JP3604075B2 - インキの配合比率の修正方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、壁紙や建材フィルムなどの印刷物の工業生産において、見本印刷物に対する生産ロット印刷物の色の合致度を限度内にするために、CCM(コンピュータカラーマッチング)を用いて生産ロットインキ組成物の基準配合を簡便、且つ高精度に修正することができるインキ配合の修正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
壁紙や建材フィルムなどの印刷物を工業生産する場合、見本印刷物の標準インキ組成に基づいて、スケールアップされた生産ロットインキ組成物が現場の生産ラインに供給される。しかし、生産ロットインキ組成物は標準組成物と同一のインキ配合であるものの、生産毎に使用される各インキのロットの差に起因して生産される印刷物に微妙な色の差が生じることがある。
【0003】
従来より、見本印刷物に対する生産ロット印刷物の色の合致度を限度内にするために、生産ロットインキ組成物の基準配合を修正することが行われている。この場合、色を評価するサンプルは小型試験印刷機で行い、見本印刷物と生産ロット印刷物の色の比較で行っていた。この比較は、人間の目で行う視感調色方法と各印刷物の分光反射率から計算される表色値などの差で比較しインキ配合を修正するCCMを利用した方法がある。視感調色方法で生産ロットインキ組成物の基準配合を修正する場合、最終印刷物と近似した条件で色を評価する必要があるため、生産条件に近い小型試験印刷機を使用して行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この小型試験印刷機は、ドクター角の調整や、版の置き方、インキの量などの条件の設定が煩雑で難しい。また、同じ配合インキを繰り返し印刷しても、被印刷物に対するインキの転移量に誤差が生じて濃度の誤差が無視できない程存在し、正確な印刷再現性を得ることが難しい。また、CCM法を利用した方法においても、同様に小型試験印刷機が使用されるため、上記のような元来小型試験印刷機が保有する誤差を生じ、正確な補正配合が得られないという問題がある。
【0005】
これを解決するものとして、小型試験印刷機を使用せず、インキ組成物を直接測定する方法があるが、これは水などの希釈剤で希釈したインキ組成物の透過率を測定するもので、インキの粒子による光散乱の影響があり充分な精度が得られないという問題がある。
【0006】
従って、本発明の目的は、壁紙や建材フィルムなどの印刷物の工業生産において、見本印刷物に対する生産ロット印刷物の色の合致度を限度内にするために、小型試験印刷機を使用することなく、CCMを用いて生産ロットインキ組成物の基準配合を簡便、且つ高精度に修正することができるインキ組成物の配合比率の修正方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者らは鋭意検討を行った結果、白色紙に印刷された印刷物の反射光の測定による比較ではなく、透明セルに入れられたインキ成分と白顔料物の混合物の反射光の測定による比較で行えば、生産ロットインキ組成物の基準配合を簡便、且つ高精度に修正することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、白顔料を除く複数のインキと希釈液部からなる生産ロットインキ組成物の前記複数のインキのインキ配合比率を既に調色されてインキ配合比率が既知である標準インキ組成物との比較において、白顔料物を希釈剤としたCCMデータベースを用いたCCMにより修正する方法であって、前記生産ロットインキ組成物のインキと白顔料物の混合物Aと、前記標準インキ組成物のインキと白顔料物の混合物Bとを調製し、前記混合物Aの反射光から算出される表色値Aと前記混合物Bの反射光から算出される表色値Bを求め、表色値Aと表色値Bの差と、予め各インキと白顔料物の混合物の分光反射率から計算されたCCMデータベース内の基礎データとを比較し、該CCMから算出された白顔料物を含む修正配合から白顔料物を希釈液部に置き換えることにより、前記生産ロットインキ組成物の複数インキのインキ配合比率を修正することを特徴とするインキの配合比率の修正方法(以下、「第1の方法」とも言う)を提供するものである。
【0009】
また、本発明は、白顔料を除く複数のインキと希釈液部からなる生産ロットインキ組成物の前記複数のインキのインキ配合比率を既に調色されてインキ配合比率が既知である標準インキ組成物との比較においてCCMにより修正する方法であって、前記生産ロットインキ組成物と白顔料物の混合物Cと、前記標準インキ組成物と白顔料物の混合物Dとを調製し、前記混合物Cの反射光から算出される表色値Cと前記混合物Dの反射光から算出される表色値Dを求め、表色値Cと表色値Dの差と、予め各インキ、希釈液部及び白顔料物の混合物の分光反射率から計算されたCCMデータベース内の基礎データとを比較することにより、前記生産ロットインキ組成物の複数インキのインキ配合比率を修正することを特徴とするインキの配合比率の修正方法(以下、「第2の方法」とも言う)を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明において、標準インキ組成物は、例えば顧客との間で決定された見本印刷物を印刷したインキ組成物であり、通常、黄インキ、赤インキ及び青インキ等の各種のインキと希釈液部からなり、該希釈液部は樹脂(バインダ)と希釈剤から構成されている。樹脂としては、例えば、硝化綿、ポリアミド、塩化ビニル等が挙げられ、希釈剤としては、例えば、水及び酢酸エチル、MEK、ブチルセルロース等が挙げられる。
【0011】
本発明において、生産ロットインキ組成物は、前記標準インキ組成物と同一組成物であり、多量の印刷に応じるため、生産ラインに供給するインキ組成物である。通常、生産ロットインキ組成物に配合される各種インキは、標準インキ組成物を作成した時のインキとロットが異なるため、生産ロットインキ組成物で印刷された印刷物と見本印刷物は微妙に色が異なる。
【0012】
本発明において使用されるCCMは、公知のものが使用でき、例えば分光測色計とパソコンを結合させたものが使用される。分光測色計はJIS Z 8722( 物体色の測定方法) に従って測定可能なものであり、少なくとも連続スペクトルを有する光源を有し、この光源を測定体に照射して400 〜700nm の可視光領域の分光反射率を測定できるものである。また、混合物Aと混合物Bとの表色値差及び混合物Cと混合物Dとの表色値差を得るには分光測色計の代わりに、色彩計や色差計を利用したものであってもよい。
【0013】
本発明において使用される混合物Aは、生産ロットインキ組成物のインキと白顔料物とが均一に混合されたものである。すなわち、生産ロットインキ組成物中、黄色、赤色及び青色などのインキ成分以外の希釈液部を白顔料物に置き換えたものである。また、本発明において使用される混合物Cは、生産ロットインキ組成物と規定量の白顔料物とが均一に混合されたものである。白顔料物は、混合物A又は混合物Cの反射光の分光反射率が20〜60%となるような配合割合とすることが、補正精度がよくなる点で好ましい。
【0014】
白顔料物としては、白顔料単独又は白顔料を含有する白インキが使用される。白インキは、通常、白顔料、樹脂(バインダー)及び希釈剤が配合されている。白顔料としては、二酸化チタン、硫酸バリウム、三酸化アンチモンなどが挙げられる。これら白顔料の適宜の配合使用により、インキ混合物への光照射光が測光径から逃げず、適度な隠蔽性を持ち反射光を測定できる。また、樹脂としては、例えば、硝化綿、ポリアミド、塩化ビニル等が挙げられ、希釈剤としては、例えば、水及び酢酸エチル、MEK、ブチルセルロース等が挙げられる。
【0015】
本発明において使用される混合物Bは、標準インキ組成物のインキと白顔料物とが均一に混合されたものである。すなわち、生産ロットインキ組成物と同様、標準インキ組成物中、黄色、赤色及び青色などのインキ成分以外の希釈液部を白顔料物に置き換えたものである。また、本発明において使用される混合物Dは、標準インキ組成物と規定量の白顔料物とが均一に混合されたものである。白顔料物は、前記と同様、混合物B又は混合物Dの反射光の分光反射率が20〜60となるような配合割合とすることが、補正精度がよくなる点で好ましい。
【0016】
次に、第1の方法では混合物Aの反射光から算出される表色値Aと、混合物Bの反射光から算出される表色値Bを求め、表色値Aと表色値Bの差を求める。また、第2の方法では、混合物Cの反射光から算出される表色値Cと、混合物Dの反射光から算出される表色値Dを求め、表色値Cと表色値Dの差を求める。この表色値A及び表色値Bの求め方、あるいは表色値C及び表色値Dの求め方は同じであるため、混合物Aの反射光から算出される表色値Aの求め方についてのみ説明する。先ず、混合物Aを透明セルに入れる。次いで、透明セルの混合物Aを分光光度計を用いて測定し、その反射光から表色値Aを算出する。反射光から表色値Aを算出する方法としては、例えば混合物Aの反射率を分光光度計によって、可視光領域に亘り計測し、JIS Z8701色の表示方法(XYZ表色系及びX101010表色系)により三刺激値X、Y、Zを求める方法、あるいは、混合物Aの反射光を色彩計や色差計で計測し、三刺激値X、Y、Zを求める方法等が挙げられる。
【0017】
本発明の第1の方法において、上記混合物Aと混合物Bの各反射光の測定とは別に、予め各インクと白顔料物の混合物(サンプル)の分光反射率から計算されたCCM計算用の係数を基礎データとして作成し、コンピュータに入力しておく。インクと白顔料物の混合物としては、例えば、生産ロットインキ組成物で使用される黄インキ、赤インキ及び青インキなどの各インキと白顔料物の混合物であり、インキの配合量は混合物中、0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜20重量%とすることが、印刷物が壁紙を想定した明度の高い色から建材フィルムを想定した明度の低い色までをカバーする点で好ましく、また、サンプル数としては、上記範囲間で等間隔配合の3〜10個とすることが、精度と作業効率の双方の点で好ましい。次で、混合物(サンプル)を透明セルに入れる。次いで、透明セルの混合物を分光光度計によって、可視光領域に亘り計測し、後述するクベルカ・ムンクの式により、吸収係数と散乱係数の比をもって光学濃度とするK/S値に変換する。各インキの単位重量当たりの三刺激値X、Y、Zの変化量は後述する式(4)中、∂X/∂C、∂X/∂C、∂X/∂C、∂Y/∂C、∂Y/∂C、∂Y/∂C、∂Z/∂C、∂Z/∂C、∂Z/∂Cに相当するものであり、具体的には、例えば上記偏微分係数のCは黄インキであり、Cは赤インキであり、Cは青インキである。また、第2の方法の場合も同様に、予め各インキ、希釈液部及び白顔料物の混合物(サンプル)の分光反射率から計算されたCCM計算用の係数を基礎データとして作成し、コンピュータに入力しておく。この場合、インキ、希釈液部と白顔料物の混合物としては、例えば生産ロットインキ組成物で使用される黄インキ、赤インキ、青インキなどの各インキと希釈液部と白顔料物の混合物であり、インキと希釈液部の合計量100重量部に対し、白顔料物を規定量、例えば100重量部を混合したものを、インキ配合量が等間隔配合で異なる3〜10個のサンプルを用意し、且つ白顔料物100重量部を200、300、400又は500重量部としたサンプルを同様の数だけ用意しておけばよい。この場合、CCMの修正計算は白顔料物の量(規定量)が同量の基礎データが選択される。この第2の方法の場合、各インキと希釈液部を含む系で測定するため、希釈液部の量を直接計算できる利点がある反面、上記のように、基礎データを多数用意する必要がある点で不利である。
【0018】
次いで、表色値Aと表色値Bの差と、あるいは表色値Cと表色値Dの差前記混合物(サンプル)の分光反射率から計算された基礎データとに基づき三刺激値の差を小さくするような収斂計算により、前記生産ロットインキ組成物のインキ配合比率及び希釈液量をCCMを用いて修正する。具体的には、白顔料を希釈液部として扱い、CCMから算出された白顔料を含む配合から白顔料を希釈液部に置き換えることにより、あるいは第2の方法では置き換えることなく直接的に行う。このように、印刷物の反射光ではなく、インキと白顔料物との混合物の反射光の直接測定による比較が可能となるのは次の理由による。すなわち、インキに白顔料物を混合した場合、混合物の発色原理は白顔料の散乱による白色成分と、インキの光吸収の合成である。この場合、後述するCCMの混色理論を使用すれば、規定量の白顔料の散乱効果を差し引くことができる。標準インキ組成物と生産ロットインキ組成物はそれぞれが構成する染料または顔料は同一組成であり、従って、標準インキ組成物の見本印刷物と生産ロットインキ組成物の印刷物の色の差と、標準インキ組成物のインキと白顔料物との混合物と生産ロットインキ組成物のインキと白顔料物との混合物の色の差は、同一傾向となるからである。
【0019】
本発明の第1の方法において、CCMからは、CCMで算出されたインキの修正量及び白顔料物の修正量が出力される。白顔料物の修正量は、次式(1);
換算した希釈液部の量=a×b/混合した白顔料物の量 (1)
(式中、aは生産ロットインキ組成物中の希釈液部の量を示し、bはCCMで算出された白顔料物の修正量を示す。)で示される換算式で希釈液部の量に換算されるから、白顔料物部分を希釈液部に置き換えると共に、上記(1)式から得られる換算量で修正すればよい。また、生産ロットインキ組成物は混合物であるため特定インキの特定量を除去することはできず、常にインキ配合比率は加算修正である。従って、例えば、赤インキを減らしたい場合は赤インキはそのままとし、赤インキ以外の成分が追加される。
【0020】
次に、CCMの混色理論を下記に示す。このCCMの混色理論は、例えば「新編色彩科学ハンドブック」東京大学出版会、第15章「混色と色合わせ」第567 頁〜第570 頁の記載が参考となる。例えば、測定物の反射率を分光光度計により計測してクベルカ・ムンクの式(2)から、吸収係数と散乱係数の比をもって光学濃度とするK/S値に変換する。
K/S=(1−R)/2R (2)
(式中、Rは測定物の分光反射率、Kは波長ごとの測定物の吸収係数、Sは波長ごとの散乱係数をそれぞれ示す。)
【0021】
基礎データを作成する場合、それぞれのインキを規定量計量し、そのインキ混合物の分光反射率を測定し、式(2)から各インキの単位重量当たりのK/S値を表すFn値を事前に登録しておく(式(2’))。複数のインキを混合する場合、その混合インキでの測定物の波長毎の(K/S)mix 値は式(3)で算出される。式(3)は任意のインキ配合を与えれば(K/S)mix 値が求まり、式(2)によって分光反射率が求められる。さらに分光反射率から三刺激値X、Y、Zが求められ(例えば、JIS Z8701 「反射による物体色の三刺激値」参照)、各インキ単位重量当たりのX、Y、Zの変動量である式(4)で使用される偏微分係数が求められる。
Fn=((K/S)−(K/S))/C (2’)
(式中、nはインキ名、(K/S)は測定物の分光反射率を上記(2)式に代入して得られるK/S値、(K/S)は測定物が印刷物の場合、被印刷物(紙)のK/S値をそれぞれ示す。)
(K/S)mix =F+・・・+F+(K/S) (3)
【0022】
すなわち、任意のインキ配合C (例えば、Cは黄インキ、Cは赤インキ、Cは青インキ)に対し、標準インキ組成物に近づけるためのインキ修正量は式(4)から求められる。ここで、混合物Bと混合物A又は混合物Dと混合物Cの三刺激値の差をΔX、ΔY、ΔZ、インキ1単位当たりの三刺激値の変動量を∂X/∂C 、∂Y/∂C 、∂Z/∂C 、インキの修正量をΔCとすると、次式(4)のマトリックスからインキの修正量ΔCが求められる。
【0023】
Figure 0003604075
【0024】
本発明は、標準インキ組成物及び生産ロットインキ組成物散乱力の大きい白色顔料物と混合し、その各々の反射光を測定し、CCMの混色理論によって算出された表色値の差から修正値を得、この修正値に基づいて、生産ロットインキ組成物のインキの配合比率及び希釈液量の変更を行うものである。従来、小型印刷機で印刷した印刷物の分光反射率を測定する際、小型印刷機のインキ転移量を厳密に再現することは困難であり、このインキ転移量は主に色の明度に影響を及ぼすため、求められたインキ修正量も明度を合致させることが難しかったが、本発明では、小型印刷機を使用することなく、CCMを用いて生産ロットインキ組成物の基準配合を簡便、且つ高精度に修正することができる。
【0025】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
実施例1
下記のインキ、小型印刷機、CCM装置を準備した。
(インキ)
・黄インキ:49黄(「ハイドリックWP49黄」大日精化工業(株)製)
・赤インキ:16赤(「ハイドリックWP16赤」大日精化工業(株)製)
・青インキ:63青(「ハイドリックWP63青」大日精化工業(株)製)
・白インキ:白インキ04白(「ハイドリックWP04白」大日精化工業(株)製)
・希釈液部:VS−EXT(「ハイドリックVSエクステンダー」大日精化工業(株)製)80重量%と水20重量%の混合液
(小型印刷機)
・Kプリンティングプルーファー印刷機(松尾産業(株)製)
(CCM装置)
・カラコム・CCMシステム2002分光光度計型(大日精化工業(株)製)
【0026】
(CCM基礎データの作成)
次に、配合に使用される黄インキ、赤インキ、青インキそれぞれの分光反射率をコンピュターのメモリ上に記憶させるため、表1に示す配合組成のCCM基礎データ作成用サンプルを合計18個調製した。表1中、配合数値は重量%を示す。このサンプルは透明セルに入れ、各々の分光反射率を測定し、各インクのK/S関数、つまり単位重量当たりのK/S値として事前登録した。黄インキサンプルの分光曲線を図1に、赤インキサンプルの分光曲線を図2に、青インキサンプルの分光曲線を図3にそれぞれ示す。図中、縦軸は分光反射率(%)である。
【0027】
【表1】
Figure 0003604075
【0028】
(混合物(測定インキ)の調製)
次に、標準インキのインキ成分と白インキの混合物(ここでは「正解配合」とする)及び意図的に正解配合と異なるインキ配合の混合物(ここでは「基準配合」とする)を表2〜表4に示す混合量(g)で調製した。試料1〜4は、壁紙を想定した明度が高いサンプルであり、試料5〜7は建材用途を想定した明度が低いサンプルである。なお、白インキの配合量は420〜680nmの波長範囲で分光反射率が20%〜60%の範囲に入るように試料1〜4では150gとし、試料5〜7では630gとした。正解配合の混合物と基準配合の混合物はそれぞれ各試料毎に別々の透明セルに入れ、その反射光の分光反射率を測定した。試料1〜7の正解配合混合物の反射光の分光曲線を図4に、試料1〜7の正解配合及び基準配合混合物の表色値と色差を表5にそれぞれ示した。表色値の測定方法はJIS Z 8722物体色の測定方法に準拠した。数値はD65イルミナント、10度視野Lである。なお、試料1〜7の基準配合混合物の反射光の分光曲線は、図では省略するが分光曲線で見る限り図4とほとんど同じである。
【0029】
【表2】
Figure 0003604075
【0030】
【表3】
Figure 0003604075
【0031】
【表4】
Figure 0003604075
【0032】
【表5】
Figure 0003604075
【0033】
次に、得られた正解配合の混合物と基準配合の混合物の反射光の分光反射率から三刺激値の差ΔX、ΔY、ΔZを求め、式(4)から各インキの修正量を求め、各試料の基準配合のインキ配合比率及び希釈液量を修正した。結果を表11〜表14に示す。
【0034】
比較例1
標準インキ組成物(ここでは「正解組成」とする)で白色紙に印刷された印刷物及び意図的に正解組成と異なるインキ配合のインキ組成物(ここでは「基準組成」とする)で白色紙に印刷された印刷物の反射光を測定し、CCM理論を利用して基準組成のインキ配合比率を修正した。また、予め印刷用CCM基礎データの作成をした。
【0035】
(印刷用CCM基礎データの作成)
先ず、表6に示す配合組成のCCM基礎データ作成用インキ組成物を合計18個調製した。表6中、配合数値は重量%を示す。このインキ組成物は小型印刷機により白色紙に印刷され、この印刷物各々の分光反射率を測定し、各印刷物のK/S関数、つまり単位重量当たりのK/S値を事前登録した。黄インキサンプルの分光曲線を図5に、赤インキサンプルの分光曲線を図6に、青インキサンプルの分光曲線を図7にそれぞれ示す。図中、縦軸は分光反射率(%)である。
【0036】
【表6】
Figure 0003604075
【0037】
(印刷用インク組成物の調製及び印刷物の作成)
表7〜表9に示す正解組成及び基準組成の各配合インキ組成物を小型試験印刷機用いて、白色紙に印刷物を印刷した。表中、試料8〜試料11は壁紙を想定した明度が高いサンプルであり、試料12〜14は建材用途を想定した明度が低いサンプルである。試験は印刷物の反射光を測定した。試料8〜14の正解組成の印刷物の反射光の分光曲線を図8に示した。また、各試料の正解組成及び基準組成による印刷物の表色値と色差を表10にそれぞれ示した。表色値の測定方法はJIS Z 8722物体色の測定方法に準拠した。数値はD65イルミナント、10度視野Lである。なお、試料8〜14の基準組成の印刷物の反射光の分光曲線は図では省略するが分光曲線で見る限り、図8と同様である。
【0038】
次いで、正解組成の印刷物と基準組成の印刷物の反射光の分光反射率から三刺激値の差ΔX、ΔY、ΔZを求め、式(4)から各インキの修正量を求め、各基準配合のインキ配合比率及び希釈液を修正した。結果を表11〜表14に示す。
【0039】
【表7】
Figure 0003604075
【0040】
【表8】
Figure 0003604075
【0041】
【表9】
Figure 0003604075
【0042】
【表10】
Figure 0003604075
【0043】
【表11】
Figure 0003604075
【0044】
【表12】
Figure 0003604075
【0045】
【表13】
Figure 0003604075
【0046】
【表14】
Figure 0003604075
【0047】
表11〜表14中、「追加正解配合」欄の数値は各試料における「正解配合(組成)」から「基準配合(組成)」を差し引いた値である。また、「白インキ」欄の括弧内の数値はCCMで算出された白インキの修正量(g)であり、「VS−EXT」欄の括弧内の数値は前記(1)式に上記白インキの修正量(g)を代入して得られた希釈液部(VS−EXT)の修正量(g)である。
【0048】
(修正配合されたインキ組成物の印刷物の表色値の比較)
上記実施例1及び比較例1で修正配合されたインキ組成物を用い白色紙に印刷物を印刷し、両者の印刷物の表色値を比較した。なお、印刷は小型印刷機を使用し、印刷条件でのインキ転移量が同一になるように正解配合組成物と修正配合組成物を版の上に置き、1回の印刷で両組成物を同時印刷してその表色値を測定した。結果を表15に示す。測定方法はJIS Z 8722物体色の測定方法に準拠した。数値はD65イルミナント、10度視野Lである。表15中、「標準」は標準インキ組成物による印刷物の表色値である。
【0049】
【表15】
Figure 0003604075
【0050】
表15から明らかなように、壁紙を想定した明度の高い試料1〜4(実施例)及び試料8〜11(比較例)では実施例の方が精度よい結果が得られた。また、建材用途を想定した明度の低い試料5〜7(実施例)及び試料12〜14(比較例)においても実施例の方が精度よい結果が得られた。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、壁紙や建材フィルムなどの印刷物の工業生産において、見本印刷物に対する生産ロット印刷物の色の合致度を限度内にするために、小型試験印刷機を使用することなく、CCMを用いて生産ロットインキ組成物の基準配合を簡便、且つ高精度に修正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】CCM基礎データ用白インキ配合49黄インキの反射光の分光曲線を示す。
【図2】CCM基礎データ用白インキ配合16赤インキの反射光の分光曲線を示す。
【図3】CCM基礎データ用白インキ配合63青インキの反射光の分光曲線を示す。
【図4】試料1〜7の正解配合物の反射光の分光曲線を示す。
【図5】CCM基礎データ用49黄インキ組成物の印刷物の反射光の分光曲線を示す。
【図6】CCM基礎データ用16赤インキ組成物の印刷物の反射光の分光曲線を示す。
【図7】CCM基礎データ用63青インキ組成物の印刷物の反射光の分光曲線を示す。
【図8】試料1〜7の正解配合物の印刷物の反射光の分光曲線を示す。

Claims (4)

  1. 白顔料を除く複数のインキと希釈液部からなる生産ロットインキ組成物の前記複数のインキのインキ配合比率を既に調色されてインキ配合比率が既知である標準インキ組成物との比較において、白顔料物を希釈剤としたCCMデータベースを用いたCCMにより修正する方法であって、前記生産ロットインキ組成物のインキと白顔料物の混合物Aと、前記標準インキ組成物のインキと白顔料物の混合物Bとを調製し、前記混合物Aの反射光から算出される表色値Aと前記混合物Bの反射光から算出される表色値Bを求め、表色値Aと表色値Bの差と、予め各インキと白顔料物の混合物の分光反射率から計算されたCCMデータベース内の基礎データとを比較し、該CCMから算出された白顔料物を含む修正配合から白顔料物を希釈液部に置き換えることにより、前記生産ロットインキ組成物の複数インキのインキ配合比率を修正することを特徴とするインキの配合比率の修正方法。
  2. 白顔料を除く複数のインキと希釈液部からなる生産ロットインキ組成物の前記複数のインキのインキ配合比率を既に調色されてインキ配合比率が既知である標準インキ組成物との比較においてCCMにより修正する方法であって、前記生産ロットインキ組成物と白顔料物の混合物Cと、前記標準インキ組成物と白顔料物の混合物Dとを調製し、前記混合物Cの反射光から算出される表色値Cと前記混合物Dの反射光から算出される表色値Dを求め、表色値Cと表色値Dの差と、予め各インキ、希釈液部及び白顔料物の混合物の分光反射率から計算されたCCMデータベース内の基礎データとを比較することにより、前記生産ロットインキ組成物の複数インキのインキ配合比率を修正することを特徴とするインキの配合比率の修正方法。
  3. 前記白顔料物は、白顔料単独又は白顔料を含有する白インキであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のインキの配合比率の修正方法。
  4. 前記表色値A及び前記表色値B、又は前記表色値C及び前記表色値Dは、その反射光の分光反射率から計算される表色値又は色彩計や色差計から測定される表色値であることを特徴とする請求項1又は2記載のインキの配合比率の修正方法。
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