JP3604076B2 - 示温材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、青果物や生鮮品等の温度管理に利用される温度管理部材に用いられ、温度に反応して変色する示温材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、温度に反応して色が変化する示温材料としては、例えば、スピロピラン類、ビアントロンやジキサンチレン等の縮合芳香環の置換したエチレン誘導体などのサ−モクロミック有機色素やCoCl・2(CH・10HOからなる金属錯塩結晶や電子供与性呈色化合物と電子受容性化合物と有極性有機化合物との組み合わせ等からなるものがある。このような示温材料を用いた温度管理用ラベル等の使用においては、温度により色が変化する様子を視覚で判断することが行われている。
【0003】
また、示温材料としては、大別すると可逆式と不可逆式とがあり、可逆式は温度が上下するとそれに応じて何回でも色が変化するタイプであり、不可逆式はある温度で色が変化すると元に戻らないタイプである。
【0004】
可逆式の示温材料は、例えば、ビ−ル等の飲み頃サインに使用されたり、視覚的に温度変化の注意を促したりする場合などに使用されている。
【0005】
これに対し、不可逆式の示温材料は、例えば、青果物や生鮮食料品の温度管理用として用いられている。そして、不可逆式の示温材料のうち、温度履歴が残る方式のものとしては、例えば特公昭58−10709号公報等に記載されているような方式のもの、つまり、温度により粘性が変化するインク(例えば、オレイルアルコ−ルに染料が溶けているインク)が浸透材中を浸透するようになっており、その浸透長さにより設定温度以上の温度にどのくらいの時間曝されたかを確認できる方式のものがある。また、不可逆式の示温材料としては、ラベル上に複数の層(インク層、セパレ−ト層、多孔質層、表示層)を形成して温度管理をすることができるようにしたものがある。これらの層の内、セパレ−ト層は温度管理を開始する際に除去する層であり、多孔質層はインク層のインクが表示層に達する浸透時間をコントロ−ルする層である。ところが、これらのような方式の温度管理部材においては、いずれも低温不可逆性を実現するために(室温より設定温度が低い場合)、温度管理を開始しない時の保存方法およびその手段(セパレ−タ等)が必要であり、このため高価で複雑な構造をしており、任意の印刷パタ−ンを採用することができないという不都合がある。また、温度管理を開始する時にセパレ−タ等を除去するという工程が必要であるので、取り扱いが面倒であるという不都合もある。
【0006】
このような不都合の改善を示唆する方法として、特開平8−197853号公報に記載されているような方法、つまり、リライタブル系材料を用い、ガラス転移温度を設定温度にして、そのガラス転移温度を越えると分子の拡散速度が急激に変化するリライタブル系材料の特性を利用して警告を行うようにした方法がある。この方法は、呈色性化合物、顕色剤、結晶−非結晶転移または2つの相分離状態−非相分離状態間の変化を発現させる可逆材、さらに、呈色性化合物または顕色剤と可逆材との相分離速度を変化させる相分離制御剤を含有する示温材料を用い、これらの組成系のガラス転移温度を室温より低く設定することで、温度の上昇を組成系の結晶化に伴う着色状態の変化として記録するという方法である。このような方法では、サ−マルプリンタ等を用いて組成系を加熱急冷(この場合の加熱急冷とはサ−マルヘッド等による瞬時の熱印加をいう)して初期消色させ、その後の温度上昇による着色状態の経時変化を利用して環境温度変化を示すようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特開平8−197853号公報に記載されたようなリライタブル系材料を利用する場合、消去濃度が完全でなく、低温でも徐々に発色が進行するために、温度変化に対応させて発色濃度に大きな差をつけることが出来ないという問題がある。
【0008】
また、特開平8−197853号公報に記載された相分離制御剤は、その融点近傍もしくはそれ以上の温度で組成系の発色速度を向上させるためのものであり、室温以下での設定温度では、相分離制御剤を含有しない呈色性化合物、顕色剤、可逆材の設定温度を変化させるものではないという問題もある。つまり、設定温度が室温以下の場合、設定温度近傍で発色速度を上げる(温度に対する感度を上げる)必要があるため、相分離制御剤の融点は室温以下でなければならず、このような相分離制御剤の組成系ではガラス転移温度が低くなりすぎて保存安定性に問題が生じてしまう。このため、特開平8−197853号公報に記載された相分離制御剤は、室温以下で使用される温度管理部材には適さない。
【0009】
また、融点が室温以下である物質は、室温では液体もしく半固体(液体と固体の境界状態)であって、バインダ樹脂等に分散するには適さないという問題点もある。これに対し、呈色性化合物、顕色剤、可逆材、相分離制御剤を含有した組成系をマイクロカプセル等にすればバインダ樹脂等に分散することが可能となるが、この場合にはコストが高くなるといった問題点がある。
【0010】
さらに、特開平8−197853号公報に記載されたシクロドデカノ−ル等の長直鎖を持たない脂環族アルコ−ルは、相分離制御剤としては不適当とされている。これに対して、そのような脂環族アルコ−ルは、示温特性制御剤としては消色時の特性が向上し、低温での発色を遅らせ、高温では発色の進行を速める作用を有し、温度に対して敏感に作用する。しかしながら、相分離後、顕色剤との相互作用が大きく、呈色性化合物と顕色剤との相互作用を阻害するために、示温特性制御剤を用いない場合に比べて発色濃度が低下するという問題点もある。
【0011】
この発明の目的は、室温以下の環境下でも各種の不都合を生じさせることなく温度管理機能を果たし得る示温材料を得ることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項記載の発明は、少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料である示温材料において、前記示温特性制御剤は、p−ヒドロキシフェネチルアルコ−ルであることを特徴とする。
【0016】
請求項記載の発明は、少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料である示温材料において、前記示温特性制御剤は、2−ヒドロキシベンジルアルコ−ルであることを特徴とする。
【0017】
請求項記載の発明は、少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料である示温材料において、前記示温特性制御剤は、バニリルアルコ−ルであることを特徴とする。
【0019】
請求項記載の発明は、少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料であり、前記示温特性制御剤は、室温で個体である示温材料において、前記示温特性制御剤は、ピペロニルアルコ−ルであることを特徴とする。
【0021】
【化4】
Figure 0003604076
【0022】
で表わされる骨格を持つ芳香族アルコ−ルであることを特徴とする。
【0023】
請求項記載の発明は、少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料であり、前記示温特性制御剤は、室温で個体である示温材料において、前記示温特性制御剤は、ベンゾインであることを特徴とする。
【0024】
請求項記載の発明は、少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料であり、前記示温特性制御剤は、室温で個体である示温材料において、前記示温特性制御剤は、ベンズヒドロ−ルであることを特徴とする。
【0025】
請求項記載の発明は、少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料であり、前記示温特性制御剤は、室温で個体である示温材料において、前記示温特性制御剤は、トリフェニルメタノ−ルであることを特徴とする。
【0026】
請求項記載の発明は、少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料であり、前記示温特性制御剤は、室温で個体である示温材料において、前記示温特性制御剤は、ベンジル酸メチルであることを特徴とする。
【0027】
請求項記載の発明は、少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料であり、前記示温特性制御剤は、室温で個体である示温材料において、前記示温特性制御剤は、DL−マンデル酸ベンジルであることを特徴とする。
【0029】
請求項10記載の発明は、少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料であり、前記示温特性制御剤は、室温で個体である示温材料において、前記示温特性制御剤は、ベンジルであることを特徴とする。
【0030】
請求項11記載の発明は、少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料であり、前記示温特性制御剤は、室温で個体である示温材料において、前記示温特性制御剤は、ベンゾインイソプロピルエ−テルであることを特徴とする。
【0031】
請求項12記載の発明は、少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料であり、前記示温特性制御剤は、室温で個体である示温材料において、前記示温特性制御剤は、ベンジルフェニルケトンであることを特徴とする。
【0032】
請求項13記載の発明は、少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料であり、前記示温特性制御剤は、室温で個体である示温材料において、前記示温特性制御剤は、2−ベンゾイル安息香酸メチルであることを特徴とする。
【0034】
【化5】
Figure 0003604076
【0035】
または
【0036】
【化6】
Figure 0003604076
【0037】
で表わされる骨格を持つ芳香族エ−テル化合物であることを特徴とする。
【0038】
請求項14記載の発明は、少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料であり、前記示温特性制御剤は、室温で個体である示温材料において、前記示温特性制御剤は、ベンジル2−ナフチルエ−テルであることを特徴とする。
【0039】
請求項15記載の発明は、少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料であり、前記示温特性制御剤は、室温で個体である示温材料において、前記示温特性制御剤は、1−ベンジロキシ−2−メトキシ−4−(1−プロペニル)ベンゼンであることを特徴とする。
【0041】
請求項16記載の発明は、少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料であり、前記示温特性制御剤は、室温で個体である示温材料において、前記示温特性制御剤は、4−ベンジルビフェニルであることを特徴とする。
【0042】
請求項17記載の発明は、少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料であり、前記示温特性制御剤は、室温で個体である示温材料において、前記示温特性制御剤は、m−タフェニルであることを特徴とする。
【0043】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1に基づいて説明する。
【0044】
本発明の示温材料は電子供与性化合物と電子受容性化合物と組成系の一部または全部の可逆的な結晶質−非晶質転移、または2つの相分離状態もしくは相分離状態−非相分離状態の変化を発現させる可逆材と、室温で固体であり、電子受容性化合物または可逆材もしくは電子受容性化合物および可逆材と少なくともその一部が相溶する示温特性制御剤であって、示温特性制御剤の結晶質−非晶質転移または相分離状態−非相分離状態により組成系の結晶質−非晶質転移または相分離状態−非相分離状態速度を変化させる示温特性制御剤で、相分離後、電子供与性化合物と電子受容性化合物の相互作用を阻害しない示温特性制御剤を含有させたものである。
【0045】
まず、本実施の形態の示温材料の動作原理について概略的に説明する。本実施の形態の示温材料は、電子供与性化合物A(以降ロイコ染料と称す)、電子受容性化合物B(顕色剤と称す)、可逆材Cのリライタブルの基本系に、示温特性制御剤Dおよびバインダ−樹脂を加えたものからなる。
【0046】
図1を参照しながら、この系の熱力学的可逆性を説明する。発色状態では顕色剤Bとロイコ染料Aの相互作用が強く、可逆材Cと示温特性制御剤Dとは単独の結晶状態で存在している。このような発色状態から示温材料をその融点Tm以上に加熱(▲1▼に示す)すると、示温材料は流動状態になり、顕色剤Bとロイコ染料Aとは相互作用を弱め、示温特性制御剤Dは、顕色剤Bまたは可逆材C、もしくは、顕色剤Bおよび可逆材Cと少なくとも一部が相溶することから示温特性制御剤Dと顕色剤Bおよび可逆材Cとの相互作用が強くなり、消色する。その状態から急冷する(▲2▼に示す)と、可逆材C、顕色剤Bおよび示温特性制御剤Dの3成分間の相互作用を強めたまま、非晶質状態で固化し、消色状態が保持される。
【0047】
上記の系は顕色剤B、可逆材C、示温特性制御剤Dの3成分間の相互作用が大きいので、示温特性制御剤Dを含有しない系に比べより消色が完全であり、加熱急冷後のガラス転移温度以下の低温領域においても発色の進行は極めて遅い(▲5▼)。これに対し、高温に暴露されると示温特性制御剤Dの結晶化温度、相分離温度および融点は可逆材Cに比べて低いため、比較的速く可逆材Cや顕色剤Bからの相互作用を失い(この状態を相分離という)結晶化する(▲3▼、▲4▼)。示温特性制御剤Dが結晶化すると顕色剤Bは可逆材Cからも分離し易くなるので、発色の進行が速くなる。このように、本実施の形態の示温材料は、低温では発色の進行を遅らせ、高温では発色の進行を速める作用があり、温度に対して敏感にする作用を有している。また、示温特性制御剤Dの融点に関係なく、組成系の結晶質−非晶質転移または相分離状態−非相分離状態間の変化の速度を変化させるので、室温付近の温度領域においても反応温度をより明確に設定が可能である。示温特性制御剤Dは、室温では固体状態であるので、示温特性制御剤Dを含有した示温材料を室温付近の温度管理部材への適用する場合においても特別な技術を要せず、温度管理部材への適用を安価に行うことが出来る。
【0048】
上記の系を利用した時の示温材料を温度管理部材に適用するには、発色状態にある示温材料をサ−マルヘッドで加熱急冷により消去して初期化し、その初期化された部分が温度と時間との関数により発色することを利用する。
【0049】
さらに詳細に説明する。まず本実施の形態に用いられる電子供与性化合物Aとしては、クリスタルバイオレットラクトン、マラカイトグリ−ンラクトン、クリスタルバイオレットカルビノ−ル、マラカイトグリ−ンカルビノ−ル、N−(2,3−ジクロロフェニル)ロイコオ−ラミン、N−ベンゾイルオ−ラミン、ロ−ダミンBラクタム、N−アセチルオ−ラミン、N−フェニルオ−ラミン、2−(フェニルイミノエタンジリデン)−3,3−ジメチルインドリン、N−3,3−トリメチルインドリノベンゾスピロピラン、8’−メトキシ−N−3,3−トリメチルインドリノベンゾスピロピラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−ベンジルオキシフルオラン、1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン、3,6−ジ−p−トルイジノ−4,5−ジメチルフルオラン−フェニルヒドラジド−γ−ラクタム、3−アミノ−5−メチルフルオラン等が例示される。これらは1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0050】
本実施の形態の電子受容性化合物Bとしては、フェノ−ル類、フェノ−ル金属塩類、カルボン酸金属塩類、スルホン酸、スルホン酸塩、リン酸類、リン酸金属塩類、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステル金属塩類、亜リン酸類、亜リン酸金属塩類等の酸性化合物があげられる。これらは1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0051】
本実施の形態の可逆材Cは、ステロイド骨格等の化合物があげられ、具体的には、コレステロ−ル、ステグマステロ−ル、プレグネノロン、メチルアンドロステンジオ−ル、エストラジオ−ルベンゾエ−ト、エピアンドロステン、ステノロン、β−シトステロ−ル、プレグネノロンアセテ−ト、β−コレスタロ−ル等があげられる。これらは1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0052】
本実施の形態の示温材料は、前記電子供与性化合物A、電子受容性化合物B、および可逆材Cに示温特性制御剤Dを混合したものである。示温特性制御材Dは、溶解したときに顕色剤Bまたはロイコ染料Aまたは可逆材Cの少なくとも一部と相溶し、消色状態をよりスムーズに進行させる役割を果たす。このような示温特性制御剤Dには、芳香族アルコ−ル類であって少なくとも1つのフェノ−ル系水酸基を有する化合物、芳香族アルコール類、少なくとも1つのベンゾイル基を持つ化合物、
【0053】
【化7】
Figure 0003604076
【0054】
【化8】
Figure 0003604076
【0055】
で表される骨格を持つ芳香族エーテル化合物、また感熱紙で使用されている増感剤等が用いられる。より具体的には、芳香族アルコ−ル類であって少なくとも1つのフェノ−ル系水酸基を有する化合物はp−ヒドロキシフェネチルアルコ−ル、2−ヒドロキシベンジルアルコ−ル、バニリルアルコ−ルであり、芳香族アルコール類はピペロニルアルコール、ベンゾイン、ベンズヒドロール、トリフェニルメタノール、ベンジン酸メチル、DL−マンデル酸ベンジルであり、少なくとも1つのベンゾイル基を持つ化合物はベンジル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルフェニルケトン、2−ベンゾイル安息香酸メチルであり、
【0056】
【化9】
Figure 0003604076
【0057】
【化10】
Figure 0003604076
【0058】
で表される骨格を持つ芳香族エーテル化合物はベンジル2−ナフチルエーテル、1−ベンジロキシ−2−メトキシ−4−(1−プロペニル)ベンゼンであり、増感剤は4−ベンジルビフェニル、m−ターフェニル、4−ベンゾインビフェニールに効果があることがわかった。
【0059】
次いで、示温材料の温度管理部材への利用方法としては、示温材料のマイクロカプセル化、バインダ−樹脂等への分散等があげられる。例えば、バインダ−樹脂としては、ポリエチレン類、塩素化ポリエチレン類、エチレン・酢酸ビニル共重合物、エチレン・アクリル酸・無水マレイン酸共重合物等のエチレン共重合物、ポリブタジエン類、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリエステル類、ポリプロピレン類、ポリイソブチレン類、ポリ塩化ビニル類、ポリ塩化ビニリデン類、ポリ酢酸ビニル類、ポリビニルアルコ−ル類、ポリビニルアセタ−ル類、ポリビニルブチラ−ル類、フッ素樹脂類、アクリル樹脂類、メタクリル樹脂類、アクリロニトリル共重合体類、ポリスチレン、ハロゲン化ポリスチレン、スチレンメタクリル酸共重合体類等のスチレン共重合体類、アセタ−ル樹脂類、ナイロン66等のポリアミド類、ポリカ−ボネ−ト類、セルロ−ス系樹脂類、フェノ−ル樹脂類、ユリア樹脂類、エポキシ樹脂類、ポリウレタン樹脂類、ジアリ−ルフタレ−ト樹脂類、シリコ−ン樹脂類、ポリイミドアミド類、ポリエ−テルスルホン類、ポリメチルペンテン類、ポリエ−テルイミド類、ポリビニルカルバゾ−ル類、非晶質系ポリオレフィン等の樹脂があげられる。これらは1種または2種以上を混合して用いることができる。そして、例えば、それらのバインダ−樹脂に、本実施の形態の発明の示温材料を分散させ温度管理部材とした場合、サ−マルヘッド等の加熱手段により示温材料の融点以上になるように熱エネルギ−を印加して加熱急冷する。これにより、電子供与性化合物Aと電子受容性化合物Bとが分離した状態で固定化することで示温材料が初期化されて透明状態となる。示温材料における初期化された部分は、その後に曝された温度と経過時間とに応じて電子供与性化合物Aと電子受容性化合物Bとの相互作用の状態が変化するため、発色の度合いが変化する。そこで、このような現象を利用して温度管理を行なうことが可能となる。
【0060】
【実施例】
本出願の発明者等は、上述したような示温材料をバインダ−樹脂:スチレンメタクリル酸共重合体:メタクリル酸10%(5重量部)に分散し、図2のような温度管理部材1を作製して実験をした。
【0061】
温度管理部材1の作製方法は次の通りである。まず、バインダ−樹脂をトルエンとシクロヘキサノン混合溶媒(4:1)に完全に溶解した後、この樹脂溶液にロイコ染料A、顕色剤B、可逆材C、示温特性制御剤Dを入れ、さらにΦ3mm程度のガラスビ−ズを液面と同程度入れペイントシェ−カ−で約1時間攪拌して塗工液を得る。得られた塗工液をバ−コ−タで38μm厚のPET7上に塗布後、溶媒を蒸発させ乾燥後の膜厚15μmの示温材料4を得る。そして、基材となる白色PET2上に、熱拡散防止層3とPET7上に形成された示温部材4とを順次貼付する。さらに、サ−マルヘッドを用いて消去を行なうため、保護層としてスティッキング防止層6が付加されたポリエチレンナフタレ−ト5で示温部材4を覆うようにして温度管理部材1を作成した。
【0062】
以下、多くの温度管理部材1の実施例やそれらの実施例に対する比較例について言及するが、いずれの実施例および比較例の温度管理部材1も、基本的には類似の構造を備えていることから、その都度構造を説明することは避ける。但し、例えば示温部材4の作成方法が異なる実施例では、その都度その作成方法を説明する。
【0063】
そして、実験では、温度管理部材1中の示温材料4を京セラ製サ−マルヘッド(発熱抵抗体の抵抗値:1.1kΩ、ドット密度:200dpi)を使用し、印加電圧18V、パルス幅3.5msecで加熱初期化(消去)した。以下の本明細書記載の実施例および比較例の実験、評価は、すべてこの条件で示温材料4の初期化を行なった上での実験、評価である。その後、10℃、20℃、30℃の環境温度下に温度管理部材1を置いた場合の初期化部分の濃度を測定した。濃度の測定は、分光測色濃度計(X−Rite 938)で行った。
【0064】
<実施例1>
ロイコ染料 :GN−2(山本化成社製)……………………1重量部
顕色剤 :没食子酸プロピル …………………………1重量部
可逆材 :プレグネノロン ……………………10重量部
示温特性制御剤 :p−ヒドロキシフェネチルアルコ−ル………1重量部
上記示温材料をバインダ樹脂:スチレンメタクリル酸共重合体:メタクリル酸10%(5重量部)に分散し、図2のような温度管理部材1を作製した。
【0065】
図3は、消去後、この温度管理部材1を10℃、20℃、30℃の環境下に放置した時の消去部分の発色濃度の経時変化を示すグラフである。濃度測定は、X−Lite社のモデル938を使用しシアン濃度で測定した。この結果、消去部分の消去が行なわれ、10℃の環境温度では緩やかに発色進行し、20℃、30℃では10℃に比べかなりの速度で発色が進行することが確認された。
【0066】
<実施例2>
ロイコ染料 :Blue63(山本化成社製)………………1重量部
顕色剤 :没食子酸プロピル ………………1重量部
可逆材 :プレグネノロン ………………10重量部
示温特性制御剤 :p−ヒドロキシフェネチルアルコ−ル………1重量部
上記示温材料をバインダ−樹脂:ポリウレタン系樹脂5022(大日精化社製:5重量部)に分散し、実施例1と同様に図2のような温度管理部材1を作製した。
【0067】
示温部材4の作製方法は次の通りである。バインダ−樹脂をメチルエチルケトンとトルエン混合溶媒(7:5)に完全に溶解した後、この樹脂溶液にロイコ染料A、顕色剤B、可逆材C、示温特性制御剤Dを入れ、さらにΦ3mm程度のガラスビ−ズを液面と同程度入れペイントシェ−カ−で約1時間攪拌して塗工液を得る。得られた塗工液をバ−コ−タでPET38μm上に塗布後、約70℃で溶媒を蒸発させ乾燥後の膜厚15μmの示温部材を得る。
【0068】
図4は、消去後、その温度管理部材1を10℃、20℃、30℃の環境下に放置した時の消去部分の発色濃度の経時変化を示すグラフである。この結果、消去部分の消去が行なわれ、10℃の環境温度では消色状態が保持され、20℃、30℃では温度により異なる速度で発色が進行することが確認された。
【0069】
<実施例3>
ロイコ染料 :Blue63(山本化成社製)………………1重量部
顕色剤 :没食子酸プロピル ………………1重量部
可逆材 :プレグネノロン ………………10重量部
示温特性制御剤 :2−ヒドロキシベンジルアルコ−ル…………3重量部
上記示温材料をバインダ−樹脂:ポリウレタン系樹脂5022(大日精化社製:5重量部)に分散し、実施例1と同様に図2のような温度管理部材1を作製した。
【0070】
図5は、消去後、その温度管理部材1を10℃、20℃、30℃の環境下に放置した時の消去部分の発色濃度の経時変化を示すグラフである。この結果、10℃の環境温度では約5時間後までは消色状態が保持され、その後、緩やかに発色進行し、20℃、30℃の環境温度では、10℃の場合に比べてかなりの速度で発色が進行することが確認された。
【0071】
<実施例4>
ロイコ染料 :Blue63(山本化成社製)………………1重量部
顕色剤 :没食子酸プロピル………………………………1重量部
可逆材 :プレグネノロン………………………………10重量部
示温特性制御剤 :バニリルアルコ−ル……………………………1重量部
上記示温材料をバインダ−樹脂:ポリウレタン系樹脂5022(大日精化社製:5重量部)に分散し、実施例1と同様に図2のような温度管理部材1を作製した。
【0072】
図6は、消去後、その温度管理部材1を10℃、20℃、30℃の環境下に放置した時の消去部分の発色濃度の経時変化を示すグラフである。この結果、10℃の環境温度では消色状態が保持され、20℃、30℃では、温度に依存して異なる速度で発色が進行することが確認された。
【0073】
<実施例5>
ロイコ染料A :GN−2(山本化成社製)………1重量部
顕色剤B :没食子酸プロピル ………1重量部
可逆材C :プレグネノロン ………10重量部
示温特性制御剤D :ピペロニルアルコ−ル ………3重量部
上記示温材料をバインダ−樹脂:スチレンメタクリル酸共重合体:メタクリル酸10%(5重量部)に分散し、実施例1と同様に図2のような温度管理部材1を作製した。
【0074】
図7は、その温度管理部材を10℃、20℃、30℃の環境下に放置した時の消去部分の発色濃度の経時変化を示すグラフである。この結果、10℃では徐々に発色し、20、30℃と温度が上がるにつれて発色速度が速くなった。
【0075】
<実施例6>
ロイコ染料A :GN−2(山本化成社製) ………1重量部
顕色剤B :没食子酸プロピル ………1重量部
可逆材C :プレグネノロン ………10重量部
示温特性制御剤D :ベンゾイン ………5重量部
上記示温材料をバインダ−樹脂:スチレンメタクリル酸共重合体:メタクリル酸10%(4重量部)に分散し、実施例1と同様に図2のような温度管理部材1を作製した。
【0076】
図8は、消去後、その温度管理部材1を10℃、20℃、30℃の環境下に放置した時の消去部分の発色濃度の経時変化を示すグラフである。10℃では発色はほとんど進行せず、20℃で徐々に発色は進行し、30℃では発色速度はかなり速かった。
【0077】
<実施例7>
ロイコ染料A :Blue63(山本化成社製)………1重量部
顕色剤B :ビスフェノ−ルS ………1重量部
可逆材C :プログネノロン ………10重量部
示温特性制御剤D :ベンズヒドロ−ル ………5重量部
この示温材料4をバインダ−樹脂:ポリウレタン系樹脂5022(大日精化社製:5重量部)に分散し、実施例5と同様に図2に示すような温度管理部材1を作製した。
【0078】
図9は、消去後、その温度管理部材1を10℃、20℃、30℃の環境下に放置した時の消去部分の発色濃度の経時変化を示すグラフである。10℃で発色は徐々に進行し、20、30℃では発色速度はかなり速かった。
【0079】
<実施例8>
ロイコ染料A :Blue63(山本化成社製)………1重量部
顕色剤B :没食子酸プロピル ………1重量部
可逆材C :プレグネノロン ………10重量部
示温特性制御剤D :トリフェニルメタノ−ル ………5重量部
上記示温材料をバインダ−樹脂:ポリウレタン系樹脂5022(大日本精化社製:5重量部)に分散し、実施例1と同様に図2のような温度管理部材1を作製した。
【0080】
図10は、消去後、その温度管理部材1を10℃、20℃、30℃の環境下に放置した時の消去部分の発色濃度の経時変化を示すグラフである。10℃ではほとんど発色は進行せず、20℃で発色は徐々に進行し、30℃では発色速度はかなり速かった。
【0081】
<実施例9>
ロイコ染料A :Blue63(山本化成社製)………1重量部
顕色剤B :ビスフェノ−ルS ………1重量部
可逆材C :プレグネノロン ………10重量部
示温特性制御剤D :ベンジル酸メチル ………5重量部
上記示温材料をバインダ−樹脂:ポリウレタン系樹脂5022(大日本精化社製:5重量部)に分散し、実施例1と同様に図2のような温度管理部材1を作製した。
【0082】
図11は、消去後、その温度管理部材1を10℃、20℃、30℃の環境下に放置した時の消去部分の発色濃度の経時変化を示すグラフである。10℃では発色はほとんど進行せず、20、30℃では発色速度はかなり速かった。
【0083】
<実施例10>
ロイコ染料A :Blue63(山本化成社製)………1重量部
顕色剤B :ビスフェノ−ルS ………1重量部
可逆材C :プレグネノロン ………10重量部
示温特性制御剤D :DL−マンデル酸ベンジル ………5重量部
上記示温材料をバインダ−樹脂:ポリウレタン系樹脂5022(大日本精化社製:5重量部)に分散し、実施例1と同様に図2のような温度管理部材1を作製した。
【0084】
図12は、消去後、その温度管理部材1を10℃、20℃、30℃の環境下に放置した時の消去部分の発色濃度の経時変化を示すグラフである。10、20、30℃とも発色速度はかなり速かった。
【0085】
<実施例11>
ロイコ染料A :GN−2(山本化成社製) ………1重量部
顕色剤B :没食子酸プロピル ………1重量部
可逆材C :プレグネノロン ………10重量部
示温特性制御剤D :ベンジル ………5重量部
上記示温材料をバインダ−樹脂:スチレンメタクリル酸共重合体:メタクリル酸10%(4重量部)に分散し、実施例1と同様に図2のような温度管理部材1を作製した。
【0086】
図13は、消去後、その温度管理部材1を10℃、20℃、30℃の環境下に放置した時の消去部分の発色濃度の経時変化を示すグラフである。10℃では発色は徐々に進行し、20、30℃では発色速度がかなり速かった。
【0087】
<実施例12>
ロイコ染料A :GN−2(山本化成社製) ………1重量部
顕色剤B :没食子酸プロピル ………1重量部
可逆材C :プレグネノロン ………10重量部
示温特性制御剤D :ベンゾインイソプロピルエ−テル………5重量部
上記示温材料をバインダ−樹脂:スチレンメタクリル酸共重合体:メタクリル酸10%(4重量部)に分散し、実施例1と同様に図2のような温度管理部材1を作製した。
【0088】
図14は、消去後、その温度管理部材1を10℃、20℃、30℃の環境下に放置した時の消去部分の発色濃度の経時変化を示すグラフである。10℃で緩やかに発色は進行し、20、30℃では発色速度はかなり速かった。
【0089】
<実施例13>
ロイコ染料A :Blue63(山本化成社製) ……1重量部
顕色剤B :ビスフェノ−ルS ………1重量部
可逆材C :プレグネノロン ………10重量部
示温特性制御剤D :ベンジルフェニルケトン ………5重量部
上記示温材料をバインダ−樹脂:ポリウレタン系樹脂5022(大日本精化社製:5重量部)に分散し、実施例1と同様に図2のような温度管理部材1を作製した。
【0090】
図15は、消去後、その温度管理部材1を10℃、20℃、30℃の環境下に放置した時の消去部分の発色濃度の経時変化を示すグラフである。10℃では2時間後から急激に発色を開始し、20、30℃では発色速度はかなり速かった。
【0091】
<実施例14>
ロイコ染料A :Blue63(山本化成社製) ……1重量部
顕色剤B :ビスフェノ−ルS ………1重量部
可逆材C :プレグネノロン ………10重量部
示温特性制御剤D :2−ベンゾイル安息香酸メチル ………5重量部
上記示温材料をバインダ−樹脂:ポリウレタン系樹脂5022(大日本精化社製:5重量部)に分散し、実施例1と同様に図2のような温度管理部材1を作製した。
【0092】
図16は、消去後、その温度管理部材1を10℃、20℃、30℃の環境下に放置した時の消去部分の発色濃度の経時変化を示すグラフである。10℃で緩やかに発色は進行し、20、30℃では発色速度はかなり速かった。
【0093】
<実施例15>
ロイコ染料A :Blue63(山本化成社製)………1重量部
顕色剤B :ビスフェノ−ルS ………1重量部
可逆材C :プレグネノロン ………10重量部
示温特性制御剤D :ベンジル2−ナフチルエ−テル ………5重量部
上記示温材料をバインダ−樹脂:ポリウレタン系樹脂5022(大日本精化社製:5重量部)に分散し、実施例1と同様に図2のような温度管理部材1を作製した。
【0094】
図17は、消去後、その温度管理部材1を10℃、20℃、30℃の環境下に放置した時の消去部分の発色濃度の経時変化を示すグラフである。10℃では発色はほとんど進行せず、20、30℃では発色速度がかなり速かった。
【0095】
<実施例16>
ロイコ染料A :Blue63(山本化成社製)……1重量部
顕色剤B :ビスフェノ−ルS ………1重量部
可逆材C :プレグネノロン ………10重量部
示温特性制御剤D :1−ベンジロキシ−2−メトキシ−4−(1−プロペニル)ベンゼン………5重量部
上記示温材料をバインダ−樹脂:ポリウレタン系樹脂5022(大日本精化社製:5重量部)に分散し、実施例1と同様に図2のような温度管理部材1を作製した。
【0096】
図18は、消去後、その温度管理部材1を10℃、20℃、30℃の環境下に放置した時の消去部分の発色濃度の経時変化を示すグラフである。10℃では発色はほとんど進行せず、20、30℃では発色速度がかなり速かった。
【0097】
<実施例17>
ロイコ染料A :Blue63 (山本化成社製)…1重量部
顕色剤B :没食子酸プロピル ………1重量部
可逆材C :プレグネノロン ………10重量部
示温特性制御剤D :4−ベンジルビフェニル ………5重量部
上記示温材料をバインダ−樹脂:ポリウレタン系樹脂5022(大日本精化社製:5重量部)に分散し、実施例1と同様に図2のような温度管理部材1を作製した。
【0098】
図19は、消去後、その温度管理部材1を10℃、20℃、30℃の環境下に放置した時の消去部分の発色濃度の経時変化を示すグラフである。
【0099】
20℃、30℃では直ちに発色が進行し、10℃では徐々に発色が進行した。なお、0℃ではほとんど発色の進行は見られなかった(0℃と10℃との間に感度を持つ示温材料であった)。
【0100】
<実施例18>
ロイコ染料A :Blue63 (山本化成社製)……1重量部
顕色剤B :没食子酸プロピル ………1重量部
可逆材C :プレグネノロン ………10重量部
示温特性制御剤D :m−ターフェニル ………5重量部
上記示温材料をバインダ−樹脂:ポリウレタン系樹脂5022(大日本精化社製:5重量部)に分散し、実施例1と同様に図2のような温度管理部材1を作製した。
【0101】
図20は、消去後、その温度管理部材1を10℃、20℃、30℃の環境下に放置した時の消去部分の発色濃度の経時変化を示すグラフである。10℃では発色はほとんど進行せず、20、30℃では発色速度がかなり速かった。
【0102】
<比較例1>
ロイコ染料 :GN−2(山本化成社製)……………………1重量部
顕色剤 :没食子酸プロピル………………………………1重量部
可逆材 :プレグネノロン………………………………10重量部
示温特性制御剤 :無し
上記示温材料をバインダ−樹脂:スチレンメタクリル酸共重合体:メタクリル酸10%(5重量部)に分散し、実施例1と同様に図2のような温度管理部材1を作製した。
【0103】
図21に、消去後、その温度管理部材1を10℃、20℃、30℃の環境下に放置した時の消去部分の発色濃度の経時変化を示した。この結果、環境温度10℃、20℃では非常に緩やかに発色が進行し温度による違いが見られず、30℃ではやや発色速度が速まるが、示温特性制御剤を使用したときよりは発色速度が遅いことが確認された。
【0104】
<比較例2>
ロイコ染料A :Blue63(山本化成社製)………1重量部
顕色剤B :没食子酸プロピル ………1重量部
可逆材C :プログネノロン ………10重量部
示温特性制御剤D :なし
この示温材料4をバインダ−樹脂:ポリウレタン系樹脂5022(大日精化社製:5重量部)に分散し、図2に示すような温度管理部材1を作製した。
【0105】
図22は、消去後、その温度管理部材1を10℃、20℃、30℃の環境下に放置した時の消去部分の発色濃度の経時変化を示すグラフである。10℃、20℃では緩やかに発色が進行し、温度による違いが見られず、30℃ではやや発色速度が速まるが、示温特性制御剤を使用したときよりは発色速度が遅かった。
【0106】
<比較例3>
ロイコ染料A :Blue63(山本化成社製)………1重量部
顕色剤B :ビスフェノ−ルS ………1重量部
可逆材C :プログネノロン ………10重量部
示温特性制御剤D :なし
この示温材料4をバインダ−樹脂:ポリウレタン系樹脂5022(大日精化社製:5重量部)に分散し、図2に示すような温度管理部材1を作製した。
【0107】
図23は、消去後、その温度管理部材1を10℃、20℃、30℃の環境下に放置した時の消去部分の発色濃度の経時変化を示すグラフである。10℃、20℃では緩やかに発色が進行し、温度による違いが見られず、30℃ではやや発色速度が速まるが、示温特性制御剤を使用したときよりは発色速度が遅かった。
【0108】
<比較例4>
ロイコ染料 :GN−2(山本化成社製)……………………1重量部
顕色剤 :没食子酸プロピル………………………………1重量部
可逆材 :プレグネノロン………………………………10重量部
相分離制御剤 :1−ドコサノ−ル………………………………5重量部
上記示温材料をバインダ−樹脂:スチレンメタクリル酸共重合体:メタクリル酸10%(5重量部)に分散し、実施例1と同様に図2のような温度管理部材1を作製した。
【0109】
図24は、消去後、その温度管理部材1を10℃、20℃、30℃の環境下に放置した時の消去部分の発色濃度の経時変化を示すグラフである。この結果、環境温度10℃、20℃では消色状態が保持され、30℃では緩やかに発色が進行していくことが確認された。また相分離制御剤を使用しない場合に比べて、発色の速度が大きく変化する温度(20〜30℃の間)に違いが無いことが確認された。
【0110】
<比較例5>
ロイコ染料 :GN−2(山本化成社製)……………………1重量部
顕色剤 :没食子酸プロピル………………………………1重量部
可逆材 :プレグネノロン………………………………10重量部
相分離制御剤 :シクロドデカノ−ル……………………………5重量部
上記示温材料をバインダ−樹脂:スチレンメタクリル酸共重合体:メタクリル酸10%(5重量部)に分散し、実施例1と同様に図2のような温度管理部材1を作製した。
【0111】
図25に、消去後、その温度管理部材1を10℃、20℃、30℃の環境下に放置した時の消去部分の発色濃度の経時変化を示した。この結果、環境温度10℃では消色状態が保持され、20℃、30℃と温度により緩やかに発色が進行することが確認された。また相分離制御剤を使用しない場合に比べ発色濃度が薄いことが確認された。
【0112】
比較例1〜4の結果から、相分離制御剤を用いない場合と1−ドコサノ−ルを用いた場合との発色速度が大きく変化する温度(反応温度)に違いはなかった。これは1−ドコサノ−ルが融点近傍において相分離速度を変化させるため、1−ドコサノ−ルの融点である72℃近傍が反応温度となり、30℃以下の温度環境では室温で固体の相分離剤により相分離制御剤を用いない組成系の反応温度を変えることができないことが分かる。
【0113】
次に、比較例1〜3と比較例5との結果から、シクロドデカノ−ルは消色時の特性が向上し、反応温度も10〜20℃に変化していることが分かる。シクロドデカノ−ルの融点は77℃であり、つまりシクロドデカノ−ルは融点近傍で相分離速度を変化させていないことが分かる。このためシクロドデカノ−ルは反応温度を変化させることに関しては、示温特性制御剤として使用可能であるが、相分離制御剤を用いない組成系に比べ、発色濃度が低いことが問題となり不適当である。この発色濃度の低下はシクロドデカノ−ルが相分離後も顕色剤と相互作用が大きく、顕色剤とロイコ染料の相互作用を阻害するためである。
【0114】
実施例1〜18の示温特性制御剤は示温特性制御剤を用いない比較例1、2、3に比べ、消色時の特性が向上し、反応温度も20℃以下に変えることできた。これら示温特性制御剤の融点は、p−ヒドロキシフェネチルアルコ−ルが91℃、2−ヒドロキシベンジルアルコ−ルが86℃、バニリルアルコ−ルが114℃、ピペロニルアルコールが53℃、ベンゾインが134℃、ベンズヒドロールが67℃、トリフェニルメタノールが163℃、ベンジル酸メチルが74℃、DL−マンデル酸ベンジルが95℃、ベンジルが96℃、ベンゾインイソプロビルオーテルが79℃、ベンジルフェニルケトンが56℃、2−ベンゾイル安息香酸メチルが53℃、ベンジル2−ナフチルエーテルが101℃、1−ベンジロキシ−2−メトキシ−4−4−(1−プロペニル)ベンゼンが59℃、4−ベンゾイルビフェニールが86℃、m−ターフェニルが86℃であり、シクロドデカノ−ル同様、融点近傍で相分離速度を変化させていないことが分かる。このことから本発明の示温特性制御剤は示温特性制御剤の結晶質−非晶質転移または相分離状態−非相分離状態の変化により組成系の結晶質−非晶質転移または相分離状態−非相分離状態を変化させていることがわかる。また、本発明の示温特性制御剤を用いた示温部材は、温度に対する感度が非常に優れており、シクロドデカノ−ルに比べても発色濃度が濃く、相分離制御剤を用いない組成系の発色濃度と同じか、それ以上の発色濃度を示す。これは、示温特性制御剤は、相分離後は顕色剤との相互作用が弱く、ロイコ染料と顕色剤との相互作用を阻害しないことから、示温特性制御剤を用いない組成系の発色濃度と同等以上の濃度をもたらすからである。さらに、実施例1〜4の示温特性制御剤は、フェノール系水酸基を有しており、これがロイコ染料と相互作用し発色に寄与していることから、示温特性制御剤を用いない組成系の発色濃度と同等以上の濃度が得られる。本実施例では示温特性制御材を単独で用いたが、必要に応じて複数の示温特性制御剤を混合しても構わない。
【0115】
表2に、各実施例のサ−マルヘッドによる初期化前の発色濃度と初期化後の30℃環境下で発色が進行した後の飽和濃度aと、飽和濃度を初期化前の発色濃度bで割った戻り率%(a/b×100)を示す。
【0116】
【表1】
Figure 0003604076
【0117】
示温特性制御剤Dを含有していない比較例1、2、3の戻り率は、それぞれ、81%、85%、85%である。飽和濃度が初期化前の発色濃度に達しないのは、サ−マルヘッドによる熱および圧力(熱圧延)により示温部材4が初期化前に比べて膜厚等に変化が生ずるためである。このため、飽和濃度は100%にならず、測定環境、装置等の誤差を考えると、約20%前後が熱圧延の影響であると考えられ、飽和濃度は約80%前後である。このような示温特性制御剤Dを含有していない示温材料4の飽和濃度(相分離が完了した状態)がロイコ染料Aと顕色剤Bとの相互作用の定常状態で、示温特性制御材Dを含有した示温材料4においても戻り率が約80%前後あれば、示温特性制御剤Dがロイコ染料Aと顕色剤Bとの相互作用を阻害していないといえる。上記実施例1〜18の戻り率は78%〜105%であり、示温特性制御剤Dがロイコ染料Aと顕色剤Bとの相互作用を阻害していない。これに対し、比較例4の1−ドコサノ−ルは30℃の環境下では相分離が完了していないために戻り率が62%に留まっている。また、比較例5のシクロドデカノ−ルは、相分離が完了しているにも拘らず、戻り率が67%と低く、シクロドデカノ−ルがロイコ染料Aと顕色剤Bとの相互作用を阻害しているといえる。
【0118】
以上のことから、本発明の示温特性制御剤Dは、その融点に関係なく、示温特性制御剤Dの結晶質−非晶質転移または相分離状態−非相分離状態の変化により組成系の結晶化もしくは相分離を制御しており、なおかつ相分離後の発色濃度の戻り率が示温特性制御剤Dを含有しない組成系と同等以上で、相分離後に示温特性制御剤Dがロイコ染料Aと顕色剤Bとの相互作用を阻害しない。
【0119】
また、上記実施例では、発色濃度の戻り率により電子供与性化合物A(ロイコ染料A)と電子受容性化合物B(顕色剤B)との相互作用の評価を行なったが、これ以外の方法として、光透過率もしくは光吸収率等によっても同種の評価が可能である。例えば、透明PET間に示温材料4を挟み込むことにより、光透過率もしくは光吸収率等の変化を測定することができ、この変化によって、電子供与性化合物Aと電子受容性化合物Bとの相互作用を評価することが可能である。
【0120】
このように、少なくとも電子供与性化合物Aと電子受容性化合物Bと組成系の一部または全部の可逆的な結晶質−非晶質転移、または2つの相分離状態もしくは相分離状態−非相分離状態の変化を発現させる可逆材Cとを含有する示温材料4において、室温で固体であり、電子受容性化合物Bまたは可逆材Cもしくは電子受容性化合物Bおよび可逆材Cと少なくともその一部が相溶する示温特性制御剤Dであって、示温特性制御剤Dの結晶質−非晶質転移または相分離状態−非相分離状態の変化により組成系の結晶質−非晶質転移または相分離状態−非相分離状態速度を変化させる示温特性制御剤Dを含有させた示温材料4では、特定温度で敏感になり、また消色時の反射率も向上できるのでS/N比を向上することができる。このように示温特性制御剤Dは溶解時にロイコ染料Aまたは顕色剤Bまたは可逆材Cと一部相溶し、管理温度では結晶状態が安定な材料であって、結晶−非結晶または相分離−非相分離により加熱急冷により顕色剤Bと可逆材Cとの相互作用を強め消色させ、設定温度以上において結晶または相分離して単独で結晶状態になり、ロイコ染料Aと顕色剤Bを会合させる。
【0121】
本実施の形態では、PET基材上にラベル化したものを用いたがこれに限るものではない。温度管理部材への応用は、熱転写リボンの形態、印刷インクで各基材に任意のパタ−ンに印刷しても構わない。
【0122】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、室温以下の温度管理部材に利用する場合、マイクロカプセル等の特別な技術を用いることなく、バインダ−樹脂等に容易に分散することが可能となり、安価な温度管理部材が提供できる。
【0123】
また、示温特性制御剤を用いない組成系に比べ発色濃度を同等以上にすることができ、消色時の特性も向上する。
【0124】
また、示温特性制御剤を用いない組成系に比べ、反応温度を低温側にシフトすることが可能になり、温度に対しても敏感で、ある程度の保存環境温度を特定することが可能である。
【0125】
さらに、このようにして得られた温度管理部材は、消去時の反射率が向上することから、発色時の状況を機械的に読取った場合はS/N比が向上され、視認により確認する場合でも高温暴露時における発色を感知しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態として、示温材料の熱的条件による状態の変化を示す模式図である。
【図2】実施例として用いた示温材料を有する温度管理部材の断面図である。
【図3】実施例1における管理時間と発色濃度との関係を示すグラフである。
【図4】実施例2における管理時間と発色濃度との関係を示すグラフである。
【図5】実施例3における管理時間と発色濃度との関係を示すグラフである。
【図6】実施例4における管理時間と発色濃度との関係を示すグラフである。
【図7】実施例5における管理時間と発色濃度との関係を示すグラフである。
【図8】実施例6における管理時間と発色濃度との関係を示すグラフである。
【図9】実施例7における管理時間と発色濃度との関係を示すグラフである。
【図10】実施例8における管理時間と発色濃度との関係を示すグラフである。
【図11】実施例9における管理時間と発色濃度との関係を示すグラフである。
【図12】実施例10における管理時間と発色濃度との関係を示すグラフである。
【図13】実施例11における管理時間と発色濃度との関係を示すグラフである。
【図14】実施例12における管理時間と発色濃度との関係を示すグラフである。
【図15】実施例13における管理時間と発色濃度との関係を示すグラフである。
【図16】実施例14における管理時間と発色濃度との関係を示すグラフである。
【図17】実施例15における管理時間と発色濃度との関係を示すグラフである。
【図18】実施例16における管理時間と発色濃度との関係を示すグラフである。
【図19】実施例17における管理時間と発色濃度との関係を示すグラフである。
【図20】実施例18における管理時間と発色濃度との関係を示すグラフである。
【図21】比較例1における管理時間と発色濃度との関係を示すグラフである。
【図22】比較例2における管理時間と発色濃度との関係を示すグラフである。
【図23】比較例3における管理時間と発色濃度との関係を示すグラフである。
【図24】比較例4における管理時間と発色濃度との関係を示すグラフである。
【図25】比較例5における管理時間と発色濃度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
A 電子供与性化合物(ロイコ染料)
B 電子受容性化合物(顕色剤)
C 可逆材
D 示温特性制御剤

Claims (17)

  1. 少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料である示温材料において、
    前記示温特性制御剤は、p−ヒドロキシフェネチルアルコ−ルであることを特徴とする示温材料。
  2. 少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料である示温材料において、
    前記示温特性制御剤は、2−ヒドロキシベンジルアルコ−ルであることを特徴とする示温材料。
  3. 少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料である示温材料において、
    前記示温特性制御剤は、バニリルアルコ−ルであることを特徴とする示温材料。
  4. 少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料であり、前記示温特性制御剤は、室温で個体である示温材料において、
    前記示温特性制御剤は、ピペロニルアルコ−ルであることを特徴とする示温材料。
  5. 少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料である示温材料において、
    前記示温特性制御剤は、ベンゾインであることを特徴とする示温材料。
  6. 少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料である示温材料において、
    前記示温特性制御剤は、ベンズヒドロ−ルであることを特徴とする示温材料。
  7. 少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料である示温材料において、
    前記示温特性制御剤は、トリフェニルメタノ−ルであることを特徴とする示温材料。
  8. 少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料である示温材料において、
    前記示温特性制御剤は、ベンジル酸メチルであることを特徴とする示温材料。
  9. 少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料である示温材料において、
    前記示温特性制御剤は、DL−マンデル酸ベンジルであることを特徴とする示温材料。
  10. 少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する 化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料であり、前記示温特性制御剤は、室温で個体である示温材料において、
    前記示温特性制御剤は、ベンジルであることを特徴とする示温材料。
  11. 少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料であり、前記示温特性制御剤は、室温で個体である示温材料において、
    前記示温特性制御剤は、ベンゾインイソプロピルエ−テルであることを特徴とする示温材料。
  12. 少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料であり、前記示温特性制御剤は、室温で個体である示温材料において、
    前記示温特性制御剤は、ベンジルフェニルケトンであることを特徴とする示温材料。
  13. 少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料であり、前記示温特性制御剤は、室温で個体である示温材料において、
    前記示温特性制御剤は、2−ベンゾイル安息香酸メチルであることを特徴とする示温材料。
  14. 少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料であり、前記示温特性制御剤は、室温で個体である示温材料において、
    前記示温特性制御剤は、ベンジル2−ナフチルエ−テルであることを特徴とする示温材料。
  15. 少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料であり、前記示温特性制御剤は、室温で個体である示温材料において、
    前記示温特性制御剤は、1−ベンジロキシ−2−メトキシ−4−(1−プロペニル)ベンゼンであることを特徴とする示温材料。
  16. 少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料であり、前記示温特性制御剤は、室温で個体である示温材料において、
    前記示温特性制御剤は、4−ベンジルビフェニルであることを特徴とする示温材料。
  17. 少なくとも、電子供与性化合物と、電子受容性化合物と、可逆材と、示温特性制御剤とからなる示温材料であって、前記可逆材は、ステロイド骨格を有する化合物であって、前記示温材料の一部または全部の可逆的な結晶質・非晶質転移の変化を発現させる材料であり、前記示温特性制御剤は、室温で個体である示温材料において、
    前記示温特性制御剤は、m−タフェニルであることを特徴とする示温材料。
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