JP3623856B2 - 筒状体への中空糸束収納装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、中空糸膜濾過モジュールの製造に適した膜モジュール用筒状体への中空糸束の収納装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
中空糸束を比較適小型の筒状体に屈曲状に挿入する場合、例えば、特願平01−061424号の『筒状体への中空糸束収納装置』に見られるように、中空糸束をループ状に折り曲げた後真空吸引により膜モジュール用筒状体へ収納させる方法が用いられている。この方法では中空糸束を半自動で筒状体内に挿入することにより、膜モジュールの飛躍的な生産性の向上が図られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来技術においては、お互いが固着されることなく集束された中空糸束を真空吸引によって筒状体へ収納しているため、中空糸の部分的な脱落が生じたり収納形態が不揃いになることがある。このような中空糸の部分的な脱落や不揃いは、製品の欠陥となるから、かかる欠陥のある製品の出荷を確実に防止するため、製品検査に多くの時間を要するという解決すべき課題があった。本発明は、中空糸を筒体へ能率的に収容することができ、しかも、中空糸の脱落や不揃いが生じ難く不良製品が発生することのない中空糸束挿入装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明における装置は、このような不安定要因を取り除き製品検査時間をも短縮するために、定長切断された中空糸束を全本数確実に捕捉し屈曲状加工した中空糸束を保持した挿入子を、直接膜モジュール筒状体の内部を貫通させることにより脱落がなく整列した中空糸束を膜モジュール筒状体へ自動的に収納し、生産性の向上を図ろうとするものである。なお、ここで言う屈曲状とは、中空糸束をU字の状態で二重に重なるように折り曲げることを言う。この問題の解決のために本発明では、原糸解舒機構、定速搬送機構、ダンサーローラ機構、定長搬送機構、ノズル搬送機構、切断機構、挿入機構、ノズル吸引機構を連動させることにしている。本発明の中空糸束収納装置は、中空糸束を所定量本数集束して供給するための供給機構と、供給された中空糸束を固定した状態で定長切断する切断機構と、切断された中空糸束を前記中空糸束の搬送経路の側方の筒状体に挿入するための挿入機構とからなる中空糸束収納装置において、前記供給機構は、中空糸束を所定の位置に供給するために同一軸線上に配置された複数のノズルからなり、前記切断機構は、所定の位置に供給された中空糸束と交差する方向へ互いに接近することにより剪断する一対の切断刃から構成され、前記挿入機構は、中空糸束と交差する方向へ移動することにより搬送経路中の中空糸を筒状体へ押し込む挿入子から構成され、前記挿入子は、前記筒状体内部を貫通することにより中空糸を筒状体へ押し込むことを特徴とする。かかる構成により、前記挿入子が移動することにより、中空糸束をU字状に折曲げながら膜モジュール用などの筒状体へ挿入することができる。また本発明の中空糸束収納装置は、前記複数のノズルは、これらの内部を流れる空気流によって中空糸を搬送し、これらのノズルの内、中空糸束の移動方向に沿う下流側のノズルから内部の空気を排出することを特徴とする。かかる構成により、搬送のための空気流が中空糸束の収束状体を損なうことが防止される。また本発明の中空糸束収納装置は、前記中空糸束の横断面形状を前記搬送経路中の所定位置で偏平状に成形すべく、前記搬送経路の一部の横断面形状を偏平状としたことを特徴とする。かかる構成により、搬送経路中における移動にともなって中空糸束が偏平な形状に変形し、この偏平部分を介して容易に変形することが可能になる。また本発明の中空糸束収納装置は、前記挿入子が中空糸束の搬送経路の内径と同等以下の外巾を持つことを特徴とする。このような構成により、挿入子が搬送経路内を移動することができる。また本発明の中空糸束収納装置は、前記挿入子には、中空子束を補足する凹部が設けられ、この凹部は、前記偏平状の横断面形状部分の寸法と同等以上の内幅および長さを持つことを特徴とする。このような構成により、凹部内へ中空糸束を捕捉することができる。また本発明の中空糸束収納装置は、前記挿入子における前記中空子束に接触する端部が曲面状をなすことを特徴とする。このような構成により、中空糸束を補足する際に凹部の内面が円滑に中空糸束と摺動することができる。また本発明の中空糸束収納装置は、前記搬送経路には、前記挿入子の凹部の両側部を形成する先端突起部を格納するに足る深さを有する溝が設けられたことを特徴とする。かかる構成により、先端突起部が搬送経路内に突出することなく中空糸束を捕捉することができる。また本発明の中空糸束納装置は、前記切断刃はV字状をなすとともに、V字の底を互いに反対方向へ向けて配置され、V字の底が中空糸束中心で互いに交差するように配置されたことを特徴とする。このような構成により、一対の切断刃によって中空糸束を囲んだ状態で切断を行うことができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
符号1は中空糸束であって、この中空糸束1は、複数のローラを経由して中空糸束搬送装置2および中空糸束搬送補助装置3の間に導かれ、これらによって引き取られて搬送ノズル4へ送り込まれるようになっている。この搬送ノズル4は真空圧によって中空糸束1を下方へ搬送するもので、その入り口には、中空糸ガイド5が設けられて中空糸束1を前記入り口へ案内するとともに、この入り口を中空糸との摺動から保護するための中空糸ガイド5が設けられている。また搬送ノズル4の出口(図中の下端)には、搬送ノズル4の長さを変位させるための搬送ノズルアダプタ6が設けられ、この搬送ノズルアダプタ6の外周部には、軸方向に移動可能なスライドスリーブ7が被せられている。このスライドスリーブ7は、スライドスリーブ移動リニアテーブル8により駆動されて、中空糸束1の供給時には前進(下降)して連続的な中空糸束の経路を形成し、中空糸束1を定長切断する場合は後退(上昇)するようになっている。ここで言うリニアテーブルとは、例えばこの実施形態で採用されているエアシリンダ、あるいはパルスモータ等の駆動手段によって駆動されて規制ガイドにより被駆動体を一方向に必要量だけ移動させることを可能にした装置を言う。
【0006】
前記スライドスリーブ7が上下動する範囲の下端の側方には、水平方向へ作動して中空糸束1を所定の長さで切断する中空糸カッター9が設けられている。この中空糸カッター9は、エアシリンダで駆動されて水平移動するもので、中央部に対向したV字形の刃部9aを一対持っている。このカッター9は、中空糸束1の搬送位置でのカットを可能にするため、図3の如く対向した刃を両端部のエアシリンダーで同量押し出すように構成されている。斯く刃部9aは、図示の如く90゜のV字状の切断面を持ち、そのV字状の底部は4mmR程度の半径にされており両端部は後退時にも図示のように互いが一部で重なり合うことにより、中空糸束1の通過時には閉鎖状態を成し、通過した中空糸束1の全本数を確実に切断することができる。また、中空糸束1をより搬送経路の中心部で切断する場合はV字状をなす刃の底部のみに刃加工を施し、移動の途中は刃を切れなくすることで中空糸束を集束しつつ中心部で切断可能にすることもできる。又、安全面ではスライドスリーブ7の上昇時の下端部との隙間を手指が入らない程度まで短くすることにより装置の安全性を向上させることができる。
【0007】
前記スライドスリーブ7の下方には、前進したスライドスリーブ7の先端を受け、中空糸束道を連続させるためのスライドスリーブガイド10が設けられている。このスライドスリーブガイド10の下方には、中空糸束1の収束形態を(横断面)円形状から屈曲状に加工するのに必要な偏平状の横断面に変換するための変形変換部を途中に有する中空糸束挿入部本体11が設けられている。この中空糸挿入部本体11は、通過後の中空糸束1の収束形態を偏平状に導いた後、所定長に切断された中空糸束1を中央部で屈曲状に加工するための曲げ案内のための曲面部11aを有している。また前記中空糸挿入部本体11には、これと直交する方向へ向けて格納溝11bが設けられ、この格納溝11bに沿って挿入子13が移動することにより、中空糸挿入部本体11の側部の膜モジュール用筒状体12へ中空糸束1が挿入されるようになっている。
【0008】
前記挿入子13は、図2に示すように、前記格納溝11bに沿って偏平状の中空糸束1と直交する方向へ移動することにより、その先端の先端の凹部13aによって中空糸束1を保持して側方へ押し出すようになっている。この凹部13aは、一対の突出部13bの間に形成されるもので、偏平状にされた中空糸束1とほぼ等しい内幅を有するとともに、また、中空糸束1を収納する膜モジュール用筒状体12の内径以下の外幅を有している。図2は、挿入子13が後退し待機している状態を表し、搬送経路が一般的ノズル形態の円形の横断面形状から挿入子13を直接膜モジュール筒状体へ挿入するのに必要な、偏平な横断面形状に変換するため、方形に変わった後滑らかに偏平状に変化した中空糸束1の通路を片側のみ示したもので、図2の如く挿入子13の突起部13bが糸通路の両端部に遮蔽収納されることにより中空糸束の通過に支障がなく、且つ、中空糸束1は周囲が閉鎖されることで、挿入子13に確実に捕捉され屈曲状加工から挿入へ移行できることを表している。また挿入子13は、中空糸束1に接した際に損傷を与えることがない程度の厚さを持っている。前記挿入子13は、挿入子移動リニアテーブル14により駆動される。
【0009】
中空糸束挿入部本体11と膜モジュール用筒状体12との間には、挿入子13によって屈曲状加工された中空糸束1を膜モジュール用筒状体12に案内するための漏斗状の膜モジュール用筒状体ガイド15が設けられるとともに、この膜モジュール用筒状体ガイド15と対峙した位置で膜モジュール用筒状体12を把持する膜モジュール用筒状体把持器16が設けられている。さらに、膜モジュール用筒状体把持器16を保持し、且つ、その軸部の回転により必要量回動し膜モジュール用筒状体12着脱方向を切り換えるためのロータリーアクチュエータ17、が設けられるとともに、このロータリーアクチュエータ17を保持するロータリーアクチュエータ移動リニアテーブル18、中空糸束挿入部本体11の下端部にセットされた接続部19、この接続部19に接続される吸引ノズルジョイント20、吸引ノズルジョイント20の上端部に固定され、切断された中空糸束1を受けるための中空糸束受けメッシュ21、中空糸束受けメッシュ21を介して搬送ノズル4の排気流をその吸引力で積極的に引き取り、排気することで中空糸束1を中空糸束受けメッシュ21直前までスムースに搬送するための吸引ノズル22、中空糸束検出センサー23、および、前記挿入糸移動リニアテーブル14と挿入子13とを連結するヘリカルカップリング24が設けられている。
【0010】
次いで、一実施形態の装置の操作手順および動作を説明する。
まず膜モジュール筒状体把持器16に膜モジュール筒状体12をセットする。この操作は、膜モジュール筒状体把持器16をロータリーアクチュエータ移動リニアテーブル18によって膜モジュール筒状体12の着脱に必要な距離分を後退した位置で停止した状態で行われる。尚、膜モジュール筒状体12の着脱に際しては、膜モジュール筒状体把持器16を左右に回転させて膜モジュール筒状体12を任意の位置に回動させるアクチュエータに設置することで、必要な着脱方向を得ることができる。本装置では、図の位置から90゜左右回転を行い、膜モジュール筒状体12の垂直位での着脱を行った。筒状体把持器16はロータリアクチュエータ17の回転軸に取り付けた並行開閉形のエアチャックにセットされており、これに圧縮空気を供給することで膜モジュール筒状体12を把持する。
【0011】
次に、ロータリアクチュエータ移動リニアテーブル18を前進させ膜モジュール筒状体12を膜モジュール筒状体ガイド15に押し当てる。次に、後退位置に在るスライドスリーブ移動リニアテーブル8によりスライドスリーブ7を前進させ、その下端部をスライドスリーブガイド10の上端部へ押し当て、これらスライドスリーブ7とスライドスリーブガイド10とが一連の搬送経路を形成する。この時、エアシリンダによって駆動される中空糸カッター9の両刃部9aは後退位置にあり、これらの刃部9aは、図3に示すが如く各々の先端部が開口したV字形をなしている。このようなV字状をなす刃部9aは、その両端部のみが接触した状態まで互いに離れた位置に配置されていて、その中心部にスライドスリーブ7の先端部外径より大きい空間が確保されている。したがって、スライドスリーブ7は刃部に接触することなく移動することができるできる。
【0012】
上記の一連の操作によって搬送ノズル4から吸引ノズル22の間が繋がり、両ノズルよって、中空糸束1を搬送するための一連の搬送経路が形成される。この状態で中空糸束搬送ノズル4と吸引ノズル22に圧縮空気を供給する。この圧縮空気は、中空糸束1の搬送速度に適応した圧力と流量に調整するが、搬送ノズル4の流量と吸引ノズル22の流量のバランスをとることで中空糸束1が折れ曲がることなく搬送するのに適正な空気流を得ることができる。この状態で中空糸束搬送装置2及び中空糸束補助搬送装置3により中空糸束1が供給され、中空糸束1は搬送ノズル4の吸引力で搬送分が引き取られノズル内部を通過し、搬送ノズルアダプタ6及びスライドスリーブ7を経てスライドスリーブガイド10を通過した後、中空糸束挿入部本体11に到達する。
【0013】
ここでは、挿入子13が中空糸束1を捕捉して膜モジュール用筒状体12内を通過するのに必要な先端凹部13aの内部寸法に合わせた中空糸束巾にするために、これまでの円形から図2に示されるような方形を経た後、偏平状の内部構造に変換された通路を通過するが、この時、屈曲状加工中心部の挿入用開口部等の隙間への空気の流入によって中空糸束1の先端部がばらばらに離れてしまうことがないように、吸引ノズル22により搬送ノズル4の排気流を積極的に下方に吸引排気することが行われている。すなわち、開口部の空気流を負方向にさせ、中空糸束1を下端部のセンサー部まで導くことができる。さらに、中空糸束1は搬送経路に設けられたセンサー窓23にセットされたセンサーによって検出され設定時間後に供給が停止される。但し、2回目以降は中空糸束供給装置2により繰り返し所定量を供給する毎に自動的に停止することになる。
【0014】
次に、搬送ノズル4への圧縮空気の供給を停止し、スライドスリーブ移動リニアテーブル8によってスライドスリーブを後退させた後、中空糸束カッター9の刃部9aを前進させ中空糸束1を切断する。この中空糸束カッター9の刃部9aは、中空糸束1の通過する中心部で交差するように設定してあり、中空糸束1を収束部中央で糸への負担が少ない状態で切断することができる。また、刃部9aの周囲は閉鎖形状を形成し、しかも、V字状をなしているため、刃の傾斜に沿って中空糸束1を中心方向へ押しながら切断するので、中空糸束1を逃すことなく全本数を確実に切断することができる。
【0015】
切断された中空糸束1は中空糸束受けメッシュ21に落下し、保持された状態となり、その後、吸引ノズル22への圧縮空気供給が停止される。前記中空糸束受けメッシュ21は、中空糸が通過しない編み目開口径とその開口率により不足する通路面積を補う大きさの面積を持っている。
次いで、挿入子13は、中空糸束挿入部本体11に設けられた屈曲状加工の中心部に当たる偏平状の糸通路に直交して移動する。挿入子13は、中空糸束1の通過に支障のないように設けられた遮蔽溝11b内に凹部13aの両端の突起部が収容されているため、中空糸束挿入部本体11の偏平状部の端部よりも後退した位置に待機しており、パルスモータ駆動の挿入子移動リニアテーブル14にヘリカルカップリング24を介して連結されている。そして、パルスモータの駆動により挿入子13を前進させ、中空糸束1を捕捉しつつ、凹部13aの底部のR状の屈曲面13cによって中空糸に損傷を与えないように屈曲状に成形する。この時、挿入子13は、中空糸束挿入部本体11との間で図2の如く周囲を閉鎖した構造となるので、通過する中空糸束1は全本数が全て確実に捕捉され整列状態で屈曲状に加工されることになる。図4は、中空糸束1の屈曲状加工時に挿入子13へのR面加工と膜モジュール筒状体12への中空糸束1の収納状態を表している。
【0016】
この後、屈曲状に加工された中空糸束1と挿入子13をスムースに膜モジュール筒状体に導くためのモジュール筒状体ガイド15は、始めの直径を膜モジュール筒状体12の内径よりもわすかに大きくし、その最小部の径を膜モジュール筒状体12の内径よりも小さくした漏斗状となっていいる。その反対側には膜モジュール筒状体12の先端外形部を案内する漏斗状部を有することで、挿入子13は膜モジュール筒状体12の内部にスムースに案内されて、屈曲状に加工された中空糸束1を膜モジュール筒状体12の所定の位置まで挿入した後に後退する。この時、中空糸束1の一部が挿入子13に付着した状態で戻らないようにするため、および、損傷防止、さらには、挿入子13の移動を容易にするため、挿入子13は必要部に所定の加工を施して所定の形状とされるとともに、表面の摩擦係数を下げるためにフッ素樹脂コーティング表面処理を施した。その結果、挿入された中空糸束1はそのまま膜モジュール筒状体12の内部に収納された状態で残り、挿入子13移動リニアモータテーブル14により挿入子13が所定位置まで後退する。ロータリーアクチュエータ移動リニアテーブル18によりロータリーアクチュエータ17が後退した後、ロータリアクチュエータ17により、膜モジュール筒状体把持器16が左方向に回転し膜モジュール筒状体把持器16が開き、中空糸束1が収納された膜モジュール筒状体12は開放される。これを取り出すことにより、一工程が終了する。
【0017】
本発明において用いられる膜モジュール用筒状体のサイズは特に限定されないが、通常は外径が80mm以下程度で全長が200mm以下程度の比較的小型のものが対象となる。また、本発明の中空糸束収納装置はポリエチレン、ポリスルホン、セルロースを始め公知の中空糸膜に適用することができる。尚、本発明の装置によって膜モジュール筒状体内に収納された屈曲状の中空糸束はその中空糸束の開口部をウレタン、エポキシ樹脂等の公知のポッティング材で固定することにより、濾過膜モジュールとすることができる。
【0018】
次いで、上記一実施形態の装置の具体的な実施例を説明する。
実施例1
本実施例では、中空糸膜として外径0.38mmの多孔質ポリエチレン製中空糸膜を用い、膜モジュール用筒状体12として内径φ8.5mm、長さ51mmのポリカーボネート製円筒を用いた。
中空糸束1の解舒装置として、中空糸を所定の範囲内の速度で引き取ると、設定した糸張力で自動的に中空糸を送り出す事ができ、引き取りを中止すると自動的に停止する中空糸解舒装置を準備し、16本の中空糸膜が一束となって巻かれているリール6本を解舒装置にセットして、セパレートガイドローラを介して次の搬送装置に移るようにした。次工程の搬送装置としてはゴムローラを採用した。このゴムローラは複数のローラで構成しその最終ローラには図1の中空糸束搬送装置2に図示されたものと同様の中空糸束搬送補助装置3として2連式のニップローラを設け、糸との接触点を2箇所とすることによって糸送りを確実にした。又、ゴムローラは、中空糸の損傷が起きない程度の低いゴム硬度に設定して製作した。複数のゴムローラはギヤモータで所定の速度で駆動され中空糸束1を解舒装置から連続的に引き取り、最初のローラ前に設けたセパレートガイドローラにより96本の中空糸が並列状態で搬送されるようにした。
【0019】
その後中空糸束1は中空糸搬送装置2のダンサーローラ2aを経て、サーボモータで駆動される中空糸束搬送ローラ2bへ導かれ、図1の最終ローラ2cから中空糸束収納装置へ供給されることになる。装置稼働により定速搬送ゴムローラはその摩擦力とニップローラにより所定の速度で中空糸束1を搬送し、最終的にサーボモータで間欠的に送り出される1回分の糸長の変動分はダンサーローラ2aの上下動により吸収され、その間定速の搬送ローラ2bで連続供給されることで連続稼働がなされる。この実施例では、中空糸束1の基本切断長さは130mmとした。搬送ノズル4の直前の中空糸ガイド5には、漏斗状にて糸との接触部にセラミックス製の筒状形ガイドを設置し、搬送ノズル4へ中空糸束1を良好に供給し、しかも、搬送ノズル4への糸摩擦が減少することにより搬送ノズル4の耐久性向上に効果がある。
【0020】
尚、搬送ノズル4及び吸引ノズル22はVORTEC社製のトランスベクタージェットノズルを使用し、基本圧縮空気圧力を0.1MPa程度とし吸引ノズル22の圧縮空気圧力を0.05MPa程度高く設定すると搬送ノズル4での搬送力が向上した。加工条件により両ノズルの圧縮空気圧力を調整することで、中空糸束1の適正な搬送条件が得られる。
中空糸束の搬送経路の内径は、96本の中空糸に対してφ9mmを基準とした断面積で設計し、中空糸束が通過する部分はSUS製とした。搬送ノズル4用のスライドスリーブ7、膜モジュール筒状体把持器16、回転用ロータリーアクチュエータ18、ロータリアクチュエータ移動用リニアテーブル18の移動にはオートスイッチ付のSMC(株)製のエアシリンダを用い、新規製作した中空糸束カッター9は、切断時に対向したV字型刃部を両端部に設けたエアシリンダを同時に駆動することによってユニット中央部で切断刃の底部が交差するようにし、刃の位置はセンサーで検出するようにした。
【0021】
挿入子13はSUS304製で中空糸束1の折り曲げ部等にはR面加工を施した上、移動時の摩耗も減少させるため表面にフッ素樹脂コーティングを施し、その保持部への取付部は三木プーリ製のヘリカルカップリング24で接続し、その撓み性の利用により収納工程での微妙な位置変動に対しても容易に追随し、移動時の中空糸束1への負担も低減するようになっている。挿入子13の移動には、ステッピングモータで駆動されるリニアテーブルを使用することで、多様な速度条件での挿入を可能にしている。又、切断された中空糸束1を受けるメッシュには、SUS304製の100メッシュで線径0.1mm、開口率36%程度のものを使用し、φ9mmに対して不足した開口面積を補ったサイズの搬送経路断面積のメッシュ受け構造部を設けてセットすることで必要通気開口面積と中空糸束1の保持の両方目的を可能にしている。このようにして各工程が連続的に作動するような構造とし、膜モジュール用筒状体の取付取り外し作業のみを手動とした。
【0022】
このようにして中空糸束の収納を行ったところ、中空糸束の全本数を確実に捕捉して屈曲状に加工することが可能となり、挿入時に於ける中空糸脱落もほぼ100%に近い値で防止できるようになり、収納筒への挿入が中空糸束を損傷することなく1分間に11〜12本分の収納が可能となり、ポッティング後のリークテストの結果も良好であった。
【0023】
【発明の効果】
本発明の装置によれば、筒状体への中空糸束の収納作業を確実で良好な状態でほぼ自動的に行うことが可能であり、特に、中空糸の脱落がなく揃った状態で挿入されることにより安定した製品が製造できるようになり、それに伴い検査時間やトラブルによる機台停止時間のロスが低減されることで大幅に生産性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の膜モジュール筒状体への中空糸束収納装置の一実施形態を示す模式図である。
【図2】中空糸束が屈曲状加工される中央部の内部形状と配置を示す斜視図である。
【図3】カッターの外観を示す斜視図である。
【図4】中空糸束を筒状体に挿入した状態の側面図である。
【符号の説明】
1…中空糸束 2…中空糸束搬送装置
3…中空糸束補助搬送装置 4…搬送ノズル
5…中空糸ガイド 6…搬送ノズルアダプター
7…スライドスリーブ 8…スライドスリーブ移動リニアテーブル
9…中空糸カッター 9a…切断刃
10…スライドスリーブガイド 11…中空糸束挿入部本体
12…膜モジュール筒状体 13…挿入子
14…挿入子移動リニアテーブル 15…膜モジュール筒状体ガイド
16…膜モジュール筒状体把持器 17…ロータリソレノイドアクチュエータ
18…ロータリーアクチュエータ移動リニアテーブル
19…接続部 20…吸引ノズルホルダー
21…中空糸束受けメッシュ 22…吸引ノズル
23…中空糸束検出センサー用窓 24…ヘリカルカップリング
Claims (9)
- 中空糸束を所定本数集束して供給するための供給機構と、供給された中空糸束を固定した状態で定長切断する切断機構と、切断された中空糸束を前記中空糸束の搬送経路の側方の筒状体に挿入するための挿入機構とからなる中空糸束収納装置において、前記供給機構は、中空糸束を所定の位置に供給するために同一軸線上に配置された複数のノズルからなり、前記切断機構は、所定の位置に供給された中空糸束と交差する方向へ互いに接近することにより剪断する一対の切断刃から構成され、前記挿入機構は、中空糸束と交差する方向へ移動することにより搬送経路中の中空糸を筒状体へ押し込む挿入子から構成され
前記挿入子は、前記筒状体内部を貫通することにより中空糸を筒状体へ押し込むことを特徴とする筒状体への中空糸束収納装置。 - 前記複数のノズルは、これらの内部を流れる空気流によって中空糸を搬送し、これらのノズルの内、中空糸束の移動方向に沿う下流側のノズルから内部の空気を排出することを特徴とする請求項1記載の筒状体への中空糸束収納装置。
- 前記切断刃はV字状をなすとともに、V字の底を互いに反対方向へ向けて配置され、V字の底が中空糸束中心で互いに交差するように配置されたことを特徴とする請求項1記載の筒状体への中空糸束収納装置。
- 中空糸束を所定本数集束して供給するための供給機構と、供給された中空糸束を固定した状態で定長切断する切断機構と、切断された中空糸束を前記中空糸束の搬送経路の側方の筒状体に挿入するための挿入機構とからなる中空糸束収納装置において、前記供給機構は、中空糸束を所定の位置に供給するために同一軸線上に配置された複数のノズルからなり、前記切断機構は、所定の位置に供給された中空糸束と交差する方向へ互いに接近することにより剪断する一対の切断刃から構成され、前記挿入機構は、中空糸束と交差する方向へ移動することにより搬送経路中の中空糸を筒状体へ押し込む挿入子から構成され
前記中空糸束の横断面形状を前記搬送経路中の所定位置で偏平状に成形すべく、前記搬送経路の一部の横断面形状を偏平状としたことを特徴とする中空糸束収納装置。 - 前記複数のノズルは、これらの内部を流れる空気流によって中空糸を搬送し、これらのノズルの内、中空糸束の移動方向に沿う下流側のノズルから内部の空気を排出することを特徴とする請求項4記載の筒状体への中空糸束収納装置。
- 前記切断刃はV字状をなすとともに、V字の底を互いに反対方向へ向けて配置され、V字の底が中空糸束中心で互いに交差するように配置されたことを特徴とする請求項4記載の筒状体への中空糸束収納装置。
- 中空糸束を所定本数集束して供給するための供給機構と、供給された中空糸束を固定した状態で定長切断する切断機構と、切断された中空糸束を前記中空糸束の搬送経路の側方の筒状体に挿入するための挿入機構とからなる中空糸束収納装置において、前記供給機構は、中空糸束を所定の位置に供給するために同一軸線上に配置された複数のノズルからなり、前記切断機構は、所定の位置に供給された中空糸束と交差する方向へ互いに接近することにより剪断する一対の切断刃から構成され、前記挿入機構は、中空糸束と交差する方向へ移動することにより搬送経路中の中空糸を筒状体へ押し込む挿入子から構成され、
前記搬送経路には、前記挿入子の凹部の両側部を形成する先端突起部を格納するに足る深さを有する溝が設けられたことを特徴とする筒状体への中空糸束収納装置。 - 前記複数のノズルは、これらの内部を流れる空気流によって中空糸を搬送し、これらのノズルの内、中空糸束の移動方向に沿う下流側のノズルから内部の空気を排出することを特徴とする請求項7記載の筒状体への中空糸束収納装置。
- 前記切断刃はV字状をなすとともに、V字の底を互いに反対方向へ向けて配置され、V字の底が中空糸束中心で互いに交差するように配置されたことを特徴とする請求項7記載の筒状体への中空糸束収納装置。
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