JP3593899B2 - 電子機器およびその制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、計時装置などのステッピングモータを備えた電子機器およびその制御方法に関し、特に、ステッピングモータを早送り可能な電子機器およびその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ステッピングモータは、パルスモータ、ステッピングモータ、階動モータあるいはデジタルモータなどとも称され、デジタル制御装置のアクチュエータとして多用されているパルス信号によって駆動されるモータである。近年、携帯に適した小型の電子機器が開発されており、これらのアクチュエータとして小型、軽量化されたステッピングモータが多く採用されている。このような電子装置の代表的なものが電子時計、時間スイッチ、クロノグラフといった計時装置である。
【0003】
この計時装置などに用いられるステッピングモータ10は、図7に示すように2極磁化された円盤状のロータ13の外側がノッチ状に凹んだ磁気飽和部17を介して連結された一体型のステータ12の内部で回転するようになっている。そして、1Hzなどの適当な周波数の駆動パルスによってロータ13が順次回転し、その駆動力により運針できるようになっている。運針ミスをなくすためには、ロータ13が駆動パルスによって正常に回転したか否かを確認することが重要であり、そのために図8に示すような駆動用コイルにロータ13の回転によって逆誘起された電流あるいは電圧を検出している。
【0004】
この図に示すように、ロータ13の回転に起因して逆誘起された電流(逆誘起電流)は、安定位置から略90度の位置を通過するときに駆動パルスDPと逆極側の第1のピークPM1が表れる。さらに、ロータ13が移動すると、逆誘起電流が0となる位置Aを過ぎて、移動先(逆極側)である180度回転した逆極側の安定位置Bを通過するときに駆動パルスDPと同極側の大きな第1のピークPP1が表れる。その後、ロータ13が安定して停止するまでの揺れ(振動)に伴って第2のピークPM2およびPP2などが発生する。
【0005】
第1のピークPM1あるいはPP1は、強度は高いが駆動パルスDPの過渡電流TWなどの影響があるので、駆動パルスDPと第1のピークPM1あるいはPP1を時間的に分離することが難しい。このために、従来の通常運針時においては強度は低いが分離の容易な第2のピークPM2あるいはPP2が回転検出に用いられており、強度を上げるためにチョッパパルスによってチョッパ増幅するなどの方法が採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年、腕時計装置などの計時装置には様々な機能が盛り込まれるようになっており、その1つとしてステッピングモータを通常運針時よりも高速で動かして、自動的に、あるいはマニュアルで時刻合わせを行う機能がある。ステッピングモータを高速で動かす早送りを行う際は、通常の駆動パルスよりも間隔(周期)の短い早送り用の駆動パルスを供給する必要がある。さらに、時刻合わせを行うためには早送り中も運針ミス、すなわち、ロータの回転ミスはないように駆動する必要がある。このためには、できるだけ早いタイミングでロータ13の回転を検出し、その検出タイミングによりロータの動きに合わせて早送り用の駆動パルスを供給する必要がある。したがって、第1のピークPM1、PP1あるいはこれらに関連する現象、例えば、逆誘起電流の極性が反転する現象を捉えて検出タイミングを得ることが考えられている。
【0007】
しかしながら、図8に示したように、早いタイミングでロータ13が回転した現象を捉えようとするために、過渡電流あるいはサンプリングのタイミングのずれなどがあると回転した現象を捉えることができず、検出タイミングが得られないことがある。このような場合、早送りを継続するためには、適当なタイミングで極性の異なる早送り用の駆動パルスを続けて供給することが必要である。しかし、通常の運針時のように1Hzといった決まったタイミングで駆動パルスが出力される場合と異なり、早送りされているロータ13の回転に合致したタイミングを判断することができない。したがって、ロータの位置が検出されないと、適当なタイミングで早送り駆動パルスを供給できず、ロータの回転に対しブレーキになったり、さらには、次々と早送り用の駆動パルスのタイミングがずれてしまう可能性がある。さらに、いったん駆動パルスのタイミングがずれるとその後のタイミングもずれ易く、安定して早送りを行うことが難しくなる。
【0008】
そこで、本発明においては、ロータの回転位置に基づき駆動パルスを出力して駆動する際にロータの位置が得られない場合があっても、ロータの回転に適したタイミングで早送り用の駆動パルスを供給することができる電子装置およびその制御方法を提供することを目的としている。そして、ステッピングモータを高速で安定して早送りできる電子機器およびその制御方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明のステッピングモータを備えた電子機器においては、駆動パルスの電源電圧がロータの回転速度およびその加速度に与える影響に着目し、駆動パルスの電源電圧の高低を制御要素に加えるようにしている。すなわち、本発明の電子機器は、駆動用コイルを備えたステータ内で多極磁化されたロータを回転駆動可能なステッピングモータと、駆動用コイルに対し前記ロータを駆動可能な駆動パルスを供給する駆動制御手段と、駆動パルスの電源となる電力供給手段とを有し、駆動制御手段は、駆動パルスの電源電圧に基づき駆動パルスのタイミングを変更可能であることを前提としている。また、本発明の、駆動用コイルを備えたステータ内で多極磁化されたロータを回転駆動可能なステッピングモータを有する電子機器の制御方法においては、駆動用コイルに対しロータを駆動するための駆動パルスを供給する際に、駆動パルスの電源電圧に基づき駆動パルスのタイミングを変更する駆動工程を設けることを前提としている。
【0010】
駆動パルスの電源電圧が高いと早送り用の駆動パルスのようにパルス幅が狭い駆動パルスであっても実効電力は大きくなる。したがって、ロータは高速で回転し、また、増速する傾向にある。一方、電源電圧が低いと駆動パルスの実効電力が減るので、ロータは低速で回転し、また、減速する傾向にある。したがって、電源電圧により駆動パルスのタイミングを制御することによりロータの回転に見合ったタイミングで駆動パルスを出力することが可能になる。
【0011】
周期的にロータを回転する場合は、駆動パルスのタイミングを調整する必要がないために、電源電圧が低下したり、あるいは、ロータを駆動する実効電力を制御するために電源電圧を変えることがあっても、電源電圧により駆動パルスのタイミングを制御することはなかった。しかしながら、通常の駆動パルスに対し間隔の短い早送り用の駆動パルスを供給する早送り制御部を備えた駆動制御手段を有する電子機器、あるいはそのような早送り用の駆動パルスを供給する早送り工程を備えた駆動工程を有する電子機器の制御方法においては、非常に有効である。
【0012】
したがって、ロータの回転によって励起された逆誘起電力を検出可能な位置検出手段あるいは位置検出工程を用いて、早送りするときは早送り用の駆動パルスの出力するタイミングを位置検出した検出タイミングに基づき決める電子機器あるいはその制御方法においては、検出タイミングが得られないときに、電源電圧が高いと早いタイミングで次の早送り用の駆動パルスを出力し、電源電圧が低いと遅いタイミングで早送り用の駆動パルスを出力することが可能であり、検出タイミングが得られなくてもロータの回転に合致したタイミングで駆動パルスを供給できる。
【0014】
このため、電池を電源として利用しているために電圧の変動が起こりやすい携帯型の電子機器、あるいは、電力供給手段に駆動パルスの電力を制御するために電源電圧を昇圧または降圧可能な電圧制御手段を備えている電子機器においてもロータを安定して早送りすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照しながら本発明をさらに詳細に説明する。図1にステッピングモータを用いた腕時計装置などの計時装置の一例を示してある。この計時装置1は、ステッピングモータ10と、このステッピングモータ10を駆動する制御装置20と、ステッピングモータ10の動きを伝達する輪列50、および輪列50によって運針される秒針61、分針62および時針63を備えている。ステッピングモータ10は、制御装置20から供給される駆動パルスによって磁力を発生する駆動用コイル11と、この駆動用コイル11によって励磁されるステータ12と、さらに、ステータ12の内部において励磁される磁界により回転するロータ13を備えており、ロータ13がディスク状の2極の永久磁石によって構成されたPM型(永久磁石回転型)のステッピングモータ10となっている。ステータ12には、駆動用コイル11で発生した磁力によって異なった磁極がロータ13の回りのそれぞれの相(極)15および16に発生するように磁気飽和部17が設けられている。また、ロータ13の回転方向を規定するために、ステータ12の内周の適当な位置には内ノッチ18が設けられており、コギングトルクを発生させてロータ13が適当な位置に停止するようにしている。
【0016】
ステッピングモータ10のロータ13の回転は、かなを介してロータ13に噛合された五番車51、四番車52、三番車53、二番車54、日の裏車55および筒車56からなる輪列50によって各針に伝達される。四番車52の軸には秒針61が接続され、二番車54には分針62が接続され、さらに、筒車56には時針63が接続されており、ロータ13の回転に連動してこれらの各針によって時刻が表示される。輪列50には、さらに、年月日などの表示を行うための伝達系など(不図示)を接続することももちろん可能である。
【0017】
この計時装置1では、ステッピングモータ10の回転によって時刻を表示するために、ステッピングモータ10に基準となる周波数の信号をカウント(計時)して1Hzの周期で通常運針用の駆動パルスが供給される。このため、ステッピングモータ10を制御する本例の制御装置20は、水晶振動子などの基準発振源21を用いて基準周波数の基準パルスやパルス幅やタイミングの異なるパルス信号を発生するパルス合成回路22と、パルス合成回路22から供給された種々のパルス信号に基づきステッピングモータ10を制御する駆動制御回路25と、回転検出などを行う検出回路75を備えている。
【0018】
駆動制御回路25は、後述する駆動回路30を介して駆動用コイル11に対しステッピングモータ10の駆動用ロータ13を通常運針用に駆動するために1Hzの周波数の通常の駆動パルスを供給する機能26、ロータ13が回転しなかったときに駆動パルスより実効電力の大きな補助パルスを出力する補助機能27などを備えている。さらに、本例の駆動制御回路25は、ロータ13を通常運針用の駆動パルスよりも間隔の短い早送り用の駆動パルスPWを供給する早送り機能28を備えている。したがって、本例の駆動制御回路25は、この駆動パルスPWを用いて通常運針と同じ方向あるいは逆方向にステッピングモータを高速で駆動することができる。
【0019】
この駆動制御回路25からの制御信号φo1およびφo2の基にステッピングモータ10に様々な駆動パルスを供給する駆動回路30は、直列に接続されたpチャンネルMOS32aとnチャンネルMOS33a、およびpチャンネルMOS32bとpチャンネルMOS33bによって構成されたブリッジ回路を備えており、これらによって電源41からステッピングモータ10の駆動用コイル11に供給される電力を制御できるようになっている。
【0020】
本例のステッピングモータ10のコイル部19には、駆動用コイル11と共に検出用コイル71が巻かれており、この検出用コイル71は接続回路72と接続されている。接続回路72は、pチャンネルMOS72aおよび72bが並列に接続された回路であり、検出制御回路75から供給された制御信号φt1およびφt2により制御される。この接続回路72により、駆動パルスが供給された後に検出用コイル71が短絡され、さらにチョッピングされ、検出用コイル71に発生した逆誘起電力を増幅して、増幅された検出電圧φk1およびφk2が検出制御回路75にフィードバックされるようになっている。そして、この検出信号φk1およびφk2に基づきロータ13が回転したか否かが検出される。
【0021】
また、本例の計時装置1は、電源41を充電可能な発電装置40と、電源41から出力された電力を昇降圧して制御装置20の駆動回路30に供給する昇降圧回路49を備えている。本例の昇降圧回路49は、複数のコンデンサ49a、49bおよび49cを用いて多段階の昇圧および降圧ができるようになっており、制御装置20の駆動制御回路25から制御信号φ11によって駆動回路30に供給する電圧を調整することができる。また、昇降圧回路49の出力電圧はモニタ回路φ12によって駆動制御回路25にも供給されており、これによって電源電圧をモニタすることができる。従って、通常運針時の駆動パルスはもちろん、早送り用の駆動パルスPWの電圧を制御し、パルス幅と電圧によって駆動パルスの実効電力を制御できる。このため、きめの細かい駆動電力の制御が可能であり、ロータ13を回転するのに適した電力の駆動パルスを供給して省電力化を図ると共に、高速で早送りができるようになっている。
【0022】
図2に、駆動用コイル11に早送り用の駆動パルスPWを供給し早送りする様子をタイミングチャートにより示してある。本図に示すように、本例の早送りは所定の周期で早送り用の駆動パルスPWを供給する定期駆動ではなく、検出用コイル71に生じた逆誘導電圧φk1を捉えてロータ13の回転を検出し、そのロータ13が回転した現象を検出したタイミング(検出タイミングDT、例えば時刻t4)の直後あるいは一定の遅延時間d0が経過した後に次の早送り用の駆動パルスPWを供給する自励駆動を採用している。したがって、ステッピングモータの実状にあった高速で早送りできる。特に、ロータ13の位置検出をしているので、ロータ13が適当な位置に達したときに次の駆動パルスを供給でき、ロータ13の動きに次の駆動パルスがブレーキを掛けたり、あるいはロータ13の位置と同期が取れずに駆動パルスの実効電力がロータの動きに相殺されて実効電力が不足することがなく、少ないエネルギーで早送りを確実に行うことができる。
【0023】
検出タイミングDTは、ロータ13の回転による逆誘起電力の同極性の第1ピークPP1を検出したり、逆誘起電圧の極性を判断し逆誘起電圧が0になった点を検出(ゼロクロス)するなどの方法がある。本例では、第1ピーク(図8に示したピークPP1)による逆誘起電圧をチョッパ増幅し、そのレベルが所定の値Lに到達した時点を検出タイミングDTとして採用しているが、このような方法に限定されないことはもちろんであり、第1ピークPP1以外の逆誘起電圧の現象を捉えてもロータ13の位置を検出でき、それに基づいて駆動パルスを適当なタイミングで供給することも可能である。
【0024】
図3に、本例の駆動制御部25の早送り機能28における制御方法の概略をフローチャートを用いて示してある。まず、ステップST1で早送り用の駆動パルスPWを出力する。次に、ステップST2で駆動パルスに伴って検出用コイルに発生するスパイクSなどを避けるためにマスク期間τ0を開け、ステップST3で検出用コイル71を接続回路72で短絡し、発生する逆誘起電圧をチョッパ増幅する。ステップST4でチョッパ増幅された電圧が所定のレベルLに達すると、ステップST5でその検出タイミングDTから所定の遅延時間doを開け、ステップST1に戻って逆極の駆動パルスPWを出力する。これによって、駆動パルスPWの実効電力とステッピングモータ10の条件の合致した速度でロータ13を早送りすることができる。
【0025】
一方、ステップST3の回転検出においてロータの回転が検出されず、検出タイミングDTが得られないことがある。このため、本例では、ステップST6で一定の期間Iが経過するとステップST1に強制的に移行し、逆極の駆動パルスPWを供給することにより早送りが継続して行われるようにしている。そして、このステップST6で判断する期間Iを駆動パルスPWの電源電圧Vに基づき変えることにより、検出タイミングDTが得られないときでも、できるだけロータ13の動きに合致したタイミングで次の駆動パルスPWを供給できるようにしている。このため、検出タイミングDTが得られないことがあっても安定して早送りすることができる。
【0026】
図4に、本例の早送り機能28で電源電圧Vによって設定されている期間Iをグラフにより示してある。電源電圧Vが高いと駆動パルスPWの実効電力は大きい。したがって、ロータ13は高速で回転しており、また、加速傾向にあることが多い。また、電源電圧Vが低いときは駆動パルスPWの実効電力が小さいのでロータ13は低速で回転しており、また、減速傾向にあることが多い。このため、本例の早送り機能28では、電源電圧Vが低いときは期間Iを長く設定し、検出タイミングDTが得られないときに、次に供給される駆動パルスPWのタイミングを遅くしている。また、電源電圧Vが高いときは期間Iを短く設定し、検出タイミングDTが得られないときに、次に供給される駆動パルスPWのタイミングを早くしている。
【0027】
図2に示したタイミングチャートに基づき、本例の計時装置1において駆動制御部25の制御により駆動パルスPWが供給される例をさらに詳しく説明する。ステップST1において時刻t1に早送り用の駆動パルスPWが供給され、時刻t2に駆動パルスPWが低レベルになると、ステップST2において時刻t1からマスク期間τ0を開けた後、ステップST3で時刻t3に検出用コイル71を短絡して逆誘起電圧を検出する。マスク期間τ0を設けることにより、駆動パルスPWによって発生するスパイクsなどのノイズをチョッパ増幅することがなくなるので、信頼性の高い検出タイミングDTを得ることができる。ステップST4で時刻t4に検出タイミングDTが得られると、ステップST5において遅延時間d0を開けた時刻t5に次の極性の異なる駆動パルスPWが供給され、早送りが継続して行われる。
【0028】
この駆動パルスが供給された後、上記と同様に時刻t6から逆誘起電圧が検出されたときに、何らかの要因により、チョッパ増幅された逆誘起電圧がレベルLに到達しないことがある。この場合、本例の早送り機能28ではステップST6において、駆動パルスPWが出力された時刻t5からの経過時間Iを計測しており、駆動パルスPWの電源電圧Vに対応する経過期間Iが経過すると、回転検出を中止する。そして、強制的に次の逆極の駆動パルスPWを経過期間Iが経過した時刻t7に出力する。このステップST6において、駆動制御回路25は電源電圧を信号φ12により監視しているので、図4のグラフに基づき電源電圧Vに対応する期間Iをテーブルあるいは関数I(V)などにより設定できる。このため、強制的に極性の異なる次の駆動パルスPWが補助的に出力されるタイミングは駆動パルスの電源電圧によって異なり、電源電圧Vが高いときは早く、電源電圧Vが低いときは遅く出力される。上述したように、電源電圧Vとロータ13の回転速度は関連があるので、このような制御を行うことにより、検出タイミングDTが得られたときほど適切なタイミングではないかもしれないが、ロータ13の回転位置に合致するタイミングで次の駆動パルスPWを供給することができる。このため、時刻t8に次の駆動パルスPWの回転検出をしたときに時刻t9に検出タイミングDTが得られ、その後も同様に時刻t12に検出タイミングDTが得られるなど、順調に早送りを継続して行うことができる。
【0029】
これに対し、検出タイミングDTが得られないときに、電源電圧に関わりになく一定のタイミングで次の極性の異なる駆動パルスを強制的に供給することも可能である。しかしながら、ロータ13の回転速度に関連した制御ができないので、次の駆動パルスのタイミングがロータ13の回転位置に対して早すぎたり、あるいは遅すぎる可能性がある。このため、ロータ13を回転できなかったり、あるいは回転できても、次の逆誘起電圧を検出するタイミングが不確実となり、再び検出タイミングが得られないなど、ロータを駆動する一連の制御が早送りを不安定にする方向に進行する可能性が高い。しかしながら、本例では、上述したように、検出タイミングが得られないときでもロータ13の回転速度に関連したファクターに基づき駆動パルスのタイミングを制御できる。このため、より安定した早送り制御ができる。
【0030】
図5および図6に、上記と異なった方法で早送り用の駆動パルスPWを供給する場合を示してある。本例においては、早送り用の駆動パルスPWを立上げた後にロータ13の回転を検出し、検出タイミングDTが得られた時点で駆動パルスPWを立ち下げ、検出タイミングDTで駆動パルスPWのパルス幅が決定できるようにしている。したがって、駆動パルスPWを出力するタイミングと共に駆動パルスPWの実効電力も検出タイミングDT、すなわち、ロータ13の位置により制御することができる。
【0031】
本例では早送り制御機能28によってステッピングモータ10は次のように制御される。まず、ステップST11において時刻t21に早送り用の駆動パルスPWを立ち上げると、ステップST12でマスク時間τ1が経過した後、ステップST13において時刻t22に接続回路72により検出用コイル71を短絡し回転検出を行う。そして、ステップST14で時刻t23に検出タイミングDTが得られると、ステップST16においてそのタイミングで早送り用の駆動パルスPWを立ち下げる。そして、ステップST17で遅延時間d1を開けた後に、ステップST11に戻り、時刻t24に逆極の次の駆動パルスPWを立ち上げる。したがって、ロータ13の回転が検出されるまで駆動パルスPWが継続して供給され、回転が検出されると駆動パルスPWが停止すると共に、遅延時間d1後に次の駆動パルスPWが供給される。このため、ステッピングモータ10のロータの回転状況に合わせたタイミングおよび実効電力の駆動パルスPWが供給され、安定してステッピングモータを早送りすることができる。
【0032】
このように早送り用の駆動パルスを供給する制御方式において、何らかの原因によりロータ13の検出タイミングが得られないと、駆動パルスPWが出力されつづけるので、ロータ13が拘束されロータ13が停止してしまう。また、駆動パルスPWを立ち下げるタイミングがずれると、駆動パルスPWの実効電力がロータの回転速度に合致しないと共に、次の駆動パルスが供給されるタイミングがずれてしまう。
【0033】
このため、本例では、ステップST14で検出タイミングが得られないときは、ステップST15で所定の期間Iを設定し、その期間Iが経過すると駆動パルスPWを強制的に立ち下げると共に、遅延時間が経過した後に次の逆極の駆動パルスを立ち上げるようにしている。そして、その期間Iを上述した制御方式と同様に駆動パルスの電源電圧Vにより変更できるようにして検出タイミングが得られないときでも、ロータの回転速度に関連するファクタを制御に取り込めるようにしている。例えば、図5において、時刻t25に駆動パルスPWが立ち上がった後、時刻t26から位置検出を開始したにもかかわらず検出タイミングが得られないときは、時刻t25から期間Iが経過した時刻t27に駆動パルスPWを強制的に立ち下げて駆動パルスPWのパルス幅を確定する。そして、遅延時間d1後の時刻t28に次の逆極の駆動パルスPWを立ち上げて早送りを安定して継続できるようにしている。
【0034】
したがって、本例の制御では、駆動パルスの電源電圧Vが高いときはパルス幅の狭い駆動パルスが短い間隔で供給され、電源電圧が低いときはパルス幅のより広い駆動パルスが広い間隔で供給される。電源電圧が高いときはロータが高速で回転しているので、早いタイミングで供給することによりロータの速度に合致した駆動パルスを供給できる。一方、電源電圧が低いときはロータが比較的低速で回転しているので、遅いタイミングで供給することによりロータの速度に合致したタイミングで供給できる。さらに、駆動パルスのパルス幅は電源電圧が高いときは狭く、また、電源電圧が低いとき広くなるので、略一定の実効電力が供給されることとなり、急激な速度変化を与えずに早送り速度を安定して維持することができる。
【0035】
このような電源電圧Vの相違は、電池の電圧が上下したときに発生する。例えば、本例では発電装置40による充電量によってスーパーキャパシタの電源41の電圧が上下する。さらに、本例の計時装置1においては、ロータを加速したいとき、あるいは減速したいとき、また、ロータを確実に早送りしたいときなどの条件に合わせて昇降圧回路49により電源電圧を制御できるようになっており、これによっても駆動パルスの電源電圧が変動する。しかしながら、いずれの場合でも、本例においては、検出タイミングが得られないときに電源電圧を考慮したタイミングで駆動パルスを供給することができるので早送りを安定して状態で継続して行うことができる。
【0036】
なお、上記において説明したそれぞれの駆動パルスPW、チョッパパルスなどの波形は例示であり、計時装置に採用されたステッピングモータ10の特性などに合わせて設定できることはもちろんである。また、上記の例では、計時装置に好適な2相のステッピングモータを例に本発明を説明しているが、3相以上のステッピングモータに対しても本発明を同様に適用できることはもちろんである。また、各相に共通した制御を行う代わりに、各相毎の適したパルス幅およびタイミングで駆動パルスを供給することも可能である。また、ステッピングモータの駆動方式は、1相励磁に限らず、2相励磁あるいは1−2相励磁であっても良いことはもちろんである。さらに、本発明は腕時計装置などの計時装置に限らず、クロノグラフなどの多機能時計やその他のステッピングモータを内蔵した電子機器においても本発明を適用できることはもちろんである。
【0037】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明においては、駆動パルスの電源電圧を駆動パルスのタイミングを制御する要因の1つに加えており、ロータが定期的な回転をしていないとき、例えば、駆動パルスを供給した後にロータの位置を検出し、そのタイミングに基づいて次の駆動パルスを供給する自励駆動により早送りされているときにロータの位置が判断できなくなった場合でも、ロータの速度を考慮して駆動パルスのタイミングを決めることができる。したがって、従って、ステッピングモータの早送りを高速で安定して行うことができ、時刻合わせをステッピングモータを用いて自動的に行う機能を備えた計時装置などに適した電子機器およびその制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るステッピングモータを備えた計時装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1に示す制御駆動回路の早送り機能の動作を示すタイミングチャートである。
【図3】図2に示す早送り機能の制御動作を示すフローチャートである。
【図4】駆動パルスの電源電圧により設定される期間を示すグラフである。
【図5】早送り機能の異なる動作を示すタイミングチャートである。
【図6】図5に示す早送り機能の制御動作を示すフローチャートである。
【図7】ステータ内でロータが回転する様子を模式的に示す図である。
【図8】図7に示すようにロータが回転したときの駆動用コイルの電流変化と、それに伴って発生する逆誘起電流の変化を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1・・計時装置
10・・ステッピングモータ
11・・駆動用コイル
12・・ステータ
13・・ロータ
17・・磁気飽和部
19・・コイル部
20・・制御装置
21・・水晶振動子
22・・パルス合成回路
25・・駆動制御回路
26・・通常運針機能
28・・早送り機能
30・・駆動回路
40・・発電装置
41・・電源
49・・昇降圧回路
50・・輪列
51・・五番車
52・・四番車
53・・三番車
54・・二番車
55・・日の裏車
56・・筒車
61・・秒針
62・・分針
63・・時針
71・・検出用コイル
72・・接続回路
75・・検出回路

Claims (4)

  1. 駆動用コイルを備えたステータ内で多極磁化されたロータを回転駆動可能なステッピングモータと、
    前記駆動用コイルに対し前記ロータを駆動するための駆動パルスを供給可能な駆動制御手段と、
    前記駆動パルスの電源となる電力供給手段と、
    前記ロータの回転によって励起された逆誘起電力を検出可能な位置検出手段を有し、
    前記駆動制御手段は、通常の駆動パルスに対し間隔の短い早送り用の駆動パルスを供給する早送り制御部を備えており、
    前記早送り制御部は、前記早送り用の駆動パルスの出力するタイミングを前記位置検出手段により検出された検出タイミングに基づき決めると共に、該検出タイミングが得られないときに、前記電源電圧が高いと早いタイミングで次の前記早送り用の駆動パルスを出力し、前記電源電圧が低いと遅いタイミングで前記早送り用の駆動パルスを出力することを特徴とする電子機器。
  2. 請求項1において、前記電力供給手段は、前記電源電圧を昇圧または降圧可能な電圧制御手段を備えている電子機器。
  3. 駆動用コイルを備えたステータ内で多極磁化されたロータを回転駆動可能なステッピングモータを有する電子機器の制御方法であって、
    前記駆動用コイルに対し前記ロータを駆動するための駆動パルスを供給する際に、駆動パルスの電源電圧に基づき該駆動パルスのタイミングを変更する駆動工程と、
    前記ロータの回転によって励起された逆誘起電力を検出可能な位置検出工程を有し、
    前記駆動工程は、通常の駆動パルスに対し間隔の短い早送り用の駆動パルスを供給する早送り工程を備えており、
    前記早送り工程では、前記早送り用の駆動パルスを出力するタイミングが前記位置検出工程で検出された検出タイミングに基づき決まり、該検出タイミングが得られないときに、前記電源電圧が高いと早いタイミングで次の前記早送り用の駆動パルスを出力し、前記電源電圧が低いと遅いタイミングで前記早送り用の駆動パルスを出力することを特徴とする電子機器の制御方法。
  4. 請求項3において、前記駆動パルスの電源電圧を昇圧または降圧する電圧制御工程を有する電子機器の制御方法。
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