JP3612229B2 - 給紙装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
発明は、自動給紙装置を有する例えば画像読取り装置などにおける下取出し方式の給紙装置に関し、特に、給紙する原稿や単票などの用紙分離性能を向上するとともに、用紙セット時に特別の前操作を不要にして操作性を向上する給紙装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、画像読取り装置において、大量の原稿を自動的に搬送して読取る場合は自動給紙装置を有している。自動給紙装置は、シュータ上に積載された複数枚の用紙を所定の準備位置まで移動させるピック機構と、準備位置に置かれた用紙を1枚宛取り込む分離機構と、用紙を搬送するフィード機構と、読取り後の用紙をスタッカや装置外部などに排出する排出機構とを備えている。また、上記の自動給紙装置は、近年においては、一般にマイクロプロセッサによって制御されている。
【0003】
図27は従来技術の図を示すものである。同図において、ピックローラ72と分離ローラ73とはギア83を介して同一方向に連動可能に形成するとともに、ギア79を介してフィードローラ74とも連動可能に形成されている。そして、ピックローラ72には付圧アーム81を、分離ローラ73には分離パッド80を各々摺接させるとともに、ピックローラ72と分離ローラ73との間の給紙通路にはゲート84を介装させている。
【0004】
前記付圧アーム81は、シュータ71にセットされた用紙を確実に搬送するために設けたものであり、バネ部材で形成され、その一端は図示しないフレームに固着され、他端は押圧力を持って用紙の上からピックローラ72の方向に押圧されており、この押圧力が作用してピックローラ72との間の摩擦力によって用紙を取り込み、分離ローラ73へと搬送するものである。
【0005】
また、前記ゲート84は、用紙を確実に搬送するために数枚程度の用紙が通過可能なように給紙通路の用紙厚み方向に隙間を設けるものであり、給紙通路の用紙進入方向に対して鋭角に形成している。
【0006】
なお、ピックローラ72、分離ローラ73および排出ローラ75の軸には各々ワンウェイクラッチを装着し、分離ローラ73は反時計方向のみに、排出ローラ75は時計方向(用紙搬送方向)のみに回転するように形成している。また、分離ローラ73の近傍の給紙通路の下流側に用紙の先端を検出するセンサ82を設けている。さらに、フィードローラ74の近傍の給紙通路の下流側に用紙の先端/後端を検出するセンサ85を設けている。
【0007】
上記の自動給紙装置において、図示しないモータのプーリ76を反時計方向に回転させると、フィードローラ74はベルト77により反時計方向、すなわち用紙搬送方向と逆方向に回転する。なお、排出ローラ75はベルト77が回動しても回転しない。一方、ピックローラ72および分離ローラ73はギア79、ギア83により反時計方向(用紙搬送方向)に回転する。したがって、シュータ71上に積載された用紙(図示せず)がピックローラ72によって1枚宛取り込まれ、分離ローラ73の方向に搬送される。この場合、誤って複数枚の用紙が取り込まれたときにおいても、ゲート84および分離パッド80の阻止作用により、ピックローラ72と分離ローラ73とに密着した用紙のみが、フィードローラ74に向かって搬送される。したがって、ダブルフィードのような状態が発生しないようにしている。
【0008】
つぎに、搬送された用紙の先端がフィードローラ74に到達しても、フィードローラ74は反時計方向、すなわち用紙搬送方向と逆方向に回転しているから、ただちにフィードローラ74には供給されず、用紙は若干時間停滞する。したがって、この間において用紙の先揃えが行われる。上記停滞時間は、センサ82が用紙の先端を検出した後、予め設定されたパルス数あるいは時間によって制御されている。所定の停滞時間が経過した後、図示しないモータが逆転し、プーリ76が時計方向に回転するから、ベルト77を介してフィードローラ74および排出ローラ75もまた時計方向に回転し、フィードローラ74により用紙は読取り機構78に搬送されるが、その直前において用紙の先端がセンサ85によって検出され、このセンサ85の信号によって読取りが開始される。そして、センサ85が用紙の後端を検出すると読取りを終了し、排出ローラ75によって図示しないスタッカに用紙が排出される。
【0009】
なお、前記の自動給紙装置において、図28(a)に示すような多数枚の用紙90をシュータ71にセットする場合には、分離ローラ73への用紙取り込みを円滑かつ確実に行うために、図28(b)に示すように用紙90の先端がナイフエッジ91を形成するように前操作を行う必要がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前記のごとく、従来技術による給紙装置では次のような問題点がある。
【0011】
1)給紙通路の用紙厚み方向に隙間を設けるゲートは、用紙進入方向に対して鋭角に形成しているので、垂直方向の分力が発生することにより、ゲート部で発生するマルチフィード力によって用紙分離性能が低下する。
【0012】
2)多数枚の用紙をシュータにセットする場合には、用紙の先端がナイフエッジを形成するように先揃え操作を行う必要がある。しかしながら、このような前操作は極めて煩雑であり、往々にして失念することがある。このため、用紙の供給が円滑とならないことがある。
【0013】
3)ピックローラとフィードローラとの間に分離ローラを配設するとともに、ピックローラには付圧アーム、分離ローラには分離パッドを各々摺接させているので、給紙装置における搬送機構部を大型化している。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記の問題点を解決するために、この発明では次のような手段を取る。
【0015】
本発明の給紙装置は、分離パッドに当接して設けられて、シュータ上に積載された用紙を下側よりピックし、そのピックした用紙を該分離パットを用いて1枚ずつ分離して送出するように動作するピックローラを使って給紙を行う給紙装置において、(1)用紙進入方向に対してほぼ垂直に形成され、シュータ上に積載された用紙のストッパ部材として機能して、ピックローラとの間に所定の隙間を形成するゲートと、(2)回転支点を中心として回転可能になる形態で設けられるピックアームと、(3)ピックローラを回転させるモータと同一のモータにより自公転する遊星ギアを有して、用紙セット動作モードのときには、該遊星ギアをピックアームの有する駆動ギア(この駆動ギアの一部に、遊星ギアの歯先円で切除されたギアカット部が形成されることがある)と噛み合わせることで、シュータとの間に空間が形成されることになるようにとピックアームを回転させ、給紙動作モードのときには、その噛み合わせを外してピックアームをフリー状態とすることで、ゲートの形成する隙間近傍で、ピックアームがシュータ上に積載された用紙を上方向から押圧するように動作させるピックアーム駆動機構とを備えるように構成する。
この構成を採るときに、ピックアームは、フリー状態となるときに、シュータ上に積載された用紙の枚数が多くなるに従って大きなものとなる押圧力で用紙を押圧することがある。
また、ピックアームの回転支点は、シュータ上に積載された用紙の枚数が多くなるに従ってピックアームの先端がゲートから離れる位置で用紙を押圧することになる位置に設けられることがある。
また、ピックアームの先端に、シュータ上に積載された用紙の盛り上がりを押さえる形状を持つ用紙押さえ部材を備えることがある。
また、用紙セット動作モードのときには下方に位置し、給紙動作モードのときには上方に位置するように動作し、ピックローラの周速よりも遅い周速で回転して、シュータ上に積載された用紙を裏面からプレピックしてゲートに搬送するプレピックローラを備えることがある。
このプレピックローラは、ピックローラを回転させるモータの回転を伝達するギアにより回転されるとともに、用紙搬送方向のみに回転が可能となる機構を備えることがあり、また、ピックローラを回転させるモータの回転を伝達するローラにより回転されることがある。そして、このプレピックローラを備えるときには、プレピックローラの持つ切り込みに適合する1つ又は複数のブリッジ部分を持つ開口を有して、プレピックローラをプレピック位置に停止させるストッパを備えることがある。
また、ピックアームが用紙セット動作モードの位置にあるのか否かを検出するピックアーム状態検出センサと、用紙セット動作モードのときに、ピックアーム駆動機構を制御することで、ピックアーム状態検出センサがピックアームを検出することになるようにとピックアームを回転させる制御機構とを備えることがある。
また、ピックローラから搬送される用紙の有無を検出する用紙センサと、給紙動作モードのときにあって、用紙センサにより用紙ピックが検出されない場合に、ピックローラを回転させるモータの逆転/正転動作を繰り返すことにより、シュータ上に積載された用紙をピックアームで叩くように制御する制御機構とを備えることがある。
【0016】
上記の手段を取ることにより、装置をコンパクト化するとともに、用紙進入方向に対してほぼ垂直に形成したゲート機構ではマルチフィード力を発生させない。このため、用紙分離性能が向上する。さらに、ピック性能を確保することで、多数枚の用紙をシュータにセットする場合に用紙の先揃え操作を不要にする。
【0017】
【発明の実施の形態】
この発明は、次に示したような実施の形態をとる。
【0018】
図1に示すように、本発明の給紙装置は、
シュータ13上に積載された複数枚の用紙を下側より順次に取出して用紙を所定の準備位置まで移動させるピック機構を備えており、
ピックローラ1との間に用紙進入方向に対してほぼ垂直に形成し所定の隙間を形成するゲート2と、
ピックローラ1に摺接して準備位置に置かれた用紙を1枚宛取り込む用紙分離パッド3と、
待機時(用紙セット時)は上方に位置し給紙時は下方に位置するように駆動可能にして、シュータ13に積載された用紙供給口近傍の用紙を図示しない付圧要素によるピックアーム付圧によって上方向から押圧するピックアーム4とを備える。
【0019】
上記の実施の形態をとることにより、ピックローラと、ピックローラの上部にゲートと、用紙分離パッドと、ピックアームとを配設することで、シュータ上に積載された複数枚の用紙を下側より順次に取出して1枚宛給紙通路に供給するから給紙装置をコンパクトにする。また、ゲートを用紙進入方向に対してほぼ垂直に形成しているので、垂直方向の分力が発生しないからゲート部で発生するマルチフィード力を皆無にできるため、用紙分離性能が向上する。さらに、ピック性能を確保することで、多数枚の用紙をシュータにセットする場合に用紙の先端にナイフエッジを形成するといった先揃え操作を不要にして操作性が向上する。
【0020】
この構成を採るときにあって、本発明の給紙装置では、
用紙セット時は下方に位置し給紙時は上方に位置するように駆動可能にし、ピックローラ1の周速よりも遅い周速で回転して、シュータ上に積載された用紙を裏面からプレピックしてゲート2に搬送するプレピックローラ42を備えることがある。
【0021】
このプレピックローラ42を備えることで、用紙ピック性能を一層向上させることができるようになる。
【0022】
また、この構成を採るときにあって、本発明の給紙装置では、
ピックアーム4の回転支点は、シュータ上に積載された用紙の枚数が多くなるに従ってピックアーム4の先端がゲート2から離れる位置で用紙を押圧することになる位置に設けられる。
【0023】
このピックアーム4の動作軌跡により、シュータ上に積載された用紙の枚数が少ないときには、ゲート2に近い位置で用紙が押圧されることで用紙メクレを防止できるようになるとともに、シュータ上に積載された用紙の枚数が多いときには、ゲート2から遠い位置で用紙が押圧されることでユーザの用紙セットに対するマージンを上げることができるようになる。
【0024】
さらに、図4および図5に示すように、本発明の給紙装置において、
前記ピックアーム4の駆動は、
遊星ギア5による駆動源切替え機構を備え、
当該駆動源は用紙搬送用のモータ6と共用しており、
当該モータ6の正転で遊星ギア5が駆動伝達系から外れてピックアーム4を下方に位置させ、前記モータ6の逆転で遊星ギア5が駆動伝達系に入りピックアーム4を上方に位置させる。
【0025】
上記の実施の形態をとることにより、一つの駆動源で用紙搬送とピックアーム動作とを行うことができるので、構成部品数を少なくするとともに、給紙装置をコンパクトにする。
【0026】
この構成を採るときにあって、本発明の給紙装置では、
ピックアーム4は、遊星ギア5が駆動伝達系から外れることでフリー状態となるときに、シュータ上に積載された用紙の枚数が多くなるに従って大きなものとなる押圧力で用紙を押圧する。
【0027】
このピックアーム4の押圧力により、シュータ上に積載された用紙の枚数が少ないときには、小さな押圧力で用紙が押圧されるとともに、シュータ上に積載された用紙の枚数が多いときには、大きな押圧力で用紙が押圧されることで、用紙が最適な押圧力で押圧されることになる。
【0028】
さらに、図4および図5に示すように、本発明の給紙装置において、
前記遊星ギア5による駆動源切替え機構は、
前記モータ6の逆転で遊星ギア5が駆動伝達系に入りピックアーム4を上方に位置したことを検出するピックアーム状態検出センサ7を備え、
ピックアーム4を上方に位置させる際にピックアーム状態検出センサ7がピックアーム4を検出(ON)するまでピックアーム4を上方に移動させる機能を備える。
【0029】
上記の実施の形態をとることにより、遊星ギアのフレームは、摩擦力で動作するため、どうしても動作に一定しない遅延が発生してしまうが、ピックアーム状態検出センサによってピックアームの動作を正確に検出する手段を装備する。
【0030】
さらに、図7に示すように、本発明の給紙装置において、
前記遊星ギア5による駆動源切替え機構は、
遊星ギア5とかみ合いピックアーム4を駆動するピックアーム駆動ギア8の一部を遊星ギア5の歯先円で切除されたギアカット部9を形成する。
【0031】
この場合、図6に示すように、前記の図5に示したピックアーム状態検出センサ7を設けない。
【0032】
上記の実施の形態をとることにより、ピックアーム部をコンパクトにするため、ピックアーム駆動ギアの歯数を必要最小限にし、駆動モータのモータ逆転パルス数を大きくし、遅延が少ないときには、歯飛びを発生させピックアームの過昇を防止する場合、歯飛び発生時のストロークが小さくできる。それにより、歯飛びの音(歯先の衝突音)を低減することができる。したがって、歯飛びの音による不快感をユーザに与えることをなくする。
【0033】
さらに、図4に示すように、本発明の給紙装置において、
稿21シュータ13にセットされていないときには用紙無しを示すOFを出力し、原稿21シュータ13にセットされているときには用紙有りを示すONを出力するシュータ上用紙検出センサ10を備え、
当該シュータ上用紙検出センサ10が用紙有りを検出している状態では、装置初期化あるいはリセット後のピックアーム4を上方に位置させる動作を実行しない機能を備える。
【0034】
上記の実施の形態をとることにより、用紙をシュータ上にセットしたままの状態で、装置初期化あるいはリセットなどがかかっても、給紙通路内にシュータ上の用紙を引き込むことを阻止する。
すなわち、後述するように、ピックアーム状態検出センサ7を設けない場合には、ピックアーム4を上方向に回転させるときに、ギアの遊びを考慮して、一旦下方向に回転させてから(用紙送りの状態となる)、規定量上方向に回転させるようにしている。これから、用紙をシュータ上にセットしたままの状態で、このような動作を行うと、給紙通路内にシュータ上の用紙を引き込んでしまうことになるので、そのような不都合が起こらないように制御するのである。
【0035】
さらに、図4に示すように、本発明の給紙装置において、
給紙通路のピックローラ1とフィードローラ11との間に用紙有無を検出するピック/フィード間用紙センサ12を備え、
用紙がピックされない場合は前記モータ6の逆転/正転動作を繰り返してシュータ13上に積載した用紙をピックアーム4で叩く機能を備える。
【0036】
上記の実施の形態をとることにより、用紙がピックされない場合は用紙をピックアームで叩くことにより、ピック性能を向上させる。
【0037】
さらに、図4に示すように、本発明の給紙装置において、
シュータ13の用紙供給口近傍の高さを一段落として段差14を形成する。
【0038】
上記の実施の形態をとることにより、用紙を梁として考えた場合、梁の腕長さが長くなるため、用紙の強度を弱くすることができる。このため、上方向にカールした用紙であってもピックアームの用紙付圧力がピックローラに正確に伝達し、用紙のピック性能を向上する。
【0039】
さらに、図5および図6に示すように、本発明の給紙装置において、
前記ゲート2は、
前記用紙分離パッド3を装着する部材と一体構造に形成され、
当該部材の一端はゲート2の先端部とほぼ同一線上に回転支点15を設け、他端は用紙分離付圧バネ16により付圧する。
【0040】
上記の実施の形態をとることにより、ゲートから用紙分離パッドまでの距離Xを最小限にすることが可能となるため、ゲートと用紙分離パッド間で発生しうる用紙先端のメクレを最小限にすることができる。このため、給紙性能が向上するとともに、ゲートと用紙分離パッドとをコンパクトにして給紙装置のコンパクト化を可能とする。また、回転支点位置がゲート先端と同一線上にあるため、用紙分離パッドの厚み寸法のバラツキ、および、給紙による用紙分離パッドの摩擦に対しても、安定したゲートギャップ(隙間)を確保できることにより、給紙性能が安定する。
【0041】
さらに、図8ないし図10に示すように、本発明の給紙装置において、
前記ゲート2は、
樹脂成形で形成され、前記用紙分離パッド3を取付ける際はゲート部分の近傍に線状部材で形成したパッド固定用線バネ17を挿入して装着する。
【0042】
上記の実施の形態をとることにより、機械的な固定を小さな範囲内でできるため、ゲートと用紙分離パッドとをコンパクトにして給紙装置のコンパクト化を可能にする。また、用紙分離パッドの剥がれなどの発生がなく安定した用紙分離性能を発揮する。また、用紙分離パッドを取付ける際に接着剤を用いる場合に比較して乾燥時間が不要なため、短時間での組立が可能となる。
【0043】
また、図11、図15および図16に示すように、本発明の給紙装置を制御するための制御方法は、
シュータ上に積載された複数枚の用紙を下側より順次に取出して用紙を所定の準備位置まで移動させるピック機構と、用紙セット時は上方に位置し給紙時は下方に位置するように駆動可能にしてシュータに積載された用紙を上方向から押圧するピックアームと、ピックアームを上方に位置したことを検出するピックアーム状態検出センサとを備える給紙装置(図5参照)を制御するときに、
給紙開始指示に基づいて用紙搬送用のモータ6を正転させて遊星ギア5がピックアーム駆動伝達系から外れてピックアーム4を下げて用紙に初期搬送付圧を与えて給紙を開始する手順と、
給紙終了指示に基づいて用紙搬送用のモータ6を逆転させて遊星ギア5がピックアーム駆動伝達系に入りピックアーム状態検出センサ7がピックアーム4を検出するまでピックアーム4を上方に移動する手順とを備える。
【0044】
この構成により、一つの駆動源で用紙搬送とピックアーム動作とを行うことができるので、構成部品数を少なくするとともに、給紙装置をコンパクトにする。また、遊星ギアのフレームは、摩擦力で動作するため、どうしても動作に一定しない遅延が発生してしまうが、ピックアーム状態検出センサによってピックアームの動作を正確に検出する。
【0045】
また、図12および図17に示すように、本発明の給紙装置を制御するための制御方法は、
シュータ上に積載された複数枚の用紙を下側より順次に取出して用紙を所定の準備位置まで移動させるピック機構と、用紙セット時は上方に位置し給紙時は下方に位置するように駆動可能にしてシュータに積載された用紙を上方向から押圧するピックアームとを備える給紙装置(図6参照)を制御するときに、
装置初期化あるいはリセット後に、ピックアーム4を上げる動作を行う時、
一旦用紙搬送用のモータ6をピックアームが下がる分だけ正転させてピックアーム4を下げる手順と、
ピックアーム4を下げる動作を実行した後、前記モータ6をピックアームが所定分上がる分だけ逆転させてピックアーム4を上げる手順とを備える。
【0046】
ックアームの動作を検出する手段を装備しない場合、ピックアーム部をコンパクトにするためには、ピックアームの過昇防止機能を取入れる必要がある。この構成によれば、ギアの遊びを考慮しているので、ピックアーム状態検出センサを不要にしても、ピックアームの過昇を防止できるようになるとともに、遊星ギア5にギアカット部9が形成されていることで、歯飛びの音(歯先の衝突音)の発生をなくすることができる。
【0047】
さらに、図13および図18に示すように、本発明の給紙装置を制御するための制御方法は、
前記の装置初期化あるいはリセット後に、ピックアームを上げる動作を行う時、
シュータにセットされていないときには用紙を検出せず、用シュータにセットされているときには用紙を検出するシュータ上用紙検出センサ10が用紙を検出している状態では、ピックアーム4を上げる動作を実行しない。
【0048】
この構成にり、用紙がシュータにセットされたことを検出した状態では、前述したピックアームの過昇を防止するための動作(ピックアームを一旦下げてから上げる動作)を実行しないので、用紙をシュータ上にセットしたままの状態で、装置初期化あるいはリセットがかかっても、給紙通路内にシュータ上の用紙を引き込むことがなくなる。
【0049】
また、図14および図19に示すように、本発明の給紙装置を制御するための制御方法は、
シュータ上に積載された複数枚の用紙を下側より順次に取出して用紙を所定の準備位置まで移動させるピック機構と、用紙セット時は上方に位置し給紙時は下方に位置するように駆動可能にしてシュータに積載された用紙を上方向から押圧するピックアームと、給紙通路のピックローラとフィードローラとの間に用紙を検出するピック/フィード間用紙センサとを備える給紙装置(図4参照)を制御するときに、
給紙動作時に給紙通路のピックローラ1とフィードローラ11との間で用紙の有無を検出する手順と、
給紙通路のピックローラ1とフィードローラ11との間で用紙を検出しない場合はモータ6の逆転/正転動作を繰り返してシュータ上に積載した用紙をピックアーム4で叩く動作を実行する手順とを備える。
【0050】
この構成により、用紙がピックされたかどうかを検出し、用紙がピックされない場合は、シュータ上に積載した用紙をピックアームで叩く動作を行うことにより、ピック性能を向上させる。
【0051】
また、本発明の給紙装置の制御を実現するプログラムを格納する記録媒体は、給紙開始指示に基づいて用紙搬送用のモータ6を正転させて遊星ギア5がピックアーム駆動伝達系から外れてピックアーム4を下げて用紙に初期搬送付圧を与えて給紙を開始する手順と、
給紙終了指示に基づいて用紙搬送用のモータ6を逆転させて遊星ギア5がピックアーム駆動伝達系に入りピックアーム状態検出センサ7がピックアーム4を検出するまでピックアーム4を上方に移動する手順とを実行させるためのコンピュータ読取り可能なプログラムを記録する。
【0052】
なお、このプログラムは、これを記録するためのFDDやCDなどの適切な種々の記録媒体に格納している。
【0053】
また、本発明の給紙装置の制御を実現するプログラムを格納する記録媒体は、
装置初期化あるいはリセット後に、ピックアームを上げる動作を行う時、
一旦用紙搬送用のモータ6を正転させてピックアーム4を下げる手順と、
ピックアーム4を下げる動作を実行した後、前記モータ6を逆転させてピックアーム4を上げる手順とを実行させるためのコンピュータ読取り可能なプログラムを記録する。
【0054】
なお、このプログラムは、これを記録するためのFDDやCDなどの適切な種々の記録媒体に格納している。
【0055】
また、本発明の給紙装置の制御を実現するプログラムを格納する記録媒体は、給紙動作時に給紙通路のピックローラ1とフィードローラ11との間で用紙の有無を検出する手順と、
給紙通路のピックローラ1とフィードローラ11との間で用紙を検出しない場合は、用紙搬送用のモータ6の逆転/正転動作を繰り返してシュータ13上に積載した用紙をピックアーム4で叩く動作を行う手順とを実行させるためのコンピュータ読取り可能なプログラムを記録する。
【0056】
なお、このプログラムは、これを記録するためのFDDやCDなどの適切な種々の記録媒体に格納している。
【0057】
これらのプログラムは、これを記録するためのFDDやCDなどの適切な種々の記録媒体に格納することができるので、必要時に任意の処理装置にインストールし、処理を実行することができる。
【0058】
【実施例】
この発明による代表的な実施例を図1ないし図19によって説明する。なお、以下において、同じ箇所は同一の符号を付して有り、詳細な説明を省略することがある。
【0059】
図2は本発明の実施例の装置外観図を示す。同図は本実施例の給紙装置を適用する画像読取り装置の外観を示している。画像読取り装置は、後部に読取り対象の原稿をセットするシュータ13を備え、内部に給紙装置を備えている。
【0060】
図3は本発明の実施例の図を示す。同図は前述の図1に示す画像読取り装置の要部概要を説明するものである。ピック機構はシュータ13の用紙供給口近傍に形成され、ピックローラ1と、ピックアーム4とにより、シュータ13上に積載された複数枚の原稿21を下側より順次に取出して用紙を所定の準備位置まで移動させる。
【0061】
つぎに、代表的な実施例を詳細に説明する。
【0062】
図1は本発明の実施例の図を示す。同図は給紙装置の詳細を示している。
【0063】
同図において、1はピックローラ、2はゲート、3は用紙分離パッド、4はピックアーム、13はシュータである。シュータ13の用紙供給口近傍の下側にピックローラ1を配設し、ピックローラ1の上側にピックアーム4、ゲート2、用紙分離パッド3を給紙通路に沿って上記の順に配設する。
【0064】
ピックローラ1は発泡ゴムなどの摩擦力の大きい材料で形成する。ゲート2はピックローラ1との間に数枚の用紙が通ることができる、例えば1mm程度の隙間を形成するととにも、用紙進入方向に対して垂直に形成する。用紙分離パッド3はピックローラ1に摺接して、準備位置に置かれた用紙を1枚宛取り込む。
【0065】
ピックアーム4は上下移動可能に駆動され、シュータ13に用紙をセットする時は上方に位置して待機時位置で保持する。また、シュータ13にセットされた用紙を給紙する時は下方に位置して給紙時位置を保持する。さらに、ピックアーム4は給紙時位置を保持する時は、図示しない付圧要素からのピックアーム付圧によってシュータ13に積載された用紙供給口近傍の用紙を上方向から押圧する。
【0066】
図1の構成において、ゲート2を用紙進入方向に対して垂直に形成しているので、垂直方向の分力が発生しないからゲート部ではマルチフィード力を皆無にして用紙分離性能が向上する。さらに、ピック性能を確保することで、多数枚の用紙をシュータ13にセットする場合は、前述の図21(a)に示す多数枚の用紙90をそのままセットすればよい。
【0067】
つぎに用紙搬送とピックアームとの駆動系について説明する。
【0068】
図4は本発明の実施例の図を示す。同図は要部の詳細を示している。
【0069】
6は用紙搬送用のモータであり、ギア列によってピックローラ1と、フィードローラ11と、フィードローラ23とを駆動して用紙搬送を行う。なお、ピックローラ1を駆動するピックローラ駆動ギア20は、ワンウェイクラッチを装着し、反時計方向(用紙搬送方向)のみに回転するように形成している。また、24は従動ローラであり前記のフィードローラ11,23に対応して配設する。
【0070】
8はピックアーム駆動ギアであり、回転支点を持ちピックアーム4を連結している。5は遊星ギアであり、遊星ギアフレーム26に回動自在に連結され、ピックアーム駆動ギア8とかみ合うようにしている。また、遊星ギア5は、前記のフィードローラ11の回動によってギア列を介して駆動するように構成する。なお、27は遊星ギアフレームストッパであり、遊星ギアフレーム26の回動範囲を規制する。
【0071】
前記ピックアーム4の駆動において、ピックアーム4を下方に位置して給紙時位置を保持する時は、モータ6の正転で遊星ギア5がピックアーム駆動ギア8から外れてピックアーム4を下方に位置させる。一方、ピックアーム4を上方に位置して待機時位置で保持する時は、モータ6の逆転で遊星ギア5がピックアーム駆動ギア8とかみ合いピックアーム4を上方に位置させるものである。なお、遊星ギア5による駆動源切替え機構の詳細については、後述する。
【0072】
次に、図4の実施例の説明を一時離れて、このピックアーム4の構成について説明する。
【0073】
ピックアーム4の回転支点は、ピックアーム4の先端位置の動作軌跡が図20に示すようなものとなる位置に設けられている。すなわち、シュータ13に積載される原稿21の枚数が多くなるに従って、ピックアーム4の先端がゲート2から離れる位置で原稿21を付圧するという動作軌跡が実現される位置に設けられている。
【0074】
シュータ13に積載される原稿21の枚数が少ない場合には、原稿21の先端のメクレの発生を防止するために、ピックアーム4の先端位置(付圧ポイント)は、ゲート2に近い方が好ましい。
【0075】
一方、シュータ13に積載される原稿21の枚数が多い場合には、上方の原稿21が下方の原稿21を押さえることから、ピックアーム4の先端位置は、理想的には、ゲート2から離れていても問題はない。しかしながら、原稿21の枚数が多い場合、ユーザの用紙セットによっては原稿21の先端がきちんと揃わないことも多く、これから、ピックアーム4の先端位置がゲート2から離れると、上方の原稿21が付圧ポイントから外れることで上方の原稿21をピックミスすることが起こる。
【0076】
そこで、本発明では、ピックアーム4の回転支点を、シュータ13に積載される原稿21の枚数が多くなるに従って、ピックアーム4の先端がゲート2から離れる位置で原稿21を付圧するという動作軌跡が実現される位置に設けることで、用紙メクレを防止しつつ、ユーザの用紙セットに対するマージンを上げる構成を採るのである。
【0077】
上述したように、モータ6が用紙搬送方向に正転すると、遊星ギア5がピックアーム駆動ギア8から外れてピックアーム4はフリー状態となる。このとき、図4では省略したが、ピックアーム4の回転軸部分に捩じりコイルバネが設けられていて、この捩じりコイルバネにより、図21に示すような形態(図中に示すバネαが捩じりコイルバネの作用を示す)に従って、ピックアーム4の先端が原稿21を付圧することになる。
【0078】
すなわち、ピックアーム4の先端位置が上方にあるとき(シュータ13に積載される原稿21の枚数が多いとき)には、大きな力でもって原稿21を付圧し、ピックアーム4の先端位置が下方にあるとき(シュータ13に積載される原稿21の枚数が少ないとき)には、小さな力でもって原稿21を付圧する構成を採っている。
【0079】
図20から分かるように、本発明では、ピックアーム4がシュータ13上の上方の原稿21を付圧することで、最下面の原稿21をピックローラ1に押し付け搬送力を発生させることで給紙動作を行っている。しかるに、原稿21が上方にカールしていることなどにより、通常の場合ピックローラ1の付圧力が減衰し、これにより、原稿21の枚数が多いときと少ないときとで搬送力に差異が出てくる。これから、原稿21の枚数が多いときには搬送力が弱いことでピックミスが発生し易く、原稿21の枚数が少ないときには搬送力が強いことでマルチフィード(重送)が発生し易くなる。
【0080】
一般的には、これを防止するために、ピックアーム4の付圧力を大きめに設定するとともに、マルチフィードを防止するために、用紙分離パッド3による分離力を大きなものに設定している。しかしながら、このような方法に従うと、原稿21に対して必要以上の力を加えるために、原稿21が薄い場合にジャムが発生し易くなるというような問題点や、駆動力発生源となるモータ6のトルクが増大することで消費電力が大きくなるという問題点が出てくることになる。
【0081】
そこで、本発明では、最適な搬送力での給紙を実現すべく、捩じりコイルバネなどを使って、ピックアーム4の先端位置が上方にあるとき(シュータ13に積載される原稿21の枚数が多いとき)には、大きな力でもって原稿21を付圧し、ピックアーム4の先端位置が下方にあるとき(シュータ13に積載される原稿21の枚数が少ないとき)には、小さな力でもって原稿21を付圧することで、原稿21が薄い場合におけるマージンを上げるとともに、モータ消費電力を低減する構成を採るのである。
【0082】
ここで、ピックアーム4の付圧力をP、許容される原稿21の用紙カール量をb、原稿21の用紙強度をk、シュータ13に積載される原稿21の枚数をx、初期付圧力をCで表すならば、
P=b×k×x+C
という関係式が成立するので、ピックアーム4の回転軸部分に設けられる捩じりコイルバネは、この式を考慮して設計されることになる。
【0083】
本発明の構成に従って、シュータ13上の原稿21をピックアーム4で付圧すると、原稿21が薄い場合、ゲート2の近傍で原稿21が盛り上がることが起こる。そこで、図22に示すように、ピックアーム4の先端部分に、この原稿21の盛り上がりを押さえる形状を持つ弾性体などで構成される用紙押さえシート30を備えることが好ましい。
【0084】
再び、図4の実施例の説明に戻る。
【0085】
7はピックアーム状態検出センサであり、前記モータ6の逆転で遊星ギア5がピックアーム駆動ギア8とかみ合い、上方に位置したピックアーム4を検出する。これにより、ピックアーム4を上方に位置させる際に、ピックアーム状態検出センサ7がピックアーム4を検出(ON)する信号を発信するまでモータ6を逆転してピックアーム4を上方に移動させるように構成する。
【0086】
10はシュータ上用紙検出センサであり、原稿21シュータ13にセットされていないときには用紙無しを示すOFを出力し、原稿21シュータ13にセットされているときには用紙有りを示すONを出力する。このシュータ上用紙検出センサ10を備えることで、装置の初期化あるいはリセットでのピックアーム4を上方に位置させる動作において、シュータ上用紙検出センサ10が用紙有りを検出する信号を発信している状態では、ピックアーム4を上方に位置させる動作を実行しないように構成することができる。
【0087】
12はピック/フィード間用紙センサであり、給紙通路のピックローラ1とフィードローラ11との間で用紙の有無を検出する。これにより、ピック/フィード間用紙センサ12が用紙を検出していない信号を発信している場合、つまり、用紙がピックされない場合は、前記モータ6の逆転/正転動作を繰り返してピックアーム4を上下運動させて、シュータ13上に積載した用紙を叩くように構成する。
【0088】
25は用紙先端/後端検出センサであり、用紙の先端および後端を検出する。これにより、用紙の先端が用紙先端/後端検出センサ25によって検出され、この用紙先端/後端検出センサ25の信号によって読取りが開始される。そして、用紙先端/後端検出センサ25が用紙の後端を検出すると読取りを終了し、フィードローラ23によって図示しないスタッカ、あるいは装置の外部に用紙が排出される。
【0089】
さらに、シュータ13は用紙供給口近傍の高さを一段落として用紙進入方向に対して傾斜した段差14を形成する。
【0090】
つぎに、遊星ギア5による駆動源切替え機構の詳細を説明する。
【0091】
図5は本発明の実施例の図を示す。
【0092】
同図において、ピックアーム4を下方に位置して給紙時位置を保持する時は、モータ6を正転方向に回転する。この時、ピックローラ1はギア列により反時計方向(用紙搬送方向)に回転する。また、フィードローラ11はギア列により時計方向(用紙搬送方向)に回転する。待機時位置にある遊星ギア5は、フィードローラ11の回動によってギア列を介して駆動され、反時計方向に自転し、ピックアーム駆動ギア8とかみ合いながら時計方向に公転を開始する。さらに、公転を開始した遊星ギア5は、ピックアーム駆動ギア8とのかみ合いから外れ、給紙時位置に移動する。この時、ピックアーム駆動ギア8に連結されたピックアーム4は、図21で説明した付圧要素からのピックアーム付圧によって下方に下がり、シュータ13に積載された用紙供給口近傍の用紙を上方向から押圧するように構成する。
【0093】
一方、ピックアーム4を上方に位置して待機時位置で保持する時は、モータ6を逆回転する。この時、フィードローラ11はギア列により反時計方向に回転する。なお、ピックローラ1は、ピックローラ駆動ギア20がワンウェイクラッチを装着しているので回転しない。遊星ギア5は、フィードローラ11の回動によってギア列を介して駆動され、時計方向に自転し、反時計方向に公転を開始する。さらに、公転を開始した遊星ギア5は、ピックアーム駆動ギア8とのかみ合いを開始する。遊星ギア5とかみ合ったピックアーム駆動ギア8は反時計方向に回動を開始し、ピックアーム駆動ギア8に連結されたピックアーム4は上方向に移動を開始する。また、ピックアーム状態検出センサ7がピックアーム4を検出(ON)する信号を発信するまでモータ6を逆転してピックアーム4を上方に移動させるように構成する。
【0094】
図4および図5の構成において、用紙搬送用モータ6を駆動源として用紙搬送とピックアーム動作とを行うことができるので、構成部品数を少なくするとともに、給紙装置をコンパクトにする。また、ピックアーム状態検出センサ7を備えることにより、遊星ギアフレーム26は、摩擦力で動作するため、どうしても動作に一定しない遅延が発生してしまうが、ピックアーム状態検出センサ7によってピックアーム4の動作位置を正確に検出する。さらに、ピック/フィード間用紙センサ12を備えることにより、用紙がピックされない場合は用紙をピックアームで叩くことにより、ピック性能を向上させる。さらに、シュータに段差14を備えることにより、用紙を梁として考えた場合、梁の腕長さが長くなるため、用紙の強度を弱くすることができる。このため、上方向にカールした用紙であってもピックアームの用紙付圧力がピックローラに正確に伝達し、用紙のピック性能を向上する。
【0095】
つぎに、ピックアームの動作を検出する手段を装備しない場合について説明する。
【0096】
図6は本発明の実施例の図を示す。同図において、図5との違いは、前記の図5に示したピックアーム状態検出センサ7を削除するものである。
【0097】
図7は本発明の実施例の図を示す。
【0098】
同図において、前記の遊星ギア5とかみ合いピックアーム4を駆動するピックアーム駆動ギア8は、その一部を遊星ギア歯先円で切除されたギアカット部9を形成する。
【0099】
遊星ギア5による駆動源切替え機構において、ピックアーム4の動作を検出する手段を装備しない場合は、動作に一定しない遅延を見込んだ分だけ動作が可能なように構成する必要がある。このためには、ピックアーム4の可動範囲を大きくする必要があり、このため、ピックアーム部が大きくなってしまうことになる。ピックアーム部をコンパクトにするため、ピックアーム駆動ギア8の歯数を必要最小限にし、駆動モータのモータ逆転パルス数を大きくし、遅延が少ないときには、歯飛びを発生させる機構が好ましい。これにより、ピックアーム4の過昇を防止する。この場合、歯飛びの音(歯先の衝突音)がユーザに不快感を与える。上記構成により、歯飛び発生時のストロークが小さくできる。それにより、歯飛びの音(歯先の衝突音)を低減することができる。すなわち、フルストロークで歯先が当たるのではなく、ハーフストロークに近い状態で歯先が当たるので歯先の衝突音を低減することになる。
【0100】
つぎに、ゲート2と用紙分離パッド3とについて説明する。
【0101】
前述の図5および図6に示すように、ゲート2は、用紙分離パッド3を装着する部材と一体構成に形成する。例えば、図8に示すゲート一体樹脂部品29とする。ゲートと用紙分離パッドとを一体構造に形成する部材の一端は、ゲート2の先端部とほぼ同一線上に回転支点15を設け、他端は用紙分離付圧バネ16によってピックローラ1の方向に付圧する。
【0102】
この構成により、ゲート2から用紙分離パッド3までの距離Xを最小限にすることが可能となるため、ゲート2と用紙分離パッド3間で発生しうる用紙先端のメクレを最小限にすることができる。このため、給紙性能が向上するとともに、ゲート2と用紙分離パッド3とをコンパクトにして給紙装置のコンパクト化を可能とする。また、回転支点15の位置がゲート先端と同一線上にあるため、用紙分離パッドの厚み寸法のバラツキ、および、給紙による用紙分離パッドの摩擦に対しても、安定したゲートギャップ(隙間)を確保できることにより、給紙性能が安定する。
【0103】
図8ないし図10は本発明の実施例の図を示し、図8はゲート/パッド組立分解斜視図、図9はゲート/パッド組立斜視図、図10はゲート/パッド組立断面図をそれぞれ示している。
【0104】
図8において、ゲート一体樹脂部品29は、樹脂成形で形成され、ゲート2の部分を形成するとともに、用紙分離パッド3とパッド固定用線バネ17とを装着できるように形成する。用紙分離パッド3は細い線状部材で形成したパッド固定用線バネ17を図示しない貫通孔に挿入して装着する。なお、図9および図10において、用紙分離パッド3を取付ける際は、ゲート2の近傍にパッド固定用線バネ17を係着するとともに、ゲート2の近傍に形成した貫通孔に挿入して装着する。
【0105】
この構成により、機械的な固定を小さな範囲内でできるため、ゲート2と用紙分離パッド3とをコンパクトにして給紙装置のコンパクト化を可能とする。また、用紙分離パッド3の剥がれなどの発生がなく安定した用紙分離性能を発揮する。また、用紙分離パッド3を取付ける際に接着剤を用いる場合に比較して乾燥時間が不要なため、短時間での組立が可能となる。
【0106】
つぎに、本発明の実施例の給紙装置のピックアーム状態検出センサを備える(図5参照)場合のピックアーム動作について説明する。
【0107】
図11は本発明の実施例のブロック図を示し、図15は給紙時のピックアーム動作を示すフローチャートを示し、図16は給紙終了時のピックアーム動作を示すフローチャートをそれぞれ示している。
【0108】
図11において、画像読取り装置50は、演算制御部51と、駆動部52と、駆動系53と、ピックアーム状態検出センサ7とを主構成としている。演算制御部51は、ホスト装置60からの指示、ピックアーム状態検出センサ7からの出力に基づいて適時に駆動部52に動作を指示する。
【0109】
図15の本発明の実施例のフローチャートを説明する。
【0110】
ステップS11において、シュータの所定位置に読取り対象の原稿をセットし、ホスト装置60より読取り動作開始を指示すると、演算制御部51は駆動部52に給紙開始を指示する。
【0111】
ステップS12において、駆動部52は用紙搬送用のモータ6を正転(反時計方向)させる。(図5参照)
ステップS13において、フィードローラ11は用紙搬送方向(時計方向)に回転する。(図5参照)
ステップS14において、遊星ギア5がピックアーム駆動ギア8(図4参照)から外れる。
【0112】
ステップS15において、ピックアーム付圧要素の圧力によってピックアーム4が下がる。
【0113】
ステップS16において、ピックアーム4はピックアーム付圧要素の付圧力によってシュータの所定位置にセットされた用紙を押圧しに初期搬送付圧を与える。
【0114】
ステップS17において、ピックローラ1の回転によって給紙を開始し、処理を終了する。
【0115】
図1の本発明の実施例のフローチャートを説明する。
【0116】
ステップS21において、演算制御部51は駆動部52に給紙終了を指示する。
【0117】
ステップS22において、駆動部52は用紙搬送用のモータ6を逆転(時計方向)させる。
【0118】
ステップS23において、フィードローラ11は用紙搬送方向に対して逆転する。(反時計方向)
ステップS24において、遊星ギア5がピックアーム駆動ギア8とかみ合う。
【0119】
ステップS25において、ピックアーム4が上方に移動する。
【0120】
ステップS26において、演算制御部51は、ピックアーム状態検出センサ7(図5参照)がピックアーム4を検出したか判定する。ピックアーム4を検出すればステップS27に進み、ピックアーム4を検出していなければステップS22に戻る。
【0121】
ステップS27において、モータ6を停止してピックアーム4を待機時位置に保持させて、処理を終了する。
【0122】
つぎに、本発明の実施例の給紙装置のピックアーム状態検出センサを削除した(図6参照)場合において、ピックアームを待機位置に持ってくる動作について説明する。
【0123】
図12は本発明の実施例のブロック図を示し、図17は本発明の実施例のフローチャートをそれぞれ示している。
【0124】
図12において、画像読取り装置50は、演算制御部51と、駆動部52と、駆動系53とを主構成としている。演算制御部51は、ホスト装置60からの指示を含め、適時に駆動部52に動作を指示する。
【0125】
図17によって処理手順を説明する。
【0126】
ステップS41において、装置電源投入、用紙ジャム解除、給紙終了などの処理により、装置を初期化あるいはリセットする。
【0127】
ステップS42において、演算制御部51は駆動部52にピックアーム4を持ち上げて待機位置へ移動させる動作を指示する。
【0128】
ステップS43において、駆動部52は一旦用紙搬送用のモータ6をピックアームが下がる分だけ正転(図6参照)させてピックアーム4を下げる。
【0129】
ステップS44において、駆動部52はピックアーム4を下げる動作を実行した後、前記モータ6をピックアームが所定分上がる分だけ逆転させる。
【0130】
ステップS45において、ピックアーム4を待機位置まで上げて保持し、処理を終了する。
【0131】
これにより、ピックアームの動作を検出する手段を装備しない場合に、ピックアーム部をコンパクトにするためには、ピックアームの過昇防止機能を取入れる必要がある。この処理形態によれば、ピックアーム状態検出センサを不要としても、ピックアームの過昇を防止できるようになるとともに、遊星ギア5にギアカット部9が形成されていることで、歯飛びの音(歯先の衝突音)の発生をなくすることができる。
【0132】
つぎに、本発明の実施例の給紙装置のピックアーム状態検出センサを削除した(図6参照)場合において、シュータ上用紙検出センサ(図4参照)を備えたときのピックアームを待機位置に持ってくる動作について説明する。
【0133】
図13は本発明の実施例のブロック図を示し、図18は本発明の実施例のフローチャートをそれぞれ示している。
【0134】
図13において、画像読取り装置50は、演算制御部51と、駆動部52と、駆動系53と、シュータ上用紙検出センサ10とを主構成としている。演算制御部51は、ホスト装置60からの指示を含め、シュータ上用紙検出センサ10からの出力に基づいて適時に駆動部52に動作を指示する。
【0135】
図18によって処理手順を説明する。
【0136】
ステップS51において、装置電源投入、用紙ジャム解除、給紙終了などの処理により、装置を初期化あるいはリセットする。
【0137】
ステップS52において、演算制御部51は駆動部52にピックアーム4を持ち上げて待機位置へ移動させる動作を指示する。
【0138】
ステップS53において、演算制御部51は、シュータ上用紙検出センサ10が用紙を検出したか判定する。用紙を検出すれば、処理を終了する。用紙を検出しなければ、ステップS54に進む。
【0139】
ステップS54において、駆動部52は一旦用紙搬送用のモータ6をピックアームが下がる分だけ正転(図6参照)させてピックアーム4を下げる。
【0140】
ステップS55において、駆動部52はピックアーム4を下げる動作を実行した後、前記モータ6をピックアームが所定分上がる分だけ逆転させる。
【0141】
ステップS56において、ピックアーム4を待機位置まで上げて保持し、処理を終了する。
【0142】
すなわち、シュータ上用紙検出センサ10が用紙を検出している状態では、ピックアーム4を上げる動作を実行しない。
【0143】
これにより、用紙をシュータ上にセットしたままの状態で、装置の初期化あるいはリセットがかかっても、給紙通路内にシュータ上の用紙を引き込むことがなくなる。
【0144】
つぎに、本発明の実施例の給紙装置のピック/フィード間用紙センサ(図4参照)を備えた場合の処理手順について説明する。
【0145】
図14は本発明の実施例のブロック図を示し、図19は本発明の実施例のフローチャートをそれぞれ示している。
【0146】
図14において、画像読取り装置50は、演算制御部51と、駆動部52と、駆動系53と、ピック/フィード間用紙センサ12と、読取り部54とを主構成としている。演算制御部51は、ホスト装置60からの指示、ピック/フィード間用紙センサ12の出力に基づいて適時に駆動部52に動作を指示する。また、演算制御部51は、読取り部54に読取り指示をするとともに読取り画像データを取り込み、ホスト装置60に画像データを送信する。
【0147】
図19によって処理手順を説明する。
【0148】
ステップS61において、駆動部52は演算制御部51からの指示に基づいて給紙動作を実行する。
【0149】
ステップS62において、演算制御部51は、ピック/フィード間用紙センサ12が給紙通路のピックローラ1とフィードローラ11との間で用紙を検出したか判定する。用紙を検出すれば、ステップS66に進む。用紙を検出しなければ、ステップS63に進む。
【0150】
ステップS63において、演算制御部51は、カウンタにより後述するモータの逆転/正転のリトライ回数をカウントする。
【0151】
ステップS64において、演算制御部51は、カウンタのリトライ回数が規定値以下か判定する。規定値以下ならば、ステップS65に進む。規定値以下でないならば、ステップS67に進む。
【0152】
ステップS65において、駆動部52は用紙搬送用のモータ6の逆転/正転動作を実行する。そしてステップS61に戻る。
【0153】
ステップS66において、演算制御部61は、読取り部54を駆動させ読取りを実行して、処理を終了する。
【0154】
ステップS67において、演算制御部51は、画像読取り装置50、あるいはホスト装置60にアラームをあげて、処理を終了する。
【0155】
すなわち、給紙通路のピックローラ1とフィードローラ11との間で用紙を検出しない場合はモータ6の逆転/正転動作を繰り返してシュータ上に積載した用紙をピックアーム4で叩く動作を実行する手順を備える。
【0156】
これにより、用紙がピックされたかどうかを検出し、用紙がピックされない場合は、シュータ上に積載した用紙をピックアームで叩く動作を行うことにより、ピック性能を向上させる。
【0157】
また、前述の給紙装置の制御処理は、コンピュータを動作させるプログラムを用いて実現される。このプログラムは、これを記録するためのFDDやCDなどの適切な種々の記録媒体に格納される。
【0158】
図23に、本発明の他の実施例を図示する。
【0159】
この実施例では、図4の実施例の備える基本的な構成に加えて、用紙ピック性能の向上を図るべく、ピックローラ駆動ギア20を回転中心にして回転可能となるプレピックユニット40を備える構成を採っている。ここで、この実施例では、図4の実施例と異なって、ピックローラ駆動ギア20はワンウェイクラッチを装着せず、ピックローラ1が、その内部に、反時計方向(用紙搬送方向)のみに回転が可能となるワンウェイクラッチを装着している。
【0160】
このプレピックユニット40は、ピックローラ駆動ギア20にかみ合うアイドルギア41と、アイドルギア41にかみ合うプレピックローラ42とを備えることで、ピックローラ駆動ギア20を回転中心にしてピックローラ駆動ギア20の回転により回転可能となっており、ストッパ43でその反時計方向の回転が停止されて、その停止位置で、プレピックローラ42がシュータ13に積載される原稿21を裏面からプレピックしてゲート2に搬送する構成を採っている。
【0161】
ここで、プレピックローラ42は、原稿21のスムーズな搬送を実現するために、ピックローラ1の周速よりも遅い周速で回転するとともに、原稿21の搬送を介してピックローラ1の周速に引っ張られることを考慮して、その内部に、反時計方向(用紙搬送方向)のみに回転が可能となるワンウェイクラッチを装着している。
【0162】
一方、アイドルギア41は、ピックローラ駆動ギア20が反時計方向(用紙搬送方向)に回転するときには、それに連動して時計方向に自転するとともに反時計方向に公転し、これによりプレピックユニット40を反時計方向に回転させることでプレピックローラ42をプレピック位置に移動するとともに、プレピックローラ42を反時計方向(用紙搬送方向)に回転させる。そして、ピックローラ駆動ギア20が時計方向に回転するときには、それに連動して反時計方向に自転するとともに時計方向に公転し、これによりプレピックユニット40を時計方向に回転させることでプレピックローラ42をプレピック位置から離れた規定の初期位置に移動する。
【0163】
このように構成されるプレピックユニット40が備えられることで、図23の実施例に従うときには、モータ6が用紙搬送方向に正転すると、ピックローラ駆動ギア20が反時計方向に回転し、これにより、プレピックユニット40がストッパ43で規定される位置まで反時計方向に回転して、その停止位置で、プレピックローラ42がシュータ13に積載される原稿21を裏面からプレピックしてゲート2に搬送するように動作する。
【0164】
そして、モータ6が逆転すると、ピックローラ駆動ギア20が時計方向に回転し、これにより、プレピックユニット40が時計方向に回転することで、プレピックローラ42によるプレピック処理を解除するように動作する。このとき、ピックローラ1は、内部に備えるワンウェイクラッチによりフリー状態となる。
【0165】
図23の実施例では、アイドルギア41を使って、ピックローラ駆動ギア20の回転をプレピックローラ42に伝達する構成を採ったが、この構成に従うと、ピックローラ駆動ギア20の回転がプレピックローラ42に正確に伝達されるために、プレピックローラ42にワンウェイクラッチを備える必要がある。すなわち、プレピックローラ42の周速は、原稿21の搬送を介してピックローラ1の周速に引っ張られることになるので、それを許容するために、プレピックローラ42にワンウェイクラッチを備える必要がある。
【0166】
この図23の実施例のように、プレピックローラ42にワンウェイクラッチを備えると、プレピックローラ42の構造が複雑になるとともに、コストが高くなるという問題点がある。
【0167】
そこで、図24に示すように、アイドルギア41に代えて、プレピックローラ42の空転を可能にするアイドルローラ44を使って、ピックローラ駆動ギア20の回転をプレピックローラ42に伝達する構成を採る方法もある。
【0168】
この図24の実施例に従うと、プレピックローラ42の空転が可能になることで、プレピックローラ42にワンウェイクラッチを備える必要がなくなる。
【0169】
また、図25に示すように、プレピックローラ42として、アイドルギア41の回転に連動して回転する突起部分を持つプレピックローラ軸450と、プレピックローラ軸450を内装して、プレピックローラ軸450の突起部分に係合する突起部分を持つローラ451とで構成されるディレイローラ45を用いる構成を採る方法もある。
【0170】
この図25の実施例に従うと、ディレイローラ45が反時計方向(用紙搬送方向)のみに回転が可能となることで、プレピックローラ42にワンウェイクラッチを備える必要がなくなる。
【0171】
図23や図25や図26の実施例で備えるストッパ43は、図27に示すように、ピックローラ1の挿入開口430と、プレピックローラ42の挿入開口431とを備えることになるが、プレピックユニット40が時計方向に回転するときには、このプレピックローラ42の挿入開口431は開口状態となる。
【0172】
このとき、シュータ13に積載される原稿21がこの挿入開口431に引っ掛かることが起こるので、図27に示すように、プレピックローラ42の挿入開口431を、用紙搬送方向に1つ又は複数のブリッジ部分を持つ形状で形成するとともに、それに合わせて、プレピックローラ42に切り込みを設けるように構成することが好ましい。
【0173】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、次に示すような効果が期待できる。
【0174】
シュータ上に積載された複数枚の用紙を下側より順次に取出して用紙を所定の準備位置まで移動させるピック機構を備えた給紙装置において、ピックローラとの間に用紙進入方向に対してほぼ垂直に形成するゲートと、ピックローラに摺接して用紙を1枚宛取り込む用紙分離パッドと、用紙セット時は上方に位置し給紙時は下方に位置するように駆動可能にしてシュータに積載された用紙供給口近傍の用紙を上方向から押圧するピックアームとを備えることにより、ピックローラと、ピックローラの上部にゲートと、用紙分離パッドと、ピックアームとを配置することでシュータ上に積載された複数枚の用紙を下側より順次に取出して1枚宛給紙通路に供給するから、給紙装置をコンパクトにすることができる。また、ゲートを用紙進入方向に対してほぼ垂直に形成しているので、垂直方向の分力が発生しないから、ゲート部ではマルチフィード力を皆無にできるため、用紙分離性能を向上することができる。さらに、ピック性能を確保することで、多数枚の用紙をシュータにセットする場合に用紙の先端にナイフエッジを形成するといった先揃え操作を不要にして操作性を向上することができる。
【0175】
さらに、用紙セット時は下方に位置し給紙時は上方に位置するように駆動可能にし、ピックローラの周速よりも遅い周速で回転して、シュータ上に積載された用紙を裏面からプレピックしてゲートに搬送するプレピックローラを備えることで、用紙ピック性能を一層向上させることができるようになる。
【0176】
さらに、ピックアームの回転支点は、シュータ上に積載された用紙の枚数が多くなるに従ってピックアームの先端がゲートから離れる位置で用紙を押圧することになる位置に設けられ、これにより、シュータ上に積載された用紙の枚数が少ないときには、ゲートに近い位置で用紙が押圧されることで用紙メクレを防止できるようになるとともに、シュータ上に積載された用紙の枚数が多いときには、ゲートから遠い位置で用紙が押圧されることでユーザの用紙セットに対するマージンを上げることができるようになる。
【0177】
さらに、前記ピックアームの駆動は、用紙搬送用のモータを共用する駆動源切替え機構を備え、当該モータの正転で遊星ギアが駆動伝達系から外れてピックアームを下方に位置させ、前記モータの逆転で遊星ギアが駆動伝達系に入りピックアームを上方に位置させることにより、一つの駆動源で用紙搬送とピックアーム動作とを行うことができるので、構成部品数を少なくするとともに、給紙装置をコンパクトにすることができる。
【0178】
さらに、ピックアームは、遊星ギアが駆動伝達系から外れることでフリー状態となるときに、シュータ上に積載された用紙の枚数が多くなるに従って大きなものとなる押圧力で用紙を押圧し、これにより、シュータ上に積載された用紙の枚数が少ないときには、小さな押圧力で用紙が押圧されるとともに、シュータ上に積載された用紙の枚数が多いときには、大きな押圧力で用紙が押圧されることで、用紙が最適な押圧力で押圧されることになる。
【0179】
さらに、前記遊星ギアによる駆動源切替え機構は、ピックアームを上方に位置したことを検出するピックアーム状態検出センサを備え、ピックアームを上方に位置させる際にピックアーム状態検出センサがピックアームを検出するまでピックアームを上方に移動させる機能を備えることにより、遊星ギアのフレームは、摩擦力で動作するため、どうしても動作に一定しない遅延が発生してしまうが、ピックアーム状態検出センサによってピックアームの動作を正確に検出する手段を装備することができる。
【0180】
さらに、前記遊星ギアによる駆動源切替え機構は、ピックアーム駆動ギアの一部を遊星ギアの歯先円で切除されたギアカット部を形成し、ピックアーム状態検出センサを不要にすることにより、ピックアーム部をコンパクトにするため、ピックアーム駆動ギアの歯数を必要最小限にし、駆動モータのモータ逆転パルス数を大きくし、遅延が少ないときには、歯飛びを発生させピックアームの過昇を防止する場合、歯飛び発生時のストロークが小さくできる。それにより、歯飛びの音(歯先の衝突音)を低減することができる。したがって、歯飛びの音による不快感をユーザに与えることをなくすることができる。
【0182】
さらに、給紙通路のピックローラとフィードローラとの間に用紙有無を検出するピック/フィード間用紙センサを備え、用紙がピックされない場合は前記モータの逆転/正転動作を繰り返してシュータ上に積載した用紙を叩く機能を備えることにより、用紙がピックされない場合は用紙をピックアームで叩くことにより、ピック性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の図である。
【図2】本発明の実施例の装置外観図である。
【図3】本発明の実施例の図である。
【図4】本発明の実施例の図である。
【図5】本発明の実施例の図である。
【図6】本発明の実施例の図である。
【図7】本発明の実施例の図である。
【図8】本発明の実施例の図である。
【図9】本発明の実施例の図である。
【図10】本発明の実施例の図である。
【図11】本発明の実施例のブロック図である。
【図12】本発明の実施例のブロック図である。
【図13】本発明の実施例のブロック図である。
【図14】本発明の実施例のブロック図である。
【図15】本発明の実施例のフローチャートである。
【図16】本発明の実施例のフローチャートである。
【図17】本発明の実施例のフローチャートである。
【図18】本発明の実施例のフローチャートである。
【図19】本発明の実施例のフローチャートである。
【図20】本発明の実施例の図である。
【図21】本発明の実施例の図である。
【図22】本発明の実施例の図である。
【図23】本発明の実施例の図である。
【図24】本発明の実施例の図である。
【図25】本発明の実施例の図である。
【図26】本発明の実施例の図である。
【図27】従来技術の図である。
【図28】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
1 ピックローラ
2 ゲート
3 用紙分離パッド
4 ピックアーム
5 遊星ギア
6 モータ
7 ピックアーム状態検出センサ
8 ピックアーム駆動ギア
9 ギアカット部
10 シュータ上用紙検出センサ
11 フィードローラ
12 ピック/フィード間用紙センサ
13 シュータ
14 段差
15 回転支点
16 用紙分離付圧バネ
17 パッド固定用線バネ
51 演算制御部

Claims (11)

  1. 分離パッドに当接して設けられて、シュータ上に積載された用紙を下側よりピックし、そのピックした用紙を該分離パットを用いて1枚ずつ分離して送出するように動作するピックローラを使って給紙を行う給紙装置において、
    用紙進入方向に対してほぼ垂直に形成され、シュータ上に積載された用紙のストッパ部材として機能して、ピックローラとの間に所定の隙間を形成するゲートと、
    回転支点を中心として回転可能になる形態で設けられるピックアームと、
    ピックローラを回転させるモータと同一のモータにより自公転する遊星ギアを有して、用紙セット動作モードのときには、該遊星ギアを前記ピックアームの有する駆動ギアと噛み合わせることで、シュータとの間に空間が形成されることになるようにと前記ピックアームを回転させ、給紙動作モードのときには、その噛み合わせを外して前記ピックアームをフリー状態とすることで、前記ゲートの形成する隙間近傍で、前記ピックアームがシュータ上に積載された用紙を上方向から押圧するように動作させるピックアーム駆動機構とを備えることを、
    特徴とする給紙装置。
  2. 請求項1に記載の給紙装置において、
    前記ピックアームは、フリー状態となるときに、シュータ上に積載された用紙の枚数が多くなるに従って大きなものとなる押圧力で用紙を押圧することを、
    特徴とする給紙装置。
  3. 請求項1に記載の給紙装置において、
    前記ピックアームの回転支点は、シュータ上に積載された用紙の枚数が多くなるに従って前記ピックアームの先端が前記ゲートから離れる位置で用紙を押圧することになる位置に設けられることを、
    特徴とする給紙装置。
  4. 請求項1に記載の給紙装置において、
    前記ピックアームの先端に、シュータ上に積載された用紙の盛り上がりを押さえる形状を持つ用紙押さえ部材を備えることを、
    特徴とする給紙装置。
  5. 請求項1に記載の給紙装置において、
    用紙セット動作モードのときには下方に位置し、給紙動作モードのときには上方に位置するように動作し、ピックローラの周速よりも遅い周速で回転して、シュータ上に積載された用紙を裏面からプレピックして前記ゲートに搬送するプレピックローラを備えることを、
    特徴とする給紙装置。
  6. 請求項5に記載の給紙装置において、
    前記プレピックローラは、ピックローラを回転させるモータの回転を伝達するギアにより回転されるとともに、用紙搬送方向のみに回転が可能となる機構を備えることを、
    特徴とする給紙装置。
  7. 請求項5に記載の給紙装置において、
    前記プレピックローラは、ピックローラを回転させるモータの回転を伝達するローラにより回転されることを、
    特徴とする給紙装置。
  8. 請求項5に記載の給紙装置において、
    前記プレピックローラの持つ切り込みに適合する1つ又は複数のブリッジ部分を持つ開口を有して、前記プレピックローラをプレピック位置に停止させるストッパを備えることを、
    特徴とする給紙装置。
  9. 請求項1に記載の給紙装置において、
    前記遊星ギアと噛み合う前記ピックアームの有する駆動ギアの一部に、前記遊星ギアの歯先円で切除されたギアカット部が形成されることを、
    特徴とする給紙装置。
  10. 請求項1に記載の給紙装置において、
    前記ピックアームが用紙セット動作モードの位置にあるのか否かを検出するピックアーム状態検出センサと、
    用紙セット動作モードのときに、前記ピックアーム駆動機構を制御することで、前記ピックアーム状態検出センサが前記ピックアームを検出することになるようにと前記ピックアームを回転させる制御機構とを備えることを、
    特徴とする給紙装置。
  11. 請求項1に記載の給紙装置において、
    ピックローラから搬送される用有無を検出する用紙センサと、
    給紙動作モードのときにあって、前記用紙センサにより用紙ピックが検出されない場合に、ピックローラを回転させるモータの逆転/正転動作を繰り返すことにより、シュータ上に積載された用紙を前記ピックアームで叩くように制御する制御機構とを備えることを、
    特徴とする給紙装置。
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