JP3592034B2 - 車両用パワートレーンのエアブリーザ構造 - Google Patents

車両用パワートレーンのエアブリーザ構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両用パワートレーンのエアブリーザ構造に係わり、特に、駆動源として電気モータを採用し、ケーシングに内蔵した駆動装置に対する潤滑性能を高めるために多量の潤滑油を封入した電気自動車用パワートレーンに好適なエアブリーザ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
前記電気自動車は、内燃機関自動車と比較すると、燃料の代わりに蓄電池を搭載し、内燃機関の代わりに制御装置と電動モータを搭載した自動車である。
【0003】
電動モータは、磁界に置かれた導体間に、印加電圧を加えて電流を通電することによって、電気エネルギーを機械エネルギーに変換し、電磁力によるトルクを発生して回転する。この電動モータの回転は、電動モータの出力軸に結合する変速機構の入力軸に伝達され、適切な出力の変速が行われる。
【0004】
ここで、電気自動車用モータは、高回転モータを採用するためモータ及びケーシング内は高温高圧になりやすく、しかも、長期に渡る運転では、温度と気圧の上昇に伴い空気中の水分がケーシング内部で凝結して結露が発生し、熱や水に弱い電動モータに悪影響を与えることから、ケーシング内の上部には、ケーシングに設けた大気連通孔を介して大気と連通するエアブリーザ室が設けられている。
【0005】
また、ケーシング内には、変速機構と直結する出力軸の回転によって駆動するオイルポンプが配設されており、オイルポンプから送りだされた潤滑油は、入力軸及び出力軸の軸線上に形成した油孔を通過して潤滑すべき部位(ベアリング、ブッシュ等)に送り込まれるようになっている。
【0006】
ところで、例えばAT車は、トルクコンバータと直結する出力軸のアイドル回転によってオイルポンプが常に駆動し、潤滑すべき部位への潤滑油の供給を行っているが、電気自動車は、車両停止中には出力軸が回転しないのでオイルポンプが駆動しない。そこで、電気自動車のケーシング内に、オイルレベルが出力軸近くまで達するように多量の潤滑油を封入しておき、車両停止中であっても潤滑すべき部位に潤滑油が行き渡るようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記電気自動車が高速走行するときには、変速機構のギヤ部が高速回転するので、放射状に飛散する潤滑油の油量が増大する。このとき、ケーシング内の上部に設けたエアブリーザ室には潤滑油が入り込みやすく、多量の潤滑油がエアブリーザ室に溜まると、大気連通孔から大気に潤滑油が流れ出るおそれがある。
【0008】
また、ケーシング内には多量の潤滑油が封入されているので、変速ギヤ等の歯車が回転するときに潤滑油の攪拌抵抗が増大してしまい、エネルギーロス(効率低下)が大きくなるおそれがある。
【0009】
そこで、この発明は上記従来技術の未解決の課題に着目してなされたものであり、エアブリーザ室内に多量の潤滑油が溜まるのを防止するとともに、潤滑油の攪拌抵抗を減少させてエネルギーロスを低減することが可能な車両用パワートレーンのエアブリーザ構造を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の車両用パワートレーンのエアブリーザ構造は、潤滑油を封入したケーシングに変速機構を内蔵し、前記ケーシングの上部に大気連通孔を形成し、前記ケーシング内の上部に内壁部を形成してこの内壁部の内部空間が前記大気連通孔を介して大気と連通するように第1エアブリーザ室を設けるとともに、この第1エアブリーザ室の水平方向の隣に隔壁を介して第2エアブリーザ室を設けた構造とし、前記第1エアブリーザ室を、内壁部により上下に仕切ることで互いに連通した上側空間と下側空間とに区画し、前記上側空間に前記大気連通孔を形成し、前記下側空間に前記ケーシング内部と連通する下部開口部を形成するとともに、前記第2エアブリーザ室内と前記下側空間の上側とを連通する第1連通孔を前記隔壁に形成し、前記第1連通孔より下方の位置に、前記第2エアブリーザ室内と前記ケーシング内部とを連通する第2連通孔を形成した。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の車両用パワートレーンのエアブリーザ構造において、前記第2連通孔を、前記第1連通孔より小さな孔径に設定した。
【0012】
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の車両用パワートレーンのエアブリーザ構造において、前記ケーシングを、開口部の周縁にフランジ部を形成し、そのフランジ部の内側に内壁部を形成した第1ケースと、表裏両側の開口部の周縁にそれぞれフランジ部を形成し、それらフランジ部の内側に内壁部を形成し、且つ表裏に連通する前記第1連通孔を形成した第2ケースとで構成し、前記第1ケースと前記第2ケースの表側のフランジ部どうしを接続すると、前記第1ケースの内壁部と前記第2ケースの内壁部とが接合して前記第1エアブリーザ室を形成するとともに、前記第2ケースの裏側に形成した内壁部の開口縁部に閉塞プレートを接続することにより前記第2エアブリーザ室を形成した。
【0013】
また、請求項4記載の発明は、請求項3記載の車両用パワートレーンのエアブリーザ構造において、前記閉塞プレートに、前記ケーシング内の上部に飛散した潤滑油を集めるオイルガータを、予め一体接合しておく。
【0014】
さらに、請求項5記載の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の車両用パワートレーンのエアブリーザ構造において、前記駆動源を電動モータにより構成した。
【0015】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載の車両用パワートレーンのエアブリーザ構造によると、車両が高速走行する際には、ケーシング内の変速機構、差動装置を潤滑した潤滑油が勢いよく径方向外方に飛散するので、第1エアブリーザ室内に多量の潤滑油が入り込んでくる。そして、第1エアブリーザ室に入り込んだ潤滑油は、大気連通孔を形成した上部位置まで溜まっていこうとする。
【0016】
ところが、請求項1記載の発明では、第1エアブリーザ室を、大気連通孔を形成した上側空間と、ケーシング内部と連通する下部開口部を形成した下側空間に区画し、下側空間と第2エアブリーザ室内とを連通する第1連通孔を形成しており、第1エアブリーザ室の下側空間に溜まろうとする潤滑油は、第1連通孔を通って第2エアブリーザ室側に抜け出るので、潤滑油が大気連通孔からケーシングの外部に流れ出るのを防止することができる。
【0017】
ここで、ケーシング内に多量の潤滑油を封入している場合、変速機構や差動装置のギヤが回転するときに潤滑油の攪拌抵抗が増大してしまい、エネルギーロスが大きくなるおそれがある。
【0018】
そこで、請求項2記載の発明によると、第2エアブリーザ室の下部に形成した第2連通孔を小さな孔で形成し、第2エアブリーザ室内に溜まった潤滑油を、第2連通孔から少量ずつしかケーシング内部に戻さないようにしているので、ケーシング内部の潤滑油の油量が減少する。これにより、変速機構や差動装置のギヤが攪拌する油量が少なく攪拌抵抗が減少するので、エネルギーロスを小さくすることができる。また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の効果を得ることができる。
【0019】
また、請求項3記載の発明によると、請求項1又は2記載の効果を得ることができるとともに、第1エアブリーザ室及び第2エアブリーザ室を簡便な構造により設けることができるので、製造コストの低減化を図ることができる。
【0020】
また、請求項4記載の発明によると、請求項3の効果を得ることができるとともに、オイルガータによってケーシング内の上部に飛散した潤滑油を集め、潤滑すべき部位に向けて上方から潤滑油を供給することができるので、潤滑性能を高めることができる。
【0021】
さらに、請求項5記載の発明によると、駆動源を電動モータとして電気自動車用パワートレーンとする場合、車両停止時には電動モータが回転せず潤滑油供給用オイルポンプが駆動しないので、通常、ケーシング内に多量の潤滑油を封入しておき、変速機構、差動装置の駆動部に潤滑油が行き渡るようにしている。この際、電動モータが高速で回転すると、ケーシング内の多量の潤滑油により攪拌抵抗が増大するおそれがある。ところが、本発明では、前述したように第2エアブリーザ室に流れ込んだ潤滑油を一次的に溜めてケーシング内の潤滑油の油量を少なくしているので攪拌抵抗が少なくなり、電動モータのエネルギーロスを小さくすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、電気自動車用パワートレーンの平面視断面、図2は側面視断面を示したものである。
【0023】
この電気自動車用パワートレーンは、三相誘導モータ2を動力源としており、三相誘導モータ2から遊星歯車減速機(変速機構)4に回転力が伝達され、この遊星歯車減速機4で減速した回転力が差動装置6に伝達されるようになっている。
【0024】
図中符号8は、遊星歯車減速機4及び差動装置6を内蔵するケーシング8であり、三相誘導モータ2から回転力が伝達される入力軸10と、この入力軸10に同軸突き合わせ状態とした出力軸12とが、ケーシング8の内壁に装着したベアリング14、16によって回転自在に支持されている。
【0025】
そして、前記遊星歯車減速機4は入力軸10の外周に配置されており、入力軸10の外周に形成したサンギヤ4aと、ケーシング8の内壁に固定した環状のインターナルギヤ4bと、これらサンギヤ4a及びインターナルギヤ4b間に噛合する複数のピニオン4cと、ピニオン4cを回転自在に支持するピニオンキャリア4dとを備えている。そして、ピニオンキャリア4dは、出力軸12の外周にスプライン結合している。
【0026】
また、差動装置6は、ピニオンシャフト6aを介してディファレンシャルケース6bに固定したディファレンシャルピニオン6cと、このディファレンシャルピニオン6cに噛合するサイドギヤ6dと、サイドギヤ6dの内周にスプライン結合した左右のドライブ軸20a、20bと、ディファレンシャルケース6bの外周に固定したファイナルギヤ(大径の駆動ギヤ)22とを備えている。
【0027】
そして、ベアリング14及びピニオンキャリア4d間の出力軸12の外周には、アウトプットギヤ16及びパーキングギヤ18が同軸に固定されており、前記差動装置6のファイナルギヤ22がアウトプットギヤ16に噛合している。
【0028】
ここで、前述した出力軸12の軸線上には油路12aが形成されているとともに、複数の分岐油路12b、12c…が、入力軸10及び出力軸12を支持している摺動部に向かって開口するように前記油路12aから分岐している。
【0029】
そして、出力軸12の端部にはオイルポンプ24が連結しており、出力軸12の回転によりオイルポンプ24が駆動すると、オイルストレーナ24a内の潤滑油が、油路12a、分岐油路12b、12c…を介して潤滑すべき部位に供給される。
【0030】
なお、図2の符号Lで示す水平レベルは、ケーシング8に封入されている潤滑油のオイルレベルである。このオイルレベルLの高さで明らかなように、ケーシング8内には多量の潤滑油が封入されており、車両が停止中であっても潤滑すべき部位に潤滑油が確実に行き渡るようになっている。
【0031】
ここで、ケーシング8は、図中左側に配置したサイドカバー(第1ケース)26と、図中右側に配置したフロントケース28と、サイドカバー26及びフロントケース28の間に締結ボルトにより接続するリアケース(第2ケース)30とで構成されている。
【0032】
サイドカバー26は、図3に示すように、外周全域にリアケース30と接続するフランジ部32を形成しているとともに、カバー上部にカバーの内側及び外側間を連通する大気連通孔34を形成しており、この大気連通孔34のカバー外側にエアブリーザ36が接続している。
【0033】
そして、サイドカバー26の内部には、大気連通孔34より左に寄った上部フランジ部32aと右側フランジ部32b間を接続する第1内壁部40と、この第1内壁部40の上部から右側フランジ32bに向けて途中まで延在する第2内壁部42、この第2内壁部42より下側において第2内壁部42と平行に延在して右側フランジ32bに接続する第3内壁部44と、大気連通孔34より右に寄った位置で第2内壁部42及び上部フランジ部32a間を接続する第4内壁部46とを形成しており、これら第1、第2、第3及び第4内壁部40、42、44、46の高さはフランジ部32と同一高さに設定している。
【0034】
これにより、サイドカバー26の内部には、大気連通孔34と通じる第1凹空間48と、この第1凹空間48の右側に位置する第2凹空間50と、これら第1及び第2凹空間48、50の下側に位置する第3凹空間52と、この第3凹空間52の下側に位置する第4凹空間54が画成される。
【0035】
そして、前述したように第2内壁部42は右側フランジ32bに向けて途中まで延在しているので、第2内壁部42の端部と右側フランジ32bとの間に切欠き56を設けており、この切欠き56を介して第2凹空間50及び第3凹空間52が通じている。
【0036】
一方、図4は、リアケース30の内部をサイドカバー26と接続する側から示したものであり、図の左側位置に、サイドカバー26のフランジ部32と接続するフランジ部60を形成している。そして、フランジ部60に囲まれた中央位置に、出力軸12の左端部側が貫通して摺動自在に支持する摺動支持部61と、この摺動支持部61の外周に膨出部63を形成している。そして、膨出部63の最も突出した位置の上部には、上方から摺動支持部61に向けて潤滑油が流れ込むように、径方向に切欠き溝67を形成している。なお、フランジ部60に囲まれていない右側位置には、前述した差動装置6のドライブ軸20aが貫通するドライブ軸用貫通部65が形成されている。
【0037】
そして、フランジ部60で囲まれた位置には、上部フランジ部60aから下側に延在する第5内壁部62と、この第5内壁部62の下端部との間に所定の隙間64を設けて左側フランジ60bに沿って下側に延在する第6内壁部66と、この第6内壁部66の下端部との間に所定の隙間68を設けて右側フランジ60bに接続する第7内壁部70と、右側フランジ60bから第5内壁部62の下端部に向けて途中まで延在し、第5内壁部62との間に切欠き72を設けた第8内壁部74と、上部フランジ60aから第8内壁部74に向けて途中まで延在し、第8内壁部74との間に切欠き76を設けた第9内壁部78と、右側フランジ60bから第6内壁部66に接続する第10内壁部80とを形成しており、これら第5〜第10内壁部62〜80の高さはフランジ部60と同一高さに設定している。
【0038】
これにより、切欠き76を介して互いに通じる第5及び第6凹空間82、84と、切欠き72を介して第6凹空間84と下側で通じる第7凹空間86と、第7凹空間86の下側に位置する第8凹空間88が画成されている。
【0039】
ここで、第7凹空間86の上部には、リアケース30の表裏(表側はサイドカバー26と接続する側であり、裏側はフロントケース28と接続する側)に連通する第1連通孔110を形成している。また、第8凹空間88にも、リアケース30の表裏に連通する第2連通孔112を形成している。そして、第1連通孔110の孔(孔径:D)は、第2連通孔112の孔(孔径:D)より大きい孔に設定されている(D>D)。
【0040】
また、このリアケース30には、摺動支持部61の上方の位置に、リアケース30の表裏に連通するオイルガータ孔90を形成しており、このオイルガータ孔90のフロントケース28と接続する側(図4の裏側)に、後述するオイルガータ92が接続している。
【0041】
また、図5はリアケース30のフロントケース28と接続する側を示すものであり、外周全域にフランジ部114を形成し、このフランジ部114の右側上部に沿って延在する第11内壁部116を形成して凹空間を画成している。そして、この凹空間に、前述した第1及び第2連通孔110、112が開口している。また、第11内壁部116とフランジ部114の右側上部との間に、第11内壁部116より高さの低い第12内壁部118を形成している。
【0042】
そして、オイルガータ92と一体化した閉塞プレート120を、前記凹空間の上部に配設している。すなわち、オイルガータ92は、図6に示すように、ケーシング8内の上部を飛散する潤滑油を受ける樋部92aと、樋部92aに溜まった潤滑油が流れ出る略円筒形状の吹き出し口92bとを備えた部材であり、樋部92aの端部に固定した接続部材92cを閉塞プレート120の一部に重ねた状態で固定している。そして、吹き出し口92bをオイルガータ孔90に内嵌し、接続部材92cと閉塞プレート120の重なった部分を第11内壁部116にボルト92dを介して固定することにより、閉塞プレート120が第11内壁部116及びフランジ部114の上面に当接して前記凹空間を閉塞する。
【0043】
なお、図5の符号Fで示す一点鎖線の円は、差動装置6のファイナルギヤ22の外周径を示しており、ファイナルギヤ22が回転する際にケーシング8内に封入した潤滑油を掻き上げると、掻き上げた潤滑油の一部が、オイルガータ92の樋部92a内に流れ込むようになっている。
【0044】
次に、図8に示すものは、サイドカバー26及びリアケース30の接続上部を示すものである。なお、この図ではサイドカバー26の構成部を斜線で示している。
【0045】
サイドカバー26及びリアケース30のフランジ部32、60どうしが当接すると、第1内壁部40に第5及び第6内壁部62、66が当接し、第2内壁部42に第8内壁部74が当接し、第4内壁部46に第9内壁部78が当接し、これら当接した内壁部の内部に第1エアブリーザ室100が形成される。
【0046】
この第1エアブリーザ室100は、第1及び第6凹空間48、84で画成した内部空間100aが大気連通孔34を介して大気と連通し、第1及び第5凹空間50、82で画成した内部空間100bが、前記内部空間100aと連通し、第7凹空間86で画成した内部空間100cと連通する。また、内部空間100cは、第3内壁部44によって上下方向に仕切られている。また、第8凹空間88により画成され、隙間68を介してケーシング8内部と連通する内部空間100dは、第10内壁部80に上下方向に仕切られながら内部空間100cと連通している。
【0047】
また、図8は、図7のA−B矢視断面を示すものであるが、リアケース30のフロントケース28と接続する側には、第11内壁部116、フランジ部114の右側上部及び閉塞プレート120により内部空間として画成され、第1及び第2連通孔110、112を介して第1エアブリーザ室110と連通する第2エアブリーザ室120が形成されている。ここで、第1連通孔110は、第1エアブリーザ室100の内部空間100cと連通している。また、第2連通孔112は、第1エアブリーザ室100の内部空間100dと連通している。
【0048】
次に、上述した電気自動車用パワートレーンの作用について記載する。
電気自動車の運転を開始すると、三相誘導モータ2のモータ軸の回転が入力軸10を介して遊星歯車減速機4に伝達され、この遊星歯車減速機4により減速された回転として出力軸12に伝達される。そして、出力軸12の回転は、アウトプットギヤ16及びファイナルギヤ22を介して差動装置6に伝達され、左右のドライブ軸20a、20bを介して左右の車輪に駆動力として伝達される。また、出力軸12の端部に連結しているオイルポンプ24は出力軸12の回転により駆動し、昇圧した潤滑油を油路12a、分岐油路12b、12c…を介して潤滑すべき箇所へ供給していく。
【0049】
ここで、本実施形態では、出力軸12の軸線近くまで多量の潤滑油が封入されているので、電気自動車が停止してオイルポンプ24が駆動しなくても、潤滑すべき部位のほとんどに潤滑油が行き渡るようになっている。
【0050】
そして、電気自動車が低速で走行する場合には、出力軸12の回転が低速なのでオイルポンプ24の能力はまだ不十分であるが、本実施形態では、図5で示したように、ファイナルギヤ22が回転すると、ケーシング8内の潤滑油が上方に掻き上げられてオイルガータ92の樋部92a内に流れ込んでいき、樋部92a内に流れ込んだ潤滑油がリアケース30のオイルガータ孔90に内嵌した吹き出し口92bから下方に流れ落ちていく。そして、図7に示すように、下方に流れ落ちた潤滑油は、膨出部63に形成した切欠き溝67を通過して摺動支持部61に向けて順次流れていく。このように、ケーシング8内で回転するファイナルギヤ22により掻き上げられた潤滑油が、オイルガータ92の樋部92aに流れ込み、このオイルガータ92の吹き出し口92bから流れ落ちる潤滑油が摺動支持部61に供給されるので、オイルポンプ24の能力が低下していても必要最小限の潤滑を行うことができる。
【0051】
また、電気自動車が高速で走行すると、ケーシング8内のギヤ、ベアリング等を潤滑した潤滑油が勢いよく径方向外方に飛散するので、下部開口部(隙間68)から第1エアブリーザ室100内に多量の潤滑油が入り込んでくる。そして、第1エアブリーザ室100に入り込んだ潤滑油は、先ず下側の内部空間100dに溜まり、次いで上部の内部空間100cに溜まり、さらに上部の内部空間100b、100aに溜まっていこうとする。
【0052】
ところが、本実施形態の第1エアブリーザ室100は、内部空間100cと連通する第1連通孔110を形成しており、内部空間100cに溜まろうとする潤滑油は第1連通孔110から抜け出るので、大気連通孔34を介して大気と連通している内部空間100aには潤滑油が溜まらない。したがって、潤滑油が大気連通孔34からケーシング8の外部に流れ出るのを防止することができる。
【0053】
一方、前述したように、ケーシング8内の潤滑油は出力軸12の軸線近くまで多量封入されているので、ファイナルギヤ22等が高速回転するときには潤滑油の攪拌抵抗が増大してしまい、エネルギーロスが大きくなるおそれがある。
【0054】
ところが、本実施形態では、前述した第1連通孔110と、この第1連通孔110より下方に形成した小さな孔径の第2連通孔112とが第2エアブリーザ室122に連通しており、高速走行時に第1エアブリーザ室100内に入り込んだ潤滑油は、第1連通孔110から第2エアブリーザ室122内に流れ込んでいき、この第2エアブリーザ室122内で一時的に溜まった後、小さな孔径の第2連通孔112から少量ずつ室外に戻されるようになっている。このように、第2エアブリーザ室122内に潤滑油が溜まるので、ファイナルギヤ22の周囲の潤滑油量が減少する。したがって、ファイナルギヤ22が攪拌する油量が少なく攪拌抵抗が減少するので、エネルギーロスを小さくすることができる。
【0055】
また、本実施形態では、第11内壁部116とフランジ部114とで画成した凹空間を、オイルガータ92と一体化した閉塞プレート120で閉塞することにより、容易且つ簡便に第2エアブリーザ室122を形成することができるので、製造コストの低減化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気自動車用パワートレーンの平面視断面を示す図である。
【図2】電気自動車用パワートレーンの側面視断面を示す図である。
【図3】本発明に係るサイドカバーの内部構造を示す図である。
【図4】本発明に係わるリアケースのサイドケースと接続する側の内部構造を示す図である。
【図5】本発明に係わるリアケースのフロントケースと接続する側の内部構造を示す図である。
【図6】本発明に係わるオイガータを示す図である。
【図7】サイドケースとリアケースとの接続部の一部を示す図である。
【図8】図7におけるA−B線矢視断面図である。
【符号の説明】
2 三相誘導モータ(動力源、電動モータ)
4 遊星歯車減速機(変速機構)
6 差動装置
8 ケーシング
22 ファイナルギヤ(大径の駆動ギヤ)
26 サイドカバー(第1ケース)
28 フロントケース
30 リアケース(第2ケース)
32、60 フランジ部
34 大気連通孔
61 摺動支持部
68 隙間(下部開口部)
92 オイルガータ
92a 樋部
92b 吹き出し口(流出口)
100 第1エアブリーザ室
100a 内部空間(上側空間)
100c 内部空間(下側空間)
100d 内部空間(下側空間)
110 第1連通孔
112 第2連通孔
122 第2エアブリーザ室

Claims (5)

  1. 潤滑油を封入したケーシングに変速機構を内蔵し、前記ケーシングの上部に大気連通孔を形成し、前記ケーシング内の上部に内壁部を形成してこの内壁部の内部空間が前記大気連通孔を介して大気と連通するように第1エアブリーザ室を設けるとともに、この第1エアブリーザ室の水平方向の隣に隔壁を介して第2エアブリーザ室を設けた構造とし、前記第1エアブリーザ室を、内壁部により上下に仕切ることで互いに連通した上側空間と下側空間とに区画し、前記上側空間に前記大気連通孔を形成し、前記下側空間に前記ケーシング内部と連通する下部開口部を形成するとともに、前記第2エアブリーザ室内と前記下側空間の上側とを連通する第1連通孔を前記隔壁に形成し、前記第1連通孔より下方の位置に、前記第2エアブリーザ室内と前記ケーシング内部とを連通する第2連通孔を形成したことを特徴とする車両用パワートレーンのエアブリーザ構造。
  2. 前記第2連通孔を、前記第1連通孔より小さな孔径に設定したことを特徴とする請求項1記載の車両用パワートレーンのエアブリーザ構造。
  3. 前記ケーシングを、開口部の周縁にフランジ部を形成し、そのフランジ部の内側に内壁部を形成した第1ケースと、表裏両側の開口部の周縁にそれぞれフランジ部を形成し、それらフランジ部の内側に内壁部を形成し、且つ表裏に連通する前記第1連通孔を形成した第2ケースとで構成し、前記第1ケースと前記第2ケースの表側のフランジ部どうしを接続すると、前記第1ケースの内壁部と前記第2ケースの内壁部とが接合して前記第1エアブリーザ室を形成するとともに、前記第2ケースの裏側に形成した内壁部の開口縁部に閉塞プレートを接続することにより前記第2エアブリーザ室を形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の車両用パワートレーンのエアブリーザ構造。
  4. 前記閉塞プレートに、前記ケーシング内の上部に飛散した潤滑油を集めるオイルガータを、予め一体接合しておくことを特徴とする請求項3記載の車両用パワートレーンのエアブリーザ構造。
  5. 前記駆動源を、電動モータにより構成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の車両用パワートレーンのエアブリーザ構造。
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