JP3606142B2 - 無段変速機の変速比制御システム - Google Patents

無段変速機の変速比制御システム Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、無段変速機の変速比を制御する変速比制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ステップモータ等を用いて変速制御弁を駆動することで可変プーリのプーリ溝幅を変更し、設計者が希望する動特性で変速比が目標とする変速比に追従するように変速比制御を行うVベルト式無段変速機が知られている。
【0003】
このようなVベルト式無段変速機の変速比制御システムとしては、例えば、特開平8−296708号に開示されたものがある。この変速比制御システムは、図16に示すように実変速比等に基づき設計者が希望する変速比応答を得るための制御定数を決定し制御を行う動特性補償器と、無段変速機の動特性変化や外乱の影響を除去する外乱補償器から構成される。
【0004】
このような構成を備えることにより、設計者が希望する変速比応答の実現と、無段変速機の動特性変化や外乱の影響に対する安定性の向上を図っている。
【0005】
【発明が解決しようとしている問題点】
しかしながら、このような従来の変速比制御システムにあっては、所望の変速比応答を達成するための動特性補償器がフィードフォワード補償器で構成されていたため、ステップモータの駆動速度制限(ハードあるいはソフト上のリミッタ)や角位置制限(ハード上のストッパ)による変速性能の悪化を防止することができないという問題があった。
【0006】
外乱補償器を備えているが、その外乱補償器は油の劣化や組立てバラツキ等によるパラメータ変動(時定数、すなわち応答の変化)等の外乱を補償するためのものなので、上述のように変速機構部の動作が制限された場合までは補償しきれない。
【0007】
そのため、高開度の踏み込みダウンシフトや足離しアップシフトといった変速比の目標値が不連続に急変する運転条件においては目標とする変速比応答を達成することができないといった問題が生じる。
【0008】
この点を改善するために動特性補償器を図17に示すようにフィードバック補償器で構成することも考えられるが、このように構成した場合、今度は目標とする変速比応答と外乱に対する応答性を独立して自由に設計することができなくなるという問題が生じる。
【0009】
すなわち、動特性補償器は希望する変速比応答が得られるように設計されるが、動特性補償器をフィードバック補償器で構成すると、外乱補償器により補償された結果を含んだ実変速比をフィードバックして変速比応答が決まるため、動特性補償器と外乱補償器を別々に独立して設計することができなくなる。
【0010】
本発明は、上記従来技術の課題を鑑みてなされたものであり、変速機構部の制限が生じた場合であっても目標変速比と実変速比との偏差を減少させて目標とする変速比応答を実現することを目的とする。さらには、目標とする変速比応答と外乱に対する応答性を独立して設計可能な変速比制御システムを提供することを目的とする。
【0011】
【問題点を解決するための手段】
第1の発明は、変速比制御システムにおいて、運転状態に応じて決まる到達変速比と、所定の動特性を表す時定数と、推定された無段変速機の動特性を表す時定数とに基づき変速比指令値を演算する手段と、前記到達変速比と、前記所定の動特性を表す時定数とに基づき目標変速比を演算する手段と、前記目標変速比と実変速比との偏差に基づき前記変速比指令値の補正量を演算する手段と、前記補正量に基づき前記変速比指令値を補正する手段と、補正後の変速比指令値に基づき無段変速機を制御する手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0012】
第2の発明は、第1の発明において、無段変速機に加わる外乱を補償すべく近似ゼロイングを用いたフィルタにより前記変速比指令値をさらに補正する手段を備えたことを特徴とするものである。
【0013】
第3の発明は、第2の発明において、変速比指令値の補正量を演算する手段が、目標変速比と実変速比との偏差を、無段変速機の動特性を表す時定数に基づき決定される関数に通して変速比指令値の補正量を演算することを特徴とするものである。
【0014】
第4の発明は、第1の発明において、変速比指令値の補正量を演算する手段が、前記目標変速比と実変速比との偏差を無段変速機の動特性を表す時定数の変化に対して安定性が補償されているフィルタに通して変速比指令値の補正量を演算することを特徴とするものである。
【0015】
第5の発明は、第4の発明において、フィルタが積分特性を有することを特徴とするものである。
【0016】
第6の発明は、第4の発明において、変速比指令値の補正量を演算する手段と無段変速機とからなる閉ループ制御系の周波数特性が低周波領域でゲイン1となり、高周波領域でゲインピークを持たないように前記フィルタを設計したことを特徴とするものである。
【0017】
第7の発明は、第4の発明において、フィルタが無段変速機の動特性を表す時定数の変化を含めて構成した一般化制御対象を用いて設計されることを特徴とするものである。
【0018】
第8の発明は、第4の発明において、フィルタが無段変速機の動特性のむだ時間を含めて構成した一般化制御対象を用いて設計されることを特徴とするものである。
【0019】
第9の発明は、第1から第8の発明において、変速比指令値を演算する手段が、前記到達変速比を、所定の動特性を表す伝達関数に無段変速機の動特性を表す伝達関数の逆関数を掛け合わせたフィルタに通して前記変速比指令値を演算することを特徴とするものである。
【0020】
第10の発明は、第1から第8の発明において、変速比指令値を演算する手段が、前記到達変速比を、
【0021】
【数2】
Figure 0003606142
:無段変速機の動特性を表す時定数
:所定の動特性を表す時定数
で表される1次/1次フィルタに通して変速比指令値を演算することを特徴とするものである。
【0022】
第11の発明は、第1から第10の発明において、無段変速機の動特性にむだ時間要素が存在する場合、目標変速比を演算する手段がむだ時間相当の遅れを考慮して目標変速比を演算することを特徴とするものである。
【0023】
【作用及び効果】
したがって、変速比制御システムは実変速比が所定の動特性をもって運転条件に応じて決まる到達変速比に近づくように無段変速機を制御し、実変速比は所定の動特性と到達変速比に基づき演算される目標変速比に追従するが、第1の発明によると、ステップモータの駆動速度制限や角位置制限等を受けて実変速比が所定の動特性で到達変速比に近づかず、目標変速比と実変速比とに偏差が生じた場合には、変速比指令値にその偏差に応じた補正が施される。
【0024】
これにより、目標変速比と実変速比との偏差を縮小することができ、ステップモータの駆動速度制限や角位置制限を受けたとしてもそれによって変速比応答性能が悪化するのを抑えることができる。
【0025】
また、第2の発明のように、無段変速機に加わる外乱(パラメータ変動やステップモータの脱調等)を補償すべく変速比指令値をさらに補正する構成とすることにより、変速比指令値を演算する手段がその影響を受けることはなく、目標とする変速比応答と外乱に対する応答性とを独立して設計することができる。
【0026】
また、第3の発明によると、変速比指令値の補正量の演算に用いる関数を適宜調整することにより、設計者が希望する制御系の安定性を満足するように設計することができる。
【0027】
また、第4の発明によっても第2の発明と同様に目標とする変速比応答と外乱に対する応答性とを独立して設計することができる。さらに、第4の発明では外乱補償に近似ゼロイングを用いておらず、閉ループ系に不確定要素が含まれないので、仮に無段変速機の動特性を表す時定数を誤推定したとしてもそれが変速比制御性能に与える影響を低く抑えられる。
【0028】
また、第5の発明によると、無段変速機の動特性を表す時定数を誤推定したとしても、実変速比と目標変速比に定常偏差が生じるのを抑えることができ、第6の発明によると、無段変速機の動特性を表す時定数の誤推定が変速比制御性能に与える影響を抑えることができる。
【0029】
また、第7の発明によると、無段変速機の動特性を表す時定数を誤推定したとしても、制御系の安定性を損なうことが無く実変速比と目標変速比に偏差が生じた場合の補償を行うことができる。
【0030】
また、第8の発明によると、むだ時間を考慮することにより制御系の安定性をより大きく取ることができ、無段変速機のパラメータ変動などにより実変速比と目標変速比に偏差が生じたとしても安定性を損なうことなく補償を行うことができる。
【0031】
また、第9から第11の発明のように変速比制御システムを構成することにより、無段変速機の特性を正確に表すことができ、簡単な構成でありながら高い変速比応答を実現することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0033】
図1は本発明に係る無段変速機の変速比制御システムの概略構成を示し、変速比制御システムは、無段変速機4と、その変速比を制御するCVTコントロールユニット1とから構成される。
【0034】
無段変速機4は、前後進切替機構10及びトルクコンバータ11を介して図示しないエンジンに接続される変速機構部17と、変速機構部17への油圧供給を制御する油圧コントロールユニット3と、油圧コントロールユニット3内の図示しない変速制御弁を駆動するステップモータ2とを備える。
【0035】
変速機構部17は、プーリ溝幅を変更可能な一対の可変プーリ5、6と、それらに掛け回されるVベルト7とを備えたいわゆるVベルト式無段変速機構であり、可変プーリ5、6のプーリ溝幅を変更することで変速比を無段階に変更することができる。
【0036】
油圧コントロールユニット3内の変速制御弁はステップモータ2の角位置に応じて駆動され、可変プーリ5、6の可動円錐板の背面に設けられた油圧シリンダ8、9に供給される油圧が調整される。この結果、可変プーリ5、6のプーリ溝幅が相反的に変更され、変速機構部17の変速比が変更される。
【0037】
CVTコントロールユニット1にはスロットル開度センサ12からのスロットル開度信号TVO、インヒビタースイッチ13からのシフトレバー位置信号、油温センサ14からの油温信号の他、変速機構部17の入力回転速度センサ15からの入力回転速度信号Npri、出力回転速度センサ16からの出力回転速度信号Nsec等が入力される。CVTコントロールユニット1は、これら各種入力信号に基づき最終的な目標変速比である到達変速比iPTを演算し、変速機構部17の実変速比iPRが所定の動特性で到達変速比iPTに近づくよう変速比指令値iPCFを演算する。変速比指令値iPCFはCVTコントロールユニット1で角位置指令値θに変換された後ステップモータ2に出力される。
【0038】
CVTコントロールユニット1の内部構成を図2に示す。
【0039】
この図に示すように、CVTコントロールユニット1は、到達変速比演算部B1と、実変速比演算部B2と、変速比指令値演算部B3と、変速比指令値変換部B4とから構成される。
【0040】
到達変速比演算部B1は、上述したスロットル開度信号TVO、入力回転速度信号Npri、出力回転速度信号Nsec等に基づき到達変速比iPTを演算し、それを変速比指令値演算部B3に出力する。到達変速比iPTは、運転状態に応じて決定され、例えば、スロットル開度TVOをパラメータとして出力回転速度Nsecに応じた到達変速比iPTを設定したマップを参照することによって決定される。
【0041】
実変速比演算部B2は、変速機構部17の入力回転速度Npriと出力回転速度Nsecから次式(1)、
【0042】
【数3】
Figure 0003606142
により、変速機構部17の実変速比iPRを演算し、それを変速比指令値演算部B3に出力する。
【0043】
変速比指令値演算部B3は、到達変速比iPTと実変速比iPRに基づき設計者が希望する変速比応答を実現するための変速比指令値iPCFを演算し、それを変速比指令値変換部B4に出力する。
【0044】
変速比指令値変換部B4は、変速比指令値iPCFをステップモータ2の角位置と変速機構部17の変速比との関係を規定するマップを参照して角位置指令値θに変換し、それをステップモータ2に出力する。
【0045】
次に、図3から図9を参照しながら、CVTコントロールユニット1が実行する変速比制御について詳述する。
【0046】
図3は変速比制御システムのブロック線図である。変速比制御システムは大きく分けて動特性補償器B31と、応答補正部B32と、外乱補償器B33と、変速比指令値変換部B4と、制御対象である無段変速機4(ステップモータ2、油圧コントロールユニット3及び変速機構部17)と、加減算器P、P、Pから構成される。
【0047】
ここで無段変速機4の動特性は次式(2)に示すような一時遅れとむだ時間で表すことができる。
【0048】
【数4】
Figure 0003606142
ただし、
L:むだ時間
s:微分演算子
:無段変速機4のゲイン
:無段変速機4の動特性を表す時定数
PR:実変速比
:変速方向
ステップモータ2の角位置に対する変速機構部17の変速比は図4に示すように比例関係にないので、無段変速機4のゲインKは変速機構部17の実変速比iPRに応じて算出される。
【0049】
また、無段変速機4の動特性を表す時定数Tは、実変速比iPR、変速方向s(アップシフト方向またはダウンシフト方向)に応じて変化するので、実変速比iPR、変速方向sから同定実験に基づき作成した図5に示すマップを参照して算出される。なお、時定数Tはプーリ5、6のプーリ溝幅を変更する油圧源の圧力の影響も受けるので、油圧源の圧力も考慮に入れて時定数Tを算出するようにしても良い。また、変速方向sは実変速比iPRや変速比サーボ系の変数を用いて判定され、その具体的な判定方法は、特開平8−338515号に変速制御弁の変位量に基づき変速制御弁の開口方向を演算する方法として開示されている。
【0050】
以上のことを踏まえ、図3に示す変速比制御システムの各要素について説明する。
【0051】
まず、動特性補償器B31について説明すると、動特性補償器B31はいわゆるフィードフォワード補償器であり、設計者が希望する変速比応答が次式(3)、
【0052】
【数5】
Figure 0003606142
:設計者が希望する変速比応答を得るための時定数
で与えられるとすると、実変速比iPRが動特性Gで到達変速比iPTに近づくよう、次式(4)に基づき変速比指令値iPAを演算する。つまり、動特性補償器B31は1次/1次フィルタで構成され、
【0053】
【数6】
Figure 0003606142
:無段変速機4の動特性を表す時定数
:設計者が希望する変速比応答を得るための時定数
となる。時定数Tは到達変速比iPTと後述する目標変速比iPMとの偏差に基づき予め設定されたマップにより決定される。
【0054】
したがって、動特性補償器B31は到達変速比iPTを入力として設計者が希望する変速比応答を実現すべく変速比指令値iPAを出力する。
【0055】
次に、応答補正部B32について説明する。この応答補正部B32は目標変速比演算部B34と変速比指令値補正量演算部B35とから構成される。
【0056】
目標変速比演算部B34は、到達変速比iPTを入力とし設計者が希望する変速比応答である目標変速比iPMを次式(5)に基づき演算する。この目標変速比iPMは実変速比iPRが到達変速比iPTに至るまでの過渡的な目標値である。
【0057】
【数7】
Figure 0003606142
:設計者が希望する変速比応答を表す時定数
なお、次式(6)に示すように無段変速機4のむだ時間相当の遅れを考慮してもよい。
【0058】
【数8】
Figure 0003606142
変速比指令値補正量演算部B35では、例えば比例制御とした場合、加減算器Pの出力である目標変速比iPMと実変速比iPRの偏差iPERR(=iPM−iPR)を入力として次式(7)に基づき変速比指令値補正量iPFBを演算する。
【0059】
【数9】
Figure 0003606142
FB:無段変速機4の動特性を表す時定数Tにより決定される比例ゲイン
次に、外乱補償器B33について説明する。外乱補償器B33は式(1)で記述される無段変速機4の動特性を基準モデルとし、この基準モデルが量産バラツキ(パラメータ変動)やステップモータの脱調等の外乱により乱されるのを除去するように設計される。
【0060】
具体的には、外乱補償器B33は近似ゼロイングを用いたフィルタで構成され、実変速比iPRと後述する変速比指令値iPCFより、次式(8)に基づき外乱補償出力iPDを算出する。
【0061】
【数10】
Figure 0003606142
ここで、Tは外乱補償器B33のローパスフィルタのカットオフ周波数であり、無段変速機4の動特性を表す時定数Tに応じて決定される。
【0062】
なお、フィードバックゲインKFB、外乱補償器B33のローパスフィルタのカットオフ周波数Tについては、設計者が希望する制御系の安定性を満足するように設計される。例えば、フィードバックゲインKFBを0.3に固定し、ゲイン余裕12dB以上、位相余裕45°以上の安定性を確保した場合、無段変速機4の動特性を表す時定数Tと外乱補償器B33のローパスフィルタのカットオフ周波数Tの関係は図6に示すようになる。
【0063】
加減算器Pでは、変速比指令値iPAを変速比指令値補正量iPFBで補正し、変速比指令値iPCを演算する。
【0064】
【数11】
Figure 0003606142
さらに、加減算器Pでは、変速比指令値iPCを外乱補償出力iPDで補正し、最終的な変速比指令値iPCFを演算する。
【0065】
【数12】
Figure 0003606142
上式(10)から算出される変速比指令値iPCFをステップモータ2に指令することにより、パラメータ変動等の外乱の影響を受けにくく、かつ設計者が希望する変速比応答が得られる。
【0066】
ただし、変速機構部17の変速比とステップモータ2の角位置は比例関係にないので、変速比指令値変換部B4おいて、図4に示したようなマップを参照して変速比指令値iPCFをステップモータ角位置指令値θに変換し、これをステップモータ2に出力する。
【0067】
次に、CVTコントロールユニット1の処理を図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0068】
まず、ステップS11で所定時間経過した後に、ステップS12で変速機構部17の入力回転速度Npriと出力回転速度Nsec、スロットル開度TVO、シフトレバー位置等が読み込まれる。
【0069】
次に、ステップS13では読み込まれた各種信号に基づき最終的な目標変速比である到達変速比iPTが演算され、ステップS14では油圧コントロールユニット3の変速制御弁の変速方向sが演算される。ステップ15では、実変速比iPR、変速方向sに基づき図5に示したマップを参照して無段変速機4の動特性を表す時定数Tが演算される。
【0070】
そして、ステップS16では、到達変速比iPT、無段変速機4の動特性を表す時定数T、設計者が希望する変速比応答を表す時定数Tに基づき変速比指令値iPAが演算され、ステップS17では、到達変速比iPT、時定数T及びむだ時間Lに基づき設計者が希望する変速比応答である目標変速比iPMが演算される。
【0071】
目標変速比iPMが演算されたら、ステップS18に進んで目標変速比iPMと実変速比iPRとの偏差iPERRが演算され、ステップS19でこの偏差iPERRにフィードバックゲインKFBを乗じて変速比指令値補正量iPFBが演算される。
【0072】
ステップS20では実変速比iPRと変速比指令値iPCFに基づき外乱補償出力iPDが演算され、ステップS21では変速比指令値iPAを変速比指令値補正量iPFBで補正し変速比指令値iPCが演算される。
【0073】
ステップS22では変速比指令値iPCを外乱補償出力iPDでさらに補正して最終的な変速比指令値iPCFが演算され、ステップS23では所定のマップを参照して変速比指令値iPCFがステップモータ角位置指令値θに変換される。そして、ステップS24では、このステップモータ角位置指令値θがステップモータ2に出力される。
【0074】
したがって、このフローチャートを処理することにより、変速機構部17の実変速比iPRが所定の動特性で到達変速比iPTに近づくようステップモータ2の角位置が制御されるが、ステップモータ2の駆動速度制限などにより目標変速比iPMと実変速比iPRとに偏差が生じる場合は変速比指令値iPAが変速比指令値補正量iPFBに基づき補正されることになる。
【0075】
次に、従来の変速比制御システムと本発明の変速比制御システムについて変速比応答性に関する比較を行う。
【0076】
図8、図9は、図16に示した従来の変速比制御システムと図3に示した本発明の変速比制御システムそれぞれについて到達変速比を0.47から1.47にステップ状に変化させた場合のシミュレーションの結果を示す。このシミュレーションは足離しアップシフト等により到達変速比が急増するような運転条件に対応するもので、上から順に、変速比(到達変速比、目標変速比、実変速比)、変速比指令値(ステップモータ駆動速度制限前、制限後)、変速比偏差(変速比指令値と実変速比との偏差)を示す。
【0077】
なお、ここでは従来の変速比制御システムの動特性補償器を時定数Tを0.5[sec]として設計し、本発明の変速比制御システムの動特性補償器を時定数Tを0.5[sec]、フィードバックゲインKFBを0.3に固定して設計している。
【0078】
これによると、従来の変速比制御システムでは、動特性補償器がフィードフォワード補償器のみで構成されているため、図8に示すように、ステップモータ駆動速度制限により変速比指令値が制限(1.0[sec]〜1.5[sec])された影響が駆動速度制限解除後も同様に継続し(1.5[sec]〜4[sec])、変速比応答が悪化していることわかる。これは従来技術の課題として述べたとおり、外乱補償器は油の劣化や組立てバラツキ等による無段変速機のパラメータ変動等の外乱を補正するためのものであり、上述のように変速機構部の動作が制限された場合までは補償しきれないことによる。
【0079】
これに対し本発明では、図9に示すように、変速初期については従来方法と同様の応答であるが(1[sec]〜1.5[sec])、それ以降については応答補正部によって実変速比を目標変速比に近付けようと変速比指令値に補正が加わるため(図中A)、従来方法よりも偏差が小さくなっていることがわかる(図中B)。
【0080】
このように、本発明では、ステップモータ駆動速度制限により変速比指令値が制限された影響が駆動速度制限解除後に継続しないので、足離しアップシフト等により変速比の目標値が不連続に急変するような運転条件においても変速比応答が悪化するのを抑えることができる。なお、ここでは到達変速比がステップ状に増加する場合のシミュレーション結果を示したが、ステップ状に減少する場合でも同様の効果が得られる。
【0081】
ところで、上述した実施形態にあっては、制御対象である無段変速機4の動特性を実変速比iPRと変速制御弁開口方向s等を引数として予め測定しておき、この測定結果をマップ化したものを用いて無段変速機4の動特性を表す時定数Tを推定している。
【0082】
しかしながら、このマップの引数である変速制御弁開口方向sは、実変速比iPRや変速比サーボ系の変数を用いて判定されるため、時定数変化が小さい場合では開口方向sが誤判定される可能性がある。開口方向sが誤判定されると時定数Tも誤推定されることになるので、変速比サーボ性能に若干の影響を与えてしまう。
【0083】
これは、外乱補償器B33が近似ゼロイングを用いたフィルタにより構成されているため、アップシフトからダウンシフトに切り替わるような不連続に時定数が変化する場合に、無段変速機4の動特性を表す時定数と、推定した時定数とがずれていると、外乱が生じていないにもかかわらず外乱補償器B33が余分な補償を行ってしまうからである。また、CVT変速機構17の組み付け誤差などの生産バラツキにより、予め測定した動特性マップと実際の動特性がずれている場合にも、上記と同様な影響を与えてしまう。
【0084】
そこで、次に説明する第2の実施形態は、上記課題を解決して変速比応答性能をさらに向上させるものである。
【0085】
図10は第2の実施形態に係る変速比制御システムのブロック線図を示す。
【0086】
変速比制御システムは、大きく分けて動特性補償器B31と、応答性補正部B32と、変速比指令値変換部B4と、無段変速機4とから構成される。第1の実施形態と異なり近似ゼロイングを用いたフィルタで構成される外乱補償器は備えていない。
【0087】
また、応答補正部B32は、目標変速比演算部B34と変速比指令値補正量演算部B35から構成されるが、変速比指令値補正量演算部B35の構成が第1の実施形態と相違する。
【0088】
すなわち、第1の実施形態における変速比指令値補正量演算部B35は目標変速比iPMと実変速比iPRの偏差iPERRに比例ゲインKFBを乗じて変速比指令値補正量iPFBを算出するが、この第2の実施形態における変速比指令値補正量演算部B35は、積分特性を有し、無段変速機4の動特性を表す時定数Tの変化及びむだ時間e−L に対し安定性が補償されているフィルタKμ を用いて変速比指令値補正量iPFBを算出する。以下、この変速比指令値補正量演算部B35の設計方法について説明する。
【0089】
図11は変速比指令値補正量演算部B35を設計するためのブロック線図であり、図中破線で囲んだ部分は、無段変速機4の動特性を表す時定数Tの変化による不確かさと無段変速機4の動特性のむだ時間による不確かさを外乱として表した一般化制御対象(一般化プラント)である。
【0090】
これについて説明すると、まず、内部モデル原理を用いて制御対象のプラントとして積分特性を有するという形にしてフィルタKμ (s)に必ず積分特性を持たせるため、補償器W(s)を、
【0091】
【数13】
Figure 0003606142
と設定している。このように一般化制御対象を構成しフィルタKμ を設計することにより、定常偏差を無くすことができ、かつ閉ループ系をどの周波数に対しても絶対安定にすることができる。
【0092】
また、無段変速機4の動特性を表す時定数Tの変化については、TP0を時定数変化の中央値とし、中央値TP0からの時定数変動の最大変化量をΔTPmaxとしている。
【0093】
また、無段変速機4のむだ時間e−L については、この不確かさは乗法的変動e−L −1で表されるので、次の伝達関数で代表している。
【0094】
【数14】
Figure 0003606142
このとき、任意の周波数ωに対して次式(13)が成り立つ。
【0095】
【数15】
Figure 0003606142
なお、製造バラツキや経年変化によりむだ時間e−L の不確かさが大きく変動する場合には、次式(14)に示すように、変動分nを考慮した形式でWを記述しても良い。
【0096】
【数16】
Figure 0003606142
以上のように定式化された無段変速機4の特性を用いて、コントローラK(s)(=Kμ ・W(s)−1)の設計を行う。ここで、安定性解析/制御系設計としてμ解析を用い、設計パラメータWを調整することで任意の周波数ωに対して安定性が補償されるようにする。そして、得られたコントローラK(s)にW(s)を乗じれば、変速比指令値補正量演算部B35のフィルタKμ (s)を求めることができる。
【0097】
このようにして求めたフィルタKμ (s)の一例を次式(15)に示す。
【0098】
【数17】
Figure 0003606142
なお、フィルタKμ を次式(16)に示すように比例項と積分項のみから構成し、時定数Tの変化及びむだ時間e−L に対し閉ループ系を安定化する係数k、kをμ解析を用いて決定するようにしても良い。
【0099】
【数18】
Figure 0003606142
また、式(15)について極零相殺等により低次元化し、フィルタKμ を構成しても良い。この場合、Nμ 、Dμ はそれぞれ、
【0100】
【数19】
Figure 0003606142
となる。
【0101】
図12は、式(15)で表されるフィルタと式(16)で表されるフィルタの感度特性と、変速比指令値補正量演算部B35にそれらを用いた場合の変速比制御系の閉ループの周波数特性を示したものである。
【0102】
この図に示すように、いずれのフィルタも低周波領域で感度特性のゲインが小さいので、すなわちフィルタが積分特性を有しているので、不確定要素が閉ループ特性に与える影響は低く抑えられることがわかる。
【0103】
また、閉ループ特性に関しても、低周波側(0.1[rad/sec]以下)では目標変速比と実変速比の間に定常的な偏差が生じないようゲイン1となり、高周波側(1[rad/sec]以上)では不確定要素の影響が小さくなるようゲインがピークを持たず、抑えられていることがわかる。
【0104】
加減算器Pでは、目標変速比iPMと実変速比iPRの偏差iPERRをこのように設計されたフィルタKμ に通して演算された変速比指令値補正量iPFBを変速比指令値iPAに加算し、最終的な変速比指令値iPCFを演算する。
【0105】
【数20】
Figure 0003606142
そして、この変速比指令値iPCFが変速比指令値変換部B4においてステップモータ角位置指令値θに変換され、ステップモータ2に出力される。
【0106】
次に、CVTコントロールユニット1の処理を図13に示すフローチャートを参照しながら説明する。ステップS18までの処理は第1の実施形態と同じであり、ステップS30以降の処理のみが相違する。
【0107】
ステップS30以降の処理について説明すると、ステップS30では目標変速比iPMと実変速比iPRの偏差iPERRをフィルタKμ に通して変速比指令値補正量iPFBが演算される。
【0108】
ステップS31では変速比指令値iPAを変速比指令値補正量iPFBで補正し最終的な変速比指令値iPCFが演算される。
【0109】
そして、ステップS32では所定のマップを参照して変速比指令値iPCFがステップモータ角位置指令値θに変換され、ステップS33では、このステップモータ角位置指令値θがステップモータ2に出力される。
【0110】
したがって、この第2の実施形態でも、変速機構部17の実変速比iPRが所定の動特性で到達変速比iPTに近づくようステップモータ2の角位置が制御されるが、ステップモータ2の駆動速度制限などにより目標変速比iPMと実変速比iPRとに偏差が生じる場合は変速比指令値iPAが変速比指令値補正量iPFBに基づき補正される。
【0111】
次に、この第2の実施形態の作用を第1の実施形態と比較しながら説明する。
【0112】
図14、図15はそれぞれ第1及び第2の実施形態に係る変速比制御システムを用いて発進加速したときの結果を示したものである。特に、このような状況では、実変速比の情報などが安定して得られず、変速制御弁の開口方向(変速方向)を確実に判定することができない等の理由により、無段変速機4の時定数を誤推定してしまうことが多い。
【0113】
そのため、第1の実施形態に係る変速比制御システムでは、時定数を誤推定した場合、図14に示すように実変速比がオーバーシュートを起こし、実変速比が目標変速比よりも小さくなってしまう。
【0114】
これに対し、第2の実施形態に係る変速比制御システムでは、無段変速機4の動特性を表す時定数を誤推定するような状態においても、図15に示すように実変速比をオーバーシュートさせることなく目標変速比に追従させることができる。これは第2の実施形態に係る変速比制御システムが閉ループ系内に不確定要素が入らないように構成されているため、その影響が抑えられているからである。
【0115】
なお、この第2の実施形態においても、ステップモータの駆動速度制限などにより目標変速比と実変速比とに偏差が生じた場合には、第1の実施形態同様に動特性補償器B31の出力に補正が施されるので、変速比指令値と実変速比との偏差を縮小することができる。
【0116】
また、変速比指令値補正量演算部B35の出力は動特性補償器B31の出力に加えられることから、動特性補償器B31が変速比指令値補正量演算部B35の出力の影響を受けることはなく、目標とする変速比応答と外乱に対する応答性との独立設計性は確保される。
【0117】
以上、本発明をVベルト式無段変速機の変速比制御システムに適用した実施形態について説明したが、本発明の適用可能な範囲はこれに限定されるものでは無く、ステップモータ等を用いて変速比制御を行う変速比制御システムに広く適用できるものである。また、変速比制御システムのブロック線図もここで示したものに限定されるものではなく、これらと等価なものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る変速比制御システムの概略構成図である。
【図2】CVTコントロールユニットの内部構成を示すブロック線図である。
【図3】変速比制御システムのブロック線図である。
【図4】ステップモータの角位置と無段変速機の変速比の関係を規定するマップである。
【図5】実変速比及び変速方向と無段変速機の動特性を表す時定数との関係を規定するマップである。
【図6】無段変速機の動特性を表す時定数と外乱補償器のローパスフィルタカットオフ周波数の関係を規定するマップである。
【図7】CVTコントロールユニットの処理内容を説明するためのフローチャートである。
【図8】従来の変速比制御システムにおいて、到達変速比を変更した場合のシミュレーション結果を示す図である。
【図9】本発明の変速比制御システムにおいて、到達変速比を変更した場合のシミュレーション結果を示す図である。
【図10】第2の実施形態を示すブロック線図である。
【図11】変速比指令値補正量演算部を設計するためのブロック線図である。
【図12】フィルタKμ の感度特性と変速比制御系のフィードバックループの周波数特性を示すボード線図である。
【図13】CVTコントロールユニットの処理内容を説明するためのフローチャートである。
【図14】第1の実施形態に係る変速比制御システムを用いて発進加速したときの結果を示す図である。
【図15】第2の実施形態に係る変速比制御システムを用いて発進加速したときの結果を示す図である。
【図16】従来の変速比制御システムのブロック線図である。
【図17】従来の変速比制御システムのブロック線図で別の例である。
【符号の説明】
1 CVTコントロールユニット
2 ステップモータ
3 油圧コントロールユニット
4 無段変速機
12 スロットル開度センサ
13 インヒビタースイッチ
14 油温センサ
15 入力回転速度センサ
16 出力回転速度センサ
17 変速機構部

Claims (11)

  1. 運転状態に応じて決まる到達変速比と、所定の動特性を表す時定数と、推定された無段変速機の動特性を表す時定数とに基づき変速比指令値を演算する手段と、
    前記到達変速比と、前記所定の動特性を表す時定数とに基づき目標変速比を演算する手段と、
    前記目標変速比と実変速比との偏差に基づき前記変速比指令値の補正量を演算する手段と、
    前記補正量に基づき前記変速比指令値を補正する手段と、
    補正後の変速比指令値に基づき無段変速機を制御する手段と、
    を備えたことを特徴とする無段変速機の変速比制御システム。
  2. 無段変速機に加わる外乱を補償すべく近似ゼロイングを用いたフィルタにより前記変速比指令値をさらに補正する手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の変速比制御システム。
  3. 前記変速比指令値の補正量を演算する手段は、目標変速比と実変速比との偏差を、無段変速機の動特性を表す時定数に基づき決定される関数に通して変速比指令値の補正量を演算することを特徴とする請求項2に記載の変速比制御システム。
  4. 前記変速比指令値の補正量を演算する手段は、前記目標変速比と実変速比との偏差を無段変速機の動特性を表す時定数の変化に対して安定性が補償されているフィルタに通して変速比指令値の補正量を演算することを特徴とする請求項1に記載の変速比制御システム。
  5. 前記フィルタが積分特性を有することを特徴とする請求項4に記載の変速比制御システム。
  6. 前記変速比指令値の補正量を演算する手段と無段変速機とからなる閉ループ制御系の周波数特性が低周波領域でゲイン1となり、高周波領域でゲインピークを持たないように前記フィルタを設計したことを特徴とする請求項4に記載の変速比制御システム。
  7. 前記フィルタは、無段変速機の動特性を表す時定数の変化を含めて構成した一般化制御対象を用いて設計されることを特徴とする請求項4に記載の変速比制御システム。
  8. 前記フィルタは、無段変速機の動特性のむだ時間を含めて構成した一般化制御対象を用いて設計されることを特徴とする請求項4に記載の変速比制御システム。
  9. 前記変速比指令値を演算する手段は、前記到達変速比を、所定の動特性を表す伝達関数に無段変速機の動特性を表す伝達関数の逆関数を掛け合わせたフィルタに通して前記変速比指令値を演算することを特徴とする請求項1から8のいずれかひとつに記載の変速比制御システム。
  10. 前記変速比指令値を演算する手段は、前記到達変速比を、
    Figure 0003606142
    :無段変速機の動特性を表す時定数
    :所定の動特性を表す時定数
    で表される1次/1次フィルタに通して変速比指令値を演算することを特徴とする請求項1から8のいずれかひとつに記載の変速比制御システム。
  11. 無段変速機の動特性にむだ時間要素が存在する場合、前記目標変速比を演算する手段がむだ時間相当の遅れを考慮して目標変速比を演算することを特徴とする請求項1から10のいずれかひとつに記載の変速比制御システム。
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