JP3615904B2 - 固形状水中油型乳化化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、携帯に便利なコンパクト状等の容器に充填して提供することができ、パフへのとれ、及び塗布時の伸び、清涼感に優れた使用感を有し、十分な保湿効果を発揮し、しかも化粧持ちの良好な固形状の水中油型乳化化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
ファンデーション等の固形化粧料は、携帯に便利であり、従来より良く使用されている。しかしながら、この固形化粧料は従来、パウダータイプ,油性タイプ等、非水系のものが殆どであり、水を含有したものは少なかった。近年、シリコーン油,固形ワックス及び/又はオイルゲル化剤,水分,ポリオキシエチレン付加オルガノポリシロキサン及び/又は親油性界面活性剤を含有する固形状油中水型乳化化粧料(USP5,362,482)等が開示され、固形状油中水型乳化粧料も何種類か上市されている。この油中水乳化型化粧料は、皮膚への親和性、皮膚の保護や柔軟性の維持などの点では優れているが、べたつきや油っぽさといった使用感上好ましくない性状をも有していた。
【0003】
一方、水中油型乳化化粧料は、独特の清涼感を有し、保湿性に優れ、自然な仕上がりが得られる等好ましい性質を多く有しているが、一般に流動性を有し、コンパクト容器等の容器形態で提供するには不向きであった。
【004】
この水中油型乳化化粧料を固形状とする試みもいくつかなされており、ι−カラギーナンとキサンタンガム及び/又はローカストビーンガムを併用したり(特開平4−279509)、寒天,ゼラチン,ケイ酸ナトリウムマグネシウム等の水溶性固化剤と、セルロース誘導体,アルギン酸ナトリウム,カラギーナン,キサンタンガムといった天然高分子やポリビニルアルコール,カルボキシビニルポリマー,ポリアクリル酸ナトリウムといった合成高分子等の水溶性粘結剤とを併用する(特開平5−178723)等により水相の固形化が検討されている。
【0005】
我々は以前に、水,合成ケイ酸ナトリウムマグネシウム,ステアリン酸セッケン及び高級脂肪族アルコールを配合した固形状水中油型乳化化粧料(特開平3−141211)、水,脂肪酸セッケン,高級脂肪族アルコール及びカラギーナンを含有してなる固形状水中油型乳化化粧料(特開平8−245363)、及び水,界面活性剤,油,及びβ−1,3−グルカンを含有してなる固形状水中油型乳化化粧料(特開平8−291021)を開示している。これらの化粧料は、使用時に水中油型乳化化粧料特有の清涼感を有し、経時安定性も良好であるが、パフへのとれ,肌上での伸び等の使用感及び化粧持ちにおいて、満足できるものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、携帯に便利なコンパクト状等の容器に充填して提供することができ、パフへのとれ、肌上での伸び、さっぱり感に優れた使用感を有し、しかも化粧持ちの良好な固形状の水中油型乳化化粧料を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために研究を重ねた結果、表面張力が25以下の油分,炭化水素ワックス,プロピレングリコール及びその誘導体,親水性ノニオン界面活性剤,及び水を配合することにより、目的の固形状水中油型乳化化粧料を得ることができた。より詳しくは、表面張力25以下の油分,炭化水素ワックスとプロピレングリコール及びその誘導体類を併用し、親水性ノニオン界面活性剤を用いて水中に分散させることにより、塑性構造を有し、応力を加えると乳液状に変化し得る、固形状の水中油型乳化化粧料を得ることができた。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる表面張力が25以下の油分としては、化粧料にて一般に用いられている油分の内、表面張力が25以下の油分であれば特に種類は問わないが、肌馴染み及び伸びの良さの点からシリコーン油類が、化粧持ちの点からパーフルオロポリエーテル類が、両者の性質を兼ね備えた油分としてフッ素変性シリコーンが好ましい。表面張力が25以下の油分は、1種又は2種以上を選択して用いることができ、全組成物中に1〜30重量%配合することが好ましく、1〜15重量%配合することが化粧持ち及び使用感の面から好ましい。
【0009】
表面張力が25以下のシリコーン油類としては、ジメチルポリシロキサン,メチルフェニルポリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン等の鎖状又は環状のシリコーン油が挙げられる。このシリコーン油は、揮発性でも不揮発性でも良いが、使用後の清涼感の点から、油分の全量又は一部を揮発性シリコーン油とすることが好ましい。
【0010】
表面張力が25以下のパーフルオロポリエーテル類としては、次の一般式(1)で示されるものが好ましい。
【化1】
(式中、R1,R3,R4,及びR5は同一でも異なっても良く、それぞれフッ素原子、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルキルオキシ基を、R2はフッ素原子又はパーフルオロアルキル基を、p,q及びrは分子量が300〜100,000となる0以上の数を示す。但しp=q=r=0となることはない。)
【0011】
なお、ここで()内に示される各パーフルオロ基はこの順で並んでいる必要はなく、またランダム重合でもブロック重合でもかまわない。かかるパーフルオロポリエーテルとしては、例えば次の一般式(2)で示されるものが好ましい。
【化2】
(式中、m及びnは分子量が500〜10,000となる数を示し、n/mは0.2〜2である)より具体的には、例えばFOMBLIN HC−04(平均分子量1,500:モンテフロス社製品名)、FOMBLIN HC−25(平均分子量3,200:モンテフロス社製品名)、及びFOMBLIN HC−R(平均分子量6,600:モンテフロス社製品名)が挙げられる。
【0012】
また、次の一般式(3)で示されるものも好ましい。
【化3】
(式中、sは4〜500の数を示す。)より具体的には、例えばテムナムS−20(重量平均分子量25,000:ダイキン工業社製品名),テムナムS−65(重量平均分子量45,000:ダイキン工業社製品名),テムナムS−100(重量平均分子量5,600:ダイキン工業社製品名),及びテムナムS−200(重量平均分子量8,400:ダイキン工業社製品名)が挙げられる。
【0013】
その他、パーフルオロデカリン,パーフルオロアダマンタン,パーフルオロブチルハイドロフラン,パーフルオロペンタン,パーフルオロオクタン,パーフルオロノナン,パーフルオロデカン,パーフルオロドデカン等のパーフルオロアルカンが挙げられる。
【0014】
本発明で使用されるフッ素変性シリコーンとしては、重合度2〜200のフッ素変性シリコーン、市販品である旭硝子社製のFSL−300,FSL−400、信越化学工業社製のX−22−819,X−22−820,X−22−821,X−2及びFL−100、東レダウコーニング社製のFS1265等を挙げることができる。
【0015】
本発明で用いられる炭化水素ワックスとしては、融点が50℃以上で、炭素数20〜70の炭化水素を主成分とするものが好ましい。具体的には、パラフィンワックス,マイクロクリスタリンワックス,キャンデリラワックス,セレシンワックス,オゾケライト等が例示される。
【0016】
本発明では、他の油性成分として、アボカド油,アルモンド油,オリーブ油,ゴマ油,サザンカ油,サフラワー油,大豆油,ツバキ油,トウモロコシ油,ナタネ油,パーシック油,ホホバ油,ヒマシ油,マカデミアンナッツ油,綿実油,落花生油,カカオ脂,パーム油,パーム核油,モクロウ,ヤシ油,硬化大豆油,硬化ヒマシ油,カルナウバロウ等の植物性油脂類、タートル油,ミンク油,卵黄油,牛脂,豚脂,オレンジラフィー油,スクワレン,ミツロウ,鯨ロウ,ラノリン等の動物性油脂類、流動パラフィン,ワセリン,スクワラン,プリスタン等の炭化水素類、ラウリン酸,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,ベヘン酸,オレイン酸,12−ヒドロキシステアリン酸,ウンデシレン酸,ラノリン脂肪酸等の脂肪酸類、ラウリルアルコール,セタノール,ステアリルアルコール,オレイルアルコール,2−ヘキシルデカノール,イソステアリルアルコール,2−オクチルドデカノール,コレステロール,フィトステロール,ラノリンアルコール等の脂肪族高級アルコール類又はステロール類、ミリスチン酸イソプロピル,パルミチン酸イソプロピル,ステアリン酸ブチル,ラウリン酸ヘキシル,ミリスチン酸ミリスチル,オレイン酸オレイル,オレイン酸デシル,ミリスチン酸オクチルドデシル,ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル等のエステル類等、化粧料,医薬部外品用等として用いられる油性成分を配合することができる。
【0017】
本発明で使用される親水性ノニオン界面活性剤は、HLB値が8以上で化粧料に一般的に使用される親水性ノニオン界面活性剤であれば特に種類は問わず、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンステロール・水素添加ステロール類、ポリオキシエチレン脂肪酸エーテル類、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エーテル類、ポリオキシエチレン脂肪酸フェニルエーテル類、ポリオキシエチレンラノリン・ラノリンアルコール類、ポリオキシアルキレン変性シリコーン類等より選択した1種又は2種以上を使用することができる。本発明において、親水性ノニオン界面活性剤は固形状水中油型乳化化粧料総量に対して、0.1〜10重量%、より望ましくは0.5〜5重量%配合することが好ましい。
【0018】
親水性ノニオン界面活性剤の中でも、表面張力25以下の油分との相溶性の点から、HLB値8以上の親水性ポリオキシアルキレン変性シリコーン類が好ましい。この様な親水性ポリオキシアルキレン変性シリコーン類として例えば、信越化学工業からKF−6011,KF−6012,KF−615A,KF−351A,KF−355A等が、日本ユニカーからFZ−4150,L−7002等が、東レダウコーニングからSH−3771C,SH3772C,SH3746等が市販されている。
【0019】
本発明で用いられるプロピレングリコール及びその誘導体類としては、下記の一般式(4)
【化4】
(式中aは1〜50の整数を示す)で示されるプロピレングリコール又はポリプロピレングリコールの他、ポリオキシプロピレン(10PO)オレイルエーテル,ポリオキシプロピレン(10PO)グリセリルエーテル,ポリオキシプロピレングリセリルエーテルリン酸,ポリオキシプロピレン(3PO)硬化ヒマシ油,ポリオキシプロピレン(5PO)硬質ラノリン,ポリオキシプロピレン(8PO)ジグリセリルエーテル,ポリオキシプロピレン(9PO)ジグリセリルエーテル,ポリオキシプロピレン(14PO)ジグリセリルエーテル,ポリオキシプロピレン(11PO)ステアリルエーテル,ポリオキシプロピレン(15PO)ステアリルエーテル,ポリオキシプロピレン(10PO)セチルエーテル,ポリオキシプロピレンセチルエーテルリン酸,ポリオキシプロピレンソルビット,ポリオキシプロピレン(8PO)ソルビトール・ヒマシ油,ポリオキシプロピレン(2PO)ブチルエーテル,ポリオキシプロピレン(4PO)ブチルエーテル,ポリオキシプロピレン(12PO)ブチルエーテル,ポリオキシプロピレン(15PO)ブチルエーテル,ポリオキシプロピレン(17PO)ブチルエーテル,ポリオキシプロピレンブチルエーテルリン酸,ポリオキシプロピレン(3PO)ミリスチルエーテル,ポリオキシプロピレン(4PO)ミリスチルエーテル,ポリオキシプロピレン(2PO)メチルエーテル,ポリオキシプロピレン(3PO)メチルエーテル,ポリオキシプロピレンメチルグルコシド,ポリオキシプロピレン(20PO)メチルグルコシドエーテル酢酸エステル,ポリオキシプロピレンメチルポリシロキサン共重合体,ポリオキシプロピレン(4PO)ラウリルエーテル,ポリオキシプロピレン(2PO)ラノリンアルコールエーテル,ポリオキシプロピレン(5PO)ラノリンアルコールエーテル,ポリオキシプロピレン(10PO)ラノリンアルコールエーテル等から選択された1種又は2種以上を用いることができる。これらのプロピレングリコール及びその誘導体類の中でも、ジプロピレングリコール,ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルから選択された1種又は2種以上が、塑性構造の維持及び応力を加えることによる乳液状への変化の面で好ましく用いられる。
【0020】
本発明において、水は固形状水中油型乳化化粧料総量に対して、20〜80重量%配合することができ、その清涼感の点から30〜80重量%配合することが好ましい。水の含有量が20重量%未満では清涼感に欠ける使用感となり、また80重量%を超えると固形状の外観を保つのが困難になる。
【0021】
本発明の固形状水中油型乳化化粧料に粉体を分散させて配合することにより、ファンデーションなどのメイクアップ化粧料を得ることができる。ここで用いられる粉体としては、化粧料に一般的に使用される粉体であれば特に限定されず、必要に応じて1種又は2種以上を組み合わせて使用する。例えば、タルク,カオリン,雲母,セリサイト,合成雲母,バーミキュライト,炭酸マグネシウム,炭酸カルシウム,ケイ酸アルミニウム,ケイ酸バリウム,ケイ酸カルシウム,ケイ酸マグネシウム,ケイ酸ストロンチウム,無水ケイ酸,ゼオライト,硫酸バリウム,焼石膏,リン酸カルシウム,フッ素アパタイト,ヒドロキシアパタイト,セラミックパウダー,窒化ホウ素等の無機粉体、ミリスチン酸亜鉛,パルミチン酸カルシウム,ステアリン酸マグネシウム,ステアリン酸アルミニウム等の金属セッケン、ナイロン末,ポリエチレン末,ポリメタクリル酸メチル末,ポリスチレン末,スチレンアクリル酸共重合体末,セルロース末等の有機粉体、二酸化チタン,酸化亜鉛等の無機白色顔料、ベンガラ,チタン酸鉄,γ−酸化鉄,黄酸化鉄,黄土,黒酸化鉄,カーボンブラック,低次酸化チタン,マンゴバイオレット,コバルトバイオレット,酸化クロム,水酸化クロム,チタン酸コバルト,群青,コンジョウ等の無機着色顔料、酸化チタン被覆マイカ,酸化鉄被覆マイカ,酸化チタン・酸化鉄被覆マイカ,酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス,着色酸化チタン被覆マイカ,オキシ塩化ビスマス,魚鱗箔等のパール顔料、アルミニウム末,銅末等の金属粉末顔料、赤色201号,赤色202号,赤色204号,赤色205号,赤色220号,赤色226号,赤色228号,赤色405号,橙色203号,橙色204号,黄色205号,黄色401号,青色404号等の有機色素、赤色3号,赤色104号,赤色106号,赤色227号,赤色230号,赤色401号,赤色505号,橙色205号,黄色4号,黄色5号,黄色202号,黄色203号,緑色3号,青色1号等の有機色素及びこれらのジルコニウム,バリウム,又はアルミニウムレーキ顔料、クロロフィル,β−カロチン,シコニン,カーサミン等の天然色素等が例示される。
【0022】
また、これらの粉体をシリコーン化合物,フッ素化合物,金属セッケン,ワックス,油脂,炭化水素等で疎水化処理を行って配合しても良い。疎水化処理の中でも、シリコーン化合物又はフッ素化合物により被覆処理した粉体は、水中油型乳化化粧料に配合した場合、良好な化粧持ちが得られ好ましい。
【0023】
粉体の疎水化処理に使用し得るシリコーン化合物としては、メチルハイドロジェンポリシロキサン,鎖状ジメチルポリシロキサン,メチルフェニルポリシロキサン,環状ジメチルポリシロキサン,アルキル変性ジメチルポリシロキサン,パーフルオロアルキル変性ジメチルポリシロキサン,パーフルオロアルキル基を有するフッ素変性オルガノ水素ポリシロキサン等が挙げられる。シリコーン化合物による疎水化処理方法は通常の表面被覆処理に用いられる方法であればどんなものでも良く、例えば特公昭34−2648に記載されているように粉体表面にシリコーン化合物を被覆する方法、特公昭45−2915に記載されているように粉体とメチルハイドロジェンポリシロキサンを混合し100℃以上に加熱してシリコーン化合物を被覆する方法、メカノケミカル的手法を用いて粉体表面にシリコーン化合物を被覆する方法、特開昭63−113082に記載されているように気相法を用いてシリコーン化合物を被覆する方法等が挙げられ、これらの処理方法を単独で又は複数組み合わせて用いる。
【0024】
また、フッ素化合物による疎水化処理剤としては、パーフルオロアルキル基含有リン酸エステル(米国特許第3632744)、フルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩のモノエステル体及びジエステル体(特開昭62−250074)、パーフルオロアルキル基を有する樹脂(特開昭55−167209)、四フッ化エチレン樹脂,パーフルオロアルコール,パーフルオロエポキシ化合物,スルホアミド型フルオロリン酸,パーフルオロ硫酸塩,パーフルオロカルボン酸塩,パーフルオロアルキルシラン(特開平2−218603)等を用いることができる。フッ素化合物による処理方法は、粉体の1種又は2種以上の混合物と処理剤とを混合するか、粉体に処理剤を噴霧すること及び更に必要により、これらの方法により得られた処理粉末を加熱又は焼付け処理すること等、通常行われる方法により実施される。例えば、特公平5−86984に記載された処理方法が用いられる。すなわち、フルオロアルキルジ(オキシエチル)アミンリン酸エステル群の1種又は2種以上の化合物の水溶液中に粉体を浸漬し、乾燥後粉砕する方法がある。
【0025】
これらの粉体は、全組成物中に1.0〜40.0重量%、特に5.0〜30.0重量%配合することが好ましい。
【0026】
本発明の固形状水中油型乳化化粧料には上記成分以外にも、グリセリン,1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール、アミノ酸類,ムコ多糖類といった保湿剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、殺菌剤、抗炎症剤、防腐剤、香料など一般的に化粧料に用いられる添加成分を配合することができる。
【0027】
そして、本発明にかかる固形状水中油型乳化化粧料は、化粧下地クリーム,ファンデーション,アイカラー,チークカラー等のメイクアップ化粧料製剤として提供することができ、さらにコンパクトタイプのクリームなど皮膚化粧料にも応用することができる。
【0028】
【実施例】
さらに本発明の特徴について、実施例により詳細に説明する。
【0029】
製法:(1)〜(4)の成分を混合し、80℃に加熱してホモミキサーで予備分散させる。(5)〜(7)の成分を80℃に加熱して添加して乳化後、冷却し60℃でコンパクト容器に充填する。
【0030】
製法:(1)〜(4)の成分を混合し、80℃に加熱してホモミキサーで予備分散させる。(5)〜(7)の成分を80℃に加熱して添加して乳化後、冷却し60℃でコンパクト容器に充填する。
【0031】
製法:(1)〜(9)の成分を混合し、80℃に加熱してホモミキサーで予備分散させる。(10)〜(12)の成分を80℃に加熱して添加して乳化後、冷却し60℃でコンパクト容器に充填する。
【0032】
製法:(1)〜(9)の成分を混合し、80℃に加熱してホモミキサーで予備分散させる。(10)〜(12)の成分を80℃に加熱して添加して乳化後、冷却し60℃でコンパクト容器に充填する。
【0033】
製法:(1)〜(10)の成分を混合し、80℃に加熱してホモミキサーで予備分散させる。(11)及び(12)の成分を80℃に加熱して添加して乳化後、冷却し60℃でコンパクト容器に充填する。
【0034】
製法:(1)〜(5)の成分を混合し、80℃に加熱してホモミキサーで予備分散させる。(6)〜(8)の成分を80℃に加熱して添加して乳化後、冷却し60℃でコンパクト容器に充填する。
【0035】
製法:(1)〜(7)の成分を混合し、80℃に加熱してホモミキサーで予備分散させる。(8)〜(10)の成分を80℃に加熱して添加して乳化後、冷却し60℃でコンパクト容器に充填する。
【0036】
製法:(1)〜(8)の成分を混合し、80℃に加熱してホモミキサーで予備分散させる。(9)及び(10)の成分を80℃に加熱して添加して乳化後、冷却し60℃でコンパクト容器に充填する。
【0037】
本発明の実施例について、安定性及び使用性の検討を行った。まず安定性は、容器に充填した後25℃に静置し、離水などの状態の変化を経時的に観察して評価した。その際、表1に示した比較例についても同時に検討した。評価は次に示す判断基準により行い、結果を表2に示した。
【0038】
【表1】
【0039】
[判断基準]
○;離水や水分蒸発によるひび割れなどの状態変化が全く認められない。
△;離水或いは水分蒸発によるひび割れが僅かに認められる。
×;離水或いは水分蒸発によるひび割れが明確に認められる。
【0040】
【表2】
【0041】
表2より明らかなように、本発明の実施例では、いずれにおいても3ヶ月経過後でも離水や水分蒸発による固形状水中油型乳化化粧料表面のひび割れは全く認められず、良好な乳化及び固形状態が保持されていた。これに対し、比較例2,比較例3,比較例5及び比較例6では1週間後に離水などが見られ始め、比較例1,比較例4,比較例7及び比較例8でも1ヶ月後には離水などが進行し、製品価値を失っていた。
【0042】
一方、使用性は20〜50才の女子パネラー20名による官能評価により評価した。官能評価は表3に示す評価基準により行わせて点数化し、20名の平均値を算出して表4に示した。
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
表4より明らかなように、本発明の実施例1〜実施例8では、いずれもパフへのとれ易さ、清涼感、化粧持ちにおいて良好な結果が得られており、伸びも平均的であった。これに対し、比較例1〜比較例8においては、パフへのとれが悪く、伸びもあまり良好な結果は得られなかった。また、本発明の実施例にかかる固形状水中油型乳化化粧料を使用したパネラーにおいて、皮膚刺激性,皮膚感作性及び眼粘膜刺激性を認めたものはいなかった。
【0046】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明により、携帯に便利なコンパクト状等の容器に充填して提供することができ、パフへのとれ、及び塗布時の伸び、清涼感に優れた使用感を有し、しかも化粧持ちの良好な固形状の水中油型乳化化粧料を得ることができた。
Claims (3)
- シリコーン油,パーフルオロポリエーテル及びフッ素変性シリコーン油より選択される1種又は2種以上,炭化水素ワックスより選択される1種又は2種以上,プロピレングリコール,ジプロピレングリコール,ポリプロピレングリコール,ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルから選択された1種又は2種以上,HLB値8以上のポリオキシアルキレン変性シリコーンより選択される1種又は2種以上,及び水を配合してなる固形状水中油型乳化化粧料。
- さらに粉体を配合してなる請求項1に記載の固形状水中油型乳化化粧料。
- 疎水化処理粉体を配合してなる請求項1又は請求項2に記載の固形状水中油型乳化化粧料。
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