JP3601376B2 - 電子機器及び電子機器の制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器及び電子機器の制御方法に係り、特に発電機構を内蔵する電子制御時計の制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、腕時計タイプなどの小型の電子時計に太陽電池などの発電装置を内蔵し、電池交換なしに動作するものが実現されている。これらの電子時計においては、発電装置で発生した電力をいったん大容量コンデンサなどに充電する機能を備えており、発電が行われないときはコンデンサから放電される電力で時刻表示が行われるようになっている。このため、電池なしでも長時間安定した動作が可能であり、電池の交換の手間あるいは電池の廃棄上の問題などを考慮すると、今後、多くの電子時計に発電装置が内蔵されるものと期待されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような発電装置を内蔵した電子時計においては、発電装置の発電電圧が大容量コンデンサ等の蓄電機能を有する電源装置の耐圧を越えないようにしたり、時刻表示回路に印加される電源装置の電源電圧が当該時刻表示回路の耐圧を越えないようにするために、印加電圧を制限するためのリミッタ回路が設けられている。
このリミッタ回路は、電源装置の前段で発電装置と電気的に切り離したり、発電装置の出力を短絡し、後段に発電電圧が伝わらないようにしたり、電源装置の後段で時刻表示回路と電気的に切り離すことにより、発電装置の発電電圧が電源装置の耐圧を越えて印加されたり、時刻表示回路に印加される電源電圧が当該時刻表示回路の耐圧を越えて印加されるのを防止するようにされている。
【0004】
一方、発電装置を内蔵した電子時計においては、安定して電源を供給すべく、発電装置が所定時間以上非発電状態におかれた場合には、その状態を検出し、動作モードを時刻表示を行う通常動作モード(表示モード)から時刻表示を行わない節電モードへと移行するように構成している。
ところが、上記リミッタ回路が動作状態(リミッタオン状態)にあると、発電装置の電気的情報が全く後段に伝わらないため、一旦節電モードに移行した場合に、発電装置の発電状態を検出することができず、通常動作モードへ復帰することが出来なくなってしまうという問題点があった。
そこで、本発明の目的は、節電モードへ移行している際に発電装置の発電状態を検出して確実に通常動作モードへ移行させることができる電子機器及び電子機器の制御方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、携帯用の電子機器において、第1のエネルギーを第2のエネルギーである電気エネルギーに変換することにより発電を行う発電手段と、前記発電により得られた電気エネルギーを蓄える電源手段と、前記電源手段から供給される電気エネルギーにより駆動される被駆動手段と、前記発電手段における発電がなされているか否かを検出する発電検出手段と、前記発電手段における発電電圧あるいは前記電源手段における蓄電電圧が予め定めた基準電圧を超過したか否かを検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段の検出結果に基づいて、前記発電手段を電気的にショートすること、または前記発電手段と前記電源手段との間の接続を切り離すことにより、前記発電手段と前記電源手段との間を電気的に切り離すリミッタ手段と、前記発電検出手段により前記発電手段において発電がなされていないことが検出された場合、前記被駆動手段の動作モードを節電モードに移行させ、発電がなされていることが検出された場合、前記被駆動手段の動作モードを通常動作モードに移行させる動作モード制御手段と、前記被駆動手段の動作モードが前記節電モードにある場合に、前記リミッタ手段の動作を禁止するリミッタ制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0006】
本発明の第2の態様は、第1の態様の携帯用の電子機器において、前記被駆動手段が、時刻表示を行う時刻表示手段であることを特徴としている。
【0007】
本発明の第3の態様は、第2の態様の携帯用の電子機器において、前記動作モード制御手段が、前記節電モード時には前記時刻表示手段における時刻表示動作を停止させ、前記節電モードから前記通常動作モードへ移行させるときには前記時刻表示手段に現時刻を表示させるとともに時刻表示動作を再開させることを特徴としている。
【0008】
本発明の第4の態様は、第2の態様または第3の態様の携帯用の電子機器において、前記時刻表示手段が、時刻のアナログ表示を行うアナログ指針と、前記アナログ指針を駆動する指針駆動手段と、を備え、前記動作モード制御手段が、前記節電モード時においては、前記指針駆動手段の動作を停止させる動作停止手段を備えた、ことを特徴としている。
【0009】
本発明の第5の態様は、第1の態様乃至第4の態様のいずれかの携帯用の電子機器において、前記リミッタ制御手段が、前記被駆動手段の動作モードが前記節電モードから通常動作モードに移行する際に前記リミッタ手段の動作禁止を解除する動作禁止解除手段を備えたことを特徴としている。
【0010】
本発明の第6の態様は、第1の態様の携帯用の電子機器において、前記動作モード制御手段が、前記電圧検出手段の検出結果に基づいて前記動作モードを移行させることを特徴としている。
【0011】
本発明の第7の態様は、第1の態様の携帯用の電子機器において、ユーザが各種操作を行うための操作手段を有し、前記動作モード制御手段が、前記操作手段の操作状態に基づいて前記動作モードを移行させることを特徴としている。
【0012】
本発明の第8の態様は、第1のエネルギーを第2のエネルギーである電気エネルギーに変換することにより発電を行う発電ユニットと、発電された前記電気エネルギーを蓄える電源ユニット、前記電気エネルギーにより駆動される被駆動ユニット、及び前記発電ユニットを電気的にショートすること、または前記発電ユニットと前記電源ユニットとの間の接続を切り離すことにより、前記発電ユニットと前記電源ユニットとの間を電気的に切り離すリミッタユニットと、を有する携帯用の電子機器の制御方法において、前記発電ユニットにおける発電がなされているか否かを検出する発電検出工程と、前記発電ユニットにおける発電電圧あるいは前記電源ユニットにおける蓄電電圧が予め定めた基準電圧を超過したか否かを検出する電圧検出工程と、前記発電検出工程により前記発電ユニットにおいて発電がなされていないことが検出された場合、前記被駆動ユニットの動作モードを前記節電モードに移行させ、発電がなされていることが検出された場合、前記被駆動ユニットの動作モードを通常動作モードに移行させる動作モード制御工程と、前記被駆動ユニットの動作モードが前記節電モードにある場合に、前記リミッタユニットの動作を禁止するリミッタ制御工程と、を備えたことを特徴としている。
【0013】
本発明の第9の態様は、第8の態様において、前記被駆動ユニットは、時刻のアナログ表示を行うアナログ指針と、前記アナログ指針を駆動する指針駆動ユニットと、を備えた時刻表示ユニットであり、前記動作モード制御工程は、前記節電モード時においては、前記指針駆動手段の動作を停止させる動作停止工程を備えた、ことを特徴としている。
【0014】
本発明の第10の態様は、第8の態様または第9の態様において、前記リミッタ制御工程が、前記被駆動ユニットの動作モードが前記節電モードから通常動作モードに移行する際に前記リミッタユニットの動作禁止を解除する動作禁止解除工程を備えたことを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
[1] 概要構成
図1に、本発明の一実施形態に係る計時装置1の概略構成を示す。
計時装置1は、腕時計であって、使用者は装置本体に連結されたベルトを手首に巻き付けて使用するようになっている。
本実施形態の計時装置1は、大別すると、交流電力を発電する発電部Aと、発電部Aからの交流電圧を整流するとともに昇圧した電圧を蓄電し、各構成部分へ電力を給電する電源部Bと、発電部Aの発電状態を検出する発電状態検出部91(図2参照)を備えその検出結果に基づいて装置全体を制御する制御部23と、秒針55をステップモータ10を用いて駆動する秒針運針機構CSと、分針及び時針をステップモータを用いて駆動する時分針運針機構CHMと、制御部23からの制御信号に基づいて秒針運針機構CSを駆動する秒針駆動部30Sと、制御部23からの制御信号に基づいて時分針運針機構CHMを駆動する時分針駆動部30HMと、計時装置1の動作モードを時刻表示モードからカレンダ修正モード、時刻修正モードあるいは強制的に後述する節電モードに移行させるための指示操作を行う外部入力装置100(図2参照)とを備えて構成されている。
【0016】
ここで、制御部23は、発電部Aの発電状態に応じて、運指機構CS、CHMを駆動して時刻表示を行う表示モード(通常動作モード)と、秒針運針機構CS及び時分針運針機構CHMへの給電を停止して電力を節電を行う節電モードとを切り換えるようになっている。また、節電モードから表示モードへの移行は、ユーザが計時装置1を手に持ってこれを振ることによって、発電を強制的に行うことにより、所定の発電電圧が検出されたことにより強制的に移行されるようになっている。
【0017】
[2] 詳細構成
以下、計時装置1各構成部分について説明する。なお、制御部23については機能ブロックを用いて後述する。
[2.1] 発電部
まず発電部Aについて説明する。
発電部Aは、発電装置40、回転錘45および増速用ギア46を備えて構成されている。
発電装置40としては、発電用ロータ43が発電用ステータ42の内部で回転し発電用ステータ42に接続された発電コイル44に誘起された電力を外部に出力できる電磁誘導型の交流発電装置が採用されている。
【0018】
また、回転錘45は、発電用ロータ43に運動エネルギーを伝達する手段として機能する。そして、この回転錘45の動きが増速用ギア46を介して発電用ロータ43に伝達されるようになっている。
この回転錘45は、腕時計型の計時装置1では、ユーザの腕の動きなどを捉えて装置内で旋回できるようになっている。したがって、使用者の生活に関連したエネルギーを利用して発電を行い、その電力を用いて計時装置1を駆動できるようになっている。
【0019】
[2.2] 電源部
次に、電源部Bについて説明する。
電源部Bは、過大電圧が後段の回路に印加されるのを防止するためのリミッタ回路LMと、整流回路として作用するダイオード47と、大容量コンデンサ48と、昇降圧回路49と、を備えて構成されている。なお、図1に示すように、発電部A側から順にリミッタ回路LM、整流回路(ダイオード47)、大容量コンデンサ48と配置する他、整流回路(ダイオード47)、リミッタ回路LM、大容量コンデンサ48の順番で配置するようにすることも可能である。
昇降圧回路49は、複数のコンデンサ49a、49bおよび49cを用いて多段階の昇圧および降圧ができるようになっており、制御部23からの制御信号φ11によって秒針駆動部30S及び時分針駆動部30HMに供給する電圧を調整することができる。
【0020】
ここで、電源部Bは、Vdd(高電圧側)を基準電位(GND)に取り、Vss(低電圧側)を電源電圧として生成している。
ここで、図3を参照してリミッタ回路LMの一実施態様について説明する。
リミッタ回路LMは、図3に示すように、等価的には発電部Aを短絡させるためのスイッチとして機能しており、発電部Aの発電電圧VGENが予め定めた所定のリミット基準電圧VLMを越えた場合に、オン(閉)状態となる。リミッタ回路LMのスイッチ部はトランジスタにより構成され、図2に示した中央制御回路93から出力される制御信号によってオン/オフが制御される。
この結果、発電部Aは、大容量コンデンサ48から電気的に切り離されることとなる。なお、本実施例では、発電部Aをショートすることでリミッタ制御をしているが、発電部Aの経路をオープンにすることでリミッタ制御をしてもよい。
【0021】
これにより、過大な発電電圧VGENが大容量コンデンサ48に印加されることがなくなり、大容量コンデンサの耐圧を越えた発電電圧VGENが印加されることによる大容量コンデンサ48の破損、ひいては、計時装置1の破損を防止することが可能となっている。
なお、図3中のダイオードは、逆流防止ダイオードであり、リミッタ回路LMのオン時に大容量コンデンサ48が短絡してしまうのを防止するものである。
また、リミッタ回路LMの他の実施態様としては、発電部Aと大容量コンデンサ48の結線をスイッチで切断する構成も考えられる。
【0022】
[2.3] 運針機構
次に運針機構CS、CHMについて説明する。
[2.3.1] 秒針運針機構
まず秒針運針機構CSについて説明する。
秒針運針機構CSに用いられているステッピングモータ10は、パルスモータ、ステッピングモータ、階動モータあるいはデジタルモータなどとも称され、デジタル制御装置のアクチュエータとして多用されている、パルス信号によって駆動されるモータである。近年、携帯に適した小型の電子装置あるいは情報機器用のアクチュエータとして小型、軽量化されたステッピングモータが多く採用されている。このような電子装置の代表的なものが電子時計、時間スイッチ、クロノグラフといった計時装置である。
本実施形態のステッピングモータ10は、秒針駆動部30Sから供給される駆動パルスによって磁力を発生する駆動コイル11と、この駆動コイル11によって励磁されるステータ12と、さらに、ステータ12の内部において励磁される磁界により回転するロータ13を備えている。
【0023】
また、ステッピングモータ10は、ロータ13がディスク状の2極の永久磁石によって構成されたPM型(永久磁石回転型)で構成されている。
ステータ12には、駆動コイル11で発生した磁力によって異なった磁極がロータ13の回りのそれぞれの相(極)15および16に発生するように磁気飽和部17が設けられている。
また、ロータ13の回転方向を規定するために、ステータ12の内周の適当な位置には内ノッチ18が設けられており、コギングトルクを発生させてロータ13が適当な位置に停止するようにしている。
ステッピングモータ10のロータ13の回転は、かなを介してロータ13に噛合された秒中間車51及び秒車(秒指示車)52からなる輪列50によって秒針55に伝達され、秒表示がなされることとなる。
【0024】
[2.3.2] 時分運針機構
次に時分針運針機構CHMについて説明する。
時分運針機構CHMに用いられているステッピングモータ60は、ステッピングモータ10と同様の構成となっている。
本実施形態のステッピングモータ60は、時分駆動部30HMから供給される駆動パルスによって磁力を発生する駆動コイル61と、この駆動コイル61によって励磁されるステータ62と、さらに、ステータ62の内部において励磁される磁界により回転するロータ63を備えている。
また、ステッピングモータ60は、ロータ63がディスク状の2極の永久磁石によって構成されたPM型(永久磁石回転型)で構成されている。ステータ62には、駆動コイル61で発生した磁力によって異なった磁極がロータ63の回りのそれぞれの相(極)65および66に発生するように磁気飽和部67が設けられている。また、ロータ63の回転方向を規定するために、ステータ62の内周の適当な位置には内ノッチ68が設けられており、コギングトルクを発生させてロータ63が適当な位置に停止するようにしている。
【0025】
ステッピングモータ60のロータ63の回転は、かなを介してロータ63に噛合された四番車71、三番車72、二番車(分指示車)73、日の裏車74および筒車(時指示車)75からなる輪列70によって各針に伝達される。二番車73には分針76が接続され、さらに、筒車75には時針77が接続されている。ロータ63の回転に連動してこれらの各針によって時分が表示される。
さらに輪列70には、図示してはいないが、年月日(カレンダ)などの表示を行うための伝達系(例えば、日付表示を行う場合には、筒中間車、日回し中間車、日回し車、日車等)を接続することももちろん可能である。この場合においては、さらにカレンダ修正系輪列(例えば、第1カレンダ修正伝え車、第2カレンダ修正伝え車、カレンダ修正車、日車等)を設けることが可能である。
【0026】
[2.4] 秒針駆動部及び時分針駆動部
次に、秒針駆動部30S及び時分針駆動部30HMについて説明する。この場合において、秒針駆動部30S及び時分針駆動部30HMは同様の構成であるので、秒針駆動部30Sについてのみ説明する。
秒針駆動部30Sは、制御部23の制御下でステッピングモータ10に様々な駆動パルスを供給する。
秒針駆動部30Sは、直列に接続されたpチャンネルMOS33aとnチャンネルMOS32a、およびpチャンネルMOS33bとnチャンネルMOS32bによって構成されたブリッジ回路を備えている。
【0027】
また、秒針駆動部30Sは、pチャンネルMOS33aおよび33bとそれぞれ並列に接続された回転検出用抵抗35aおよび35bと、これらの抵抗35aおよび35bにチョッパパルスを供給するためのサンプリング用のpチャンネルMOS34aおよび34bを備えている。したがって、これらのMOS32a、32b、33a、33b、34aおよび34bの各ゲート電極に制御部23からそれぞれのタイミングで極性およびパルス幅の異なる制御パルスを印加することにより、駆動コイル11に極性の異なる駆動パルスを供給したり、あるいは、ロータ13の回転検出用および磁界検出用の誘起電圧を励起する検出用のパルスを供給することができるようになっている。
【0028】
[2.5] 制御部
次に、制御部23の構成について図2を参照しつつ説明する。
図2に、制御部23とその周辺構成の機能ブロック図を示す。
制御部23は、大別すると、パルス合成回路22と、モード設定部90と、時刻情報記憶部96と、駆動制御回路24と、を備えている。
まず、パルス合成回路22は、水晶振動子などの基準発振源21を用いて安定した周波数の基準パルスを発振する発振回路と、基準パルスを分周して得た分周パルスと基準パルスとを合成してパルス幅やタイミングの異なるパルス信号を発生する合成回路と、を備えて構成されている。
次に、モード設定部90は、発電状態検出部91、発電状態の検出のために用いる設定値を切り換える設定値切換部95、大容量コンデンサ48の充電電圧Vcを検出する電圧検出回路92と、発電状態に応じて時刻表示のモードを制御するとともに充電電圧に基づいて昇圧倍率を制御する中央制御回路93と、モードを記憶するモード記憶部94と、を備えて構成されている。
【0029】
この発電状態検出部91は、発電装置40の起電圧Vgenを設定電圧値Voと比較して発電が検出されたか否かを判断する第1の検出回路97と、設定電圧値Voよりもかなり小さな設定電圧値Vbas以上の起電圧Vgenが得られた発電継続時間Tgenを設定時間値Toと比較して発電が検出されたか否かを判断する第2の検出回路98とを備えており、第1および第2の検出回路97および98にいずれか一方の条件が満足すると、発電状態であると判断するようになっている。ここで、設定電圧値VoおよびVbasは、いずれもVdd(=GND)を基準としたときの負電圧であり、Vddからの電位差を示している。 ここで、設定電圧値Voおよび設定時間値Toは、設定値切換部95によって切換制御できるになっている。設定値切換部95は、表示モードから節電モードに切り換わると、発電検出回路91の第1および第2の検出回路97および98の設定値VoおよびToの値を変更する。本例においては、表示モードの設定値VaおよびTaとして、節電モードの設定値VbおよびTbよりも低い値がセットされるようになっている。したがって、節電モードから表示モードへ切り換えるためには、大きな発電が必要とされる。ここで、その発電の程度は、計時装置1を通常携帯して得られる程度では足らず、ユーザが手振りによって強制的に充電する際に生じる大きなものである必要がある。換言すれば、節電モードの設定値VbおよびTbは手振りによる強制充電を検出できるように設定されている。
【0030】
また、中央制御回路93は、第1および第2の検出回路97および98で発電が検出されない非発電時間Tnを計測する非発電時間計測回路99を備えており、非発電時間Tnが所定の設定時間以上継続すると表示モードから節電モードに移行するようになっている。
一方、節電モードから表示モードへの移行は、発電状態検出部91によって、発電部Aが発電状態にあることが検出され、かつ、大容量コンデンサ48の充電電圧VCが十分であるという条件が整うと実行される。
この場合において、節電モードへ移行している状態で、リミッタ回路LMが動作し、オン(閉)状態となっていると、発電部Aは短絡状態となり、発電状態検出部91は、発電部Aが発電状態にあってもそれを検出することができなくなってしまい、節電モードから表示モードへ移行することができなくなってしまうこととなる。
【0031】
そこで、本実施形態においては、動作モードが節電モードにある場合には、発電部Aの発電状態に拘わらず、リミッタ回路LMをオフ(開)状態として、発電状態検出部91は、発電部Aの発電状態を確実に検出することができるようにしている。
また、本実施形態の電源部Bは昇降圧回路49を備えているため、充電電圧VCがある程度低い状態でも昇降圧回路49を用いて電源電圧を昇圧することにより、運針機構CS、CHMを駆動することが可能である。
また、逆に充電電圧VCがある程度高く、運針機構CS、CHMの駆動電圧よりも高い状態でも昇降圧回路49を用いて電源電圧を降圧することにより、運針機構CS、CHMを駆動することが可能である。
そこで、中央制御回路93は、充電電圧VCに基づいて昇降圧倍率を決定し、昇降圧回路49を制御している。
しかし、充電電圧VCがあまりに低いと、昇圧しても運針機構CS、CHMを動作させることができる電源電圧を得ることができない。そのような場合に、節電モードから表示モードに移行すると、正確な時刻表示を行うことができず、また、無駄な電力を消費してしまうことになる。
【0032】
そこで、本実施形態においては、充電電圧VCを予め定められた設定電圧値Vcと比較することにより、充電電圧VCが十分であるか否かを判断し、これを節電モードから表示モードへ移行するための一条件としている。
さらに中央制御回路93は、ユーザにより外部入力装置100が操作された場合に、予め定めた強制的な節電モードへの移行の指示動作が所定時間内に行われたか否かを監視するための節電モードカウンタ101と、常時サイクリックにカウントを継続するとともに、カウント値=0の秒針位置が予め定めた所定の節電モード表示位置(例えば、1時の位置)に相当する秒針位置カウンタ102と、を備えて構成されている。
こうして設定されたモードは、モード記憶部94に記憶され、その情報が駆動制御回路24、時刻情報記憶部96および設定値切換部95に供給されている。駆動制御回路24においては、表示モードから節電モードに切り換わると、秒針駆動部30S及び時分針駆動部30HMに対しパルス信号を供給するのを停止し、秒針駆動部30S及び時分針駆動部30HMの動作を停止させる。これにより、モータ10は回転しなくなり、時刻表示は停止する。
【0033】
次に、時刻情報記憶部96は、より具体的にはアップダウンカウンタで構成されており(図示せず)、表示モードから節電モードに切り換わると、パルス合成回路22によって生成された基準信号を受けて時間計測を開始してカウント値をアップし(アップカウント)、節電モードの継続時間がカウント値として計測されることになる。
また、節電モードから表示モードに切り換わると、前記アップダウンカウンタのカウント値をダウンし(ダウンカウント)、ダウンカウント中は、駆動制御回路24から秒針駆動部30S及び時分針駆動部30HMに供給される早送りパルスを出力する。
そして、アップダウンカウンタのカウント値が零、すなわち、節電モードの継続時間および早送り運針中の経過時間に相当する早送り運針時間が経過すると、早送りパルスの送出を停止するための制御信号を生成し、これを秒針駆動部30S及び時分針駆動部30HMに供給している。
この結果、時刻表示は現在時刻に復帰されることとなる。
【0034】
このように時刻情報記憶部96は、再表示された時刻表示を現在時刻に復帰させる機能も備えている。
次に、駆動制御回路24は、パルス合成回路22から出力される各種のパルスに基づいて、モードに応じた駆動パルスを生成する。まず、節電モードにあっては、駆動パルスの供給を停止する。次に、節電モードから表示モードへの切換が行われた直後には、再表示された時刻表示を現時刻に復帰させるために、パルス間隔が短い早送りパルスを駆動パルスとして秒針駆動部30S及び時分針駆動部30HMに供給する。
次に、早送りパルスの供給が終了した後には、通常のパルス間隔の駆動パルスを秒針駆動部30S及び時分針駆動部30HMに供給する。
【0035】
[3] 実施形態の動作
図4に実施形態の計時装置における動作フローチャートを示す。
まず、制御回路23は、節電動作モード中であるか否かを判別する(ステップS1)。
ステップS1の判別において節電動作モード中である場合には(ステップS1;Yes)、後述するステップS8の処理に移行する。
ステップS1の判別において節電動作モード中ではない、すなわち、通常動作モードである表示モード中である場合には(ステップS1;No)、中央制御回路93は、発電状態検出装置91の検出信号に基づいて、起電力があるか否か、すなわち、発電装置40が発電しているか否かを判別する(ステップS2)。
ステップS2の判別において起電力があると判別した場合には(ステップS2;Yes)、処理をステップS15に移行し、時刻表示を継続し(ステップS10)、再びステップS1に処理を移行する。
ステップS3の判別において起電力がない、すなわち、発電をしていないと判別した場合には(ステップS3;No)、中央制御回路93の非発電時間計測回路99は、非発電時間Tnのカウントアップを行う(ステップS3)。
【0036】
そして中央制御回路93は、非発電時間Tnが所定の設定時間を越えて継続しているか否かを判別する(ステップS4)。
ステップS4の判別において、非発電時間Tnが所定の設定時間を越えて継続していない場合には(ステップS4;No)、処理を再びステップS2に移行し、ステップS2からステップS4の処理を繰り返す。
ステップS4の判別において、非発電時間Tnが所定の設定時間を越えて継続している場合には(ステップS4;Yes)、常時サイクリックにカウントを継続している秒針位置カウンタ102のカウントアップを行い(ステップS5)、秒針位置カウンタ102の値が「0」、すなわち、秒針が予め定めた所定の節電モード表示位置(例えば、1時の位置)に至ったか否かを判別する(ステップS6)。
【0037】
ステップS6の判別において、秒針位置カウンタ102の値が「0」ではない、すなわち、秒針が予め定めた所定の節電モード表示位置(例えば、1時の位置)に至っていない場合には(ステップS6;No)、処理を再びステップS5に移行し、秒針位置カウンタ102のカウントアップを継続する。
ステップS6の判別において、秒針位置カウンタ102の値が「0」、すなわち、秒針が予め定めた所定の節電モード表示位置に至った場合には、当該位置で秒針を停止するとともに、時刻表示を停止して節電モードに移行する(ステップS6)。この結果、ユーザは、秒針が節電モード表示位置で停止していることを確認することにより、計時装置1が節電モードにあることを容易に把握することが出来る。
【0038】
次にモード記憶部94からの節電モード制御信号が“H”レベルとなることにより、リミッタ回路LMをオフ(開)状態として、発電状態検出部91が、発電部Aの発電状態を確実に検出することができるようにしている。
続いて中央制御回路93は、昇降圧回路49を制御し、昇圧制御を停止させる(ステップS9)。
ここで、節電モード時に昇圧制御を停止する理由について説明する。
一般に限られたエネルギーで計時装置の動作電圧領域を長期間確保するために、電源装置においては、昇降圧回路49を制御して昇圧制御を行う必要がある。表示モードにおいては、電源電圧が低下して、運針を行うための駆動電圧が所定の駆動電圧を下回ると、昇圧制御を行って駆動電圧を上昇させ、運針を継続させることとなる。
一方、節電モードにおいては、後述する時刻復帰処理(ステップS14)を行うために、時刻復帰可能電圧を下回る電圧レベルでは、少しでもエネルギー消費を抑えて節電モードから表示モードに移行した際に素早く時刻復帰処理を行うことが可能な電圧状態になるまで、充電を行えるようにしなければならない。
そこで、本実施形態では、節電モード時に昇圧制御を停止するように構成しているのである。
【0039】
次に時刻情報記憶部96は、後述する時刻復帰処理(ステップS14)を行うための節電モードにおける経過時間に対応する時刻情報のカウントアップを行い(ステップS10)、ユーザが当該計時装置1の動作モードを時刻修正モードに移行させるべく外部入力装置(リュウズ及び位置検出装置)の操作を行ったか否かを判別する(ステップS11)。
ステップS11の判別において、時刻修正モードに移行させるべく外部入力装置100の操作を行っていない場合には(ステップS11;No)、発電装置40が表示モードへ移行するか否かを判別するための所定の起電力以上の起電力で発電を行っているか否かを判別する(ステップS12)。
ステップS12の判別において、発電装置40が表示モードへ移行するか否かを判別するための所定の起電力以上の起電力で発電を行っていない、すなわち、節電モードを継続すべき場合には、処理を再びステップS10に移行して節電モードにおける経過時間に対応する時刻情報のカウントアップを継続する。
【0040】
ステップS12の判別において、発電装置40が表示モードへ移行するか否かを判別するための所定の起電力以上の起電力で発電を行っている、すなわち、表示モードへ移行すべき場合には(ステップS12;Yes)、リミッタ回路LMの制御を再開し(ステップS13)、動作モードを節電モードから表示モードに移行して、時刻を時刻情報記憶部96のカウント値に基づいて復帰する時刻復帰処理を行う(ステップS14)。
そして、時刻表示を継続し(ステップS15)、再び処理をステップS1に移行して、同様の処理を繰り返すこととなる。
ステップS11の判別において、時刻修正モードに移行させるべく外部入力装置100の操作を行っている場合には(ステップS11;Yes)、時刻情報記憶部96のカウント値をリセットする(ステップS16)。
そして、ユーザの外部入力装置の操作により時刻修正モードが解除されると、処理を再び、ステップS10に移行して、時刻復帰処理(ステップS14)を行うための節電モードにおける経過時間に対応する時刻情報のカウントアップを行い、節電モードが解除されるまで、同様の処理を繰り返すこととなる。
【0041】
[4] 実施形態の効果
以上の説明のように、本実施形態の計時装置1によれば、動作モードを節電モードに移行させた場合には、リミッタ回路LMをオフ(開)状態として、発電状態検出部91が、発電部Aの発電状態を確実に検出することができるようにしているため、節電モードへ移行している際に発電装置が短絡状態とされて、発電状態を検出できない状態となることがなく、確実に通常動作モードへ移行させることができる
【0042】
[5]実施形態の変形例
[5.1] 第1変形例
上記実施形態においては、ステップモータ10及びステップモータ60を用いてアナログ指針を駆動し、時刻表示を行う計時装置を例に説明しているが、LCDなどで時刻表示を行うディジタル計時装置に対しても適用できることはもちろんである。
【0043】
[5.2] 第2変形例
上記実施形態においては、節電モードに移行するに際し、2つのステップモータ10,60を同時に駆動停止する場合について説明したが、節電モードを複数段階設定し、第1段階の節電モードでは、秒針に対応するステップモータ10のみを停止し、第2段階の節電モードでは、さらに時分針に対応するステップモータ60を停止するように構成することも可能である。
【0044】
[5.3] 第3変形例
上記実施形態においては、2つのモータで時分および秒を表示する計時装置を例に説明しているが、時分および秒を一つのモータを用いて時刻表示する計時装置についても本発明の適用が可能である。
逆に3個以上のモータ(秒針、分針、時針、カレンダ、クロノグラフなどを個別に制御するモータ)を有する計時装置についても本発明の適用が可能である。
【0045】
[5.4] 第4変形例
上記実施形態では、発電装置40として、回転錘45の回転運動をロータ43に伝達し、該ロータ43の回転により出力用コイル44に起電力Vgenを発生させる電磁発電装置を採用しているが、本発明はこれに限定されることなく、例えば、ゼンマイの復元力(第1のエネルギーに相当)により回転運動を生じさせ、該回転運動で起電力を発生させる発電装置や、外部あるいは自励による振動または変位(第1のエネルギーに相当)を圧電体に加えることにより、圧電効果によって電力を発生させる発電装置であってもよい。
【0046】
さらに太陽光等の光エネルギー(第1のエネルギーに相当)を利用した光電変換により電力を発生させる発電装置であっても良い。
さらにまた、ある部位と他の部位との温度差(熱エネルギー;第1のエネルギーに相当)による熱発電により電力を発生させる発電装置であっても良い。
また、放送、通信電波などの浮遊電磁波を受信し、そのエネルギー(第1のエネルギーに相当)を利用した電磁誘導型発電装置を用いるように構成することも可能である。
【0047】
[5.5] 第5変形例
上記実施形態では、腕時計型の計時装置1を一例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、腕時計以外にも、懐中時計などであってもよい。また、電卓、携帯電話、携帯用パーソナルコンピュータ、電子手帳、携帯ラジオ、携帯型VTRなどの電子機器に適応することもできる。
【0048】
[5.6] 第6変形例
上記実施形態においては、基準電位(GND)をVdd(高電位側)に設定したが、基準電位(GND)をVss(低電位側)に設定してもよいことは勿論である。この場合には、設定電圧値VoおよびVbasは、Vssを基準として、高電圧側に設定される検出レベルとの電位差を示すものとなる。
【0049】
[5.7] 第7変形例
上記実施形態においては、表示モードから節電モードへは自動的に移行していたが、ユーザが外部入力装置を操作することにより、例えば、リュウズに対し特定の操作を行ったことを検出して、強制的に節電モードへ移行させた際にも、リミッタ回路の動作を禁止するようにし、逆に強制的に通常動作モードに移行した場合に、リミッタ回路の動作を再開させるように構成することも可能である。
【0050】
[6]実施形態の詳細構成例
図5を参照して、図2に示すモード記憶部94の周辺回路の詳細構成の一具体例について説明する。図5において、図2に示すものに対応する構成には同一の符号を付している。
図5に示すモード記憶部94は、2個のSRフリップフロップ回路941,942と、各SRフリップフロップ回路941,942の出力を入力信号とする2入力NOR回路943と、を備えて構成されている。
SRフリップフロップ回路941は、2個のNOR回路941a,941bを交差接続することで構成されており、NOR回路941aの出力を正論理出力Qとした場合に、NOR回路941aの入力信号がリセット信号Rに、NOR回路941bの入力信号がセット信号Sになる。
SRフリップフロップ回路942は、2個のNOR回路942a,942bを交差接続することで構成されており、NOR回路942aの出力を正論理出力Qとした場合に、NOR回路942aの入力信号がリセット信号Rに、NOR回路942bの入力信号がセット信号Sになる。
【0051】
ここで、SRフリップフロップ回路941の出力Qが現時刻復帰制御信号(“H”で現時刻復帰モード)となり、SRフリップフロップ回路942の出力Qが通常動作モード制御信号(“H”で通常動作モード)となり、そして、NOR回路943の出力が節電モード制御信号(“H”レベルで節電モード)となる。このNOR回路943から出力される節電モード制御信号は、リミッタ回路LMへ入力され、節電モード制御信号が“H”レベルのときリミッタ回路LMがオフ(短絡節点が開)状態に制御される。
時刻情報記憶部96は、図2を参照して説明したように、節電モードの継続時間をアップダウンカウンタのカウント値として計測するとともに、節電モードから通常動作モードに切り換わったときにカウント値をダウンカウントする。時刻情報記憶部96には、NOR回路943から出力される節電モード制御信号が入力されている。さらに図5に示す時刻情報記憶部96からは、カウンタにカウント値(時刻情報)が記憶されているときに“L”レベルになる出力信号O1が出力される。この信号O1は、SRフリップフロップ回路941へリセット信号Rとして入力されるとともに、SRフリップフロップ回路942へセット信号Sとして入力される。
【0052】
携帯検出部201は、発電部Aの起電力Vgenを入力信号として、起電力Vgenの値とその時間変化の状態に基づいて、一致の条件が満たされたときに、計時装置1が携帯された状態であるとして、出力信号O2を“H”レベルにする。携帯検出部201には、発電状態検出部91を用いることができる。あるいは、発電状態検出部91とは別体で、加速度センサ、接触センサ等の携帯状態を検出可能な携帯検出センサを用いるように構成することも可能である。
携帯検出部201の出力信号O2は2入力AND回路202の一方の入力端子に入力される。AND回路202の他方の入力端子にはNOR回路943から出力される節電モード制御信号が入力される。AND回路202の出力信号は、RSフリップフロップ回路941にセット信号Sとして入力される。非発電時間計測回路99は、図2を参照して説明したように発電状態検出部91による発電状態の検出結果に基づいて非発電時間Tnが所定の設定時間以上継続したときに“H”レベルになる出力信号O3を出力する。図5に示す構成では、さらに非発電時間計測回路99に節電モード制御信号と初期化信号が入力されるようになっていて、節電モード時および初期化時に時間計測値が初期化される。この初期化信号は、内部の各回路を初期化するための信号であり、外部からの入力や、内部回路の状態に応じて、所定の条件で所定の時間幅を有して発生される。初期化信号は、非発電時間計測回路99の他、RSフリップフロップ回路941にリセット信号Rとして入力されるとともに、RSフリップフロップ回路942にセット信号Sとして入力される。また、強制PS(パワーセーブ)信号は、外部入力装置100に対して強制的に節電モードに移行させるための指示操作が行われた場合に発生される信号であり、RSフリップフロップ回路942にリセット信号Rとして入力される。
【0053】
以上の構成において、
(1) 初期状態では、所定の時間幅を有する初期化信号パルスが入力されて、モード記憶部94は、通常動作モード(RSフリップフロップ回路941がリセット状態、RSフリップフロップ回路942がセット状態)に設定され、通常動作モード制御信号が“H”レベル、現時刻復帰制御信号が“L”レベル、節電モード制御信号が“L”レベルとなり、動作モードは通常動作モードとなる。
(2) 非発電状態が継続して非発電時間計測回路99の出力O3が“H”レベルになる場合、または強制PS信号(リュウズなどにより強制的に節電モードへの移行が指示された場合に出力される強制的な節電モード移行信号)が入力された場合、節電モード制御信号が“H”レベルとなり、節電モード(RSフリップフロップ回路941とRSフリップフロップ回路942がともにリセット状態)に移行する。
【0054】
(3) 節電モードにおいては、時刻情報記憶部96が節電時の経過時間をカウントする。このとき時刻情報記憶部96の出力信号O1は“L”レベルになる(時刻情報が記憶されている状態)。また、節電モードでは、リミッタ回路LMがオフされる。
(4) 節電モードにおいて携帯されたことが携帯検出部201によって検出されると、携帯検出部201の出力信号O2が“H”レベルになるので、現時刻復帰制御信号が“H”レベルになり(RSフリップフロップ回路941がセット状態、RSフリップフロップ回路942がリセット状態)、現時刻復帰動作が開始される。現時刻復帰は、時刻情報記憶部96のカウンタをダウンカウントしながら実行され、カウンタがゼロになると、時刻情報記憶部96の出力信号O1が“H”レベルとなり、動作モードが現時刻復帰モードから通常モードへ移行する(RSフリップフロップ回路941がリセット状態、RSフリップフロップ回路942がセット状態となる)。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、発電手段(発電装置)における発電電圧を検出し、発電手段の発電状態に基づいてあるいは操作手段の操作状態に基づいて、被駆動手段の動作モードを通常動作モードと節電モードとの間で相互に移行させることとなるが、被駆動ユニットの動作モードが節電モードにある場合にはリミッタの動作を禁止するので、節電モードにおいて、発電装置の発電状態を検出して確実に通常動作モードへ移行させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る計時装置の概略構成を示す図である。
【図2】同実施形態に係る制御部とその周辺構成の機能ブロック図である。
【図3】リミッタ回路の原理説明図である。
【図4】実施形態の動作フローチャートである。
【図5】図2の計時装置1におけるモード記憶部94の周辺回路の詳細を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…計時装置
23…制御回路
24…駆動制御回路
30S…秒針駆動部
30HM…時分針駆動部
40…発電装置
45…回転錘
48…高容量2次電源(大容量コンデンサ)
49…昇圧回路
90…モード設定部
91…発電状態検出部
93…中央制御回路
94…モード記憶部
95…設定値切換器
97…第1の検出回路
98…第2の検出回路
100…外部入力装置
101…節電モードカウンタ
A…発電部
B…電源部
LM…リミッタ回路
Claims (10)
- 携帯用の電子機器において、
第1のエネルギーを第2のエネルギーである電気エネルギーに変換することにより発電を行う発電手段と、
前記発電により得られた電気エネルギーを蓄える電源手段と、
前記電源手段から供給される電気エネルギーにより駆動される被駆動手段と、
前記発電手段における発電がなされているか否かを検出する発電検出手段と、
前記発電手段における発電電圧あるいは前記電源手段における蓄電電圧が予め定めた基準電圧を超過したか否かを検出する電圧検出手段と、
前記電圧検出手段の検出結果に基づいて、前記発電手段を電気的にショートすること、または前記発電手段と前記電源手段との間の接続を切り離すことにより、前記発電手段と前記電源手段との間を電気的に切り離すリミッタ手段と、
前記発電検出手段により前記発電手段において発電がなされていないことが検出された場合、前記被駆動手段の動作モードを節電モードに移行させ、発電がなされていることが検出された場合、前記被駆動手段の動作モードを通常動作モードに移行させる動作モード制御手段と、
前記被駆動手段の動作モードが前記節電モードにある場合に、前記リミッタ手段の動作を禁止するリミッタ制御手段と、
を備えたことを特徴とする電子機器。 - 請求項1記載の電子機器において、
前記被駆動手段は、時刻表示を行う時刻表示手段であることを特徴とする電子機器。 - 請求項2記載の電子機器において、
前記動作モード制御手段は、前記節電モード時には前記時刻表示手段における時刻表示動作を停止させ、前記節電モードから前記通常動作モードへ移行させるときには前記時刻表示手段に現時刻を表示させるとともに時刻表示動作を再開させる
ことを特徴とする電子機器。 - 請求項2または3記載の電子機器において、
前記時刻表示手段は、時刻のアナログ表示を行うアナログ指針と、
前記アナログ指針を駆動する指針駆動手段と、を備え、
前記動作モード制御手段は、前記節電モード時においては、前記指針駆動手段の動作を停止させる動作停止手段を備えた、
ことを特徴とする電子機器。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電子機器において、
前記リミッタ制御手段は、前記被駆動手段の動作モードが前記節電モードから通常動作モードに移行する際に前記リミッタ手段の動作禁止を解除する動作禁止解除手段を備えたことを特徴とする電子機器。 - 請求項1記載の電子機器において、
前記動作モード制御手段は、前記電圧検出手段の検出結果に基づいて前記動作モードを移行させることを特徴とする電子機器。 - 請求項1記載の電子機器において、
ユーザが各種操作を行うための操作手段を有し、
前記動作モード制御手段は、前記操作手段の操作状態に基づいて前記動作モードを移行させることを特徴とする電子機器。 - 第1のエネルギーを第2のエネルギーである電気エネルギーに変換することにより発電を行う発電ユニットと、発電された前記電気エネルギーを蓄える電源ユニット、前記電気エネルギーにより駆動される被駆動ユニット、及び前記発電ユニットを電気的にショートすること、または前記発電ユニットと前記電源ユニットとの間の接続を切り離すことにより、前記発電ユニットと前記電源ユニットとの間を電気的に切り離すリミッタユニットと、を有する携帯用の電子機器の制御方法において、
前記発電ユニットにおける発電がなされているか否かを検出する発電検出工程と、
前記発電ユニットにおける発電電圧あるいは前記電源ユニットにおける蓄電電圧が予め定めた基準電圧を超過したか否かを検出する電圧検出工程と、
前記発電検出工程により前記発電ユニットにおいて発電がなされていないことが検出された場合、前記被駆動ユニットの動作モードを前記節電モードに移行させ、発電がなされていることが検出された場合、前記被駆動ユニットの動作モードを通常動作モードに移行させる動作モード制御工程と、
前記被駆動ユニットの動作モードが前記節電モードにある場合に、前記リミッタユニットの動作を禁止するリミッタ制御工程と、
を備えたことを特徴とする電子機器の制御方法。 - 請求項8記載の電子機器の制御方法において、
前記被駆動ユニットは、時刻のアナログ表示を行うアナログ指針と、
前記アナログ指針を駆動する指針駆動ユニットと、を備えた時刻表示ユニットであり、
前記動作モード制御工程は、前記節電モード時においては、前記指針駆動手段の動作を停止させる動作停止工程を備えた、
ことを特徴とする電子機器の制御方法。 - 請求項8または請求項9記載の電子機器の制御方法において、
前記リミッタ制御工程は、前記被駆動ユニットの動作モードが前記節電モードから通常動作モードに移行する際に前記リミッタユニットの動作禁止を解除する動作禁止解除工程を備えたことを特徴とする電子機器の制御方法。
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