JP3601268B2 - 電子制御式機械時計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゼンマイが開放する時の機械エネルギを発電機で電気エネルギに変換し、その電気エネルギにより回転制御手段を作動させて発電機の回転周期を制御することにより、輪列に固定される指針を正確に駆動する電子制御式機械時計に関する。
【0002】
【背景技術】
ゼンマイが開放する時の機械エネルギを発電機で電気エネルギに変換し、その電気エネルギにより回転制御手段を作動させて発電機のコイルに流れる電流値を制御することにより、輪列に固定される指針を正確に駆動して正確に時刻を表示する電子制御式機械時計として、特公平7−119812号公報や特開平8−50186号公報に記載されたものが知られている。
【0003】
特公平7−119812号公報に記載されたものは、ロータが1回転する間つまり基準信号の周期毎に、ブレーキをオフしてロータの回転速度を高めて発電量を増やす角度範囲と、ブレーキを掛けて低速で回す角度範囲とを設け、前記回転速度が高い間で発電電力を向上させつつ、ブレーキ時の発電電力の低下を補うようにして調速していた。
【0004】
また、特開平8−50186号公報に記載されたものは、基準パルスとロータの回転に伴い検出される測定パルスとをカウントし、かつ基準パルスの数と測定パルスの数とを比較し、基準パルスの数が測定パルスの数よりも小さい第1の状態では、制御手段により前記測定パルスに応答してパルス幅が設定されたブレーキ信号を発生してブレーキ制御を行っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特公平7−119812号公報に記載したものは、ロータが1回転する間つまり基準信号毎にブレーキのオン制御とオフ制御とが必ず行われているため、特に発電機の立ち上がり時等や制御が大きく外れた場合等に、各基準信号毎のロータの回転制御量はそれほど大きくできず、正常な制御状態に移行するまでに時間がかかり、応答性が低いという問題があった。
【0006】
また、特開平8−50186号公報に記載したものも、基準信号毎に発生するブレーキ信号はそのパルス幅が一定のため、制御が大きく外れた場合などにも各基準信号毎のブレーキ量は一定であるため、正常な制御状態に移行するまでに時間がかかり、応答性が低いという同じ問題があった。
【0007】
その上、基準パルス、測定パルスのカウントおよび比較によって第1、第2の状態を検出する回路のほかに、その測定パルスに応答してパルス幅が設定されたブレーキ信号を発生する制御手段を別途設ける必要があり、構成が複雑になってコストが高いという問題もあった。
【0008】
本発明の目的は、調速制御の応答性が速く、かつコストも低減できる電子制御式機械時計を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子制御式機械時計は、ゼンマイと、輪列を介して伝達されるゼンマイの機械エネルギを電気エネルギに変換する発電機と、前記輪列に結合された指針と、変換した前記電気エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御手段とを備える電子制御式機械時計において、前記回転制御手段は、水晶振動子等を用いて時計の時間標準となる基準信号を作る発振回路と、前記発電機のロータの回転を検出する回転検出回路と、前記発振回路の基準信号出力と前記回転検出回路の回転検出信号出力とをロータの回転波形の1周期毎に比較する速度比較回路と、この速度比較回路において前記回転検出信号の周期が前記基準信号の周期よりも短い場合には、ロータの次の1周期の期間、ロータにブレーキを加え、回転検出信号の周期が基準信号の周期よりも長い場合には、ロータの次の1周期の期間、ロータにブレーキを加えないように制御するブレーキ制御回路とを有することを基本とするものである。
【0010】
本発明の電子制御式機械時計は、指針及び発電機をゼンマイで駆動し、発電機に回転制御手段の制動手段によりブレーキをかけることでロータつまりは指針の回転数を調速する。
【0011】
この際、発電機の回転制御手段は、発振回路からの基準信号出力と回転検出回路からの回転検出信号出力とを、速度比較回路においてロータの回転波形の1周期毎に比較し、その比較結果によりブレーキ制御回路は、回転検出信号の周期が前記基準信号の周期よりも短い場合、つまりロータの回転速度が基準信号出力よりも速い場合には、ロータの次の1周期の期間、ロータにブレーキを加え、回転検出信号の周期が基準信号の周期よりも長い場合、つまりロータの回転速度が前記基準信号出力よりも遅い場合には、ロータの次の1周期の期間、ロータにブレーキを加えないように制御する。
【0012】
このため、例えば、ゼンマイなどの機械的エネルギ源のトルクが大きくて発電機の回転が進んでおり、ロータの回転速度が基準信号出力よりも速い状態が続いている場合には、回転速度が基準信号出力よりも遅くなるまでの間、ブレーキをかけ続けることになるため、迅速に正常な回転速度に調速することができ、応答性の速い制御を行うことができる。
【0013】
また、ロータの回転検出信号の周期が基準信号の周期よりも短いか長いかのみを検出してブレーキ制御を設定しているので、回転制御手段の構成が簡略化されてコストも低減できる。
【0014】
この際、前記速度比較手段は、前記回転検出回路から出力される回転検出信号に合わせて出力される基準信号出力の前記回転検出信号から一定時間後の信号レベル変化タイミングと、前記回転検出信号の次の回転検出信号の出力タイミングとを比較することで、ロータの回転検出信号の周期と基準信号の周期とを比較することが好ましい。
【0015】
基準信号出力を回転検出信号に合わせて出力するようにすれば、次の回転検出信号と基準信号出力とを常に一定のタイミングで比較することができる。このため、回転検出信号と基準信号出力との比較を常に正確にかつ一定の基準で行うことができ、特に発電機の起動直後のロータが安定して回転していない状態でも、確実にかつ正確にロータの回転状態を把握して適切なブレーキ制御を行うことができる。
【0016】
さらに、前記ブレーキ制御回路は、ロータにブレーキを加える際に、チョッパブレーキ制御を行うものでもよい。チョッパブレーキ制御を行えば、発電電力を一定以上に保ちながら、ブレーキトルクを増加できる利点がある。
【0017】
また、本発明の電子制御式機械時計は、さらに前記回転検出信号と基準信号とがそれぞれアップカウント入力およびダウンカウント入力に入力されるアップダウンカウンタを備えるとともに、このアップダウンカウンタは、カウンタ値に応じて出力される累積誤差検出出力がオン状態となっている場合には、前記ブレーキ制御回路の出力に優先してブレーキを制御する進み/遅れ出力をカウンタ値に応じて出力するように構成されているものでもよい。
【0018】
このようなアップダウンカウンタを備えていれば、累積誤差をカウントしてその誤差を無くすようにブレーキ制御を行うことができるため、発電機の起動時や時計に衝撃が加わった場合のように、ロータの回転が大きくずれた際に、そのずれを無くして迅速に正常な制御状態に戻すことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は、本発明の第1実施形態の電子制御式機械時計の要部を示す平面図であり、図2及び図3はその断面図である。
【0021】
電子制御式機械時計は、ゼンマイ1a、香箱歯車1b、香箱真1c及び香箱蓋1dからなる香箱車1を備えている。ゼンマイ1aは、外端が香箱歯車1b、内端が香箱真1cに固定される。香箱真1cは、地板2と輪列受3に支持され、角穴車4と一体で回転するように角穴ネジ5により固定されている。
【0022】
角穴車4は、時計方向には回転するが反時計方向には回転しないように、こはぜ6と噛み合っている。なお、角穴車4を時計方向に回転しゼンマイ1aを巻く方法は、機械時計の自動巻または手巻機構と同様であるため、説明を省略する。香箱歯車1bの回転は、7倍に増速されて二番車7へ、順次6.4倍増速されて三番車8へ、9.375 倍増速されて四番車9へ、3倍増速されて五番車10へ、10倍増速されて六番車11へ、10倍増速されてロータ12へと、増速輪列となる各番車7〜11を介して合計126,000倍に増速されている。
【0023】
二番車7には筒かな7aが、筒かな7aには時刻表示を行う分針13が、四番車9には時刻表示を行う秒針14がそれぞれ固定されている。従って、二番車7を1rphで、四番車9を1rpmで回転させるためには、ロータ12は5rpsで回転するように制御すればよい。このときの香箱歯車1bは、1/7rphとなる。
【0024】
この電子制御式機械時計は、ロータ12、ステータ15、コイルブロック16から構成される発電機20を備えている。ロータ12は、ロータ磁石12a、ロータかな12b、ロータ慣性円板12cから構成される。ロータ慣性円板12cは、香箱車1からの駆動トルク変動に対しロータ12の回転数変動を少なくするためのものである。ステータ15は、ステータ体15aに4万ターンのステータコイル15bを巻線したものである。
【0025】
コイルブロック16は、磁心16aに11万ターンのコイル16bを巻線したものである。ここで、ステータ体15aと磁心16aはPCパーマロイ等で構成されている。また、ステータコイル15bとコイル16bは、各々の発電電圧を加えた出力電圧がでるように直列に接続されている。
【0026】
次に、電子制御式機械時計の制御回路について、図4,5を参照して説明する。
【0027】
図4には、本実施形態の電子制御式機械時計を示すブロック図が示され、図5には、その回路図が示されている。
【0028】
発電機20からの交流出力は、昇圧整流、全波整流、半波整流、トランジスタ整流等からなる整流回路21を通して昇圧、整流される。整流回路21には、回転制御手段等の制御用ICや水晶振動子等の負荷22が接続されている。なお、図4では説明の便宜上、IC内に構成される各機能回路を負荷22とは別に記載している。
【0029】
発電機20には、制動抵抗23AおよびNchやPchのトランジスタ23Bが直列に接続されて構成されたブレーキ回路23が並列に接続されている。ブレーキ回路23には、回転制御手段50が接続されている。なお、ブレーキ回路23には、制動抵抗23Aのほかにダイオードを適宜挿入してもよい。
【0030】
回転制御手段50は、発振回路51、分周回路52、回転検出回路53、速度(周波数)比較回路54、ブレーキ制御回路56によって構成されている。
【0031】
発振回路51は水晶振動子51Aを用いて発振信号を出力し、この発振信号は分周回路52によってある一定周期まで分周される。本実施形態では、図5に示すように、2つの分周回路52A、52Bを有する。なお、水晶振動子51Aの代わりに各種の基準標準振動源等を用いて基準信号を作成してもよい。
【0032】
分周回路52Aは、後述するリセットパルスを作るための16kHzのパルス信号を出力する。分周回路52Bは、10Hzの基準クロック(基準信号)を速度比較回路54に出力する。
【0033】
速度比較回路54は、図5に示すように、4つのフリップフロップ61〜64と、インバータ(反転)ゲート65,66、ANDゲート67とを備えて構成されている。
【0034】
フリップフロップ61,62、インバータゲート65、ANDゲート67は、図6のタイミングチャートにおけるカウンタリセットパルス70を作成するために用いられ、モータパルス(回転検出信号)の立ち上がりに対応してカウンタリセットパルス70が出力されるように構成されている。なお、各フリップフロップ61〜64は、クロックの立ち下がり時にデータを出力1Q〜4Qに出力するように構成されている。
【0035】
フリップフロップ63は、前記カウンタリセットパルス70によってリセットされ、同じくリセットパルス70でリセットされる分周回路52Bからの基準クロックをそのクロック入力で受けるように構成されている。そして、本回路では、アースレベルがHレベルに設定されているので、基準クロックの立ち下がり時に合わせて出力3QからHレベル信号が出力される(図6のタイミングチャート参照)。従って、基準クロックの立ち下がり変化時までに次のモータパルスが入力されてリセットパルス70が出力されると、出力3QはLレベル信号のままで変化しない(図6の左から2周期目参照)。
【0036】
出力3Qが入力されるフリップフロップ64は、ブレーキ制御パルスを出力するものであり、そのクロック入力にモータパルスをインバータゲート66を通して入力しているため、出力3QからHレベル信号が出力された次の周期は、出力4QからはHレベルの信号(ブレーキ制御OFF)が出力され、出力3QからLレベル信号が出力された次の周期は、Lレベル信号(ブレーキ制御ON)が出力される。
【0037】
このフリップフロップ64の出力4Qは、そのままPchのトランジスタ23Bのゲートに出力される。従って、この出力4QからLレベル信号が出力されると、トランジスタ23BはON状態に維持され、発電機20がショートされてブレーキが掛かる。
【0038】
一方、出力4QからHレベル信号が出力されると、トランジスタ23Bのゲート電圧が上がるため、トランジスタ23BはOFF状態に維持され、発電機20にはブレーキが加わらない。従って、この速度比較回路54はブレーキ制御回路56も兼用している。
【0039】
次に、本実施形態における動作を図6のタイミングチャートをも参照して説明する。
【0040】
発電機20が作動し始めて回転検出回路53でモータパルス(回転検出信号)が検出されると、まず各フリップフロップ61、62等でモータパルスに同期したリセットパルス70が発生される。
【0041】
そして、このリセットパルス70によってリセットされる分周回路52Bは、リセットパルス70を基点とする基準クロック(10Hz)をフリップフロップ63に出力する。従って、フリップフロップ63は、リセットパルス70から一定時間(本実施形態では100msec)経過後に立ち上がる信号を出力3Qで発生する。但し、一定時間経過前に、次のモータパルスが入力されてリセットパルス70が発生された場合、つまり基準クロックの立ち下がりタイミングよりも、次のモータパルスの立ち上がりタイミングが早い場合には、フリップフロップ63もリセットされるため、出力3QはLレベルの状態のまま維持される。
【0042】
そして、フリップフロップ64の出力4Qは、3QからHレベル信号が出力される場合、つまり基準クロックの立ち下がりタイミングよりも、次のモータパルスの立ち上がりタイミングが遅い場合には、次のモータパルスの1周期の期間、ブレーキをOFFする信号(Hレベル信号)を出力し、逆に、3QからLレベル信号が出力される場合、つまり基準クロックの立ち下がりタイミングよりも、次のモータパルスの立ち上がりタイミングが早い場合には、次のモータパルスの1周期の期間、ブレーキをONする信号(Lレベル信号)を出力する。
【0043】
これにより、基準クロックに比べてモータパルスが周期が短い、つまり発電機20の回転速度が高い場合には、発電機20のブレーキ回路23がONされてブレーキが加わり、逆に基準クロックに比べてモータパルスの周期が長い、つまり発電機20の回転速度が低い場合には、発電機20のブレーキ回路23がOFFされてブレーキが解除されるため、発電機20の調速が行われる。
【0044】
なお、分周回路52Bの基準信号は、カウンタリセットパルス70の立ち下がりのタイミングに合わせて発生されるため、モータパルスの立ち上がりタイミングとの間に時間的ずれがあるが、このずれは本実施形態の場合、最大でも約61μsec であり、非常に小さいとともに、ずれ時間はほとんど一定であるから、各モータパルスを基準信号と比較する際にその影響も無くすことができる。
【0045】
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。
【0046】
▲1▼ロータ12の回転検出信号(モータパルス)と、基準信号(基準クロック)とを比較し、基準信号の周期に比べて回転検出信号の周期が短いか長いかを検出し、短い場合にはロータ12の次の1周期の期間ブレーキを掛け、長い場合にはブレーキを掛けないという非常にシンプルな制御を行っているので、回路構成を簡単にでき、部品コストや製造コストを低減でき、電子制御式機械時計を安価に提供できる。
【0047】
▲2▼ブレーキ制御をロータ12の1周期毎に行っているため、例えば、基準信号の周期に比べて回転検出信号の周期が短い状態が続けば、ブレーキを掛け続けることもでき、発電機20の立ち上がり時等の回転周期が基準周期よりも大きくずれている場合でも、迅速に基準速度に近づけることができ、調速制御の応答性を速くすることができる。
【0048】
▲3▼分周回路52Bは、モータパルスに基づくリセットパルス70でリセットされているので、モータパルスと基準信号とを同期させることができ、モータパルスと比較される基準信号を常にリセットパルス70から一定周期にできるため、モータパルスの基準信号に対する進み/遅れを常に正確に判断してブレーキ制御を行うことができる。
【0049】
特に、発電機20の起動直後は、モータパルスの周期も一定していないため、基準信号との位相がずれて正確な比較ができなくなるおそれがあるが、本実施形態ではモータパルスの1周期毎にリセットパルス70によって基準信号をリセットし、モータパルスと同期させているので、発電機20の起動直後でも、正確なブレーキ制御を行うことができてシステムの安定性も確保できる。
【0050】
▲4▼常にモータパルスの各周期と、基準信号とを比較してその直後のモータパルスのブレーキ制御に反映させているため、モータパルスの発生周期は、短期的には速度変動があるが、長時間にわたって変動し続けることは防止できる。このため、電子制御式機械時計の運針時に、発電機20の速度変化によって人が認知できる程度の運針のふらつきはなく、シンプルな構成でありながら、実用上問題のない電子制御式機械時計を提供することができる。
【0051】
次に、本発明の第2実施形態について図7,8を参照して説明する。なお、本実施形態において、前述の第1実施形態と同一もしくは同様の構成部分には、同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略する。
【0052】
本実施形態は、図7に示すように、フリップフロップ64の出力4Qに、インバータゲート81、数10Hz〜数kHz(例えば10Hz〜10kHz)程度のチョッパパルス発生回路82、インバータゲート81およびチョッパパルス発生回路82の出力が入力されるNANDゲート83とからなるチョッパリング回路80を設けた点のみが前記第1実施形態と相違する。
【0053】
この本実施形態では、図8のタイミングチャートに示すように、フリップフロップ64からブレーキ回路23をONするLレベル信号が出力されると、チョッパリング回路80によってチョッパブレーキ制御出力となり、この出力でトランジスタ23Bがオンオフされることで、発電機20もチョッパブレーキによって制御される。
【0054】
このような本実施形態においても、前記第1実施形態の▲1▼〜▲4▼と同じ効果が得られる上、▲5▼チョッパリング制御を行っているので、発電電力を一定以上に保ちながら、ブレーキトルクを増加できる効果もある。すなわち、発電機20のコイル両端を短絡可能なトランジスタ23Bをオン・オフしてチョッパリングすることで、トランジスタ23Bをオンした時には、発電機20にショートブレーキが掛かり、かつ発電機20のコイルにエネルギーがたまる。一方で、トランジスタ23Bをオフすると、発電機20が動作し、前記コイルにたまっていたエネルギー分が含まれるため、起電圧が高まる。このため、発電機20をチョッパリングで制御すると、ブレーキ時の発電電力の低下を、スイッチオフ時の起電圧の高まり分で補填でき、発電電力を一定以上に保ちながら制動トルクを増加でき、持続時間の長い電子制御式機械時計を構成することができる。
【0055】
次に、本発明の第3実施形態について図9,10を参照して説明する。なお、本実施形態において、前述の第1実施形態と同一もしくは同様の構成部分には、同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略する。
【0056】
本実施形態は、図9に示すように、モータパルスがアップカウント入力とされ、リセットされない分周回路91の出力(基準信号:10Hz)がダウンカウント入力とされたアップダウンカウンタ92を備えている。このアップダウンカウンタ92により、発電機20の起動時からのモータパルスと、分周回路91の出力とを計数して比較することで、基準信号に対するモータパルスの累積誤差をカウントしている。
【0057】
このアップダウンカウンタ92には、通常はHレベル信号を出力し、前記カウンタ値が一定範囲を越えた場合、つまり累積誤差が大きくなった際にLレベル信号を出力する累積誤差検出出力と、前記累積誤差がモータパルスの進み方向であればブレーキをONする信号(Lレベル信号)を出力し、遅れ方向であればブレーキをOFFする信号(Hレベル信号)を出力する進み/遅れ出力とが設けられている。尚、進み/遅れ出力は、累積誤差検出出力がHレベルの期間は、Lレベルに保たれている。
【0058】
前記累積誤差検出出力は、フリップフロップ64の出力4QとともにANDゲート93に入力され、このANDゲート93の出力は前記進み/遅れ出力とともにORゲート94に入力されている。
【0059】
このような本実施形態では、発電機20の起動と同時に、アップダウンカウンタ92によりモータパルスと分周回路91の基準信号とがカウントされる。アップダウンカウンタ92のカウント値が設定値内、つまりモータパルスの計数値と基準信号の計数値との差が一定範囲内におさまっている場合には、前記第1実施形態と同様に、フリップフロップ64の出力4Qに基づいてブレーキ制御が行われる。
【0060】
一方、例えば、発電機20が速く回転しており、モータパルスの計数値が基準信号の計数値よりも大きくなり、その差が設定値以上になると、累積誤差検出出力がLレベルとなる。このため、フリップフロップ64の出力4Qにマスクがかかり、ANDゲート93の出力は常にLレベルになり、出力4Qはキャンセルされる。
【0061】
このため、ブレーキ回路23には、進み/遅れ出力の信号が出力され、これにより累積誤差を無くすようにブレーキが制御される。すなわち、モータパルスの計数値が基準信号の計数値よりも大きい場合には、Lレベル信号が出力されてブレーキは強制的にONされ、モータパルスの計数値が基準信号の計数値よりも小さい場合には、Hレベル信号が出力されてブレーキは強制的にOFFされる。
【0062】
このような本実施形態によれば、前記第1実施形態の▲1▼〜▲4▼と同じ効果が得られる上、次の効果もある。
【0063】
▲6▼アップダウンカウンタ92を設けているので、基準信号に対するモータパルスの進み/遅れの累積誤差をカウントすることができ、累積誤差が設定値以上に大きくなった場合には、その累積誤差を無くすようにブレーキ制御を行うことができ、このため、累積誤差が生じている際に迅速に正常制御に戻すことができ、調速制御の応答性をより一層高めることができる。
【0064】
なお、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は、本発明に含まれるものである。
【0065】
例えば、前記第3実施形態において、ORゲート94の出力側に第2実施形態のチョッパリング回路80を設けて、第3実施形態においてもチョッパリング制御を行えるようにしてもよい。
【0066】
また、速度比較回路54やブレーキ制御回路56の具体的構成は、前記各実施形態に限らず、例えばNchのトランジスタ23Bを用いた場合など、ブレーキ回路23の構成等に応じて適宜設定すればよい。また、カウンタリセットパルス70の発生させる分周回路52Aの出力は、16kHzのパルス信号に限らず、ロータ12の回転周期等に合わせて適宜設定すればよい。
【0067】
さらに、ロータの回転検出信号と基準信号との周期の比較を行う手段は、前記各実施形態のものに限らず、構成に応じて適宜設定すればよい。
【0068】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明の電子制御式機械時計によれば、調速制御の応答性が速く、かつコストも低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における電子制御式機械時計の要部を示す平面図である。
【図2】図1の要部を示す断面図である。
【図3】図1の要部を示す断面図である。
【図4】本実施形態の構成を示すブロック図である。
【図5】本実施形態の回転制御手段の構成を示す回路図である。
【図6】本実施形態の回路におけるタイミングチャートである。
【図7】本発明の第2実施形態の構成を示す回路図である。
【図8】第2実施形態の回路におけるタイミングチャートである。
【図9】本発明の第3実施形態の構成を示す回路図である。
【図10】第3実施形態の回路におけるタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 香箱車
1a ゼンマイ
3 輪列受
7 二番車
8 三番車
9 四番車
10 五番車
11 六番車
12 ロータ
13 分針
14 秒針
15 ステータ
16 コイルブロック
20 発電機
21 整流回路
22 負荷
23 ブレーキ回路
23A 制動抵抗
23B トランジスタ
50 回転制御手段
51 発振回路
51A 水晶振動子
52,91,52A,52B 分周回路
53 回転検出回路
54 速度比較回路
56 ブレーキ制御回路
61〜64 フリップフロップ
70 カウンタリセットパルス
80 チョッパリング回路
82 チョッパパルス発生回路
92 アップダウンカウンタ

Claims (3)

  1. ゼンマイと、輪列を介して伝達されるゼンマイの機械エネルギを電気エネルギに変換する発電機と、前記輪列に結合された指針と、変換した前記電気エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御手段とを備える電子制御式機械時計において、
    前記回転制御手段は、時計の時間標準となる基準信号を作る発振回路と、前記発電機のロータの回転を検出する回転検出回路と、前記発振回路の基準信号出力と前記回転検出回路の回転検出信号出力とをロータの回転波形の1周期毎に比較する速度比較回路と、この速度比較回路において前記回転検出信号の周期が前記基準信号の周期よりも短い場合には、ロータの次の1周期の期間、ロータにブレーキを加え、回転検出信号の周期が基準信号の周期よりも長い場合には、ロータの次の1周期の期間、ロータにブレーキを加えないように制御するブレーキ制御回路とを有し、前記速度比較回路は、前記回転検出回路から出力される回転検出信号に合わせて出力される基準信号出力の前記回転検出信号から一定時間後の信号レベル変化タイミングと、前記回転検出信号の次の回転検出信号の出力タイミングとを比較することで、回転検出信号の周期と基準信号の周期とを比較することを特徴とする電子制御式機械時計。
  2. 請求項1記載の電子制御式機械時計において、前記ブレーキ制御回路は、ロータにブレーキを加える際に、チョッパブレーキ制御を行うことを特徴とする電子制御式機械時計。
  3. 請求項1〜のいずれかに記載の電子制御式機械時計において、前記回転検出信号と基準信号とがそれぞれアップカウント入力およびダウンカウント入力に入力されるアップダウンカウンタを備えるとともに、このアップダウンカウンタは、カウンタ値に応じて出力される累積誤差検出出力がオン状態となっている場合には、前記ブレーキ制御回路の出力に優先してブレーキを制御する進み/遅れ出力をカウンタ値に応じて出力するように構成されていることを特徴とする電子制御式機械時計。
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