JP3603569B2 - エンジン制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両において、発進に際してエンジンの出力トルク及び回転数を選択変速段及びアクセル開度に応じて制御する、エンジン制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車等の車両にそなえらえたエンジンの出力制御を行なう際に、ドライバからの入力情報(アクセル操作情報)を電気的制御信号に変換し、この電気的制御信号を介して行なうようにした、いわゆるドライブバイワイヤ(DBW)方式が開発され実用化されている。このようなDBWによる制御によれば、ドライバのアクセル操作情報のみならず他の様々な入力情報を基に、ドライバの要求に答えながらエンジンの運転状態等にも適した、最適なエンジン制御を行なうことが可能である。
【0003】
例えば、図11は、DBWによるエンジン制御システムを模式的に示すもので、図11に示すように、エンジン101の出力を制御するために電子制御ユニット(ECU)102がそなえられている。そして、ドライバのアクセルペダル(図示略)の踏込状態(踏込開度)が、アクセルポジションセンサ(APS)103で検出され、APS103から電気的制御信号(アクセル開度信号)としてECU102に入力されるようになっている。
【0004】
ECU102は、例えばこのアクセル開度及びエンジンの回転数に対して出力トルクの値を定めた制御マップを有しており、この制御マップを参照して、APS103から入力されたアクセル開度信号と現在のエンジン回転数とから目標出力トルクを設定し、さらに、他のエンジン情報により補正を施して目標出力トルクを決定する。つまり、ドライバのアクセルペダルの踏込量(開度)にそのまま対応したトルクを出力するのではなく、エンジンの種々の運転状態情報に応じた補正を施して現在の運転状況に最適なトルクを出力しようとするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図11に示すように、エンジン101から出力されたトルクは、エンジン101に連結してそなえられた変速機105を介して差動機構106から駆動輪107に伝達されるが、このトルクを伝達する際、各駆動系105,106,107には捩じり,曲げ等の様々な応力が作用する。各駆動系105,106,107は、このような応力が最も大きく作用した場合でも何らの塑性変形や損傷を受けないように強度設定されるのはもちろんである。
【0006】
例えば、差動機構106の強度設定の場合、一般に、停車時においてエンジン101を高回転状態にし、高回転状態を保持したままエンジン101と変速機105との間に介装された図示しないクラッチを急結合した時に差動機構106に加えられるトルクの大きさが基準にされている。
そして、このトルクには、クラッチの結合完了時に差動機構106に加わる衝撃トルクと、クラッチの結合完了後しばらくして後段の駆動系の揺り戻しにより差動機構106に加わる揺り戻しトルクとがあり、前者はクラッチの結合直前のエンジンの回転数が大きいほど大きく、後者はクラッチの結合時及び結合後しばらくの間のエンジン出力トルクが大きいほど大きい傾向にあり、差動機構106の限界強度はこれらの衝撃トルク,揺り戻しトルクの最大値に耐えうるように設定されている。
【0007】
また、自動変速機をそなえた自動車の場合も同様であり、差動機構の限界強度の設定は、中立段や駐車段を選択した状態でアクセルペダルの開度を上げてエンジン回転数を上昇させ、この状態で走行段や後退段へ変速したときに差動機構に加えられるトルクの大きさを基準としていた。自動変速機の場合は、クラッチの代わりにトルクコンバータによりエンジンと自動変速機とが結合されるため、トルクコンバータによる結合はクラッチの急結合に比べて緩やかであり、差動機構にもクラッチの急結合時に比べて緩やかにトルクが加わる。このため、結合後しばらくして加わる揺り戻しトルクは小さくなり、ここでは変速完了時に加わる衝撃トルクのみが問題になる。したがって、自動変速機をそなえた車両の場合は、差動機構の強度はこの衝撃トルクの最大値に耐えうるように設定されている。
【0008】
しかしながら、このようにエンジンを高回転にした状態で、クラッチを結合したり、自動変速機の変速を行なったりするような事態は稀であり、通常の走行状態から見れば上述のような基準で設定された差動機構の限界強度は十分すぎ、逆に過剰品質による高コストや重量増が課題になっている。
また、上述の衝撃トルクや揺り戻しトルクは差動機構だけでなく駆動軸等の他の駆動系についても作用するものであるため、これらの駆動系でも上述の衝撃トルクや揺り戻しトルクの影響を考慮する必要があり、差動機構と同様に過剰品質による高コストや重量増といった課題を有している。
【0009】
もちろん、エンジンの出力トルク及び回転数を抑えれば、急発進時においても駆動系に作用する衝撃トルクや揺り戻しトルクを低減することができるが、エンジンの最大出力トルクを大きくするのは、加速時や発進時にドライバの出力要求に答えるのにそれだけ大きな駆動トルクを確保する必要があるためであり、エンジンの最大出力トルクを抑えてしまったのではこのような本来の要求を満たすことができない。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、発進前後の運転車の急発進要求の有無を判断してエンジンの出力トルク及び回転数を可変制御することにより、駆動系に加わる負担が過剰にならないようにした、エンジン制御装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の本発明のエンジン制御装置では、エンジンの出力トルク及び回転数は運転者の指令に基づいて制御され、このエンジンの出力回転は、クラッチを介してエンジンから変速機に伝達され、選択変速段に応じて回転速度を増減されて差動機構,駆動軸を介して前後または左右の駆動輪へ出力されるが、停車判定手段で車両が停車状態にあると判定され且つ変速段検出手段で選択変速段が低速段であることが検出されたときは、エンジン回転数制限手段がエンジンの回転数を所定値以下に制限し、高回転でのクラッチの接続を防止し過大な衝撃トルクが変速機,差動機構,駆動軸,駆動輪へ加わることを防止する。
【0012】
エンジン回転数制限手段はこのエンジンの回転数制限をクラッチ接続検出手段がクラッチの接続を検出したときに解除するが、急加速要求判断手段が急加速要求有りと判断したときには、出力トルク制限手段がエンジンの出力トルクを所定時間保持し、過大な揺り戻しトルクが変速機,差動機構,駆動軸,駆動輪へ加わることを防止する。
【0013】
請求項2記載の本発明のエンジン制御装置では、エンジンの出力トルク及び回転数は運転者の指令に基づいてエンジン回転数制御手段により制御され、このエンジンの出力回転は、クラッチを介してエンジンに連結された変速機に伝達され、選択変速段に応じて回転速度を増減されて差動機構,駆動軸を介して前後または左右の駆動輪へ出力されるが、通常の走行時にはエンジン回転数制御手段は第1の記憶手段に基づきエンジンの出力トルクと回転数との制御を行なう。
【0014】
一方、停車判定手段で車両が停車状態にあると判定され且つ変速段検出手段で選択変速段が低速段であることが検出されたときは、エンジン回転数制御手段は同一のアクセルペダルの開度で比較した場合は第1の記憶手段に記憶された特性に比べて劣る特性が記憶された第2の記憶手段に基づきエンジンの出力トルクと回転数との制御を行ない、高回転でのクラッチの接続を防止し過大な衝撃トルクが変速機,差動機構,駆動軸,駆動輪へ加わることを防止する。
【0015】
エンジン回転数制御手段はクラッチ接続検出手段がクラッチの接続を検出したときに再び第1の記憶手段に基づき該エンジンの出力トルクと回転数との制御を行なうが、急加速要求判断手段が急加速要求有りと判断したときには、出力トルク制限手段がエンジンの出力トルクを所定時間保持し、過大な揺り戻しトルクが変速機,差動機構,駆動軸,駆動輪へ加わることを防止する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
まず、図1〜図4を参照して本発明の第1実施形態としてのエンジン制御装置について説明する。
はじめに、本実施形態のエンジン制御装置が適用される車両の構成について簡単に説明すると、本実施形態にかかる車両(自動車)は、ディーゼルエンジンと手動変速機とをそなえた4輪駆動車であり、図2に示すように、エンジン(ディーゼルエンジン)1の回転数をエンジン1に連結してそなえられた変速機(手動変速機)2により所要の回転数まで減速して、センターデフ(差動機構)3に伝達するようになっている。このときの減速比の選択は変速レバー16を操作して変速機2の内部の図示しない変速機構を作動させることにより行なわれ、ここでは前進は1速〜5速の5つの変速段が設けられ、後退は1段のみの変速段が設けられている。
【0018】
また、当然のことながら、センターデフ3に入力されるエンジン1からのエンジン出力トルクは、変速機2において回転数の減速度合いに反比例して増幅されている。そして、センターデフ3に入力されたトルクは、前後のプロペラシャフト(駆動軸)6,7へ分配して出力され、さらに、前輪側はプロペラシャフト6からフロントデフ(差動機構)4により左右に分配されてフロントアクスル(駆動軸)8,9を介して前輪(駆動輪)12,13に出力され、後輪側はプロペラシャフト7からリアデフ(差動機構)5により左右に分配されてリアアクスル(駆動軸)10,11を介して後輪(駆動輪)14,15に出力されるようになっている。
【0019】
このようにして、エンジン1が出力したエンジン出力トルクは変速機2により変速され、各機構を介して前後左右の各車輪12,13,14,15に出力されるが、これらの各車輪12,13,14,15に出力されるエンジンの出力トルクの大きさは、電子制御ユニット(ECU)30により制御されるようになっている。
【0020】
つまり、このECU30には、従来のDBWの制御によるエンジン制御装置と同様に、アクセルポジションセンサ(APS)19からのアクセル開度信号,エンジン回転数センサ20からのエンジン1の回転数信号,スリーブポジションセンサ(SPS)23からのコントロールスリーブの位置信号及びその他各種の運転状態情報(例えば吸気温及び大気圧等)が入力されるようになっており、さらに、変速機2の変速段検出スイッチ17からの検出信号(変速段信号),車輪13の回転速度の検出信号(車輪速信号),クラッチスイッチ26からのクラッチ位置信号が入力されるようになっている。ECU30はこれらの信号をもとにエンジン1のトルク制御を行なうようになっている。
【0021】
ここで、本エンジン制御装置の構成について詳細に説明すると、図1に示すように、本装置は、ECU30内の機能要素としての停車判定手段31,クラッチ接続検出手段32,急加速要求判断手段33,エンジン回転数制限手段34,出力トルク制限手段35,目標スリーブ位置設定手段36と、エンジンの出力制御状態を検出するスリーブポジションコントローラ37とをそなえている。
【0022】
そして、運転者が出力要求指令として操作したアクセルペダル18の踏込量(アクセル開度)はアクセルポジションセンサ(APS)19で検出されアクセル開度として、急加速要求判断手段33及び目標スリーブ位置設定手段36に入力され、エンジン1の回転速度状態はエンジン回転数センサ20で検出されエンジン回転数信号として目標スリーブ位置設定手段36に入力されるようになっている。
【0023】
また、変速機2で選択された変速段は変速段検出スイッチ(変速段検出手段)17により検出され変速段信号としてエンジン回転数制限手段34に入力されるようになっている。この変速段検出スイッチ17は、例えば、変速機2の図示しないシフトレール毎にそなえられ、変速レバー16のシフト操作によるシフトレールの前後軸方向移動より変速段を検出するようになっている。
【0024】
さらに、車輪13の回転速度は車輪13の近傍に設けられた車輪速センサ27により検出され停車判定手段31に入力されるようになっており、クラッチスイッチ26によりクラッチ25におけるクラッチディスク(図示略)に対するプレッシャープレート(図示略)の相対位置が検出されクラッチ接続検出手段32に入力されるようになっている。
【0025】
まず、停車判定手段31は、車輪速センサ27で検出された車輪13の車輪速が一定速度VH0以下の場合には車両は停止していると判断し、車輪速が一定速度VH0を越えるまではエンジン回転数制限手段34に停車信号を入力するようになっている。
クラッチ接続検出手段32は、クラッチスイッチ26からのクラッチ位置信号よりクラッチ25が接続されたか否かを判定し、クラッチ25が接続されたと判定したときにエンジン回転数制限手段34と出力トルク制限手段35とにクラッチ接続信号を入力するようになっている。
【0026】
急加速要求判断手段33は、APS19から入力されたアクセル開度信号をもとに運転者の加速要求を判断し、アクセル開度が一定値Aを越えたときには、運転者は急加速を要求していると判断して出力トルク制限手段35に急加速要求信号を入力するようになっている。
エンジン回転数制限手段34は、変速段信号,停車信号,クラッチ接続信号をもとに車両の停車から発車に至るまでの状況を監視し、各状況に対応した信号を目標スリーブ位置設定手段36に入力するようになっている。つまり、車両が停止した状態で変速機2が1速又は後退を選択しており、かつクラッチ25が接続されていない間は、目標スリーブ位置設定手段36に回転数制限信号を入力してエンジン回転数を高回転にした状態でのクラッチ25の接続を防止し、クラッチ25が接続されたときにその入力を解除するようになっている。
【0027】
また、出力トルク制限手段35は、クラッチ接続信号,急加速要求信号をもとに車両の発進状況を監視し、発進状況に応じた信号を目標スリーブ位置設定手段36に入力するようになっている。つまり、クラッチ25が接続され急加速要求信号が入力されたときには、目標スリーブ位置設定手段36に出力トルク制限信号を入力して過大なトルクが駆動系に加わるのを防止するようになっている。この入力は所定時間t(例えば0.3秒)のみ行なわれ、所定時間経過後は入力は解除されるようになっている。
【0028】
目標スリーブ位置設定手段36は、アクセル開度信号,エンジン回転数信号,回転数制限信号,及び出力トルク制限信号にもとづき、コントロールスリーブ22の目標スリーブ位置を設定するようになっている。つまり、目標スリーブ位置設定手段36はアクセル開度信号とエンジン回転数信号とをパラメータとして目標スリーブ位置を設定するための図示しない制御マップを有しており、アクセル開度信号とエンジン回転数信号とが入力されると、制御マップ上の対応する点を参照し、その点におけるスリーブ位置の値を目標スリーブ位置として設定するようになっている。
【0029】
そして、エンジン回転数制限手段34より回転数制限信号が入力されると、エンジン1の回転数の上限値をNに設定し、アクセル開度に関係なく回転数がこの回転数上限値Nを越えないよう目標スリーブ位置の上限を設定するようになっている。さらに、出力トルク制限手段35より出力トルク制限信号が入力されると、アクセル開度,エンジン回転数に関係なく目標スリーブ位置を出力トルク制限信号が入力された時点でのスリーブ位置に保持するようになっている。
【0030】
例えば、図3の(a),(b),(c)はそれぞれ停車状態から急発進した場合のエンジン出力トルク値,エンジン回転数,差動機構への入力トルク値の各時間変化を示すタイムチャートであり、実線は本エンジン制御装置について、破線は従来のエンジン制御装置について、それぞれ示している。この図3を用いて目標スリーブ位置設定手段36の機能についてさらに具体的に説明を行なう。
【0031】
本装置では、車両が停車状態でクラッチ25の結合を解除されていると、変速段が発進変速段(即ち、1速又は後退)の場合には、エンジン回転数を制限するようにコントロールスリーブ22の位置を制御するようになっている。
一方、車両が停車状態であっても変速機2が1速又は後退以外の変速段又は中速段を選択しているときには、目標スリーブ位置設定手段36はエンジンの回転数を制限せず、エンジンの回転数はアクセルペダル18の開度に応じて上昇するようになっている。
【0032】
しかし、図3(b)に示すように、1速又は後退が選択されると(時点t)、エンジン回転数制限手段34より目標スリーブ位置設定手段36に回転数制限信号が入力され、目標スリーブ位置設定手段36は、この回転数制限信号が入力されている間はエンジン回転数が回転数上限値Nを越えないように目標スリーブ位置の上限を設定するようにして、スリーブポジションコントローラ37を通じてコントロールスリーブ22がポジション制御されるようになっている。
【0033】
このため、アクセル開度を大きくしてクラッチ25の接続を開始したときには(時点t)、回転数制限信号に応じて差動機構4,5等の各駆動系への入力回転数は低く抑えられることになる。したがって、クラッチ25の接続時に、クラッチ25の入出力間の回転数差が小さくなり、クラッチ25による伝達トルクの大きさも抑えられるようになり、クラッチ25の接続完了時(時点t)をほぼピークとして差動機構4,5等の各駆動系に加わる衝撃トルクTの大きさは、従来のエンジン制御装置における衝撃トルクT11よりも大幅に低く抑えられるようになっている。
【0034】
また、この衝撃トルクはその大きさT11もさることながら、その変化率によっても駆動系の負担が変化するが、この衝撃トルク変化率も従来例のものに比べて小さく抑えられるようになっている。
一方、アクセルペダル18の開速度が大きく急加速要求判断手段33が急加速要求を検出し、クラッチ25が接続状態になったときには(時点t)、まず、エンジン回転数制限手段34から目標スリーブ位置設定手段36への回転数制限信号の入力が解除され、目標スリーブ位置設定手段36は目標スリーブ位置の上限設定を解除するようになっている。そして、これと同時に、出力トルク制限手段35より目標スリーブ位置設定手段36に出力トルク制限信号が入力されるようになっており、目標スリーブ位置設定手段36は目標スリーブ位置を出力トルク制限信号が入力された時点(時点t)でのスリーブ位置に所定時間t(例えば0.3秒)だけ保持するようになっている。
【0035】
この出力トルク制限信号が入力された時点(時点t)では、エンジン1の出力トルクは未だ高くなっておらず、スリーブポジションコントローラ37を通じて、この時点でのスリーブ位置を保持することによりエンジン1の出力トルクを最大出力トルクTに対し十分に低い一定値Tに保持することができるようになっている。これにより、クラッチ25の接続後しばらく(時間t付近)して差動機構4,5等の各駆動系に発生する揺り戻しトルクTも、従来のエンジン制御装置による揺り戻しトルクT12よりも低く抑えられるようになっている。
【0036】
また、所定時間経過後(時点t)には目標スリーブ位置設定手段36はスリーブ位置の保持を解除し、この後はアクセル開度とエンジン回転数に応じた目標スリーブ位置を設定するようになっている。このようにして設定された目標スリーブ位置信号は、目標スリーブ位置設定手段36からスリーブポジションコントローラ37に入力され、スリーブポジションコントローラ37を通じてコントロールスリーブ22が制御され、これにより、最大トルクTまで出力することが可能になり、十分な加速能力が得られるようになっている。
【0037】
なお、このスリーブポジションコントローラ37は、目標スリーブ位置に応じてソレノイド24を制御し、燃料噴射ポンプ21内に設けられたコンロールスリーブ22の位置(スリーブ位置)を調整するようになっている。また、コンロールスリーブ22にはスリーブポジションセンサ(SPS)23がそなえられており、スリーブポジションコントローラ37はこのSPS23より検出された目標スリーブ位置信号に基づきソレノイド24のフィードバック制御を行なうようになっている。
【0038】
本発明の第1実施形態としてのエンジン制御装置は上述のごとく構成されているので、運転時には、例えば図4に示すようなフローで目標スリーブ位置の設定が行なわれる。
つまり、図4に示すように、まず、フラグFが1か否かが判定される(ステップA10)。このフラグFは、コントロールスリーブを一定位置に保持している場合に1とされ、それ以外は0とされ、制御開始の初期値は0に設定されている。したがって、制御開始にはF=0であり、ステップA10からステップA20に進む。
【0039】
ステップA20では、車両が停車しているかどうかが判定され、停車状態であればステップA30に進み変速機2が1速又は後退を選択しているかどうかを判定する。そして、変速機2が1速又は後退を選択している場合はエンジン回転数が回転数上限値Nを越えないように目標スリーブ位置の上限を設定し(ステップA40)、ステップA50へ進む。
【0040】
このステップA50では、クラッチ25が接続されたかどうかが判定され、クラッチ25が接続された場合は、目標スリーブ位置の上限設定を解除(ステップA60)してステップA70に進む。一方、クラッチ25が接続される前に1速又は後退以外の変速段が選択された場合も目標スリーブ位置の上限設定は解除される(ステップA160)。
【0041】
ステップA70では、アクセル開度が所定値A以上になっているか否かが判定され、アクセル開度が所定値A以上でなければ、そのまま通常の目標スリーブ位置の設定が行なわれる。一方、アクセル開度が所定値A以上であれば、ステップA80でフラグFを1にセットして、ステップA90に進みタイマカウント値tが0か否かが判定される。
【0042】
このタイマカウント値tは、初期値が0であり、ステップA100のタイマスタートを行わない限りは初期値0を維持するので、ここではt=0であり、ステップA100でタイマをスタートさせステップA110に進む。このステップA110では、加速時間tが所定時間t(例えば、0.3秒)に達するか否かの判定をするが、タイマスタート直後は、t<tであり、ステップA120へ進み、目標スリーブ位置を現在(タイマスタート時)の目標スリーブ位置に保持する。
【0043】
この後は、F=1なので、ステップA10からステップA90に進み、t≧tとなるまで、目標スリーブ位置をタイマスタート時の目標スリーブ位置に保持する。そして、t≧tとなったら、ステップA130へ進んで目標スリーブ位置の保持を解除し、フラグFを0にし(ステップA140)、タイマカウント値tを0にリセットする(ステップA150)。
【0044】
以上のようなフローで目標スリーブ位置が設定されると、目標スリーブ位置設定手段36は、さらにこれに各種の運転状態情報による補正(例えば吸気温補正及び大気圧補正等)を施した上でスリーブポジションコントローラ37へ目標スリーブ位置信号を出力する。そして、スリーブポジションコントローラ37は、この補正後の目標スリーブ位置信号に応じてソレノイド24を介してコンロールスリーブ22を電気的に動かすことにより、エンジントルクが所定の値になるように燃料噴射量を調整する。
【0045】
このように、本エンジン制御装置によれば、車両が停車状態であって1速又は後退が選択されたときには、目標スリーブ位置の上限設定により、エンジン回転数が回転数上限値Nを越えることはないので、アクセル開度を大きくしてクラッチ25の接続を開始したときでも、変速機2,差動機構3,4,5,駆動軸6,7,8,9,10,11等の駆動系に加わる衝撃トルクを低減することができる。したがって、クラッチ25の接続時の過大なトルクによる破壊を考慮した過剰補強をする必要がなくなり、変速機2,差動機構3,4,5,駆動軸6,7,8,9,10,11等の駆動系の合理的な設計が可能となり、軽量化,コスト低減に貢献することができる。
【0046】
そして、クラッチ25が接続されたときには、目標スリーブ位置の上限設定が解除されるので、エンジン回転数は回転数上限値Nを越えて上昇することが可能となり、運転者に違和感を与えることはなく、また十分な加速性能を得ることができる。
また、クラッチ25が接続されアクセルペダル18が大きく踏み込まれているときには、出力トルク制限手段35から目標スリーブ位置設定手段36に出力トルク制限信号が入力された時点でのスリーブ位置に目標スリーブ位置を所定時間保持するので、エンジンの出力トルクを低く抑えることができる。これにより、クラッチ25の接続後しばらくして変速機2,差動機構3,4,5,駆動軸6,7,8,9,10,11等の駆動系に加わる揺り戻しトルクも低く抑えることができ、過大な揺り戻しトルクによる破壊を考慮した過剰補強をする必要がなくなり、変速機2,差動機構3,4,5,駆動軸6,7,8,9,10,11等の駆動系の合理的な設計が可能となり、軽量化,コスト低減に貢献することができる。
【0047】
そして、所定時間経過後は目標スリーブ位置の保持を解除し、アクセル開度とエンジン回転数に応じた目標スリーブ位置を設定するようになっているので、アクセル開度に応じたエンジントルクの出力が可能になり、十分な加速能力が得られるようになっている。
なお、本実施形態ではクラッチ25の接続状態の検出にクラッチスイッチ26を用いたが、クラッチ接続検出手段32にAPS19,エンジン回転数センサ20からそれぞれアクセル開度信号,エンジン回転数信号を入力し、これらの信号よりクラッチ25の接続状態を判定することも可能であり、この場合、例えばアクセル開度が50%以上かつエンジン回転数3000rpm以下となったときにクラッチ25が接続されたと判定することもできる。
【0048】
また、エンジン回転数を回転数上限値N内に制限するにあたり、上述のように目標スリーブ位置の上限を設定する他、APS19からのアクセル開度信号を所定値(例えば25%)でクリップしてもよい。
さらに、急加速要求判断手段33における運転者の急加速要求を検出するにあたり、上述のようにアクセル開度が所定値A以上か否かで判断する他、アクセル開速度を算出してアクセル開速度が所定値VA0以上か否かで判断したり、またはアクセル開度とアクセル開速度の双方で判断してもよい。
【0049】
次に、本発明の第2実施形態としてのエンジン制御装置について図5〜図7を参照して説明する。
本実施形態のエンジン制御装置が適用される車両(自動車)は、第1実施形態のエンジン制御装置と同様に図2に示すようなディーゼルエンジンと手動変速機とをそなえた4輪駆動車であり、エンジン1の出力トルクの大きさは、電子制御ユニット(ECU)40により制御されるようになっている。
【0050】
このECU40には、第1実施形態のエンジン制御装置と同様に、図5に示すように、APS19からのアクセル開度信号,エンジン回転数センサ20からのエンジン1の回転数信号,変速段検出スイッチ17からの変速機2の選択変速段の検出信号(変速段信号),車輪速センサ27からの車輪13の回転速度の検出信号(車輪速信号),クラッチスイッチ26からのクラッチ25の接続状態の検出信号(クラッチ位置信号),SPS23からのコントロールスリーブ22の位置信号が入力されるようになっている。
【0051】
ECU40はこれらの信号をもとにエンジン1のトルク制御を行なうようになっており、機能要素としての停車判定手段41,クラッチ接続検出手段42,急加速要求判断手段43,出力トルク制限手段45,目標スリーブ位置設定手段(エンジン回転数制御手段)46と、エンジンの出力制御状態を検出するスリーブポジションコントローラ47とをそなえている。
【0052】
ここで、停車判定手段41,クラッチ接続検出手段42,急加速要求判断手段43,出力トルク制限手段45,スリーブポジションコントローラ47は、それぞれ第1実施形態のエンジン制御装置における停車判定手段31,クラッチ接続検出手段32,急加速要求判断手段33,出力トルク制限手段35,スリーブポジションコントローラ37と同構成であり、目標スリーブ位置設定手段46のみが異なった構成となっている。
【0053】
目標スリーブ位置設定手段46は、第1目標スリーブ位置設定手段(第1の記憶手段)46aと第2目標スリーブ位置設定手段(第2の記憶手段)46bとから構成されており、これらの目標スリーブ位置設定手段46a,46bは、それぞれ図6(a),(b)に示すような制御マップ(マップ1,マップ2)により目標スリーブ位置を設定するようになっている。つまり、図6(a),(b)に示すように、それぞれの制御マップにはアクセル開度に応じたエンジン出力トルクとエンジン回転数との特性が示されており、目標スリーブ位置設定手段46a,46bは、アクセル開度信号とエンジン回転数信号とが入力されると、これらの制御マップ上の対応する点を参照し、その点におけるエンジン出力トルクに対応するスリーブ位置の値を目標スリーブ位置として設定するようになっている。
【0054】
また、同一のアクセル開度と同一のエンジン回転数において比較した場合、第2目標スリーブ位置設定手段46bのマップ2は、第1目標スリーブ位置設定手段46aのマップ1に対してエンジン出力トルクが小さくなっており(即ち、エンジン出力が劣った特性になっており)、第2目標スリーブ位置設定手段46bを選択した場合はアクセルペダル18を踏み込んでもトルクがあまり上昇しないようになっている。
【0055】
これらの第1目標スリーブ位置設定手段46aと第2目標スリーブ位置設定手段46bとの切替選択は、停車判定手段41から入力される停車信号と、クラッチ接続検出手段42から入力されるクラッチ位置信号と、変速段検出スイッチ17から入力される変速段信号とを基にして行なわれるようになっている。目標スリーブ位置設定手段46は、通常は第1目標スリーブ位置設定手段46aを選択するようになっているが、クラッチ25が接続されておらず車両が停止した状態であって、かつ変速機2が1速又は後退を選択したときには第2目標スリーブ位置設定手段46bを選択するようになっている。そして、クラッチ25が接続されたときに再び第1目標スリーブ位置設定手段46aを選択するようになっている。
【0056】
また、第1目標スリーブ位置設定手段46aが選択されている場合、出力トルク制限手段45より出力トルク制限信号が入力されている間は、アクセル開度,エンジン回転数に関係なく目標スリーブ位置を出力トルク制限信号が入力された時点での値に保持するようになっている。
ここで、第1実施形態のエンジン制御装置と同様に図3(a)〜(c)を用いて目標スリーブ位置設定手段46についてさらに具体的に説明を行なうと、本装置では、車両が停車状態でクラッチ25の結合を解除されていると、変速段が発進変速段の場合には、マップ2に基づいたコントロールスリーブ22のポジション制御が行なわれるようになっている。
【0057】
一方、車両が停車状態であっても1速又は後退以外の変速段又は中立位置が選択されているときには、目標スリーブ位置設定手段46は第1目標スリーブ位置設定手段46aを選択しており、マップ1に基づいた制御が行なわれ、エンジンの回転数はアクセルペダル18の開度に応じて上昇するようになっている。
しかし、図3(b)に示すように、1速又は後退が選択されると(時間t)、目標スリーブ位置設定手段46は第2目標スリーブ位置設定手段46bに切り替わり、スリーブポジションコントローラ47を通じて行なわれるコントロールスリーブ22のポジション制御は、マップ2に基づいて行なわれるようになっているので、アクセルペダル18を大きく踏み込んでもエンジンの回転数はあまり上昇しない。
【0058】
一方、アクセルペダル18の開速度が大きく急加速要求判断手段43が急加速要求を検出し、クラッチ25が接続状態になったときには(時間t)、目標スリーブ位置設定手段46は再び第1目標スリーブ位置設定手段46aに切り替わるようになっている。そして、これと同時に、出力トルク制限手段45より目標スリーブ位置設定手段46に出力トルク制限信号が入力されるようになっており、目標スリーブ位置設定手段46は、この出力トルク制限信号が入力されると目標スリーブ位置を出力トルク制限信号が入力された時点(時間t)でのスリーブ位置に所定時間t(例えば0.3秒)だけ保持するようになっている。
【0059】
また、所定時間経過後(時間t)には目標スリーブ位置設定手段46はスリーブ位置の保持を解除し、この後はアクセル開度とエンジン回転数に応じた目標スリーブ位置を設定するようになっている。このようにして設定された目標スリーブ位置は、第1実施形態のエンジン制御装置と同様に目標スリーブ位置設定手段46からスリーブポジションコントローラ47に入力され、スリーブポジションコントローラ47を通じてコントロールスリーブ22が制御され、これにより、最大トルクTまで出力することが可能になり、十分な加速能力が得られるようになっている。
【0060】
本発明の第2実施形態としてのエンジン制御装置は上述のごとく構成されているので、運転時には、例えば図7に示すようなフローでスリーブ位置の設定が行なわれる。
つまり、図7に示すように、まず、フラグFが1か否かが判定される(ステップB10)。このフラグFは、コントロールスリーブを一定位置に保持している場合に1とされ、それ以外は0とされ、制御開始の初期値は0に設定されている。したがって、制御開始にはF=0であり、ステップB10からステップB20に進む。
【0061】
ステップB20では、車両が停車しているかどうかが判定され、既に発車状態であれば通常のマップ1に基づく目標スリーブ位置の設定が行なわれ(ステップB160)、停車状態であればステップB30に進み変速機2が1速又は後退を選択しているかどうかが判定される。そして、変速機2が1速又は後退を選択している場合はマップ2が選択され、マップ2に基づいた目標スリーブ位置の設定が行なわれる(ステップB40)。また、変速機2が1速又は後退以外を選択している場合は通常通りマップ1に基づいた目標スリーブ位置の設定が行なわれる(ステップB160)。
【0062】
次にステップB50では、クラッチ25が接続されたかどうかが判定され、クラッチ25が接続されるまではステップB10からステップB50に至る判定処理を繰り返し、クラッチ25が接続された場合にはステップB60へ進む。
ステップB60では、アクセル開度が所定値A以上になっているか否かが判定される。アクセル開度が所定値A以上でなければ、そのままマップ2に基づいた目標スリーブ位置の設定が行なわれ、この時には、停車状態から脱しているため、次の制御周期においてステップB20からステップB160へ進み、再度マップ1が選択され、その後はマップ1に基づいた通常の目標スリーブ位置の設定が行なわれる。一方、アクセル開度が所定値A以上であれば、マップ1を選択し(ステップB70)、ステップB80でフラグFを1にセットして、ステップB90に進む。
【0063】
ステップB90以降は第1実施形態のエンジン制御装置における制御フローのステップA90以降と同様の処理であり、第1実施形態のエンジン制御装置と同様の目標スリーブ位置の設定が行なわれる。そして、目標スリーブ位置設定手段46は、さらにこれに各種の運転状態情報による補正(例えば吸気温補正及び大気圧補正等)を施した上でスリーブポジションコントローラ47へ目標スリーブ位置信号を出力し、スリーブポジションコントローラ47は、この補正後の目標スリーブ位置信号に応じてソレノイド24を介してコンロールスリーブ22を電気的に動かすことにより、エンジントルクが所定の値になるように燃料噴射量を調整する。
【0064】
このように、本エンジン制御装置によれば、車両が停車状態であって1速又は後退が選択されたときには、第2目標スリーブ設定手段46bが選択されマップ2に基づいてスリーブ位置を制御するようになっているが、このマップ2はアクセル開度に対するエンジン出力トルクの上昇率が小さいので、アクセル開度を大きくしてクラッチ25の接続を開始したときでも、変速機2,差動機構3,4,5,駆動軸6,7,8,9,10,11等の駆動系に加わる衝撃トルクを低く抑えることができる。したがって、クラッチ25の接続時の過大なトルクによる破壊を考慮した過剰補強をする必要がなくなり、変速機2,差動機構3,4,5,駆動軸6,7,8,9,10,11等の駆動系の合理的な設計が可能となり、軽量化,コスト低減に貢献することができる。
【0065】
そして、クラッチ25が接続されたときには、ステップB70又はステップB160を通じて第1目標スリーブ設定手段46aが選択されマップ1に基づいてスリーブ位置を制御するようになっているが、このマップ1はマップ2よりもアクセル開度に対するエンジン出力トルクの上昇率が大きいので、高出力,高回転が可能であり、運転者に違和感を与えることはなく、また十分な加速性能を得ることができる。
【0066】
また、クラッチ25が接続されアクセルペダル18が大きく踏み込まれているときには、出力トルク制限手段45では、運転者は急発進を要求しているものと判断して、目標スリーブ位置設定手段46に出力トルク制限信号を入力し、目標スリーブ位置設定手段46は出力トルク制限信号が入力された時点でのスリーブ位置に目標スリーブ位置を所定時間保持するので、エンジンの出力トルクを低く抑えることができる、これにより、クラッチ25の接続後しばらくして変速機2,差動機構3,4,5,駆動軸6,7,8,9,10,11等の駆動系に加わる揺り戻しトルクが低減され、過大な揺り戻しトルクによる破壊を考慮した過剰補強をする必要がなくなり、変速機2,差動機構3,4,5,駆動軸6,7,8,9,10,11等の駆動系の合理的な設計が可能となり、軽量化,コスト低減に貢献することができる。
【0067】
そして、所定時間経過後は目標スリーブ位置の保持を解除し、アクセル開度とエンジン回転数に応じた目標スリーブ位置を設定するようになっているので、アクセル開度に応じたエンジントルクを出力することが可能になり、十分な加速能力が得られるようになっている。
なお、本実施形態ではクラッチ25の接続状態の検出にクラッチスイッチ26を用いたが、クラッチ接続検出手段42にAPS19,エンジン回転数センサ20からそれぞれアクセル開度信号,エンジン回転数信号を入力し、これらの信号からクラッチ25の接続状態を判定することも可能であり、この場合、例えばアクセル開度が50%以上かつエンジン回転数3000rpm以下となったときにクラッチ25が接続されたと判定することもできる。
【0068】
さらに、急加速要求判断手段43における運転者の急加速要求を検出するにあたり、上述のようにアクセル開度が所定値A以上か否かで判断する他、アクセル開速度を算出してアクセル開速度が所定値VA0以上か否かで判断したり、またはアクセル開度とアクセル開速度の双方で判断してもよい。
なお、マップ1とマップ2との切換によるエンジン出力トルクの急変を防ぐ必要があれば、スリーブポジションコントローラ47への目標スリーブ位置信号を送る信号経路にローパスフィルタ等の信号(スリーブポジション)の急変を防止する手段を設けること等で処理することができる。
【0069】
次に本発明の第3実施形態としてのエンジン制御装置について図8〜図10を参照して説明する。
本実施形態のエンジン制御装置が適用される車両(自動車)は、第1実施形態及び第2実施形態のエンジン制御装置とは変速機が異なり、ディーゼルエンジンと自動変速機とをそなえた4輪駆動車であり、エンジン1の出力トルクの大きさは、電子制御ユニット(ECU)50により制御されるようになっている。
【0070】
このECU50には、第1実施形態のエンジン制御装置と同様に、図8に示すように、APS19からのアクセル開度信号,エンジン回転数センサ20からのエンジン1の回転数信号,車輪速センサ27からの車輪13の回転速度の検出信号(車輪速信号),SPS23からのコントロールスリーブ22の位置信号が入力されるようになっており、さらに自動変速機60にそなえられたCPU(変速機ECU)61から自動変速機60の選択変速段の検出信号(変速段信号)が入力されるようになっている。なお、変速機ECU61は、選択した変速段への変速が完全に達成した時点で変速段信号を出力するようになっている。
【0071】
ECU50はこれらの信号をもとにエンジン1のトルク制御を行なうようになっており、機能要素としての停車判定手段51,急加速要求判断手段53,エンジン回転数制限手段54,目標スリーブ位置設定手段56と、エンジンの出力制御状態を検出するスリーブポジションコントローラ57とをそなえている。
ここで、停車判定手段51,急加速要求判断手段53,スリーブポジションコントローラ57は、それぞれ第1実施形態のエンジン制御装置における停車判定手段31,急加速要求判断手段33,スリーブポジションコントローラ37と同構成であり、エンジン回転数制限手段54と目標スリーブ位置設定手段56とが異なった構成となっている。
【0072】
エンジン回転数制限手段54は、変速機ECU61からの変速段信号,停車判定手段51からの停止信号,急加速要求判断手段53からの急加速要求信号をもとに車両の停車から発車に至るまでの状況を監視し、各状況に対応した信号を目標スリーブ位置設定手段56に入力するようになっている。つまり、車両が停止した状態で自動変速機60が中立段又は駐車段を選択しており、かつアクセル開度が一定値を越えた場合は、目標スリーブ位置設定手段56に回転数制限信号を入力するようになっており、走行段又は後退段が選択され完全に変速が完了した時にその入力を解除するようになっている。
【0073】
目標スリーブ位置設定手段56は、アクセル開度信号,エンジン回転数信号,回転数制限信号に基づき、コントロールスリーブ22の目標スリーブ位置を設定するようになっている。つまり、目標スリーブ位置設定手段56はアクセル開度信号とエンジン回転数信号とをパラメータとして目標スリーブ位置を設定するための図示しない制御マップを有しており、アクセル開度信号とエンジン回転数信号とが入力されると、制御マップ上の対応する点を参照し、その点におけるスリーブ位置の値を目標スリーブ位置として設定するようになっている。そして、エンジン回転数制限手段54より回転数制限信号が入力されると、エンジン1の回転数の上限値をNに設定し、回転数制限信号が入力されている間は回転数がこの回転数上限値Nを越えないよう目標スリーブ位置の上限を設定するようになっている。
【0074】
ここで、第1実施形態及び第2実施形態のエンジン制御装置の場合と同様に、図9に示す停車状態から急発進した場合のエンジン出力トルク値,エンジン回転数,差動機構への入力トルク値の各時間変化を示すタイムチャートにより目標スリーブ位置設定手段56の機能についてさらに具体的に説明を行なう。
本装置では、車両が停車状態であって変速段が中立段又は駐車段の場合には、エンジン回転数を制限するようにコントロールスリーブ22の位置を制御するようになっている。
【0075】
つまり、車両が停車状態であって自動変速機60が中立段又は駐車段を選択しているとき、アクセルペダル18を踏み込むとエンジン回転数はアクセル開度に応じて上昇する。しかし、アクセル開度が所定値Aを越えると(時点t)、エンジン回転数制限手段54から目標スリーブ位置設定手段56に回転数制限信号が入力され、目標スリーブ位置設定手段56は、この回転数制限信号が入力されている間はエンジン回転数が回転数上限値Nを越えないように目標スリーブ位置の上限を設定するようにして、スリーブポジションコントローラ57を通じてコントロールスリーブ22がポジション制御されるようになっている。
【0076】
このため、アクセルペダル18を大きく踏み込んだ状態で停止段(ニュートラルポジションN,パーキングポジションP)から走行段(ドライブポジションD,リバースポジションR)に切り換えたときには(時点t)、回転数制限信号に応じて差動機構4,5等の各駆動系への入力回転数は低く抑えられることになる。
したがって、自動変速機60の図示しないトルクコンバータにおける入出力間の回転数差が小さくなり、自動変速機60が走行段又は後退段への変速を完全に達成するまで(時点t)、エンジンの出力トルクも最大出力トルクTよりも大幅に低いトルク値T以下に抑えられるようになり、走行段又は後退段への変速を完全に達成した時点(時点t)をほぼピークとして差動機構4,5等の各駆動系に加わる衝撃トルクTの大きさは、従来のエンジン制御装置における衝撃トルクT11よりも大幅に低く抑えられるようになっている。
【0077】
また、この衝撃トルクはその大きさT11もさることながら、その変化率によっても駆動系の負担が変化するが、この衝撃トルク変化率も従来例のものに比べて小さく抑えられるようになっている。
そして、走行段又は後退段への変速を完全に達成した時点(時点t)で、エンジン回転数制限手段54から目標スリーブ位置設定手段56への回転数制限信号の入力が解除され、目標スリーブ位置設定手段56は目標スリーブ位置の上限設定を解除し、この後はアクセル開度とエンジン回転数に応じた目標スリーブ位置を設定するようになっている。このようにして設定された目標スリーブ位置は、第1実施形態及び第2実施形態のエンジン制御装置と同様に目標スリーブ位置設定手段56からスリーブポジションコントローラ57に入力され、スリーブポジションコントローラ57を通じてコントロールスリーブ22が制御され、これにより、最大トルクTまで出力することが可能になり、十分な加速能力が得られるようになっている。
【0078】
本発明の第3実施形態としてのエンジン制御装置は上述のごとく構成されているので、運転時には、例えば図10に示すようなフローで目標スリーブ位置の設定が行なわれる。
つまり、図10に示すように、まず、フラグFが1か否かが判定される(ステップC10)。このフラグFは、コントロールスリーブ位置を所定値に保持している場合に1とされ、それ以外は0とされ、制御開始の初期値は0に設定されている。したがって、制御開始にはF=0であり、ステップC10からステップC20に進む。
【0079】
ステップC20では、車両が停車しているかどうかが判定され、停車状態であればステップC30に進み自動変速機60が中立段又は駐車段を選択しているかどうかを判定する。そして、自動変速機60が中立段又は駐車段を選択している場合はさらにステップC40に進み、それ以外の場合は通常の目標スリーブ位置の設定を行なう。
【0080】
ステップC40は、アクセル開度が所定値以上になっているか否かが判定され、アクセル開度が所定値以上でなければ、そのまま通常の目標スリーブ位置の設定が行なわれる。一方、アクセル開度が所定値以上であれば、ステップC50でフラグFを1にセットして、ステップC60に進み、エンジン回転数が回転数上限値N(例えば2000rpm)を越えないように目標スリーブ位置の上限を設定する。
【0081】
この目標スリーブ位置の上限の設定は自動変速機60が走行段又は後退段を選択し、走行段又は後退段への変速が完了するまで行なわれ(ステップC70)、走行段又は後退段への変速が完了するとステップC80に進み目標スリーブ位置の上限設定を解除し、フラグFを0にする(ステップC90)。
以上のようなフローで目標スリーブ位置が設定されると、目標スリーブ位置設定手段56は、さらにこれに各種の運転状態情報による補正(例えば吸気温補正及び大気圧補正等)を施した上でスリーブポジションコントローラ57へ目標スリーブ位置信号を出力する。そして、スリーブポジションコントローラ57は、この補正後の目標スリーブ位置信号に応じてソレノイド24を介してコンロールスリーブ22を電気的に動かすことにより、エンジントルクが所定の値になるように燃料噴射量を調整する。
【0082】
このように、本エンジン制御装置によれば、車両が停車状態であって自動変速機60が中立段又は駐車段を選択しているときには、アクセル開度が所定値A以上になった場合、目標スリーブ位置の上限設定によりエンジン回転数が回転数上限値N(例えば2000rpm)を越えないようにすることができるので、アクセルペダル18をあおり操作した場合でもエンジン回転数が過度に上昇することがない。したがって、このような状態で走行段又は後退段へ変速した場合でも過大な衝撃トルクが自動変速機60,差動機構3,4,5,駆動軸6,7,8,9,10,11等の駆動系(図2参照)に作用することはなく、過大なトルクによる破壊を考慮した過剰補強をする必要がなくなり、自動変速機60,差動機構3,4,5,駆動軸6,7,8,9,10,11等の駆動系の合理的な設計が可能となり、軽量化,コスト低減に貢献することができる。
【0083】
そして、走行段又は後退段への変速が完全に達成続されたときには、目標スリーブ位置の上限設定は解除されるので、アクセル開度に応じてエンジントルクを出力することができ、十分な加速性能を得ることができる。
また、エンジン回転数を回転数上限値N内に制限するにあたり、上述のように目標スリーブ位置の上限を設定する他、APS19からのアクセル開度信号を所定値(例えば25%)でクリップしてもよい。
【0084】
さらに、急加速要求判断手段53における運転者の急加速要求を検出するにあたり、上述のようにアクセル開度が所定値以上か否かで判断する他、アクセル開速度を算出してアクセル開速度が所定値以上か否かで判断したり、またはアクセル開度とアクセル開速度の双方で判断してもよい。
なお、上述の各実施形態のディーゼルエンジンのみならず、ガソリンエンジンへの適用ももちろん可能であり、その場合には、スロットルバルブコントローラにより目標スロットル開度に応じてスロットル制御サーボモータを駆動制御し、吸気通路内にもうけられたスロットルバルブの開度(スロットル開度)を調整することによりエンジントルクを制御することができる。また、スロットルバルブコントローラはスロットルバルブにそなえられたスロットルポジションセンサ(TPS)により検出されたスロットル開度信号により、スロットル制御サーボモータのフィードバック制御を行なうようにすることもできる。
【0085】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の本発明の車両用出力トルク制御装置によれば、車両が停車状態であって低速段が選択されたときには、エンジン回転数制限手段によりエンジン回転数が所定値以上になることを防止されるので、アクセル開度を大きくしてクラッチの接続を開始したときでも、変速機,差動機構,駆動軸といった駆動系に加わる衝撃トルクを低減することができる。したがって、クラッチの接続時の過大なトルクによる破壊を考慮した過剰補強をする必要がなくなり、駆動系の合理的な設計が可能となり、駆動系の軽量化,コスト低減に貢献することができる。
【0086】
そして、クラッチが接続されたときには、エンジン回転数制限手段によるエンジン回転数の制限が解除されるので、エンジン回転数はアクセル開度に応じて上昇することが可能となり、運転者に違和感を与えることはなく、また十分な加速性能を得ることができる。
また、クラッチが接続されてからもアクセルペダルが大きく踏み込まれたときには、出力トルク制限手段によりアクセルペダルが踏み込まれた時点でのエンジントルクが保持されるので、クラッチの接続後しばらくして駆動系に加わる揺り戻しトルクも低く抑えることができ、過大な揺り戻しトルクによる破壊を考慮した過剰補強をする必要がなくなり、駆動系の合理的な設計が可能となり、駆動系の軽量化,コスト低減に貢献することができる。
【0087】
そして、所定時間経過後はエンジントルクの保持を解除し、アクセル開度とエンジン回転数に応じたエンジントルクの出力が可能になり、十分な加速能力が得られるようになっている。
請求項2記載の本発明の車両用出力トルク制御装置によれば、車両が停車状態であって低速段が選択されたときには、エンジン回転数制御手段は第2の記憶手段に基づいてエンジンの回転速度を制御するようになっているが、この第2の記憶手段にはアクセル開度に対するエンジン出力トルクの上昇率が小さい特性が記憶されているので、アクセル開度を大きくしてクラッチの接続を開始したときでも、駆動系に加わる衝撃トルクを低く抑えることができる。したがって、クラッチの接続時の過大なトルクによる破壊を考慮した過剰補強をする必要がなくなり、駆動系の合理的な設計が可能となり、駆動系の軽量化,コスト低減に貢献することができる。
【0088】
そして、クラッチが接続されたときには、エンジン回転数制御手段は第1の記憶手段に基づいてエンジン回転数を制御するようになっているが、この第1の記憶手段に記憶された特性は第2の記憶手段に記憶された特性よりもアクセルペダルの開度に対するエンジン出力トルクが優っているので、高出力,高回転が可能であり、運転者に違和感を与えることはなく、また十分な加速性能を得ることができる。
【0089】
また、クラッチが接続されてからもアクセルペダルが大きく踏み込まれたときには、出力トルク制限手段によりアクセルペダルが踏み込まれた時点でのエンジントルクが保持されるので、クラッチの接続後しばらくして駆動系に加わる揺り戻しトルクも低く抑えることができ、過大な揺り戻しトルクによる破壊を考慮した過剰補強をする必要がなくなり、駆動系の合理的な設計が可能となり、駆動系の軽量化,コスト低減に貢献することができる。
【0091】
そして、所定時間経過後はエンジントルクの保持を解除し、アクセル開度とエンジン回転数に応じたエンジントルクの出力が可能になり、十分な加速能力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としてのエンジン制御装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態としてのエンジン制御装置の構成を示す模式図である。
【図3】本発明の第1実施形態としてのエンジン制御装置におけるエンジン出力トルクとエンジン回転数と差動機構への入力トルクとの対応関係を示すグラフであり、(a)はエンジン出力トルクの時間変化を示す図、(b)はエンジン回転数の時間変化を示す図、(c)は差動機構への入力トルクの時間変化を示す図であり、(a),(b),(c)の時間軸は対応している。
【図4】本発明の第1実施形態としてのエンジン制御装置の出力トルク制御の処理フローを示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施形態としてのエンジン制御装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図6】本発明の第2実施形態としてのエンジン制御装置のコントロールスリーブの制御マップを示す図であり、(a)は通常のコントロールスリーブの制御に用いるマップを示す図(マップ1),(b)は停車時のコントロールスリーブの制御に用いるマップを示す図(マップ2)である。
【図7】本発明の第2実施形態としてのエンジン制御装置の出力トルク制御の処理フローを示すフローチャートである。
【図8】本発明の第3実施形態としてのエンジン制御装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図9】本発明の第3実施形態としてのエンジン制御装置におけるエンジン出力トルクとエンジン回転数と差動機構への入力トルクとの対応関係を示すグラフであり、(a)はエンジン出力トルクの時間変化を示す図、(b)はエンジン回転数の時間変化を示す図、(c)は差動機構への入力トルクの時間変化を示す図であり、(a),(b),(c)の時間軸は対応している。
【図10】本発明の第3実施形態としてのエンジン制御装置の出力トルク制御の処理フローを示すフローチャートである。
【図11】従来のエンジン制御装置の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 変速機
3,4,5 差動機構
6,7,8,9,10,11 駆動軸
12,13,14,15 車輪(駆動輪)
17 変速段検出スイッチ(変速段検出手段)
18 アクセルペダル
19 アクセルポジションセンサ
20 エンジン回転数センサ
21 燃料噴射ポンプ
22 コントロールスリーブ
25 クラッチ
26 クラッチスイッチ
27 車輪速センサ
30,40,50 ECU
31,41,51 停車判定手段
32,42 クラッチ接続検出手段
33,43,53 急加速要求判断手段
34,54 エンジン回転数制限手段
35,45 出力トルク制限手段
36,56 目標スリーブ位置設定手段
46 目標スリーブ位置設定手段(エンジン回転数制御手段)
46a 第1目標スリーブ位置設定手段(第1の記憶手段)
46b 第2目標スリーブ位置設定手段(第2の記憶手段)
37,47,57 スリーブポジションコントローラ
60 自動変速機
61 変速機ECU

Claims (2)

  1. 運転者の指令に基づいて出力トルク及び回転数を制御されるエンジンと、該エンジンに連結された変速機と、該エンジンからの出力トルクを該変速機に伝達するクラッチと、該変速機からの出力トルクを前後または左右の駆動輪に分配可能な差動機構と、該差動機構と該駆動輪とを連結する駆動軸とを有し、該エンジンからの出力トルクを該クラッチ,該変速機,該差動機構及び該駆動軸を介して該駆動輪へ伝達する車両において、
    該変速機の選択変速段を検出する変速段検出手段と、
    該車両が停車状態か否かを判定する停車判定手段と、
    該クラッチの接続を検出するクラッチ接続検出手段と、
    運転者の急加速要求の有無を判断する急加速要求判断手段と、
    該エンジンの回転数を制限するエンジン回転数制限手段と、
    該エンジンの出力トルクを制限する出力トルク制限手段とをそなえ、
    該エンジン回転数制限手段は、
    該停車判定手段が停車状態と判定しており、該変速段検出手段で検出された該選択変速段が低速段であるときは該エンジンの回転数を所定値以下に制限し、該クラッチ接続検出手段が該クラッチの接続を検出したとき該制限を解除し、
    該出力トルク制限手段は、
    該クラッチ接続検出手段が該クラッチの接続を検出し、かつ該急加速要求判断手段が急加速要求有りと判断したとき該エンジンの出力トルクを所定時間保持することを特徴とする、エンジン制御装置。
  2. 運転者の指令に基づいて出力トルク及び回転数を制御されるエンジンと、該エンジンに連結された変速機と、該エンジンからの出力トルクを該変速機に伝達するクラッチと、該変速機からの出力トルクを前後または左右の駆動輪に分配可能な差動機構と、該差動機構と該駆動輪とを連結する駆動軸と、該エンジンの出力トルクを調整するアクセルペダルとを有し、該アクセルペダルを踏むことにより該エンジンから出力される出力トルクを該クラッチ,該変速機,該差動機構及び該駆動軸を介して該駆動輪へ伝達する車両において、
    該変速機の選択変速段を検出する変速段検出手段と、
    該車両が停車状態か否かを判定する停車判定手段と、
    該クラッチの接続を検出するクラッチ接続検出手段と、
    運転者の急加速要求の有無を判断する急加速要求判断手段と、
    該アクセルペダルの開度を検出するアクセル開度検出手段と、
    該エンジンの出力トルクと回転数とを制御するエンジン回転数制御手段と、
    該エンジンの出力トルクを制限する出力トルク制限手段とをそなえ、
    該エンジン回転数制御手段は、
    該アクセル開度検出手段で検出された該アクセルペダルの開度に応じたエンジン出力トルクとエンジン回転数との特性が記憶された第1の記憶手段と、
    同一の該アクセルペダルの開度で比較した場合は該第1の記憶手段に記憶された特性に比べて劣る特性が記憶された第2の記憶手段とを有し、
    該停車判定手段が停車状態と判定し、かつ該変速段検出手段が検出した該選択変速段が低速段であるときには該第2の記憶手段に基づき該エンジンの出力トルクと回転数との制御を行ない、
    該クラッチ接続検出手段が該クラッチの接続を検出したときには該第1の記憶手段に基づき該エンジンの出力トルクと回転数との制御を行ない、
    該出力トルク制限手段は、
    該クラッチ接続検出手段が該クラッチの接続を検出し、かつ該急加速要求判断手段が急加速要求有りと判断したとき該エンジンの出力トルクを所定時間保持することを特徴とする、エンジン制御装置。
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