JP2947973B2 - 感熱転写記録媒体 - Google Patents

感熱転写記録媒体

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JP2947973B2 JP3141704A JP14170491A JP2947973B2 JP 2947973 B2 JP2947973 B2 JP 2947973B2 JP 3141704 A JP3141704 A JP 3141704A JP 14170491 A JP14170491 A JP 14170491A JP 2947973 B2 JP2947973 B2 JP 2947973B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱転写記録媒体に関
する。 更に詳しくは、熱転写性と保存安定性に優れた
多数回印字可能な感熱転写記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術として開示された感熱転写記録
媒体としては、例えば、特開昭55−105579号、
特開昭63−268693号には、微細な多孔質性層を
形成せしめ、その層に熱転写性インクを含浸させる技術
が開示されている。また特開昭57−160691号に
は、有機若しくは無機の微粉末を用いて、網状構造を形
成し、熱転写性インクを含浸させる技術が開示されてい
る。また特開昭57−185192号には、多孔質紙に
熱転写性インクを含浸させる技術が開示されている。前
記した公知技術は、多数回印字を目的とした感熱転写記
録媒体の支持体等の構成に関する技術開示がなされてい
る。一方、感熱転写記録媒体の印字解像度を高める目的
で、熱転写性インク層に着目した従来技術では、例え
ば、特開昭60−94388号には、熱転写性インクと
して固体状成分に熱可塑性脂肪酸アミドを用いる技術
が、また、特開昭60−236793号には、熱転写性
インクとして固体状成分に熱可塑性の低分子量ポリエチ
レンワックス、モンタンワックスなどの記載がなされて
いる。例えば、特開昭61−51386号で代表される
数多くの感熱転写記録媒体に関する公知文献で、天然植
物系ワックスであるカルナバワックスを熱転写性インク
のバインダー成分の主要な成分として開示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、情報産業の急速
な発展と共に、感熱転写記録媒体が果す役割は益々重要
な地位をしめており、その大部分の感熱転写記録媒体の
市場では、熱転写性インク用のバインダー成分の中心
が、カルナバワックスを主体に使用されている実体があ
る。カルナバワックスは融点が81〜86℃にあり、優
れた熱転写印字性及び保存安定性を示すと共に、かつ優
れた印字後の印字耐久性が得られる事から、感熱転写記
録媒体に於ける熱転写性インクバインダー成分の主要な
素材と言える。また、カルナバワックスはそれ自体の性
質として、硬く、光沢が良い等の性質を有するため、家
具等の艶出しワックス用途、自動車ワックス用途、ホッ
トメルト接着剤用途等でも多用化される事に伴い、その
供給性に主要な問題が発生している。 即ち、カルナバ
ワックスは天然ワックスであり、市場での供給量には限
界が有り、益々増える感熱転写記録媒体のバインダー用
途に対し十分対応出来なく成っている現状がある。従っ
て、感熱転写記録媒体市場ではカルナバワックスに替る
代替ワックスの出現が熱望されている。本発明は、上記
従来技術に鑑み、熱転写性インク用のバインダー成分と
して、カルナバワックスを全く用いないかまたは極く少
量併用することで優れた感熱転写記録媒体が得られない
かが主たる目的である。 即ち、カルナバワックスを主
体とした従来公知の熱転写性インクとほぼ同等の性質を
発現することが可能な、新規な熱転写性インク成分、及
びその新規な熱転写性インク成分を用いた優れた熱転写
性(高濃度かつ解像性に富む)と、保存安定性に優れた
感熱転写記録媒体を、必要に応じて、多数回印字可能な
感熱転写記録媒体を、提供する事に有る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の感熱転写記録材
とは、支持体上に熱転写性インク層を形成して成り、該
熱転写性インク層が着色剤及び常温で固体状成分を含有
する事を特徴とする感熱転写記録媒体に於いて、固体状
成分が下記一般式(1)または(2) R1 COO−(X−O)n −OC−Y−CO−(O−X)n −OOCR2 (1) R1 COO−(X−O)n −OC−Y−CO−(O−X)n −OH (2) [ただし式中、Xは炭素数2〜5の整数で表されるアル
キレン基、Yはフェニレン基を表し、R1 及びR2 は夫
々炭素数12〜30の整数で表される高級アルキル基ま
たはアルケニル基を表し、nは1〜50の数を表す。]
で示されるテレフタール酸骨格の結晶性エステル化ワッ
クスの群から選ばれた1種または2種以上を5〜95重
量%の範囲で含有させる事を特徴とする感熱転写記録媒
体に関する。また、支持体上に接着層を介して熱転写性
インク層の一層または複数層を形成して成る感熱転写記
録媒体に於いて、支持体面から見た該熱転写性インク層
の何れかの層または全層が、着色剤及び常温でショアー
Dの硬度が45以上を示す固体状成分を含有し、その固
体状成分が上記一般式(1)または(2)で示されるテ
レフタール酸骨格の結晶性エステル化ワックスの群から
選ばれた1種または2種以上の混合物を5〜95重量%
の範囲で含有させる事を特徴とする多数回印字可能な態
様の感熱転写記録媒体も良い。更に、微細多孔性の性質
を示す支持体上に熱転写性インク層を形成して成る感熱
転写記録媒体に於いて、熱転写性インク層が着色剤及び
常温でショアーAの硬度が45以上を示す固体状成分を
含有し、その固体状成分が上記の一般式(1)または
(2)で示されるテレフタール酸骨格の結晶性エステル
化ワックスの群から選ばれた1種または2種以上の混合
物を5〜95重量%の範囲で含有させる事を特徴とする
多数回印字可能な態様の感熱転写記録媒体も大いに好ま
しい。また、前記一般式(1)または(2)で示される
テレフタール酸骨格の結晶性エステル化ワックスとし
て、融点が65〜95℃の範囲にある結晶性エステル化
ワックスの群から選ばれた1種または2種以上の混合物
を含有して成る事を特徴とする前記感熱転写記録媒体は
大いに好ましい。
【0005】また、前記一般式(1)または(2)で示
されるテレフタール酸骨格の結晶性エステル化ワックス
として、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート
の1又は2ステアリン酸付加物、ビス(2−ヒドロキシ
エチル)テレフタレートの1又は2パルミチン酸付加
物、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの1
又は2ミリスチン酸付加物、ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)テレフタレートの1又は2ベヘニン酸付加物、ビス
(2−ヒドロキシプロピル)テレフタレートの1又は2
ステアリン酸付加物、ビス(2−ヒドロキシプロピル)
テレフタレートの1又は2パルミチン酸付加物、ビス
(2−ヒドロキシプロピル)テレフタレートの1又は2
ミリスチン酸付加物、ビス(2−ヒドロキシプロピル)
テレフタレートの1又は2ベヘニン酸付加物から選ばれ
た1種または2種以上の混合物を含有して成る事を特徴
とする前記感熱転写記録媒体は特に好ましい。また、熱
転写性インク層中の固体状成分として、更に動物系ワッ
クス、植物系ワックス、鉱物系ワックス、石油系ワック
ス、合成パラフィンワックス、脂肪酸アミド系ワック
ス、ポリエステルオリゴエステル系ワックス、酸化また
は酸変性された変成ワックスの熱溶融性物質の群から選
ばれた1種又は2種以上の混合物を、多くとも30重量
%以内を併用使用してなる事を特徴とする前記感熱転写
記録材は最も特に好ましい。
【0006】更には、熱転写性インク層中の固体状成分
として、更に酢酸ビニルの含有量が28重量%以下のエ
チレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチルアクリレートが
35重量%以下のエチレン−エチルアクリレート共重合
樹脂、メチルアクリレートが35重量%以下のエチレン
−メチルアクリレート共重合樹脂、結晶性飽和ポリエス
テル樹脂、エチレンーアクリル酸共重合樹脂、エチレン
ーメタアクリル酸共重合樹脂、スチレン−エチレン−ブ
チレン−スチレンブロック共重合樹脂、スチレン−エチ
レン−プロピレン−スチレンブロック共重合樹脂、スチ
レン−ブタジエン−スチレンブロック共重合樹脂、スチ
レン−イソプレン−スチレンブロック共重合樹脂等のス
チレンブロック共重合樹脂の群から選ばれた熱溶融性樹
脂物質の1種又は2種以上の混合物を、多くとも15重
量%以内を併用使用してなる事を特徴とする前記感熱転
写記録材も最も大いに好ましい。以下更に本発明をより
詳細に説明する。
【0007】本発明の感熱転写記録媒体では前記したよ
うに、以下に示す支持体上に下記で示された熱転写性イ
ンク層を形成して成り、該熱転写性インク層が着色剤及
び常温で好ましくはショアーAの硬度が45以上を示す
固体状成分を含有する感熱転写記録媒体で有ることが特
徴的である。本発明の感熱転写記録媒体に用いられる支
持体としては、その1種として、熱剛性性(耐熱強度)
に富み、かつ寸法安定性及び表面平滑性に富んだ物を使
用する事で良い。 別な1種として、紙や繊維等の微細
多孔質性の支持体で有っても何等問題は無い。 一般的
には支持体は以下の性質を有する事が慣用である。その
一つは、耐熱強度として、サーマルヘッド等の熱源の加
熱温度により、軟化しない又は可塑化しない強靱さと寸
法安定性を兼ね供えている事。その2つめは、支持体上
の熱転写性物質を含有する熱転写性インク層が、良好な
感熱転写率(高印字濃度と高解像性の度合い)を示すに
十分な平滑性が有ることが望ましい。この様な例として
は、普通紙、コンデンサー紙、ラミネート紙、コート紙
等の紙類、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエステル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポ
リカーボネート樹脂、ポリアミド、ポリイミド等の樹脂
フィルム類および紙−樹脂フィルム複合体、アルミ箔等
の金属フィルムおよびアルミ等金属箔−樹脂フィルム複
合体、紙−アルミ等金属複合体、紙−金属箔−樹脂フィ
ルム複合体等が好適に使用可能である。また熱ヘッドと
直接接触する側の支持体の表面は、シリコーン樹脂、ふ
っそ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、フ
ェノール樹脂、メラミン樹脂、ニトロセルロース等の耐
熱保護層を設ける事により、支持体の耐熱性を向上させ
た支持体材料を採用する事であって良い。また支持体の
厚みは特に制約は無いが、良好な熱伝導性を得る事で一
般的には60μ以下、好ましくは30μ以下、特に好ま
しくは2μ〜20μが好ましい。本発明の感熱転写記録
材に用いられる支持体は、その支持体裏面側の構成に関
して特に制約される物でなく、任意であって良く、例え
ばブロッキング防止層、スティッキング防止層などの、
一般的なバッキング層を構成された支持体であって何等
差支えない。
【0008】本発明の感熱転写記録材は、支持体上に接
着層を介して1層または複数の熱転写性インク層からな
る下記の熱転写性インク成分を用いた感熱転写記録材の
態様が好ましい。理由は、多数回印字可能な優れた感熱
転写記録媒体として推奨されるからであり、特に制約は
無いが、好ましくは2層以上の複数の熱転写性インク層
が形成される場合、最上層は熱転写性が増す(溶融温度
が下層より低くなる様に、または溶融粘度が下層より低
くなる様に)様に形成させることが好ましい。また本発
明の感熱転写記録媒体は、微細多孔性の性質を示す支持
体上に熱転写性インク層を形成して成る下記の熱転写性
インク成分を用いた感熱転写記録媒体の態様も好まし
い。理由は、やはり多数回印字可能な優れた感熱転写記
録媒体として推奨されるからであり、この様な微細多孔
性の性質を示す支持体としてはすでに公知の支持体をし
ようして良く、特に制約は無く、紙、不織布やその多前
記支持体の中から目的に照し選定した微細多孔質性の支
持体とする事が良い。前記した感熱転写記録媒体に於い
て、接着剤層及び1層またはそれ以上の複数層からなる
各熱転写性インク層の各層は、それぞれ所望の機能を付
与した層とする事で良く、本発明の感熱転写記録媒体に
於いては、熱転写性インク層は少なくとも転写層のいず
れか1層にまたはその全部の熱転写性インク層に、前記
の一般式(1)または(2)で示されるテレフタール酸
骨格の結晶性エステル化ワックスの群から選ばれた1種
または2種以上の混合物を、5〜95重量%の範囲で含
有させる事が本発明の目的を達成する上で重要である。
すなわち、前記一般式(1)または(2)で示されるテ
レフタール酸骨格の結晶性エステル化ワックスとは以下
の方法で得た物が代表的である。
【0009】例えば、テレフタール酸の2エチレンオキ
サイド付加物であるビス(2−ヒドロキシエチル)テレ
フタレート、テレフタール酸の2プロピレンオキサイド
付加物であるビス(2−ヒドロキシプロピル)テレフタ
レート、テレフタール酸の2ブチレンオキサイド付加物
であるビス(2−ヒドロキシブチル)テレフタレート等
で代表される総称ビス(2−ヒドロキシアルキル)テレ
フタレートの活性ヒドロキシル基に対し、以下の脂肪酸
及びまたはその酸無水物及びまたはその低級アルキルエ
ステル化脂肪酸誘導体をエステル化反応またはエステル
交換反応(脱アルコール化エステル反応)させて得た物
が代表的な例として挙げられる。また更に、テレフター
ル酸の4〜100エチレンオキサイド付加物であるビス
(ポリエチレングリコール)テレフタレート、テレフタ
ール酸の4〜10プロピレンオキサイド付加物であるビ
ス(ポリプロピレングリコール)テレフタレート、テレ
フタール酸の4〜10ブチレンオキサイド付加物である
ビス(ポリブチレングリコール)テレフタレート等で代
表される総称ビス(ポリアルキレングリコール)テレフ
タレートの活性ヒドロキシル基に対し、以下の脂肪酸及
びまたはその酸無水物及びまたはその低級アルキルエス
テル化脂肪酸誘導体をエステル化反応またはエステル交
換反応(脱アルコール化エステル反応)させて得た物も
好ましい例として挙げられる。好ましくはビス(2−ヒ
ドロキシエチル)テレフタレート及びまたはビス(2−
ヒドロキシプロピル)テレフタレートを出発原料として
用いる事が本発明のテレフタール酸骨格の結晶性エステ
ル化ワックスの合成方法として最も好ましい。
【0010】本発明では、以下の記載では脂肪酸及びま
たはその酸無水物及びまたはその低級アルキルエステル
化脂肪酸誘導体を一括総称して単に脂肪酸と呼ぶ。総称
した脂肪酸とは、炭素数が12〜30の整数で示される
飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸であり、具体的には以下
の物が上げられる。例えば、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、トリデカン酸、ノナ
デカン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ヘプタデカン酸、
ノルボン酸、テトラコサン酸、トリコサン酸、ヘキサコ
サン酸、ヘペタコサン酸、オクタコサン酸等の脂肪酸と
その酸無水物またはそれらの低級アルキルエステル化脂
肪酸誘導体等が代表的である。前記低級アルキルの表現
は、具体的には炭素数5以下の整数で示されるアルキル
基や、その他ハロゲン化アルキル基、フェニル基、ナフ
チル基等を総称・意味するものである。本発明では、前
記テレフタール酸骨格の結晶性エステル化ワックスとし
ては、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの
1または2ステアリン酸付加物、ビス(2−ヒドロキシ
エチル)テレフタレートの1または2パルミチン酸付加
物、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの1
または2ミリスチン酸付加物、ビス(2−ヒドロキシエ
チル)テレフタレートの1または2ベヘニン酸付加物、
ビス(2−ヒドロキシプロピル)テレフタレートの1ま
たは2ステアリン酸付加物、ビス(2−ヒドロキシプロ
ピル)テレフタレートの1または2パルミチン酸付加
物、ビス(2−ヒドロキシプロピル)テレフタレートの
1または2ミリスチン酸付加物、ビス(2−ヒドロキシ
プロピル)テレフタレートの1または2ベヘニン酸付加
物等の単独ないし複合使用することが好ましい。理由は
比較的常温でワックス硬度が高いこと。 また、熱転写
性インクとしての性質がショアーAの硬度で45以上を
達成出来ると共にきわめてシャープな融点挙動を示すこ
と。 更には単独での溶融粘度及び融点がカルナバワッ
クス並みに近似した性質を達成できる事等からである。
一般に熱転写性インクとしての性質が、ショアーAの硬
度で45以上を達成出来ると共に、きわめてシャープな
融点挙動を示すこと、更にはワックス単独での溶融粘度
及び融点がカルナバワックス並みに近い性質を示す事
は、感熱転写記録媒体の熱転写性インクの熱転写性解像
性能を支配する重要な因子と考えられる。従ってこれら
の因子を熱転写性インクに求めた本発明記載のテレフタ
ール酸骨格の結晶性エステル化ワックスをバインダー成
分として使用した感熱転写記録媒体では、高解像度の達
成、保存安定性、印字後の印字体の耐久性等の優れた性
能を示す事ができる所以である。
【0011】本発明の前記テレフタール酸骨格の結晶性
エステル化ワックスは、その主旨に基づいて、下記の熱
転写性インク層中に5〜95重量%の範囲、好ましくは
20〜80重量%の範囲、より好ましくは50〜80重
量%の範囲で使用することが好ましい。 5重量%以下
では、熱転写性インクとして十分に転写性能が発揮でき
ないケースが有るからであり、95重量%以上では着色
剤の濃度が低くなりすぎて印字濃度に問題があるからで
ある。本発明の前記テレフタール酸骨格の結晶性エステ
ル化ワックスは、本発明の主旨にそって、単独で常温で
結晶性固体で有ることが慣用である。 従って、特に制
約する物では無いが、単独での融点が室温〜120℃未
満、好ましくは、40〜100℃の範囲、より好ましく
は65〜95℃の範囲にあり、かつ溶融開始温度と完全
溶融温度の温度幅が±5℃以内、好ましくは±2℃以内
にある前記テレフタール酸骨格の結晶性エステル化ワッ
クスを選定して使用することが大いに好ましい。
【0012】本発明の熱転写性インクとは、本質的に下
記着色剤と前記テレフタール酸骨格の結晶性エステル化
ワックスを一定量含む熱可塑性の感熱転写記録用インク
と言う事が出来る。一方、本発明の感熱転写記録媒体に
於ける熱転写性インク層中には、より高度な感熱転写記
録媒体の種々目的に合せて、すでに公知の以下の各種機
能性添加成分を併用使用することは何等問題無い。例え
ば、密着促進用の熱可塑性高分子や粘着付与剤、インク
の凝集力調整及び溶融粘度調整剤、ワックス、分散剤、
分散助剤、可塑剤、油剤、充填剤、界面活性剤、ゲル化
剤、耐候性安定剤等が挙げられ、本発明の熱転写性イン
ク成分の一部として加えて成る事であって良く、特に制
約されない。前記公知の熱可塑性高分子、同粘着付与剤
を含有させた熱転写性インク層では記録紙への印字接着
特性が向上し、耐久性に富む印字を可能にする作用効果
を発揮する様である。また熱転写性インク層の融点や溶
融粘度の調節の目的で、公知ワックス及びまたは可塑剤
を加える事で、印字作業性を任意に調整可能な利点など
から好ましく使用出来る。
【0013】本発明に使用可能な公知のワックスとして
は、常温で固体の動物系ワックス、植物系ワックス、鉱
物系ワックス、石油系ワックス、脂肪酸アミド系ワック
ス、ポリエステルオリゴエステル系ワックス、合成炭化
水素系ワックス、変性ワックス等のワックス、好ましく
は印字作業性の点から、融点が40℃〜150℃の範囲
の前記ワックスが良く、具体的には以下に挙げるワック
スが代表的である。動物系ワックスとしては、例えば、
鯨ロウ、羊毛ロウ、昆虫ロウ、セラックロウ、蜜ロウ等
が挙げられ、植物系ワックスとしては、例えばカルナバ
ロウ、木ロウ、オウノキュリーロウ、エスバルトロウ、
キャンデリラロウ等が挙げられる。鉱物系ワックスとし
ては、例えばモンタンロウ、オゾケライト、セレシン等
が挙げられ、石油系ワックスとしては、例えばパラフィ
ンワックス、マイクロクリスタリンワックス、エステル
ワックス、ペトロラタム、ポリエチレングルコールジエ
ステル系ワックス等が挙げられる。合成炭化水素系ワッ
クスとしては、例えば、フィッシャートロプッシュワッ
クス、ポリエチレンワックス、低分子量のポリプロピレ
ンワックス、低分子量のポリエチレンワックス及びその
誘導体等が挙げられる。
【0014】脂肪酸アミド系ワックスとしては、例え
ば、ステアリン酸アミド、パリミチン酸アミド、メチレ
ンビスステアロアミド、メチロールステアロアミド等が
挙げられる。ポリエステルオリゴエステル系ワックスと
しては、例えば、炭素数2〜6の整数で表される脂肪族
ジオールと芳香属ジカルボン酸の、平均分子量 500
〜2,000の範囲、数平均分子量と重量平均分子量の
比が2以上の合成飽和型ポリエステルワックスが挙げら
れる。変性ワックスとしては、例えば、酸化ワックス、
モンタンワックス誘導体、パラフィンまたはマイクロク
リスタリンワックス誘導体が挙げらる。 これらの公知
ワックスの1種又は2種以上を併用した場合であっても
良い。本発明に於いては、水素化ワックス、例えば、カ
スターワックス、オパールワックス等の上記ワックス化
合物群に属しないワックスを併用する事もできる。本発
明に使用可能な粘着付与剤としては、例えば(水添)テ
ルペン樹脂、(水添)テルペンフェノール樹脂、(水
添)C9石油樹脂、(水添)C5−C9共重合石油樹
脂、低分子ポリスチレン樹脂、スチレン変性石油樹脂、
低分子α−メチルスチレン樹脂等で代表される芳香族系
粘着付与樹脂、(水添)ジシクロペンタジエン系石油樹
脂等で代表される脂環族系粘着付与樹脂、ロジンエステ
ル又はその誘導体で代表されるロジン系粘着付与樹脂、
脂肪属石油樹脂、等の1種又は2種以上の混合物を使用
する事が好ましい。粘着付与剤の使用選定に当っては、
本発明の樹脂、必要に応じて熱溶融樹脂群との相溶性の
ある成分を選定使用する事が慣用である。 熱転写性イ
ンク層中の配合量は熱転写性インク剤100部中、多く
とも30重量部以上、好ましくは、20重量部以下では
使用することで良い。
【0015】本発明では以下の熱可塑性高分子を、熱転
写性インク剤の印字密着性、凝集力向上、靭性改良の目
的で使用することが一般的である。前記熱可塑性高分子
としては、酢酸ビニルの含有量が、28重量%以下のエ
チレン−酢酸ビニル共重合樹脂(以下単にEVAと呼
ぶ)、エチルアクリレートが35重量%以下のエチレン
−エチルアクリレート共重合樹脂(以下単にEEAと呼
ぶ)、メチルアクリレートが35重量%以下のエチレン
−メチルアクリレート共重合樹脂(以下単にEMAと呼
ぶ)、結晶性ポリエステル樹脂、エチレンーアクリル酸
共重合樹脂、エチレンーメタアクリル酸共重合樹脂、ス
チレンーエチレンーブチレンースチレンブロック共重合
樹脂(以下単にSEBSと呼ぶ)やスチレンーエチレン
ープロピレンースチレンブロック共重合樹脂(以下単に
SEPSと呼ぶ)やスチレンーブタジエンースチレンブ
ロック共重合樹脂(以下単にSBSと呼ぶ)やスチレン
ーイソプレンースチレンブロック共重合樹脂(以下単に
SISと呼ぶ)等のスチレンブロック共重合樹脂等が挙
げられ、これらの熱可塑性高分子から選ばれた1種又は
2種以上の混合物を、本発明の熱転写性インク成分の一
つとして含有させることが好ましい。可塑剤(軟化剤)
としては、例えば、ヒマシ油、アマニ油、オリーブ油な
どの植物油や、鯨油のごとき動物油及び鉱物油、液状ポ
リブテン、液状水添ポリイソプレン、パラフィンオイ
ル、ナフテンオイルなどの合成油、ポリアルキレングリ
コール、フッソ油、シリコーン油などが挙げられる。そ
の他の機能性添加剤成分として、グラファイト、黒鉛、
金属微粉などの導電性微分体、重炭酸塩、炭酸塩、亜硝
酸塩などの無機化合物またはスルホニルヒドラジド系の
有機化合物などの熱分解性発泡剤、熱膨張性微小粒子、
重合防止剤、老化防止剤、紫外線安定剤(含光安定
剤)、紫外線吸収剤(含光吸収剤)、分散安定剤、粘度
調整剤(含チクソ性改良剤)、界面活性剤、高沸点溶剤
などを目的に応じて使用する事も良い。
【0016】本発明に於いては、本発明の熱転写性イン
ク層中に、着色剤と前記テレフタール酸骨格の結晶性エ
ステル化ワックスを含有させる手段、必要に応じて、更
に前記熱可塑性高分子、ワックス、粘着付与剤等の機能
性添加成分を含有させる手段は特に限定はなく、一般的
には溶解混合したり、乳化分散したりして得る事で良
い。この場合、成分の一部が不混和性を示す場合など
は、例えば激しく撹拌させ、均一に分散して使用するこ
とでよい。また溶剤を使用して、相溶状態を形成後、脱
溶剤を行なって微分散状態を形成させる手段も好ましく
採用できる。本発明に於いては、熱転写性インクとして
の取扱い形態は特に限定はなく、着色剤及びテレフター
ル酸骨格の結晶性エステル化ワックス、必要に応じて上
記熱可塑性高分子、公知ワックス、粘着付与剤等を同時
溶融分散したバルクまたは溶液とする方法、または本発
明の各成分、着色剤をあらかじめ別々に分散をして溶液
とする方法、等を採用する事でよい。本発明の熱転写性
インク層に用いられる着色剤とは、例えば、以下に示す
各種の色素から適宜選択して使用する事で良く。 好ま
しくは直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料、油
溶性染料(金属油溶性染料を含む)等が挙げられる。さ
らにインドアニリン色素、アゾメチン色素、なども使用
できる。本発明の色材層に用いる色素としては、熱転写
性物質と共に基本的に転写(移行)可能な色素であれば
良い事から、前記の他、有機又は無機顔料であっても良
い。
【0017】本発明の熱転写性インク層に用いられる着
色剤の具体的な例は、以下のものが挙げられる。黄色色
素としては、例えばPSイエローGG(三井東圧化学社
品)、PSイエローSK(三井東圧化学)、カヤロンポ
リエステルライトイエロー5G−S(日本化薬)、オイ
ルイエローS−7(白土)、アイゼンスピロンイエロー
GRHスペシャル(保土ケ谷化学)、スミプラストイエ
ローFG(住友)、アイゼンスピロンイエローGRH
(保土ケ谷化学)等が挙げられる。赤色色素としては、
例えば、PSレッドG(三井東圧化学社品)、MSレッ
ドVP(三井東圧化学社品)、ダイアセリトンファスト
レッドR(三菱化成)、スミプラストレッドFB(住
友)、スミプラストレッドHFG(住友化学)、カヤロ
ンポリエステルピンクRCL−E(日本化薬)、アイゼ
ンスピロンレッドGHRスペシャリ(保土ケ谷化学)等
が挙げられる。青色色素としては、例えば、ミケトンポ
リエステルブルーFBLコンク(三井東圧化学)、PE
Tブルー#2,000(三井東圧化学)、PSブルーB
N(三井東圧化学)、ダイアセリトンファストブリリア
ントブルー(三菱化成)、ダイアニックスブルーEB−
E(三菱化成)、カヤロンポリエステルブルーB−SF
コンク(日本化薬)、スミプラストブルー3R(住友化
学)、スミプラストブルーG(住友化学)等が挙げられ
る。
【0018】また着色願料としては、以下の物が代表的
な例として挙げられる。黄色の着色顔料としては、例え
ばハンザイエロー3G、タルトラジンレイク等がある。
赤色の着色顔料としては、例えばブリリアントカルミン
FB−ピュアー(山陽色素)、ブリリアントカルミン6
B(山陽色素)、アリザリンレイク等がある。青色の着
色顔料としては、例えばセルリアンブルー、スミカプリ
ントシアニンブルーGN−O(住友)、フタロシアニン
ブルー等がある。黒色の着色顔料としては、例えば、カ
ーボンブラック、オイルブラック等が代表的である。
本発明で最も好ましい着色剤としてはカーボンブラック
が挙げられる。本発明では、熱転写性インクの組成比は
限定するものではないが、熱転写性インク中の固形分1
00重量部に対して、着色材が5〜50部、好ましくは
10〜40部の範囲で使用する事が好ましい。本発明の
感熱転写記録媒体では、必要に応じて、以下に記載の接
着剤層や1層または複合層から成る熱転写性インク層を
形成して感熱転写記録媒体とすることが良い。本発明で
は、必要に応じて接着剤層に下記の接着剤組成物を使用
出来る。
【0019】この様な接着剤組成物としては、例えば、
EVA、EEA、EMA、飽和ポリエステル樹脂、エチ
レンーアクリル酸共重合樹脂、エチレンーメタアクリル
酸共重合樹脂、SEBS、SEPS、SBS、SIS、
アイオノマー樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン
樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹
脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ブチルゴム、ポリイソブチ
レンゴムなどを主な成分として含み、その他前記公知ワ
ックス成分、同粘着付与剤等を含有する組成物等が好ま
しく使用できる。中間熱転写性インク層としては本発明
の前記熱転写性インク層をそのまま使用する場合であっ
たり、公知の熱転写性インク層を用いる事であったりし
て良く、熱転写性インク成分組成には特に限定はない。
前記接着剤層の組成物はに、前記した着色剤を含有させ
た中間層で有っても何等差し支えない。本発明では、多
数回印字性を発揮する感熱転写記録媒体として、例え
ば、熱転写性インク層が複合層からなる感熱転写記録材
とする場合、いずれか1層にまたはいくつかの層に、好
ましくは全部の複合層に、本発明の常温で固体の着色剤
と結晶性エステル化ワックスから成る熱転写性インク層
を積層させた、いずれかの感熱転写記録媒体の形態が採
用可能である。本発明では、支持体がそれ自身微細多孔
性フィルムの支持体である場合、好ましい感熱転写記録
媒体の形態は、特に制約は無いが、例えば、常温で固体
の着色剤とテレフタール酸骨格の結晶性エステル化ワッ
クスから成る熱転写性インクを十分含浸させた層とする
事が一般的である。
【0020】本発明の感熱転写記録媒体において、接着
剤層用組成物、熱転写性インク層用組成物を、適宜支持
体フィルム上に塗布するのに適した技術は、公知の技術
を使用する事で良い。例えば、ホットメルトコーティン
グするとか、または当該組成物を溶剤で溶解せしめた塗
布液を使用して、ソルベントコーティングするとか、水
媒体中にいったん分散して後エマルション塗工する方法
などがあり、これらの方法を適宜選定して採用すること
であって良い。本発明の熱転写性インク層、必要に応じ
て接着剤層を含め、夫々は水性ディスパージョンとした
材料を用いて、本発明の感熱転写記録媒体を形成する事
は特に以下の点から大いに好ましい。 一般的に、熱転
写性インク層が必要以上に凝集力が高すぎる場合は、加
熱部と非加熱部との境界での熱印加時の切れが悪くなる
事が予想され、従って、熱転写性インク組成物を水性デ
ィスパージョンとした当該塗工用組成物で形成させる方
法の方が、前記要因を容易に回避できる技術として推奨
される。水性ディスパージョンとした当該塗工用組成物
で形成させる方法は、 (イ)凝集力・溶融粘度等が高い熱転写性インクでも容
易に優れた印字性を発現する機能層として形成可能であ
る。 (ロ)水性ディスパージョンのイオン性に注意を払え
ば、多種類の材料を任意の割合に配合分散調整出来る。 (ハ)薄膜塗工が容易。 (ニ)積層塗工が容易。 (ホ)熱印加時に転写像がシャープな切れを起こし、高
濃度で比較的低エネルギーの加熱印字が可能。等が利点
として挙げられるからである。
【0021】本発明の熱転写性インク層、必要に応じ
て、接着剤層等の各層の形成塗布方法としては、リバー
スロールコーター法、押出しコーター法、グラビアコー
ター法、ワイヤーバー塗布法等、公知の技術を採用可能
である。本発明の熱転写性インク層の形成塗膜厚みは、
特に限定するものではないが、平滑フィルム上積層で
は、一般的には20ミクロン以下、好ましくは15ミク
ロン以下、より好ましくは3〜10ミクロンの範囲が良
い。また微細多孔性フィルム支持体の使用では、その当
該フィルム厚みでまたは当該フィルム厚みを僅かに数ミ
クロン超える膜厚に調整する事が好ましい。本発明に於
いて、必要に応じて、接着剤層を施す場合、接着剤層の
膜厚としては限定するものではないが、一般的には5ミ
クロン以下、好ましくは0.1〜2ミクロンの範囲が良
い。
【0022】
【実施例】以下、本発明を、更に具体的に説明するた
め、実施例及び比較例をあげて説明するが、本発明はこ
れらの実施例に限定されるものではない。実施例及び比
較例中に示す、%、部はそれぞれ重量%、重量部を意味
する。 比較例1.厚さ1μmのエチレンー酢酸ビニル樹脂(酢
酸ビニル含有量80%)の接着剤層を施した、3.5μ
m厚みのポリエチレンテレフタレートフィルムの支持体
上に、下記の熱転写性インク層用の塗布水性ディスパー
ジョン混合組成物を、フローコーターコーティング法を
採用して、乾燥膜厚が10μmと成るように塗布して、
感熱転写記録媒体試料(8mm幅のリボン状試験体)
[A−1]を得た。 エチレンー酢酸ビニル共重合樹脂:10部 カルナバワックス(融点81〜86℃) :65部 マイクロクリスタリンワックス(軟化点80℃)日本精
蝋社製品Hi−Mic−1070:10部 カーボンブラック(カーボンブラック/分散剤=20/
5)(三菱化成工業製品MA100) :15部 この感熱転写記録媒体試料[A−1]をサーマルプリン
ター(発熱素子密度16Dot/mmのサーマルヘッド
を内蔵する機器)を用いて、市販の普通紙に記録印字試
験を行なった結果を表−1に記載した。 比較例2.厚さ20μm厚みの微細多孔性不織布の支持
体に、下記の熱転写性インク層用のホットメルト型熱転
写性インク組成物を、含浸法を採用して、感熱転写記録
媒体フィルム膜厚で23μmと成るように塗布して、感
熱転写記録媒体試料(8mm幅のリボン状試験体)[A
−2]を得た。 エチレンー酢酸ビニル共重合樹脂:10部 カルナバワックス(融点81〜86℃) :65部 マイクロクリスタリンワックス(軟化点80℃)日本精
蝋社製品Hi−Mic−1070:10部カーボンブラ
ック(カーボンブラック/分散剤=20/5)(三菱化
成工業製品MA100) :15部 この感熱転写記録媒体試料[A−2]を、サーマルプリ
ンター(発熱素子密度16Dot/mmのサーマルヘッ
ドを内蔵する機器)を用いて、市販の普通紙に記録印字
試験を行なった結果を表−1に記載した。
【0023】実施例1.比較例1で得たと同様の接着剤
層を有する支持体上に、以下の組成からなる熱転写性イ
ンク層用の水性ディスパージョン混合組成物を、フロー
コーターコーティングし、熱転写性インク層膜厚が10
μmと成るように塗布して、感熱転写記録媒体試料(8
mm幅のリボン状試験体)Bを得た。 エチレンーエチルアクリレート共重合樹脂:10部 ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの2ベヘ
ニン酸付加物(純度95〜97%)である室温でショア
ーDの硬度が58(0秒値)を示す合成エステル化ワッ
クスの(融点86〜89℃) :65部 パラフィンワックス(軟化点65℃):10部 カーボンブラック(カーボンブラック/分散剤=20/
5)(三菱化成工業製品MA100) :15部 この感熱転写記録媒体試料Bを、サーマルプリンター
(発熱素子密度 16Dot/mmのサーマルヘッドを
内蔵する機器)を用いて、市販の普通紙に記録印字試験
を行なった結果を表−1に記載した。 実施例2.比較例1で示したカルナバワックスの代わり
に、以下の結晶性エステル化ワックスを用いた以外は同
様にして、感熱転写記録媒体試料(8mm幅のリボン状
試験体)Cを得た。結晶性エステル化ワックスとしてビ
ス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの2パルミ
チン酸付加物(純度97〜99%)である、室温でショ
アーDの硬度が50(0秒値)を示す合成エステル化ワ
ックス(融点76〜78℃)。この感熱転写記録媒体試
料Cを、サーマルプリンター(発熱素子密度 16Do
t/mmのサーマルヘッドを内蔵する機器)を用いて、
市販の普通紙に記録印字試験を行なった結果を表−1に
記載した。
【0024】実施例3.比較例2で示したカルナバワッ
クスの代わりに、以下の結晶性エステル化ワックスを用
いた以外は同様にして、感熱転写記録媒体試料(8mm
幅のリボン状試験体)Dを得た。結晶性エステル化ワッ
クスとしてビス(2−ヒドロキシプロピル)テレフタレ
ートの2ステアリン酸付加物(純度92〜95%)であ
る、室温でショアーDの硬度が52(0秒値)を示す合
成エステル化ワックス(融点74〜79℃)。この感熱
転写記録媒体試料Dを、サーマルプリンター(発熱素子
密度 16Dot/mmのサーマルヘッドを内蔵する機
器)を用いて、市販の普通紙に記録印字試験を行なった
結果を表−1に記載した。 実施例4 厚さ1μmのエチレンー酢酸ビニル樹脂(酢酸ビニル含
有量80%)の接着剤層を施した、3.5μm厚みのポ
リエチレンテレフタレートフィルムの支持体上に、下記
の熱転写性インク層用の塗布水性ディスパージョン混合
組成物(a)及び(b)を、フローコーターコーティン
グ法を採用して、乾燥膜厚が(a)の10μm+(2)
の5μm=合計15μmと成るように塗布して、感熱転
写記録媒体試料(8mm幅のリボン状試験体)Eを得
た。 (a)熱転写性インク層用の塗布水性ディスパージョン
混合組成物 MI値が平均150grのエチレンーエチルアクリレー
ト共重合樹脂:10部 結晶性エステル化ワックスとしてビス(2−ヒドロキシ
エチル)テレフタレートの2パルミチン酸付加物(純度
97〜99%)である室温でショアーDの硬度が50
(0秒値)を示す合成エステル化ワックス(融点76〜
78℃、溶融粘度約20センチポイズ/100℃):6
5部 天然モンタンワックス:10部 カーボンブラック :15部 (b)熱転写性インク層用の塗布水性ディスパージョン
混合組成物 MI値が275grのエチレンーエチルアクリレート共
重合樹脂:10部 結晶性エステル化ワックスとしてビス(2−ヒドロキシ
エチル)テレフタレートの2パルミチン酸付加物(純度
97〜99%)である室温でショアーDの硬度が50
(0秒値)を示す合成エステル化ワックス(融点76〜
78℃、溶融粘度約20センチポイズ/100℃):6
5部 天然モンタンワックス:10部 カーボンブラック :15部 この感熱転写記録媒体試料Eを、サーマルプリンター
(発熱素子密度 16Dot/mmのサーマルヘッドを
内蔵する機器)を用いて、市販の普通紙に記録印字試験
を行なった結果を表−1に記載した。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】上記表−1の結果から明らかなように、
本発明の感熱転写記録媒体は実施例1〜4の試料B〜E
結果と比較例1,2の試料(A−1)(A−2)の結果
と比較して、全く遜色の無い(ほぼ同等な)印字作業性
と印字記録性を示すことが判明した。実施例及び比較例
の全てに関し、ベック平滑度5〜20の普通紙で、切れ
や転写欠けの無い転写像の印字が出来た。 また、35
℃・RH65%の雰囲気に長時間巻取って保存した各試
料体は全くブロッキングの現象は見られなかった。この
事は、カルナバワックスを主体とした比較例1、2の感
熱転写記録媒体と比較し、本発明の目的であるカルナバ
ワックスを全く用いなくても、従来並みの優れた感熱転
写記録媒体(例1〜4)を得ることが可能であることが
判明した。本発明の感熱転写記録媒体では、十分な高印
字作業性や良好な保存安定性を示し、更に、高解像度印
字性や必要に応じて多数回印字性等の重要な物性が、カ
ルナバワックスを用いなくとも、優れた感熱転写記録媒
体を得る事ができた事が最も主要な特徴である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−67186(JP,A) 特開 昭64−26494(JP,A) 特開 昭61−286199(JP,A) 特開 昭59−215891(JP,A) 特開 昭64−26495(JP,A) 特開 平4−235947(JP,A) 特開 平4−255393(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/38 - 5/40

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に熱転写性インク層を形成して
    成り、該熱転写性インク層が、着色剤及び常温で固体状
    成分を含有する事を特徴とする感熱転写記録媒体に於い
    て、固体状成分が下記一般式(1)又は(2) R1 COO−(X−O)n −OC−Y−CO−(O−X)n −OOCR2 (1) R1 COO−(X−O)n −OC−Y−CO−(O−X)n −OH (2) [ただし式中、Xは炭素数2〜5の整数で表されるアル
    キレン基、Yはフェニレン基を表し、R1 及びR2 は夫
    々炭素数12〜30の整数で表される高級アルキル基ま
    たはアルケニル基を表し、nは1〜50の整数を表
    す。]で示されるテレフタール酸骨格の結晶性エステル
    化ワックスの群から選ばれた1種または2種以上の混合
    物を5〜95重量%の範囲で含有させる事を特徴とする
    感熱転写記録媒体。
  2. 【請求項2】 支持体上に接着層を介して熱転写性イン
    ク層の一層または複数層を形成して成る感熱転写記録媒
    体に於いて、該熱転写性インク層の何れかの層または全
    層が、着色剤及び常温でショアーDの硬度が45以上を
    示す固体の固体状成分を含有し、その固体状成分が請求
    項1記載の一般式(1)または(2)で示されるテレフ
    タール酸骨格の結晶性エステル化ワックスの群から選ば
    れた1種または2種以上の混合物を5〜95重量%の範
    囲で含有させる事を特徴とする感熱転写記録媒体。
  3. 【請求項3】 微細多孔性の性質を示す支持体上に、熱
    転写性インク層を形成して成る感熱転写記録媒体に於い
    て、該熱転写性インク層が着色剤及び常温でショアーA
    の硬度が45以上を示す固体の固体状成分を含有し、そ
    の固体状成分が、請求項1記載の一般式(1)または
    (2)で示されるテレフタール酸骨格の結晶性エステル
    化ワックスの群から選ばれた1種または2種以上の混合
    物を5〜95重量%の範囲で含有させる事を特徴とする
    感熱転写記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の一般式(1)または
    (2)で示されるテレフタール酸骨格の結晶性エステル
    化ワックスの群から選ばれた1種または2種以上の混合
    物の融点が、65〜95℃の範囲にある事を特徴とする
    請求項1〜3記載の何れかの感熱転写記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の一般式(1)または
    (2)で示されるテレフタール酸骨格の結晶性エステル
    化ワックスが、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタ
    レートの1または2ステアリン酸付加物、ビス(2−ヒ
    ドロキシエチル)テレフタレートの1または2パルミチ
    ン酸付加物、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレ
    ートの1または2ミリスチン酸付加物、ビス(2−ヒド
    ロキシエチル)テレフタレートの1または2ベヘニン酸
    付加物、ビス(2−ヒドロキシプロピル)テレフタレー
    トの1または2ステアリン酸付加物、ビス(2−ヒドロ
    キシプロピル)テレフタレートの1または2パルミチン
    酸付加物、ビス(2−ヒドロキシプロピル)テレフタレ
    ートの1または2ミリスチン酸付加物、ビス(2−ヒド
    ロキシプロピル)テレフタレートの1または2ベヘニン
    酸付加物である事を特徴とする請求項1〜4記載の何れ
    かの感熱転写記録媒体。
  6. 【請求項6】 固体状成分が、請求項1記載の一般式
    (1)または(2)でで示されるテレフタール酸骨格の
    結晶性エステル化ワックスの群から選ばれた1種または
    2種以上を5〜95重量%と、更に下記の(B)成分を
    多くとも30重量%及び/又は(C)成分を多くとも1
    5重量%併用してなる事を特徴とする請求項1〜3項記
    載の何れかの感熱転写記録材。 (B)動物系ワックス、植物系ワックス、鉱物系ワック
    ス、石油系ワックス、合成パラフィンワックス、脂肪酸
    アミド系ワックス、ポリエステルオリゴエステル系ワッ
    クス、酸化または酸変性された変成ワックス等の熱溶融
    性物質の群から選ばれた1種又は2種以上の混合物 (C)酢酸ビニルの含有量が28重量%以下のエチレン
    −酢酸ビニル共重合樹脂、エチルアクリレートが35重
    量%以下のエチレン−エチルアクリレート共重合樹脂、
    メチルアクリレートが35重量%以下のエチレン−メチ
    ルアクリレート共重合樹脂、結晶性飽和ポリエステル樹
    脂、エチレンーアクリル酸共重合樹脂、エチレンーメタ
    アクリル酸共重合樹脂、スチレン−エチレン−ブチレン
    −スチレンブロック共重合樹脂、スチレン−エチレン−
    プロピレン−スチレンブロック共重合樹脂、スチレン−
    ブタジエン−スチレンブロック共重合樹脂、スチレン−
    イソプレン−スチレンブロック共重合樹脂等のスチレン
    ブロック共重合樹脂の熱溶融性樹脂物質の群から選ばれ
    た1種又は2種以上の混合物。
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