JP3590681B2 - X線吸収微細構造分析方法およびその装置 - Google Patents

X線吸収微細構造分析方法およびその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、X線吸収微細構造分析方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5に示す如く物質MにX線を照射すると、X線は物質Mを通り抜けるとともに一部が吸収されるため、透過したX線の強度Iは照射X線の強度I よりも弱くなる。照射するX線のエネルギを変化させながら、その吸収の度合を精密に観察していくと、その物質特有のエネルギ領域で図6に示すような不連続な変化がみられる。このように吸収の度合が不連続に変化する点L,L,L,K 等を吸収端(Absorption Edge)と呼び、この点をさらに拡大 ln(I/I)すると、図7に示すように吸収端Kよりも高エネルギ側で微細な振幅Nが観察される。
【0003】
この現象を考察すると、物質にとって一定以上のエネルギのX線を照射したとき、原子が励起されて電子をランダムに放出する。もし、この原子のまわりに何もなければ、吸収の度合いも連続的なものとなるはずである。ところが周囲に別の原子が存在する場合、放出された電子がそれらの周囲原子に衝突して散乱現象が生じ、一部の電子は元に戻っていく。この散乱現象が、上述した吸収端よりも高エネルギ側における微細な振幅に大きく影響しているものと考えられている。そして、この微細な振幅を解析して、逆にX線を吸収した原子の周囲原子に関する情報を分析する手法を、一般にX線吸収微細構造分析(Extended X−Ray Absorption Fine Structure:EXAFS)と呼んでいる。
【0004】
このX線吸収微細構造分析によれば、X線を吸収した原子から周囲原子までの距離や、周囲原子の数,種類などを分析することができ、しかも単結晶に限らず、多結晶,非晶質など各種の試料形態での分析が可能となる。
【0005】
さて、従来のX線吸収微細構造分析は、モノクロメータを用いたいわゆる角度走査型の分析方法と、平板結晶を用いたいわゆる角度分散型の分析方法とが知られており、特にこの発明は後者の分析方法を改良したものである。そこで、従来の角度分散型のX線吸収微細構造分析方法についてその概要を説明すると、まず光源から放射状に発射したX線を所定の角度範囲から平板結晶の任意の格子面群(ミラー指数:h,k,l)に照射する。
そうすると、平板結晶からはX線の入射角度θに応じて次の数1に示すブラッグの公式(Bragg’s formura)のとおりの波長λをもった回折X線が出力される。なお、同式におけるdは、X線を反射または屈折させる各格子面(同一ミラー指数)の間隔である。
【0006】
【数1】
Figure 0003590681
【0007】
ここで、図4に示すように平板結晶1へ入射する照射X線aは放射状に広がっているため、同X線aの入射角度は一端から他端にかけて連続的に変化(θ〜θ)しており、したがって平板結晶1から出力される回折X線bの波長も、一端から他端にかけて連続的に変化(λ〜λ)したものとなる。そして、回折X線bの波長λとエネルギEとは数2に示す関係にあるため、平板結晶1からは波長の変化(λ〜λ)に対応した一定のエネルギ領域をもつ回折X線bが出力されることになる。
【0008】
【数2】
Figure 0003590681
【0009】
この回折X線bの強度(入射X線強度I)を検出器4で検出し、次いで照射X線a乃至回折X線bの光路上に試料を配置して、試料を透過してきたX線の強度(透過X線強度I)を検出器4で検出することにより、試料のX線吸収度合が求まる。そして、試料に特有のエネルギ領域に現われた吸収端より高エネルギ側に観察される微細な振幅を解析して、試料の構造分析を行なうことができる。
このような従来のX線吸収微細構造分析方法は、平板結晶から出力された回折X線が、上記のとおり一定のエネルギ領域を有しているので、そのエネルギ領域を一括して測定することができるという特徴を有していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、吸収端およびその高エネルギ側に観察される微細な振幅の現われるエネルギ領域は物質によって異なり、上記従来のX線吸収微細構造分析方法では、各種物質について一枚の平板結晶でそのエネルギ領域をカバーすることができなかった。したがって、複数種類の平板結晶を用意するとともに、測定対象となる物質の種類に応じて適宜平板結晶を交換する必要があり、作業性が悪いという課題を有していた。
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、一枚の平板結晶によってX線のエネルギ領域を広範囲にカバーできるようにして、測定作業の容易化を図ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためにこの発明は、放射状に広がるX線を所定の角度範囲で平板結晶に照射することにより、その照射角度に対応してエネルギが連続的に変化する回折X線を該平板結晶から出力させ、この回折X線の強度を検出するとともに、上記X線乃至回折X線の光路上に試料を配置して該試料を透過したX線の強度を前記結晶平板の後段側で検出し、これらの検出結果に基づいて試料のX線吸収微細構造を分析するX線吸収微細構造分析方法において、平板結晶を、X線の照射面と直交する軸を中心に任意の角度回転させることにより、出力する回折X線のエネルギ領域を可変させるようにしたことを特徴としている。
【0012】
上記発明方法のように平板結晶を任意の角度回転させることにより、X線が入射する格子面群を変えることができる。前述したブラッグの公式(数1)における格子面間隔dは、平板結晶内の格子面群によってそれぞれ異なっているため、このようにX線の入射する格子面群を変えることによって、出力される回折X線の波長λも変化させることができる。その結果、一枚の平板結晶によって回折X線のエネルギ領域を変えてX線吸収微細構造分析を行なうことができる。
【0013】
また、この発明のX線吸収微細構造分析装置は、放射状に広がるX線を出力するX線源と、このX線源から出射したX線を所定の角度範囲で入射して回折X線を出力する平板結晶と、この平板結晶をX線の照射面と直交する軸を中心に回転させる回転手段と、上記平板結晶から出力された回折X線の光路上に配設したX線検出手段と、上記X線乃至回折X線の光路上に試料を配置するための試料台とを備えたことを特徴としている。
【0014】
X線吸収微細構造分析装置によれば、回転手段によって平板結晶を回転させるだけで、平板結晶から出力される回折X線のエネルギ領域を可変することができ、上述のX線吸収微細構造分析方法を簡易に実施することができるとともに、平板結晶を何種類も用意する必要がなくなり、設備コストの低減を図ることができる。
なお、X線検出手段をイメージングプレートとすることにより、ダイナミックレンジが広くなり、微弱なX線も高精度に検出することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1の(a)はこの発明の第1実施形態に係るX線吸収微細構造分析装置の構成を示す模式図である。この発明のX線吸収微細構造分析装置は、先に略説した角度分散型のX線吸収微細構造分析装置を改良したものであり、図1の(a)に示す第1実施形態は、反射式の平板結晶1を備えた構成となっている。
【0016】
X線源2は、例えば回転対陰極型のX線発生装置を用いており、電子の衝突によって回転対陰極の表面から放射状に発射されるX線を、スリット3によって任意の幅に制限して平板結晶1へと照射する。X線吸収微細構造分析ではX線の吸収度合に現われる微細な振幅の分析を要求されるので、その振幅を一層明瞭化するために、X線源2は強力なX線を発生する構造のものであることが好ましい。
【0017】
平板結晶1は、X線源2から発射されたX線の光路上に配設してある。この平板結晶1はX線を反射する単結晶材料で形成し、X線の照射面(表面)に対する各格子面の方位をあらかじめ測定しておくことが好ましい。平板結晶1の照射面は、X線源2からのX線aの光路に対し所定角度の傾きをつけて配置し、X線aが所定の角度範囲で入射するようにしてある。
【0018】
平板結晶1は、回転駆動装置(回転手段)に装着され、X線の照射面と直交する軸oを中心に任意の角度回転できるようになっている。回転駆動装置は、平板状の部材を回転させる各種の周知構造を応用して形成することができる。図3は、回転駆動装置の一例を示す側面図である。同図に示す回転駆動装置は、軸受11で回転自在に支持されたホルダ12の前端面に、円板状の平板結晶1を装着し、駆動モータ13によってホルダ12とともに平板結晶1を回転駆動する構成となっている。駆動モータ13からの駆動力をホルダ12に伝える機構としては、同図に示した歯車機構14の他、ベルト伝導機構など公知の各種機構を採用できることは勿論である。
【0019】
X線aを所定の角度範囲で入射した平板結晶1からは、回折X線bが出力される。この回折X線bの光路上にX線検出器4が設けてある。X線検出器4は、写真フィルムや位置敏感形比例計数管(PSPC)等を採用することもできるが、好ましくはイメージングプレート(IP)を採用した方がよい。
イメージングプレートは、輝尽性蛍光体の微結晶を表面に高密度充填塗布した柔軟性のあるフィルムである。X線がイメージングプレートに入射すると、輝尽性蛍光体中にそのX線エネルギが蓄積され、その後、励起光の照射によってX線エネルギの蓄積部分から蛍光が発せられる。この蛍光を光電子増倍管により増幅して検出することにより、X線強度の測定が行なえる。
【0020】
このイメージングプレートは、感度が高くしかもダイナミックレンジが広いため、微弱なX線も高精度に検出することができ、吸収端の高エネルギ側に現われる微細な振幅を検出するには好適なX線検出器である。また、露光/読み取り後、露光されたデータを消去し、再利用することが簡単に行なえるため、写真フィルムよりも取り扱いが易しいという利点がある。
【0021】
図1の(a)に示したX線吸収微細構造分析装置では、平板結晶1とX線検出器4との間の任意の位置に、試料台(図示せず)が設置してある。この試料台は、平板結晶1から出力される回折X線bの光路上でかつX線検出器4の手前位置に、試料Sを配置できるように位置決めしてある。
【0022】
次に、上述した構成の第1実施形態に係る装置を用いたX線吸収微細構造分析方法について説明する。
X線源2から発生した放射状に広がるX線aを、スリット3により一定の幅に制限して平板結晶1に照射する。ここで、平板結晶1の照射面に対するX線aの照射角度範囲は、平板結晶1内の所定の格子面群における反射によって、ピーク強度の回折X線bが出力される所定の角度に設定してある。
【0023】
X線aの照射によって平板結晶1からは回折X線bが出力される。このとき平板結晶1へ入射するX線aは放射状に広がっているため、同X線aの入射角度は一端から他端にかけて連続的に変化(θ〜θ)しており(図4参照)、したがって平板結晶1から出力される回折X線bの波長も、一端から他端にかけて連続的に変化(λ〜λ)したものとなる。そして、回折X線bの波長λとエネルギEとは前述した数2に示す関係にあるため、平板結晶1からは波長の変化(λ〜λ)に対応した一定のエネルギ領域をもつ回折X線bが出力されることになる。
【0024】
まず、この回折X線bの強度を測定するため、試料台には試料Sを装着せず、同回折X線bをそのままX線検出器4に入射させる。これによって、回折X線bの強度I(入射X線強度に相当)を検出する。次いで、試料Sを試料台に装着し、平板結晶1からの回折X線bを試料Sに照射して、同試料Sを透過してきたX線cの強度I(透過X線強度に相当)をX線検出器4によって測定する。これらのX線強度I,Iに基づいて試料SのX線吸収の度合を回折X線bのエネルギ領域に沿って検出し、図6,図7に示すようないずれかの吸収端L,L,L,Kおよびその高エネルギ領域に現われる振幅Nを求めるとともに、この振幅Nを解析して試料Sの原子構造等を分析する。
【0025】
測定対象となる試料Sに応じて吸収端の現われるエネルギ領域が変化した場合には、そのエネルギ領域をカバーできる回折X線bを出力する平板結晶1内の格子面群を捜し、該格子面群を入射X線aの反射面とすべく結晶方位を調整する。この調整は、回転駆動装置により平板結晶1を、X線の照射面と直交する軸oを中心に任意の角度回転させることによって行なう。
入射X線aの反射する格子面群が変わった場合、前述したブラッグの公式(数1)における格子面間隔dが変わるため、同式で導かれる回折X線の波長λも変わることになり、その結果、測定に好適なエネルギ領域の回折X線bを同一の平板結晶1によって出力することが可能となる。
【0026】
図1の(b)は、上述した第1実施形態に係るX線吸収微細構造分析装置の変形例を示している。すなわち、図1の(b)に示したX線吸収微細構造分析装置では、スリット3と平板結晶1との間の任意の位置に、試料台(図示せず)が設置してある。この試料台は、X線源2から出力され、スリット3を通過したX線aの光路上に、試料Sを配置できるように位置決めしてある。なお、試料Sを配置する位置以外の構成は、上述した第1実施形態に係るX線吸収微細構造分析装置と同じであるため、その詳細な説明は省略する。。
【0027】
このような構造の場合、回折X線bの強度I(入射X線強度に相当)を測定した後、試料Sを試料台に装着し、X線源2から発生したX線aを、スリット3により一定の幅に制限して試料Sに照射し、同試料Sを透過してきたX線dを平板結晶1に照射して回折X線eを出力させ、この回折X線eの強度I(透過X線強度に相当)をX線検出器4によって測定する。
これらのX線強度I,Iに基づいて試料SのX線吸収の度合を回折X線のエネルギ領域に沿って検出し、図6,図7に示すようないずれかの吸収端L,L,L,Kおよびその高エネルギ領域に現われる振幅Nを求めるとともに、この振幅Nを解析して試料Sの原子構造等を分析する。
【0028】
次に、図2を参照して、この発明の第2実施形態に係るX線吸収微細構造分析装置の構成説明する。
図1の(a)に示した第1実施形態のX線吸収微細構造分析装置と異なるのは、透過式の平板結晶1を備えた構成となっている点であり、その他の構成については第1実施形態のX線吸収微細構造分析装置と略同じであるので、その部分の詳細な説明は省略する。
【0029】
図2に示した第2実施形態に係るX線吸収微細構造分析装置は、X線源2から発射されたX線aの光路上に、X線を透過する形態の単結晶材料で形成した透過式平板結晶1を配設してある。この平板結晶1についても、X線の照射面(表面)に対する各格子面の方位をあらかじめ測定しておくことが好ましい。そして、平板結晶1の照射面は、X線源2からのX線aの光路に対し所定角度の傾きをつけて配置し、X線aが所定の角度範囲で入射するようにしてある。
【0030】
平板結晶1は、第1実施形態と同様、回転駆動装置(回転手段)に装着され、X線の照射面と直交する軸oを中心に任意の角度回転できるようになっている。回転駆動装置は、平板状の部材を回転させる各種の周知構造を応用して形成することができるが、平板結晶1を透過してきた回折X線bの光路を妨げない構造にすることが必要である。例えば、図3に示した如き構成の回転駆動装置を用いる場合、ホルダ12を中空の円筒形状とし、該ホルダ12の中空部を回折X線bが通りぬける構成とすればよい。なお、回折X線bの光路上には、散乱X線をカットするためのスリット5が設けてある。
【0031】
試料台(図示せず)は、平板結晶1とX線検出器4との間の任意の位置に設置するが、好ましくは平板結晶1から出力された回折X線bの焦点部分に試料Sを配置できるように位置決めする方がよい。
【0032】
次に、上述した構成の第2実施形態に係る装置を用いたX線吸収微細構造分析方法について説明する。
X線源2から発生した放射状に広がるX線aを、スリット3により一定の幅に制限して平板結晶1に照射する。ここで、平板結晶1の照射面に対するX線aの照射角度範囲は、平板結晶1内の所定の格子面群における反射によって、ピーク強度の回折X線bが出力される所定の角度に設定してあるのは、第1実施形態の方法と同様である。
X線aの照射によって平板結晶1の背面側に回折X線bが出力される。このとき平板結晶1へ照射したX線aは放射状に広がっているため、第1実施形態の方法と同じ原理で、平板結晶1からは一定のエネルギ領域をもつ回折X線bが出力されることになる。
【0033】
まず、この回折X線bの強度を測定するため、試料台には試料Sを装着せず、同回折X線bをそのままX線検出器4に入射させる。これによって、回折X線bの強度I(入射X線強度に相当)を検出する。次いで、試料Sを試料台に装着し、平板結晶1からの回折X線bを試料Sに照射して、同試料Sを透過してきたX線cの強度I(透過X線強度に相当)をX線検出器4によって測定する。これらのX線強度I,Iに基づいて試料SのX線吸収の度合を回折X線bのエネルギ領域に沿って検出し、図6,図7に示すようないずれかの吸収端L,L,L,Kおよびその高エネルギ領域に現われる振幅Nを求めるとともに、この振幅Nを解析して試料Sの原子構造等を分析する。
【0034】
測定対象となる試料に応じて吸収端の現われるエネルギ領域が変化した場合には、そのエネルギ領域をカバーできる回折X線を出力する平板結晶1内の格子面群を捜し、該格子面群を入射X線aの反射面とすべく結晶方位を調整する。この調整は、回転駆動装置により平板結晶1を、X線の照射面と直交する軸oを中心に任意の角度回転させることによって行なう。
入射X線の反射する格子面群が変わった場合、前述したブラッグの公式(数1)における格子面間隔dが変わるため、同式で導かれる回折X線の波長λも変わることになり、その結果、測定に好適なエネルギ領域の回折X線bを同一の平板結晶1によって出力することが可能となる。
【0035】
なお、この発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、図1,図2に示した構成は、この発明装置における必須の構成要件を説明するため模式的に示した図であり、現実の実施にあたっては、必要に応じて各種の周辺機器や付属部材を装備することになることは勿論である。
また、この発明は1枚の結晶平板によってX線のエネルギ領域を広範囲にカバーできるようにしたものであるが、実施に際して使用できる結晶平板を1枚に限定するものではなく、必要に応じ結晶平板を交換してもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明のX線吸収微細構造分析方法によれば、一枚の平板結晶によってX線のエネルギ領域を広範囲にカバーでき、測定作業の容易化を図ることができる。
さらに、この発明のX線吸収微細構造分析装置によれば、X線吸収微細構造分析方法を簡易に実施することができるとともに、平板結晶を何種類も用意する必要がなくなり、設備コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】同図(a)この発明の第1実施形態に係るX線吸収微細構造分析装置の構成を示す模式図、同図(b)は第1実施形態に係るX線吸収微細構造分析装置の変形例を示す模式図である。
【図2】この発明の第2実施形態に係るX線吸収微細構造分析装置の構成を示す模式図である。
【図3】回転駆動装置の一例を示す側面図である。
【図4】平板結晶に対するX線の入射角度と回折X線の波長との関係を説明するための図である。
【図5】物質に対するX線の透過現象を模式的に示す図である。
【図6】物質のX線吸収度合とX線エネルギとの関係を示す図である。
【図7】図6におけるK吸収端とその高エネルギ側に現われる振幅現象を示す図である。
【符号の説明】
1:平板結晶 2:X線源
3:スリット 4:X線検出器
5:スリット

Claims (3)

  1. 放射状に広がるX線を所定の角度範囲で結晶平板に照射することにより、その照射角度に対応してエネルギが連続的に変化する回折X線を該結晶平板から出力させ、この回折X線の強度を検出するとともに、前記X線乃至回折X線の光路上に試料を配置して該試料を透過したX線の強度を前記結晶平板の後段側で検出し、これらの検出結果に基づいて試料のX線吸収微細構造を分析する方法において、
    前記平板結晶を、X線の照射面と直交する軸を中心に任意の角度回転させて入射X線を反射する格子面群を変えることにより、出力する回折X線のエネルギ領域を可変させるようにしたことを特徴とするX線吸収微細構造分析方法。
  2. 放射状に広がるX線を出力するX線源と、このX線源から出射したX線を所定の角度範囲で入射して回折X線を出力する平板結晶と、この平板結晶をX線の照射面と直交する軸を中心に回転させて入射X線を反射する格子面群を変える回転手段と、前記平板結晶から出力された回折X線の光路上に配設したX線検出手段と、前記X線乃至回折X線の光路上に試料を配置するための試料台とを備えたことを特徴とするX線吸収微細構造分析装置。
  3. 請求項2記載のX線吸収微細構造分析装置において、
    前記X線検出手段をイメージングプレートとしたことを特徴とするX線吸収微細構造分析装置。
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