JP3601229B2 - 多孔性球状セルロース粒子 - Google Patents

多孔性球状セルロース粒子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の排除限界分子量、結晶化度を有し、真球度が0.9以上である均一な球状の形態を持った多孔性球状セルロース粒子に関する。本発明の多孔性球状セルロース粒子はクロマトグラフィー用分離剤、検査薬の担体、バイオリアクターの担体、治療用の吸着剤等に極めて好適に使用することができる。近年、化学、医学などの分野で利用されている液体クロマトグラフィーは急速に高性能化し、広範に使用されるようになっている。この液体クロマトグラフィーに用いられる充填剤の機能は細孔径に大きく依存している。例えばゲルクロマトグラフィーでは充填剤を充填したカラムに混合物溶液を流し、溶出する間に分子の大きさに従って篩い分ける原理で分離する。このため細孔の大きさにより分離できる物質が限定されることになり、アミノ酸等の低分子物質から蛋白質などの高分子物質までを分離精製対象にするためには多様な細孔径をもつ充填剤をそろえる必要がある。従って細孔径をコントロールする事が、その分画範囲と性能を決定する上で大きな要因となる。また、充填剤の粒径の均一性、真球度も分離の際の再現性等の性能に大きく影響する。
【0002】
【従来の技術】
セルロースを溶解−再生してゲルビーズとする方法として、酢酸エステルを経由する方法が特公昭55−39565号公報及び特公昭55−40618号公報に開示されており、チオシアン酸カルシウム塩を用いて溶液から造粒する方法が特公昭63−62252号公報に記載されている。また、パラホルムアルデヒド・ジメチルスルホキシド溶液から製造する方法が特公平2−22093号公報に開示されている。
細孔径がコントロールされた多孔性球状セルロース粒子の製造方法としては、セルロース粒子の製造時に▲1▼高級アルコールを希釈剤として添加する方法、▲2▼酸やアルカリを添加する方法、▲3▼結晶化度の異なるセルロースエステルを混合して製造する方法等があるが、▲1▼では希釈剤の洗浄や回収に多くの手間がかかり、また▲2▼では蛋白分子の大きさに対応する細孔径が得られず、▲3▼では特殊な原料を必要とし、非常にコスト高になるなどの問題点があった。
また、これらの方法とは別に、一定の細孔径を持つセルロース粒子を製造したのち、該セルロース粒子を架橋剤で架橋する事で立体的な空間を狭めて細孔径をコントロールしたセルロース粒子の製造法もあるが、この方法では安定した構造のセルロース粒子が架橋反応により破壊されるため、機械的強度が低下していくという問題点があった。
また、これらの造粒法で得られる多孔性球状セルロースには粒径にかなりの幅があり、実際に使用する粒径を得るには篩い分けが必要であるという問題、またポリマーくずや異形粒子が発生しやすく工業的に製造する場合、非常にロスが大きいという問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、このような問題点を解決するために鋭意検討した。その結果、特定の平均分子量のセルロースの特定量をチオシアン酸カルシウム水溶液に溶解した溶液(以下、R液という)を分散媒液(以下、D液という)中に滴下し、加熱しながら撹拌、造粒したのち、特定速度以上で冷却することにより、真球状で特定の結晶化度を有する多孔性セルロース粒子が狭い粒度分布をもって得られる事を見い出した。すなわち、本発明の目的は特殊な原料や添加物を使用せず、また架橋処理などの二次的な操作を行わずに製造される、一定のコントロールされた細孔径、すなわち、一定範囲の排除限界分子量を持ち、真球状で結晶化度が低く、粒度分布の狭い多孔性セルロース粒子を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記から構成される。
(1)平均分子量が1千〜10万である原料セルロースをチオシアン酸カルシウム水溶液に溶解させた溶解濃度が 3 重量 % 15 重量 % の溶液(以下、R液という)を、分散溶液(以下、D液という)にR液/D液の体積比が 0.5 以下となるように滴下し、撹拌、造粒したのち、冷却速度 0.5 ℃/分以上で該反応液を冷却させて製造された、ポリエチレンオキサイドによる排除限界分子量が50万〜500万で、X線回折法により求めた結晶化度が3〜15%、真球度が0.9以上であることを特徴とする多孔性球状セルロース粒子。
(2)ポリエチレンオキサイドによる排除限界分子量が80万〜300万である前記第1項記載の多孔性球状セルロース粒子。
(3)ポリエチレンオキサイドによる排除限界分子量が100万〜200万である前記第1項記載の多孔性球状セルロース粒子。
(4)結晶化度が6〜8%である前記第1項記載の多孔性球状セルロース粒子。
(5)R液/D液の体積比が 0.3 以下である前記第1〜4項のいずれか1項記載の多孔性球状セルロース粒子。
(6)D液がハロゲン化炭化水素化合物である前記第1〜5項のいずれか1項記載の多孔性球状セルロース粒子。
(7)ハロゲン化炭化水素化合物がジクロロエタンもしくはジクロロベンゼンである前記第6項記載の多孔性球状セルロース粒子。
(8)冷却速度が 2 ℃/分以上である前記第1〜7項のいずれか1項記載の多孔性球状セルロース粒子。
(9)多孔性球状セルロース粒子が、平均粒径が 50 2000 μmであり、 70 %以上が平均粒径の± 10% の粒径範囲である前記第1〜8項のいずれか1項記載の多孔性球状セルロース粒子。
(10)原料セルロースの平均分子量が 1 万〜 4 万である前記第1〜9項のいずれか1項記載の多孔性球状セルロース粒子。
【0005】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の多孔性球状セルロース粒子は、ポリエチレンオキサイドによる排除限界分子量が50〜500万の細孔径を有し、X線回折法により求めた結晶化度が3〜15%、真球度が0.9以上の多孔性球状セルロース粒子であり、該多孔性球状セルロース粒子は次のような製造方法で製造することができる。すなわち、原料セルロースをチオシアン酸カルシウム水溶液に溶解させた溶液の溶解濃度をある一定範囲に調節したセルロース溶液(以下、R液という)をジクロロベンゼン等の分散媒液(以下、D液という)に滴下し、撹拌、造粒したのち、冷却速度0.5℃/分以上で該反応液を冷却させる方法により本発明の多孔性球状セルロース粒子が得られる。
【0006】
本発明の多孔性球状セルロース粒子の原料セルロースとしては、結晶性セルロース粉末などセルロースを主成分とするものであり、また、チオシアン酸カルシウム水溶液に溶解したあとの溶液の取り扱いの容易さの点から、カドキセン法で求められた平均分子量が1千〜10万のセルロースが好ましく、1万〜4万のものがより好ましい。該原料セルロースを該チオシアン酸カルシウム水溶液に溶解させた溶液すなわちR液のセルロース濃度は3〜15重量%、好ましくは6〜10重量%である。該セルロース濃度が15重量%を大幅に越えると、溶液の粘度が高くなり、取り扱いが困難になり、該濃度が3重量%を大きく下回ると、溶液は低粘度で流動性は良くなるが、異形粒子が発生しやすくなる。
【0007】
原料セルロースの平均分子量とチオシアン酸カルシウム水溶液への溶解濃度を上記の範囲内に調節することにより、得られるセルロース粒子の細孔径を、ポリエチレンオキサイド(以下、PEOという)による排除限界分子量が50万〜500万にコントロールする事が可能になる。原料セルロースの分子量が大きいほど、得られる球状セルロースの細孔径は大きくなり、また溶解濃度が低いほど得られる多孔性球状セルロース粒子の細孔径が大きくなる傾向がある。この性質を利用すれば造粒に支障のないセルロース濃度の範囲内で任意の細孔径の球状セルロース粒子を調製することが可能である。本発明の製造方法では、PEOによる排除限界分子量が上述したように50万〜500万の範囲の粒子が得られる。
【0008】
本発明における排除限界分子量とは、ゲル濾過法においてゲルのもつ細孔に入り込めない分子のうち最小の分子の分子量である。この排除限界分子量の値は、測定に用いた試料分子の立体構造が大きく関与する。例えば、デキストランのように繊維状に伸びた分子を用いた場合と、球状蛋白質のように緻密な分子を用いた場合では排除限界点は異なってくるので、何を用いて測定した値かを明示しておく必要がある。本発明で使用した試料分子はPEOであり、これらの試料を用いて得られた本発明の多孔性球状セルロース粒子の排除限界分子量の値は50万〜500万である。
【0009】
チオシアン酸カルシウム水溶液に溶解させて得られた特定濃度のR液を分散法により球状に成形する。分散法により球状セルロースを得る方法としては、例えば、該R液を、界面活性剤を含むセルロース溶液の溶剤と相溶性の低いD液に加え、撹拌などの操作により乳化を行なう。本発明に用いる界面活性剤の性質としては、セルロース溶液を内油層O1とし、この界面活性剤を含むセルロース溶液の分散媒液を外油層O2とするO1/O2型乳化物を作るのに適する親水基、疎水基の割合を持った界面活性剤が好ましい。
乳化操作としては公知の分散法、例えば、プロペラ型撹拌機あるいはタービン型撹拌機などのミキサーによる方法、コロイドミル法、ホモジナイザー法、超音波照射法等が用いられる。この乳化操作により球状セルロースの粒子径を制御する事ができる。
【0010】
本発明に用いるD液としては、セルロース溶液すなわちR液と任意の割合で混合し、乳化作用を行なった際、該R液を内油層O1とし、該D液をO2とするO1/O2型乳化物を形成するものであれば特に限定されないが、好ましくは、ハロゲン化炭化水素類等が挙げられ、ジクロロエタン、ジクロロベンゼン等を例示できるが、ジクロロベンゼンが特に好ましい。
また、内油層O1と外油層O2の体積比(O1/O2)は乳化操作を行なった際にR液を内油層O1とするO1/O2型乳化物を形成する値であれば特に限定はされないが、この値が0.5以上になると異形粒子が発生しやすくなる。好ましくは0.3以下である。
本発明の造粒時における反応温度はセルロースの分解が生じない温度であれば特に限定されないが、好ましくは100℃〜130℃である。上記温度で撹拌時間を調節し、その後、急激に冷却することによりゲルの凝固を行う。この冷却時間が長くかかると異形粒子が発生したり、ゲルが着色したりする。好ましい冷却速度は0.5℃/分 以上である。さらに好ましくは2℃/分以上である。
上記のO1/O2比で反応後の冷却速度を速めることで、一定の撹拌速度で分散したR液が短時間で凝固し、均一な粒径をもつ真球に近い粒子になる。また、セルロースの再生も短時間で完了するため、結晶化の進行が押さえられ、結晶化度の低い粒子が得られる。結晶化度は冷却速度を調節することでコントロールできる。
【0011】
以上の製造方法により得られる多孔性球状セルロース粒子の結晶化度は3〜15%である。結晶化度が高すぎると、付加反応や架橋反応等の反応性が低くなる。しかし、結晶化度が低すぎるとゲルの立体的安定性を損なう恐れがある。好ましい結晶化度としては6〜8%である。
本発明でいう真球度とは、粒子の短径/長径を意味する。真球度が0.8より低いとクロマト剤として用いたとき、均一に充填することができず、再現性が低く、担体としての性能が悪くなる。本発明の多孔性球状セルロース粒子の真球度は0.9以上である。
また、得られた多孔性球状セルロースの粒径範囲は平均粒径の±10%のものが70%以上を占め、狭い粒径範囲のものが篩い分けなどの操作なしで高収率で得られる。
【0012】
ジクロロベンゼンのように水と相溶性の無い有機溶媒はR液を溶解しないので、D液としてこの溶液を用いた場合には、次の段階でセルロース塩を除去する必要がある。分散粒子からカルシウム塩を除去(脱塩)してセルロースをゲル状に再生させるためには、D液と混合し、かつカルシウム塩を溶解する溶媒(以下、脱塩溶媒という)を用いて洗浄する。該脱塩溶媒としては、低級アルコール例えばエタノール、特にメタノール、ケトン例えばアセトン、エステル例えば酢酸エチルエステル等が好ましい。これらの溶媒は単独でまたは2種以上の混合物として用いられ、水を含んでいてもよい。脱塩再生操作は、分散液をそのまま脱塩溶媒中に注いで静かに撹拌することにより行なう事ができるが、例えばデカンテーション、ろ過などにより分散溶媒の大部分を除去した後、脱塩溶媒を用いて洗浄してもよい。いずれの場合にも脱塩溶媒は分散溶媒と混合し、同時にゲル粒子からカルシウム塩を抽出するのでセルロース粒子として安定化される。有機溶媒、カルシウム塩及び場合により分散剤を充分に除去するため、最後によく水洗する事が好ましい。
【0013】
【実施例】
次に、本発明について実施例及び比較例を用いて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下の実施例で製造した多孔性球状セルロース粒子における(1)結晶化度、(2)真球度及び粒径、(3)原料セルロースの平均分子量の測定法(4)排除限界分子量の測定法は次の通りである。
【0014】
(1)結晶化度の測定法
微粉砕したセルロース粒子または再生セルロース0.2gをアルミホルダーに押し付け、X線回折の回折角度を5〜30°まで操作して測定する。図1に示すように結晶性セルロースにはA1,A2の結晶散乱ピークがある。これに対し非結晶部分はバックグラウンド散乱となりBの部分となる。
従って結晶化度は次式
(A1+A2)×100/(A1+A2+B) (%)で表される。
A1,A2,Bの面積は5゜および30゜の点1と2を直線で結び、更に18.5゜での散乱点3と1−3、2−3のように結んで求める。
【0015】
(2)真球度及び粒径の測定法
本発明によって得られた球状セルロースを顕微鏡観察し、図2に示すように、各粒子の長径(R1)及び短径(R2)を測定する。
真球度=R2/R1
粒径=(R1+R2)/2
粒子1000個について真球度及び粒径を求めその平均を平均真球度、平均粒径とした。
【0016】
(3)原料セルロースの平均分子量の測定法
粘度測定法を用いて原料セルロースの分子量を求めた。
○方法
▲1▼カドキセンの調整
1.エチレンジアミン(EDA)90gに蒸留水231.4gを0℃にて徐々に加える。
2.酸化カドミウム31.8gをEDA溶液に0℃に徐々に加える。(乳白色又は透明)
3.−15℃で一昼夜放置
4.上澄み液190mlにEDA12ml+H2O 31ml+NaOH 2.8gを0℃にて加える。
5.4〜6℃の暗所にて密栓保存
▲2▼粘度測定
1.カドキセン50mlにセルロース0.5gを6℃以下にて溶解する。
2.オストワルド粘度計により25℃で流下時間を測定した。濃度勾配は原液(1.で調製したもの)に対し、2倍、3倍希釈液を作って設定する。これらのプロットから極限粘度[η]を求める。
3.平均分子量 M を次式から求める。
[η]=KMa
ここで、K,aは光散乱法により求められた係数で、K=1.8×10−2、a=0.77を用いた。
【0017】
(4)排除限界分子量の測定法
本発明で得られたセルロース粒子の細孔は液体クロマトグラフィーによって排除限界分子量を測定して評価した。測定法を以下に示す。
○Kav:直径2.2 cmのカラムにゲルを高さ50cmに詰め、ブルーデキストラン、及び以下に示した各種分子量のPEO(ポリエチレンオキサイド)を添加し、流速100ml/hでゲル濾過クロマトグラフィーを行い溶出位置をRI検出器で求める。
Kavは次式で求められる。
Kav=(Ve−Vo)/(Vt−Vo)
ここでVeは各種PEOの溶出量(ml)、Voはセルロース粒子外の溶媒容量であり、粒子から完全に排除される高分子性物質であるブルーデキストランの溶出量(ml)として求める。Vtはゲルベッド容量であり、カラムの横断面積とゲル床の高さの式として求める。
○Kavグラフ:片対数グラフの対数目盛り側にPEOの分子量を、通常目盛り側にKavをプロットして得られたグラフ。
本発明における排除限界分子量は、プロットして得られたKav曲線の延長線上のX軸との接点部の分子量とした。
【0018】
<各種PEO>
1.PEO SE−70 (東ソー TSK 標準ポリエチレンオキサイド)分子量:57万
2.PEO SE−15 (東ソー TSK 同上 )分子量:16万
3.PEO SE−2 (東ソー TSK 同上 )分子量:2.1万
4.ブルーデキストラン(Blue Dextran 2000)(ファルマシア LKB ファインケミカル)
【0019】
実施例1
平均分子量が1万のセルロース粉末35.0gをチオシアン酸カルシウム水溶液0.5Lに加え、100℃に加熱して溶解した。得られた液を130℃に加熱したソルビタンモノオレート3.1gを含むO−ジクロロベンゼン2.5Lに滴下し、撹拌数200rpmで造粒した。その後冷却速度2.0℃/minで常温まで冷却し、1.8Lのメタノールを数回にわけて滴下して洗浄したのち、大量の水で洗浄し、多孔性球状セルロース420g(乾燥重量42g)を得た。その結果、平均真球度が0.96、排除限界分子量が240万、結晶化度が8%、粒径85〜100μm の粒子が71%得られた。
【0020】
実施例2〜6
原料セルロースの分子量とセルロース溶液濃度を後述の表1のように変える以外は実施例1に準拠して多孔性球状セルロース粒子の製造をおこない、得られた多孔性球状セルロース粒子について、上記排除限界分子量、結晶化度及び真球度の測定法に従い、排除限界分子量、結晶化度及び真球度を求めた。その結果を表1に示した。また、Kavグラフを図3に示した。
【0021】
比較例1
特公昭63−62252公報記載の方法に従って多孔性球状セルロースを製造した。すなわち、チオシアン酸カルシウム60重量%を含む水溶液100gにセルロース粉末(Whatman社製、CF−1タイプ)6gを加え、120℃に加熱し溶解した。得られた液をm−キシレン200gに分散させ130℃〜140℃に加熱し、次いで分散液を冷メタノール500ml中に注ぎ、粒子を得た。500mlのメタノールを数回に分けて、このセルロース粒子に注いで洗浄した後、大量の水で洗浄し、球状セルロース 48gを得た。
【0022】
実施例7
実施例1と比較例1で製造された多孔性球状セルロース粒子について、結晶化度、真球度、排除限界分子量、粒径範囲(粒径分布において70%を占める範囲)の比較を行った。その結果を表2に示した。
【0023】
【発明の効果】
本発明の多孔性球状セルロース粒子は真球度が高く、結晶化度が低くて反応性や安定性が高い多孔性球状セルロース粒子であり、しかも粒径分布がシャープであり、クロマト剤や医薬品基材として高性能の担体として好適に使用することができる。また、本発明においては、特殊な原料や添加物、二次的な操作を行うことなく一定のコントロールされた細孔径をもつ多孔性球状セルロース粒子を得ることができ、多様な物質の分離精製に対応できる。さらに、工業的に製造する場合も異形粒子、微粒子などのロスが非常に少ないので、篩い分けなどの工程を軽減でき、安定した生産ができる。
以上
【0024】
【表1】
Figure 0003601229
【0025】
【表2】
Figure 0003601229

【図面の簡単な説明】
【図1】セルロースのX線回折図。
【図2】真球度および粒径の測定の模式図。
【図3】実施例2〜6で製造した多孔性球状セルロース粒子のKav曲線を示した説明図。

Claims (10)

  1. 平均分子量が1千〜10万である原料セルロースをチオシアン酸カルシウム水溶液に溶解させた溶解濃度が 3 重量 % 15 重量 % の溶液(以下、R液という)を、分散溶液(以下、D液という)にR液/D液の体積比が 0.5 以下となるように滴下し、撹拌、造粒したのち、冷却速度 0.5 ℃/分以上で該反応液を冷却させて製造された、ポリエチレンオキサイドによる排除限界分子量が50万〜500万で、X線回折法により求めた結晶化度が3〜15%、真球度が0.9以上であることを特徴とする多孔性球状セルロース粒子。
  2. ポリエチレンオキサイドによる排除限界分子量が80万〜300万である請求項1記載の多孔性球状セルロース粒子。
  3. ポリエチレンオキサイドによる排除限界分子量が100万〜200万である請求項1記載の多孔性球状セルロース粒子。
  4. 結晶化度が6〜8%である請求項1記載の多孔性球状セルロース粒子。
  5. R液/D液の体積比が 0.3 以下である請求項1〜4のいずれか1項記載の多孔性球状セルロース粒子。
  6. D液がハロゲン化炭化水素化合物である請求項1〜5のいずれか1項記載の多孔性球状セルロース粒子。
  7. ハロゲン化炭化水素化合物がジクロロエタンもしくはジクロロベンゼンである請求項6記載の多孔性球状セルロース粒子。
  8. 冷却速度が 2 ℃/分以上である請求項1〜7のいずれか1項記載の多孔性球状セルロース粒子。
  9. 多孔性球状セルロース粒子が、平均粒径が 50 2000 μmであり、 70 %以上が平均粒径の± 10% の粒径範囲である請求項1〜8のいずれか1項記載の多孔性球状セルロース粒子。
  10. 原料セルロースの平均分子量が 1 万〜 4 万である請求項1〜9のいずれか1項記載の多孔性球状セルロース粒子。
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