JP3620252B2 - スチレン系樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スチレン系樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、低温下での架橋の形成と高温下での架橋の解離を繰り返し得る、いわゆる熱可逆架橋性のスチレン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリスチレン等のスチレン系樹脂は、成形性、機械的強度、透明性等に優れ、押出成形、射出成形、中空成形、圧縮成形、回転成形等の各種成形法により溶融状態で所望の形状に賦形されて各種分野で汎用されており、また、耐熱性を付与し高温時の機械的強度等を改良すべく、有機過酸化物の配合やそれと架橋助剤配合の併用、放射線の照射やそれと架橋助剤配合の併用、あるいはシラノール縮合反応の利用等により架橋処理を施した架橋体としても多用されている。
一方、環境保護や省資源等の立場から、使用済の樹脂の再利用が益々要求される状況となっているが、この、架橋処理を施して架橋体とされた樹脂は、もはや熱可塑性を有さず溶融成形による再利用は不可能であって、この架橋体と熱可塑性の両立が強く求められている。
【0003】
これに対して、低温下では架橋を形成し、高温下ではその架橋を解離させ熱可塑性を有せしめる方法としてのいくつかの従来技術に対して、特に架橋形成反応速度と架橋解離反応速度が高く優れた熱可逆架橋性を有するオレフィン系樹脂組成物として、特開平6−57062号公報、および同7−94029号公報には、不飽和カルボン酸無水物変性オレフィン系樹脂と、分子内に少なくとも2個の水酸基を有する多価アルコール化合物、例えば、エチレングリコール等のグリコール類、1,4−ブタンジオール等のアルコール類、ソルビトール等の糖類、トリメチロールプロパン等のポリオキシアルキレン化合物類、ジグリセリンモノステアレート等のポリグリセリンアルキルエステル類、ソルビタンモノステアレート等のソルビタンアルキルエステル類、水酸基を複数個有するポリオレフィン系オリゴマー等の分子内に複数個の水酸基を有する重合体等と、有機カルボン酸の金属塩等の反応促進剤とからなるオレフィン系樹脂組成物が開示されている。
【0004】
この種の、カルボン酸無水物基と水酸基との反応に基づく熱可逆架橋性組成物においては、本発明者等の検討によると、基本的には、1分子のカルボン酸無水物基と1分子の水酸基が反応してカルボン酸モノエステルを生成する反応と、生成したカルボン酸モノエステル1分子と1分子の水酸基がさらに反応してカルボン酸ジエステルを生成する反応の二つの反応が起こり、前者のカルボン酸モノエステル生成反応は熱可逆性が良好であるが、後者のカルボン酸ジエステル生成反応は熱可逆性が不良であること、そして、さらに、前述の従来技術においては、酸無水物基と有機カルボン酸金属塩との金属塩生成反応も同時に起こっており確かに架橋形成反応速度は優れるが、この金属塩生成反応は、高温においては解離し易く、またこの反応が起こることによってエステル生成反応が減少するために全体として耐熱性のある架橋の程度が低下してしまい、結果として組成物の耐熱性が劣ること、および、前述のカルボン酸ジエステルの生成によると考えられるが、耐熱性を上げると溶融流動性が低下してしまうこと、等の問題があることが判明した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、前述の従来技術に関する検討結果を踏まえ、有機カルボン酸の金属塩を用いずに架橋形成反応速度と架橋解離反応速度に優れた熱可逆架橋性スチレン系樹脂組成物を得るべく鋭意検討した結果、本発明に到達したものであって、従って、本発明は、架橋形成性と架橋解離性が高く優れた熱可逆架橋性を有し、耐熱性と溶融流動性に優れたスチレン系樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、不飽和カルボン酸無水物変性スチレン系樹脂に特定の水酸基含有化合物を配合することによって前述の目的を達成できることを見出し、本発明を完成したものであって、即ち、本発明は、下記の(A)及び(B)成分
(A)1分子当たりのカルボン酸無水物基の平均結合数が2個以上のカルボン酸無水物変性スチレン系樹脂
(B)第1級炭素原子に結合した水酸基を有さず、第2級炭素原子に結合した水酸基を2個以上有する水酸基含有化合物
からなり、(A)成分のカルボン酸無水物基数に対する(B)成分の水酸基数の比が0.10〜5.00であるスチレン系樹脂組成物を要旨とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明における(A)成分のカルボン酸無水物変性スチレン系樹脂としては、基本的には、スチレン系化合物とエチレン性不飽和カルボン酸無水物との共重合体と、スチレン系樹脂のエチレン性不飽和カルボン酸無水物によるグラフト体がある。
【0008】
前者の共重合体におけるスチレン系化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン等のα位置換アルキルスチレン、(o−、m−、p−)メチルスチレン、(2,4−、2,5−、3,4−、3,5−)ジメチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、ビニルナフタレン等の核置換アルキルスチレン、(o−、m−、p−)クロロスチレン、(o−、m−、p−)ブロモスチレン、(o−、m−、p−)フルオロスチレン、o−メチル−p−フルオロスチレン等のハロゲン化スチレン、(o−、m−、p−)クロロメチルスチレン等のハロゲン化アルキルスチレン等が挙げられる。
【0009】
また、エチレン性不飽和カルボン酸無水物としては、例えば、コハク酸2−オクテン−1−イル無水物、コハク酸2−ドデセン−1−イル無水物、コハク酸2−オクタデセン−1−イル無水物、マレイン酸無水物、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、ブロモマレイン酸無水物、ジクロロマレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、1−ブテン−3,4−ジカルボン酸無水物、1−シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、exo −3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、endo−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸無水物等が挙げられる。
【0010】
前者の共重合体としては、前記スチレン系化合物と前記エチレン性不飽和カルボン酸無水物との二元または多元共重合体の外、さらに、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等のα−オレフィン、ブタジエン、イソプレン等のジエン化合物、環状オレフィン、環状ジエン等の環状ビニル化合物、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸化合物、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のエチレン性不飽和エステル化合物、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド等のエチレン性不飽和アミド化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のその他のエチレン性不飽和化合物等を共重合した三元以上の多元共重合体であってもよい。
また、これら共重合体の結合様式は、ランダム、ブロック、例えば、ジブロックやトリブロック以上のマルチブロック等、また、直鎖状ブロック、分岐状ブロック、放射状ブロック等、のいずれであってももよい。
また、ジエン化合物を含む共重合体においては、その水素添加物であってもよい。
これら共重合体の中では、スチレンと、エチレン性不飽和カルボン酸無水物、特にはマレイン酸無水物、との二元または多元共重合体が好ましく、これらの共重合体は、従来公知の、塊状、溶液、懸濁等の重合法により製造することができる。
【0011】
また、後者のグラフト体におけるスチレン系樹脂としては、前記共重合体において挙げたスチレン系化合物の単独または共重合体の外、前記共重合体において挙げた他の共重合可能な化合物との共重合体等が挙げられ、また、エチレン性不飽和カルボン酸無水物としては、前記共重合体において挙げたと同様のものが挙げられる。
これらグラフト体の中では、スチレン系樹脂に、エチレン性不飽和カルボン酸無水物、特にはマレイン酸無水物、をグラフトしたものが好ましく、これらのグラフト体は、従来公知の、溶融混練、溶液、懸濁等のグラフト化法により製造することができる。なお、グラフト化において、前記スチレン系化合物やエチレン性不飽和化合物等を共存させてもよい。
【0012】
本発明における(A)成分の前記カルボン酸無水物変性スチレン系樹脂としての前記エチレン性不飽和カルボン酸無水物単位の含有量は、0.1重量%以上、特には0.5重量%以上であるのが好ましく、変性スチレン系樹脂の数平均分子量とこの含有量との乗数をエチレン性不飽和カルボン酸無水物単位の分子量で除して求められる、変性スチレン系樹脂1分子当たりのカルボン酸無水物基としての平均結合数が、2個以上であることが必須である。ここで、この平均結合数が2個未満では、組成物としての架橋度が不十分となり、耐熱性において本発明の目的を達成することができない。
なお、本発明における(A)成分のカルボン酸無水物変性スチレン系樹脂としては、1分子当たりのカルボン酸無水物基としての前記平均結合数を満足する限り、変性スチレン系樹脂を未変性スチレン系樹脂で希釈したものであってもよい。
【0013】
本発明における(A)成分の前記カルボン酸無水物変性スチレン系樹脂のカルボン酸無水物基と結合して架橋を形成せしめる(B)成分の水酸基含有化合物としては、第1級炭素原子に結合した水酸基を有さず、第2級炭素原子に結合した水酸基を2個以上有するものであることが必須である。
ここで、第2級炭素原子に結合した水酸基が2個未満の場合は、組成物としての架橋度が不十分となり、耐熱性において本発明の目的を達成することができず、また、第2級炭素原子に結合した水酸基が2個以上であっても、第1級炭素原子に結合した水酸基を有する場合は、組成物としての架橋の解離が不十分となり、溶融流動性において本発明の目的を達成することができない。
【0014】
本発明における(B)成分としての前記水酸基含有化合物としては、具体的には、下記の一般式(I) で表される化合物が挙げられる。
【0015】
【化4】
【0016】
(式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の鎖状または環状アルキレン基を表し、aおよびbは0以上の整数を、cは1以上の整数を表す。)
【0017】
前記一般式(I) で表される化合物としては、具体的には、例えば、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,2−シクロペンタンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロオクタンジオール、1,5−シクロオクタンジオール、1,3,5−シクロヘキサントリオール、イノシトール等が挙げられ、中で、1,2−シクロペンタンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロオクタンジオール、1,5−シクロオクタンジオール、1,3,5−シクロヘキサントリオールが好ましい。
【0018】
また、(B)成分としての前記水酸基含有化合物として、下記の一般式(II)で表される化合物も挙げられる。
【0019】
【化5】
【0020】
(式中、R3 およびR6 は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の鎖状または環状アルキル基、アルコキシ基、または芳香族基を表し、R4 およびR5 は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の鎖状または環状アルキレン基、カルボニル基、芳香族基、またはオキシ基を表し、dおよびeは0以上の整数を、fは1以上の整数を表す。)
【0021】
前記一般式(II)で表される化合物としては、具体的には、例えば、2,3−ブタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,2,4,4−ペンタンテトロール等が挙げられ、中で、2,3−ブタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオールが好ましい。
【0022】
さらに、(B)成分としての前記水酸基含有化合物として、下記の一般式(III) で表される化合物も挙げられる。
【0023】
【化6】
【0024】
(式中、R7 およびR9 は、それぞれ独立して、炭素数5〜20の環状アルキレン基を表し、R8 は、炭素数1〜20の鎖状または環状アルキレン基、カルボニル基、芳香族基、またはオキシ基を表し、gおよびhは1以上の整数を表す。)
【0025】
前記一般式(III) で表される化合物としては、具体的には、例えば、4,4’−イソプロピリデン−ジシクロヘキサノール、α,α’−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−1,4−ジイソプロピルシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキサノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチルシクロヘキサノール)等が挙げられ、中で、4,4’−イソプロピリデン−ジシクロヘキサノール、α,α’−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−1,4−ジイソプロピルシクロヘキサンが好ましい。
【0026】
本発明のスチレン系樹脂組成物における(A)成分の前記カルボン酸無水物変性スチレン系樹脂と(B)成分の前記水酸基含有化合物との組成比としては、(A)成分のカルボン酸無水物基数に対する(B)成分の水酸基数の比が0.10〜5.00となるようにすることが必要であり、0.20〜2.00となるようにすることが好ましい。ここで、カルボン酸無水物基数に対する水酸基数の比が0.10未満では、組成物としての架橋度が不十分となり、耐熱性において満足できるものとはならず、また、5.00超過では、架橋の解離が不十分となり、溶融流動性において満足できるものとはならず、いずれも場合も本発明の目的を達成することができない。
【0027】
本発明のスチレン系樹脂組成物は、基本的には前記(A)成分と(B)成分からなるが、本発明の効果を損なわない範囲で、前記(A)、(B)成分以外の成分を含有していてもよく、具体的には、例えば、通常用いられる各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、造核剤、中和剤、滑剤、ブロッキング防止剤、分散剤、流動性改良剤、離型剤、難燃剤、着色剤、充填剤等を添加することができる。
【0028】
本発明のスチレン系樹脂組成物は、前記(A)成分と(B)成分を必須成分とし、その他の任意成分を加えて、各成分をヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、V型ブレンダー等により均一に混合した後、一軸または多軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、ブラベンダー等により溶融混練することにより調製することができる。
【0029】
以上による本発明のスチレン系樹脂組成物は、熱可塑性樹脂において通常用いられる成形法、即ち、射出成形、押出成形、中空成形、圧縮成形、回転成形等の各種成形法により溶融状態で所望の形状に賦形して架橋成形体とすることができ、また、使用済成形体の再利用時等においても、同様の成形法により溶融状態で所望の形状に再度賦形して架橋成形体とすることができる。
【0030】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
供試試料
(A)成分
▲1▼スチレン−マレイン酸無水物共重合体(赤外線吸収スペクトルにより測定したマレイン酸無水物単位の含有量15.0重量%、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した数平均分子量72,000、数平均分子量とマレイン酸無水物単位の含有量の乗数をマレイン酸無水物単位の分子量で除して求めた変性スチレン系樹脂1分子当たりのカルボン酸無水物基の平均個数110.1個、積水化成品社製、「ダイラーク332」);「SMA−1」と略記。
【0031】
▲2▼スチレン−マレイン酸無水物共重合体(赤外線吸収スペクトルにより測定したマレイン酸無水物単位の含有量8.6重量%、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した数平均分子量80,000、数平均分子量とマレイン酸無水物単位の含有量の乗数をマレイン酸無水物単位の分子量で除して求めた変性スチレン系樹脂1分子当たりのカルボン酸無水物基の平均個数70.2個、積水化成品社製、「ダイラーク232」);「SMA−2」と略記。
【0032】
▲3▼スチレン−マレイン酸無水物共重合体(赤外線吸収スペクトルにより測定したマレイン酸無水物単位の含有量35.0重量%、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した数平均分子量1,600、数平均分子量とマレイン酸無水物単位の含有量の乗数をマレイン酸無水物単位の分子量で除して求めた変性スチレン系樹脂1分子当たりのカルボン酸無水物基の平均個数5.7個、アルドリッチ社製、「No.:44,238−0」);「SMA−3」と略記。
【0033】
▲4▼スチレン−マレイン酸無水物共重合体(赤外線吸収スペクトルにより測定したマレイン酸無水物単位の含有量25.0重量%、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した数平均分子量1,900、数平均分子量とマレイン酸無水物単位の含有量の乗数をマレイン酸無水物単位の分子量で除して求めた変性スチレン系樹脂1分子当たりのカルボン酸無水物基の平均個数4.8個、アルドリッチ社製、「No.:44,240−2」);「SMA−4」と略記。
【0034】
▲5▼マレイン酸無水物グラフトスチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体の水素添加物(赤外線吸収スペクトルにより測定したマレイン酸無水物単位の含有量2.0重量%、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した数平均分子量58,000、数平均分子量とマレイン酸無水物単位の含有量の乗数をマレイン酸無水物単位の分子量で除して求めた変性スチレン系樹脂1分子当たりのカルボン酸無水物基の平均個数11.8個);「SMA−5」と略記。
【0035】
(B)成分
▲1▼1,4−シクロヘキサンジオール;「1,4−CHDO」と略記。
▲2▼1,3,5−シクロヘキサントリオール;「1,3,5−CHTO」と略記。
▲3▼4,4’−イソプロピリデンジシクロヘキサノール;「水添ビスフェノールA」と略記。
▲4▼α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼンの水添率60%の核水添物;「水添ビスフェノールP」と略記。
▲5▼1,10−デカンジオール;「1,10−DDO」と略記(比較例用)。
▲6▼1,4−シクロヘキサンジメタノール;「1,4−CHDM」と略記(比較例用)。
他成分
▲1▼フェノール系酸化防止剤(日本チバガイギー社製、「イルガノックス1076」)
【0036】
実施例1〜11、比較例1〜9
表1に示す(A)成分、(B)成分、およびその他成分を、ブラベンダープラストミル(東洋精機社製)により、200℃、50rpmで10分間溶融混練し、スチレン系樹脂組成物を調製した。
得られた組成物について、以下の方法で、ストランドの外観、および加熱変形率を評価し、結果を表1に示した。
【0037】
ストランド外観
290℃に設定したメルトインデクサーにおいて、荷重2.16kgを掛け4分45秒間保持した後、押し出し、その後、1分15秒後の押し出しストランドの外観を目視観察し、ストランドが略直線状であり表面に凹凸がないものを○、ストランド自体が蛇行すると共に表面に著しい凹凸が認められるものを×として評価した。
加熱変形率
JIS C3005(加熱変形)に準拠し、200℃でプレス成形した試験片につき、200℃、1kgfの条件で測定した。
【0038】
実施例12〜13
表1に示す(A)成分、(B)成分、およびその他成分を、ヘンシェンミキサーにて混合した後、二軸押出機(日本製鋼所社製、「TEX30」)により、シリンダー温度220℃、スクリュー回転数250rpm、吐出量16kg/hで溶融混練し、スチレン系樹脂組成物を調製した。
得られた組成物について、ストランドの外観、および加熱変形率を評価し、結果を表1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】
本発明は、架橋形成性と架橋解離性が高く優れた熱可逆架橋性を有し、耐熱性と溶融流動性に優れたスチレン系樹脂組成物を提供することができる。
従って、本発明のスチレン系樹脂組成物は、熱可塑性樹脂において通常用いられる成形法により溶融状態で所望の形状に賦形して架橋成形体とすることができ、また、使用済成形体の再利用時等においても、同様の成形法により溶融状態で所望の形状に再度賦形して架橋成形体とすることができる。
Claims (4)
- 下記の(A)および(B)成分
(A)1分子当たりのカルボン酸無水物基の平均結合数が2個以上のカルボン酸無水物変性スチレン系樹脂
(B)第1級炭素原子に結合した水酸基を有さず、第2級炭素原子に結合した水酸基を2個以上有する水酸基含有化合物
からなり、(A)成分のカルボン酸無水物基数に対する(B)成分の水酸基数の比が0.10〜5.00であることを特徴とするスチレン系樹脂組成物。
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