JP3630546B2 - 作業車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、操向操作自在に構成された駆動型の前車輪と、駆動型の後車輪と、前車輪の操向角度を計測する操向角センサを備え、この操向角センサで設定角度以上の操向操作角度を計測した際に前車輪の周速度を後車輪の周速度より増速させる前輪増速装置を備えた作業車、及び、操向操作自在に構成された前車輪と、後車輪とを備えた作業車の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のように操向操作と連動して前車輪の増速を図るよう構成された作業車として特開平7‐125553号公報に示されるものが存在し、この従来例では、前車輪操舵角センサで計測される前車輪の操舵角(操向角)が設定角度以上に達すると、油圧式にクラッチを入り操作して前車輪の増速を図る制御系を備えて構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来例のように前車輪が設定角度に達した際に前車輪の増速を行うものでは、前車輪の増速を行う角度まで前車輪が操向操作されたタイミングでクラッチに対して作動油の供給を開始しても、クラッチが入り状態に達するまで、短時間であるが所定の時間を必要とするものとなっており、例えば、車体が畦から決まった距離まで接近し、前車輪を増速する操向角度まで前車輪が操向操作された場合でも、車体が高速で走行している場合には、低速で走行している場合と比較して前輪の増速が開始されるまでに車体が走行する距離が大きくなり、畦を基準にした現実の旋回開始位置を変化させる不都合に繋がるものとなっている。このことは畦を基準にして決まった位置で車体を旋回させる作業を行う場合には、車体の高速走行時には低速走行時と比較して畦から、より離間した位置で操向操作を開始する必要を生ずる等、走行速度に対応して畦を基準にした操向操作開始位置を調節する必要に繋がり改善の余地がある。
【0004】
本発明の目的は、車体の走行速度の影響を受けることなく必要とする位置で前車輪の増速を開始して小半径での旋回を可能にする作業車を合理的に構成する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の特徴(請求項1)は、操向操作自在に構成された駆動型の前車輪と、駆動型の後車輪と、前車輪の操向角度を計測する操向角センサを備え、この操向角センサで設定角度以上の操向操作角度を計測した際に前車輪の周速度を後車輪の周速度より増速させる前輪増速装置を備えた作業車において、車体の走行速度を判別する車速判別手段を備え、この車速判別手段で判別される走行速度が高速であるほど、前記設定角度を小さい値に変更するよう前記前輪増速装置を制御する制御手段を備えている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0006】
本発明の第2の特徴(請求項2)は請求項1において、前記左右の後車輪を独立して制動する制動装置を備えると共に、前記操向角センサで計測される操向角度が所定の角度以上に達すると、旋回内側の制動装置を制動する制動制御手段を備え、前記車速判別手段で判別される走行速度が高速であるほど、前記所定の角度を小さい値に変更するよう、前記制動制御手段の制御動作を設定してある点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0007】
本発明の第3の特徴(請求項3)は請求項2において、前記所定の角度と前記設定角度とを一致させてある点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0008】
本発明の第4の特徴(請求項4)は、操向操作自在に構成された前車輪と、後車輪とを備えた作業車において、前記左右の後車輪を独立して制動する制動装置を備えると共に、前車輪の操向角度を計測する操向角センサを備え、この操向角センサで計測される操向角度が所定の角度以上に達すると、旋回内側の制動装置を制動する制動制御手段を備え、車体の走行速度を判別する車速判別手段で判別される走行速度が高速であるほど、前記所定の角度を小さい値に変更するよう、前記制動制御手段の制御動作を設定してある点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0009】
〔作用〕
上記第1の特徴によると、車速判別手段で判別される車体の走行速度が高速であるほど、制御手段が前輪増速装置に対して前車輪の増速を行わせるための設定角度を小さくするので、低速走行時と比較して前車輪の増速作動の開始タイミングを早め得るものとなる。つまり、前輪増速装置によって前車輪の増速を開始する際には、クラッチ等の作動時間に起因して制御開始から前車輪の増速が開始されるまでタイムラグが存在するものであるが、車体の走行速度が高速であるほど、より小さい操向操作角度で前車輪を増速させる制御を開始することにより、車体の走行速度に拘わらず、前車輪の操向操作角度が略決まった値に達した時点で前車輪を増速状態に設定することが可能となる。
【0010】
上記第2の特徴によると、前車輪の増速作動時に制動制御手段が旋回内側の後車輪を制動操作することも可能となり、旋回内側の後車輪の接地位置を略中心とした小半径での旋回を行い得ると共に、車速判別手段で判別される車体の走行速度が高速であるほど旋回内側の制動装置を制動操作する所定の角度を小さい値に変更するので制動装置を制動作動の開始タイミングを早め得るものとなる。つまり、制動装置も制動開始から制動状態に達するまでタイムラグが存在するものであるが、車体の走行速度が高速であるほど、より小さい操向操作角度で制動装置を制動させる制御を開始することにより、車体の走行速度に拘わらず、前車輪の操向操作角度が略決まった値に達した時点で旋回内側の後車輪を現実に制動状態に設定することが可能となる。
【0011】
上記第3の特徴によると、車体の旋回時に前車輪の増速と旋回内側の制動装置の制動とを同時に行えるものとなる。
【0012】
上記第4の特徴によると、前車輪を所定の角度以上操向操作した場合には、制動制御手段が旋回内側の後車輪の制動装置を制動操作する結果、その後車輪の接地位置を略中心とした小半径での旋回を行い得ると共に、車速判別手段で判別される車体の走行速度が高速であるほど旋回内側の制動装置を制動操作する所定の角度が小さい値に変更されるので、制動装置を制動作動の開始タイミングを早め得るものとなる。つまり、制動装置も制動開始から制動状態に達するまでタイムラグが存在するものであるが、車体の走行速度が高速であるほど、より小さい操向操作角度で制動装置を制動させる制御を開始することによって、車体の走行速度に拘わらず、前車輪の操向操作角度が略決まった値に達した時点で旋回内側の後車輪を現実に制動状態に設定することが可能となる。
【0013】
〔発明の効果〕
従って、車体の走行速度の影響を受けることなく必要とする位置で前車輪の増速を開始して小半径での旋回を可能にする作業車が合理的に構成されたのである(請求項1)。又、車体の旋回時には前車輪の増速とともに旋回内側の後車輪を自動的に制動状態に設定して一層小さい半径での旋回を可能にし(請求項2)、この旋回内側の後車輪の制動を前車輪の増速と同時に行って所望のタイミングで無駄な走行を無くした状態での小さい半径の旋回を可能にし(請求項3)、更に、車体旋回時には旋回内側の後車輪を自動的に制動状態に設定して必要な位置で小さい半径での旋回を可能にするものとなった(請求項4)。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1,図2に示すように、前車輪1及び後車輪2を備えた車体の前部にエンジン3を搭載すると共に、このエンジン3からの動力が主クラッチハウジング4に内装された主クラッチを介して伝えられるミッションケース5を車体の後部に配置し、このミッションケース5の後端上部位置にリフトシリンダ6で駆動昇降される左右一対のリフトアーム7を備え、又、車体の中央部にメータパネル8とステアリングハンドル9と、運転座席10とを配置し、更に、この運転座席10の右側部にリフトアーム7を制御するポジションレバー11を配置し、この運転座席10の左側部にミッションケース内の変速装置を変速操作する主変速レバー12を配置して作業車の一例としての農用トラクタを構成する。
【0015】
車体の後端位置に対して2点リンク機構13を介して対地作業装置としてのロータリ耕耘装置14を分離自在に連結してあり、この2点リンク機構13と前記左右のリフトアーム7との間に左右一対のリフトロッド15を介装することで、リフトシリンダ6の駆動力でロータリ耕耘装置14の昇降を行えるよう構成してある。又、このロータリ耕耘装置14の後端位置に横向き姿勢の軸芯P周りで揺動自在に接地型の後カバー14Aを備え、この後カバー14Aの揺動姿勢から該ロータリ耕耘装置14の対地高さを計測するポテンショメータ型のカバーセンサ16を備えている。
【0016】
図2に示すように、ステップ17の左側には踏み操作で前記主クラッチを切り操作する主クラッチペダル18を備えており、ステップ17の右側には左右の後車輪2,2に対して独立して制動力を作用させる左右一対のサイドブレーキペダル19,19を備えている。又、ステアリングハンドル9の操作力をパワーステアリング機構(図示せず)を介して左右の前車輪1,1に伝える操向操作系を形成してある。
【0017】
図1,図3,図4に示すように、前記ミッションケース5の下部位置には前輪変速装置A(前輪増速装置の一例)を備え、この前輪変速装置Aは前車輪1の周速度と後車輪2の周速度とを等しくする等速駆動状態と、車体を小半径で旋回させるために前車輪1の周速度を後車輪2の周速度より増速させる増速駆動状態と、前車輪1に動力を伝えない二輪駆動状態とを現出し得るよう構成されている。つまり、この前輪変速装置Aは後車輪2の差動装置2Aに対してミッションケース5の変速装置5Aからの動力を入力する入力軸21からの動力がギヤ連動機構22を介して伝えられる中間軸23と、この中間軸23と平行姿勢で支承された前輪駆動軸24と、中間軸23からの動力を標準ギヤ機構25を介して前輪駆動軸24に伝える摩擦多板式の標準クラッチ26と、中間軸23からの動力を増速ギヤ機構27を介して前輪駆動軸24に伝える摩擦多板式の増速クラッチ28とを備えて成り、標準クラッチ26、増速クラッチ28とも圧油の供給によって入り状態に達して動力を伝えるよう構成されている。又、この前輪駆動軸24の前端からの動力を中間伝動軸29を介して前記前車輪1の差動装置1Aに伝える伝動系が形成されている。
【0018】
又、左右の後車輪2,2に対する車軸2B,2Bに制動力を作用させる制動手段としての摩擦式のサイドブレーキ31,31を備えており、このサイドブレーキ31は圧油の供給によって後車輪2に対して制動力を作用させ得るよう構成されている。そして、前記標準クラッチ26、増速クラッチ27夫々に対する圧油を制御する電磁操作型の切換弁32、左右のサイドブレーキ31,31に対する左右の電磁操作型のブレーキ弁33,33、前記リフトシリンダ6に対する圧油を制御する電磁操作型の昇降弁34夫々を備えると共に、これらの弁32,33,33,34に対して圧油を供給するようエンジン3で駆動される油圧ポンプ35が備えられている。
【0019】
図3に示すようにパワーステアリング機構(図示せず)を介してステアリングハンドル9の操作力が左右の前車輪1,1に伝えられる操向操作系の操向操作量を計測するポテンショメータ型のステアリングセンサ36(操向角センサの一例)を備え、前記左右のサイドブレーキペダル19,19の近傍位置にこれらの踏み込み操作を検出するブレーキセンサ37,37を備え、後車輪2,2の差動装置2Aに動力を伝える前記入力軸21に備えたギヤに近接する位置に車体の走行速度を計測するピックアップ型の車速センサ38(車速判別手段の一例)を配置してある。
【0020】
更に、前記メータパネル8に対して図5に示すように前車輪1の駆動モードを設定するダイヤル41を備えており、このダイヤル41は後車輪2のみを駆動する状態を維持する「2WD」位置と、前記等速駆動状態を現出する「4WD」位置と、前車輪1が設定角度以上操向操作された際に前記前輪変速装置Aからの増速動力を前車輪1に伝えて前記増速駆動状態を現出する「倍速」位置と、前車輪1が設定角度以上操向操作された際に前記前輪変速装置Aからの増速動力を前車輪1に伝えると同時に旋回内側の後車輪2のサイドブレーキ31を制動操作する「倍速/AD」位置とに設定自在に構成されている
【0021】
このトラクタでは図5に示すように、マイクロプロセッサを備えた制御装置40を備えており、この制御装置40に対して、前記ダイヤル41の設定位置を判別するモードスイッチ42と、前記ステアリングセンサ36と、前記左右のブレーキセンサ37,37と、前記車速センサ38と、前記ポジションレバー11の操作位置を計測するポテンショメータ型のレバーセンサ43と、前記リフトアームの揺動量を計測するポテンショメータ型のリフトアームセンサ44と、前記ロータリ耕耘装置14の目標耕深を設定するポテンショメータ型の耕深設定器45と、前記カバーセンサ16とからの信号が入力する系が形成されると共に、切換弁32の標準クラッチ26入り操作側の標準ソレノイド32Lと、切換弁32の増速クラッチ28入り操作側の増速ソレノイド32Hと、前記ブレーキ弁33,33夫々のブレーキソレノイド33S,33Sと、前記昇降弁34を上昇側に操作する上昇ソレノイド34Uと、昇降弁34を下降側に操作する下降ソレノイド34D夫々に信号を出力する系が形成されている。
【0022】
又、前記カバーセンサ16から制御装置40に対する入力信号系に対して分離自在なカプラー46を介装してロータリ耕耘装置14の車体からの分離時には信号系を分離可能に構成すると共に、このカプラー46より制御装置40の側の信号線にプルアップ抵抗47を備えることでカプラー46を分離した場合には信号線の電圧を電源電圧まで上昇させてカプラー46が分離状態にあることを電圧の状態から判別できるよう構成されている。
【0023】
尚、制御装置40は、ロータリ耕耘装置14の昇降制御としてポジション制御と自動耕深制御とを行うよう制御動作が設定され、ポジション制御では、ポジションレバー11を操作した場合にレバーセンサ43で計測されるレバー11の設定位置を対車体目標高さに設定し、この目標高さを基準に形成される不感帯の領域内にリフトアームセンサ44で計測される信号値が達するまでロータリ耕耘装置14の昇降を行うものとなっており、自動耕深制御ではポジションレバー11を最下降位置に設定した場合に、耕深設定器45で地面を基準にした目標深さが設定されると共に、この目標深さを基準に形成される不感帯の領域内にカバーセンサ16で計測される信号値が達するまでロータリ耕耘装置14の昇降を行うよう制御の形態が設定されている。
【0024】
この前記制御装置40は、前輪変速装置Aの制御とサイドブレーキ31,31の制御とを行うよう構成されている。つまり、図6のフローチャートに示すように、この制御では先ず、モードスイッチ42からの信号を入力して前車輪1の駆動モードを判別して「2WD」位置に操作されている場合には切換弁32を中立位置に操作して前車輪1に対する伝動を遮断した状態を維持し(#101〜#103ステップ)、モードスイッチ42が「4WD」の位置に操作されている場合には切換弁32の標準ソレノイド32Lを駆動して4輪駆動状態を維持し(#104、#105ステップ)、モードスイッチ42がこれ以外の操作位置に設定されている場合には、切換弁32の標準ソレノイド32Lを駆動して4輪駆動状態に設定した状態で、車速判別手段としての車速センサ38からの信号を入力して車体の走行速度を判別する(#106,#107ステップ)。
【0025】
この判別によって車体が設定された速度以下で走行していることが判明した場合で、かつ、リフトアームセンサ44からの信号に基づいてリフトアーム7が上限にないことが判明した場合で、かつ、カバーセンサ16からの信号が所定の電圧域内に存在し、ロータリ耕耘装置14が車体に連結されていることが判明した場合には(#108〜#112ステップ)、旋回制御ルーチンの処理を行い(#200ステップ)、これらの条件が成立しない場合には、切換弁32の標準ソレノイド32Lの駆動状態を維持して4輪駆動状態を維持し、この制御をリセットされるまで継続するものとなっている(#113ステップ)。
【0026】
尚、フローチャートには記載していないが、ブレーキセンサ37,37で左右のサイドブレーキペダル19,19の一方でも操作されたことが検出されると、そのサイドブレーキペダル19に対応するブレーキ弁33のブレーキソレノイド33Sを駆動して対応するサイドブレーキを31の制動操作を行うよう制御装置40の制御動作が設定されている。
【0027】
図7のフローチャートに示すように旋回制御ルーチン(#200ステップ)では、車速センサ38からの信号を入力して切換弁32の増速ソレノイド32Hを駆動するタイミング、即ち前車輪1の操向操作角度θ(設定角度θ)を設定する。この角度θは図8(イ),(ロ)に示す如く、直進姿勢の前車輪1を基準にして、車体の走行速度が高速であるほど小さい値に設定されるものであり、作業者が標準的な角速度でステアリング操作を行った場合に、ステアリングハンドル9の操作を開始したタイミングから前車輪1の増速が開始されるまでに車体が走行する距離が一定の値になる操向操作角度θが設定されるよう制御装置40の制御動作が設定されている(#201,#202ステップ)。
【0028】
次に、ステアリングセンサ36からの信号を入力して前車輪1が、前記設定角度θ以上操向操作されたかを判別し、操向角度が設定角度θ以上操作されなかった場合には、ブレーキ弁33を中立位置に保持してサイドブレーキ31を非制動状態に維持し(ブレーキセンサ37でサイドブレーキペダル19が操作されたことを検出した場合にのみ対応するサイドブレーキ31を制動操作する)、又、切換弁32の標準ソレノイド32Lの駆動状態を維持して4輪駆動状態を維持する(#204〜#206ステップ)。
【0029】
又、前車輪1が設定角度θ以上操向操作された場合には、上昇ソレノイド34Uを駆動してリフトシリンダ6の駆動力によってロータリ耕耘装置14を上限まで上昇させる制御(リフトアームセンサ44で設定された高さを検出するまで上昇させる制御)を行うと共に、モードスイッチ42が「倍速/AD」位置に操作されている場合には旋回内側に対応するブレーキ弁33のブレーキソレノイド33Sを駆動してサイドブレーキ31を制動操作した状態で切換弁32の増速ソレノイド32Hを駆動して前輪変速装置Aの増速クラッチ28を入り操作する制御を前車輪1が設定角度θ未満の値に復元するまで継続するものとなっている(#207〜#211ステップ)。尚、以上の制御のうち、#207ステップで強制上昇手段が構成され、#210ステップで制動制御手段が構成されている。
【0030】
このように本トラクタでは作業時にモードスイッチ42の操作で車体旋回時の前車輪1の駆動形態を設定しておくことにより、操向操作を行うだけで自動的に前車輪1の増速を行って小半径での旋回と、この旋回時に前車輪1の増速と同時に旋回内側の後車輪2の制動操作を自動的に行って一層小さい半径での旋回とを行う制御に加えて、操向操作と連動してロータリ耕耘装置14を上限までの上昇させることで作業者がロータリ耕耘装置14を上昇させる手間を省けるものとなっている。特に、車体の走行速度を車速センサ38で計測して、車速が高速であるほど、前車輪1の増速と、旋回内側のサイドブレーキ31の制動とを行うタイミングを早めることで、ステアリング操作を開始したタイミングから略一定の距離を走行した時点で小半径の旋回を行わせることを可能にして、例えば、畦と直行する方向に車体を走行させ、畦に対して所定距離まで接近した時点でステアリング操作を行って車体を反転させる際にも、走行速度に拘わらず畦を基準に決まった距離まで接近した位置で操向操作を開始することで済み、決まった操作感覚で旋回を可能にするものとなっている。
【0031】
又、車体に対してロータリ耕耘装置14が連結されていない場合、車体にロータリ耕耘装置14が連結されていても上限位置まで上昇された状態にある場合、車体が高速で走行している場合には車体を小半径で旋回させるステアリング操作が行われても前車輪1の増速を行わないものとなって、非作業時の無駄な小旋回を牽制阻止するばかりでなく、例えば、路上で高速で走行している際に作業者の意志に反した小半径での旋回を阻止して作業者ステアリングハンドルの操作感覚を狂わせず、車体の姿勢を安定さっせた走行を可能にするものとなっている。特に、作業時にはロータリ耕耘装置14が接地状態にあって耕起作業を行っている際にはロータリ耕耘装置14を上昇させる操作を特別に行わずとも操向操作と連動してロータリ耕耘装置14を上限まで上昇させる制御が行われるので作業者の操作の手間を省いて楽な作業を可能にするものとなっている。
【0032】
〔別実施の形態〕
本発明は上記実施の形態以外に、例えば、前車輪1の増速を行う設定角度θと、制動装置の制動を行わせる所定の角度とを異なる値に設定して、例えば、前車輪1の増速が開始された後に制動を開始する、これとは逆に、前車輪1の増速に先だって制動を行うよう制御動作を設定することが可能である。
【0033】
又、対地作業装置を強制的に上昇させるために規定された角度を、前車輪1の増速を行う設定角度θより小さい値に設定して前車輪1の増速が開始される以前に上昇を開始するよう構成することも可能である。
【0034】
又、本発明の請求項4に対応して、ステアリング操作と連動して旋回内側の後車輪1のサイドブレーキ31の制動操作のみを行うものに適用することも可能である。つまり、この別実施の形態では前記実施例のハードウエアと同じ構成を具備するものにおいて、図9のフローチャートに示すように、車速センサ38からの信号を入力して切換弁32の増速ソレノイド32Hを駆動するタイミング、即ち前車輪1の操向操作角度θ(所定の角度θ)を設定し、次に、ステアリングセンサ36からの信号を入力して前車輪1が、前記角度θ以上操向操作されたかを判別し、操向角度が角度θ以上操作されなかった場合には、ブレーキ弁33を中立位置に保持してサイドブレーキ31を非制動状態に維持し(ブレーキセンサ37でサイドブレーキペダル19が操作されたことを検出した場合にのみ対応するサイドブレーキ31を制動操作する)、又、前車輪1が角度θ以上操向操作された場合には、旋回内側に対応するブレーキ弁33のブレーキソレノイド33Sを駆動してサイドブレーキ31を制動操作する制御を前車輪1が角度θ未満の値に復元するまで継続するよう実施することも可能である(#301〜#307ステップ)。尚、この別実施の形態では、#307ステップで制動制御手段が構成されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラクタの全体側面図
【図2】トラクタ前部の平面図
【図3】車体の伝動系の平面図
【図4】車体の油圧回路図
【図5】制御系のブロック回路図
【図6】メインの制御動作のフローチャート
【図7】旋回制御ルーチンのフローチャート
【図8】走行速度と設定角度θとの関係を表す図
【図9】別実施の形態の旋回制御ルーチンのフローチャート
【符号の説明】
1 前車輪
2 後車輪
14 対地作業装置
31 制動装置
36 操向角センサ
38 車速判別手段
40 制御手段
A 前輪増速装置
θ 設定角度
Claims (4)
- 操向操作自在に構成された駆動型の前車輪(1)と、駆動型の後車輪(2)と、前車輪(1)の操向角度を計測する操向角センサ(36)を備え、この操向角センサ(36)で設定角度以上の操向操作角度を計測した際に前車輪(1)の周速度を後車輪(2)の周速度より増速させる前輪増速装置(A)を備えた作業車であって、
車体の走行速度を判別する車速判別手段(38)を備え、この車速判別手段(38)で判別される走行速度が高速であるほど、前記設定角度を小さい値に変更するよう前記前輪増速装置(A)を制御する制御手段(40)を備えている作業車。 - 前記左右の後車輪(2)を独立して制動する制動装置(31)を備えると共に、前記操向角センサ(36)で計測される操向角度が所定の角度以上に達すると、旋回内側の制動装置(31)を制動する制動制御手段(40)を備え、前記車速判別手段(38)で判別される走行速度が高速であるほど、前記所定の角度を小さい値に変更するよう、前記制動制御手段(40)の制御動作を設定してある請求項1記載の作業車。
- 前記所定の角度と前記設定角度とを一致させてある請求項2記載の作業車。
- 操向操作自在に構成された前車輪(1)と、後車輪(2)とを備えた作業車であって、
前記左右の後車輪(2)を独立して制動する制動装置(31)を備えると共に、前車輪(1)の操向角度を計測する操向角センサ(36)を備え、この操向角センサ(36)で計測される操向角度が所定の角度以上に達すると、旋回内側の制動装置(31)を制動する制動制御手段(40)を備え、車体の走行速度を判別する車速判別手段(38)で判別される走行速度が高速であるほど、前記所定の角度を小さい値に変更するよう、前記制動制御手段(40)の制御動作を設定してある作業車。
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1998
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