JP3636409B2 - フェノール類樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

フェノール類樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高信頼性半導体封止用を始めとする電気・電子部品絶縁材料用、及び積層板(プリント配線板)やCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を始めとする各種複合材料用、接着剤、塗料等に有用なフェノール類樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂は作業性及びその硬化物の優れた電気特性、耐熱性、接着性、耐湿性(耐水性)等により電気・電子部品、構造用材料、接着剤、塗料等の分野で幅広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近年電気・電子分野においてはその発展に伴い、高純度化をはじめ耐熱性、耐湿性、密着性、高靭性、フィラー高充填のための低粘度性等の諸特性の一層の向上が求められている。その一方では作業性の向上のために常温で固形であることが望まれている。また、構造材としては航空宇宙材料、レジャー・スポーツ器具用途などにおいて軽量で機械物性の優れた材料であることと同時に、作業性の向上のためにやはり低粘度の樹脂が求められている。これらの要求に対しエポキシ樹脂組成物について多くの提案がなされてはいるが、未だ充分とはいえない。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記のような特性を持つエポキシ樹脂について鋭意研究の結果、本発明を完成した。
即ち、本発明は、
(1)式(1)
【0005】
【化6】
Figure 0003636409
【0006】
(式中、複数存在するRは独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8アルキル基またはアリール基を示す。hは1〜9の整数を、またjは1〜2の整数をそれぞれ表す。m、nはそれぞれ平均値を表し、0より大きい実数であり、且つm+nが10以下である。また、基
【0007】
【化7】
Figure 0003636409
【0008】
と基
【0009】
【化8】
Figure 0003636409
【0010】
とは任意の順で配列している。)
で表されるフェノール類樹脂、
(2)上記(1)記載のフェノール類樹脂のフェノール性水酸基をグリシジル化することにより得られるエポキシ樹脂、
(3)(a)フェノール類、(b)式(2)
【0011】
【化9】
Figure 0003636409
【0012】
(式中Xはハロゲン原子、メトキシ基または水酸基を示す。複数存在するRは独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8アルキル基またはアリール基を示す。)で表される化合物及び(c)式(3)
【0013】
【化10】
Figure 0003636409
【0014】
(式中Xはハロゲン原子、メトキシ基または水酸基を示す。複数存在するRは独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8アルキル基またはアリール基を示す。)で表される化合物とを重縮合させ得られるフェノール類樹脂の製造方法において、(b)成分と(c)成分の配合比がモル比で(b)/(c)=0.1以上、4以下であることを特徴とする上記(1)記載のフェノール類樹脂の製造方法、
(4)上記(3)記載の製造方法により得られるフェノール類樹脂のフェノール性水酸基をグリシジル化することにより得られるエポキシ樹脂、
(5)上記(1)または(3)記載のフェノール類樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物、
(6)上記(2)または(4)記載のエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物、
(7)上記(1)または(3)記載のフェノール類樹脂と、上記(2)または(4)記載のエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物、
(8)半導体封止用に調製された上記(5)、(6)及び(7)のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物、
(9)上記(5)、(6)、(7)及び(8)のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物
に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明のフェノール類樹脂は、例えば(a)フェノール類、(b)前記式(2)の化合物、(c)前記式(3)の化合物とを、必要により酸性触媒の存在下において加熱して重縮合することにより得られる。
【0016】
(a)成分として用いうるフェノール類の具体例としては、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、tert−ブチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、2−tertブチル−5−メチルフェノール等のアルキルフェノール、グアヤコール、グエトール、アリルフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等が挙げられるがこれらに限定されることはなく、これらは単独でも二種以上併用しても良い。
フェノール類の使用量は、成分(b)+成分(c)1モルに対し、通常1〜20モル、好ましくは1.5〜15モルである。
また、前記式(2)で表される成分(b)及び前記式(3)で表される成分(c)の配合比は、(b)/(c)で通常0.05〜10、好ましくは0.1〜4である。
【0017】
酸触媒としては例えば塩酸、燐酸、硫酸、蟻酸、塩化亜鉛、塩化第二鉄、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。これらは単独でも二種以上併用しても良い。触媒の使用量は成分(a)+成分(b)+成分(c)の全重量に対し、通常0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%である。
【0018】
反応温度は100〜250℃、反応時間は1〜20時間であり、反応中に生々するアルコールや水、ハロゲン化水素は適宜系外にトラップする。また、未半応のフェノール類は、反応終了後に酸性触媒を失活あるいは除去してから、加熱真空下で留去するか、水蒸気蒸留などで留去する。
【0019】
本発明のエポキシ樹脂は前記の方法で得られたフェノール類樹脂を原料としてエピハロヒドリンと反応させることにより得られる。
このエポキシ化反応に使用されるエピハロヒドリン類の用いうる具体例としては、エピクロルヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、β−メチルエピブロムヒドリン、エピヨードヒドリン、β−エチルエピクロルヒドリン等が挙げられるが、工業的に入手し易く安価なエピクロルヒドリンが好ましい。このエポキシ化反応は従来公知の方法に準じて行うことが出来る。
【0020】
エポキシ化反応は、例えば上記のフェノール類樹脂とエピハロヒドリン類の混合物に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の固体を一括添加または徐々に添加しながら20〜120℃で0.5〜10時間反応させる。この際アルカリ金属水酸化物は水溶液を使用してもよく、その場合は該アルカリ金属水酸化物を連続的に添加すると共に反応混合物中から減圧下、または常圧下、連続的に水及びエピハロヒドリン類を留出せしめ、更に分液して水は除去し、エピハロヒドリン類は反応混合物中に連続的に戻す方法でもよい。
【0021】
上記の方法においてエピハロヒドリン類の使用量はフェノール類樹脂の水酸基1当量に対して通常0.5〜10モル、好ましくは1.0〜5.0モルである。アルカリ金属水酸化物の使用量はフェノール混合物中の水酸基1当量に対し通常0.5〜1.5モル、好ましくは0.7〜1.2モルである。ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の非プロトン性極性溶媒を添加することにより下記に定義する加水分解性ハロゲン濃度の低いエポキシ樹脂が得られ、このエポキシ樹脂は電子材料封止用の用途に適する。非プロトン性極性溶媒の使用量はエピハロヒドリン類の重量に対し5〜200重量%、好ましくは10〜100重量%である。上記の溶媒以外にもメタノール、エタノール等のアルコール類、1,4−ジオキサン等の環状及び鎖状エーテル類を添加することによっても反応が進み易くなり、加水分解性ハロゲン濃度も非プロトン性極性溶媒を使用した場合よりは高いが、これら溶媒を使用しないときよりは低くなる。またトルエン、キシレン等も使用することができる。ここで加水分解性ハロゲン濃度とは、例えば該エポキシ樹脂をジオキサンと1N−KOH/エタノール溶液に入れ、数十分間還流した後、硝酸銀溶液で滴定することにより測定することができる。
【0022】
またフェノール類樹脂と過剰のエピハロヒドリン類の混合物にテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライドなどの第四級アンモニウム塩を触媒として使用し、50℃〜150℃で1〜10時間反応させ、得られるフェノール類樹脂のハロヒドリンエーテルに水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の固体または水溶液を加え、20〜120℃で1〜10時間反応させてハロヒドリンエーテルを閉環させて本発明のエポキシ樹脂を得ることもできる。この場合の第四級アンモニウム塩の使用量はフェノール類樹脂の水酸基1当量に対して通常0.001〜0.2モル、好ましくは0.05〜0.1モルである。アルカリ金属水酸化物の使用量は、フェノール類樹脂の水酸基1当量に対し通常0.8〜1.5モル、好ましくは0.9〜1.1モルである。
【0023】
通常、これらの反応生成物は水洗後、または水洗無しに加熱減圧下過剰のエピハロヒドリン類や、その他使用した溶媒等を除去した後、トルエン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等の溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて再び反応を行うことにより加水分解性ハロゲン濃度の低いエポキシ樹脂を得ることが出来る。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量はフェノール類樹脂の水酸基1当量に対して通常0.01〜0.2モル、好ましくは0.05〜0.1モルである。反応温度は通常50〜120℃の間で行われ、反応時間は通常0.5〜2時間である。反応終了後副生した塩をろ過、水洗などにより除去し、さらに加熱減圧下トルエン、メチルイソブチルケトン等の溶媒を留去することにより加水分解性ハロゲン濃度が低い本発明のエポキシ樹脂を得ることができる。
【0024】
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物について説明する。前記(5)、(8)記載のエポキシ樹脂組成物において本発明のフェノール類樹脂はエポキシ樹脂の硬化剤として作用し、この場合本発明のフェノール類樹脂を単独でまたは他の硬化剤と併用することが出来る。併用する場合、本発明のフェノール類樹脂の全硬化剤中に占める割合は20重量%以上が好ましく、特に30重量%以上が好ましい。
【0025】
本発明のフェノール類樹脂と併用されうる他の硬化剤としては、例えばアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノ−ル系化合物などが挙げられる。用いうる硬化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ビスフェノール類、フェノール(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)類と各種アルデヒドとの重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物との重合物、フェノール類と芳香族ジメチロールとの重縮合物、ビフェノール類及びこれらの変性物、イミダゾ−ル、BF3 −アミン錯体、グアニジン誘導体などが挙げられる。
【0026】
前記(6)、(8)記載のエポキシ樹脂組成物において本発明のエポキシ樹脂は単独でまたは他のエポキシ樹脂と併用して使用することが出来る。併用する場合、本発明のエポキシ樹脂の全エポキシ樹脂中に占める割合は30重量%以上が好ましく、特に40重量%以上が好ましい。
【0027】
本発明のエポキシ樹脂と併用されうる他のエポキシ樹脂の具体例としてはビスフェノール類、フェノール(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)類と各種アルデヒドとの重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物との重合物、フェノール類と芳香族ジメチロールとの重縮合物、ビフェノール類、アルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられるが、通常用いられるエポキシ樹脂であればこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
【0028】
前記(7)、(8)のエポキシ樹脂組成物において、硬化剤として本発明のフェノール類樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂としては前記で他のエポキシ樹脂として例示したエポキシ樹脂や本発明のエポキシ樹脂を用いることが出来る。
【0029】
また前記(7)、(8)のエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂として本発明のエポキシ樹脂を用いる場合、硬化剤としては前記で他の硬化剤として例示した硬化剤や本発明のフェノール類樹脂を用いることが出来る。
【0030】
本発明のエポキシ樹脂組成物において硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して通常0.5〜1.5当量、好ましくは、0.6〜1.2当量である。エポキシ基1当量に対して、0.5当量に満たない場合、あるいは1.5当量を超える場合、いずれも硬化が不完全となり良好な硬化物性が得られない恐れがある。
【0031】
また本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要により硬化促進剤を含有せしめても差し支えない。用いうる硬化促進剤の具体例としては2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾ−ル類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類、オクチル酸スズなどの金属化合物などが挙げられる。硬化促進剤はエポキシ樹脂100重量部に対して0.01〜15重量部が必要に応じ用いられる。
さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じてシリカ、アルミナ、タルク等の充填材やシランカップリング剤、離型剤、顔料等の種々の配合剤を添加することができる。
【0032】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記各成分を所定の割合で均一に混合することにより得られる。本発明のエポキシ樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易にその硬化物とすることができる。例えば本発明のエポキシ樹脂と硬化剤、必要により硬化促進剤及び充填材やその他配合剤とを必要に応じて押出機、ニ−ダ、ロ−ル等を用いて均一になるまで充分に混合して本発明のエポキシ樹脂組成物を得、そのエポキシ樹脂組成物を、溶融注型法あるいはトランスファ−成型法やインジェクション成型法、圧縮成型法などによって成形し、必要であれば、さらに50〜200℃で加熱することにより本発明の硬化物を得ることができる。
【0033】
また本発明のエポキシ樹脂組成物をトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の溶剤に溶解させ、ガラス繊維、カ−ボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含浸させ加熱乾燥して得たプリプレグを熱プレス成形して本発明の硬化物を得ることもできる。
【0034】
その際溶剤は本発明のエポキシ樹脂組成物と溶剤の合計重量に対し溶剤の占める割合が、通常10〜70重量%、好ましくは15〜65重量%となる量使用する。
【0035】
【実施例】
以下本発明を実施例により更に詳細に説明する。尚、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、エポキシ当量、ICI粘度、軟化点は以下の条件で測定した。
▲1▼エポキシ当量
JIS K−7236に準じた方法で測定した。。
▲2▼ICI粘度
150℃におけるコーンプレート法における溶融粘度
測定機械:コーンプレート(ICI)高温粘度計(RESEARCH EQUIPMENT(LONDON)LTD. 製)
コーンNo.:3(測定範囲0〜20ポイズ)
試料量:0.15±0.01
▲3▼軟化点
JIS K−7234に準じた方法で測定
【0036】
実施例1
コンデンサー、撹拌装置を備えたフラスコに、フェノール940重量部、下記式(4)
【0037】
【化11】
Figure 0003636409
【0038】
で表される化合物169重量部、下記式(5)
【0039】
【化12】
Figure 0003636409
【0040】
で表される化合物49重量部、p−トルエンスルフォン酸12重量部を仕込、130〜160℃に保ちながら5時間反応を行った。この際、生成するメタノールは随時系外へ除去した。
反応終了後、炭酸ナトリウムで中和し、未反応のフェノールを加熱減圧下で留去し、メチルイソブチルケトン400重量部に溶解し、水洗を繰り返して塩類を除去した。次いで加熱減圧下に於て未反応のフェノールとメチルイソブチルケトンを留去して本発明のフェノール類樹脂(P1)380重量部を得た。得られたフェノール類樹脂(P1)の軟化点は61℃、ICI粘度は0.8ポイズ、水酸基当量は194g/eqであった。
【0041】
実施例2
実施例1においてフェノールを188重量部に変えた以外は同様の操作を行い本発明のフェノール類樹脂(P2)244重量部を得た。得られたフェノール類樹脂(2)の軟化点は78℃、ICI粘度は3.3ポイズ、水酸基当量は207g/eqであった。
【0042】
実施例3
実施例1において式(4)の化合物を121重量部に、式(5)の化合物を82重量部に変えた以外は同様の操作を行い本発明のフェノール類樹脂(P3)252重量部を得た。得られたフェノール類樹脂(P3)の軟化点は58℃、ICI粘度は0.7ポイズ、水酸基当量は186g/eqであった。
【0043】
実施例4
実施例2において式(4)の化合物を121重量部に、式(5)の化合物を82重量部に変えた以外は同様の操作を行い本発明のフェノール類樹脂(P4)231を得た。得られたフェノール類樹脂(P4)の軟化点は76℃、ICI粘度は3.4ポイズ、水酸基当量は198g/eqであった。
【0044】
実施例5
実施例1において式(4)の化合物を73重量部に、式(5)の化合物を115重量部に変えた以外は同様の操作を行い本発明のフェノール類樹脂(P5)238重量部を得た。得られたフェノール類樹脂(P5)の軟化点は54℃、ICI粘度は0.5ポイズ、水酸基当量は177g/eqであった。
【0045】
実施例6
実施例2において式(4)の化合物を73重量部に、式(5)の化合物を115重量部に変えた以外は同様の操作を行い本発明のフェノール類樹脂(P5)217重量部を得た。得られたフェノール類樹脂(P6)の軟化点は75℃、ICI粘度は3.5ポイズ、水酸基当量は189g/eqであった。
【0046】
実施例7
フェノール類樹脂(P1)200重量部、エピクロルヒドリン(ECH、以下同様)800重量部、ジメチルスルホキシド(DMSO、以下同様)100重量部を反応容器に仕込、加熱、撹拌、溶解後、温度を45℃に保持しながら、反応系内を45Torrに保って、40%水酸化ナトリウム水溶液103重量部を4時間かけて連続的に滴下した。この際共沸により留出してくるECHと水を冷却、分液した後、有機層であるECHだけを反応系内に戻しながら反応を行った。水酸化ナトリウム水溶液滴下完了後、45℃で2時間、70℃で1時間更に反応を行った。ついで水洗を繰り返し、副成塩とジメチルスルホキシドを除去した後、油層から加熱減圧下において過剰のエピクロルヒドリンを留去し、残留物に600重量部のメチルイソブチルケトンを添加し溶解した。
このメチルイソブチルケトンの溶液を70℃に加熱し30%水酸化ナトリウム水溶液10重量部を添加し、1時間反応させた後、反応液の水洗を洗浄液が中性となるまで繰り返した。ついで油層から加熱減圧下においてメチルイソブチルケトンを留去することにより本発明のエポキシ樹脂(E1)242重量部を得た。得られたエポキシ樹脂(E1)のエポキシ当量は288g/eq、軟化点53℃、ICI粘度0.7ポイズであった。
【0047】
実施例8
実施例7においてフェノール類樹脂(P1)をフェノール類樹脂(P2)200重量部に、40%水酸化ナトリウム水溶液を97重量部をに変えた以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、本発明のエポキシ樹脂(E2)235重量部を得た。得られたエポキシ樹脂(E2)のエポキシ当量は316g/eq、軟化点68℃、ICI粘度3.0ポイズであった。
【0048】
実施例9
実施例7においてフェノール類樹脂(P1)をフェノール類樹脂(P3)200重量部に、40%水酸化ナトリウム水溶液を108重量部をに変えた以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、本発明のエポキシ樹脂(E3)221重量部を得た。得られたエポキシ樹脂(E3)のエポキシ当量は281g/eq、軟化点51℃、ICI粘度0.6ポイズであった。
【0049】
実施例10
実施例7においてフェノール類樹脂(P1)をフェノール類樹脂(P4)200重量部に、40%水酸化ナトリウム水溶液を101重量部をに変えた以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、本発明のエポキシ樹脂(E4)230重量部を得た。得られたエポキシ樹脂(E4)のエポキシ当量は310g/eq、軟化点67℃、ICI粘度2.9ポイズであった。
【0050】
実施例11
実施例7においてフェノール類樹脂(P1)をフェノール類樹脂(P5)200重量部に、40%水酸化ナトリウム水溶液を113重量部をに変えた以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、本発明のエポキシ樹脂(E5)235重量部を得た。得られたエポキシ樹脂(E5)のエポキシ当量は273g/eq、軟化点50℃、ICI粘度0.5ポイズであった。
【0051】
実施例12
実施例7においてフェノール類樹脂(P1)をフェノール類樹脂(P6)200重量部に、40%水酸化ナトリウム水溶液を106重量部をに変えた以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、本発明のエポキシ樹脂(E6)233重量部を得た。得られたエポキシ樹脂(E6)のエポキシ当量は301g/eq、軟化点68℃、ICI粘度2.8ポイズであった。
【0052】
実施例13〜21
実施例で得られたエポキシ樹脂(E1)〜(E6)またはo−クレゾールノボラックエポキシ樹脂(日本化薬(株)製 EOCN−1020 軟化点65℃
150℃に於けるICI粘度 2.9ポイズ)を使用し、これらエポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(日本化薬(株)製、PN−80、150℃におけるICI粘度1.5ポイズ、軟化点86℃、水酸基当量106g/eq、以下PN)または本発明のフェノール類樹脂を1水酸基当量配合し、更に硬化促進剤(トリフェニルフォスフィン)をエポキシ樹脂100重量部当り1重量部配合し、トランスファー成型により樹脂成形体を調製し、160℃で2時間、更に180℃で8時間で硬化させた。
【0053】
このようにして得られた硬化物の物性を測定した結果を表1及び2に示す。尚、硬化物の物性は、下記の方法で測定した。
Figure 0003636409
・アイゾット衝撃試験:JIS K7710に準拠して行った。
・吸水率:直径5cm×厚み4mmの円盤状の試験片を100℃の水中で24時間煮沸した後の重量増加率(%)
【0054】
【表1】
Figure 0003636409
【0055】
【表2】
Figure 0003636409
【0056】
【発明の効果】
本発明のフェノール類樹脂、エポキシ樹脂は共に、従来知られている、化合物(b)とフェノール類の重縮合物及びそのエポキシ化物よりも、低粘度であり、且つ、化合物(c)とフェノール類の重縮合物及びそのエポキシ化物よりも、その硬化物に於て低吸水性、高靭性を発現することが出来るため、電気・電子部品料用、積層板(プリント配線板)やCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等使用する場合に有用である。特に半導体封止材料に使用した場合、極めて優れた耐パッケージクラック性の材料が得られる。

Claims (9)

  1. 式(1)
    Figure 0003636409
    (式中、複数存在するRは独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8アルキル基またはアリール基を示す。hは1〜9の整数を、またjは1〜2の整数をそれぞれ表す。m、nはそれぞれ平均値を表し、0より大きい実数であり、且つm+nが10以下である。また、基
    Figure 0003636409
    と基
    Figure 0003636409
    とは任意の順で配列している。)
    で表されるフェノール類樹脂。
  2. 請求項1記載のフェノール類樹脂のフェノール性水酸基をグリシジル化することにより得られるエポキシ樹脂。
  3. (a)フェノール類、(b)式(2)
    Figure 0003636409
    (式中Xはハロゲン原子、メトキシ基または水酸基を示す。複数存在するRは独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8アルキル基またはアリール基を示す。)で表される化合物及び(c)式(3)
    Figure 0003636409
    (式中Xはハロゲン原子、メトキシ基または水酸基を示す。複数存在するRは独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8アルキル基またはアリール基を示す。)で表される化合物とを重縮合させ得られるフェノール類樹脂の製造方法において、(b)成分と(c)成分の配合比がモル比で(b)/(c)=0.1以上、4以下であることを特徴とする請求項1記載のフェノール類樹脂の製造方法。
  4. 請求項3記載の製造方法により得られるフェノール類樹脂のフェノール性水酸基をグリシジル化することにより得られるエポキシ樹脂。
  5. 請求項1または3記載のフェノール類樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物。
  6. 請求項2または4記載のエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物。
  7. 請求項1または3記載のフェノール類樹脂と、請求項2または4記載のエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物。
  8. 半導体封止用に調製された請求項5、6及び7のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  9. 請求項5、6、7及び8のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
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