JP3608838B2 - 薄膜形成装置および薄膜形成方法 - Google Patents

薄膜形成装置および薄膜形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は薄膜形成装置および薄膜形成方法に関し、特に、長尺材料上に成膜を行う薄膜形成装置および薄膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば電線材料、ポリエステルフィルム、金属シートなどの長尺な材料の表面に薄膜(Al等の金属やSiO等の酸化物)を形成するための従来の薄膜形成装置の第1の例を図5に示す。この装置では、2つのロータ(円柱体または円筒体等)51,52を平行に配置し、図示しない長尺材料供給装置から供給される長尺材料53を、複数のローラ(図示せず)でガイドしながら2つのロータの間に複数回巻き付け、長尺材料53の先端を連続巻取機54に取り付けている。図示例では、長尺材料53は電線材料のごとき線状のものである。長尺材料53は幅を有する帯形状のものであってもよい。連続巻取機54はフィルムワインダと呼ばれる。連続巻取機54をモータ(図示せず)等で回転させることにより、長尺材料53の巻取動作を行い、長尺材料53は連続巻取機54に巻き取られる。2つのロータ51,52は図示しない支持部材によって回転自在に支持され、連続巻取機54による巻取動作の間、長尺材料53を連続巻取機54側に送るために回転している。55は、下方に配置された堆積材料源である。堆積材料源55から蒸発した堆積材料は、長尺材料53の表面に堆積され、薄膜が形成される。堆積材料が堆積された長尺材料53はさらに送給され、連続巻取機54に巻き取られる。
【0003】
図6は従来の長尺材料用の薄膜形成装置の第2の例を示す。この例による装置の構成では、1つのロータ56のみを使用する。連続巻取機54、長尺材料53の配置状態、長尺材料53に連続的に薄膜形成処理を行うための堆積材料源55等の構成は前述の第1の例と同じである。
【0004】
堆積材料源55から長尺材料53に対して堆積材料が与えられ、長尺材料53に薄膜が形成される空間は所要の減圧状態(真空状態)であることが必要であり、上記の装置は、真空中で動作するように設けられるのが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
長尺材料上に成膜を行う従来の装置では、真空中で長時間連続して安定して動作させることが要求され、次のような4つの理由で、装置のコスト/生産性が著しく低下するという問題を有していた。
【0006】
第1は、ロータ51,52またはロータ56で長尺材料53を所定位置に巻き付けるため複数(一般的に6〜8個)の円筒状ロールが使用されるが、各ローラで、長尺材料の巻きずれを起こさないようにするため、ロールを受ける軸受け穴に関し平行度を出すための精密加工が必要とされることである。
【0007】
第2は、連続巻取機54において巻きむらが生じないようにするために、巻取量の変化に応じてフォアテンションとバックテンションを精密に制御しなければならないことである。この精密制御には、例えば、トルクコンバータが利用される。
【0008】
第3は、回転部のシール部材が消耗し、当該シール部で大気が漏れることである。シール部材はゴムで作られ、軸材は金属で作られるので、シール部材は摩耗し、消耗する。この結果、大気の漏れが発生する。そこでシール部材の消耗を低減する必要がある。
【0009】
第4は、長尺材料の移動速度と長尺材料における堆積物の堆積速度は、従来、独立に制御されていたので、いずれか一方に変動が生じると、堆積物の厚みが長尺方向に関し変動し、堆積の分布が生じることである。このため、移動速度と堆積速度に関し相関的制御を行うことが望ましいが、一般にコストが高くなる。
【0010】
さらに従来装置によって長尺材料に対し元素成分の異なる多層膜を堆積させる場合には、生産性を考慮すると、経済的に不可能であるという欠点も有する。
【0011】
本発明の目的は、長尺材料上の成膜でコスト/生産性を高めた薄膜形成装置および薄膜形成方法を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、長尺材料に対し元素成分の異なる多層膜を経済的に堆積でき、実用性の高い薄膜形成装置および薄膜形成方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る薄膜形成装置は、ロータの表面に線状または帯状の長尺材料を配置して被堆積対象物を構成し、堆積材料源から供給される堆積材料を被堆積対象物の表面に堆積させ、長尺材料の表面に薄膜を形成する装置であって、被堆積対象物をその中心軸の回りに回転させかつ中心軸の方向に移動させる回転・直線移動手段を備えるように構成されている。
上記の被堆積対象物は、ロータの表面に長尺材料を巻き付けてなることが好ましい。
【0014】
上記堆積材料源は、被堆積対象物の中心軸に平行な位置に堆積材料の種類が異なる複数の堆積材料源を隔離して配置したことで特徴づけられる。
さらに、堆積材料の堆積速度を検出する検出手段と、この検出手段で検出される堆積速度から回転・直線移動手段の回転動作を制御する制御手段を備えることが好ましい。
【0015】
複数の堆積材料源は各々蓋部材を備えるように構成される。
【0016】
また本発明に係る薄膜形成方法はロータの表面に長尺材料を配置し被堆積対象物を形成し、ロータをその中心軸の回りに回転させかつ中心軸の方向に移動させて、堆積材料源から供給される堆積材料を被堆積対象物の表面に堆積させ、長尺材料に薄膜を形成する薄膜形成方法において、堆積材料の堆積速度を検出し、堆積速度から被堆積対象物の回転動作を制御して薄膜を形成する方法である。
上記の薄膜形成方法において、好ましくは、堆積材料の堆積速度と被堆積対象物の回転速度との比を一定にするように被堆積対象物の回転動作を制御して薄膜を形成する。
上記の薄膜形成方法において、好ましくは、堆積材料源は、被堆積対象物の中心軸に平行な位置に堆積材料の種類が異なる複数の堆積材料源を隔離して配置してなり、複数の堆積材料源は各々蓋部材を備え、各堆積材料源に対応する位置に被堆積対象物が移動して来たとき、蓋部材を開けて堆積材料を供給する。
上記の薄膜形成方法において、好ましくは、ロータの表面に長尺材料を巻き付けて被堆積対象物を形成する。
【0017】
また複数の堆積材料源の配列の中に紫外線照射機構、ラジカル源、イオン源のいずれかを適宜に組み合わて配置することもできる。
【0018】
【作用】
本発明では、ロータに螺旋状に密巻きされた長尺材料に対して堆積材料源から堆積材料を堆積させ、長尺材料の表面に薄膜を形成する。この場合に、回転駆動手段によってロータを回転し、被堆積対象物をその中心軸の回りに回転させかつ軸方向に並進移動させることにより堆積材料を堆積する。このとき堆積材料の堆積速度を検出する検出手段と、フィードバック制御手段によって、堆積材料の堆積速度と被堆積対象物の回転速度との比を一定にし、これにより堆積速度を一定値に保持する。また被堆積対象物をその中心軸の回りに回転させかつ中心軸の方向に移動させると共に、被堆積対象物の中心軸に平行な位置に配置された種類が異なる複数の堆積材料源を用いて、元素成分の異なる多層膜を形成することもできる。
【0019】
ロータの中心軸に平行な位置に堆積材料の種類が異なる複数の堆積材料源を配置して複数種類の元素を用いて多層膜を形成する。元素成分が異なる複数の堆積材料源は互いに隔離して配置され、相互のコンタミネーションを防ぐようにしている。
【0020】
また複数の堆積材料源の配列の中に組み合わせて配置した紫外線照射機構、ラジカル源、イオン源によって、被堆積物表面のクリーニングや、表面の改質が行われる。
【0021】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
【0022】
図1は本発明に係る薄膜形成装置の第1実施例の全体的構成を示す。11は、内部に成膜室12を形成する真空容器であり、成膜室12内は真空ポンプ13によって排気され、所要レベルの減圧状態に保持される。なお真空容器11の図中左部分は図示の便宜上一部を切って示している。14はロータ(外観が例えば円柱体または円筒体の形状を有するもの)であり、ロータ14の表面には、例えばその全体にわたって長尺材料15が螺旋状に密に巻き付けられている。この実施例の長尺材料15は所定の幅を有する帯形状を有するものである。ここで「密に巻き付けられる」とは、ロータ14の表面に長尺材料15が互いに重ならず、かつ隙間が生じないように巻かれた状態のことを意味する。長尺材料15が密巻きされたロータ14は、被堆積対象物を構成する。この被堆積対象物すなわちロータ14は、成膜室12内に設けられた、当該ロータ14を回転させかつ右方向Bへ移動させるための軸装置16の先端部に固定されている。
【0023】
軸装置16は、その左端部が真空容器11の壁部で回転自在に支持され、かつ当該左端部が真空シール部(図示せず)を通して真空容器11の外へ延設され、真空容器外に配置された回転駆動装置17によってその回転運動が伝達される。回転駆動装置17としては例えば交流サーボモータが使用される。回転駆動装置17が回転動作し軸装置16がその運動を伝達されると、ロータ14は回転すると共に図中左側から右側への方向に並進移動する。上記軸装置16は、回転および直線運動を行える装置として知られる装置である(例えば日電アネルバ株式会社のカタログに記載されるR/L導入機)。
【0024】
ロータ14は、軸装置16に対して着脱自在に取り付けられる。ロータ14を軸装置16に取り付ける構造には、よく知られた任意の構造を採用することができる。また真空容器13には、長尺部材15が螺旋状に密巻きされたロータ14を出し入れするためのゲート(図示せず)が設けられている。
【0025】
成膜室12のほぼ中央部分の下側には堆積材料源A1が配置され、ロータ14に密巻きされた長尺材料15の表面に成膜を行うための領域が設けられる。堆積材料源A1の両側には隔離部材18が設けられる。堆積材料源A1としては、例えば抵抗加熱蒸発源、電子銃加熱蒸発源、ラングミュア傍熱型蒸発源(分子線セル)、スパッタ源が用いられる。堆積材料源A1を設けることによって、長尺材料15の表面に成膜を行うことができる。また隔離部材18を設けることによってコンタミネーションを防止できる。堆積材料源A1の堆積材料は加熱作用によって蒸発して上昇し、真上の位置に到来したロータ14上の長尺材料15の表面に堆積する。堆積材料源A1はシャッタ19を備える。シャッタ19は、図示しない駆動・制御機構によって独立に開閉され、堆積材料源A1の上方にロータ14が到来し、成膜を開始しようとするときに開く。図1では、ロータ14は堆積材料A1の真上に存在し、シャッタ19が開いた状態にあるので、各シャッタ19を便宜上破線で示している。またシャッタ19の駆動装置にはモータが使用され、その駆動・制御機構は、例えば、回転駆動装置17に付設されたロータリエンコーダ31で回転駆動装置17によるロータ14の並進移動量を計測し、ロータ13の右端部が堆積材料源A1の箇所に到達したときにシャッタ19が開くように構成される。
【0026】
また堆積材料源A1に対応して堆積速度監視器20が配置される。堆積速度監視器20には例えば水晶式成膜速度検出器が用いられる。そして堆積速度監視器20から出力される堆積速度に関する情報を含む検出信号は、堆積速度制御器21に供給される。堆積速度制御器21は、長尺材料15の表面に形成される薄膜の堆積速度を望ましい速度に制御するための手段である。堆積速度制御器21から望ましい一定の堆積速度にするための制御信号が回転速度制御器22に与えられ、これによって回転駆動装置17の回転動作量を制御する。堆積速度の制御に関してフィードバックサーボ制御機構が構成される。回転速度制御器22には例えばインバータが使用される。
【0027】
上記構成の薄膜形成装置の動作を説明する。長尺材料15を全面的(または部分的であってもよい)に螺旋状に密巻きしたロータ14を、真空容器11のゲートを通して軸装置16の先部に取り付けた状態で成膜室12内に配置する。その後真空ポンプ13を動作させて排気を行い、真空容器11内の成膜室12を例えば10−4Pa程度まで減圧する。次に各堆積材料源A1を動作させ、堆積材料を蒸発できるように用意する。ロータ14が図1中において成膜領域に移動していない状態では、堆積材料源A1のシャッタ19は閉じた状態にある。
【0028】
次に回転駆動装置17を動作させ、軸装置16を、ロータ14が図1中右方向Bに移動するように回転させる。軸装置16の動作によって、ロータ14は回転しながら右方向Bに並進移動する。ロータ14の回転速度と並進移動速度は最初は所定の速度に設定されている。ロータ14の右端部が成膜領域に到達し、堆積材料源A1の配置位置に来ると、堆積材料源A1のシャッタ19が開き、堆積材料源A1によってロータ14に密巻きされた長尺材料15の表面に第1の堆積材料が堆積させられる。長尺材料15の表面に堆積材料の堆積が行われると、その堆積速度は、堆積速度監視器20によって監視される。堆積速度監視器20の監視で得られた堆積速度値に関する信号は、堆積速度制御器21に与えられる。堆積速度制御器21は、堆積速度監視器20で得られた堆積速度値を基準にして、ロータの回転速度と並進移動速度のそれぞれが望ましい値、すなわち堆積速度値と回転速度値の積、堆積速度値と並進移動速度値の積のそれぞれが一定値になるように回転駆動装置17を制御する。この結果、軸装置16の回転速度は、ロータ14の回転速度値および並進移動速度値の各々と長尺材料15上の堆積材料の堆積速度値との積が一定になるように制御される。これにより、長尺材料15における堆積材料の堆積速度が所望の一定値となるようにフィードバック制御が行われ、堆積材料の堆積厚みに変動が生じるのを防ぐことができる。こうしてロータ14が堆積材料源A1の上方を移動する間、堆積材料の堆積が行われ、螺旋状に密巻きされた長尺材料15の全面にわたって薄膜が形成される。
【0029】
なお、回転速度制御器22を設けて回転駆動装置17の回転速度を制御する代わりに、他の制御機構として、材料源制御電源32を設け、堆積速度制御器21からの制御信号で材料源制御電源32を制御し、堆積材料源A1の蒸発速度あるいは蒸発量を調整することによって堆積速度を調整するように構成することもできる。
【0030】
図2は本発明に係る薄膜形成装置の第2実施例の全体的構成を示す。この実施例では、成膜領域に複数の堆積材料源を設けることにより、長尺材料15に多層膜を形成する。その他の構成は、図1で説明した構成と実質的に同じであり、同一要素には同一の符号を付している。
【0031】
成膜室12で、軸装置16のほぼ中央部分の下側に例えば6個の堆積材料源A1〜A6が一列の配列状態で配置され、ロータ14に密巻きされた長尺材料15の表面に成膜を行うための成膜領域が設けられる。各堆積材料源A1〜A6は堆積材料が異なるものであり、各堆積材料源の間には隔離部材18が設けられる。堆積材料源A1〜A6としては、前記実施例と同様に例えば抵抗加熱蒸発源、電子銃加熱蒸発源、ラングミュア傍熱型蒸発源(分子線セル)、スパッタ源が用いられる。堆積材料の異なる複数の堆積材料源を設けることによって、長尺材料15の表面に複数層の成膜を行うことが可能となる。また隔離部材18を設けることによって各堆積材料の相互のコンタミネーションを防止している。各堆積材料源A1〜A6の堆積材料は加熱作用によって蒸発して上昇し、真上の位置に到来したロータ14上の長尺材料15の表面に堆積する。各堆積材料源A1〜A6はシャッタ19を備える。各シャッタ19は、図示しない駆動・制御機構によって独立に開閉され、対応する堆積材料源の上方にロータ14が到来し、成膜を開始しようとするときに開動作される。なお図2では、ロータ14は各堆積材料の真上に存在し、すべてのシャッタ19が開いた状態にあるので、各シャッタ19を破線で示している。
【0032】
各堆積材料源A1〜A6に対応して堆積速度監視器20が配置される。そして例えば左端の第1の堆積速度監視器20から出力される堆積速度に関する情報を含む検出信号は、堆積速度制御器21に供給される。堆積速度制御器21は、長尺材料15の表面に形成される薄膜の堆積速度を望ましい速度に制御するための手段である。望ましい一定の堆積速度にするための制御信号が堆積速度制御器21から材料源制御電源32に与えられ、これによって堆積材料源A1の堆積材料源の供給量を制御する。このように堆積速度の制御に関しフィードバックサーボ制御機構が構成される。
【0033】
図2中では、第1番目の堆積材料源A1に関し、その堆積速度監視器20、堆積速度制御器21、材料源制御電源32に基づく堆積速度の制御機構を示しているが、他の堆積材料源A2〜A6に関しても同様な堆積速度の制御機構が設けられる。すなわち、複数の堆積材料源A2〜A6の堆積速度監視器20の各々に対応して個別に堆積速度制御器21と材料源制御電源32が設けられる。
【0034】
上記構成の薄膜形成装置の動作を、図2および図3を参照して説明する。
【0035】
第1実施例で説明した条件と同じ成膜の条件で、長尺材料15を螺旋状に密巻きしたロータ14を所定の位置にセットする。次にすべての各堆積材料源A1〜A6を動作させ、各堆積材料源から堆積材料を蒸発できるように用意する。ロータ14が図2中において成膜領域に移動していない状態では、すべての堆積材料源の各シャッタ19は閉じた状態にある。
【0036】
次に回転駆動装置17を動作させることにより、軸装置16の機能によって、ロータ14は回転しながら右方向Bに並進移動する。図3の(A),(B)に示すように、ロータ14の右端部が成膜領域に到達し、最初(第1)の堆積材料源A1の配置位置に来ると、第1実施例で説明した通りロータリエンコーダ31の計測量に基づき駆動・制御機構が動作し、堆積材料源A1のシャッタ19が開き、堆積材料源A1によってロータ14の表面に密巻きされた長尺材料15の表面に第1の堆積材料が堆積させられる。長尺材料15の表面に堆積材料の堆積が行われると、その堆積速度は、堆積速度監視器20によって監視される。堆積速度監視器20の監視で得られた堆積速度値に関する信号は、堆積速度制御器21に与えられる。堆積速度制御器21は、堆積速度監視器20で得られた堆積速度値を基準にして、堆積材料の供給量が望ましい値になるように材料源制御電源32を制御する。この結果、堆積材料源A1から堆積材料源の供給量が最適に調節され、長尺材料15における堆積材料の堆積速度が所望の一定値となるようにフィードバック制御が行われ、これにより第1の堆積材料の堆積厚みに変動が生じ分布が生じるのを防ぐことができる。
【0037】
ロータ14が第1の堆積材料源A1の真上を移動する時、堆積材料源A1によって第1層目に相当する堆積材料が堆積される。図3の(C)に示すようにロータ14の右端部が第2の材料堆積源A2の真上に移動すると、堆積材料源A2のシャッタ19が開き、堆積材料源A2によって第2層目に相当する堆積材料が長尺材料15の上に、正確には第1層目の堆積材料の上に堆積される。またロータ14の右端部分の隣に位置する、第1の堆積材料源A1の真上の長尺材料15の部分には第1の堆積材料源A1によって第1層目の堆積材料が堆積される。ロータ14の右端部が成膜領域において右方向に並進移動すると、第3以降の各堆積材料源A3〜A6の各シャッタ19が開いて各堆積材料源によって堆積材料が堆積される。こうして、ロータ14に密巻きされた長尺材料15に6層の堆積材料が積層状態で堆積される。
【0038】
各堆積材料源A2〜A6による各種の堆積材料の堆積においても、必要に応じて、前述したそれぞれの堆積速度の制御機構によって堆積速度を一定に保持するように制御が行われる。
【0039】
成膜領域においてロータ14が右方向Bに並進移動して各堆積材料源の配置位置から離れると、各堆積材料源のシャッタ19が閉じる。図3(D)はロータ14が成膜領域から離れた状態を示している。
【0040】
前述した各実施例によれば、長尺材料を予めロータに螺旋状に密巻きして装備することにより被堆積対象物を構成したので、巻ずれ防止のための構造および精密加工が不要となり、また巻きむら発生を防止するためのフォアテンションとバックテンションなどの精密制御が不要となる。また回転部に設けたシール部の数が少なく、シール部材は摩耗・消耗を低減することができる。さらに堆積速度監視器、堆積速度制御器、回転速度制御器または材料源制御電源による堆積速度のフィードバック制御によって長尺材料における堆積物の堆積速度が所定値に保持されるようにしたため、厚みの変動が少ない均一分布の堆積層を作ることができる。
【0041】
また上記実施例によれば、種類の異なる複数の堆積材料を蒸発させるための複数の堆積材料源を配列して設けることにより、比較的に安価にかつ容易に長尺材料に対し元素成分の異なる多層膜を堆積させることができ、長尺材料に高い生産性で、経済的に多層膜を形成することができる。
【0042】
図4に本発明の他の実施例を示す。この実施例では、第2の実施例における成膜領域において例えば2つの堆積材料源A2,A4のみを残し、他の堆積材料源A1,A3,A6を除き、堆積材料源A1,A3,A6の配置箇所のそれぞれに例えば紫外線照射機構23、ラジカル源24、イオン源25を配置している。その他の構成は前記実施例の場合と同じである。この実施例によれば、紫外線照射機構23を設けることによって、炭化水素系の分解を促進することができ、これによって長尺材料15の被堆積表面のクリーニングを行うことができる。また成膜工程の途中にラジカル源24を入れることによってガスを導入することで表面を改質することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明によれば、長尺材料における薄膜形成を行う装置において、長尺材料をロータに螺旋状に密巻きした状態で回転動作および並進移動を行わせることによって薄膜形成を行うようにしたため、長尺材料上の成膜でコスト/生産性を高めることができる。
【0044】
また成膜室の成膜領域において、長尺材料が螺旋状に密巻きされたロータの移動する場所の下側において複数の堆積材料源を配列し逐次に堆積動作を行われるようにしたため、長尺材料に対し元素成分の異なる多層膜を経済的に堆積でき、実用性の高い長尺材料の薄膜形成装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薄膜形成装置の第1の実施例を示す構成図である。
【図2】本発明に係る薄膜形成装置の第2の実施例を示す構成図である。
【図3】第2実施例による薄膜形成装置の動作を説明するための図である。
【図4】本発明の他の実施例の要部を示す図である。
【図5】長尺材料の薄膜形成装置の従来装置の第1の例を示す斜視図である。
【図6】従来装置の第2の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
11 真空容器
12 成膜室
13 真空ポンプ
14 ロータ
15 長尺材料
16 軸装置
17 回転駆動装置
18 隔離部材
19 シャッタ
20 堆積速度監視器
21 堆積速度制御器
22 回転速度制御器
A1〜A6 堆積材料源
31 ロータリエンコーダ
32 材料源制御電源

Claims (10)

  1. ロータの表面に長尺材料を配置し被堆積対象物を形成し、堆積材料源から供給される堆積材料を前記被堆積対象物の表面に堆積させ、前記長尺材料に薄膜を形成する薄膜形成装置において、前記被堆積対象物をその中心軸の回りに回転させかつ前記中心軸の方向に移動させる回転・直線移動手段を備えることを特徴とする薄膜形成装置。
  2. 前記堆積材料源は、前記被堆積対象物の中心軸に平行な位置に堆積材料の種類が異なる複数の堆積材料源を隔離して配置したことを特徴とする請求項1記載の薄膜形成装置。
  3. 前記堆積材料の堆積速度を検出する検出手段と、この検出手段で検出される前記堆積速度から前記回転・直線移動手段の回転動作を制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項1または2記載の薄膜形成装置。
  4. 前記複数の堆積材料源は各々蓋部材を備えることを特徴とする請求項2または3記載の薄膜形成装置。
  5. 前記複数の堆積材料源の配列の中に紫外線照射機構、ラジカル源、イオン源のいずれかを組み合わせて配置したことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の薄膜形成装置。
  6. 前記被堆積対象物は、前記ロータの表面に前記長尺材料を巻き付けてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄膜形成装置。
  7. ロータの表面に長尺材料を配置し被堆積対象物を形成し、前記ロータをその中心軸の回りに回転させかつ前記中心軸の方向に移動させて、堆積材料源から供給される堆積材料を前記被堆積対象物の表面に堆積させ、前記長尺材料に薄膜を形成する薄膜形成方法において、前記堆積材料の堆積速度を検出し、前記堆積速度から前記被堆積対象物の回転動作を制御して前記薄膜を形成することを特徴とする薄膜形成方法。
  8. 前記堆積材料の前記堆積速度と前記被堆積対象物の回転速度との比を一定にするように前記被堆積対象物の回転動作を制御して前記薄膜を形成することを特徴とする請求項7記載の薄膜形成方法。
  9. 前記堆積材料源は、前記被堆積対象物の中心軸に平行な位置に堆積材料の種類が異なる複数の堆積材料源を隔離して配置してなり、前記複数の堆積材料源は各々蓋部材を備え、各堆積材料源に対応する位置に前記被堆積対象物が移動して来たとき、前記蓋部材を開けて堆積材料を供給することを特徴とする請求項7または8記載の薄膜形成方法。
  10. 前記ロータの表面に前記長尺材料を巻き付けて前記被堆積対象物を形成することを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の薄膜形成方法。
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