JP3597795B2 - 使い捨てパンツ型おむつ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、パンツ型の使い捨ておむつに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、***物で汚れた使い捨ておむつを廃棄するときに、おむつを丸め、それが再び広がらないように粘着テープやゴム輪で止めることがある。その場合に、開放型のおむつは通常両側部に粘着性のテープファスナーを有するから、そのファスナーを粘着テープやゴム輪に代わる止着手段として利用することができる。一方、パンツ型のおむつにはそのような止着手段がないので、例えば実開平5−21935、同5−39531号公報に開示された技術に基づいて止着用のテープを予め取付けておくことがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記公報の技術は、いずれも粘着性の止着用のテープ片を胴周り開口部や脚周り開口部の近傍において表面シートや裏面シートに仮着することを教示している。しかるに、それら開口部は、その周縁に弾性部材を伸長状態で貼着し、ギャザー仕立てにすることが普通であるから、そのギャザーによって仮着したテープ片が幾重にも折曲されることがある。その結果、ときにはテープ片が自然に剥がれてしまい、露出したテープ片粘着面が使用前に汚れて用を果さなくなるという問題がある。また、仮着したテープ片を剥離するときに摘持するテープ片先端部がギャザーの中に埋もれて識別しにくくなり、いざというときにその先端部を見つけるのに手間どるという問題もある。さらにはまた、テープ片の剛性が表面シートや裏面シートのそれに比べて高いと、テープ片とその近傍にはギャザーを生じにくく、そこだけが際立って外観の妨げになったり、たといギャザーを生じたとしてもテープ片の周縁が角張って着用者の肌を刺激しかねないという問題がある。
【0004】
そこで、この発明においては、比較的剛性の高い吸液性コアの存在によってギャザーを生じることのない裏面シートの外面に、上下方向のいずれかに向かって剥離可能な粘着性の止着用テープ片を設けることにより前記従来技術の諸問題を一挙に解決することを課題にしている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明が前記課題を解決するために手段とするところは、以下のとおりである。
【0006】
この発明においては、透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸液性コアが介在し、胴周り方向と左右脚周り方向の各々に実質的に各々の周り方向に伸縮する弾性部材を有し、前記裏面シートの外面に上下方向に延びる粘着性テープ片を剥離可能に仮着するとともに、該テープ片の上下端部のいずれか一方を前記外面に固着してある使い捨てパンツ型おむつを前提にしている。
【0007】
かかる前提において、前記裏面シートの内面に胴周り方向に伸長した多数の弾性部材がほぼ平行に貼着してあり、前記粘着性テープ片が、長手方向に二つに折曲された状態で、前記弾性部材によってはギャザーを生じることのない平滑な前記裏面シートの外面に取り付けられていることがこの発明の特徴である。
【0008】
この発明の好ましい実施態様において、多数の前記弾性部材が前記おむつの胴周り開口部周縁から股下域の下端に至る丈の上から1/4以上の範囲にわたって前記裏面シートの内面に貼着してあり、前記粘着性テープ片が多数の前記弾性部材よりも下方に位置する、前記コアの領域上の平滑な前記裏面シートの外面に取り付けてある。また、この発明の実施態様の他の一つにおいて、おむつの胴周り方向の弾性部材が胴周り開口周縁に貼着した相対的に収縮力の強い弾性リボンと、前記開口周縁を除く前後身頃の少なくともいずれか一方に貼着した相対的に収縮力の弱い弾性リボンとからなる。
【0009】
このように構成した使い捨てパンツ型おむつは、弾性部材の存在によって胴周りや脚周りにギャザーを生じるが、粘着性テープ片は平滑な裏面シートの外面に取り付けられているからギャザーの影響を受けてそれ自体にギャザーを生じたりすることがない。
【0010】
【発明の実施の形態】
この発明に係る使い捨てパンツ型おむつの詳細を添付の図面を参照して説明すると、以下のとおりである。
【0011】
図1は、おむつ1をその後側(背側)から見た部分破断斜視図である。おむつ1は、不織布製の透液性表面シート2とプラスチックフィルム製の不透液性裏面シート3との間に吸液性コア4が介在してなり、胴周り開口部5と左右一対の脚周り開口部6とを有する。おむつ1の上下方向は、前後の身頃部分7a,7bと股下域8a,8bとからなり、前後の身頃部分7aと7bとは、左右の胴周り側部において合掌形式に合わせ、接合部19において剥離不能に固着してある。胴周り開口部5と脚周り開口部6の周縁部には、表裏面シート2,3の少なくともいずれか一方の内面に弾性リボン9,10が伸長状態で貼着してある。また、前後身頃7a,7bの少なくともいずれか一方には、開口部5周縁から股下域8a,8bの下端に至る丈の上から1/4以上の範囲にわたり、裏面シート3の内面に胴周り方向に伸長した多数の弾性リボン12がほぼ平行に貼着してある。この弾性リボン12は、胴周りを着用者に軽くフィットさせるためのもので、その1本ずつの収縮力は、弾性リボン10のそれよりも弱くしてある。吸液性コア4は、粉砕パルプや粉砕パルプと高吸水性ポリマーとの混合物を圧縮賦型したものであって、厚さ3〜20mmを有し、おむつ1を構成する部材の中にあって比較的剛性が高く、弾性リボン9,10,12の収縮力によっては殆ど変形することがない。かかるコア4の左右側縁は、股下域8a,8bにおいて左右の弾性リボン9の近傍に位置し、前後身頃7a,7bにおいては左右の接合部19からやや内側に離隔し、おむつ中心線C−C寄りに位置している。おむつ1の後側の股下域8bの中心線C−C上には、その上下方向に延びる粘着テープ15が取付けてある。おむつ1が自然状態にあるときには、弾性リボン9,10,12が収縮することにより、各開口部5,6近傍や前後身頃7a,7bに多数のギャザーが生じているが、剛性の高いコア4で満たされた股下域8a,8bとその近傍には殆どギャザーがなく、そこでの裏面シート3は平滑である。
【0012】
図2は、図1の中心線C−Cに沿う要部断面図であって、粘着性テープ片15の詳細を示す。テープ片15は、幅が5〜30mmの一条のプラスチックフィルム製または不織布製テープ基材を折曲線Aで長手方向に二つに折曲し、上下に合わせたものであって、折曲線Aが股下域8bの下端寄りに位置している。折曲して下側となった部分16は、長さ10〜60mmを有し、粘着剤17により裏面シート3の外面に固着し、容易に剥離することがないようにしてある。上側となった部分18は、両端AD間の寸法が下側部分16よりも長く、AD間を構成するAB間3〜10mmには粘着剤20が塗布してあって、下側部分16の内面に強く固着して容易に剥離することがない。BC間10〜60mmには粘着剤21が塗布してあって、下側部分16の内面に対し、またその内面からおむつ1の上方へ延出する部分が裏面シート3の外面に対し、いずれも剥離可能に仮着してある。上端部のCD間5〜20mmは、粘着剤の塗布がない摘持域である。テープ片15は、摘持域CDを持って矢印Y方向、すなわちおむつ1の下方向へ引張ると、BC間が剥離して粘着剤21が露出する。粘着剤17と20の粘着力は、粘着剤21のそれよりもはるかに強くしてあり、テープ片15の剥離はBで止まり、Aの方向へそれ以上進むことがない。
【0013】
図3は、***物で汚れたおむつ1を上下方向で二つに折曲して重ね合わせ、テープ片15で止着した状態を示すおむつ1の模式的側面図である。図のように、テープ片15の再貼着可能な粘着部分であるBC間でおむつ1の折り返した部分を止めておくと、汚れたおむつ1は広がることがない。なお、止着したテープ片15は、粘着剤20と21の境界線Bにおいて下側部分16の内面から90°またはそれ以上の開角αになることが時としてあり、その場合には、境界線Bで粘着剤20に強い剥離力が作用する。しかし、粘着剤20は、その力に耐え得る強い粘着力を有するから、AB間は剥がれることがない。また、AB間がこのように作用すると、テープ片15と裏面シート3との境界である折曲線Aの部分からテープ片15を矢印X方向へ剥離させる力が作用し難いから、たとい接着剤17の粘着力が多少弱くても、テープ片15がおむつ1から剥がれてしまうというトラブルも生じない。
【0014】
この発明に係るおむつ1では、テープ片15のBC間を除くその他部分では、材料どうしを粘着、固着するのに粘着剤に代えて接着剤を使用したり、材料を熱融着する技術を利用したりすることができる。テープ片15は、その剥離方向を図示例とは反対にパンツの上に向けることができ、また、その取付け位置をおむつ1の後側に代えて前(腹)側にすることができる。さらにはまた、テープ片15は、一条のテープ基材を二つに折曲することなく使用し、その一端部を固着し、残余の部分を剥離可能に仮着してもよい。裏面シート3は、プラスチックフィルムを伸縮性のものにしたり、プラスチックフィルムの外面に不織布をラミネートして布様の肌触りのものにしたりすることができる。後者の場合、粘着性テープ片15は不織布の外面に取付ける。
【0015】
【発明の効果】
この発明に係る使い捨てパンツ型おむつにおいては、止着用のテープ片を胴周り弾性部材や脚周り弾性部材によってギャザーを生じることのない平滑な裏面シートの外面に取り付けたから、おむつをギャザー仕立てにした場合でもテープはそのギャザーの影響を受けることがなく、使用する以前に自然に剥がれたり、剥がすときに摘持部を見つけにくいといった問題が解消する。
【図面の簡単な説明】
【図1】使い捨てパンツ型おむつを後側から見たときの部分破断斜視図。
【図2】図1のC−C線要部断面図。
【図3】二つに折曲して止着したおむつの模式的側面図。
【符号の説明】
1 使い捨てパンツ型おむつ
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸液性コア
5 胴周り開口
9 弾性部材(弾性リボン)
10 弾性部材(弾性リボン)
12 弾性部材(弾性リボン)
15 粘着性テープ片
21 粘着剤

Claims (3)

  1. 透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸液性コアが介在し、胴周り方向と左右脚周り方向の各々に実質的に各々の周り方向に伸縮する弾性部材を有し、前記裏面シートの外面に上下方向に延びる粘着性テープ片を剥離可能に仮着するとともに、該テープ片の上下端部のいずれか一方を前記外面に固着してある使い捨てパンツ型おむつにおいて、
    前記裏面シートの内面に胴周り方向に伸長した多数の弾性部材がほぼ平行に貼着してあり、
    前記粘着性テープ片が、長手方向に二つに折曲された状態で、前記弾性部材によってはギャザーを生じることのない平滑な前記裏面シートの外面に取り付けられていることを特徴とする前記おむつ。
  2. 多数の前記弾性部材が前記おむつの胴周り開口部周縁から股下域の下端に至る丈の上から1/4以上の範囲にわたって前記裏面シートの内面に貼着してあり、前記粘着性テープ片が多数の前記弾性部材よりも下方に位置する、前記コアの領域上の平滑な前記裏面シートの外面に取り付けてある請求項1記載のおむつ。
  3. 前記おむつの胴周り方向の弾性部材が胴周り開口周縁に貼着した相対的に収縮力の強い弾性リボンと、前記開口周縁を除く前後身頃の少なくともいずれか一方に貼着した相対的に収縮力の弱い弾性リボンとからなる請求項1または2記載のおむつ。
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