JP3623838B2 - クローラベルト式車両 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クローラベルト式車両の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
クローラベルト式車両として、例えば特開昭59−164270号公報「履帯を有する四輪駆動車」の技術がある。
上記技術は、その公報の第1図によれば、四輪駆動車2(番号は公報に記載されたものを引用した。以下同じ。)の車体前部に前輪3を取付け、車体後部にタイヤ付き後輪4及びタイヤ付き遊動輪5を取付け、これら後輪4及び遊動輪5にゴム製の履帯6を掛け渡し、更に、後輪4と遊動輪5との間にタイヤ付き下部ローラ7(イコライザに相当。)を配置した構成である。公報の第3図及び第4図によれば、下部ローラ7は、支持ブラケット13を介して車体に取付けるものであり、履帯6の内側に上方から当接する。履帯6は、内周面に且つ長手方向に多数の中央突出部8A…を備える。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のクローラベルト式車両は、平坦道を走行するのに適した車両である。何故なら、下部ローラ7は支持ブラケット13を介して取付けられているために、レベル的には固定であるからである。従って、路面に大きな凹凸があっても、履帯6がそれに追従するわけではない。
クローラベルト式車両は、平坦道にみならず、起伏に富んだ雪原等の走行を目的とした車両であるが、上記公報のクローラベルト式車両では、起伏に富んだ路面の走行に好適であるとは言い難い。
【0004】
また、下部ローラ7は履帯6を「点」で押えることになるので、履帯6を路面に向って押圧する接地長さは小さい。このため、履帯6の接地長さを大きくして接地力(グリップ)を高めるには、多数の下部ローラ7を走行方向に配置する必要があり、構成上複雑になりやすい。
更に、上記公報の第4図に示すように、左右の下部ローラ7,7は履帯6の中央突出部8Aから離れているので、履帯6の横振れを抑制することができない。このため、履帯6の途中で横振れした場合でも、後輪4又は遊動輪5から履帯6が外れることのないように、横振れを抑制するための対策が必要である。
【0005】
そこで、発明の目的は次の(1)〜(4)にある。
(1)起伏に富んだ路面での走破性を高めたクローラベルト式車両を提供すること。
(2)クローラベルトの接地力を高めたクローラベルト式車両を提供すること。
(3)イコライザの構成を簡単にしたクローラベルト式車両を提供すること。
(4)車輪からのベルト外れを防止したクローラベルト式車両を提供すること。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための請求項1記載の発明は、車体に配置した複数の車輪間にクローラベルトを掛け渡し、このクローラベルトの内周面に前記車輪に対するガイド部を起設し、一方、前記クローラベルトをイコライザにて接地面に向って押圧するようにしたクローラベルト式車両において、
前記イコライザは、前記ガイド部を案内する支持体と、前記支持体に取付けて前記クローラベルトを押圧する所定長さのスライダとを備え、
前記支持体は平面視略楕円形であり、その楕円形の直線部分を前記クローラベルトの長手方向に配置したことを特徴とする。
(1)クローラベルトを接地面に向って常に押圧するので、路面の起伏に対するクローラベルトの追従性が良く、特に、凹んだ路面に対して有効な接地面が多くなる。このため、クローラベルト式車両は、起伏に富んだ路面での走破性が向上する。
(2)スライダであれば、クローラベルトを長手方向に「線」で押えることができ、「点」で押える転輪よりも、クローラベルトを路面に向って押圧する接地長さを大きくすることができる。このため、クローラベルトの接地力(グリップ)は高まり、また、路面の小さな凹凸に対してクローラベルトの振れは少なくてすむ。
(3)クローラベルトのガイド部を、直線部分を前記クローラベルトの長手方向に配置した平面視略楕円形の支持体で案内するので、クローラベルトの横振れを抑制でき、車輪からのベルト外れを防止できる。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1において、前記支持体は、環状体であることを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2において、前記支持体は、前記クローラベルトの車幅方向に回動自在に取付けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れかにおいて、前記支持体は弾性体を介して前記車体に取付けられていることを特徴とする。
弾性体を介した車体に取付けられているので、クローラベルトが揺動した際に、弾性体がスライダとともに傾くので、捩れ作用をして吸収し、イコライザ及びそれの取付部に過大な応力が作用しない。
【0010】
請求項5は、請求項4において、前記弾性体は、前記クローラベルトの長手方向に細長い矩形断面体であることを特徴とする。
請求項4の効果に加えるに、弾性体は、クローラベルトの長手方向に細長いので、この方向へ弾性変形しにくく、クローラベルトが前後揺動した際に、捩れ作用をして吸収し、イコライザ及びそれの取付部に過大な応力が作用しない。
【0011】
請求項6は、請求項4において、前記車体に上下揺動自在に片持ち支持した板ばねを更に備え、前記支持体は前記板ばねの揺動先端部に取付けて前記ガイド部を案内することを特徴とする。
イコライザを支持する支持体を板ばねで上下動可能且つ前後揺動可能に支持するので、イコライザの構成が簡単になる。
0012
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図面に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係るクローラベルト式車両の側面図であり、クローラベルト式車両1は前輪をタイヤ、後輪をクローラとした、いわゆる、ハーフクローラ車である。
0013
詳しくは、クローラベルト式車両1は、前部のキャビン2と後部の荷台3とを備えた車体フレーム(車体)4に、駆動輪としての前輪5と、駆動輪としての後輪6と、これら前・後輪5,6の間に介在した遊転輪としての中間輪7と、これら後・中間輪6,7との間に介在したイコライザ8とを左右に取付け、後輪6と中間輪7とに(車輪間に)クローラベルト9を掛け渡すことでクローラを構成した、4輪駆動・クローラ式車両である。
0014
前輪5、後輪6及び中間輪7はゴム製空気入りタイヤを備え、このタイヤは、バルーンタイヤである。前輪5は、後輪6及び中間輪7よりも大径である。
クローラベルト9は、ゴム材などの可撓性材料からなり、内周面に且つ幅方向両側に、タイヤのショルダ部に対する多数のガイド部9a…(…は複数を示す。以下同じ。)を起設し、接地面9bに所定の凹凸パターンを形成したものである。
0015
なお、荷台3は車体フレーム4の後部上部に一体に備えた後部フレーム4aに、取付けた構成である。また、車体フレーム4は、後部にトランスミッション11a付きエンジン11を備える。12はエアクリーナ、13はエアクリーナ用エア取入管、14はマフラ、15は乗員用シート、16はステアリングハンドル、17はチェンジレバー、18はアクセルペダル、19はブレーキペダル、21はサイドブレーキ、22はフロントフェンダである。
0016
図2は本発明に係るクローラベルト式車両の平面図であり、キャビン2及び荷台3を外した姿を示す。なお、荷台3はこの図の想像線にて示す。
車体フレーム4は、前部にフロントサスペンション25と操舵装置30と前輪用駆動装置40とを備え、後部にリヤサスペンション装置50と後輪用駆動装置60とを備える。
0017
操舵装置30は、想像線にて示すステアリングハンドル16の操舵力を伝達するためのタイロッド31、このタイロッド31の両端のタイロッドエンド32,32に連結したナックルアーム33,33、これらナックルアーム33,33と前輪5,5の支軸5a,5aとを連結したキングピン34,34等からなる。
0018
前輪用駆動装置40は、トランスミッション11aの前部から延びた推進軸41、この推進軸41に連結した差動装置42、この差動装置42と前輪5,5の支軸5a,5aとに連結した左右の駆動軸43,43からなる。
0019
リヤサスペンション装置50は、車体フレーム4の後部に左右1対のスイングアーム51,51を上下揺動可能に取付け、これらスイングアーム51,51を走行方向後方へ延出し、その揺動先端間に揺動管52を掛け渡し、この揺動管52の両端部にサブビーム53,53を上下揺動可能に取付け、これらサブビーム53,53を走行方向前方へ延出し、その前端部に中間輪支軸54,54を回転可能に取付け、この中間輪支軸54,54の先端部に中間輪7,7を取付けて構成し、更に、オイルダンパ55…にて懸架するものである。
なお、オイルダンパ55…は図3にて詳述する。
0020
後輪用駆動装置60は、トランスミッション11aの後部から延びた推進軸61、この推進軸61に自在継手62を介して連結した差動装置63、及び差動装置63に連結した左右の駆動軸64,64からなり、この駆動軸64の両端部に後輪6,6を連結した構成である。
差動装置63及び駆動軸64,64は、上記揺動管52と同心に配置し、しかも、揺動管52とともに揺動可能に連結することで、上記リヤサスペンション装置50の一部を構成する。そして、揺動管52は、内部に挿通した駆動軸64,64を回転可能に支持した構成である。
0021
図3は本発明に係るリヤサスペンション装置の側面図であり、リヤサスペンション装置50は、後部フレーム4aにオイルダンパ(ショックアブソーバ)55,55を介してサブビーム53の前端部及び後端部を懸架したものである。
ところで、サブビーム53は、クローラベルト9(図1参照)の張力調整が可能な構成である。詳しくは、サブビーム53は、オイルダンパ55,55にて懸架したビーム部材56の前部側面に、ビーム延長部57を前後スライド可能に取付け、しかも、ビーム部材56とビーム延長部57とをターンバックル58にてスライド調整可能に連結した構成であり、ターンバックル58にてクローラベルト9の張力を調整する。
なお、ビーム延長部57は、前部に中間輪支軸54を備える。
0022
図4は本発明に係るイコライザの断面図であり、イコライザ8をビーム部材56に取付けた姿を示す。
イコライザ8は、ビーム部材(車体)56に上下揺動自在に片持ち支持した板ばね71と、この板ばね71の揺動先端部に取付けて上記ガイド部9a…を案内する支持体74と、この支持体74に取付けてクローラベルト9を接地面9bに向って押圧する所定長さのスライダ75,75とを主要構成とし、更に、板ばね71と支持体74との間に弾性体73…を介在した構成物である。
0023
詳しくは、イコライザ8は、ビーム部材56の下面に基端部をボルト止めした板ばね71と、この板ばね71の揺動先端部に回転自在に取付けたベース72と、このベース72の下部にボルト止めした弾性体73…と、これらの弾性体73…の下部にボルト止めした支持体74と、この支持体74の下部に着脱可能に取付けた左右1対のスライダ75,75とからなる。
0024
板ばね71は、スライダ75,75を常に下方に付勢することにより、クローラベルト9を接地面9b(路面F)に向って押圧するリーフアームであり、このリーフアームは、スライダ75,75を上下揺動可能且つ前後揺動可能に支持する役割を果たす。そして、板ばね71は、車幅方向外方に延出した揺動先端部に、クローラベルト9の長手方向に貫通した筒状のボス71aを備える。
ベース72は、前記ボス71aに弾性ブッシュ72aを介して、図4で明らかなように、車体の前後方向を向くように配設されたピン72bで、車体の前後方向に対して交差する方向(車幅方向)に回転自在に取付けた前後1対のブラケット72c,72c(この図では1つのみを示す。)と、これらのブラケット72c,72cに固定した平板状のベース板72dとからなる。
従って、支持体74は、ベース72によりクローラベルト9の車幅方向に回動自在に取付けられていることとなる。
支持体74は、それの両側面が左右のガイド部9a,9aの内側面と対向し、クローラベルト9の案内をする役割を果たす。
0025
クローラベルト9は、幅方向に3分割し、しかも、相互に連結ピン部9c…にて結合した構成である。このため、クローラベルト9は、図1に示す後輪6や中間輪7に沿って湾曲変形することが容易である。
0026
図5は本発明に係るイコライザの側面図である。
支持体74は、平板状の支持板74aと、この支持板74aの下面に取付けた支持環74bと、この支持環74bの下部に取付けた脚部74c…と、これらの脚部74c…の下部に取付けた左右1対のスライダ取付レール74d,74d(この図では1つのみを示す。)とからなる。これらのスライダ取付レール74d,74dは、下面にスライダ75,75をボルト止めするものである。
スライダ取付レール74dはクローラベルト9の長手方向に細長い平板体であり、更に、その長手方向両端部を上方に湾曲させた形状である。
スライダ75は細長い平板体であり、この平板体はクローラベルト9との摩擦抵抗の小さい材料からなり、クローラベルト9の長手方向に等ピッチで配置した連結ピン部9c…上を押圧するものである。
0027
図6は本発明に係るイコライザの平面図である。
弾性体73…は断面視で、クローラベルト9の長手方向に細長い矩形断面体であり、前後左右方向及び上下方向に弾性変形可能な構成で、前後左右に4つ配列したものである。このため、弾性体73…は、車幅方向(この図の上下方向)への弾性変形が、クローラベルト9の長手方向への弾性変形よりも容易である。
支持環74bはパイプからなる平面視略楕円形の環状体であり、この環状体は左右(この図の上下)両側面が直線状を呈する。
0028
次に、上記構成のクローラベルト式車両1の作用を図4、図7及び図8に基づき説明する。
図4において、片持ち支持された板ばね71は、弾発力によりクローラベルト9の連結ピン部9c…を路面Fに向って常に押圧する。そして、クローラベルト9が路面Fを走行するときには、連結ピン部9c…はスライダ75,75の下面に常に摺動する(図5参照)。
0029
図7(a)〜(c)は本発明に係るイコライザの作用図であり、平坦な路面とクローラベルトとの接触状態を示す。
図7(b)に示す第1の比較例では、ばねで付勢された1つの転輪101はクローラベルト9を路面Fに向って押圧する。このため、クローラベルト9の有効な接地長さL(図示せず)は、後輪6により路面Fに向って押圧される接地長さL、及び中間輪7により路面Fに向って押圧される接地長さLに、転輪101により路面Fに向って押圧される接地長さLを加えたものである(L=L+L+L)。しかし、1つの転輪101では、クローラベルト9を「点」で押えるので、接地長さLは小さい。
0030
次に、図7(c)に示す第2の比較例では、複数個の転輪101…でクローラベルト9を押圧したものであり、クローラベルト9を複数の「点」で押えるので、接地長さLは上記第1の比較例よりも大きい(L<L)。しかし、多数の転輪101…からなるイコライザは、構成が複雑である。
0031
これに対し、図7(a)に示す実施の形態では、板ばね71で常に付勢された所定長さのスライダ75は、クローラベルト9を路面Fに向って押圧する。このため、スライダ75はクローラベルト9を長手方向に「線」で押えるので、接地長さLは上記第1の比較例よりも大きい(L<L)。
0032
従って、クローラベルト9は、接地面圧が分散するので、泥ねい地や雪上等の軟弱地での沈み深さが小さくてすむ。その結果、クローラベルト式車両1(図1参照)は走行抵抗が低減され、軟弱地での走破性が良い。
また、クローラベルト9は、接地面圧が分散するので、有効に接地する範囲が増大し、接地面9bに形成した凹凸パターンによる接地力(グリップ)が増大して、牽引性能を向上できる。
更に、所定長さのスライダ75でクローラベルト9を長手方向に「線」で押えるので、路面Fの小さな凹凸に対して、クローラベルト9の長手方向の振れは小さくてすむ。
更にまた、イコライザ8は構成が簡単である。
0033
図8(a)〜(c)は本発明に係るイコライザの作用図であり、クローラベルト9の動作に対するイコライザ8の動作の関係を示す。
(a)はクローラベルト9が上下動した場合のイコライザ8の動作を示す断面図である。
クローラベルト9が想像線の位置から実線の位置まで持上がった際に、板ばね71は、それの自由端が上下揺動して吸収する。このとき、板ばね71の自由端の移動軌跡は円弧状である。このため、板ばね71の自由端は距離Sだけ車幅方向へ移動(以下、水平移動という。)する。
一方、弾性体73…を車幅方向に所定量弾性変形させるための荷重は、クローラベルト9が路面Fからスリップするための荷重よりも小さく設定されており、このため、クローラベルト9がスリップする前に、弾性体73は車幅方向に弾性変形可能である。
従って、支持体74はガイド部9aによって水平移動を抑制され、これに伴い、板ばね71の自由端には水平荷重が作用する。しかし、弾性体73が弾性変形するので、支持体74は水平移動せず、従って、クローラベルト9は横振れしないので、後輪6や中間輪7からのベルト外れを防止できる。
0034
(b)はクローラベルト9が前後揺動した場合のイコライザ8の動作を示す側面図である。
弾性体73…は、クローラベルト9の長手方向に細長いので、この方向へ弾性変形しにくい。クローラベルト9の前側又は後側が持上がった際(前後揺動した際)に、ベース72が弾性体73…及びスライダ75とともに傾くので、板ばね71は捩れ作用をして吸収する。このため、イコライザ8及びそれの取付部に過大な応力が作用しない。このように、スライダ75はクローラベルト9を接地面に向って常に安定して押圧するので、路面の起伏に対するクローラベルト9の追従性が良い。従って、クローラベルト式車両は、起伏に富んだ路面での走破性が高い。
0035
(c)はクローラベルト9が横振れする場合のイコライザ8の動作を示す断面図である。
クローラベルト9が横振れした場合には、それのガイド部9aで支持体74の支持環74bの側面を押圧する。ところで、クローラベルト9が横振れする場合の水平荷重は、ベルトが単に蛇行する程度の小荷重であり、この小荷重による弾性体73…の弾性変形量は小さい。このため、支持体74はガイド部9aを案内するので、クローラベルト9の横振れを抑制でき、車輪からのベルト外れを防止できる。
0036
図9は本発明に係るイコライザの変形例の分解斜視図であり、変形例のイコライザ8は支持体84の構成に特徴があり、他の構成は上記図4〜図6に示す構成と同一である。
支持体84は、上記図4〜図6に示す支持体74と概ね同じ構成であり、中央部の下向きチャンネルの基体84aと、この基体84aの左右に取付けた支持板84b,84bと、基体84aの左右に且つ支持板84b,84bの下面に取付けた支持環84cと、この支持環84cの下部に取付けた左右1対のスライダ取付レール84d,84dとからなる。
0037
基体84aは、開放した下端部をリブ84eで補強し、支持板84bは、弾性体73…を介してベース72に取付け、支持環84cは、パイプからなる平面視略楕円形の環状体84cを左右2分割したものである。スライダ取付レール84dは、上側開放のボックスであり、このボックスは、側壁を支持環84cの下部に取付けたものである。
この場合、スライダ75は、スライダ取付レール84dの下面全体に着脱可能に張付られる。
この変形例によれば、支持体84の剛性が一層高まる。
0038
なお、上記実施の形態及びその変形例において、クローラベルト式車両1は、ハーフクローラ車に限定するものではなく、フルクローラ車でもよい。
また、クローラベルト式車両1は、前輪5、後輪6、中間輪7のいずれかが駆動輪であればよく、例えば、後輪6のみ駆動、中間輪7のみ駆動、又は後輪6と中間輪7とが駆動する構成でもよい。
更に、前輪5、後輪6、中間輪7はタイヤ付き車輪に限定されず、例えば、スプロケットで構成してもよい。
更にまた、クローラベルト9は可撓性材料製フレキシブルクローラベルトに限定するものではなく、剛性クローラベルトでもよい。
0039
また、クローラベルト9のガイド部9a…は、幅方向両端部に起設する他に、幅方向中央に起設する構成でもよい。その場合には、支持体74,84はガイド部9a…を幅方向両側から案内することになる。
更に、板ばね71は、それの揺動基端を車体に取付けたところの、片持ち支持の構成であればよく、例えばボルト止め、リベット止め、溶接を包含する。
更にまた、スライダ75の長さは任意である。
0040
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1記載の発明は、車体に配置した複数の車輪間にクローラベルトを掛け渡し、このクローラベルトの内周面に前記車輪に対するガイド部を起設し、一方、クローラベルトをイコライザにて接地面に向って押圧するようにしたクローラベルト式車両において、イコライザは、ガイド部を案内する支持体と、支持体に取付けて前記クローラベルトを押圧する所定長さのスライダとを備え、支持体は平面視略楕円形であり、その楕円形の直線部分を前記クローラベルトの長手方向に配置したので、路面の起伏に対するクローラベルトの追従性が良く、特に、凹んだ路面に対して有効な接地面が多くなる。このため、クローラベルト式車両は、起伏に富んだ路面での走破性が向上する。
また、スライダは、クローラベルトを長手方向に「線」で押えるので、「点」で押える転輪よりも、クローラベルトを路面に向って押圧する接地長さが大きい。このため、クローラベルトの接地力(グリップ)は高まり、また、路面の小さな凹凸に対してクローラベルトの振れは少なくてすむ。
更にまた、クローラベルトのガイド部を支持体で案内するので、クローラベルトの横振れを抑制でき、車輪からのベルト外れを防止できる。
0041
請求項2記載の発明は、請求項1において支持体を環状体とし、請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2において、支持体をクローラベルトの車幅方向に回動自在に取付けられるようにした。
0042
請求項4記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れかにおいて、支持体を弾性体を介して車体に取付け、請求項5記載の発明は、請求項4において、弾性体をクローラベルトの長手方向に細長い矩形断面体としたので、弾性体を介した車体に取付け、特に弾性体を、クローラベルトの長手方向に細長いので、この方向へ弾性変形しにくく、クローラベルトが前後揺動した際に、捩れ作用をして吸収し、イコライザ及びそれの取付部に過大な応力が作用することがない。
0043
請求項6記載の発明は、請求項4において、車体に上下揺動自在に片持ち支持した板ばねを更に備え、支持体は板ばねの揺動先端部に取付けてガイド部を案内することで、イコライザを支持する支持体を板ばねで上下動可能且つ前後揺動可能に支持するので、イコライザの構成が簡単になる。
また板ばねと支持体との間に弾性体を介在されるので、クローラベルトの上下動に伴い、板ばねの自由端に水平荷重が作用しても、弾性体が弾性変形するので、支持体は水平移動しない。従って、クローラベルトは横振れしないので、車輪からのベルト外れを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクローラベルト式車両の側面図
【図2】本発明に係るクローラベルト式車両の平面図
【図3】本発明に係るリヤサスペンション装置の側面図
【図4】本発明に係るイコライザの断面図
【図5】本発明に係るイコライザの側面図
【図6】本発明に係るイコライザの平面図
【図7】本発明に係るイコライザの作用図
【図8】本発明に係るイコライザの作用図
【図9】本発明に係るイコライザの変形例の分解斜視図
【符号の説明】
1…クローラベルト式車両、4…車体(車体フレーム)、5…前輪、6…後輪、7…中間輪、8…イコライザ、9…クローラベルト、9a…ガイド部、71…板ばね、72…ベース、73…弾性体、74…支持体、74b…支持環、74d…スライダ取付レール、75…スライダ、84…支持体、84c…支持環、84d…スライダ取付レール。

Claims (6)

  1. 車体に配置した複数の車輪間にクローラベルトを掛け渡し、このクローラベルトの内周面に前記車輪に対するガイド部を起設し、一方、前記クローラベルトをイコライザにて接地面に向って押圧するようにしたクローラベルト式車両において、
    前記イコライザは、前記ガイド部を案内する支持体と、前記支持体に取付けて前記クローラベルトを押圧する所定長さのスライダとを備え、
    前記支持体は平面視略楕円形であり、その楕円形の直線部分を前記クローラベルトの長手方向に配置した、
    ことを特徴とするクローラベルト式車両。
  2. 前記支持体は、環状体であることを特徴とする請求項1に記載のクローラベルト式車両。
  3. 前記支持体は、前記クローラベルトの車幅方向に回動自在に取付けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のクローラベルト式車両。
  4. 前記支持体は弾性体を介して前記車体に取付けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載のクローラベルト式車両。
  5. 前記弾性体は、前記クローラベルトの長手方向に細長い矩形断面体であることを特徴とする請求項4に記載のクローラベルト式車両。
  6. 前記車体に上下揺動自在に片持ち支持した板ばねを更に備え、前記支持体は前記板ばねの揺動先端部に取付けて前記ガイド部を案内することを特徴とする請求項4に記載のクローラ式車両。
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