JP3631332B2 - 飲料用容器の注出筒付キャップ - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャップの上部に注出筒を起倒自在に取着した飲料用容器の注出筒付キャップに関する。
【０００２】
【従来の技術】
キャップの上部に注出筒を起倒自在に取着し、該注出筒を起倒することによって注出流路を開閉可能とした注出容器は、従来より知られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の注出容器は、主として食料品、家庭用洗剤，化粧料等の注出容器として使用されてきたが、最近上記注出容器が、飲料用の注出容器として、直接注出筒から吸飲するようにして使用されるようになっている。
その際、包装フィルムをはがして手指によって注出筒を起立させ内容液を吸飲するようにするが、手指が汚れている場合には手指の塵埃、雑菌が注出筒に付着するので、手を洗ってから注出筒に触れるようにしないと衛生上よくないという問題が生じてきた。
また、容器の容量が大きく、一時に飲みきれないときに、時間をおいて内容液を吸飲するため、注出筒を倒して注出流路を封鎖し一時的に保存しょうとすると、口を付けた注出筒に空気中の塵埃，雑菌等が付着し、衛生上よくないという問題も生じてきた。
【０００４】
本発明は、上記の問題点を解決することを技術的課題とし、キャップを覆う覆蓋を備え、注出筒に手指を触れないでも注出筒を起倒可能とした、飲料用として衛生的な容器の注出筒付キャップを提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の問題点を解決するため、飲料用容器の注出筒付キャップとして、キャップの上部に注出筒を起倒自在に取着し、該注出筒を起倒することによって内容液の注出流路を開閉可能とした注出容器のキャップにおいて、伏倒した注出筒を覆ってキャップ上面に被嵌される覆蓋を連結片を介してキャップに取着したことを特徴とする構成を採用する。
【０００６】
さらに具体的な実施態様として、覆蓋として、側壁筒内周に、閉蓋時に伏倒した注出筒先端の端縁に係合する係止部を設け、開蓋時に該係止部によって注出筒を起立させるようにしたことを特徴とする構成を採用する。
【０００７】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図１において、Ａは、飲料液が収納された容器であり、ＰＥＴ，ポリエチレンその他の合成樹脂を素材として成形されている。
Ｂはキャップ、Ｃはキャップに起倒自在に取着された注出筒、Ｄはキャップに取着された覆蓋であり、いずれもポリエチレンその他の合成樹脂を素材として成形されている。
【０００８】
図１〜３に示すように、容器Ａの容器口部１には、キャップＢを取着するためのネジ２が刻設されている。
キャップＢは、嵌着部３とその上方に延在する注出筒保持部４とからなり、嵌着部３は、内周に前記容器口部１のネジ２に螺合するネジ５を刻設した嵌着筒６と、容器口部１内周に係合する嵌合筒７および上壁８を具えている。
嵌合筒７の内周近くの上壁８には、注出筒Ｃに通じる流出孔９が穿設されている。
嵌着筒６の上端には、縮径された係合段部１０が設けられ、その上端縁には、膨出部１１が形成されている。
【０００９】
注出筒保持部４には、両側壁と底壁と端壁から構成される注出筒Ｃの収納溝１２が設けられており、底壁の流出孔９周辺およびそれに続く収納溝１２の端壁は、収納溝１２の長手方向に対して横方向に延びる断面円弧状の凹面１３となっている。
前記流出孔９が位置する収納溝１２の両側壁には、注出筒Ｃの軸支溝１４が設けられており、軸支溝１４の下端には、半円状の受部１５が形成されている。
該受部１５に連続する軸支溝１４側面には、半円に連続する円弧を有する膨出部１６が設けられており、前記受部１５と膨出部１６によって軸受部１７が形成されている。
【００１０】
図３，４に示すように、注出筒Ｃは、吸飲のための吸い口となる筒部２０と枢着部２１とからなり、注出筒Ｃを貫通して注出孔２２が穿孔されている。
前記枢着部２１は、上壁２３と収納溝１２の側壁と接合する両側壁２４、および凹面１３に接合する断面円弧状の凸面２５とから構成されている。
枢着部２１の両側壁２４には、軸ピン２６が立設されており、該軸ピン２６は前記軸支溝１４に嵌挿され、軸受部１７で枢着されるようになっている。
【００１１】
次に、前記凹面１３と凸面２５、軸ピン２６と軸受部１７の相互の関係と作用について説明する。
それぞれの断面の円弧、円の軸線は同一であり、その軸線は前記注出孔２２と流出孔９の各軸線Ｘ，Ｙの交差点を通り、それぞれの軸線に直交する軸線Ｚを軸線としている。
凹面１３と凸面２５の径、軸ピン２６と軸受部１７の径は同一で、滑合可能に形成されている。
したがって、注出筒Ｃが軸ピン２６を軸として回動されると、凸面２５は凹面１３に摺接して廻動し、注出筒Ｃが起立位置にあるときには 流出孔９と注出孔２２が一致し注出流路が形成され、注出筒Ｃが伏せ倒されたときには、流出孔９と注出孔２２が離れて注出流路は遮断される。
【００１２】
覆蓋Ｄの蓋本体３０は、頂壁３１と側壁筒３２とからなっており、蓋本体３０の頂壁３１とキャップＢとは連結片３３によって接続されている。
キャップＢ、覆蓋Ｄは一体成形されてもよいし、連結片の一端をキャップＢの嵌着筒周面に接着されていてもよい。
側壁筒３２の内径は、キャップＢの係合段部１０の膨出部１１との間で一定の締め代をもって係合されるように形成されており、頂壁３１の連結片３３の反対側には、つまみ３４が設けられている。
【００１３】
図３〜５に示すように、つまみ３４の下方の側壁筒３２内周の所定個所には、蓋本体３０を閉じた場合に、注出筒Ｃ先端の端縁に係合する係止部３５が設けられている。
係止部３５は、図４，５に示すような注出筒の軸線Ｘを含む横断面上の側端縁に係合する舌片もしくは突状であってもよい。
また、注出筒先端面の下面に係合する舌片、もしくは突起であってもよい。
また、注出筒Ｃ先端をさらに突出させて側壁筒３２の内周に圧接させるようにし、圧接部の側壁筒３２内周を係合部としてもよい（図示しない）。
【００１４】
次に、上記注出容器の使用態様と作用効果について説明する。
覆蓋Ｄを、そのつまみ３４を持って上方に開くと、係止部３５が注出筒Ｃ先端の側端縁に係合して注出筒Ｃを起こし、さらに側壁筒３２を介して注出筒Ｃを押さえて、注出筒Ｃと覆蓋Ｄとの係合を保つようにして覆蓋Ｄを図２の時計方向に回動すると、注出筒Ｃを起立位置まで起こすことができる。
回動途中で覆蓋Ｄの係止部３５と注出筒Ｃ先端の係合が外れても、吸飲時に筒部２０を口でくわえて起立させることができる。
注出筒Ｃが起立位置に立てられると、注出筒Ｃの注出孔２２とキャップＢの流出孔９が一致して注出流路が形成され、注出筒Ｃより内容物の飲料を吸飲することができるようになる。
【００１５】
覆蓋Ｄを閉じるときには、頂壁３１の内面を介して注出筒Ｃを倒して注出流路を閉じ、閉鎖時には、係止部３５は注出筒Ｃ先端の側端縁を乗り越えてその下方に位置するようになり、覆蓋Ｄの下端は、キャップＢの係合段部１０に嵌着される。
その際、側壁筒３２の側面を両方から押さえ、楕円形に変形するようにして注出筒Ｃを倒して行くと、始めから係止部３５を注出筒Ｃ側端縁の下面に位置させることができる。
したがって、覆蓋Ｄを介して注出筒Ｃを起倒させることができ、手指を注出筒に触れないので、手指が汚れていても内容液を飲むことができる。
【００１６】
上記各実施形態において、容器口部とキャップとを螺着するようにしているが、容器口部とキャップのそれぞれに嵌合突条を設け、打栓によって嵌着するようにしてもよい。
【００１７】
【発明の効果】
本発明は、上記のように構成されているから、次の効果を奏する。
注出筒を取着したキャップを覆蓋で覆っているので、注出筒表面に空気中の塵埃，雑菌が付着することがなく、内容物が飲料である場合には衛生的である。
覆蓋の蓋本体の側壁筒内周に、注出筒端縁に係合する係止部を設けているので、覆蓋を開くときに、蓋本体の頂壁と係止部の間に注出筒を挟持して、立設位置に起立させることができ、閉じるときには、頂壁で注出筒を押し倒すことになるので、手指で注出筒に触れることなく注出筒を起倒させることができる。
そのため手指が汚れていても衛生的に何等の問題もなく飲料液を吸飲することができる。
覆蓋は、連結片を介してキャップに取着されているので外れて紛失することはない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の注出容器の概要を説明する斜視図である。
【図２】注出容器の正面断面図である。
【図３】キャップの平面図である。
【図４】注出筒の側面図である。
【図５】覆蓋の係止部と注出筒との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
Ａ 容器
Ｂ キャップ
Ｃ 注出筒
Ｄ 覆蓋
１ 容器口部
３ 嵌着部
４ 注出筒保持部
９ 流出孔
１０ 係合段部
１２ 収納溝
１７ 軸受部
２０ 筒部
２１ 枢着部
２２ 注出孔
３０ 蓋本体
３３ 連結片
３４ つまみ
３５ 係止部

Claims (1)

1. キャップの上部に注出筒を起倒自在に取着し、該注出筒を起倒することによって内容液の注出流路を開閉可能とし、伏倒した注出筒を覆ってキャップ上面に被嵌される覆蓋を連結片を介してキャップに取着した容器の注出筒付キャップにおいて、
   覆蓋の側壁筒内周に、閉蓋時に伏倒した注出筒先端の端縁に係合する係止部を設け、開蓋時に該係止部によって注出筒を起立させるようにしたことを特徴とする飲料用容器の注出筒付キャップ。

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