JP3589543B2 - 葉書用紙 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、低密度で剛直度と平滑性の優れた葉書用紙に関する。
さらに詳しくは、葉書用紙を機械に供給する際の作業性や機械内での走行性と共に、平滑性のような印刷や印字に関連した品質特性の優れた葉書用紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常、紙の規格は坪量(g/m2)で規定されているが、葉書用紙の特性としては、厚さの方が重要視されることが多い。印刷機や郵便関連機器類の自動化に伴って、機械に葉書用紙を供給する際の作業性や機械内での走行性の向上が求められている。そのような場合には、十分な剛直度が必要なこともあり機械や装置に合った厚さの紙を供給することが先ず求められる。
その際、当然のことではあるが、平滑性のような本来の印刷や印字に関連した品質特性は、変化しないかむしろ向上させることが期待される。
【0003】
前記の葉書用紙の厚さに対する要求を満たすため、叩解の程度を減少させたり、プレスの線圧を軽くするなどの技術的対応が先ずとられる。
しかし、それに伴ってプレスロール汚れの発生、平滑性の低下、剛直度の低下などが生じるため、対策には限界があった。やむを得ず規格以上の坪量で紙を製造することも行われてきたが、資源の無駄使いであるのみでなく、重量が葉書の規格外になるなど問題があった。
【0004】
一方、紙の製造方法を改良して、積極的に低密度な紙を製造することも試みられている。それらには、特開昭59−43199号公報に開示されているように湿潤時に圧縮処理して潰した繊維を含有させる方法、特開昭51−132822号公報に開示されているような発泡性の微小球状体をパルプに添加する方法、特公昭55−47385号公報、特開昭58−24000号公報、特開昭58−197400号公報などに開示されているような、軽度に叩解したパルプと叩解を進めたパルプを混合使用する方法等がある。
【0005】
本発明者らは、剛直度と平滑性の優れた葉書用紙を製造するために種々の方法を検討した。その結果、圧縮処理して潰した繊維を含有させる方法や、発泡性の微小球状体を紙に含有させる方法では、低密度な葉書用紙は得られるものの、十分な剛直度と平滑性を有する葉書用紙は得られないことが判った。
また、軽度に叩解したパルプと叩解を進めたパルプを混合使用する公知の方法も、剛直で平滑性の優れた葉書用紙を製造するには不十分であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる課題の解決を目的としてなされたものである。
すなわち、低密度で剛直度と平滑性の優れた葉書用紙を提供することである。さらに詳しくは、葉書用紙を供給する際の作業性や機械内での走行性と共に、平滑性のような本来の用途の印刷や印字に関連した品質特性の優れた葉書用紙を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、種々の方法について検討を試みた結果、以下の発明に到達した。
【0008】
すなわち、本発明は、パルプとしてα−セルロース含有率が80重量%以上、90重量%以下、かつ200メッシュ通過微細物含有量が10重量%以下のサトウキビパルプを構成成分として含んでなる葉書用紙である。
【0009】
また、前記の発明において、サトウキビパルプ(A)と木材パルプ(B)の重量比(A/B)が2/8〜9/1の範囲にある葉書用紙である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の葉書用紙について詳細に説明する。
【0011】
本発明では、パルプとしてα−セルロース含有率が80重量%以上、90重量%以下、かつ、200メッシュ通過微細物含有量が10重量%以下のサトウキビパルプを使用することにより、目的とした剛直で平滑な葉書用紙が得られることを見い出した。またこの方法が、製紙工程の大幅な変更を伴わずに実施できる点、及び木材資源の保護につながる点からも好ましいことが明らかになった。
【0012】
更に、木材パルプとの混合比率を詳細な実験により最適化した結果、サトウキビパルプ(A)と木材パルプ(B)の重量比(A/B)が2/8〜9/1の範囲にある場合に、低密度で、剛直度と平滑性の優れた葉書用紙が得られることが明らかとなった。
【0013】
本発明のサトウキビパルプを得る方法を以下に例示する。
一つは、特公昭49−42528号公報に開示されているような分離システムを用いて、サトウキビの幹から細片化することなく分離した外皮(rind ラインド)を、化学パルプ化することにより得られるパルプである。
繊維に損傷を与えることなく、最外部のワックスを多く含む層と幹中心部のピス(pith,髄)を除去した外皮(ラインド)を原料としてパルプ化することにより、200メッシュ通過微細物含有量が10重量%以下のサトウキビパルプを得ることが出来、パルプ、漂白等の条件を調節することにより、α−セルロース含有率を80重量%以上、90重量%以下とすることが出来る。
【0014】
他の方法としては、通常のサトウキビの絞り粕(脱ピスバガス bagasse)を原料とし、パルプ化、漂白条件等の調節により得られる。作られたα−セルロース含有率が80重量%以上、90重量%以下の化学パルプから、微細繊維をスクリーン等で除去することにより、200メッシュ通過微細物含有量を10重量%以下とする方法等がある。
【0015】
本発明におけるα−セルロース含有率は、JIS P8101に準拠して測定した値であり、80重量%未満の場合には、十分な低密度化と剛直度が得られず、90重量%を超えると平滑性が不十分になるため、好ましくない。
【0016】
本発明の200メッシュ通過微細物含有量は、JIS P8207に準拠して測定した値であり、この値が10重量%を超えるパルプを使用した場合は、十分な低密度化が図れず、剛直度も得られなかった。
【0017】
本発明におけるサトウキビパルプ(A)と木材パルプ(B)の重量比(A/B)は2/8〜9/1が好ましい。重量比(A/B)が2/8未満の場合には、低密度化の程度や剛直度の改良効果が若干劣る。また9/1を超えると満足の行く平滑性が得られない。
【0018】
本発明の葉書用紙には、通常抄紙で用いられる、染料、填料、サイズ剤、定着剤、乾燥紙力増強剤などを必要に応じて含有するものである。さらに、紙表面にサイズプレス等により、澱粉やポリビニルアルコールなどを塗布することも可能である。また、必要に応じて表面に塗工層を設けることも可能である。なお、その際の塗工装置としては、ロールコーター、エアナイフコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ブレードコーターなどが用いられる。
【0019】
本発明による低密度で剛直度と平滑性の優れた葉書用紙は、官製葉書や各種私製葉書の用紙として使用され、良好な機械適性のみでなく、十分な筆記適性と印刷適性を有するものである。
【0020】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により、具体的に説明する。なお本発明は、この実施例によって限定されるものではない。以下における部、%はすべて重量基準によるものである。また、塗工量を示す値は断りのないかぎり乾燥後の重量である。
【0021】
(実施例1)
特公昭49−42528号公報に記載の分離機(ケインセパレーター)によりサトウキビの幹から分離した外皮(ラインド)を、アルカリ添加率を15.0、15,5、16.5%の3水準に変化させ、他の条件は液比6:1、温度160℃、昇温10分、保持時間30分として同一にし、アルカリ蒸解でカッパー価が約20の未晒パルプを得た。漂白は、塩素−アルカリ抽出−二酸化塩素の3段で行った。これらのサトウキビパルプのα−セルロース含有率は80、85、90%と3水準に異っていた。また、200メッシュ通過微細物含有量はいずれのパルプも8.5%であった。
【0022】
それぞれのサトウキビパルプ(A)をリファイナーで、カナダ標準ろ水度380mlまで叩解し、ろ水度400mlまで叩解した広葉樹クラフトパルプ(B)と重量比(A/B)で5/5になるように混合し、3種類の配合のパルプを調製した。
【0023】
次いで、それぞれの配合パルプ100部に対し、軟質炭酸カルシウム(TP121、奥多摩工業社製)を5部、アルキルケテンダイマーサイズ剤(SPK−903、荒川化学社製)を0.1部、両性でんぷん(ケイト3210、王子ナショナル社製)を0.7部添加し、坪量190g/m2の手すき紙を作製した。
ドライヤーで乾燥後の紙は、酸化澱粉の5%水溶液でサイズプレス処理して乾燥後、10kg/cmの条件でマシンカレンダー処理を行った。
これらの葉書用紙を、α−セルロース含有率が小さいものから順に、試料1−2、1−3、および1−4とする。
【0024】
(比較例1)
実施例1において、パルプ化時のアルカリ添加率を14.7及び16.8%にすることにより、α−セルロース含有率を77および93%の2水準に変化させる以外は、すべて同一の方法で紙を得た。これらの葉書用紙を、それぞれ試料1−1、1−5とする。
【0025】
(実施例2)
実施例1で、乾式分離機(ケインセパレーター)の条件を変化させ、ピスを若干残したサトウキビ外皮(ラインド)を原料とし、アルカリ添加率を15.5%とする以外は、全て同一の方法により、200メッシュ通過微細物含有量10%のサトウキビパルプを得、葉書用紙を作製した。
この試料を2−1とする。
【0026】
(比較例2)
実施例2で、200メッシュ通過微細物含有量が12%のサトウキビパルプを用いる以外は全て同一の方法で、葉書用紙を作製した。この試料を試料2−2とする。
【0027】
(比較例3)
サトウキビ外皮の代りに、脱ピスバガス(bagasse 絞りカス)を原料として、実施例2と同一の条件でサトウキビパルプを得、葉書用紙とした。
この試料を試料3とする。このサトウキビパルプのα−セルロース含有率は75%、200メッシュ通過微細物含有量は18%であった。
【0028】
(実施例4)
実施例1において、アルカリ添加率を15.5%とし、サトウキビパルプ(A)と広葉樹クラフトパルプ(B)の重量比(A/B)を1/9、2/8、9/1及び10/0の4水準に変化させる以外は、同一の条件で葉書用紙を作製した。これらの葉書用紙をそれぞれ、試料4−1、4−2、4−3及び4−4とする。
【0029】
以上、全ての試料について、使用したサトウキビパルプのα−セルロース含有率と200メッシュ通過微細物含有量及び葉書用紙について測定した剛直度と平滑度の結果をまとめて表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
なお、表1のα−Celはα−セルロース含有率であり、200Mは200メッシュ通過微細物含有量であり、A/Bはサトウキビパルプ(A)と広葉樹クラフトパルプ(B)の重量比(A/B)を表わす。密度はカレンダー後のシート密度(g/cm3)を表わす。
剛直度はJIS P8125に従って測定した試験片のこわさの値であり、良好な紙の走行性を得るには、葉書用紙の場合、縦方向で30g・cm以上、さらに好ましくは37g・cm以上が必要である。
平滑度は、JIS P8119に準拠し、ベック平滑度試験器により測定した値であり、値(秒)の大きい方が平滑である。葉書用紙として良好な印刷、印字適性を得るには、25以上、さらに好ましくは30以上であることが求められている。
【0032】
表1の、試料1−2〜1−4と試料1−1、1−5及び試料3の比較から、サトウキビパルプのα−セルロース含有率が80重量%以上、90重量%以下の場合に、低密度で良好な平滑性と剛直度を有する葉書用紙が得られることが明らかである。α−セルロース含有率が80未満の場合には、剛直度の優れた葉書用紙が得られず、90を超える場合には、平滑性の優れた葉書用紙は得られていないことが判る。
【0033】
表1の、試料1−3と2−1とを比較することにより、サトウキビパルプの200メッシュ通過微細物含有量が10重量%以下の場合に、良好な平滑性と、剛直度を有する葉書用紙が得られることが判る。
【0034】
表1の試料1−3、試料4−1〜4−4から、サトウキビパルプ(A)と広葉樹クラフトパルプ(B)の重量比(A/B)が2/8〜9/1の場合に、密度、剛直度、平滑度共に最適な値を示して、特に優れた葉書用紙が得られることが明らかである。
【0035】
【発明の効果】
本発明の葉書用紙、すなわちα−セルロース含有率が80重量%以上、90重量%以下、かつ200メッシュ通過微細物含有量が10重量%以下のサトウキビパルプを構成成分として含む葉書用紙は、低密度で、優れた剛直度と平滑性を有すると共に、各種機器での走行性、印刷適性なども良好な葉書用紙であった。
Claims (2)
- α−セルロース含有率が80重量%以上、90重量%以下、かつ200メッシュ通過微細物含有量が10重量%以下のサトウキビパルプを構成成分として含んでなる葉書用紙。
- サトウキビパルプ(A)と、木材パルプ(B)の重量比(A/B)が2/8〜9/1の範囲である請求項1記載の葉書用紙。
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JPH10219586A JPH10219586A (ja) | 1998-08-18 |
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JP02180997A Expired - Fee Related JP3589543B2 (ja) | 1997-02-04 | 1997-02-04 | 葉書用紙 |
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JP (1) | JP3589543B2 (ja) |
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1997
- 1997-02-04 JP JP02180997A patent/JP3589543B2/ja not_active Expired - Fee Related
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