JP3621969B2 - 熱溶融性着色インキ - Google Patents

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Description

技術の分野
本発明は、熱溶融性着色インキに関するものである。更に詳しくは、フィトステロール及び/又はフィトステロールの改質物を含有した熱転写記録材料の熱転写層を構成する熱溶融性着色インキに関する。
背景技術
従来、サーマルヘッドを用いた感熱転写方式は、熱感応性インキを塗布するための基材として厚さ10μm程度の薄紙またはポリエステルフィルム等の耐熱性プラスチックフィルムが使用され、そのフィルムの片面に顔料等の着色物を含有した熱感応性着色インキを塗布し、他面よりサーマルヘッド等により加熱し、軟化・溶融させて、それに対面した被転写紙等の被印刷材料の表面に熱感応性インキを転写することにより記録させる方法が採用されている。
従来の熱転写記録材料の転写層に用いられる熱溶融性着色インキは、一般に、融点が50℃から90℃のワックス類、分散剤及び熱可塑性樹脂成分としてのエチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA樹脂)を配合してなるインキバインダーに、着色成分として顔料、染料等が配合されてなるものであるが、これら従来の熱溶融性着色インキは、インキバインダーとしてEVA樹脂の配合が必須であったため、熱溶融性着色インキを製造する際の加熱混合及び混練時に、酢酸ビニルガスの刺激臭が激しく発生し、作業者への労働衛生環境の改善が強く求められていた。また、インキバインダーの熱可塑性樹脂成分としてEVA樹脂を配合することは、熱溶融性着色インキのコストが比較的高いものにつながるという問題があった。
また、従来から熱転写記録材料のインキバインダー(ワックス類)として、カルナバワックス、キャンデリラワックス、密ロウ、モンタンワックス等の天然ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の鉱物油系のワックス、ポリエチレンワックス、酸化ワックス等の合成ワックス等が実用に供されてきたが、これら従来のいずれのワックスも、他の成分との相溶性が劣り、また、分子量が低く、溶融粘度が低いことから、熱溶融性着色インキのインキバインダーとしての相溶性や着色顔料の分散性が充分ではなく、また熱溶融性着色インキの硬度(針入度)が低すぎたり、溶融粘度が低すぎることによる地汚れや印字ぼけ、カスレ、にじみ等の問題が生じていた。また、これらのワックスを配合した熱溶融性着色インキでは、剥離強さが充分ではなく、しかも被転写記録材料(被転写記録紙等)への印字平滑性や転写印字性能(転写記録画像の画質、解像度)も充分ではなく、いずれも、転写記録画像(印字)の性能(画質、解像度等)を満足させるものではなかった。
本発明の課題は、前述した従来の問題点を有する溶融性着色インキに代わる新規な熱溶融性着色インキを提供することにある。
すなわち、第一に、溶融性着色インキに、フィトステロール及び/又はフィトステロールの改質物を含有させることにより、熱溶融性着色インキ中のカーボンブラック、着色顔料等の着色成分の分散性を著しく改良することができ、また、従来から使用されている直鎖状のワックス類と比べて、紙等の被転写記録材料(転写し)への親和性及び密着性の優れた熱転写記録材料用の新規な熱溶融性着色インキを提供することである。
第二に、従来、実際に使用が不可能とされ、使用されていなかった安価なポリエチレン樹脂をインキバインダー(熱可塑性樹脂成分)として配合することを可能とし、これによって、被転写記録材料(被転写記録紙)への表面印字被膜強度の優れた転写画像(転写印字)を有する新規な熱溶融性着色インキを提供することである。
第三に、従来、配合が必須とされていたEVA樹脂に代えて、このポリエチレン樹脂の使用が可能となったことにより、熱溶融性着色インキを加熱混練製造する際、またベースフィルム上に熱溶融性着色インキを塗布する際に発生する酢酸ビニルガスの刺激臭の発生をなくすことができ、生産時の作業環境の悪化を改善することができる新規な熱溶融性着色インキを提供することである。
第四に、耐久性(酸化劣化や光劣化等)に優れ、また被転写記録材料(被転写記録紙等)への優れた接着性(密着性)を有し、転写画像(転写印字)の地汚れ、カスレ、印字ぼけやにじみ等を発生させず、また、印字平滑性や転写印字性能(転写記録画像の画質、解像度)等の優れた新規な熱溶融性着色インキを提供することである。
発明の開示
本発明者らは、前述した従来の熱溶融性着色インキが持つ問題点を解決すべく鋭意研究を重ねていたところ、コレステロールの制御剤として医薬用途に使われているフィトステロールを主成分とする物質が、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂との相溶性(混和性)が非常に優れていることを、先に見出だした。さらに、この物質を熱転写記録材料の熱溶融性着色インキのバインダーとして配合、使用したところ、着色顔料の分散性が非常に優れており、また、熱溶融性着色インキに配合される他の熱可塑性樹脂やワックス、添加剤等との相溶性にも優れていることを見出し、さらに研究を重ねて、本発明を完成したものである。
すなわち、本発明は以下に示すとおりである。
1.カーボンブラック、無機顔料、有機顔料、染料及び無機体質顔料から選ばれた1種または2種以上の着色成分が配合されている熱溶融性着色インキであって、上記熱溶融性着色インキに基づいて0.1〜90重量%のフィトステロール及び/又はフィトステロールの改質物が含有されていることを特徴とする熱溶融性着色インキ。
2.カーボンブラック、無機顔料、有機顔料、染料及び無機体質顔料から選ばれた1種または2種以上の着色成分が配合されている熱溶融性着色インキであって、上記熱溶融性着色インキに基づいて、0.1〜90重量%のフィトステロール及び/又はフィトステロールの改質物および1〜80重量%の熱可塑性樹脂が含有されていることを特徴とする熱溶融性着色インキ。
3.熱可塑性樹脂が、ポリエチレン樹脂であることを特徴とする上記第2項記載の熱溶融性着色インキ。
4.熱溶融性着色インキ中に、更に、天然ワックス、鉱物油系のワックス、合成ワックスから選ばれた1種または2種以上のワックス類、が含有されていることを特徴とする上記第2項又は第3項記載の熱溶融性着色インキ。
本発明の熱溶融性着色インキには、着色インキ濃度が、熱溶融性着色インキに基づいて3〜20重量%の熱溶融性着色インキの他、着色成分の濃度が、熱溶融性着色インキに基づいて20〜80重量%の熱溶融性着色インキ濃縮物(熱溶融性着色インキのコンセントレート)が包含される。好ましくは、40〜60重量%である。この熱溶融性着色インキ濃縮物は、着色成分と、天然ワックス、合成ワックス及び/又は熱可塑性樹脂等のインキバインダー成分(キャリヤー)とを配合して、実際の使用時よりも高い濃度の熱溶融性着色インキとしたものである。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明で対象とする熱転写記録材料としては、熱溶融性着色インキ層を転写層とする感熱転写記録材料、加熱エネルギーの変化により着色インキの転移量を変えることができる階調溶融熱転写記録材料、熱昇華染料もしくは熱気化性染料の着色インキ層を転写層とした昇華熱転写方式の感熱記録材料、並びにロイコ染料を用いた転写層を有する感熱転写記録材料である。好ましくは、熱溶融性着色インキ層を転写層とする感熱転写記録材料である。しかし、本発明は、これらの例示に必ずしも制限されない。
いずれの材料も、熱溶融性着色インキが塗布される基材は、一般には、耐熱性を有するフィルムまたはシートを有しており、その厚さ数μ〜10数μの基材の表面に、熱溶融性着色インキが塗布される。
この熱溶融性着色インキが塗布される基材としては、コンデンサー紙、薄葉紙等の紙、またはポリエステル、ポリイミド、ポリカーボネート等の耐熱性合成樹脂のシートまたはフィルム等が使用される。
また、転写画像または転写印字が記録される被転写記録材料(受容シート)としては、一般に使用されている普通紙、上質紙(PPC用紙)、コート紙、OHP紙、合成紙、プラスチックシート等が使用される。
本発明では、熱溶融性着色インキの着色成分として、カーボンブラック、無機顔料、有機顔料、染料及び無機体質顔料等から選ばれた1種または2種以上の着色剤が配合されていることが必須である。着色成分としては、カーボンブラック、黒色酸化鉄(黒色弁柄)、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アゾ系顔料、キノフタロン顔料、アンスラキノン顔料、ペリレン顔料、キナクリドン顔料及び染料等、一般的に印刷インキ、塗料及びプラスチック等の分野で使用される顔料や染料及び昇華性染料等を使用することができる。
本発明では、着色成分として、カーボンブラック、無機顔料、有機顔料、染料及び無機体質顔料から選ばれた1種または2種以上が配合されている熱溶融性着色インキ中に、0.1〜90重量%のフィトステロール及び/又はフィトステロールの改質物が含有されていることが必須である。
ここで、フィトステロールとは、スチグマステロール、カンペステロール、ブラシカステロール、β−シトステロール等の環状アルコールの総称をいう。これらの環状アルコールの化学構造式を示すと、化学式(1)〜(4)のとおりである。なお、化学式(1)〜(4)において、Rはメチル基を表す。
Figure 0003621969
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これらの環状アルコールは、いずれもセルロースの化学構造に近似した環状骨格(シクロ環)を有していることから、紙等のセルロース系の被転写記録材料(被転写紙)への親和性や密着性が優れており、従来使用されている直鎖状ワックス系のインキバインダー(ワックス類)と比べて、被転写紙への親和性、密着性の優れたインキバインダー(ワックス類)とすることができる。また、フィトステロールの改質物とは、環状アルコールの水酸基が置換された誘導体であり、例えば、これら環状アルコールと、高級脂肪酸等の有機酸とのエステル、スルホン酸等の無機酸とのエステル、Na、K、Ca、Cu、Mg、Zn、Al等との金属付加反応成生物、またはメチル、エチル等のアルコキシル化された改質物、および水素添加された改質物(水添物)、等をいう。
これらのフィトステロールの改質物は、フィトステロールから、通常の有機化学反応によって、合成することができる。
フィトステロールは、フィトステロールのエステルとともに、多くの植物中に比較的少量ではあるが含有されており、これらの植物から、抽出、精製して、共存した状態で得ることができる。
スチグマステロール、カンペステロール、ブラシカステロール、β−シトステロール等のフィトステロールは、植物の中でも、特に大豆、菜種、トール油、小豆、砂糖きび等の農産物、昆布等の海産物に比較的少量含まれている。例えば、大豆に含まれる環状アルコールは、約0.08重量%の割合で含まれており、β−シトステロール、カンペステロール、スチグマステロールの3種の環状アルコールとそのエステルが主成分となっている。また、菜種に含まれる環状アルコールは、約0.04重量%の割合で含まれており、β−シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、ブラシカステロールの4種の環状アルコールが主成分となっている。
本発明では、このような植物から抽出、精製して得られた環状アルコール(フィトステロール)及び/又は環状アルコールのエステル(フィトステロールエステル)を、そのまま、高級脂肪酸等の有機酸やスルホン酸等の無機酸とのエステルとすることができるし、また、Na、K、Ca、Cu、Mg、Zn、Al等の金属と反応させて環状アルコール(フィトステロール)の金属化合物(金属付加反応生成物)とすることも、また、水素を添加(水添)して、改質することもできる。
本発明では、フィトステロール及び/又はフィトステロールの改質物が、熱溶融性着色インキ中に、0.1〜90重量%の割合で配合されていることが必要であるが、好ましくは0.2〜80重量%、最も好ましくは0.5〜50重量%の範囲内で任意に選ばれ、配合される。0.1重量%未満の配合割合では、本発明の効果はあまり期待できない。
本発明の熱溶融性着色インキ中に配合されるフィトステロール及び/又はフィトステロールの改質物は、ポリエチレン樹脂またはその共重合体樹脂(EEA、EAAなど)、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、アクリル系(AN)樹脂、PMMA樹脂、酢酸ビニル樹脂またはその共重合体樹脂(EVAなど)、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂との相溶性が非常に優れているほか、天然ワックス、合成ワックス、鉱物ワックス等との相溶性も非常に優れている。このため、従来、熱溶融性着色インキ中に配合することが不可能とされ、使用され得なかったポリエチレン樹脂を、熱溶融性着色インキのインキバインダー(熱可塑性樹脂成分)として使用することが可能となった。そして、このことにより、着色成分の分散性が優れ、また転写画像(転写印字)の地汚れ、カスレ、印字ぼやけやにじみ等が発生しない、そして印字性能や耐久性(保存性)を向上させた熱転写記録材料を提供することができるようになった。
すなわち、熱溶融性着色インキのインキバインダーとして、フィトステロール及び/又はフィトステロールの改質物を配合することにより、ポリエチレン樹脂との併用が可能となり、熱溶融性着色インキ中の着色成分の分散性、特にカーボンブラックの分散性を著しく改良することができ、また、熱溶融性着色インキの酸化劣化や光劣化等の耐久性をも改良することが可能となった。更に、被転写記録材料(被転写紙)への転写印字(転写画像)のぼやけやにじみ等を発生させない、そして印字平滑性や印字性能の優れた熱転写記録材料の熱溶融性着色インキとすることができるようになった。
本発明で用いるポリエチレン樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンのいずれでもよいが、好ましくは、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、極低密度ポリエチレン(V−LDPE、U−LDPE)等の低密度ポリエチレンである。これらのポリエチレン樹脂は、一般には1〜80重量%、好ましくは2〜70重量%、最も好ましくは3〜50重量%の範囲内で任意に選ばれ、熱溶融性着色インキに配合される。本発明では、後述の実施例に見られるように、熱溶融性着色インキにポリエチレン樹脂を大量に配合することができるのが特徴である。
本発明の熱溶融性着色インキには、更に、インキバインダー成分(ワックス類)として、従来から一般的に使用されているカルナバワックス、キャンデリラワックス、密ロウ、ライスワックス、砂糖キビワックス等の天然ワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の鉱物油系のワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のポリオレフィンワックス、ポリスチレンワックス、酸化ワックス等の合成ワックスを配合することができる。
また、本発明の熱溶融性着色インキには、更に、ポリプロピレン樹脂、エチレンビニルアセテート(EVA)樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、アクリル系(AN)樹脂、PMMA樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属塩、脂肪酸アマイド等の添加剤を配合することができる。
また、本発明の熱溶融性着色インキに、必要に応じて、従来公知の柔軟剤、酸化防止剤、光劣化防止剤、界面滑性剤等を、更に配合することができる。
本発明の組成物である熱溶融性着色インキを得るには、例えば、着色成分であるカーボンブラックと、フィトステロール(相溶性向上剤)、熱可塑性樹脂成分である低密度ポリエチレン、インキバインダー(ワックス成分)であるパラフィンワックス、その他の添加剤等の全成分を、予め予備混合した後に、三本ロールミルなどで混練、分散させて熱溶融性着色インキとすることができる。また、着色成分であるカーボンブラックと、フィトステロール、熱可塑性樹脂成分の低密度ポリエチレンの3成分を配合して、バンバリーミキサー、二軸押出機、HIDM等の混練機を使用して、カーボンブラック濃度の高い(30〜70重量%)の熱溶融性着色インキ濃縮物(コンセントレート)とすることができる。この熱溶融性着色インキ濃縮物(コンセントレート)は、更に、インキバインダー(ワックス成分)やその他の添加剤等を三本ロールミル等の分散混合機を使用し、規定の最終濃度に配合希釈して、熱溶融性着色インキとすることができる。また、プラスチック用として一般に使用されているカーボンブラックのマスターバッチ(着色成分の濃度が20〜60重量%のマスターバッチ)に、フィトステロール(相溶性向上剤)、インキバインダー(ワックス成分)としてパラフィンワックス、その他の添加剤等を配合し、三本ロールミル等で混練、分散させて熱溶融性着色インキとすることができる。
発明を実施するための最良の形態
次に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
まず、環状アルコール(フィトステロール)、環状アルコールの改質物(フィトステロールのステアレート)、カルナバワックス、およびモンタンワックスについて、それぞれ、樹脂との混練物を作製し、樹脂との相溶性の試験を行なった。その結果を、以下の試験例1〜2および比較試験例1〜2に示す。
試験例1
密度0.926g/cm、メルトフローレート(MFR)50/10minの直鎖状ポリエチレン(NUC G−5391、日本ユニカー(株)商品名)に対して、環状アルコール(フィトステロール)を0.1〜90重量%の範囲で添加配合し、混合混練機として加熱三本ロールミルを使用して、混練物の相溶性の評価を行った。
相溶性の評価方法としては、温度110℃に加熱した三本ロールにて、充分に混練混合(5パス)させた時に、それら二成分が相溶して良く混ざり合うかどうか、また混練物は均一に混合されているかどうか、また均一混合(相溶)しきれずに2成分に分離していないかどうかを観察して相溶性の評価を行った。
更に、前記混合物を肉厚1mmのシート状とし、比較基準のポリエチレン(NUC G−5391)の基準シートと比べて、白濁の度合い(光線透過率の低下)を測定して相溶性の評価を行った。
(樹脂との相溶性の評価)
試験例1の環状アルコール(フィトステロール)を使用した場合は、0.1〜90重量%の範囲で、二成分が分離することなしに、非常に良く混ざり合い、均一に混練、混合することができた。また、相溶性が悪い時に良く見られるような、均一混合がしきれずに二成分が分離する現象や混合物の表面にブリード(はじき出される)する現象は全く発生しなかった。また、試験例1の混練混合物のシートの場合は、配合濃度が0.1〜90重量%の範囲に渡り、ポリエチレン樹脂の透明性を基準として、顕著な透明性を低下させる現象は見られないことから、優れた相溶性を有することを示していた。
試験例2
試験例1と同様に、密度0.926g/cm、メルトフローレート(MFR)50/10minの直鎖状ポリエチレン(NUC G−5391、日本ユニカー(株)商品名)に、環状アルコールの改質物(フィトステロールのステアレート)を0.1〜90重量%の範囲で添加配合し、混合混練機として加熱三本ロールミルを使用して、混練物の相溶性の評価を行った。
この試験例2で使用した環状アルコールの改質物(フィトステロールのステアレート)は、医薬用に抽出されたフィトステロール(純度約80%)を使用し、このフィトステロール80重量%に、市販の工業用ステアリン酸を20重量%を配合し、H2ガスを通じながら4時間反応させて得られた合成物、すなわち環状アルコールの改質物であるフィトステロールのステアリン酸エステルの合成物である。
相溶性の評価方法としては、試験例1と同様に実施した。
更に、前記混合物を肉厚1mmのシート状とし、比較基準のポリエチレン(NUC G−5391)の基準シートと比べて、白濁の度合い(光線透過率の低下)を測定して相溶性の評価を行った。
(樹脂との相溶性の評価)
試験例2の環状アルコールの改質物(フィトステロールのステアレート)を使用した場合も、試験例1と同様、0.1〜90重量%の範囲で、二成分が分離することなしに、非常に良く混ざり合い、均一に混練、混合することができた。また、二成分が分離する現象や混合物の表面にブリードする現象は全く発生しなかった。
また、試験例2の混練混合物のシートの場合も、試験例1と同様、配合濃度が0.1〜90重量%の範囲に渡り、ポリエチレン樹脂の透明性を基準として、顕著な透明性を低下させる現象は見られなかった。
比較試験例1
従来一般的に使用されているカルナバワックスを使用して、試験例1と同様、密度0.926g/cm、メルトフローレート(MFR)50/10minの直鎖状ポリエチレン(NUC G−5391、日本ユニカー(株)商品名)に、カルナバワックス(ブラジル産、メリラ社製)を、0.1〜90重量%の範囲で添加配合し、混合混練機として加熱三本ロールミルを使用して、混練物の相溶性の評価を行った。
(樹脂との相溶性の評価)
比較試験例1では、カルナバワックスの配合濃度が3重量%から加熱三本ロールの混練時のスリップ現象が始まり、ポリエチレン樹脂中に相溶しきれずに二成分が分離し、カルナバワックスが表面にブリードする現象が発生し、ポリエチレン樹脂との相溶性が劣る性質を有することを示した。
比較試験例2
従来一般的に使用されているモンタンワックスを使用して、試験例1と同様、密度0.926g/cm、メルトフローレート(MFR)50/10minの直鎖状ポリエチレン(NUC G−5391、日本ユニカー(株)商品名)に、モンタンワックス(ヘキストワックス−U、ヘキスト(株)商品名)を、0.1〜90重量%の範囲で添加配合し、混合混練機として加熱三本ロールミルを使用して、混練物の相溶性の評価を行った。
(樹脂との相溶性の評価)
比較試験例2の場合も、モンタンワックス(ヘキストワックス U)の配合濃度が、4重量%から加熱三本ロールの混練時のスリップ現象が始まり、比較試験例1の場合と同様、ポリエチレン樹脂中に相溶しきれずに二成分が分離し、モンタンワックスが表面にブリードする現象が発生し、ポリエチレン樹脂との相溶性が劣ることを示した。
実施例1
着色顔料としてカーボンブラック(M−130、キヤボット(株)商品名)5重量部、環状アルコール(フィトステロール)5重量部(5重量%)、ポリエチレン樹脂(NUC G−5391、日本ユニカー(株)商品名)45重量部及びパラフィンワックス(マイクロクリスタリンワックス、Hi−Mic−2065、日本精蝋(株)商品名)45重量部を配合し、三本ロールミルタイプの分散混合機を使用して、充分に混合混練(4パス)し、カーボンブラックを分散させて、熱溶融性着色インキを作成した。
この熱溶融性着色インキを2枚のスライドグラスに挟み込み、温度100℃に加熱した後、加圧プレスして膜厚約10μmの薄膜フィルム状とした後、倍率200倍の光学顕微鏡にてカーボンブラック及び着色顔料の凝集体の有無、及び粗大な凝集体の粒子径を観察し、カーボンブラック及び顔料分散性の評価を行った。
(熱溶融性着色インキ中の顔料分散性の評価)
環状アルコール(フィトステロール)の改質物が配合された実施例1の熱溶融性着色インキは、その熱溶融性着色インキ中にカーボンブラック(着色成分)の粗大凝集体(粒子径30μm以上の凝集塊)の存在は全く見られない非常に優れた分散性を示した。
実施例2
(1)熱溶融性着色インキの中間体濃縮物(着色インキのコンセントレート)として、ポリエチレン樹脂(NUC G−5391、日本ユニカー(株)商品名)40重量%に対して、カーボンブラック(M−130、キヤボット(株)商品名)50重量%と環状アルコール(フィトステロール)10重量%とを配合して、既存の一般的な混練機(バンバリーミキサー、HIDM等)にて練り込み、中間体濃縮物(着色インキのコンセントレート)を作成した。
この中間体濃縮物(コンセントレート)10重量%に対して、パラフィンワックス(Hi−Mic−2065、日本精蝋(株)商品名)90重量%を配合し、三本ロールミルタイプの分散混合機を使用して、充分に混合混練(4パス)し、カーボンブラックを分散させて、熱溶融性着色インキを作成した。
(2)また、カーボンブラックの中間体濃縮物(カラー・コンセントレート)として、ポリエチレン樹脂(NUC G−5391、日本ユニカー(株)商品名)50重量%に対して、カーボンブラック(M−130、キヤボット(株)商品名)50重量%を配合して、既存の一般的な混練機(バンバリーミキサー、HIDM等)にて練り込み、中間体濃縮物(着色インキのコンセントレート)を作成した。
この中間体濃縮物(コンセントレート)10重量%に対して、環状アルコール(フィトステロール)5重量%とパラフィンワックス(Hi−Mic−2065、日本精蝋(株)商品名)90重量%とを配合し、三本ロールミルタイプの分散混合機を使用して、熱溶融性着色インキを作成した。
(3)また、カーボンブラックの中間体濃縮物(カラー・コンセントレート)として、ポリエチレン樹脂(NUC G−5391、日本ユニカー(株)商品名)40重量%に対して、カーボンブラック(M−130、キヤボット(株)商品名)50重量%とシュガーケインワックス10重量%を配合して、既存の一般的な混練機(バンバリーミキサー、HIDM等)にて練り込み、中間体濃縮物(着色インキのコンセントレート)を作成した。
この中間体濃縮物(コンセントレート)10重量%に対して、パラフィンワックス(Hi−Mic−2065、日本精蝋(株)商品名)90重量%を配合し、三本ロールミルタイプの分散混合機を使用して、熱溶融性着色インキを作成した。
(4)また、ポリエチレン樹脂中にカーボンブラックを40重量%の高濃度に分散(練り込み)させた汎用のカーボンマスターバッチ(カラー・コンセントレー1)を使用して、このカーボンマスターバッチ(コンセントレート)12.5重量%に対して、環状アルコール(フィトステロール)5重量部(5重量%)とパラフィンワックス(Hi−Mic−2065、日本精蝋(株)商品名)82.5重量%を配合し、三本ロールミルタイプの分散混合機を使用して、熱溶融性着色インキを作成した。
(熱溶融性着色インキ中の顔料分散性の評価)
熱溶融性着色インキの中間体濃縮物(着色インキのコンセントレート)や、汎用のカーボンマスターバッチ(カラー・コンセントレート)等を使用した上記実施例2の(1)、(2)、(3)および(4)の熱溶融性着色インキも、カーボンブラックの分散性が非常に優れており、粒子径30μm以上の粗大凝集体は全く存在しなかった。
実施例3
着色顔料としてカーボンブラック(M−130、キヤボット(株)商品名)5重量部、環状アルコールのステアリルエステル(フィトステロールの改質物)5重量部(5重量%)、ポリエチレン樹脂(NUC G−5381、日本ユニカー(株)商品名)45重量部及びマイクロクリスタリンワックス(Hi−Mic−2065、日本精蝋(株)商品名)45重量部を配合し、三本ロールミルタイプの分散混合機を使用して、充分に混合混練(4パス)し、カーボンブラックを分散させて、熱溶融性着色インキを作成した。
この熱溶融性着色インキを、実施例1と同様に膜厚約10μmの薄膜フィルム状とした後、倍率200倍の光学顕微鏡にてカーボンブラック及び着色顔料の凝集体の有無及び粗大な凝集体の粒子径を観察し、カーボンブラック及び顔料分散性の評価を行った。
(熱溶融性着色インキ中の顔料分散性の評価)
環状アルコール(フィトステロール)の改質物が配合された実施例3の熱溶融性着色インキも、実施例1と同様、熱溶融性着色インキ中にカーボンブラック(着色成分)の粗大凝集体(粒子径30μm以上の凝集塊)の存在は全く見られなかった。
比較例1
比較として、環状アルコール(フィトステロール)及び/又は環状アルコールの改質物を含まない配合処方の熱溶融性着色インキについて、顔料分散性について評価を行った。
着色顔料としてカーボンブラック(M−130、キヤボット(株)商品名)5重量部、ポリエチレン樹脂(NUC G−5381 日本ユニカー(株)商品名)47.5重量部及びマイクロクリスタリンワックス(Hi−Mic−2065、日本精蝋(株)商品名)47.5重量部を配合し、三本ロールミルタイプの分散混合機を使用して、充分に混合混練(4パス)し、カーボンブラックを分散させて、熱溶融性着色インキを作成した。
この熱溶融性着色インキについて、実施例1と同様の方法で薄膜フィルムを作成して、着色顔料の凝集体の有無およぞ粗大粒子径を観察してカーボンブラック分散性の評価を行った。
(熱溶融性着色インキ中の顔料分散性の評価)
従来から一般的に使用されているパラフィンワックスを使用した比較例1の熱溶融性着色インキは、粒子径が30μm以上のカーボンブラックの粗大凝集体が、25〜100個/cm2の割合で存在しており、カーボンブラックの分散性が劣り、充分な顔料分散性を示していないかった。
比較例2
比較として、従来から一般的に熱溶融性着色インキに使用されているカルナバワックスをベースとした熱溶融性着色インキについて評価を行った。
着色顔料としてカーボンブラック(M−130 キヤボット(株)商品名)5重量部、カルナバワックス(ブラジル産、メリラ社)47.5重量部及びマイクロクリスタリンワックス(Hi−Mic−2065、日本精蝋(株)商品名)を47.5重量部を配合し、三本ロールミルタイプの分散混合機を使用して、充分に混合混練(4パス)し、カーボンブラックを分散させて、熱溶融性着色インキを作成した。
この熱溶融性着色インキについて、試験例1と同様の方法で薄膜フィルムを作成して、着色顔料の凝集体の有無およぞ粗大粒子径を観察してカーボンブラック分散性の評価を行った。
(熱溶融性着色インキ中の顔料分散性の評価)
従来から溶融性着色インキバインダーとして一般的に使用されているカルナバワックスを使用した比較例2の熱溶融性着色インキは、比較例1と同様、熱溶融性着色インキ中に、粒子径が30μm以上のカーボンブラックの粗大凝集体が、25〜100個/cm2の割合で存在しており、カーボンブラックの分散性が劣り、充分な顔料分散性を示していないことが分かった。
実施例4〜11
熱溶融性着色インキの表面摩擦による汚染性の評価を行った。
着色顔料としてカーボンブラック(M−130、キヤボット(株)商品名)15重量部、環状アルコール(フィトステロール)または環状アルコール(フィトステロール)の改質物(フィトステロールのステアレート)0.1〜50重量部(0.1〜50重量%)、密度0.926g/cm3メルトフローレート(MFR)50g/10minの直鎖状ポリエチレン(NUC G−5391、日本ユニカー(株)商品名)1〜50重量部及びマイクロクリスタリンワックス(Hi−Mic−2065,日本精蝋(株)商品名)10〜70重量部を配合し、加熱三本ロールタイプの分散混合機を使用し、充分に混合、混練して熱溶融性着色インキを作成した。実施例4〜11熱溶融性着色インキの各配合組成を、表1に示した。
Figure 0003621969
次いで、実施例4〜11の配合組成をもつ熱溶融性着色インキについて、No.3のバーコーター(6.86μm)を使用して、ポリエチレンテレフタレートフィルム上にこれらの熱溶融性着色インキを塗布した後、膜厚約7μmの熱転写記録シートを作成した。
これら実施例4〜11で作成された熱転写記録シートについて、サザーランド型摩擦試験器を使用して、重さ908gの荷重を掛け、40回往復摩擦させた場合の摩擦用紙(白色)への黒色汚れと熱転写記録シート表面の損傷状態を目視にて観察した。
(熱溶融性着色インキの摩擦汚染試験の評価)
実施例4〜11の熱転写記録シートは、いずれも摩擦用紙(白色)への黒色汚れは殆ど見られなかった。また、熱転写記録シート表面への摩擦方向の表面荒れも殆ど見られなかった。
熱溶融性着色インキの摩擦汚染試験の評価結果を、5段階で表2に示す。5段階の評価は、それぞれ、白色用紙への黒色汚れが、5は全く見られないもの、4は僅かに見られるもの、3は比較的顕著に見られるもの、2は激しく見られるもの、1はクレヨン状に激しく見られるもの、を表す。
比較例3
カーボンブラック(M−130、キヤボット(株)商品名)15重量部、カルナバワックス(ブラジル産、メリラ社製)45重量部及びパラフィンワックス40重量部を配合し、実施例4〜11と同様に加熱三本ロールタイプの分散混合機を使用して、熱溶融性着色インキを作成した。
次いで、実施例4〜11と同様に、比較例3の熱溶融性着色インキについて、膜厚約7μmの熱転写記録シートを作成した。
この熱転写記録シートについて、実施例4〜11と同様に、摩擦用紙(白色)への黒色汚れと熱転写記録シート表面の損傷状態を目視にて観察した。
(熱溶融性着色インキの摩擦汚染試験の評価)
比較例3の熱転写記録シートは、摩擦用紙(白色)への黒色汚れが顕著に見られ、また、熱転写記録シートへの表面荒れが比較的激しく発生した。
熱溶融性着色インキの摩擦汚染試験の5段階での評価結果を、表2に示す。
Figure 0003621969
実施例12〜19
実施例4〜11で作成された熱転写記録シートをインクリボンとし、熱転写プリンターを使用して白色の熱転写記録用紙に画像(印字)を転写記録させた。この転写記録用紙に印字されたそれぞれの転写画像について、転写インキの表面平滑性、転写インキの滲み、印字白抜け、印字ぼけ、地汚れ等を光学顕微鏡にて観察し、その転写記録画像(転写印字)の性能評価を5段階で行った。
(転写記録画像の性能評価)
実施例4〜11の組成をもつ熱転写記録シートの場合は、転写画像への転写インキの滲みや地汚れは殆ど見られなかった。また、転写インキの表面平滑性が優れ、また転写画像への白抜けも非常に少なく、熱転写インキとしては大変優れた印字性能を示した。
転写記録画像の性能評価の結果を、5段階で表3に示す。
平面平滑性に関する5段階の評価は、5は凹凸が殆ど見られないもの、4は僅かに凹凸が見られるもの、3は比較的顕著に凹凸が見られるもの、2は比較的激しく凹凸が見られるもの、1は激しく凹凸が見られるもの、を表す。また、他の性能に関する5段階の評価は、それぞれ、インキ滲み、地汚れ、白抜けが、5は殆ど見られないもの、4は僅かに見られるもの、3は比較的顕著に見られるもの、2は激しく見られるもの、1は非常に激しく見られるもの、を表す。
比較例4
比較例3で作成された熱転写記録シートをインクリボンとし、実施例12〜19と同様、熱転写プリンターを使用して白色の転写記録用紙に画像を転写記録させた。この転写記録用紙に印字されたそれぞれの転写画像について、転写インキの表面平滑性、転写インキの滲み、印字白抜け、印字ぼけ、地汚れ等を光学顕微鏡にて観察し、その転写記録画像の性能評価を5段階で行った。
(転写記録画像の性能評価)
実施例4〜11の組成をもつ熱転写記録シートの場合に比べて、比較例3の組成をもつ熱転写記録シートの場合は、転写インキの滲みや地汚れが比較的顕著に見られた。また、転写インキの表面平滑性は良好であったが、転写画像中の白抜けが比較的激しく発生していた。
転写記録画像の性能評価の結果を表3に示す。
Figure 0003621969
産業上の利用可能性
本発明では、カーボンブラックや着色顔料及び染料に対して親和性があり、かつ、ポリエチレン樹脂との相溶性が優れ、また天然ワックス、合成ワックス等のワックス類やその他の熱可塑性樹脂との相溶性が優れたフィトステロール及び/又はフィトステロールの改質物を配合使用することにより、カーボンブラックや着色顔料及び染料等の顔料分散性の優れた熱転写記録材料用の熱溶融性着色インキを製造することができ、従来から使用されている直鎖状のワックス類と比べて、紙等の被転写記録材料(転写)への親和性及び密着性の優れた熱転写記録材料用の熱溶融性着色インキを提供することができる。
また、従来、実際には使用不可能とされていた安価なポリエチレン樹脂を熱溶融性着色インキバインダーとして配合使用することを可能とし、このことにより、被転写記録材料(被転写記録紙)への表面印字被膜強度の優れた、被転写記録材料(被転写記録紙)への転写画像(転写印字)のにじみ、印字ぼけや地汚れ、カスレ等を発生させない、そして転写画像(転写印字)性能の優れた熱転写記録材料用の熱溶融性着色インキを提供することができる。
さらに、優れた着色インキバインダーとして、従来から一般的に使用されていたカルナバワックス等の天然ワックスは、天候や気象条件、災害等により大きく影響され、原料の安定供給に問題があり、また高価でありかつ価格的にも大きく変動しているという問題があった。本発明によって、このような問題点のない熱溶融性着色インキを提供することができる。

Claims (4)

  1. カーボンブラック、無機顔料、有機顔料、染料及び無機体質顔料から選ばれた1種または2種以上の着色成分が配合されている熱溶融性着色インキであって、相溶性向上剤として上記熱溶融性着色インキに基づいて0.1〜90重量%のフィトステロール及び/又はフィトステロールの改質物が含有されていることを特徴とする熱溶融性着色インキ。
  2. カーボンブラック、無機顔料、有機顔料、染料及び無機体質顔料から選ばれた1種または2種以上の着色成分が配合されている熱溶融性着色インキであって、相溶性向上剤として上記熱溶融性着色インキに基づいて0.1〜90重量%のフィトステロール及び/又はフィトステロールの改質物および1〜80重量%の熱可塑性樹脂が含有されていることを特徴とする熱溶融性着色インキ。
  3. 熱可塑性樹脂が、ポリエチレン樹脂であることを特徴とする請求の範囲第2項記載の熱溶融性着色インキ。
  4. 熱溶融性着色インキ中に、更に、天然ワックス、鉱物油系のワックス、合成ワックスから選ばれた1種または2種以上のワックス類、が含有されていることを特徴とする請求の範囲第2項又は第3項記載の熱溶融性着色インキ。
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