JP3627878B2 - エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高信頼性半導体封止用を始めとする電気・電子部品絶縁材料用、及びダイボンディングペースト、積層板(プリント配線板)やCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を始めとする各種複合材料用、接着剤、塗料等に有用な臭素含有エポキシ樹脂組成物及びその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂は作業性及びその硬化物の優れた電気特性、耐熱性、接着性、耐湿性(耐水性)等により電気・電子部品、構造用材料、接着剤、塗料等の分野で幅広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近年特に電気・電子分野においてはその発展に伴い、高純度化をはじめ耐熱性、密着性、フィラー高充填のための低粘度性等の諸特性の一層の向上が求められている。また、航空宇宙材料、レジャー・スポーツ器具用途などにおいて使用される構造材の製造時に於て、炭素繊維等に樹脂を含浸させる際に使用する溶剤の量を減らすために低粘度の樹脂が求められる。これらの要求に対し、エポキシ樹脂組成物について多くの提案がなされてはいるが、未だ充分とはいえない。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記のような要求を満たすエポキシ樹脂について鋭意研究の結果、本発明を完成した。
【0005】
即ち、本発明は、
(1)式(1)
【0006】
【化3】
Figure 0003627878
【0007】
(式中nは正数であり、平均値を表し、n=0〜1である。)
で表されるフェノールノボラックあって、式(2)
【0008】
【化4】
Figure 0003627878
【0009】
で表される2核体の含有量が70重量%以上であるフェノールノボラックを臭素化して得られる臭素化フェノールノボラックをグリシジル化することにより得られるエポキシ樹脂、
(2)臭素含有率が50重量%以下である上記(1)記載のエポキシ樹脂,
(3)臭素含有率が20〜40重量%である上記(1)記載のエポキシ樹脂、
(4)過酸化水素を使用して臭素化した臭素化フェノールノボラックを使用して得られる上記(1)、(2)または(3)記載のエポキシ樹脂、
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂、硬化剤、必要により硬化促進剤を含有するエポキシ樹脂組成物、
(6)上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物
に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
上記(1)記載のエポキシ樹脂の原料である臭素化フェノールノボラックは、式(2)で表される2核体成分が70重量%以上の式(1)のフェノールノボラックを臭素化することにより得られ、その臭素含有率は好ましくは60重量%以下、より好ましくは28〜51重量%の範囲である。本発明のエポキシ樹脂は、例えば下式(3)で表される分子を含有し、その粘度は通常150℃におけるICI粘度が1.0ポイズ以下である。
【0011】
【化5】
Figure 0003627878
【0012】
(式中Gはグリシジル基を表す。pは正数であり平均値を表しp=0〜1である。mは0〜4の整数を表すが、全てのmが0であることはない。)
【0013】
尚、前記及び下記において臭素含有率とは、樹脂(臭素化フェノールノボラック及び臭素化フェノールノボラックエポキシ樹脂)の全重量に対して臭素置換基が占める割合をいう。また、前記において2核体成分が70重量%以上のフェノールノボラックは、例えばビスフェノールFとして一般に知られているものである。
【0014】
フェノールノボラックの臭素化は公知の方法により行うことが出来る。例えば、フェノールノボラックをメタノール、四塩化炭素などの臭素と反応しない溶媒に溶かし、臭素の沸点以下の温度、好ましくは10〜50℃で臭素と反応させる。
この際、臭素は、例えばフェノールノボラックXgを臭素含有率K重量%の臭素化フェノールノボラックにする場合、2×(K×X/(100−K))g前後使用すればよい。反応終了後、系内で副生する臭化水素は苛性ソーダ等で中和する。以上のように得られた臭素化フェノールノボラック溶液は、そのまま、あるいは必要により樹脂分を回収後、公知の方法によりエポキシ化を行う。
【0015】
また、副生する臭化水素を過酸化水素を添加することによって臭素に変換して、効率よく無駄なく臭素を反応させる方法も採れる。この製造法の場合、臭素は、例えばフェノールノボラックXgを臭素含有率K重量%の臭素化フェノールノボラックにする場合、(K×X/(100−K))g前後使用すればよい。過酸化水素水は副生する臭化水素の当量もしくは僅かに少ない量を使用することが好ましい。
また、過酸化水素水の添加時期は、必ずしも所定量の臭素量を全量添加した後である必要はなく、全臭素を分割しながら添加しこれと交互に行ってもよいし、臭素と過酸化水素水の添加を同時に行っても良い。
以上のように臭素化されたフェノールノボラック溶液は、僅かな未反応の臭化水素を含有しているので、予め苛性ソーダ等で中和しておくことが望ましい。ついで還元剤を添加して還元処理を行う。還元剤としては、特に限定されないが、ハイドロサルファイト、ジ亜燐酸、尿素、チオ尿素、トリフェニルホスフィン、アスコルビン酸、ヒドラジン類等が有効であるが、特にハイドロサルファイト、ジ亜燐酸、ヒドラジン類が有効である。
還元剤の使用量は特に限定されないが、使用した過酸化水素に対して通常2重量%〜30重量%、好ましくは5〜25重量%である。
還元処理は、室温〜溶媒の沸点付近で実施すればよく、例えば還元剤を使用した過酸化水素に対して所定量添加した後、30〜60℃の温度で約30分〜2時間処理することにより実施できる。
以上のように還元処理を施された臭素化フェノールノボラック溶液は、そのまま、あるいは必要により樹脂分を回収後、公知の方法によりエポキシ化を行う。
【0016】
本発明のエポキシ樹脂は上記の方法で得られた臭素化フェノールノボラックにエピハロヒドリンを反応させることによって得られる。この反応に使用されるエピハロヒドリンとしては、エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、エピヨードヒドリン等があるが、工業的に入手し易く安価なエピクロルヒドリンが好ましい。この反応は従来公知の方法に準じて行うことが出来る。
【0017】
例えば臭素化フェノールノボラックとエピハロヒドリンの混合物に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の固体を一括添加または徐々に添加しながら20〜120℃の温度で0.5〜10時間反応させる。この際アルカリ金属水酸化物は水溶液を使用してもよく、その場合は該アルカリ金属水酸化物を連続的に添加すると共に反応混合物中から減圧下、または常圧下、連続的に水及びエピハロヒドリンを留出せしめ更に分液し水は除去しエピハロヒドリンは反応混合物中に連続的に戻す方法でもよい。
上記の方法においてエピハロヒドリンの使用量は臭素化フェノールノボラックの水酸基1当量に対して通常0.5〜20モル、好ましくは0.7〜10モルである。アルカリ金属水酸化物の使用量は臭素化フェノールノボラック中の水酸基1当量に対し通常0.5〜1.5モル、好ましくは0.7〜1.2モルである。
【0018】
また臭素化フェノールノボラックとエピハロヒドリンの混合物にテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライドなどの第四級アンモニウム塩を触媒として使用し、50〜150℃で1〜10時間反応させ、得られる臭素化フェノールノボラックのハロヒドリンエーテルに水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の固体または水溶液を加え、20〜120℃の温度で1〜10時間反応させてハロヒドリンエーテルを閉環させて本発明のエポキシ樹脂を得ることもできる。この場合の第四級アンモニウム塩の使用量は臭素化フェノールノボラックの水酸基1当量に対して0.001〜0.2モル、好ましくは0.05〜0.1モルである。
また、メタノール、エタノールなどのアルコール類や、トルエン、キシレン等の有機溶剤を使用することにより、反応を円滑に進めることが出来る。これらの有機溶剤の添加量は、使用するエピハロヒドリンの0.02〜10重量倍の範囲が好ましい。
【0019】
通常、これらの反応生成物は水洗後、または水洗無しに加熱減圧下過剰のエピハロヒドリンや、その他使用した溶媒を除去した後、トルエン、メチルイソブチルケトン等の溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて再び反応を行う。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量は臭素化フェノールノボラックの水酸基1当量に対して0.01〜0.2モル、好ましくは0.05〜0.15モルである。反応温度は通常50〜120℃の間で行われ、反応時間は通常0.5〜2時間である。
【0020】
反応終了後副生した塩をろ過、水洗などにより除去し、さらに加熱減圧下でトルエン、メチルイソブチルケトン等の溶媒を留去することにより加水分解性ハロゲン量の少ない本発明中のエポキシ樹脂を得ることができる。
このようにして得られた本発明のエポキシ樹脂は、その臭素含有率が50重量%以下のものが好ましく、20〜40重量%以下のものが特に好ましい。
【0021】
本発明のエポキシ樹脂組成物において本発明のエポキシ樹脂は単独でまたは他のエポキシ樹脂と併用して使用することが出来る。併用する場合、本発明のエポキシ樹脂の全エポキシ樹脂中に占める割合は5重量%以上が好ましく、特に10重量%以上が好ましい。
【0022】
本発明のエポキシ樹脂と併用しうる他のエポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノール類、フェノール類ノボラック、ビフェノール類、アルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、ポリブタジエンのエポキシ化物及び脂環式エポキシ樹脂、またはグリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
【0023】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化剤を含有する。使用しうる硬化剤の例としてはアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノ−ル系化合物などが使用できる。用いうる硬化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、フェノ−ルノボラック、及びこれらの変性物、イミダゾ−ル、BF−アミン錯体、グアニジン誘導体などが挙げられる。硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.5〜1.5当量が好ましく、0.6〜1.2当量が特に好ましい。エポキシ基1当量に対して、0.5当量に満たない場合、あるいは1.5当量を超える場合、いずれも硬化が不完全となり良好な硬化物性が得られない恐れがある。
【0024】
また本発明のエポキシ樹脂組成物に硬化促進剤を含有せしめても差し支えない。用いうる硬化促進剤の具体例としては例えば2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾ−ル類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類、オクチル酸スズなどの金属化合物、BFの各種錯体などが挙げられる。硬化促進剤はエポキシ樹脂100重量部に対して0.01〜15重量部が必要に応じ用いられる。
さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じてシリカ、アルミナ、窒化アルミ、タルク、金属粉末等の充填材や三酸化アンチモン、シランカップリング剤、離型剤、顔料等の種々の配合剤を添加することができる。
【0025】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記各成分を均一に混合することにより得られる。本発明のエポキシ樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易に硬化物とすることができる。例えば本発明のエポキシ樹脂と硬化剤、必要により硬化促進剤、充填材並びにその他の配合剤とを必要に応じて押出機、ニ−ダ、ロ−ル、ミキサー等を用いて均一になるまで充分に混合して本発明のエポキシ樹脂組成物を得、そのエポキシ樹脂組成物を溶融後注型あるいはトランスファ−成型機などを用いて成形、あるいは被着体等に塗布し、80〜200℃で2〜10時間に加熱することにより本発明の硬化物を得ることができる。
【0026】
また本発明のエポキシ樹脂組成物をトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の溶剤に溶解させ、ガラス繊維、カ−ボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含浸させ加熱乾燥して得たプリプレグを熱プレス成形して本発明の硬化物を得ることもできる。
【0027】
その際溶剤は本発明のエポキシ樹脂組成物と溶剤の合計重量に対し溶剤の占める割合が、通常10〜70重量%、好ましくは15〜65重量%となる量使用する。
【0028】
【実施例】
以下本発明を実施例により更に詳細に説明する。尚、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また実施例において、2核体の含有量、エポキシ当量、粘度、軟化点、加水分解性塩素濃度、臭素含有率は以下の条件で測定した。
1)2核体の含有量
試料をGPC分析装置により分析し、各成分に相当するピークの面積百分率から求めた。
・GPC分析条件
カラム:Shodex KF−803(2本)
+KF−802.5(2本)
溶剤 :テトラヒドロフラン
検出 :UV(254nm)
流量 :1ml/min.
2)エポキシ当量
JIS K−7236に準じた方法で測定し、単位はg/eqである。
3)粘度
B型粘度計で52℃で測定した。
4)加水分解性塩素濃度
試料のジオキサン溶液に1N−KOHメタノール溶液を添加し、30分間還流することにより遊離する塩素量を硝酸銀滴定法により測定し、試料の重量で除した値
5)臭素含有率
試料を水酸化カリウムと強熱して臭化カリウムを生成させMohr法にて定量した。
【0029】
実施例1
フェノールノボラック(2核体含有量90重量%)100g及びメタノール80gを温度計、撹拌機付4つ口フラスコに仕込、窒素ガスを吹き込みながら溶解する。これに臭素88g(0.55モル)を反応温度25〜30℃で滴下する。臭素滴下終了後、35%過酸化水素水48g(0.49モル)を反応温度25〜30℃で滴下し、滴下後、反応液をそのままの温度で30分撹拌を続けた。その後、30%苛性ソーダ水溶液を徐々に添加し、中和後、還元剤としてヒドラジンヒドラード(80%)1.0gを添加し、50℃に加温して1時間撹拌した。
この反応液を激しく撹拌している水5L中に滴下し、粒状の臭素化フェノールノボラックを得た。この臭素化フェノールノボラックをエピクロルヒドリン555g(6モル)に溶解し、減圧下(100mmHg)で共沸脱水により系内の水分を除去した。脱水後、48%苛性ソーダ水溶液83gを6時間で滴下した。この間、苛性ソーダ水溶液に含まれる水及び反応により生成する水を減圧下(150〜200mmHg)で共沸脱水しながら反応温度を75〜80℃に保った。苛性ソーダ水溶液滴下終了後、そのままの温度で、更に1時間撹拌した。
反応終了後、副成した塩を濾過し、更に濾液を水100gで水洗した後、油層を減圧下で濃縮し、過剰のエピクロルヒドリンを除去した。次いで残留物をメチルイソブチルケトン500gに溶解して、70℃に昇温後、30%苛性ソーダ水溶液を20g添加し、70℃で1時間反応を行い、中性になるまで水洗を数回繰り返した後、加熱減圧下でメチルイソブチルケトンを留去した結果、本発明のエポキシ樹脂(E1)227gを得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は250、粘度は250センチポイズ、加水分解性塩素濃度は500ppm、臭素含有率は35重量%であった。
【0030】
実施例2
実施例1に於て臭素の量を128g、35%過酸化水素水を69g、ヒドラジンヒドラードを1.2gに代えた以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、本発明のエポキシ樹脂(E2)264gを得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は304、粘度は620センチポイズ、加水分解性塩素濃度は530ppm、臭素含有率は43重量%であった。
【0031】
実施例3
実施例1に於て臭素の量を176g、35%過酸化水素水を96g、ヒドラジンヒドラードを2.0gに代えた以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、本発明のエポキシ樹脂(E3)294gを得た。このエポキシ樹脂は徐々に結晶化した。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は331、加水分解性塩素濃度は570ppmであり、150℃でのICI粘度は0.7ポイズ、臭素含有率は50重量%であった。
【0032】
実施例4
実施例1に於て臭素の量を44g、35%過酸化水素水を35g、ヒドラジンヒドラードを0.8gに代えた以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、本発明のエポキシ樹脂(E4)294gを得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は222、加水分解性塩素濃度は480ppm、粘度は200センチポイズ、臭素含有率は20重量%であった。
【0033】
実施例5〜10、比較例1〜3
エポキシ樹脂としてエポキシ樹脂(E1)〜(E3)及びこれ以外のエポキシ樹脂、硬化剤を表1、表2の配合物の組成の欄に示す組成で配合し、更に硬化促進剤(トリフェニルホスフィン)0.2重量部配合し、均一に混合した後、注型もしくはトランスファー成型により樹脂成形体を調製し、160℃で2時間、更に180℃で8時間で硬化させた。
【0034】
このようにして得られた硬化物の物性を測定した結果を表1、表2に併せて示す。 尚、物性値の測定は以下の方法で行った。
・銅箔剥離強度:180℃剥離試験測定温度;30℃引っ張り速度;200mm/min銅箔;日鉱グールド(株)製 JTC箔 厚さ70μm
【0035】
【表1】
Figure 0003627878
【0036】
【表2】
Figure 0003627878
【0037】
尚、表1、表2及び下記表3、表4においてエポキシ樹脂等の種類は以下のものを表す。
YX−4000 :油化シェルエポキシ(株)製 YX−4000 (エポキシ樹脂)
XYLOK :三井東圧化学(株)製 ミレックスXL−225−3L (硬化剤)
PN:明和化成(株)製 HF−1(フェノールノボラック、硬化剤)
EPPN−501:日本化薬(株)製 EPPN−501(エポキシ樹脂)
BREN:日本化薬(株)製 BREN−S(臭素化エポキシ樹脂)
EOCN:日本化薬(株)製 EOCN−1020 (軟化点65℃、エポキシ樹脂)
【0038】
実施例11〜16、比較例4〜6
エポキシ樹脂として、エポキシ樹脂(E1)〜(E3)及びこれ以外のエポキシ樹脂、硬化剤、充填材(電気化学工業株式会社製 FB−48)を表3、表4の配合物の組成の欄に示す組成で配合し、更に硬化促進剤(トリフェニルホスフィン)0.2重量部、シランカップリング剤(信越化学工業株式会社製 KBM403)0.8重量部、離型剤(東亜化成株式会社製 微粉カルナバ)0.5重量部、顔料(三菱化学工業株式会社製 CK45)、三酸化アンチモン2.0重量部の割合で配合し、2軸ロールにより混練し、粉砕、タブレット化後、スパイラルフロー値を以下の条件で測定した。
測定条件
金型温度:170℃
トランスファー圧力:70kg/cm
【0039】
【表3】
Figure 0003627878
【0040】
【表4】
Figure 0003627878
【0041】
表1〜4より明らかなとおり、本発明のエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物はスパイラルフロー値に優れ、また本発明の硬化物は銅剥離強度に優れている。
【0042】
【発明の効果】
本発明のエポキシ樹脂及びそれを含有するエポキシ樹脂組成物は低粘度であり、その硬化物において優れた接着性を有するため、電気電子部品用絶縁材料(高信頼性半導体封止材料など)及び積層板(プリント配線板など)やCFRPを始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等に使用する場合に極めて有用である。

Claims (5)

  1. 式(1)
    Figure 0003627878
    (式中nは正数であり、平均値を表し、n=0〜1である。)で表されるフェノールノボラックあって、式(2)
    Figure 0003627878
    で表される2核体の含有量が70重量%以上であるフェノールノボラックを臭素化して得られる臭素化フェノールノボラックをグリシジル化することにより得られるエポキシ樹脂(ただし、臭素原子の置換数がフェニル核1個当たり1個であるものを除く)、硬化剤、必要により硬化促進剤を含有するエポキシ樹脂組成物。
  2. エポキシ樹脂の臭素含有率が50重量%以下である請求項1記載のエポキシ樹脂組成物
  3. エポキシ樹脂の臭素含有率が20〜40重量%である請求項1記載のエポキシ樹脂組成物
  4. エポキシ樹脂が過酸化水素を使用して臭素化した臭素化フェノールノボラックを使用して得られたものである請求項1、2または3記載のエポキシ樹脂組成物
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
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