加してなる難燃性ポリエステル樹脂組成物であって、
    (B)、(C)、(D)各成分の添加重量を各々b、c、dとしたときに、以下の式、
    1.5<b/c<20
    2.5<(b+c)/d<10
    をともに満たし、
    かつ、JIS K7210により260℃、滞留6分、荷重2160gにて測定した組成物のメルトフローレートをM(g/10min.)、260℃、滞留26分、荷重2160gにて測定したメルトフローレートをM’(g/10min.)としたときに、以下の式、
    0.8<M’/M <1.5
    を満たす、難燃性ポリエステル樹脂組成物。
  2. (A)熱可塑性芳香族ポリエステルが、固有粘度0.8〜1.2dl/gのポリブチレンテレフタレートである請求項1記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物。
  3. 金型温度80℃にて射出成形して成形品としたときの、ASTM D638引張破断伸度が15%以上である、請求項1または2に記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物。
  4. 金型温度25℃にて射出成形して板状成形品としたときの、L*,a*,b*表色系におけるL*値が85以上、かつb*が6以下である、請求項1乃至3のいずれかに記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物からなる照明部品用成形品。
  6. 請求項1乃至4のいずれかに記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物からなる家電製品用成形品。
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