JP3619535B2 - エンジンの電気負荷量検出方法及び装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、バッテリー及びエンジンによって駆動されるオルタネータが負担する電気負荷の変動及び変動量を電源電圧の挙動により検出する電気負荷検出方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、エンジンに駆動されているオルタネータの負荷状態の検出方法としては、電気負荷別のON,OFF状態検出用の配線により、電気負荷を検出する方法が「NISSANブルーバード配線図集」(A107020)等で知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、各電気負荷に対して検出用の配線や入力回路が必要である事からコスト高となる問題点があった。また、投入される度に変動する様な不均一な電気負荷については、電気負荷の検出精度が悪いという問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、電気負荷量の変動に対する発電量の追従を徐々に行うオルタネータを備えたエンジンの電気負荷量検出方法であって、電源電圧の変化量を検出すると共に電源電圧の変化時間を検出し、該電源電圧の変化時間及び前記電源電圧の変化量に基づいて電気負荷量の変動を検出する、及び/又は、電気負荷量の変動量を算出することを特徴とするエンジンの電気負荷量検出方法によって解決される。
また、上記課題は、電気負荷量の変動に対する発電量の追従を徐々に行うオルタネータを備えたエンジンの電気負荷量検出方法であって、電源電圧を検出すると共に電源電圧の変化量を検出し、電源電圧が所定の電圧範囲以外のときに、前記電源電圧の変化量に基づいて電気負荷量の変動を検出する、及び/又は、電気負荷量の変動量を算出することを特徴とするエンジンの電気負荷量検出方法によっても解決される。
また、上記課題は、電気負荷量の変動に対する発電量の追従を徐々に行うオルタネータを備えたエンジンの電気負荷量検出装置であって、電源電圧を検出する電源電圧検出手段と、電源電圧の変化量を検出する手段と、電源電圧の変化時間を検出する手段とを有し、該電源電圧の変化時間及び前記電源電圧の変化量に基づいて電気負荷量の変動を検出する、及び/又は、電気負荷量の変動量を算出する手段とを有することを特徴とするエンジンの電気負荷量検出装置によっても解決される。
また、上記課題は、電気負荷量の変動に対する発電量の追従を徐々に行うオルタネータを備えたエンジンの電気負荷量検出装置であって、電源電圧を検出する電源電圧検出手段と、電源電圧の変化量を検出する手段を有し、前記電源電圧の変化量に基づいて電気負荷量の変動を検出する、及び/又は、電気負荷量の変動量を算出する手段とを有すると共にカウンタを有し、該カウンタ値を電源電圧が所定の電圧範囲から負の方向にずれたときには加算し、正の方向にずれたときには減算し、カウンタ値が所定値以下のとき電気負荷の変動量を所定値に書き換えることを特徴とする電気負荷検出装置によっても解決される。
また、上記課題は、電気負荷量の変動に対する発電量の追従を徐々に行うオルタネータを備えたエンジンの電気負荷量検出装置であって、電源電圧を検出する電源電圧検出手段と、電源電圧の変化量を検出する手段を有し、前記電源電圧の変化量に基づいて電気負荷量の変動を検出する、及び/又は、電気負荷量の変動量を算出する手段とを有すると共にカウンタを有し、該カウンタ値を電源電圧が所定の電圧範囲から負の方向にずれたときには加算し、正の方向にずれたときには減算し、カウンタ値が所定値以上のとき電気負荷の変動量を第2の所定値に書き換えることを特徴とする電気負荷検出装置によっても解決される。
【0006】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図によって説明する。図2はガソリンエンジンシステムの一例を示すもので、負荷変動の要因として、エアコン55,電気負荷168,パワーステアリング165を備えた例である。
【0007】
空気はダクト156を通りエアクリーナ161の出口部に設けられた空気流量計1に導かれる。この空気流量計1には例えば熱線式空気流量センサが使用される。この空気は、接続されたダクト160,空気流量を制御する絞り弁を有するスロットルボディ159及びスロットルボディをバイパスする様に設けられたアイドル状態での空気流量を制御するISCバルブ54を通り、コレクタ158に入る。ここで、空気はエンジンと直結する各吸気管164に分配され、シリンダ内に吸入される。
【0008】
燃料は燃料タンク155から燃料ポンプ52で吸引,加圧され燃料ダンパ153,燃料フィルタ152を通り、プレッシャレギュレータ154により一定圧力に調圧され、吸気管164に設けられたインジェクタ51から前記吸気管内に噴射される。
【0009】
空気流量計1からは、吸入空気量に相当する信号が出力される。また、ディストリビュータ157に内蔵されたクランク角センサ2からは、所定のクランク角毎にパルスが出力されこれらの出力は、コントロールユニット151に入力され、クランク角及びエンジン回転数が演算され、更に吸入空気量とエンジン回転数から充填効率に相当する基本燃料噴射パルス幅TPを求める。
【0010】
スロットルボディ159には絞り弁の開度を検出するスロットルセンサ4がとれつけられており、このセンサ信号はコントロールユニット151に入力され、絞り弁の全閉位置の検出や加速の検出等を行う。
【0011】
エンジン本体162には、冷却水温を検出するための水温センサ6が取り付けられており、このセンサ信号は、コントロールユニット151に入力され、エンジン162の暖機状態を検出し、燃料噴射量の増量や点火時期の補正及びラジエータファン56のON/OFFやアイドル時の目標回転数の設定を行う。
【0012】
空燃比センサ5は、エンジンの排気管に装着されており排気ガスの酸素濃度に応じた信号を出力するものである。この信号はコントロールユニット151に入力され、目標A/Fになるように、燃料噴射パルス幅を調整する。
【0013】
コントロールユニット151は、図3に示すように、CPU101,ROM102,RAM103,バックアップRAM104,割り込みコントローラ105,タイマー106,入力処理回路107,出力処理回路108で構成され、それらは、バス109により結ばれている。前記CPU101は、入力処理回路で処理された様々な情報をもとに、リードオンリーメモリーROM102に記憶されているプログラムに基づき、ランダムアクセスメモリーRAM103及びイグニッションキー9OFF時も記憶内容を保持可能なバックアップRAM104を用いて処理を行う。この際、タイマー106や入力処理回路107からの情報をもとに割り込みコントローラ105より発せられる割り込み命令により割り込み処理も適時行う。
【0014】
また電気負荷168,エアコン55,パワーステアリング165等の電気負荷が消費する電力を電源となるバッテリー8に接続されたオルタネータ167で発電する。このオルタネータ167は電気負荷変動に対する発電量の追従制御を徐々に行う負荷応答制御を行っている。この場合において負荷応答制御により負荷が増加変動時に徐々に発電量を追従させ、減少するときには、直ちに発電量を追従させる構成となっており、このオルタネータを持つ電源装置はエンジンに加わる負荷の変動を緩やかにし回転変動を防止する特徴がある。また、図1に示す様に電気負荷変動時に電源電圧変動が生じる。電気負荷OFF時に負荷応答制御を行わないオルタネータを持つシステムの場合は、電気負荷OFF時の電源電圧変動が小さなものとなる。電源電圧は、コントロールユニット151の図3に示すバッテリー8と入力処理回路107によりも測定する。
【0015】
その他負荷の変動の検出及び負荷の変動量の算出の為、パワーステアリング
165の負荷検出の為のパワステスイッチ13を用いたエンジンの外部負荷検出や、エアコン55やラジエーターファン56のON/OFF制御もコントロールユニット151で行っている。
【0016】
次に、上記構成による本実施例の作動内容について説明する。図4に本発明をマイクロコンピュータのプログラムで実現する為のフローチャートの一例を示す。10ms毎に起動されるプログラムでステップ201からステップ206まで順に演算される。ここでは、ステップ201でエンジン回転数Nの演算,ステップ202で吸入空気量Qaの演算,ステップ203で基本パルス幅Tpの演算を行う。次にステップ204でTiを演算する。更にステップ205では、Nと
Tpにより進角マップ検索を行い、基本進角ADVMの演算を行う。ステップ
206では水温で図7に示す目標回転テーブルを検索した結果求まる目標回転数と実際の回転数との差ΔN1を求め図8のテーブルを参照する事により求まるフィードバック分、及び、オルタネータ負荷やエアコン負荷の変動等に応じて求まる電気負荷の変動量に対応する補正量ISCELからエンジン制御のためのパラメータの例とするアイドル時の吸入空気量を定めるパラメータであるISCデューティISCDTYを補正,演算する。尚、エンジン制御のパラメータとしては、この他に点火時期,燃料噴射量,吸入空気量、等を定めるパラメータでも良い。
【0017】
ステップ206の負荷状態の構成要素の一つである電気負荷の変動の検出及び電気負荷の変動量を算出するプログラムの一例を図5に示す。このプログラムは10ms毎に処理される。まず、ステップ301で電気負荷ON判定電圧よりも電源電圧が低い時は、電気負荷ONされたと判断,検出しステップ302で電気負荷補正量ISCELに増加量DISCEL1 を加算する。また、ステップ301で電源電圧が電気負荷ON判定電圧以上の時はステップ303に進む。ステップ303では、電気負荷OFF判定電圧よりも電源電圧が高い場合ステップ,電圧負荷がOFFされたと判断し、304で電気負荷補正量ISCELから減少量DISCEL2を減算する。また、ステップ303で電源電圧が電気負荷ON判定電圧以下の時は処理を終了する。ここで、電気負荷OFF時に負荷応答制御を行わないオルタネータを持つシステムでは、DISCEL2 を大きく設定する事により対応が可能である。
【0018】
次に、前記実施例に対し、電気負荷の検出精度を向上する場合のプログラムの一例を図6に示す。まず、ステップ401でDISCEL1及びDISCEL2を求める。次にステップ402で電気負荷ON判定電圧よりも電源電圧が低い場合、電気負荷がONされたと判断し、ステップ403で電気負荷状態フラグELONが1の場合ステップ404に進む。また、ステップ403で電気負荷状態フラグELONが0の場合ステップ407で電気負荷カウンタELCNTに1を加算し、ステップ408で電気負荷状態フラグELONを1、ELOFFを0としステップ404へ進む。ステップ404は、電気負荷カウンタELCNTが電気負荷の最大個数付近に設定されるELCNTMX 以上の時、ステップ405で電気負荷量ISCELを電気負荷量最大値ISCELMX とし処理を終了する。また、ステップ404で電気負荷カウンタELCNTが電気負荷の最大個数付近に設定されるELCNTMX より小さい時、ステップ406で電気負荷量ISCELに増加量DISCEL1 を加算し、処理を終了する。次に、ステップ402,409で電源電圧が電気負荷ON判定電圧以上で電気負荷OFF判定電圧よりも高いとき、電気負荷がOFFされたと判断し、ステップ410で電気負荷状態フラグELONが1の場合ステップ411に進む。ステップ410で電気負荷状態フラグELOFFが0の場合ステップ414で電気負荷カウンタELCNTから1を減算し、ステップ415で電気負荷状態フラグELONを0、ELOFFを1としステップ411へ進む。ステップ411は、電気負荷カウンタELCNTが0の時、ステップ412で電気負荷量ISCELを0とし処理を終了する。また、ステップ411で電気負荷カウンタELCNTが0でない時、ステップ413で電気負荷量ISCELから減少量DISCEL2 を減算し、処理を終了する。次にステップ402,409で電源電圧が電気負荷ON判定電圧以上で電気負荷OFF判定電圧以下のとき、電気負荷変動無しと判断し、ステップ416で電気負荷状態フラグELON及びELOFFを共に0とし処理を終了する。
【0019】
上記手段により電気負荷検出用の配線や入力回路の廃止が可能となりエンジン制御システムのコストダウンが図れる。また、負荷投入の度に変動する電気負荷の検出が可能となる為、電気負荷量の精度が向上し、負荷補正を適量行う事が可能となるため、エンジンの振動やハンチング等を防止しつつ、負荷変動によるエンジンの回転変動に対する補正を、遅れる事なく、且つ、適量に行うことが可能となり、負荷変動による回転変動を抑制する効果がある。また、負荷変動回数をカウントする事を組み合わせて行う事により電気負荷量の初期設定が可能となる為、より高い効果を得る事ができる。
【0020】
【発明の効果】
電気負荷検出用の配線や入力回路を使わずに、電気負荷量の変動を検出、及び/または電気負荷量の変動量を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すチャート図である。
【図2】本発明の一実施例を示すシステム構成図である。
【図3】本発明の一実施例を示すコントロールユニットのブロック図である。
【図4】本発明の一実施例のフローチャートである。
【図5】本発明の一実施例のフローチャートである。
【図6】本発明の一実施例のフローチャートである。
【図7】アイドル時ISC制御に関する説明の為の特性図である。
【図8】アイドル時ISC制御に関する説明の為の特性図である。
【符号の説明】
2…クランク角センサ、8…バッテリー、9…イグニッションキー、11…エアコン負荷センサ、13…パワーステアリング負荷センサ、51…インジェクタ、54…ISCバルブ、55…エアコンクラッチ、157…ディストリビュータ、162…エンジン、165…パワーステアリングポンプ、167…オルタネータ、170…クランクプーリー。
Claims (8)
- 電気負荷量の変動に対する発電量の追従を徐々に行うオルタネータを備えたエンジンの電気負荷量検出方法であって、電源電圧の変化量を検出すると共に電源電圧の変化時間を検出し、該電源電圧の変化時間及び前記電源電圧の変化量に基づいて電気負荷量の変動を検出する、及び/又は、電気負荷量の変動量を算出することを特徴とするエンジンの電気負荷量検出方法。
- 請求項1において、前記オルタネータは、電気負荷量の増加に対する発電量の追従を徐々に行い、電気負荷量の減少に対しては、直ちに発電量の追従を行うオルタネータであることを特徴とするエンジンの電気負荷量検出方法。
- 電気負荷量の変動に対する発電量の追従を徐々に行うオルタネータを備えたエンジンの電気負荷量検出方法であって、電源電圧を検出すると共に電源電圧の変化量を検出し、電源電圧が所定の電圧範囲以外のときに、前記電源電圧の変化量に基づいて電気負荷量の変動を検出する、及び/又は、電気負荷量の変動量を算出することを特徴とするエンジンの電気負荷量検出方法。
- 請求項1から請求項3のいずれかにおいて、前記検出された電気負荷量の変動、及び/又は、前記算出された電気負荷量の変動量に基づいてエンジン制御パラメータを補正することを特徴とするエンジンの電気負荷量検出方法。
- 請求項4において、前記エンジン制御パラメータは、アイドル時の吸入空気量を定めるパラメータであることを特徴とするエンジンの電気負荷量検出方法。
- 電気負荷量の変動に対する発電量の追従を徐々に行うオルタネータを備えたエンジンの電気負荷量検出装置であって、電源電圧を検出する電源電圧検出手段と、電源電圧の変化量を検出する手段と、電源電圧の変化時間を検出する手段とを有し、該電源電圧の変化時間及び前記電源電圧の変化量に基づいて電気負荷量の変動を検出する、及び/又は、電気負荷量の変動量を算出する手段とを有することを特徴とするエンジンの電気負荷量検出装置。
- 請求項6において、前記オルタネータは、電気負荷量の増加に対する発電量の追従を徐々に行い、電気負荷量の減少に対しては、直ちに発電量の追従を行うオルタネータであることを特徴とするエンジンの電気負荷量検出装置。
- 電気負荷量の変動に対する発電量の追従を徐々に行うオルタネータを備えたエンジンの電気負荷量検出装置であって、電源電圧を検出する電源電圧検出手段と、電源電圧の変化量を検出する手段を有し、前記電源電圧の変化量に基づいて電気負荷量の変動を検出する、及び/又は、電気負荷量の変動量を算出する手段とを有すると共にカウンタを有し、該カウンタ値を電源電圧が所定の電圧範囲から負の方向にずれたときには加算し、正の方向にずれたときには減算し、カウンタ値が所定値以下のとき電気負荷の変動量を所定値に書き換えることを特徴とする電気負荷検出装置。
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- 1994-02-14 JP JP01709994A patent/JP3619535B2/ja not_active Expired - Fee Related
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