JP2001141577A - 温度管理方法および温度管理部材 - Google Patents

温度管理方法および温度管理部材

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JP2001141577A
JP2001141577A JP2000218468A JP2000218468A JP2001141577A JP 2001141577 A JP2001141577 A JP 2001141577A JP 2000218468 A JP2000218468 A JP 2000218468A JP 2000218468 A JP2000218468 A JP 2000218468A JP 2001141577 A JP2001141577 A JP 2001141577A
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Toshiyuki Tamura
敏行 田村
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Toshiba TEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度と時間に応じて色が変化する示温部材の
発色濃度の変化を客観的に正しく認識できる温度管理方
法および温度管理部材を提供する。 【解決手段】 温度に反応して色が変化する示温部材2
が設けられた温度管理部材1において、示温部材2は、
環境温度下では不可逆性であり、加熱急冷により初期化
された後、放置雰囲気中の温度および時間に応じて、初
期化部分の発色濃度が変化するものであり、温度管理部
材1の面上に予め示温部材2の管理すべき温度に不変の
発色濃度マーク3を設けておき、示温部材2の発色濃度
と発色濃度マーク3とを比較することにより、温度管理
を行うようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温度と時間により
色または濃度変化する示温部材を用いて青果物や生鮮品
等の温度管理を行う温度管理方法および温度管理部材に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来用いられている示温部材のうち、温
度に反応して色が変化する示温材料としては、例えば、
スピロピラン類、ビアントロンやジキサンチレン等の縮
合芳香環を置換したエチレン誘導体などのサーモクロミ
ック有機色素やCoC12・2(CH2)6N4・10H2
等の金属錯塩結晶や電子供与性化合物と電子受容性化合
物と有極性有機化合物の組合せ等からなるものがある。
これらの示温材料を用いた温度管理用ラベル等は、温度
により色が変化する様子を視覚で観察してその温度判断
が行われている。
【0003】また、示温材料は大別すると可逆式と不可
逆式があり、可逆式は温度が上下するとそれに応じて何
回でも色が変化するタイプであり、不可逆式はある温度
で色が変化すると元に戻らないタイプである。
【0004】可逆式の場合、ビール等の飲み物の飲み頃
サインのために使用されたり、視覚的に注意を促す場合
等に使用されている。
【0005】不可逆式の場合(低温)は、青果物や生鮮
食料品等の温度管理用として用いられるもので、特公昭
58−10709号公報等に温度履歴の残るものとして
記載されている。すなわち、浸透材中を温度により粘性
が変化するインク(例えば、オレイルアルコールに染料
が溶けているインク)が浸透するようになっており、そ
の浸透長さにより、設定温度以上の温度にどのくらいの
時間曝されたかを確認できる。
【0006】また、ラベル上にインク層、セパレート
層、多孔質層、表示部から構成される複数の層を形成し
ている。ここで、セパレート層は、温度管理を開始する
際に除去し、多孔質は浸透時間をコントロールする層で
ある。このいずれも低温不可逆性を実現するために(室
温より設定温度が低い場合)、温度管理を開始しない時
の保存方法手段が必要であり、高価で複雑な構造をして
いた。
【0007】また、特開平8−197853では、ガラ
ス転移温度を設定温度にして、ガラス転移温度を越える
と分子の拡散速度が急激に変化することを利用して警告
を知らしめる方法が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】示温部材が初期化後に
設定温度よりも高温に曝された場合、初期化された部分
が温度と時間により発色濃度が変化するが、その発色濃
度の変化の認識に個人差があり発色濃度を客観的に判断
することは難しいという問題があった。特に、特公昭5
8−10709号公報例のように時間的要素のみに起因
するインクの浸透長さにより設定温度以上の温度にどの
くらいの時間曝されたかを1次元的に指示する場合と異
なり、温度と時間とを要素とし、これらの温度と時間と
の積分値により示温部材の発色濃度が変化する場合にそ
のレベルを客観的に特定することは極めて困難となる。
したがって、このように示温部材が温度と時間により発
色濃度が変化する場合のレベルを如何に客観的に特定す
るかが課題となる。
【0009】また、温度管理部材が、例えば、ラベルと
して生鮮食料品等の商品に貼付されて用いられる場合、
どのような温度管理をされたか自体は不明であるが、温
度管理をしていることが明示されると、その明示内容に
よっては、客は温度管理が悪いと認識した商品に関して
はその鮮度が低下したと判断してしまい、その商品が売
れ残ってしまうという問題が生じる。つまり、商品等の
温度管理を行う目的は、本来的には、鮮度等を含めて商
品価値を損なわない条件下で、より木目の細かい商品管
理を行うためであり、商品に関する温度管理情報は管理
者のみが正確に把握できればよく、客等には必ずしも明
示させる必要はない。したがって、商品販売に利用する
上では、一般顧客には認識されず、管理者のみが温度管
理情報を正確に把握できるようにすることも課題とな
る。
【0010】そこで、本発明は、温度と時間に応じて色
が変化する示温部材の発色濃度の変化を客観的に正しく
認識できる温度管理方法および温度管理部材を提供する
ことを目的とする。
【0011】また、本発明は、温度と時間に応じて色が
変化する示温部材の発色濃度の変化を管理者のみが客観
的に正しく認識できる温度管理方法および温度管理部材
を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
温度に反応して色が変化する示温部材が設けられた温度
管理部材を用いる温度管理方法において、前記示温部材
は、環境温度下では不可逆性であり、加熱急冷により初
期化された後、放置雰囲気中の温度および時間に応じ
て、初期化部分の発色濃度が変化するものであり、前記
温度管理部材の面上に予め前記示温部材の管理すべき温
度に不変の発色濃度マークを設けておき、前記示温部材
の発色濃度と前記発色濃度マークとを比較することによ
り、温度管理を行うことを特徴とする。
【0013】請求項2記載の発明は、温度に反応して色
が変化する示温部材が設けられた温度管理部材を用いる
温度管理方法において、前記示温部材は、有色インク層
上に形成されるとともに、環境温度下では不可逆性であ
り、加熱急冷により初期化された後、放置雰囲気中の温
度および時間に応じて、前記有色インク層の色とは異な
る色で初期化部分の発色濃度が異なり、前記示温部材が
前記有色インク層と重なってその重なり部分の減色法に
よる色が温度と時間とにより変化するものであり、前記
温度管理部材の面上に予め前記示温部材の管理すべき有
色の温度に不変の色見本を設けておき、前記示温部材が
前記有色インク層と重なってその重なり部分の減色法に
よる色と前記色見本とを比較することにより温度管理を
行うことを特徴とする。
【0014】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の温度管理方法において、温度管理部材の面上に設
けた示温部材は、その発色形状が温度管理とは別の意味
情報を示すことを特徴とする。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項3記載の温
度管理方法において、示温部材が発色したときの発色形
状がロゴマーク形状であることを特徴とする。
【0016】請求項5記載の発明は、請求項3記載の温
度管理方法において、示温部材が発色したときの発色形
状が商品の情報を示す形状であることを特徴とする。
【0017】請求項6記載の発明は、請求項3記載の温
度管理方法において、示温部材が発色したときの発色形
状が商品に関する生産者情報を示す形状であることを特
徴とする。
【0018】請求項7記載の発明は、請求項1ないし6
の何れか一に記載の温度管理方法において、温度管理部
材の面上に設けた発色濃度マークまたは色見本の形状が
温度管理とは別の意味情報を示す形状に形成されている
ことを特徴とする。
【0019】請求項8記載の発明は、請求項7記載の温
度管理方法において、発色濃度マークまたは色見本の形
状が商品の情報を示す形状であることを特徴とする。
【0020】請求項9記載の発明は、請求項7記載の温
度管理方法において、発色濃度マークまたは色見本の形
状が商品に関する生産者情報を示す形状であることを特
徴とする。
【0021】請求項10記載の発明は、温度に反応して
色が変化する示温部材が設けられた温度管理部材におい
て、前記示温部材は、環境温度下では不可逆性であり、
加熱急冷により初期化された後、放置雰囲気中の温度お
よび時間に応じて、初期化部分の発色濃度が変化するも
のであり、前記温度管理部材の面上に予め前記示温部材
の管理すべき温度に不変の発色濃度マークを設けたこと
を特徴とする。
【0022】請求項11記載の発明は、温度に反応して
色が変化する示温部材が設けられた温度管理部材におい
て、前記示温部材は、有色インク層上に形成されるとと
もに、環境温度下では不可逆性であり、加熱急冷により
初期化された後、放置雰囲気中の温度および時間に応じ
て、前記有色インク層の色とは異なる色で初期化部分の
発色濃度が異なるものであり、前記示温部材が前記有色
インク層と重なってその重なり部分の減色法による色が
温度と時間とにより変化するようにしたことを特徴とす
る。
【0023】請求項12記載の発明は、請求項11記載
の温度管理部材において、温度管理部材の面上に予め示
温部材の管理すべき有色の色見本を設けたことを特徴と
する。
【0024】請求項13記載の発明は、請求項10ない
し12の何れか一に記載の温度管理部材において、温度
管理部材の面上に設けた示温部材は、その発色形状が温
度管理とは別の意味情報を示すことを特徴とする。
【0025】請求項14記載の発明は、請求項13記載
の温度管理部材において、示温部材が発色したときの発
色形状がロゴマーク形状であることを特徴とする。
【0026】請求項15記載の発明は、請求項13記載
の温度管理部材において、示温部材が発色したときの発
色形状が商品の情報を示す形状であることを特徴とす
る。
【0027】請求項16記載の発明は、請求項13記載
の温度管理部材において、示温部材が発色したときの発
色形状が商品に関する生産者情報を示す形状であること
を特徴とする。
【0028】請求項17記載の発明は、請求項10ない
し16の何れか一に記載の温度管理部材において、温度
管理部材の面上に設けた発色濃度マークまたは色見本の
形状が温度管理とは別の意味情報を示す形状に形成され
ていることを特徴とする。
【0029】請求項18記載の発明は、請求項17記載
の温度管理部材において、発色濃度マークまたは色見本
の形状が商品の情報を示す形状であることを特徴とす
る。
【0030】請求項19記載の発明は、請求項17記載
の温度管理部材において、発色濃度マークまたは色見本
の形状が商品に関する生産者情報を示す形状であること
を特徴とする。
【0031】
【発明の実施形態】本発明の第一の実施の形態を図1乃
至図6に基づいて説明する。まず、図1に示すものは温
度管理部材1であり、この温度管理部材1の面上には、
示温部材2が部分的に設けられている。この示温部材2
は、所定の温度以上に加熱後急冷することにより消色さ
れた状態に初期化されるものであるが、その初期化後に
放置された環境の温度と時間により発色の濃度が変化す
る。温度管理部材1には、示温部材2が初期化後に温度
と時間により発色が進行する多段階の濃度を示す複数個
の発色濃度マーク3が設けられている。この発色濃度マ
ーク3は、温度に依存しない(温度に不変の)有色イン
クで形成されているものであり、示温部材2の発色の進
行度合いを示す。前記発色濃度マーク3の下には「鮮度
良」「お早めに」「注意要」等の暴露情報4が設けら
れ、その暴露情報4を認識することにより前記温度管理
部材1が貼付された物品の状態を知ることが可能にな
る。
【0032】ここで用いる示温部材2は、初期化後に温
度と時間の関数、すなわち、温度と時間との積分値に応
じて発色が進行する部材である。本実施の形態の示温部
材2はリライタブル材料が使用可能であり、下記のよう
な構成が可能である。
【0033】 ・電子供与性呈色性化合物(ロイコ染料) フェニルメタン系化合物(各種フルオラン、フェニルフ
タリド類等)、各種インドリルフタリド、スピロピラ
ン、ロイコオーラミン類、アシルまたはアリールオーラ
ミン類など ・電子受容性化合物(顕色剤) フェノール性水酸基を有する化合物、フェノール性水酸
基を有する化合物の金属塩、各種トリアゾール類、カル
ボン酸類、カルボン酸の金属塩など ・可逆材 ステロイド系の材料で、例えば、プレグネノロンやメチ
ルアンドロスタンジオール、コレステロール等が使用可
能である。 ・示温特性制御剤(場合によっては必要ない) 常温で結晶状態が安定なシクロアルカノール類、芳香族
アルコール類、感熱紙で使用されている増感剤等を特性
に応じて選択する。例えば、シクロドデカノールであ
る。
【0034】上述の示温特性制御剤を含まない3成分ま
たは示温特性制御剤を含む4成分系をバインダー樹脂に
分散させた状態で塗工する。
【0035】・樹脂としては スチレン樹脂、スチレンメタクリル酸、アクリル樹脂、
ポリウレタン等が使用可能である。
【0036】より具体的に示すと、示温部材2の組成
は、次の通りである。 <示温部材> ロイコ染料:H3035(山田化学社製)・・・・1重量部 顕色剤 :没食子酸プロピル(PG)・・・・・1重量部 可逆剤 :プレグネノロン(PRN)・・・・10重量部 示温特性制御剤:シクロドデカノール(CD)・・5重量部 バインダー樹脂:スチレンメタクリル酸(A−91:大日本インキ社製) ・・・5重量部
【0037】<製法>トルエンとシクロヘキサノンの混
合溶媒(4:1)84重量部にバインダー樹脂を溶解
し、ロイコ染料、顕色剤、可逆剤、示温特性制御剤を添
加して、ペイントシェーカーで2時間攪拌後塗工液を得
る。
【0038】上述のように得られた塗工液をグラビア印
刷で基材5上(上質紙にPETがコートしてある合成
紙)に示温部材2の乾燥膜厚が10μmになるように塗
工乾燥した。(部分的に塗工)さらに、前記示温部材2
の発色濃度に応じてオフセット印刷により濃度a、b、
cのH3035と同じシアン色で濃度を変化させた発色
濃度マーク3を3種類印刷する。発色濃度マーク3はa
からb、cと順に濃度が濃く印刷され、発色濃度マーク
3の下にはその発色濃度マーク3と一致した場合の示温
部材2が発色する条件で、貼付された物品が高温に曝さ
れた場合の状態を示す内容が暴露情報4に記載されてい
る。ここでは、aの下には保存状況「鮮度良」、bの下
には保存状況「お早めに」、cの下には保存状況「注意
要」と印刷されている。
【0039】示温部材2の上にはサーマルヘッドにより
初期化するために保護層7(OPニス)を設けてある。
必要に応じて、インク層と保護層7の間に中間層を設
け、この上に保護層7を形成する(この中間層は、OP
ニスとの相性により、例えば密着性や保護層7を設けた
場合に特性変化が大きい等の場合に設ける。)このよう
にして設けられた温度管理部材1は示温部材2の発色の
進行を発色濃度マーク3と比較しながら温度管理部材1
の保存環境状況を知ることが容易になる。
【0040】図2に本実施の形態の温度管理部材1の断
面図を示す。基材5上に示温部材2をグラビア印刷で1
0μm形成した後、発色濃度マーク3および商品情報9
をオフセット印刷により印刷し、保護層7をオフセット
印刷で1μm形成して完成する。
【0041】示温部材2の原理および特性を図3乃至図
6に基づいて説明する。示温部材2は電子供与性呈色性
化合物と電子受容性化合物、可逆材、示温特性制御剤お
よびバインダー樹脂からなっている。一般に、電子供与
性呈色性化合物は、発色する前駆体化合物をいい、電子
受容性化合物は顕色剤を意味しており、この電子供与性
呈色性化合物と電子受容性化合物の相互作用が強くなる
と発色し、その作用が弱いと消色する。本実施の形態で
使用される可逆材は、この電子供与性呈色性化合物また
は電子受容性化合物との相互作用を強めたり弱めたりす
ることにより、間接的に電子供与性呈色性化合物と電子
受容性化合物の相互作用を可逆的に変化させることが可
能な材料を言う。示温特性制御剤は発色時間や温度をコ
ントロールし、初期化時の消去をより完全にするための
材料で、可逆材と顕色剤に関与する材料である。また、
初期化時には、ロイコ染料または顕色剤のいずれかとよ
く相溶し顕色剤と可逆材の相互作用に働きかける。
【0042】図3にその原理を簡単に示す。ロイコ染料
(A)にCVL、顕色剤(B)に没食子酸プロピル、可
逆材(C)にPRN、示温特性制御剤(D)にCDを用
いた場合を示す。
【0043】消色モードでは、ロイコ染料(A)と顕色
剤(B)との相互作用が弱く、顕色剤(B)は可逆材
(C)、示温特性制御剤(D)との相互作用を強めてい
る。また、発色モードでは、ロイコ染料(A)と顕色剤
(B)との相互作用が強く、顕色剤(B)は可逆材
(C)と示温特性制御剤(D)との相互作用は弱い。
【0044】図4を参照しながら、この系の熱力学的可
逆性を説明する。発色状態ではロイコ染料(A)と顕色
剤(B)との相互作用が強く、可逆材(C)、示温特性
制御剤(D)は結晶状態で単独に存在している。この状
態からこの示温部材2の融点Tmよりも高い温度に加熱
すると流動状態になり、ロイコ染料(A)と顕色剤
(B)とは相互作用を弱め、顕色剤(B)と可逆材
(C)と示温特性制御剤(D)の相互作用が強まる。こ
の状態から急冷すると、可逆材(C)と示温特性制御剤
(D)は顕色剤(B)を取り込んだまま固化(アモルフ
ァス状態)し、消色状態が保持される。その状態から、
ガラス転移温度Tg以上に加熱すると顕色剤(B)の分
子は拡散するで、発色が開始する。このガラス転移温度
Tg(系全体のガラス転移温度)の温度前後で飛躍的に
顕色剤(B)の拡散速度が変化する。さらに、結晶化温
度(Tc)以上Tm未満までの範囲に加熱するとさらに
拡散速度が早まり、瞬時に発色する。
【0045】特開平8−197853号公報に記載され
た発明では、このガラス転移温度Tgを利用して、温度
管理部材に使用可能であると述べられているが、これは
この顕色剤(B)の拡散速度を利用した方法である。す
なわち、図4のとの境界を検出する方法である。
【0046】これに対して、本実施の形態においては、
図4の原理図において、とのエリアを用いるもので
ある。は実施に際して後述するように温度の特定に利
用し、は警告として使用可能である。
【0047】示温部材2は加熱急冷により初期化して使
用する。初期化は例えばサーマルヘッドを用いて行う。
【0048】図5に初期化特性を示す。サーマルヘッド
の印加エネルギーを増すと反射率が増す(消色する)。
サーマルヘッドは京セラ社製のJBE−56−8MGK
1−MGを用いて印加パワーが0.3W、印字周期4m
s/lineで行った。印加エネルギーはパルス幅を制
御することにより行った。可逆材(C)にPRNを用い
た示温部材2では、0.82mJ/dotのエネルギー
でほぼ最大の反射率になる(消去される)。
【0049】また、反射率の測定はミノルタ社製の測色
計を用い、反射率は波長が620nmのポイントを用い
た。
【0050】図6に0.82mJ/dotのエネルギー
を印加して初期化したサンプルの15℃、20℃、25
℃におけるにおける時間と反射率の関係を示す。15℃
ではかなり緩やかな発色であるが、20℃、25℃では
発色が時間と共に進行している。すなわち温度と時間の
関数になっていることがわかる。
【0051】保存する物品が温度と時間により保存状態
が変化する場合、その物品の状態の高温暴露の危険性を
知らせるために、示温部材2が初期化後、高温暴露によ
り発色したときの発色濃度と同じ濃度状態を発色濃度マ
ーク3として印刷しておく。また、発色濃度マーク3の
下には保存する物品の示温部材2がその濃度に達したと
きの保存状態の警告が行えるようにする。例えば、示温
部材2と同じ色調で反射率(620nm)が0.5の発
色濃度マーク3と保存状況「鮮度良」の暴露情報4、
0.4の発色濃度マーク3と保存状態「お早めに」の暴
露情報4、0.3の発色濃度マーク3と保存状態「注意
要」の暴露情報4を設ける。これは、保存する物品が2
0℃で保管された場合、反射率が0.5以下になる時間
は約9時間、0.4は14時間、0.3は19時間の
間、この環境下に曝されていたことがわかると同時に、
その物品の暴露情報4を読めばその保存状態を簡易的に
知ることが可能である。また、示温部材2の反射率がそ
の中間等にあり一致し無い場合は、その中間状態にある
ことがわかる。例えば、示温部材2の反射率が0.6で
あった場合、保存状態「鮮度良」よりもさらに良い状態
で保存されていたことになる。また、反射率が0.45
の場合、保存状態「鮮度良」と「お早めに」の間の保存
であったことになる。このように、発色濃度マーク3と
比較しながら保存状態の判断が可能である。ここでは2
0℃の場合の例を示したが各温度においても同じであ
る。20℃より高い温度の保存であれば、各反射率に達
する時間が速くなる。また、低温の場合は発色の進行が
遅いので、長時間保存状態「鮮度良」の状態より良い状
態を維持することになる。
【0052】すなわち、示温部材2の発色濃度の進行度
合いを発色濃度マーク3と比較しながら温度管理を行
い、示温部材2と発色濃度マーク3の一致または近い場
合、その状況を暴露情報4により確認しながら管理する
ことができる。ここでは発色濃度マーク3が3種類の場
合を説明したが、これをさらに多数の種類をもって示す
と、より厳密な管理が可能である。また、複数の示温部
材2を設け、それぞれの発色濃度マーク3と暴露情報4
を設けるとより細かい管理が可能になる。
【0053】ここでは示温部材2を部分的に設けたが基
材5上に全面に設け、部分的に発色濃度マーク3を隠蔽
性白色インクを印刷して用いてもよい。また、示温部材
2の周りに保護層7がのりやすいように示温部材2とほ
ぼ同じ膜厚の透明インク層(ブランク層)8を設けた方
がより好ましい。
【0054】本発明の第二の実施の形態を図7乃至図1
3に基づいて説明する。本実施の態は、色見本11を設
け、示温部材2の発色の状況を色見本11と比較できる
ようにした温度管理部材1である。すなわち、示温部材
2の濃度変化による温度管理を行うものとして、有色イ
ンク上に示温部材2を形成して減色法により色変化する
ことを利用した温度管理部材1に関する方法である。具
体的に図7および図8を参照しながら説明する。
【0055】図7および図8に本実施の形態の温度管理
部材1を示す。すなわち、温度で感応する示温部材2が
設けられた温度管理部材1で、示温部材2が加熱急冷に
より、初期化後に温度と時間により発色の濃度が変化す
るものである。示温部材2は、有色インク層10上に設
けられている。示温部材2の周りには示温部材2とほぼ
同じ厚さのブランク層(透明インク層)8が設けられて
おり、示温部材2付近での段差を緩和している。
【0056】有色インク層10は示温部材2が発色した
ときとは異なった色であり、示温部材2は発色時にシア
ンであり、有色インク層10はマゼンタである。なお、
この温度管理部材1の環境で、有色インク層10は温度
・時間によっては変化しない(温度に対して不変であ
る)。示温部材2は、前述の第一の実施の形態と同じ材
料が使用可能である。ここでは、前述の場合と異なり、
バインダー樹脂にポリスチレン(PS)を用い、他の材
料は同じである。
【0057】 <示温部材> ロイコ染料 :H3035(山田化学社製、シアン色)・・・1重量部 顕色剤 :没食子酸プロピル(PG)・・・・・・・・・1重量部 可逆材 :プレグネノロン(PRN)・・・・・・・・10重量部 示温特性制御材:シクロドデカノール(CD)・・・・・・・・5重量部 スペーサー :シリカ(E−2、竜森社製)・・・・・・・・5重量部 バインダー樹脂:ポリスチレン・・・・・・・・・・・・・・・4重量部
【0058】<製法>バインダー樹脂をトルエンとシク
ロヘキサノンの混合溶媒(4:1)84重量部に完全に
溶解し、樹脂溶液を得る。樹脂溶液にロイコ染料、顕色
剤、可逆材、示温特性制御材、シリカを添加した後、ガ
ラスビーズΦ3mmを液面よりやや少なめに入れペイン
トシェーカーで約2時間分散して塗工液を得る。
【0059】温度管理部材1は、基材5に密着層12と
して、例えば、表面処理されたPETフィルムを25μ
mを貼付し、その上に商品情報9、有色インク層10、
色見本11、暴露情報4等をオフセット印刷により印刷
してあるものを用いる。上述した示温部材2とブランク
層8をグラビア印刷により有色インク層10上に約10
μm形成する。さらにその上に、OPニスで保護層7を
形成して得る。
【0060】ブランク層8はサーマルヘッドで初期化す
るときに示温部材2の膜厚が10μmの段差があるの
で、その段差により示温部材2の端部が完全に消去でき
ないのを防ぐためである。このブランク層8は示温部材
2とほぼ同程度の膜厚である必要があるが、色等は問わ
れない。また、OPニス(オーバープリントニス)の保
護層7は示温部材2をサーマルヘッドで初期化する際の
保護である。保護層7は示温部材2の耐湿や耐候性を有
していることが望ましい。このような場合、必要に応じ
て、保護層7とは別にOPニスの下に保護層を設ける。
【0061】有色インク層10はマゼンタのインクで印
刷されている。また、色見本11は有色インク10と示
温部材2が初期化後に高温暴露によりシアンの濃度が濃
くなり、有色インク層10とで色が変化するが、その時
の減色法による色変化と高温暴露の状況を比較するため
の見本である。この色見本11は示温部材2が識別可能
な程度設ける。色見本11と有色インク層10と示温部
材2の減色法での混色の色が一致したときに暴露情報4
を見ると高温暴露の状況がわかるようになっている。
【0062】示温部材2は加熱急冷により初期化して使
用する。初期化は例えばサーマルヘッドを用いて行う。
【0063】図9に初期化特性を示す。サーマルヘッド
の印加エネルギーを増すと反射率が増す(消色する)。
なお、この特性は有色インク10の代わりにマイタック
紙(ニチバン社製)の上部に示温部材を設けたときのデ
ータである(サーマルヘッドは京セラ社製のKBE−5
6−8MGK1−MGを用いて印加パワーが0.3W、
印字周期4ms/lineで行った)。印加エネルギー
はパルス幅を制御することにより行った。0.62mJ
/dotのエネルギーでほぼ最大の反射率になる(消去
される)。
【0064】また、反射率の測定はミノルタ社製の測色
計を用い、反射率は波長が620nmのポイントを用い
た。
【0065】図10に0.78mJ/dotのエネルギ
ーを印加して初期化したサンプルの25℃におけるにお
ける時間と反射率の関係を示す。なお、この図は有色イ
ンク層10が無い場合の反射率変化を示した図である。
本実施の形態では図10で示すような特性を有する示温
部材2を有色インク層10上に設けることにより、保存
する物品が温度と時間により保存状態が変化すると、初
期化された示温部材2が無色からシアン色に変化するの
で、有色インク層10との減色法により変色する。その
様子を図11に示す。図11は示温部材2を初期化した
ときを0時間とし、25℃に放置したときに有色インク
層10との減色法による色変化の様子をL、a、bを測定
して行った。示温部材2のシアンの濃度変化(図10参
照)にともないLab値が変化しており色が変化してい
ることを意味している。
【0066】色の変化は初期化直後はマゼンタ、高温暴
露に応じて紫から青へ変化する。25℃に曝されてから
5分ぐらいするとマゼンタから紫に変化し、20分ぐら
いすると青色に変化する。なお、Labはミノルタの測
色計CM−503Cを用いて測定した。これは、CIE
1976均等知覚色(L*,a*,b*)空間で表現され
た値で、光源はD50を用いたときの値である。
【0067】有色インク層10に用いた場合、色見本1
1はマゼンタ、紫、青の3種類用いたとすれば、レベル
1は「鮮度良」、レベル2は「お早めに」、レベル3は
「注意要」を意味するといえる。例えば25℃に曝され
ていとすると紫に変化するには約5分、青に変化してい
た場合約20分暴露されていたことになる。ここでは有
色インク層10にマゼンタを用いたが、これに限るもの
でなく、例えば、黄色を用いれば図12に示すようにL
ab値は変化する。それに従い、減色法による色変化は
黄緑から緑である。その変化に応じて色見本11を変え
ておく。同様に有色インク層10が赤の場合、Lab変
化は図13のように変化する。それに減色法による色変
化は赤から黒へと変化する。それに応じて色見本11を
設ければよい。色変化は示温部材2の初期化後の発色の
度合いで決定する。すなわち、前述した示温部材2の示
温特性を変化させれば、色変化の速度が変化する。示温
部材2のバインダーにポリスチレンの例を示したが、こ
れを第一の実施の形態に示したスチレン−メタクリル酸
共重合体(A−91、大日本インキ社製)に変化させる
と発色の速度が遅くなる。
【0068】その特性は第一の実施の形態で示した通り
であるが、その示温部材2の変化に応じて前述したよう
に色変化が同様に生じる。ここでは、有色インク層10
の上に示温部材を形成する例を示したが、示温部材2の
上に透過性の有色インク層10を設けても良い。ロイコ
染料が発色時にシアン色になるH3035(山田化学社
製)を用いたがこれに限るものでなく、有色インク10
との関係で、色を選ぶことが可能である。
【0069】本発明の第三の実施の形態を図14乃至図
15に基づいて説明する。示温部材2の材料は第一の実
施の形態と同様である。まず、示温部材2は、基材5
(PETがコートされた合成紙)上に、乾燥膜厚10μ
mになるようにバーコーターにより全面に塗工し乾燥す
る。さらに、保護層13を積層して形成した後、商品情
報9および発色濃度マーク3および暴露情報4を白色イ
ンクおよび有色インクで形成し、さらに保護層7をOP
ニスで形成して温度管理部材1が完成する。
【0070】商品情報9や発色濃度マーク3の文字や図
形の白い部分は白色インクで形成する。
【0071】なお、白色インクは、示温部材2の初期化
する部分には設けない。保護層13はポリビニールアル
コール(PVA117、クラレ社製)を乾燥膜厚1μm
塗布乾燥後、東芝シリコーン社製のUVHC8558を
3μm塗布後、UV光を照射して乾燥させて得た。な
お、保護層13は使用する環境において、必要であれば
設け、保護膜に使用する材料は使用環境において変え
る。
【0072】このようにして得られた温度管理部材1は
第一の実施の形態と同じような効果を有することは言う
までもない。
【0073】本発明の第四の実施の形態を図16に基づ
いて説明する。前記各実施の形態における発色濃度マー
ク3は、部分的に3段階のものであるが、本実施の形態
の発色濃度マーク3は、連続的に濃度が変化するマーク
である。
【0074】そのため、示温部材2が初期化後に温度と
時間により発色が進行すると連続的に濃度が変化する発
色濃度マーク3上の濃度と示温部材2の濃度とを比較し
て示温部材2の発色状態の位置を発色濃度マーク3上の
位置として認識することができ、これにより高温暴露状
態を容易に確認することができる。
【0075】本発明の第五の実施の形態を図17乃至図
18に基づいて説明する。概略的には、前述した各実施
の形態では、管理者・客を含めて温度管理状況を明示さ
せるようにしたが、本実施の形態では、管理者のみに温
度管理状況を暗示させるようにしたものである。
【0076】すなわち、第一の実施の形態では、示温部
材2が初期化後に発色濃度が変化して、その発色濃度と
発色濃度マーク3とを比較することにより温度管理状況
が容易にわかるようにした。第二の実施の形態では、示
温部材2と有色インク層10による減色法により色調の
変化と色見本11の比較により温度管理状況を把握でき
るようにした。この点、本実施の形態では、温度管理部
材1の構造はほぼ同じであるが、温度管理を管理者以外
に知られたくない場合を想定したものである。例えば、
温度管理のために前述したような温度管理部材1を貼付
した商品は、初期化後に示温部材2と発色濃度マーク3
とを比較すれば暴露情報4を参照することでその管理状
況を把握することはできるが、客にもその情報が知れて
しまい、場合によってはその商品が十分まだ新鮮である
が鮮度が落ちていると認識されて売れ残ってしまう等の
問題が生じる。すなわち、温度管理部材1に露骨に示温
部材2や発色濃度マーク3や色見本11、暴露情報4を
設けると温度管理状況が管理者以外に知れてしまう。
【0077】本実施の形態の一例を示す図17では、第
一の実施の形態方式を想定したもので、示温部材2の発
色形状が例えばロゴ「XYZ」(架空のロゴ)で例示す
るような発行者(管理者)のロゴマーク形状として適宜
位置に形成されており、温度管理とは全く関係のない意
味情報を示す形状とされている。すなわち、示温部材2
は、その発色濃度が温度管理に関与し、その発色形状が
持つ意味情報は温度管理に関与しない仕様に形成されて
いる。また、発色濃度マーク3もその形状が特定の意味
(ここでは、温度管理に関する意味情報)を連想させな
いように例えば単純に真円を3つ連続させた単純模様で
適宜位置に形成されており、かつ、前述の実施の形態の
場合で用いたような暴露情報4は削除されている。すな
わち、発色濃度マーク3の各発色濃度の意味は明示され
ておらず、管理者において予め暗黙の了解の下に認識さ
れているものである。
【0078】本実施の形態の他例を示す図18では、第
二の実施の形態方式を想定したもので、有色インク層1
0に示温部材2が積層した形で印刷されている以外は図
17に示した例と同じである。即ち、図17と同様に示
温部材2の発色形状が管理者のロゴマーク形状とされて
適宜位置に形成されている。色見本11は図17の発色
濃度マーク3の場合と同様にその形状が特定の意味(こ
こでは、温度管理に関する意味情報)を連想させないよ
うに例えば単純に真円を3つ連続させた単純模様で適宜
位置に形成されており、かつ、前述の実施の形態の場合
で用いたような暴露情報4は削除されている。すなわ
ち、色見本11の各色の意味は明示されておらず、管理
者において予め暗黙の了解の下に認識されているもので
ある。
【0079】本実施の形態によれば、商品に付されたラ
ベル状の温度管理部材1において示温部材2が発色した
としても、その発色形状がロゴマーク形状であるため、
客としてはそれを単にロゴを示す意味情報として認識す
るだけで、温度管理部材としての存在を特に意識するよ
うなことはない。特に、発色濃度マーク3や色見本11
についても単純模様として形成され、暴露情報4が付加
されていないので、客としては発色濃度マーク3や色見
本11を単に模様として認識するだけで、温度管理用の
ものであるとして意識するようなことはない。よって、
このような温度管理部材1によれば、客に温度管理をし
ていることを特に意識させることはない。
【0080】一方、管理者においては、ロゴマーク部分
に温度管理用の示温部材2が用いられ、かつ、発色濃度
マーク3や色見本11の各濃度情報や色が温度管理上、
どのようなレベルを示しているかを予め暗黙の内に認識
しているので、ロゴマーク形状の示温部材2の発色濃度
や色が変化した場合、発色濃度マーク3の発色濃度や色
見本11の色と比較することにより、保存環境を客観的
に正確かつ容易に把握することができる。この結果、例
えば、前述した実施の形態における「お早めに」或いは
「注意要」に相当するような発色濃度または色になった
場合には、そのレベル認識の下に、値引き売りする「見
切り品」とする判断などを適正に行うこともできる。
【0081】なお、本実施の形態では、示温部材2の発
色形状をロゴマーク形状としたが、温度管理に関係ない
別の意味情報を示す形状であればよく、ロゴマーク形状
の他、商品ラベル上に用いられる各種情報、例えば、商
品の情報、商品名、商品の絵柄(例えば、商品アスパラ
ガスの絵柄)、商品に関する生産者情報、産地の情報
(文字や絵柄)、日付、コマーシャルメッセージ、その
他を適宜用いることができる。特に、当該商品に必須の
情報表示であれば、温度管理用であることを意識させに
くくすることができる。発色濃度マーク3や色見本11
に関しても、円形等の形状に限らず、さらに目立たない
マークや文字等の形状表記にすることでより管理者のみ
が把握しやすくなる。
【0082】本発明の第六の実施の形態を図19乃至図
22に基づいて説明する。本実施の形態は、示温部材2
の形状をこのようなロゴマーク形状以外の形状とした数
例を示すものである。
【0083】本実施の形態の第一例を示す図19では、
第一の実施の形態方式を想定したもので、温度管理とは
別の意味情報として商品の情報を利用した例であり、示
温部材2の発色形状が例えば「産地直送」の文字表記と
されている。前述した実施の形態の場合と同様に、サー
マルヘッドによる加熱急冷により初期化した後、高温に
曝された場合、示温部材2により形成された「産地直
送」の文字が浮かび上がってくる。当該商品が高温に曝
されても客は産地直送なる商品の情報が印刷されている
商品と感じるだけであり、温度管理に関与していると認
識することはない。
【0084】本実施の形態の第二例を示す図20では、
第二の実施の形態方式を想定したものであり、有色イン
ク層10に示温部材2が積層した形で印刷されている以
外は図19に示した例と同じである。前述した実施の形
態の場合と同様に、初期化後、高温に曝された場合、示
温部材2により形成された「産地直送」の文字が発色
し、有色インク層10と減色法により色が変化する。こ
のように「産地直送」の文字の色が変化しても、客は産
地直送なる商品の情報が印刷されている商品と感じるだ
けであり、温度管理に関与していると認識することはな
い。
【0085】本実施の形態の第三例を示す図21では、
第一の実施の形態方式を想定したもので、温度管理とは
別の意味情報として商品に関する生産者情報を利用した
例であり、示温部材2の発色形状が例えば「日本農協」
(架空)の文字表記とされている。前述した実施の形態
の場合と同様に、サーマルヘッドによる加熱急冷により
初期化した後、高温に曝された場合、示温部材2により
形成された「日本農協」の文字が浮かび上がってくる。
当該商品が高温に曝されても客は日本農協なる商品の生
産者情報が印刷されている商品と感じるだけであり、温
度管理に関与していると認識することはない。
【0086】本実施の形態の第四例を示す図22では、
第二の実施の形態方式を想定したものであり、有色イン
ク層10に示温部材2が積層した形で印刷されている以
外は図21に示した例と同じである。前述した実施の形
態の場合と同様に、初期化後、高温に曝された場合、示
温部材2により形成された「日本農協」の文字が発色
し、有色インク層10と減色法により色が変化する。こ
のように「日本農協」の文字の色が変化しても、客は日
本農協なる商品の生産者情報が印刷されている商品と感
じるだけであり、温度管理に関与していると認識するこ
とはない。
【0087】本発明の第七の実施の形態を図23乃至図
24に基づいて説明する。本実施の形態は、示温部材2
および発色濃度マーク3や色見本11の両方を温度管理
とは別の意味情報を示す形状とした例を示すものであ
る。
【0088】本実施の形態の一例を示す図23では、示
温部材2に関しては図19に示した例と同様であるが、
発色濃度マーク3に関しては例えば商品に関する生産者
情報を示す「日本農協」の各文字の濃度が異なってお
り、各々の文字の濃度が示温部材2の高温暴露における
発色濃度を比較するためのパターンとされている。即
ち、発色濃度マーク3の形状は温度管理とは別の意味情
報として生産者の意味情報を示すように形成されてい
る。
【0089】本実施の形態の他例を示す図24は、示温
部材2、有色インク層10に関しては図20に示した例
と同様であるが、色見本11に関しては例えば商品に関
する生産者情報を示す「日本農協」の各文字の色が異な
っており(図面上は明示できないが)、各々の文字の色
が示温部材2の高温暴露における色を比較するためのパ
ターンとされている。即ち、色見本11の形状は温度管
理とは別の意味情報として生産者の意味情報を示すよう
に形成されている。
【0090】これらの例に限らず、商品の情報を示す
「産地直送」等の文字を利用して発色濃度マーク3や色
見本11を形成するようにしてもよい。さらには、産地
を示す絵柄、商品の絵柄(例えば、商品アスパラガスの
絵柄)などを利用して発色濃度マーク3や色見本11を
表すようにしてもよい。要は、温度管理とは別の意味情
報を示す形状であり、温度管理しているが客に分からな
いような形状であればよい。
【0091】前述の本発明の各実施の形態で使用する材
料しては、下記のような材料も使用可能である。
【0092】例えば電子供与性呈色性化合物として、ロ
イコオーラミン類、ジアリールフタリド類、ポリアリー
ルカルビノール類、アシルオーラミン類、アリールオー
ラミン類、ローダミンBラクタム類、インドリン類、ス
ピロピラン類、フルオラン類、シアニン色素類、クリス
タルバイオレット等の電子供与性有機物等が挙げられ
る。
【0093】<黒系>は下記のようなロイコ染料等が使
用可能である(これに限るものでない)。PSD−15
0、PSD−184、PSD−300,PSD−80
2、PSD−290(日本曹達製)、CP−101、B
LACK−15、ODB(山本化成社製)、ETAC、
ATP、BLACK−100、S−205、BLACK
−305、BLACK−500(山田化学社製)、TH
−107(保土ヶ谷化学社製)
【0094】<青系>は下記のようなロイコ染料が使用
可能である(これに限るものでない)。CVL、BLM
B(日本曹達社製)、BLUE−63、BLUE−50
2(山本化成社製)、BLUE−220(山田化学社
製)、BLUE−3(保土ヶ谷化学社製)
【0095】<青緑系>GN−169、GN−2、Gr
een−40(山本化成社製)、Green−300
(山田化学社製)
【0096】この他にも赤系や黄色系の染料でもよく、
また、1種類の材料でなく混合してもよい。
【0097】電子受容性化合物は、本実施の形態の顕色
剤では、PGについて記載したが、これに限るものでな
くフェノール類、フェノール金属塩類、カルボン酸金属
塩類、スルホン酸、スルホン酸塩、リン酸類、リン酸金
属塩類、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステル金属
塩類、亜リン酸類、亜リン酸金属塩類等の酸化物等が使
用可能である。例えば、2,4−ジヒドロキシアセトン
フェノン(2,4−HAP)、2,5−HAP、2,6
−HAP、3,5−HAP、2,3,4−HAP、2,
4−ジヒドロキシベンゾフェノン(2,4−HBP)、
4,4−HBP、2,3,4−HBP、3,4−HB
P、2,4,4´−HBP、2,2´,4,4´−HB
P、2,3−ジヒドロ安息香酸、3,5−ビヒドロ安息
香酸メチル、4,4´−ビフェノール、2,3,4,4
´−テトラヒドロキシベンゾフェノン等が使用可能であ
る。
【0098】電子受容性化合物は発色速度に大きく起因
し(電子受容性化合物が可逆材と分離した後、電子供与
性化合物に会合し発色するまでの時間がこの材料により
大きく変わる)、その材料を選定することにより、温度
管理時間をいろいろ変えることができる。
【0099】また、可逆材により、温度管理したい温度
領域を変化させることが可能である。本実施の形態で示
したプレグネノロンを用いた場合の3成分のガラス転移
温度が44℃で、この温度で発色速度が大きく変化する
が、ガラス転移温度以下でも発色は開始する。他のステ
ロイド類の可逆材を用いれば、その反応する温度を変更
することが可能である。例えば、コレステロール,スチ
グマスチロール等が使用可能である。
【0100】また複数の可逆材を用いたり混合して用い
ることにより、望みの温度管理部材を得ることができ
る。
【0101】また、バインダー樹脂としては、発色の速
度と測定温度範囲を考慮して適度なガラス転移温度(ま
たは軟化温度)を有するもとが使用可能である。
【0102】このような樹脂としては、ポリエチレン
類、塩素化ポリエチレン類、エチレン・酢酸ビニル共重
合物、エチレン・アクリル酸・無水マレイン酸共重合物
などのエチレン共重合物、ポリブタジエン類、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフテレート、ポ
リエチレンナフタレートなどのポリエステル類、ポリプ
ロピレン類、ポリイソブチレン類、ポリ塩化ビニル類、
ポリ塩化ビニリデン類、ポリ酢酸ビニル類、ポリビニル
アルコール類、ポリビニルアセタール類、ポリビニルブ
チラール類、フッ素樹脂類、アクリル樹脂類、メタクリ
ル樹脂類、アクリロニトリル共重合体類、ポリスチレ
ン、ハロゲン化ポリスチレン、スチレンメタクリル酸共
重合体等のスチレン共重合体類、アセタール樹脂類、ナ
イロン66(商品名)などのポリアミド類、ポリカーボ
ネート類、セルロース系樹脂類、フェノール樹脂類、ユ
リア樹脂類、エポキシ樹脂類、ポリウレタン樹脂類、ジ
アリールフタレート樹脂類、シリコーン樹脂類、ポリイ
ミドアミド類、ポリエーテルスルホン類、ポリメチルペ
ンテン類、ポリエーテルイミド類、ポリビニルカルバゾ
ール類、非晶質系ポリオレフィン等が上げられる。これ
ら樹脂を1つまたは複数の樹脂を混合して用いる。
【0103】示温部材2の特性に合わせて示温特性制御
剤としてシクロアルカノール類や芳香族アルコール類や
感熱紙の増感剤等を添加することにより敏感な温度エリ
アを設けることが可能である。このような材料として、
シクロドデカノール、シクロドデカンジオール等、ベン
ジルアルコール、TPが有効である。
【0104】本実施の形態では、基材8の上質紙上に密
着層である表面処理されたPETに塗工されたものを使
用されたがこれに限るものでない。基材8が感熱紙等で
もよい。
【0105】また、ここでは発色の濃度が変化するタイ
プのリライタブル材料を用いたがこれに限るものではな
く、初期化後に温度と時間の関数で色変化を起こすよう
な材料も使用可能である。
【0106】また、発色状態が安定で、初期化時にサー
マルヘッドにより消去し、温度と時間による関数で発色
が進行するリライタブルを用いたがこれに限ることな
く、初期化時に発色させ温度と時間により消色するタイ
プの材料を用いてもよいことは言うまでもない。このよ
うにして得られた温度管理部材は、だれもがその管理状
況を目視により容易に判断することが可能である。
【0107】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、温度に反
応して色が変化する示温部材が設けられた温度管理部材
を用いる温度管理方法において、前記示温部材は、環境
温度下では不可逆性であり、加熱急冷により初期化され
た後、放置雰囲気中の温度および時間に応じて、初期化
部分の発色濃度が変化するものであり、前記温度管理部
材の面上に予め前記示温部材の管理すべき温度に不変の
発色濃度マークを設けておき、前記示温部材の発色濃度
と前記発色濃度マークとを比較することにより、温度管
理を行うようにしたので、示温部材の発色濃度の変化を
温度管理部材上に設けられた発色濃度マークと比較しな
がらその保存環境を客観的に正確かつ容易に把握するこ
とが可能であり、また、発色濃度マークを細かく設ける
ことにより精密な測定が可能になる。
【0108】請求項2記載の発明によれば、温度に反応
して色が変化する示温部材が設けられた温度管理部材を
用いる温度管理方法において、前記示温部材は、有色イ
ンク層上に形成されるとともに、環境温度下では不可逆
性であり、加熱急冷により初期化された後、放置雰囲気
中の温度および時間に応じて、前記有色インク層の色と
は異なる色で初期化部分の発色濃度が異なり、前記示温
部材が前記有色インク層と重なってその重なり部分の減
色法による色が温度と時間とにより変化するものであ
り、前記温度管理部材の面上に予め前記示温部材の管理
すべき有色の温度に不変の色見本を設けておき、前記示
温部材が前記有色インク層と重なってその重なり部分の
減色法による色と前記色見本とを比較することにより温
度管理を行うようにしたので、示温部材が有色インク層
と重なってその部分の重なり部分の減色法による色が温
度と時間とにより変化し、その色と温度管理部材上に設
けられた色見本と比較しながら温度管理を行うのでその
保存環境を客観的に正確かつ容易に把握することが可能
になる。
【0109】請求項3記載の発明によれば、請求項1ま
たは2記載の温度管理方法において、温度管理部材の面
上に設けた示温部材は、その発色形状が温度管理とは別
の意味情報を示すように形成されているので、発色形状
が温度管理とは別の意味情報を示す示温部材の存在が管
理者以外の人にはその意味情報通りに認識され温度管理
と関連付けて特別意識させることがなく、管理者以外の
人には温度管理が行われていることを容易には認識させ
ない一方、予め示温部材の存在を暗黙の内に認識してい
る管理者においてはその発色濃度と発色濃度マークまた
は色見本とを比較することによりその保存環境を客観的
に正確かつ容易に把握することが可能になる。
【0110】請求項4記載の発明によれば、請求項3記
載の温度管理方法において、示温部材が発色したときの
発色形状がロゴマーク形状であるので、対象となる商品
等に付されるラベル等にあっては、メーカ名等を表すロ
ゴマークは宣伝、製造元の明示等の目的で必須的に付け
られるものであり、示温部材の発色形状をこのようなロ
ゴマーク形状とすることで、管理者以外の人には単なる
ロゴマークと認識されやすくなり、ロゴマークとしての
機能を維持させつつ、温度管理に関与していることを、
より一層認識させにくくすることができる。
【0111】請求項5記載の発明によれば、請求項3記
載の温度管理方法において、示温部材が発色したときの
発色形状が商品の情報を示す形状であるので、対象とな
る商品に付されるラベル等にあっては、商品の情報は通
常一般に用いられる表記であり、示温部材の発色形状を
このような商品の情報を示す形状とすることで、管理者
以外の人には単なる商品の情報と認識されやすくなり、
商品の情報を示す機能を維持させつつ、温度管理に関与
していることを、より一層認識させにくくすることがで
きる。
【0112】請求項6記載の発明によれば、請求項3記
載の温度管理方法において、示温部材が発色したときの
発色形状が商品に関する生産者情報を示す形状であるの
で、対象となる商品に付されるラベル等にあっては、商
品に関する生産者情報は通常一般に用いられる表記であ
り、示温部材の発色形状をこのような商品に関する生産
者情報を示す形状とすることで、管理者以外の人には単
なる商品に関する生産者情報と認識されやすくなり、商
品に関する生産者情報を示す機能を維持させつつ、温度
管理に関与していることを、より一層認識させにくくす
ることができる。
【0113】請求項7記載の発明によれば、請求項1な
いし6の何れか一に記載の温度管理方法において、温度
管理部材の面上に設けた発色濃度マークまたは色見本の
形状が温度管理とは別の意味情報を示すように形成され
ているので、形状が温度管理とは別の意味情報を示す発
色濃度マークまたは色見本の存在が管理者以外の人には
その意味情報通りに認識され温度管理と関連付けて特別
意識させることがなく、管理者以外の人には温度管理が
行われていることを容易には認識させない一方、予め発
色濃度マークまたは色見本の存在およびその意味を暗黙
の内に認識している管理者においては示温部材の発色濃
度または色とこれらの発色濃度マークまたは色見本とを
比較することによりその保存環境を客観的に正確かつ容
易に把握することが可能になる。
【0114】請求項8記載の発明によれば、請求項7記
載の温度管理方法において、発色濃度マークまたは色見
本の形状が商品の情報を示す形状であるので、対象とな
る商品に付されるラベル等にあっては、商品の情報は通
常一般に用いられる表記であり、発色濃度マークまたは
色見本の形状をこのような商品の情報を示す形状とする
ことで、管理者以外の人には単なる商品の情報と認識さ
れやすくなり、商品の情報を示す機能を維持させつつ、
温度管理に関与していることを、より一層認識させにく
くすることができる。
【0115】請求項9記載の発明は、請求項7記載の温
度管理方法において、発色濃度マークまたは色見本の形
状が商品に関する生産者情報を示す形状であるので、対
象となる商品に付されるラベル等にあっては、商品に関
する生産者情報は通常一般に用いられる表記であり、発
色濃度マークまたは色見本の形状をこのような商品に関
する生産者情報を示す形状とすることで、管理者以外の
人には単なる商品に関する生産者情報と認識されやすく
なり、商品に関する生産者情報を示す機能を維持させつ
つ、温度管理に関与していることを、より一層認識させ
にくくすることができる。
【0116】請求項10記載の発明は、温度に反応して
色が変化する示温部材が設けられた温度管理部材におい
て、前記示温部材は、環境温度下では不可逆性であり、
加熱急冷により初期化された後、放置雰囲気中の温度お
よび時間に応じて、初期化部分の発色濃度が変化するも
のであり、前記温度管理部材の面上に予め前記示温部材
の管理すべき温度に不変の発色濃度マークを設けたの
で、示温部材の発色濃度の変化を温度管理部材上に設け
られた発色濃度マークと比較しながらその保存環境を客
観的に正確かつ容易に把握することが可能であり、ま
た、発色濃度マークを細かく設けることにより精密な測
定が可能になる。
【0117】請求項11記載の発明によれば、温度に反
応して色が変化する示温部材が設けられた温度管理部材
において、前記示温部材は、有色インク層上に形成され
るとともに、環境温度下では不可逆性であり、加熱急冷
により初期化された後、放置雰囲気中の温度および時間
に応じて、前記有色インク層の色とは異なる色で初期化
部分の発色濃度が異なるものであり、前記示温部材が前
記有色インク層と重なってその重なり部分の減色法によ
る色が温度と時間とにより変化するようにしたので、示
温部材が有色インク層と重なってその部分の重なり部分
の減色法による色が温度と時間とにより変化し、その色
と温度管理部材上に設けられた色見本と比較しながら温
度管理を行うのでその保存環境を客観的に正確かつ容易
に把握することが可能になる。
【0118】請求項12記載の発明によれば、請求項1
1記載の温度管理部材において、温度管理部材の面上に
予め示温部材の管理すべき有色の色見本を設けたので、
客観的かつ正確な測定が可能となる。
【0119】請求項13記載の発明によれば、請求項1
0ないし12の何れか一に記載の温度管理部材におい
て、温度管理部材の面上に設けた示温部材は、その発色
形状が温度管理とは別の意味情報を示すように形成され
ているので、発色形状が温度管理とは別の意味情報を示
す示温部材の存在が管理者以外の人にはその意味情報通
りに認識され温度管理と関連付けて特別意識させること
がなく、管理者以外の人には温度管理が行われているこ
とを容易には認識させない一方、予め示温部材の存在を
暗黙の内に認識している管理者においてはその発色濃度
と発色濃度マークまたは色見本とを比較することにより
その保存環境を客観的に正確かつ容易に把握することが
可能になる。
【0120】請求項14記載の発明によれば、請求項1
3記載の温度管理部材において、示温部材が発色したと
きの発色形状がロゴマーク形状であるので、対象となる
商品等に付されるラベル等にあっては、メーカ名等を表
すロゴマークは宣伝、製造元の明示等の目的で必須的に
付けられるものであり、示温部材の発色形状をこのよう
なロゴマーク形状とすることで、管理者以外の人には単
なるロゴマークと認識されやすくなり、ロゴマークとし
ての機能を維持させつつ、温度管理に関与していること
を、より一層認識させにくくすることができる。
【0121】請求項15記載の発明によれば、請求項1
3記載の温度管理部材において、示温部材が発色したと
きの発色形状が商品の情報を示す形状であるので、対象
となる商品に付されるラベル等にあっては、商品の情報
は通常一般に用いられる表記であり、示温部材の発色形
状をこのような商品の情報を示す形状とすることで、管
理者以外の人には単なる商品の情報と認識されやすくな
り、商品の情報を示す機能を維持させつつ、温度管理に
関与していることを、より一層認識させにくくすること
ができる。
【0122】請求項16記載の発明によれば、請求項1
3記載の温度管理部材において、示温部材が発色したと
きの発色形状が商品に関する生産者情報を示す形状であ
るので、対象となる商品に付されるラベル等にあって
は、商品に関する生産者情報は通常一般に用いられる表
記であり、示温部材の発色形状をこのような商品に関す
る生産者情報を示す形状とすることで、管理者以外の人
には単なる商品に関する生産者情報と認識されやすくな
り、商品に関する生産者情報を示す機能を維持させつ
つ、温度管理に関与していることを、より一層認識させ
にくくすることができる。
【0123】請求項17記載の発明によれば、請求項1
0ないし16の何れか一に記載の温度管理部材におい
て、温度管理部材の面上に設けた発色濃度マークまたは
色見本の形状が温度管理とは別の意味情報を示すように
形成されているので、形状が温度管理とは別の意味情報
を示す発色濃度マークまたは色見本の存在が管理者以外
の人にはその意味情報通りに認識され温度管理と関連付
けて特別意識させることがなく、管理者以外の人には温
度管理が行われていることを容易には認識させない一
方、予め発色濃度マークまたは色見本の存在およびその
意味を暗黙の内に認識している管理者においては示温部
材の発色濃度または色とこれらの発色濃度マークまたは
色見本とを比較することによりその保存環境を客観的に
正確かつ容易に把握することが可能になる。
【0124】請求項18記載の発明によれば、請求項1
7記載の温度管理部材において、発色濃度マークまたは
色見本の形状が商品の情報を示す形状であるので、対象
となる商品に付されるラベル等にあっては、商品の情報
は通常一般に用いられる表記であり、発色濃度マークま
たは色見本の形状をこのような商品の情報を示す形状と
することで、管理者以外の人には単なる商品の情報と認
識されやすくなり、商品の情報を示す機能を維持させつ
つ、温度管理に関与していることを、より一層認識させ
にくくすることができる。
【0125】請求項19記載の発明は、請求項17記載
の温度管理部材において、発色濃度マークまたは色見本
の形状が商品に関する生産者情報を示す形状であるの
で、対象となる商品に付されるラベル等にあっては、商
品に関する生産者情報は通常一般に用いられる表記であ
り、発色濃度マークまたは色見本の形状をこのような商
品に関する生産者情報を示す形状とすることで、管理者
以外の人には単なる商品に関する生産者情報と認識され
やすくなり、商品に関する生産者情報を示す機能を維持
させつつ、温度管理に関与していることを、より一層認
識させにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態における温度管理部
材の平面図である。
【図2】温度管理部材の断面図である。
【図3】示温部材の発色・消色の原理を示す説明図であ
る。
【図4】示温部材の熱力学的原理図である。
【図5】示温部材の消去特性を示すグラフである。
【図6】示温部材の示温特性を示すグラフである。
【図7】本発明の第二の実施の形態における温度管理部
材の平面図である。
【図8】温度管理部材の断面図である。
【図9】示温部材の消去特性を示すグラフである。
【図10】示温部材の示温特性を示すグラフである。
【図11】示温部材と有色インク(マゼンタ)との混色
のLab値変化を示すグラフである。
【図12】示温部材と有色インク(イエロー)との混色
のLab値変化を示すグラフである。
【図13】示温部材と有色インク(レッド)との混色の
Lab値変化を示すグラフである。
【図14】本発明の第三の実施の形態における温度管理
部材の平面図である。
【図15】温度管理部材の断面図である。
【図16】第四の実施の形態における温度管理部材の平
面図である。
【図17】本発明の第五の実施の形態における温度管理
部材の一例の平面図である。
【図18】本発明の第五の実施の形態における温度管理
部材の他例の平面図である。
【図19】本発明の第六の実施の形態における温度管理
部材の第一例の平面図である。
【図20】本発明の第六の実施の形態における温度管理
部材の第二例の平面図である。
【図21】本発明の第六の実施の形態における温度管理
部材の第三例の平面図である。
【図22】本発明の第六の実施の形態における温度管理
部材の第四例の平面図である。
【図23】本発明の第七の実施の形態における温度管理
部材の一例の平面図である。
【図24】本発明の第七の実施の形態における温度管理
部材の他例の平面図である。
【符号の説明】
1 温度管理部材 2 示温部材 3 発色濃度マーク 10 有色インク層 11 色見本

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度に反応して色が変化する示温部材が
    設けられた温度管理部材を用いる温度管理方法におい
    て、 前記示温部材は、環境温度下では不可逆性であり、加熱
    急冷により初期化された後、放置雰囲気中の温度および
    時間に応じて、初期化部分の発色濃度が変化するもので
    あり、 前記温度管理部材の面上に予め前記示温部材の管理すべ
    き温度に不変の発色濃度マークを設けておき、前記示温
    部材の発色濃度と前記発色濃度マークとを比較すること
    により、温度管理を行うことを特徴とする温度管理方
    法。
  2. 【請求項2】 温度に反応して色が変化する示温部材が
    設けられた温度管理部材を用いる温度管理方法におい
    て、 前記示温部材は、有色インク層上に形成されるととも
    に、環境温度下では不可逆性であり、加熱急冷により初
    期化された後、放置雰囲気中の温度および時間に応じ
    て、前記有色インク層の色とは異なる色で初期化部分の
    発色濃度が異なり、前記示温部材が前記有色インク層と
    重なってその重なり部分の減色法による色が温度と時間
    とにより変化するものであり、 前記温度管理部材の面上に予め前記示温部材の管理すべ
    き有色の温度に不変の色見本を設けておき、前記示温部
    材が前記有色インク層と重なってその重なり部分の減色
    法による色と前記色見本とを比較することにより温度管
    理を行うことを特徴とする温度管理方法。
  3. 【請求項3】 温度管理部材の面上に設けた示温部材
    は、その発色形状が温度管理とは別の意味情報を示すこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の温度管理方法。
  4. 【請求項4】 示温部材が発色したときの発色形状がロ
    ゴマーク形状であることを特徴とする請求項3記載の温
    度管理方法。
  5. 【請求項5】 示温部材が発色したときの発色形状が商
    品の情報を示す形状であることを特徴とする請求項3記
    載の温度管理方法。
  6. 【請求項6】 示温部材が発色したときの発色形状が商
    品に関する生産者情報を示す形状であることを特徴とす
    る請求項3記載の温度管理方法。
  7. 【請求項7】 温度管理部材の面上に設けた発色濃度マ
    ークまたは色見本の形状が温度管理とは別の意味情報を
    示す形状に形成されていることを特徴とする請求項1な
    いし6の何れか一に記載の温度管理方法。
  8. 【請求項8】 発色濃度マークまたは色見本の形状が商
    品の情報を示す形状であることを特徴とする請求項7記
    載の温度管理方法。
  9. 【請求項9】 発色濃度マークまたは色見本の形状が商
    品に関する生産者情報を示す形状であることを特徴とす
    る請求項7記載の温度管理方法。
  10. 【請求項10】 温度に反応して色が変化する示温部材
    が設けられた温度管理部材において、 前記示温部材は、環境温度下では不可逆性であり、加熱
    急冷により初期化された後、放置雰囲気中の温度および
    時間に応じて、初期化部分の発色濃度が変化するもので
    あり、前記温度管理部材の面上に予め前記示温部材の管
    理すべき温度に不変の発色濃度マークを設けたことを特
    徴とする温度管理部材。
  11. 【請求項11】 温度に反応して色が変化する示温部材
    が設けられた温度管理部材において、 前記示温部材は、有色インク層上に形成されるととも
    に、環境温度下では不可逆性であり、加熱急冷により初
    期化された後、放置雰囲気中の温度および時間に応じ
    て、前記有色インク層の色とは異なる色で初期化部分の
    発色濃度が異なるものであり、前記示温部材が前記有色
    インク層と重なってその重なり部分の減色法による色が
    温度と時間とにより変化するようにしたことを特徴とす
    る温度管理部材。
  12. 【請求項12】 温度管理部材の面上に予め示温部材の
    管理すべき有色の色見本を設けたことを特徴とする請求
    項11記載の温度管理部材。
  13. 【請求項13】 温度管理部材の面上に設けた示温部材
    は、その発色形状が温度管理とは別の意味情報を示すこ
    とを特徴とする請求項10ないし12の何れか一に記載
    の温度管理部材。
  14. 【請求項14】 示温部材が発色したときの発色形状が
    ロゴマーク形状であることを特徴とする請求項13記載
    の温度管理部材。
  15. 【請求項15】 示温部材が発色したときの発色形状が
    商品の情報を示す形状であることを特徴とする請求項1
    3記載の温度管理部材。
  16. 【請求項16】 示温部材が発色したときの発色形状が
    商品に関する生産者情報を示す形状であることを特徴と
    する請求項13記載の温度管理部材。
  17. 【請求項17】 温度管理部材の面上に設けた発色濃度
    マークまたは色見本の形状が温度管理とは別の意味情報
    を示す形状に形成されていることを特徴とする請求項1
    0ないし17何れか一に記載の温度管理部材。
  18. 【請求項18】 発色濃度マークまたは色見本の形状が
    商品の情報を示す形状であることを特徴とする請求項1
    7記載の温度管理部材。
  19. 【請求項19】 発色濃度マークまたは色見本の形状が
    商品に関する生産者情報を示す形状であることを特徴と
    する請求項17記載の温度管理部材。
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